JP2014049231A - 電極製造のための塗布装置、電極製造装置および電極製造方法 - Google Patents

電極製造のための塗布装置、電極製造装置および電極製造方法 Download PDF

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Abstract

【課題】活物質材料および溶剤を含む塗布液を基材の表面に安定して良好に塗布する電極製造のための塗布技術、および当該塗布技術を用いて高品質な電極を製造する。
【解決手段】ステージ20に支持されたシートSの表面に対して活物質材料および溶剤を含む塗布液を塗布する。シートSに対して相対移動しながらシートSを直接加熱する加熱部43と、加熱部43により加熱されたシートSに対して相対移動しながら塗布液をシートSの表面に吐出するノズル42とを備える。
【選択図】図1

Description

この発明は、基材の表面に高アスペクト比の活物質パターンを形成した電極を製造する電極製造技術および電極製造に用いられる塗布装置に関するものである。
例えばリチウムイオン二次電池のような化学電池に用いられる電極を製造するために、種々の電極製造技術が提案されている。例えば特許文献1に記載の技術においては、ロールから巻き出された集電体(金属箔)が複数のローラに掛け渡され、所定方向に搬送される。そして、集電体の搬送中に、特許文献1に記載の電極製造装置は、当該集電体の予備加熱、集電体への電極合剤の塗布および溶剤の乾燥除去を実行する。電極合剤は電極活物質材料、結合剤および溶剤を含んでおり、上記電極製造装置によって集電体の表面に活物質パターンが形成される。また、予備加熱を行うことで集電体と活物質パターンとの接着強度が高められるととともに、活物質パターンのアスペクト比を高めることが可能となっている。
特開2012−33426号公報(例えば、図2)
特許文献1に記載の装置では、複数のローラのうち1つがバックアップローラとして機能している。このバックアップローラは所定の表面温度(100〜160℃)を有するように全体的に加熱されている。このため、バックアップローラに巻き掛けられる集電体は加熱され、集電体の表面温度は70〜100℃に達する。また、バックアップローラの巻き掛け領域に対向してコータが配置され、バックアップローラで支持される集電体の表面に電極合剤が塗布される。このように、従来装置では、バックアップローラ全体を加熱しているため、バックアップローラを比較的高い熱伝導率を有し、熱膨張率も比較的高い材料、例えばSUS304等のステンレス鋼を使わざるを得ない。その結果、次の問題が発生することがあった。
集電体の表面に対して所望高さの活物質パターンを形成するためには、コータと集電体との距離を一定に保つ必要がある。しかしながら、加熱されたバックアップローラは5〜50[μm]程度膨張することがあり、その結果、活物質パターンの高さが所望値よりも低くなったり、塗布不良が発生することがあった。さらに最悪ケースでは、集電体がコータに接触して集電体およびコータの双方が傷ついてしまうことがあった。
なお、このような課題は、ロールから集電体などの連続シート状の基材を巻き出して当該基材の表面に活物質パターンを形成する電極製造方式に限ったものではない。例えば所定サイズおよび形状等に切り分けられた枚葉シート状の基材を吸着ステージで支持しながら当該基材の表面に活物質パターンを形成する電極製造方式においても同様に発生し得る。
この発明は上記課題に鑑みなされたものであり、活物質材料および溶剤を含む塗布液を基材の表面に安定して良好に塗布する電極製造のための塗布技術、および当該塗布技術を用いて高品質な電極を製造する技術を提供することを目的とする。
この発明の第1の態様は、支持部材に支持された基材の表面に対して活物質材料および溶剤を含む塗布液を塗布する電極製造のための塗布装置であって、基材に対して相対移動しながら基材を直接加熱する加熱部と、加熱部により加熱された基材に対して相対移動しながら塗布液を基材の表面に吐出するノズルとを備えている。
また、この発明の第2の態様は、電極製造装置であって、基材を支持する支持部材と、支持部材に支持された基材を加熱する加熱部と、支持部材に支持された基材の表面に活物質材料および溶剤を含む塗布液を吐出するノズルと、支持部材に支持された基材に対して加熱部およびノズルを相対移動させる移動実行部とを備え、加熱部が基材に対して相対移動しながら基材を直接加熱し、ノズルが加熱部により加熱された基材に対して相対移動しながら塗布液を基材の表面に吐出して塗布する。
さらに、この発明の第3の態様は、電極製造方法であって、(a)支持部材に支持された基材に対して活物質材料および溶剤を含む塗布液を塗布する工程と、(b)基材に塗布された塗布液を乾燥させて電極を形成する工程とを備え、工程(a)は、(a−1)基材に対して加熱部を相対移動させながら加熱部により基材を直接加熱する予熱工程と、(a−2)加熱部により加熱された基材に対してノズルを相対移動させながらノズルから塗布液を吐出する工程とを有する。
このように構成された発明では、加熱部が基材を加熱して当該基材の温度を上昇させる。こうして加熱された基材の表面にノズルから塗布液が吐出され、当該基材表面に塗布される。この塗布直後から溶剤の乾燥除去が開始され、塗布後の塗布液の広がりが抑えられる。その結果、高アスペクト比を有する活物質パターンが基材の表面に形成される。
また、上記したように塗布液の塗布前に基材を加熱する、いわゆる予備加熱が実行されるが、加熱部は基材を直接加熱しているため、支持部材の温度を上昇させて基材を加熱する必要がない。したがって、当該支持部材で支持される基材とノズルとの距離変動が効果的に防止される。その結果、塗布液を基材の表面に安定して良好に塗布して高品質な電極が製造される。
この発明によれば、基材を直接加熱することで支持部材の熱膨張を回避しながら基材を予備加熱した後で、加熱された基材の表面に塗布液を塗布している。このため、予備加熱された基材の表面に塗布液を安定して良好に塗布することができ、高品質な電極を製造することができる。
この発明にかかる電極製造装置の第1実施形態の概略構成を示す図である。 図1の電極製造装置に装備されるヘッド部の構成を詳細に示す拡大図である。 ヘッド部によるシートの予備加熱およびヘッド部からの塗布液の吐出の様子を模式的に示す図である。 第1実施形態における電極製造処理を示すフローチャートである。 この発明にかかる電極製造装置の第2実施形態の概略構成を示す図である。 図5の電極製造装置に装備されるヘッド部の構成を詳細に示す拡大図である。
図1はこの発明にかかる電極製造装置の第1実施形態の概略構成を示す図である。この電極製造装置1Aは、例えばリチウムイオン二次電池の電極として用いられる電池用電極の製造プロセスの動作主体となるものである。より詳しくは、電極製造装置1Aは、予め所望の形状およびサイズに切り分けられた金属製の枚葉シートSを基材とし、当該シートSの表面に活物質材料を塗布して活物質パターンを形成することで、集電体(シートS)に活物質パターンが形成された電池用電極を製造する。
以後の説明のために、図1に示すようにXYZ座標軸を設定する。ここでXY平面が水平面であり、Z軸は鉛直軸と一致する。Z軸における正方向は鉛直上向き方向である。この点については、後で説明する実施形態においても同様である。
電極製造装置1Aは、シートSの裏面全体を上面21で支持してシートSを水平姿勢で吸着保持するステージ20と、ステージ20を水平面内で移動させるステージ移動機構30と、ステージ20上のシートSの表面に塗布液を塗布する塗布ユニット40とを備えている。
ステージ20はシートSよりも大きな平面サイズを有する酸化アルミニウム(通称:アルミナ)製の平板で構成されている。ステージ20の上面21には、複数の吸着孔(図示省略)が設けられている。これらの吸着孔は負圧供給部(図示省略)と接続されており、装置全体を制御する制御ユニット50からの吸着指令にしたがって負圧供給部が作動することでシートSをステージ20の上面21で吸着保持可能となっている。
ステージ移動機構30は電極製造装置1Aの基台11上に設けられている。ステージ移動機構30は、下段からステージ20をX方向に移動させるX方向移動機構31、Y方向に移動させるY方向移動機構32、および、Z方向を向く軸を中心に回転させるθ回転機構33を有する。X方向移動機構31は、モータ311にボールねじ312が接続され、さらに、Y方向移動機構32に固定されたナット313がボールねじ312に取り付けられた構造となっている。ボールねじ312の上方にはガイドレール314が固定されている。このため、制御ユニット50からの動作指令に応じてモータ311が回転すると、ナット313とともにY方向移動機構32がガイドレール314に沿ってX方向に滑らかに移動する。
Y方向移動機構32もモータ321、ボールねじ機構およびガイドレール324を有し、制御ユニット50からの動作指令に応じてモータ321が回転するとボールねじ機構によりθ回転機構33がガイドレール324に沿ってY方向に移動する。また、θ回転機構33はモータ331を有し、制御ユニット50からの動作指令に応じてモータ331が回転すると、ステージ20がZ方向を向く軸を中心に回転する。このように、制御ユニット50の速度制御部51がステージ移動機構30の各部を制御して塗布ユニット40のヘッド部41のシートSに対する相対的な移動方向、向きおよび移動速度が変更可能とされる。
塗布ユニット40のヘッド部41は、基台11に固定されたフレーム12に固定されている。このフレーム12はステージ20を跨ぐようにアーチ状に設けられている。フレーム12には、ヘッド部41が上方よりステージ20を臨むように取り付けられている。ヘッド部41はシートS上に液状の塗布液を吐出する吐出ノズル42およびシートSに向けて赤外線光を照射して加熱する加熱部43を有している。吐出ノズル42は吐出口を下方に向けて配置されている。吐出ノズル42には塗布液供給部44が接続されている。
塗布液供給部44では、逆止弁441を有する供給管442の一方端が吐出ノズル42に取り付けられる。供給管442の他方端は分岐しており、一方がポンプ443に接続され、他方が制御弁444を介してタンク445に接続される。このタンク445には、活物質材料および溶剤を含む電極形成用の塗布液が貯留されている。そして、制御ユニット50からの動作指令に応じてポンプ443および制御弁444が作動することで、タンク445内の塗布液が吐出ノズル42に向けて圧送される。
また、ヘッド部41では、吐出ノズル42の(−X)方向側に加熱部43が、吐出ノズル42から距離D1(図2参照)だけ離れて配置されている。加熱部43は複数の光ファイバ431を介して赤外線を発生する光源ユニット432に接続されている。このため、制御ユニット50からの点灯指令に応じて光源ユニット432が作動すると、赤外線光が光ファイバ431を介して加熱部43に導光され、ステージ20上のシートSに照射される。これによってシートSが加熱される。なお、加熱部43は後述するようにシートSを予備加熱する機能を有するものであるため、可能な限り距離D1を短く設定し、一定に維持するのが望ましい。
図2は図1の電極製造装置に装備されるヘッド部の構成を詳細に示す拡大図である。より詳しくは、図2(a)はヘッド部41を側面から見たときの吐出ノズル先端付近の形状を示す図であり、図2(b)はヘッド部41を下方から見た図である。図2(a)に示すように、吐出ノズル42は内部が筒状の空洞42aになっており、下端が図において斜め右方に開口して吐出口42bを形成している。タンク445から供給管442を経由して輸送されてくる塗布液は、吐出ノズル42下端の吐出口42bからシートSに向けて吐出される。
吐出ノズル42の(―X)方向側に配置された加熱部43の先端には、複数の光ファイバ431の先端部が束ねられ、先端面をシートSに向けて配置されている。制御ユニット50の光量制御部52からの点灯指令に応じて光源ユニット432から赤外線光が吐出ノズル42による塗布液の塗布直前にシートSに照射され、加熱される。また、光量制御部52は、赤外線光のON/OFF機能のみならず、光源ユニット432の赤外線発光量を調整する機能も有している。
図2(b)に示すように、吐出口42bはY方向に略等間隔で複数配列されている。加熱部43下端では、これら複数の光ファイバ431がY方向における吐出口42bの配設位置を全てカバーできるよう、長円形に束ねられている。
なお、吐出口42bの個数は特に限定されないが、例えば256個とすることができる。また、吐出ノズル42の材質についても特に限定されないが、吐出液に対し汚染物質を混入させることがなく、微細加工ができるという点から、例えばシリコンやジルコニアの結晶を用いることができる。
図3はヘッド部によるシートの予備加熱およびヘッド部からの塗布液の吐出の様子を模式的に示す図である。より詳しくは、図3(a)は、シートSが予備加熱されている様子および塗布液がヘッド部41から吐出されている様子を側面から見た図である。また、図3(b)は同じものを斜め上方から見た図である。以下、図1ないし図3を参照しつつ、この電極製造装置1Aによる配線形成の基本動作について説明する。
シートSの予備加熱は加熱部43により行われる。まず、制御ユニット50が光源ユニット432に点灯させて赤外線光を発光させる。このとき、制御ユニット50の光量制御部52は光源ユニット432の発光量を調整する。そして、光量調整された赤外線光が光ファイバ431を介して加熱部43に導光され、ステージ20上のシートSに照射される。これによって、制御ユニット50による温度制御のもと、加熱部43の下方位置P1でシートSが加熱される。
電極製造を行う際には、赤外線光の連続照射と並行し、制御ユニット50の速度制御部51がステージ移動機構30の各モータを駆動制御し、ヘッド部41の下方でシートSの表面が所望速度で(+X)方向に移動するように制御を行う。言い換えれば、ヘッド部41は相対的にシートS表面を走査しながら(−X)方向に移動することになる。これにより、シートS表面が位置P1で加熱部43により予備加熱された直後に吐出ノズル42の下方位置P2に移動する。
吐出ノズル42は予備加熱されたシートS表面に塗布液A1を吐出する。吐出ノズル42からの塗布液の吐出は、図1に示す逆止弁441、ポンプ443および制御弁444により行われる。まず、制御ユニット50の制御により制御弁444が開放された状態でポンプ443が吸引動作を行う。このとき、逆止弁441により塗布液の逆流が阻止されるため、タンク445からポンプ443へと塗布液が引き込まれる。次に、制御ユニット50の制御により制御弁444が閉じられ、ポンプ443が押出動作を行う。これにより、吐出ノズル42の複数の吐出口42bそれぞれから塗布液が連続的に吐出され、位置P2でシートS表面に与えられる。これにより、シートS表面には塗布液がX方向に沿った筋状に塗布される。このとき、位置P2では、吐出口42bからは走査移動方向の後方に向かって塗布液A1が吐出され、吐出された液が吐出口42bの近傍に滞留することが防止される。
図4は第1実施形態における電極製造処理を示すフローチャートである。まず、電極の集電体として機能するシートSを電極製造装置1Aに搬入し(ステップS1)、ステージ20の上面21に載置する。次いで負圧供給部(図示省略)を作動させてシートSをステージ20の上面21で支持しながら吸着保持する。
そして、ステージ20を移動させてシートSの(−X)側端部を加熱部43の直下位置、つまり位置P1に位置させた後、光源ユニット432を作動させて加熱部43によるシートSの予備加熱を開始する(ステップS2)。そして、ステージ20を(+X)方向に移動させながら、予備加熱されたシートSが位置P2に位置した時点より吐出ノズル42から活物質材料を含む塗布液を吐出させる(ステップS3)。こうすることにより、図3に例示するように、予め加熱されたシートS表面に塗布液A1が塗布される。このため、塗布液中の溶剤が比較的短時間で乾燥除去され、塗布後の塗布液A1の広がりが抑えられる。その結果、高アスペクト比を有するストライプ状の活物質パターンB1がシートS表面に対してX方向に描画されてゆく。
シートSの端部近傍まで活物質パターンB1が形成されステージ20が所定の終了位置に到達するまで描画を継続した後(ステップS4)、塗布液の吐出およびステージ20の移動を停止させる(ステップS5)。さらに、光源ユニット432の作動を停止させる(ステップS6)。なお、塗布液の塗り重ねを行う場合には、図4への図示を省略しているが、所定回数に達するまで上記したステップS2〜S6を繰り返す。
こうして、シートS表面に対して活物質パターンB1を形成した電極が製造されると、当該電極(=シートS+活物質パターンB1)を搬出し(ステップS7)、これにより1枚の電極製造処理が完了する。
以上のように、第1実施形態では、加熱部43によりシートSを予備加熱した上で塗布液A1を塗布しているため、塗布直後から塗布液A1中の溶剤の乾燥除去が開始される。これにより、塗布後の塗布液の広がりを抑制し、高アスペクト比を有する活物質パターンB1をシートSに形成することができる。しかも、予備加熱の具体的な手法として、加熱部43によるシートSの直接加熱を採用しており、ステージ20の予備加熱は不要となっている。このため、ステージ20の予備加熱によるステージ20の熱膨張はなく、吐出ノズル42とシートSとの距離が一定に保たれる。その結果、塗布液をシートS表面に安定して良好に塗布して高品質な電極(=シートS+活物質パターンB1)を製造することができる。
また、上記第1実施形態では、ステージ20の予備加熱が不要となることから、ステージ20を構成する材料の選択肢が広がり、設計自由度が高まっている。特に、本実施形態では、シートSよりも低い熱膨張率を有する酸化アルミニウムでステージ20を製作しているため、予備加熱によってシートSの温度が上昇したとしても、その熱によるステージ20の熱膨張量は小さい。したがって、吐出ノズル42とシートSとの距離変動をより効果的に抑えることができる。さらに、ステージ20を酸化アルミニウムで製作する場合、ステージ20の寸法精度を高めることができ、シートSの表面全体にわたって吐出ノズル42との距離を優れた精度で一定に保つことができる。
さらに、上記実施形態では、加熱部43がシートS表面から上方に離間配置されており、当該加熱部43から赤外線光をシートS表面に照射して加熱する、いわゆる非接触加熱方式を採用している。このため、加熱体をシートSの表面に接触させて加熱する直接加熱方式では加熱体がシートS表面に接触することで表面汚染が発生する可能性があるが、非接触加熱方式では表面汚染を確実に防止することができる。
図5はこの発明にかかる電極製造装置の第2実施形態の概略構成を示す図である。また、図6は図5の電極製造装置に装備されるヘッド部の構成をより詳細に示す拡大図である。この電極製造装置1Bは、ロール状に巻き取られた金属製のシートSを基材とし、当該シートSの表面に活物質材料を塗布して活物質パターンを形成することで、集電体(シートS)と活物質パターンとが積層された電池用電極を製造する。
電極製造装置1Bは、シートSを搬送方向Dtに搬送するための搬送ユニット60と、搬送されるシートSに対して活物質および溶剤を含む塗布液を塗布する塗布ユニット40とを備えている。搬送ユニット60は、ロール状に巻回された活物質形成前のシートSを保持するとともにシートSを一定速度で送り出す供給ローラ61と、活物質パターンが形成された後のシートSを巻き取る巻き取りローラ62とを備えている。供給ローラ61から巻き取りローラ62に至る搬送経路上には、2つのテンションローラ63、64とノズル対向ローラ65とがさらに設けられている。これらのうちいくつかがローラ駆動部69により回転駆動されてシートSを搬送し、他はシートSの移動に伴って回転する従動ローラとなっている。
シートSはこれらのローラに掛け渡されており、ローラの回転に伴って矢印方向Dtに一定速度で搬送される。図5の例では、供給ローラ61および巻き取りローラ62はそれぞれY軸と平行な回転軸を有しており、ローラ駆動部69からの駆動信号に応じてローラ61、62が回転することで、シートSはX軸に平行な方向(水平方向)およびZ軸に平行な方向(鉛直方向)に搬送される。
ノズル対向ローラ65は、搬送経路上で2つのテンションローラ63、64の間に設けられており、ノズル対向ローラ65に巻き掛けられたシートSに対して搬送中にかかる張力がテンションローラ63、64により一定に維持される。ノズル対向ローラ65に巻き掛けられたシートSの巻き掛け領域Srにおいて、塗布ユニット40のヘッド部41がシートS表面に近接対向配置される。このように、ノズル対向ローラ65は、シートSを挟んでヘッド部41と反対側に設けられ、次に説明するヘッド部41のノズル42および加熱部43とシートSとの位置関係を一定に維持して安定した塗布を可能にするバックアップローラとして機能する。
ヘッド部41は、第1実施形態と同様に、シートS上に液状の塗布液を吐出する吐出ノズル42およびシートSに向けて赤外線光を照射して加熱する加熱部43を有している。吐出ノズル42は吐出口をシートSの巻き掛け領域Srに向けて配置されている。吐出ノズル42には塗布液供給部44が接続されており、制御ユニットからの動作指令に応じて塗布液を吐出ノズル42に向けて圧送する。これにより、供給位置P2で吐出ノズル42の吐出口42b(図6)から塗布液がシートSの表面に連続的に供給され、搬送方向Dtに沿って延びるストライプ状の活物質パターンB2がシートSの表面に形成される。
また、ヘッド部41では、吐出ノズル42の(−X)方向側、つまり搬送方向Dtにおける吐出ノズル42の上流側に加熱部43が配置されている。加熱部43は第1実施形態と同様に複数の光ファイバ431を介して赤外線を発生する光源ユニット432に接続されている。このため、制御ユニットからの点灯指令に応じて光源ユニット432が作動すると、赤外線光が光ファイバ431を介して加熱部43に導光され、位置P1で巻き掛け領域SrのシートSに照射される。これによってシートSが塗布液供給前に非接触方式で予備加熱される。
以上のように、第2実施形態においても、第1実施形態と同様に、加熱部43によりシートSを予備加熱した上で、その加熱されたシートS表面に塗布液を塗布している。このため、塗布直後から塗布液中の溶剤の乾燥除去が開始され、塗布後の塗布液の広がりを抑制し、高アスペクト比を有する活物質パターンB2をシートSに形成することができる。しかも、加熱部43によるシートSを非接触方式で直接加熱しているため、第1実施形態と同様の作用効果が得られる。すなわち、巻き掛け領域SrのシートSを予備加熱するためには、例えばノズル対向ローラ65を加熱し、ノズル対向ローラ65からの伝熱によってシートSを加熱することが考えられる。しかしながら、ノズル対向ローラ65の温度上昇に伴ってローラ65が熱膨張し、シートSとノズル42との距離が変動してしまう。これに対し、シートSを直接加熱することでノズル対向ローラ65の加熱が不要となり、吐出ノズル42とシートSとの距離が一定に保たれる。その結果、塗布液をシートS表面に安定して良好に塗布して高品質な電極(=連続シートS+活物質パターンB2)を製造することができる。また、非接触方式加熱を採用することで、第1実施形態と同様に、シートSの表面汚染を確実に防止することができる。
このように、第1実施形態および第2実施形態では、シートSが本発明の「基材」に相当し、ステージ20およびノズル対向ローラ65が本発明の「支持部材」に相当している。そして、塗布ユニット40のヘッド部41が本発明の「電極製造のための塗布装置」に相当している。また、第1実施形態ではステージ移動機構30が本発明の「移動実行部」として機能し、第2実施形態では供給ローラ61、巻き取りローラ62およびローラ駆動部69が一体として本発明の「移動実行部」として機能している。
また、第1実施形態および第2実施形態において、例えばリチウムイオン二次電池の正極電極を製造するプロセスでは、集電体となるシートSとして例えばアルミニウム箔を用いることができる。また、この場合の活物質(正極活物質)としては例えばLiCoO(LCO)を主体とするもの、LiNiO2またはLiFePO4、LiMnPO4、LiMn24、またLiMeO2(Me=MxMyMz;Me、Mは遷移金属、x+y+z=1)で代表的に示される化合物、例えばLiNi1/3Mn1/3Co1/32、LiNi0.8Co0.15Al0.052などを用いることができる。
また例えば、リチウムイオン二次電池の負極電極を製造するプロセスでは、集電体となるシートSとして例えば銅箔を用いることができる。また、この場合の活物質(負極活物質)としては例えばLiTi12(LTO)を主体としたもの、またはC、SiまたはSnなどを用いることができる。
活物質を含む塗布液としては、上記した活物質材料の他に、導電助剤としてのアセチレンブラックまたはケッチェンブラック、結着剤としてのポリフッ化ビニリデン(PVDF)、スチレンブタジエンラバー(SBR)、ポリビニルピロリドン(PVP)、ポリビニルアルコール(PVA)またはポリテトラフルオロエチレン(PTFE)、溶剤としてのN−メチル−2−ピロリドン(NMP)などを混合したものを用いることができる。吐出ノズル42からの吐出による塗布に適用する塗布液としては、粘度を100Pa・sないし10000Pa・sとしたペースト状のものが好適である。
また、上記第1実施形態および第2実施形態では赤外線光をシートSに照射して加熱しているが、シートSのみを効果的に加熱するために、シートSの吸収波長を考慮するのが望ましい。例えばシートSがアルミニウム箔である場合、シートSの吸収波長は900[nm]である。この場合、当該吸収波長またはそれに近い波長を含む波長帯の光を発光する光源、例えば940[nm]を発光する半導体レーザーや波長域1[μm]のハロゲンランプなどを光源ユニット432に設けてもよい。
また、電極の製造条件(シートSの材質や厚み、活物質パターンB1、B2の形状や厚み、活物質材料や溶剤の種類など)に応じて加熱部43から射出される光のシートS表面でのスポット形状やX方向の径などを変更するように構成してもよい。これにより、加熱部43による予備加熱状況を広範囲にわたって制御することができ、汎用性に優れた電極製造が可能となる。また、スポット形状などの変更に伴い、速度制御部51がステージ20の移動速度を変更するように構成してもよく。この場合、塗布液の塗布直前におけるシートSの温度を電極製造条件に合致した値に調整することができ、電極(=シートS+活物質パターンB1、B2)をより安定的に、かつ良好に製造することができる。
なお、本発明は上記した実施形態に限定されるものではなく、その趣旨を逸脱しない限りにおいて上述したもの以外に種々の変更を行うことが可能である。例えば、上記実施形態のノズル42は、いずれも矩形の開口形状を有する吐出口42bが一列に並べて配置されたものであるが、吐出口の数、形状や配置はこのような態様に限定されず、任意である。
また、上記実施形態では、赤外線光やハロゲン光を照射してシートSを直接加熱しているが、直接加熱する方式についてはこれに限定されるものではない。また、上記実施形態では、シートSの表面側から加熱用光を照射してシートSを加熱しているが、シートSの裏面側から直接加熱するように構成してもよい。例えば加熱用光に対して透過性を有する材料でステージ20やノズル対向ローラ65などの支持部材を作製し、当該支持部材を介して加熱用光をシートSの裏面に照射してシートSを直接加熱してもよい。
また、第1実施形態はステージ20を移動させているが、枚葉状のシートSを固定してヘッド部41を相対移動させて活物質パターンを形成してもよいし、シートSおよびヘッド部41の両方を移動させて活物質パターンを形成してもよい。
また、上記実施形態では、完成後の電池用電極において集電体となる金属製シートSを本発明の「基材」とするものであるが、基材としてはこれに限定されない。例えば、樹脂製シートに集電体となる金属箔を積層したものを本発明の「基材」として用いてもよく、また例えば、集電体となる金属箔の表面に活物質の薄膜を予め形成したものを「基材」として用いてもよい。さらには、一方極の電極に固体電解質層あるいはセパレータを積層したものを本発明の「基材」として用い、他方極の活物質パターンをさらに形成するために本発明を適用してもよい。
また、上記実施形態で例示した集電体、活物質、溶剤等の材料はその一例を示したものであってこれに限定されず、リチウムイオン二次電池の構成材料として用いられる他の材料を使用してリチウムイオン二次電池用電極を製造する場合においても、本発明を好適に適用することが可能である。また、リチウムイオン二次電池に限らず、基材に活物質パターンを形成した構造を有する電極の製造技術全般に本発明を適用することが可能である。
本発明は、基材表面に活物質および溶剤を含む塗布液を塗布して電極を製造する技術および電極製造のための塗布装置全般に適用することができる。
1A、1B…電極製造装置
20…ステージ(支持部材)
30…ステージ移動機構(移動実行部)
40…塗布ユニット(塗布装置)
42…吐出ノズル
43…加熱部
60…搬送ユニット(移動実行部)
65…ノズル対向ローラ(支持部材)
69…ローラ駆動部(移動実行部)
A1…塗布液
B1、B2…活物質パターン
S…シート(基材)

Claims (9)

  1. 支持部材に支持された基材の表面に対して活物質材料および溶剤を含む塗布液を塗布する電極製造のための塗布装置であって、
    前記基材に対して相対移動しながら前記基材を直接加熱する加熱部と、
    前記加熱部により加熱された前記基材に対して相対移動しながら前記塗布液を前記基材の表面に吐出するノズルと
    を備える電極製造のための塗布装置。
  2. 請求項1に記載の電極製造のための塗布装置であって、
    前記加熱部は非接触で前記基材を加熱する電極製造のための塗布装置。
  3. 請求項1または2に記載の電極製造のための塗布装置であって、
    前記加熱部は前記基材を選択的に加熱する電極製造のための塗布装置。
  4. 請求項3に記載の電極製造のための塗布装置であって、
    前記加熱部は、前記基材の吸収波長または前記吸収波長に近い波長を含む波長帯の光を照射する電極製造のための塗布装置。
  5. 基材を支持する支持部材と、
    前記支持部材に支持された前記基材を加熱する加熱部と、
    前記支持部材に支持された前記基材の表面に活物質材料および溶剤を含む塗布液を吐出するノズルと、
    前記支持部材に支持された前記基材に対して前記加熱部および前記ノズルを相対移動させる移動実行部とを備え、
    前記加熱部が前記基材に対して相対移動しながら前記基材を直接加熱し、
    前記ノズルが前記加熱部により加熱された前記基材に対して相対移動しながら前記塗布液を前記基材の表面に吐出して塗布する電極製造装置。
  6. 請求項5に記載の電極製造装置であって、
    前記支持部材は前記基材の裏面全体を支持する水平面を有するステージであり、
    前記加熱部および前記ノズルは前記ステージの上方に配置され、
    前記移動実行部は、前記基材を支持する前記ステージに対して前記加熱部および前記ノズルを相対的に水平移動させる電極製造装置。
  7. 請求項5に記載の電極製造装置であって、
    前記支持部材はローラであり、
    前記基材は前記ローラを含む複数のローラに掛け渡され、
    前記加熱部および前記ノズルは前記支持部材に巻き掛けられた前記基材の巻き掛け領域に対向配置され、
    前記移動実行部は前記複数のローラの少なくとも1つを回転駆動して前記基材を移動させる電極製造装置。
  8. 請求項5ないし7のいずれか一項に記載の電極製造装置であって、
    前記支持部材は前記基材の熱膨張率よりも低い熱膨張率の材料で形成される電極製造装置。
  9. (a)支持部材に支持された基材に対して活物質材料および溶剤を含む塗布液を塗布する工程と、
    (b)前記基材に塗布された塗布液を乾燥させて電極を形成する工程とを備え、
    前記工程(a)は、
    (a−1)前記基材に対して加熱部を相対移動させながら前記加熱部により前記基材を直接加熱する予熱工程と、
    (a−2)前記加熱部により加熱された前記基材に対してノズルを相対移動させながら前記ノズルから前記塗布液を吐出する工程と
    を有する電極製造方法。
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