第1の発明は、冷蔵庫本体と、断熱区画された貯蔵室と、時刻修正手段と、前記時刻修正手段から出力された信号を演算処理する演算制御部とを有し、前記時刻修正手段は自動で行なわれることによって、電力の平準化や夜間電力利用等において重要な時間認知が正確に行うことができ、また、通常、手動で行う時刻修正を自動で行うことができるので省力化できる。
第2の発明は、第1の発明において、前記時刻修正手段は、電波時計であり、電波時計の電波を受信する受信部を冷蔵庫の一部に構成していることにより自動で適時、時間を修正することができる。
第3の発明は、第1の発明において、前記時刻修正手段は、衛星等から発せられるGPS信号であり、GPS信号を受信する受信部を冷蔵庫の一部に構成していることにより、更に広範囲に時間信号を受信することができる。
第4の発明は、第1の発明において、前記時刻修正手段は、携帯電話や携帯端末で管理されている時刻情報であり、この時刻情報を受信する受信部を冷蔵庫の一部に構成していることにより近年、普及率が非常に高い携帯電話の時刻情報を利用することで、簡易に時刻を修正するとともに、携帯電話側で通常時刻調整は自動で行っているので、時間も正確に入力することができる。
第5の発明は、第1の発明において、前記時刻修正手段は、サーバ等で管理されている時刻情報であり、この時刻情報を無線もしくは有線で受信する受信部を冷蔵庫の一部に構成していることにより随時、時間の修正ができる。
第6の発明は、第1から第5のいずれか1つの発明において、電力平準化手段を備え、前記平準化手段は蓄冷手段に蓄冷を行うことにより比較的重要の少ない時間帯に蓄冷する、もしくは節電、停電が行われる時間帯の前に蓄冷することにより省エネ性の向上と、停電時の保冷強化ができる。
第7の発明は、第1から第6のいずれか1つの発明において、計画停電検知手段と、それに合わせた時間入力手段を有し、前記入力は自動でかつ通信で行うことで自動的に計画停電対応できる。
以下、本発明の実施の形態について、図面を参照しながら説明する。尚、この実施の形態によって、この発明が限定されるものではない。
(実施の形態1)
以下、本発明の実施の形態を図1から図8に基づいて説明する。
図1は、本発明の実施の形態1における冷蔵庫の正面図、図2は、本発明の実施の形態1における冷蔵庫の操作基板構成図、図3は、本発明の実施の形態1における冷蔵室の断面図である。図4は、本発明の実施の形態1における時刻修正のための入出力装置の概念図、図5は本発明の実施の形態1における冷蔵庫の制御ブロック図、図6は本発明の実施の形態1における冷蔵庫の照度検出値や扉開閉データイメージを示す図、図7は本発明の実施の形態1における任意の1日に対する過去参照データを示す図、図8a〜図8dは本発明の実施の形態1における制御フローチャートである。
図1から図3において、冷蔵庫本体1は、上から順に冷蔵室2、製氷室3、上部冷凍室4、下部冷凍室5、野菜室6の貯蔵室が構成され、各貯蔵室の前面には外気と区画するためそれぞれ扉が冷蔵庫本体の前面開口部に構成されている。冷蔵庫の冷蔵庫本体1である断熱箱体は、主に鋼板を用いた外箱と、ABSなどの樹脂で成型された内箱と、外箱と内箱との間の空間に発泡充填される硬質発泡ウレタンなどの発泡断熱材とで構成され、周囲と断熱され、仕切り壁によって複数の貯蔵室に断熱区画されている。
最上部の貯蔵室である冷蔵室2の冷蔵室扉2aの中央部付近には操作部7が配置され、
操作部7の内部には操作基板7aが構成されており、操作基板7aの垂直軸延長線上でかつ上方に冷蔵庫の設置環境の変化を検知できる照度センサ16が設けられている。照度センサ16は、フォトダイオードやフォトトランジスタをベース素子とした光センサを用いることで具体的に構成することができる。
操作スイッチ17、操作スイッチ17により設定した状態を表示する表示灯18、そして照度センサ16の検出により冷蔵庫の運転状態可変を報知するLED等を用いた報知手段19、また、標準電波局が発信している時刻情報やGPS衛星等が発信している時刻情報もしくは、携帯電話で保持している時刻情報等を受信するための受信部20が構成されている。
一方、断熱箱体の天面部は冷蔵庫の背面方向に向かって階段状に凹みを設けた形状であり、この階段状の凹部に機械室を形成して、機械室に、圧縮機8、水分除去を行うドライヤ(図示せず)等の冷凍サイクルの高圧側構成部品が収容されている。すなわち、圧縮機8を配設する機械室は、冷蔵室2内の最上部の後方領域に食い込んで形成されることになる。
製氷室3や、上部冷凍室4、下部冷凍室5の背面には冷気を生成する冷却室9が設けられ、各貯蔵室とは、断熱性を有する各室への冷気の搬送風路と、各貯蔵室と断熱区画するために構成された冷凍室背面仕切り13により区画されている。また、冷却室9内には、冷却器10が配設されており、冷却器10の上部空間には強制対流方式により冷却器で冷却した冷気を冷蔵室、切換室、製氷室、野菜室、冷凍室に送風する冷却ファン11が配置され、冷却器10の下部空間には冷却時に冷却器10やその周辺に付着する霜や氷を除霜するためのガラス管製のラジアントヒータ12が設けられ、さらにその下部には除霜時に生じる除霜水を受けるためのドレンパン、その最深部から庫外に貫通したドレンチューブが構成され、その下流側の庫外に蒸発皿が構成されている。
また、冷蔵室2の背面には、冷蔵室風路52と冷蔵室2を区画するための冷蔵室背面仕切り14が構成されている。
さらに、製氷室3もしくは上部冷凍室4と下部冷凍室の間には、保持部材がありその中に−10℃から−20℃の融点になるように配合された蓄冷材55aが構成されている。また、上部冷凍室4の天面の仕切り部54にも−10℃から−20℃の融点になるように配合された蓄冷材55bが構成されている。
さらに、冷蔵室2の背面に構成している冷蔵室背面仕切り14には−5℃〜10℃の融点になるように配合された蓄冷材55cが構成されている。
なお、扉のレイアウトは代表的なものであって、このレイアウトに限定されるものではない。
また、上部冷凍室4は、1℃〜5℃で設定される冷蔵、2℃〜7℃で設定される野菜、微凍結温度帯で保存する特定低温、通常−22℃〜−15℃で設定される冷凍の温度帯以外に、冷蔵温度帯から冷凍温度帯の間で予め設定された温度帯に切り換えることができる切換室でもかまわない。
さらに、従来一般的であった断熱箱体の最下部の貯蔵室後方領域に機械室を設けて圧縮機8を配置するタイプの冷蔵庫に適用しても構わない。
以上のように構成された冷蔵庫について、以下その動作、作用を説明する。
冷蔵室2は冷蔵保存のために凍らない温度を下限に通常1℃〜5℃とし、最下部の野菜室6は冷蔵室2と同等もしくは若干高い温度設定の2℃〜7℃としている。また、上部冷凍室4および下部冷凍室5は冷凍温度帯に設定されており、冷凍保存のために通常−22℃〜−15℃で設定されているが、冷凍保存状態の向上のために、例えば−30℃や−25℃の低温で設定されることもある。
製氷室3は、冷蔵室2内の貯水タンク(図示せず)から送られた水で室内上部に設けられた自動製氷機(図示せず)で氷を作り、室内下部に配置した貯氷容器(図示せず)に貯蔵する。
従来の冷蔵庫において、昼夜を問わず決められた温度設定を満たす温度制御を行っていたが、夜間、冷蔵庫周囲環境の温度が低下し、熱負荷が低下、また、食品を取り出したり、入れ替えたりするとき生じる熱負荷が極めて少なくなるので冷蔵庫の庫内温度はやや過冷気味の温度設定になる。また、従来あった光センサを使った省エネ手段も、『節電運転』などの記載のある専用ボタンを使用者が意図的に押すことにより機能を働かせなければ、省エネ効果は得られなかった。また、使用者が意図的に節電運転の機能を働かせない場合であっても、その節電運転を解除する場合には使用者が意図的にボタン操作をしないといけないので、解除をし忘れて設定温度が高めになったままとなり、食品の保存状態が悪くなるという可能性があった。
そこで、冷蔵庫本体1の前面(例えば、冷蔵室扉2a)に取り付けられ、冷蔵庫の設置環境の変化を検知できる照度センサ16を用いることで、冷蔵庫が設置された住空間が明るいか暗いかを検知し、主に使用者が活動する可能性の高い昼間であるか夜間であるかを見分けることを行う。
また、冷蔵庫が設置されているキッチン等が窓のない空間である場合には、使用者の活動時間帯と室内照明機器の照射とがほぼ連動していると考えられることができる。
つまり、照度センサ16によって、日射や室内照明機器の照射による冷蔵庫周辺の照度レベルを検知する。
そこで検知した照度レベルを、制御手段に入力し、予め決定された規定値である活動判定値よりも一定期間連続で小さければ、夜間あるいは人の活動がないと判断し、各貯蔵室の貯蔵温度(例えば、冷蔵室で5℃、冷凍室で―18℃以下など)が適正値以下であれば自動的に冷蔵庫の冷却性能を少し落とした節電運転に切換える。
このように、照度センサ16が冷蔵庫の設置環境の変化を検知し、省エネ運転の可否を判定ための機能を有している。
一方,照度レベルが規定値である活動判定値よりも大きくなった場合には、つまり、使用者の活動時間と考えられる周囲が明るい時には、積極的に使用者が活動している活動状態であると判断し、節電運転が解除されて通常運転に戻す。ただし、屋外から瞬発的な発光、例えば、自動車などの照明による検知などは除外、つまり、外乱光による通常運転への復帰を防ぐ構成である外乱防止手段を備えている。具体的には、外乱防止手段として一定期間継続した照度レベルが維持した場合、言い換えると活動判定値よりも大きい照度レベルが一定時間継続した場合にのみ節電運転を解除するといった機能を設けることも実使用上でより省エネを図る際に有効である。
このように、冷蔵庫の設置環境の変化を検知できる照度センサ16を用いて冷蔵庫が設
置された周辺が明るいか暗いかを検知することができるので、主に使用者が活動する可能性の高い昼間であるか夜間であるかを見分けることができる。
また、冷蔵庫が設置されているキッチン等が窓のない空間である場合には、使用者の活動時間帯と室内照明機器の照射とがほぼ連動していると考えられるので、より無駄なく省エネを図ることができる。
これによって、活動判定値よりも大きい照度レベルを検知、つまり、使用者の活動時間と考えられる周囲が明るい時には、積極的に使用者が活動している活動状態であると判断し、節電運転が解除されて通常運転での冷却が行われていることとなり、扉開閉が起こりやすいことを間接的に検知して十分な冷却を行っているため、扉開閉があった場合でも、食品の保存性を保つことができる。
なお、窓が多く日当たりのいい場所にキッチンが位置している場合や、夜間であっても何らかの理由で室内照明機器の照射を行っている場合等も想定して、節電運転に入るための冷蔵庫の設置環境の変化を検知できる照度センサ16に加えて、実際の冷蔵庫の使用状況を間接的に検知できる検知手段を設けることが望ましい。
つまり、照度センサ16を用いた際、窓が多く日当たりのいい場所にキッチンが位置している場合や、夜間であっても何らかの理由で室内照明機器の照射を行っている場合を想定すると、冷蔵庫の設置環境においては活動状態と検知した場合であっても扉SW31のような手段で冷蔵庫の使用状態を検知し、低使用状態であれば扉SW31のみで節電運転に入ることが望ましい。例えば照度センサ16で低活動状態と判断した場合と比較して、扉SW31の使用判定値を少し厳しい条件として確実に使用状態でないことを確認してから節電運転へと切り替えるというように制御することで、照度センサ16の出力信号を扉SW31の使用判定値を変更する手段として利用することで、照度センサ16の出力信号と扉SW31の出力信号との両方を用いて節電運転へ切り替えるか否かを判定する。
この冷蔵庫の使用状況を間接的に検知できる別の手段としては、冷蔵庫の各貯蔵室の温度を検知する庫内温度検知手段である庫内温度センサ33、冷蔵庫の設定温度を検知する設定温度検知手段、更に人の熱を検知するような人感センサなどといったものが考えられる。
冷蔵庫の扉開閉状況検知手段である扉SW31を用いた場合には、扉SW31の出力信号からなる検知結果を、制御手段に入力し、予め決定された使用判定値として設定した一定期間(例えば、3時間)において扉開閉がなかった場合には、低使用状態であると判断し、自動的に冷蔵庫の冷却性能を少し落とした節電運転に切換える。
また、冷蔵庫の各貯蔵室の温度を検知する庫内温度検知手段である庫内温度センサ33を検知手段として用いた場合には、庫内温度センサ33の出力信号からなる検知結果を、演算制御手段34に入力し、予め決定された一定値である使用判定値以上の庫内温度に上昇しない場合には冷蔵庫の使用状況における低使用状態であると判断し、自動的に冷蔵庫の冷却性能を少し落とした節電運転に切換える。
この低使用状態の判断は、庫内温度が安定していることが、扉開閉等による暖気の侵入がないことや冷却器10の除霜等の冷凍システムに起因する温度変動もない安定した状態であると間接的に検知する冷蔵庫の使用状況の間接検知を行うものである。
また、冷蔵庫の各貯蔵室の温度を検知する庫内温度検知手段を用いた場合に、予め設定する活動判定値を一定幅以上の温度変動幅の有無とし、一定幅以上の温度変動がない場合
には、冷蔵庫の周辺環境の変化の一つである外気温の温度変化も少ないと間接的に検知することで冷蔵庫の周辺環境の変化の間接検知を行うことができる。
また、冷蔵庫の使用状況を間接的に検知できる冷蔵庫の設定温度を検知する設定温度検知手段を用いた場合には、例えば使用者が積極的に貯蔵室を冷却したいと意図する貯蔵室の設定温度である「強」冷却モードに設定されている場合には能動的に使用している使用状態であると判断し、例えば照度センサ16や人感センサによって節電運転に入るような条件になった場合であっても節電運転に入らないような制御を行うことで、より能動的な冷却を行いたいという使用者の意図に沿うような冷却を実現することができる。
また、貯蔵室の設定温度を「弱」冷却モードに設定したときは、さらに節電を行うため貯蔵室の設定温度を上昇させてもよいが、貯蔵室内の冷却性能に影響を与え鈍冷などの品質不良につながる可能性があるため、品質を確保するための保鮮制御として節電運転を実施しなくてもよい。
よって、冷蔵庫の設置環境および使用状況を確認して節電運転に入ることで、実使用上で、使用者の使い勝手を損なうことがなくかつ効果的な省エネルギーを実現した冷蔵庫を提供することができる。
このような自動での節電運転を行うことに加え、照度センサ16や扉SW31などの出力信号を記憶する記憶手段35を備えることで、各家庭の使用状態にカスタマイズした学習機能を備えた節電運転を行う。
照度センサ16や扉SW31、庫内温度センサ33などの出力信号を記憶する記憶手段35に情報を一定期間(例えば3週間)蓄積することによりある一定パターンの生活様式であることを記憶手段35が学習機能として記録し、この学習機能に基づいた予測によって節電運転を決定し、電気負荷部品である圧縮機8、冷却ファン11、温度補償用ヒータ36、庫内照明37等の動作を自動的に抑制または停止する節電運転を行うものである。
すなわち、様々な出力信号である情報を一定期間、記憶手段35に蓄積することにより、その情報からその家庭の生活パターンを予測することで、その家庭の活動が就寝や不在と予測される時間帯を低活動状態および低使用状態である判定し、この時間帯がきたら、自動で節電運転に切換えることで過冷抑制や圧縮機の回転数抑制、その他のヒータなどの電気負荷部品の運転をその家庭に対して適性化することがすることができ、自動での節電運転を精度良く行うことができるので更に省エネを実現できるものである。
なお、情報の蓄積期間は長いほどその生活パターンは蓄積されその精度は向上していくと思われるが、この場合、制御も複雑になり、また記憶容量も必要となり、コストUPや制御の複雑化によるバグの発生など、品質に対して不安が生じることに加え、四季の移り変わりがある日本のような国では、季節の変化に伴って生活パターンが変化するため、必ずしも長期間の蓄積によって生活パターンを把握する精度が向上するとは一概には言えない。
そこで、比較的適切な蓄積期間と考えられる3週間のデータ蓄積を設定し、制御を簡素化しつつ、生活パターンに変化が生じた場合でも適正に生活パターンを把握するものとした。
具体的には、冷蔵庫の設置環境の変化を検知できる照度センサ16や扉SW31の検知信号を記憶する場合は、3週間分の過去の照度センサ16で検知した照度レベル、もしくは扉SW31の扉開閉数をある時間単位に区切り記憶手段35に記憶し、それをパターン
判別し、一日の活動時間の中で人の活動が一定期間ないと判別した時間帯については低活動状態の時間帯であると判定し、自動的に冷蔵庫の冷却性能を少し落とした節電運転に切換えるものである。
ただ、冷蔵庫の設置環境の変化を検知できる照度センサ16に関しては記憶手段35の判別によって節電運転に入った場合でも、その後ある一定期間に渡って実際の照度センサ16の検知レベルが高い場合には節電運転を解除して通常運転へと戻すような修正機能を制御手段が備えることが望ましく、この修正機能を備えることで普段の生活パターンと外れた生活を行った場合でも冷蔵庫の冷却性能を維持することが可能となる。
なお、照度センサ16の出力値がある一定期間、たとえば1週間、断線や短絡が考えられるような出力値(5V出力のとき、0Vや5Vなど)が継続すれば、照度センサ16の冷蔵庫の設置環境の変化を検知できる照度センサ16の異常として処理をし、冷蔵品質を確保するための保鮮制御として通常冷却運転を行い、異常状態であることを記憶し、節電運転には入らない。ただし、その後、照度センサ16の出力値が正常に変化した場合は、ただちに異常であったことを解除し、節電運転に入ることが可能となる。
また、冷蔵庫の使用状況を間接的に検知できる扉SW31の検知結果を記憶することは、その家庭の生活パターンを予測するのにより直接的で有効な手段であると言える。具体的には、冷蔵庫の扉SW31について、ある時間単位(例えば、60分単位)に区切り、単位時間当たりの扉開閉数を記憶手段35に記憶し、これらの過去データを用いて当該日の活動時間の中で扉開閉がないもしくは少ないと判別すなわち予め決定された規定値よりも小さいと判別した時間帯を低使用時間帯として記憶し、低使用時間帯については冷蔵庫の冷却性能を少し落とした節電運転に切換えるものである。また、同様に冷蔵庫の各貯蔵室の温度を検知する庫内温度検知手段である庫内温度センサ33の場合には、庫内温度センサ33によって各貯蔵室の温度を検知し、規定温度以下に冷却されているかをある時間単位に区切り記憶手段に記憶し、一日の活動時間の中で十分に貯蔵室が冷却されていると判別した時間帯についても同様に低使用時間として記憶し、この低使用時間については、その時間帯になると自動的に冷蔵庫の冷却性能を少し落とした節電運転に切換えるものである。
このように、過去の照度、扉開閉、庫内温度をある時間単位に区切り記憶手段35に記憶し、これらを用いて生活パターン判別することにより冷蔵庫の運転を予測・制御するものである。
ただし、一般的に冷蔵庫の演算制御手段34が備えているクロックタイマは精度が劣り、例えば、精度が±0.1%としても1か月あたり1時間程度ずれ、認識している時間帯がずれていく。
よって、時刻精度を簡易にかつ自動で向上させるため本発明において、時刻情報を自動で入手し、補正するための受信部20を冷蔵庫に備え、定期的もしくは都度、時刻情報を更新する。これにより、時刻が常に自動で修正されることにより精度よく時間管理ができる。
図4の概略図を用いて説明する。
標準時刻送信所21から送信される原子時計による日付・時刻情報のデジタル信号を冷蔵庫に備えられた受信部20により受信し、自動的に時刻を補正し、精度のよい時刻を認識する。
通常、標準電波の受信は日に数回行われるのみでよく、前回の受信から次回の受信までの間の精度は、冷蔵庫の制御部に備えられた回路で管理し、受信毎に補正を行う。
なお、建物などの中では受信できないことがある。建物内の場合、木造家屋の窓際では受信しやすいものの、マンションやビルなど鉄筋コンクリート構造や鉄骨構造の建物内部では電波の受信が難しい場合がある。よって受信部は、できるだけ電波を受信できるように冷蔵庫外表面に備えられることが望ましい。
そのとき、電波により時刻が修正されているかどうか確認できるように、受信状態をチェックする回路をあらかじめ備え、操作スイッチ17の特定のボタンを押すと受信状態を報知手段19(例えばLED)で表示してもよく、もしくは専用手段を備えてもよい。
また、場合により中継器(図示せず)を電波の受信できる位置に設置し、それを介して時刻情報を入手してもよい。これにより様々な場所に冷蔵庫を設置しても時刻情報を受信できる。
これとは別に、近年発達したグローバル・ポジショニング・システム(以下、GPS)により、GPS衛星22から発信させるデータを受信することにより時刻情報を補正することも可能である。この場合、時刻情報とは別に位置情報も認識することができ、例えば、地域別の時間別電力料金をあらかじめ制御部に保存、もしくは、他の端末から入手することにより、冷蔵庫の設置場所が特定でき、さらに地域別の時間別電力料金を自動に把握することができる。
また、GPS機能等を備えている携帯電話24に内蔵されている時刻情報を赤外線通信やICチップ情報を受信部20から受信する、つまり冷蔵庫に情報を送信するために携帯端末に近づけ送信するときに、合わせてGPS情報を入手し、時刻や冷蔵庫設置位置、時間別電力料金を把握することが可能である。
また、冷蔵庫を住宅内にあるパーソナルコンピュータ(PC)25もしくは住宅23外にあるサーバ26と回線を常時もしくは随時、通信することにより時刻情報をそれらより入手して補正してもよい。
これらにより時刻情報および設置位置情報を自動的に把握することができるので地域別、時間別の電力料金設定に対し、柔軟に対応でき、各家庭でコストパフォーマンスによい電力消費が可能となる。
上記内容に加え、冷蔵庫本体1側でも例えば、蓄冷機能を備えることによりさらに効果を向上させることができる。
具体的には、図3で示すとおり、上部冷凍室4および下部冷凍室5の一部に融点が−10℃から−20℃程度の蓄冷材を構成する。例えば、上部冷凍室4と下部冷凍室5の間に保持部材53を備え、そこに融点が−10℃から−20℃程度の蓄冷材55aを構成する。これにより、例えば圧縮機8の運転が停止ししても下部冷凍室5の天面から蓄冷により冷却することができ、庫内温度上昇も防ぐことも可能となる。また、例えば、夜間電力で比較的電力料金が安価になる深夜帯を利用して蓄冷させ、通常時間帯にその蓄冷能力を有効利用することにより圧縮機8の運転率を低減、もしくは回転数等を低減させることにより冷却能力を抑制し、省エネを図る。また、浮力の関係上、冷気は重力方向で下のほうに流れるので蓄冷材は冷却を行いたい貯蔵室の上部に設置することが望ましく、例えば上部冷凍室4の場合には、冷蔵室2と上部冷凍室4を区画している仕切り部54に設置することが望ましい。
また、冷蔵室2おいては、食品の凍結抑制等を考え、吐出冷気温度を0℃以上に確保することを重視すると蓄冷材の融点の設定は−5℃以上が好ましいく、上限は冷蔵温度上限である10℃程度がよく、この範囲内に融点がある蓄冷材55cを冷蔵室上部、例えば冷蔵室背面仕切り14の上部に構成することが望ましい。これにより、冷蔵室側の温度上昇も防ぐことができ、また、冷凍室と同様に時間別電力料金、特に深夜電力を有効利用して、通常時間帯の省エネが図れる。
これらを図5の制御ブロック図を用いて説明する。
照度センサ16により、冷蔵庫前面周囲の明暗を検出、演算制御手段34に出力し、さらに記憶手段35にそのデータを記憶させる。同様に冷蔵室扉2aやその他の扉の開閉状態を扉SW31の出力信号により扉開閉数や扉開閉時間を検知し、さらに、冷蔵庫の外郭に備えられている外気温度センサ32、各庫内温度センサ33で検知した温度データなども演算制御手段34に出力し、さらに、記憶手段35に入力する。また、標準時刻送信所21から発信される時刻情報を伴った電波等を受信するための受信部20より、時刻情報を演算制御手段34に出力し、適時、時刻認識部40の時刻を補正する。
この記憶手段35のデータを一定期間ごとに取り出し演算制御手段34で運転パターンを設定し、電気負荷部品である圧縮機8、冷却ファン11、除霜ヒータ12、温度補償用ヒータ36、ダンパ39、各貯蔵室の温度設定を自動的に可変する。ここで、照度センサ16により、例えば、使用者が活動しない深夜として判断する深夜判定値は5Lx以下の照度とし、この場合に深夜であると検出し、深夜判定によって使用者の活動が少ない低活動状態であると判定する。
このとき、冷蔵庫周辺の照度が低いので、通常の照明レベルでは、人間の視覚上、明るすぎので、庫内照明37の照度は通常より低めに設定するように入力、もしくは電圧、もしくはDutyを低減させ、人間の目に刺激がないように照明レベルを調整する。
更に庫内温度センサ33の検知の際に予め使用判定値として所定の温度を設定し、設定した庫内センサの温度が使用判定値である所定の温度以下に冷却していると検知されれば(つまり所定の温度以上を検知していない)、使用者の使用状況においても低使用状態であると判断し、この低使用状態である時間帯を低使用時間と判定する。
これらの低活動状態と低使用状態と判定することで、演算制御手段34によって圧縮機の回転数抑制や過冷防止運転などの節電運転に自動的に入り、報知手段19であるLEDを一定期間点灯もしくは点滅させる。
次に図6で冷蔵庫の照度検出値や扉開閉データイメージを説明する。
図6のように例えば、1時間を1区間と考え、その間の平均照度や庫内温度もしくは扉開閉数を記憶する。図6の場合、白塗りは扉開閉のないところ、薄塗りのところは、扉開閉が少なくともN回以上(例えば1回)あったところ示す。また、濃塗りのところは、照度センサが規定値以下(例えば、5Lx以下)でかつ扉開閉数がN回未満であるところを示す。
これら区間を24区間でくくれば1日に相当し、さらに168区間でくくれば1週間(7日)に相当する。
これにより、ある日の1週間前のデータは、168区間前と簡単に抽出することができ
さらに、336区間前が2週間前、504区間前が3週間前のデータとして容易に抽出することができる。
ところで、一般的な家庭用冷蔵庫に構成されている時間認識機能(例えばクロック周波数を用いた制御)は一般的に精度が悪く、時間が経過するにつれて、正規の時刻から徐々にずれを生じ、これについては、時刻を入力する機能を冷蔵庫側で構成しないと正しい時刻に修正ができない。また、たとえあったとしても、定期的に使用者が修正しないといけないので労力がかかる。さらに現状では時刻を認識する冷蔵庫は少ない。
本実施の形態においては、標準時刻の電波等の情報を受信できる受信部20を冷蔵庫に設けることにより自動的に逐次修正することができ、正しい時刻を自動で簡単に修正・認識できる。
これにより一般的な家庭では、一日においてある一定パターンの生活を行っているところが多く、さらには一週間を単位として同じ曜日においてある一定パターンの生活を行っているところも多いので、自動的にこれら情報を正しく把握することが可能となり生活パターンを把握した冷却運転を実施することができ、効率よく節電ができる。
なお、データの書き換え、時刻の修正は、1区間の時間(単位時間:例えば60分)で更新することが望ましいが、1日単位、もしくは1週間単位でもかまわない。
次に図7で任意の1日に対する過去参照データの考え方を説明する。
当該日の1週前、2週前、3週前のデータを抽出し、3週分のうち2/3以上が不在なら低使用状態であると判定する。よって使用無判定の枠のところが不在と判定して節電運転を行う。ただし、不在の最後の1時間は、節電運転から通常運転への移行時間と考えるため、実際には、節電運転は不在時間の1時間前に終了し、通常運転へ切換えることで通常冷却性能に復帰させる。
ただし、不在時間が比較的に短い場合(1時間や2時間)には、これを不在時間とは扱わない。なぜなら、一般に冷蔵庫の冷却システムの安定、温度推移には時間が必要となり、短時間に急激な温度変動が伴うと逆に増電になる可能性があるためである。
次に、これらの動作の詳細について図8a〜図8dの制御フローチャート図で説明する。
ステップ101で制御フローが開始するとステップ102で既存の設定値を読みこみ設定し、タイマtを0としてカウントをスタートさせ、次に時刻情報をステップ103で読み込む。このときの時刻は、あらかじめ記憶している時刻でもよいし、使用者により設定した時刻でもよい。
ステップ104に移行し、通常運転を行い、ステップ105で一定時間t0(例えば60分)経過しているかどうか判断する。
一定時間経過していると判断したら、次にステップ106で標準時刻送信所21やGPS衛星22などから発信・送信される信号やサーバ26やPC25などの時刻情報を受信する。次にステップ107で受信した時刻情報が正しいかどうかチェックし、もし正しいと判断したなら冷蔵庫の保有する時刻情報をステップ108で更新し、ステップ109でタイマtを0に戻して通常運転に戻る。
また、時刻情報が定期的に送信されず、冷蔵庫側で受信できない場合、図8bのようにステップ115で時刻情報を受信の有無を判断し、もし受信したならステップ116で時刻情報の確認、ステップ117で冷蔵庫の時刻情報の更新を行い、再び通常運転に戻る。
さらに、携帯電話24等の携帯端末の赤外線通信などの手段を使って時刻情報を更新する場合は、図8cのようにステップ125で携帯端末を確認し、ステップ126で時刻情報を受信し、ステップ127で時刻情報を正しく読み込んだか確認し、もし正しければステップ128で時刻情報を更新してもよい。これにより、電波が届きにくい場所があったとしても携帯端末を冷蔵庫の受信部20に時刻情報を送ることができ時刻の精度が向上する。
次に冷蔵庫の構成として図3のような蓄冷材55を備えている場合、図8dのように蓄冷・節電運転が可能となる。
ステップ131で制御フローが開始するとステップ132で既存の設定値を読みこみ設定し、タイマtを0としてカウントをスタートさせ、次に時刻情報をステップ133で読み込む。このときの時刻は、あらかじめ記憶している時刻でもよいし、人により設定した時刻でもよい。
次にステップ134で設置場所における電力料金情報を読み込み、設定場所の時間別電力料金等を認識する。これについては、GPS機能や郵便番号等の入力、携帯端末からの入力等で所在地がわかり、電力事業者の地区別、時間別電力料金をあらかじめ記憶、もしくは携帯端末やサーバ上から入手することにより可能となる。
次にステップ134に移行し、通常運転を行い、ステップ136で蓄冷運転を行うかどうか判断する。
もし蓄冷運転を行う場合、蓄冷を行う時刻をあらかじめ決められている蓄冷運転スケジュール演算により蓄冷開始時刻および終了時刻を決定する。
次に現在の時刻を正確にするため時刻情報を受信し、修正を行う。
そして、ステップ139で蓄冷開始時刻になったかどうかを判断し、予定時刻になったらステップ140で蓄冷対応冷却運転を行う。具体的には、通常冷却運転より貯蔵室の温度設定を低めにする、もしくは、蓄冷材55a、55b、55cを積極的に冷却する、もしくは冷却運転時間を通常より長めに設定する、もしくは圧縮機8、冷却ファン11の回転数を増加させるなどの動作を行う。このとき、時間別電力料金において通常より安い料金である(例えば深夜時間帯)ため使用者には総合的には有益であり、電力供給側にとって、蓄冷運転しているので電力自給が必要な昼間などに蓄冷効果で節電が可能となり、ピークカットができる。ただし、使用者を考慮して電力料金が安価な時間帯を終了する時間になれば、蓄冷運転を終了し、通常の冷却運転に移行する。
以上のように、本実施の形態においては、冷蔵庫本体と、断熱区画された貯蔵室と、時刻認識部と、時刻修正手段と、前記時刻修正手段のから出力された信号を演算処理する演算制御部とを有し、時刻修正は自動で行なわれることによって、電力の平準化や夜間電力利用等において重要な時間認知が正確に行うことができ、また、通常、手動で行う時刻修正を自動で行うことができるので省力化できる。
また、本実施の形態の時刻修正手段は、標準時刻送信所から発信された電波情報であり、電波を受信する受信部を冷蔵庫の一部に構成していることにより自動で適時、時間を修
正することができる。
なお、住宅などで電波の届きにくい場所に冷蔵庫が設置されている場合、電波が届く場所に中継器を備えることにより受信が可能になり、冷蔵庫の時刻精度が向上する。
また、本実施の別形態の時刻修正手段は、衛星等から発せられるGPS信号であり、GPS信号を受信する受信部を冷蔵庫の一部に構成していることにより、更に広範囲に時間信号を受信することができる。
なお、本実施の形態では、主に時刻の補正を中心に記載したが、日時の把握も可能であるため季節ごとに合わせた温調設定ができ、また冬等の低湿時には、温度補償用ヒータなどの入力を低減、さらに除霜周期を可変できるので、更に省エネができる。
また、本実施の別形態の時刻修正手段は、サーバ等で管理されている時刻情報であり、この時刻情報を無線もしくは有線で受信する受信部を冷蔵庫の一部に構成していることにより随時、時間の修正ができる。
更に、本実施の形態において、電力平準化手段を備え、平準化手段は蓄冷手段に蓄冷を行うことにより比較的重要の少ない時間帯に蓄冷する、もしくは節電、停電が行われる時間帯の前に蓄冷することにより省エネ性の向上と、停電時の保冷強化ができる。
なお、標準電波の受信手段を用いることにより停電や発振子の精度により時間がずれた場合でも、標準電波を受信することで時刻を修正することが可能となり、さらに精度の上がった記憶データとなり、さらに生活パターンが正確に判断でき、更に省エネができる。
(実施の形態2)
以下、本発明の実施の形態2を図9および図10に基づいて説明する。なお実施の形態1と同構成の場合は、同一記号を用いて説明を省略する。
図9は本発明の実施の形態2におけるある地域での計画停電のスケジュールを示す図、図10は同実施の形態における計画停電のスケジュールに対応した本発明の冷蔵庫の運転パターンを示す図である。
例えば、ある地域の電力供給事情が思わしくなく、電力事業者が地域別に計画停電を予定し、図9のように計画されているとする。
このとき、輪番制をとるため、常に一定時間帯を設定するわけではなく、時間帯が日によりずれる場合が多い。
従来の冷蔵庫は、計画停電に対しては特に対応しておらず、計画停電実施時間帯には冷却が停止され、庫内温度が徐々に上昇し、停電終了後、再び冷却運転を開始し、適温になるまで通常より大きな入力で冷却運転を行う。また、除霜についても考慮できず、最悪の場合、計画停電直前に除霜運転を行い、庫内温度が上昇したあと、停電により庫内温度がさらに上昇し、結果、上昇する幅が大きくなる可能性が大きく、冷凍品質の劣化などが想定される。
本発明は図1〜5に記載のとおり時刻修正手段と蓄冷手段を備えているのでこれらを用いて計画停電時間を把握できその状況に応じて的確に対応できる。
以下、詳細を説明する。
実施の形態1で説明したとおり、GPSや携帯端末等を利用することにより冷蔵庫の設置位置は緯度・経度の情報から正確に把握することができ、このデータからどこの電力事業者から受電しているか簡単に把握できる。また、間違った情報だとしても携帯電話24やタブレット等の携帯端末やPC25を利用して電力事業者を修正することも可能であり、正しい電力事業者を把握することができる。さらに携帯端末やPC25、サーバ26を通じて図9のようなに日々の計画停電の予定を電力事業者のサイトより簡単に取得でき、この情報を冷蔵庫の演算制御手段34にインプットする。そして、冷蔵庫の運転予定をあるきめられた間隔(例えば1日単位、毎日0時)で学習機能とこの計画停電スケジュールを考慮した運転予定を算出し、決定する。
例えば、図10のように計画停電がA区画の9時〜12時で予定されている場合、計画停電開始の3時間前から蓄冷運転を強制的に行い、停電時の昇温に備える。このとき、もし、学習機能等で計画停電予定時間3時間前までに除霜の予定があった場合、また、節電運転の予定があった場合は、これらの予定を除外し、通常より低めの温度設定や蓄冷材を積極的に冷却するような蓄冷運転を行う。理由は、停電前に庫内温度が上昇することを防止し、保存性、保鮮性の劣化を防止するためである。計画停電終了後は通常運転に戻るが仮に庫内温度が極めて高くなったとしても、通常制御の中でそれらは把握でき、必要に応じて冷却量を調整しながら運転できる。
なお、もし計画停電予定時刻になっても停電が起こらなかった場合は、通常運転を行うが、この場合、通常より温度が低下しているため通常よりは節電された状態での運転となる。
以上のように、本実施の形態においては、冷蔵庫本体と、断熱区画された貯蔵室と、時刻認識部と、時刻修正手段と、前記時刻修正手段から出力された信号を演算処理する演算制御手段とを有し、さらに計画停電検知手段と、それに合わせた時間記憶手段を有し、前記入力は自動でかつ通信で行うことで使用者に依存することなく、電力の供給状況に応じた冷却運転ができ、特に計画停電前に自動で蓄冷運転や除霜運転変更を行うことができるので計画停電が実施されても保鮮性を損なうことなく保存できる。これにより電力需要にあった冷蔵庫の運転が実現できる。
なお、本実施の形態は、計画停電情報を自動で得ているが、冷蔵庫側で入力装置を備えてもよく、この場合、使用者の意思で本発明の機能を制御することができる。
また、本実施の形態は、計画停電で冷蔵庫の運転で停止したのか、それともそれ以外で冷蔵庫の運転を停止したか判別することが可能であり、この場合、電源復帰後の冷却運転・除運転パターンを選択しても構わない。これにより、冷蔵庫の状況に合わせた運転が可能となる。
(実施の形態3)
以下、本発明の実施の形態3を図11に基づいて説明する。なお実施の形態1および2と同構成の場合は、同一記号を用いて説明を省略する。
図11は本発明の実施の形態3における時間別電力料金と電力需要、および冷蔵庫の入力変化と冷却運転・除霜運転パターンを示す図である。
例えば、一般的に最大電力量が必要な夏場を想定した場合、図11の上部にあるとおりピークが15時前後に迎え、早朝の時間帯が最も電力需要が少ないグラフになる。この時、ある地域の電力供給事情が思わしくなく、電力事業者が時間別電力料金を導入した場合
、図11のように電力料金が時間別に設定されることが想定される。
従来の冷蔵庫は、この時間別電力料金を把握することや電力需要全体を考えて平準化させるような機能は備えていないので、料金設定が高い時間帯や電力需要が切迫している状況においても通常運転を行い、場合により非常に入力の高い除霜運転等も行う場合もあり、使用者および電力事業者に不利益を伴う可能性がある。場合によると大規模停電につながる一因ともなる可能性がある。
本発明は、図1〜5に記載のとおり時刻修正手段と蓄冷手段を備えているのでこれらを用いて時間の把握ができるので電力の平準化や時間別電力料金を把握による節約運転等が賢くできる。
以下、詳細を説明する。
実施の形態1および2で説明したとおり、GPS信号や携帯端末等を利用することにより冷蔵庫の設置位置は緯度・経度の情報から正確に把握することができ、このデータからどこの電力事業者から受電しているか簡単にわかる。また、間違った情報だとしても携帯電話24やタブレット等の携帯端末やPC25を利用して電力事業者を修正することも可能であり、正しい電力事業者を把握することができる。さらに携帯端末やPC25、サーバ26を通じて図11のような時間別電力料金の情報を電力事業者のサイトより簡単に取得でき、この情報を冷蔵庫の演算制御手段34にインプットする。そして、冷蔵庫の運転予定を学習機能とこの時間別電力料金を含め、あるきめられた間隔(例えば1日単位、毎日0時)で決定する。
例えば、図11のように料金体系が3パターンある場合、冷蔵庫の運転としては、図11の下部のように設定する。
従来冷蔵庫では、時間別電力料金を把握することはできないので、冷蔵庫入力Aのようになる場合がある。つまり、時間別電力料金で最も高い時間帯、つまり電力需要が最も多い時間帯にでも除霜運転を行う可能性があり、効率的ではない。
本発明の冷蔵庫では、図11の冷蔵庫入力Bに示すように電力需要が多いとき、つまり料金が高く設定されたとき(例えば図11の料金B)、圧縮機8、冷却ファン11等の回転数に制限をかけ、もしくは、温度補償用ヒータ36の入力を低減するなどの節電運転を行うと同時にその時間帯では除霜運転を行わないよう演算制御する。ただし、除霜運転に関しては、料金が高く設定される例えば1時間前から除霜を行わないよう設定する。これは、除霜運転の途中で料金体系が変動して料金が高い時間帯で除霜運転することを防止している。また、電力需要が低い早朝の時間帯に除霜を優先的に行うように冷蔵庫の運転を制御することにより電力の平準化に貢献できるとともに使用者にとっても電力費用が安価になる効果ある。
更に、節電運転時の保鮮性の維持のために料金体系が高くなる時間の前に蓄冷運転を行うことにより節電運転を行っている際にでも庫内は十分に冷却できており、保鮮性が劣化することはない。
以上のように、本実施の形態においては、冷蔵庫本体と、断熱区画された貯蔵室と、時刻認識部と、時刻修正手段と、前記時刻修正手段から出力された信号を演算処理する演算制御手段とを有し、さらに電力平準化手段を備え、前記平準化手段は蓄冷手段であることにより、使用者に負担をかけることなく、電力事業者からは発表される電力需要計画に合わせつつ、保鮮性を維持し、節電運転、電力平準化に貢献できる。
なお、本実施の形態は、時間別電力料金情報を自動で得ているが、冷蔵庫側で入力装置を備えてもよく、この場合、使用者の意思で本発明の機能を制御することができる。