JP2014046971A - 泡噴出容器 - Google Patents

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Abstract

【課題】パーツ数を減らすとともに構造をより簡単にした、安価な泡噴出容器を提案する。
【解決手段】本発明は、容器本体10を圧搾して充填空間M内の内容物及び空気をシリンダー20内に導入し、発泡部材40を通して内容物を泡状にして噴出させる一方、容器本体10の復元にてノズル35内の残留内容物を充填空間Mに引き戻す泡噴出容器であって、シリンダー20は、内容物の吸引管pを保持する底部21の縁部から立ち上がる筒状部22に、内容物を充填空間M内に流入させる内容物帰還口25を有するフランジ部23を備え、筒状部22の外側に、容器本体10の圧搾時には内容物帰還口25を閉鎖し、容器本体10の復元時には内容物帰還口25を開放する逆止弁50を設け、底部21及び発泡部材40の少なくとも一方に、発泡部材40を下方から支持して隙間Sを形成する支持リブ29を設けるとともに、ノズル35の後端に押圧壁37を設けたことを特徴とする。
【選択図】図1

Description

本発明は、可撓性の胴部を圧搾することにより、流動性を有する内容物(液状、ゲル状等)を発泡させて排出する泡噴出容器に関するものである。
シャンプー、ボディソープ、ハンドソープ、洗顔料等の各種液体洗浄剤やセットローション等の整髪剤を内容物とする容器としては、泡立て動作を省略して簡便な利用を図る観点から、内容物の流路内に例えばメッシュ等からなる発泡部材を組み入れておき、可撓性を有する胴部を圧搾することで、内容物と空気とを混合させつつこれらを発泡部材に通過させて発泡させ、泡状になった内容物をノズルの噴出口から排出する泡噴出容器が提案されている。
上記のような泡噴出容器において、泡状となった内容物は、噴出口から排出された分の他、一部がノズルの排出経路内に残ったままとなるが、残留した内容物は、時間が経つと泡が消えて元の流動性を有する内容物に戻るため、使用後しばらくすると噴出口から内容物が垂れ落ちる(液だれ)ことがあった。このことは、特にノズルの側面側に噴出口が設けられている横出しタイプの泡噴出容器において顕著であった。
このような液だれを回避するものとしては、圧搾された胴部を復元させる外気導入孔を内容物の排出経路内に設けておき、胴部の復元に伴って容器本体内に取り込まれる外気とともに残留内容物も容器本体内に引き戻すサクションバック機能(サックバック機能、バックサクション機能ともいう)を設けた泡噴出容器が知られている。例えば特許文献1には、容器本体に外キャップ1及び内キャップ2からなるツイストキャップを螺着した泡状液体絞り出し容器が示されている。
上記泡状液体絞り出し容器は、内キャップ2の内側に、第1及び第2チェックバルブ機構を構成するものとしてボール61をそれぞれ備える管状部材6’、6’’を一体連結部品として設け、この一体連結部品の下方開口面62に、パイプ31を保持するパイプジョイント部材3を係合保持させている。さらに、内容物を泡状にするものとして、スクリーン51を有する管状部材5と、スクリーン11を有するアダプタ12とを備えている。
実用新案登録第2537089号
このように、特許文献1に記載の泡噴出容器は、容器本体を除いて、外キャップ1、内キャップ2、管状部材6’、6’’の一体連結部品、2つのボール61、パイプジョイント部材3、パイプ31、管状部材5、アダプタ12の9部品で構成されている。また、2つのチェックバルブ機構を構成する必要があるため、構造も複雑化している。このため、パーツ数を減らすとともに構成を簡単にした、より安価な泡噴出容器が求められていた。
本発明は、このような問題を解決することを課題とするものであり、その目的は、パーツ数を減らすとともに構造をより簡単にすることで、従来よりも安価となる泡噴出容器を提案するところにある。
本発明は、可撓性を有する容器本体を圧搾して該容器本体の充填空間内の内容物及び空気をシリンダー内に導入し、該シリンダー内に設けた発泡部材を通して内容物を泡状にしてノズルの先端から噴出させる一方、該容器本体の復元にて該ノズル内に残った残留内容物を該ノズルの後端に設けた貫通孔を通して該充填空間に引き戻す泡噴出容器であって、
前記ノズルは、前記シリンダーを前記容器本体の口部に吊り下げ保持して該口部に固定されるベースキャップに一体連結するものであり、
前記シリンダーは、内容物を該シリンダー内に導入する吸引管を保持するとともに空気導入孔を有する底部と、該底部の縁部から立ち上がる筒状部と、該筒状部から外側に向けて延在するとともに前記貫通孔を通り抜けた残留内容物を前記充填空間内に流入させる内容物帰還口を有するフランジ部とを備え、
前記筒状部の外側に、該容器本体の圧搾時には該内容物帰還口を閉鎖して該シリンダー内に内容物と空気とを送り込む一方、該容器本体の復元時には該内容物帰還口を開放して残留内容物を該内容物帰還口から該充填空間内へ引き戻す環状の逆止弁を設け、
前記シリンダーの底部及び前記発泡部材の少なくとも一方に、該発泡部材を下方から支持して該底部と該発泡部材との間に隙間を形成する支持リブを設けるとともに、該ノズルの後端に、該発泡部材の抜け出しを阻止する押圧壁を設けたことを特徴とする泡噴出容器である。
前記発泡部材は、前記シリンダー内に直列状に2個配置されたものであることが好ましい。
容器本体を除いて、ノズルと一体連結するベースキャップ、シリンダー、発泡部材、逆止弁、吸引管の5パーツで構成することができ、また、発泡部材を直列状に2個配置する場合も総計6パーツで済むので、従来よりもパーツ数が削減されて部品コストがより安価となる。また、容器本体内の内容物の噴出とノズル内の残留内容物の引き戻しは、1つの逆止弁による内容物帰還口の閉鎖、開放の切り換えにて行うことができるので、構造がより簡単となり、各部品を形成するのに必要な樹脂等の使用量が減ってこの点でもコストの削減に寄与することができる。
本発明に従う泡噴出容器の実施形態を示す、部分側面断面図である。 図1に示す泡噴出容器のシリンダーの平面図である。 図1に示すA−Aに沿う断面図である。
以下、図面を参照して、本発明をより具体的に説明する。
図1は、本発明に従う泡噴出容器の実施形態を示す、部分側面断面図であって、図2は、図1に示す泡噴出容器のシリンダーの平面図であって、図3は、図1に示すA−Aに沿う断面図である。
図1において、符号10は容器本体である。容器本体10は、上部を開口させた筒状の口部11を有し、この口部11に図示しない胴部及び底部を連結させて、その内側に内容物の充填空間Mを形成している。ここで容器本体10は、例えば合成樹脂等によって形成される可撓性を有するものである。また口部11の外面には、ねじ部11aが形成されている。さらに口部11の根元には、図3に示すように小突起11bと大突起11cとを周方向に間隔をあけて設けている。
符号20は、後述するベースキャップにて口部11に吊り下げ保持されるシリンダーである。シリンダー20は、円板状となる底部21の縁部から立ち上がる筒状部22を有し、筒状部22の外周面には水平方向に延在するフランジ部23を備えている。また、フランジ部23はその縁部から起立する周壁24を備えている。周壁24の形状は、周方向に切れ目なくつながる環状であっても、縦方向に延びる切り欠きにて分断された間欠状であってもよい。また、フランジ部23には、その表裏を貫く孔25が少なくとも1つ設けられていて(図2に示すように本実施形態では4個)、この孔25は後述するノズル内の残留内容物を充填空間Mに向けて流入させる内容物帰還口として機能する。
また底部21には、充填空間M内の内容物をシリンダー20内に流入させる内容物導入孔26と、充填空間M内の空気をシリンダー20内に流入させる空気導入孔27が設けられている。図示の例では底部21の中央に内容物導入孔26を1個設け、この内容物導入孔26を取り囲むように9個(図2参照)の空気導入孔27を設けているが、これらの孔を設ける位置や個数は適宜変更することができる。さらに底部21の下面には、環状の嵌合壁28を設けていて、この嵌合壁28にて、充填空間M内の内容物を内容物導入孔26に向けて送り込む吸引管pを嵌合、保持している。また、底部21の上面には、図2に示すように、周方向に間隔をおいて複数個(図示の例では4個)の支持リブ29が設けられている。さらに本実施形態では、底部21の下面に空気導入孔27を取り囲んで垂下される環状の遮蔽壁21aを設けている。
符号30は、容器本体10の口部11に装着されるベースキャップである。ベースキャップ30は、口部11を取り囲む環状の外壁31を備えていて、この外壁31の内周面に形成したねじ部31aを口部11のねじ部11aに係合させて着脱自在に固定されている。なお、ねじに代えてアンダーカットで固定保持するようにしてもよい。また外壁31の下端部には、図3に示すように、回り止めリブ31bが設けられている。これによりベースキャップ30をねじ込むと、ねじ込み終了直前にて、回り止めリブ31bが、小突起11bを乗り越えて、この小突起11bと大突起11cとの間で回り止め保持される。また外壁31の上部には、径方向内側に向けて延在する水平壁32を有し、水平壁32の下面には、口部11の内周面に当接して充填空間M内を封止するシール壁33が設けられている。そして、水平壁32の上面には、上部外側壁34が設けられていて、この上部外側壁34に、上方に向けて僅かに傾斜するとともにその先端開口35aから内容物を噴出させるノズル35を一体連結している。また、上部外側壁34の内面には、シリンダー20のフランジ部23に係合してシリンダー20を口部11に吊り下げ保持する凸部34aを設けている。さらにベースキャップ30は、上部外側壁34から隙間をあけて径方向内側に設けられる内側壁36を備えていて、上部外側壁34と内側壁36との相互間にシリンダー20の周壁24を収めている。また、ノズル35の後端には、垂直方向に延びてシリンダー20の筒状部22の内周面と液密に当接する内側筒状壁37(後述するように押圧壁ともいう)を一体連結させていて、さらに内側筒状壁37には少なくとも1つの貫通孔38が設けられている。図示の例では、内側筒状壁37の後端側を縦長に切り欠いて貫通孔38を形成している。
符号40は、シリンダー20内に配置される発泡部材である。発泡部材40は、リング41の端面に固着されたメッシュ42からなり、シリンダー20内に導入された空気及び内容物をこの発泡部材40に通過させることにより発泡させて、内容物を泡状にすることができる。本実施形態においては発泡部材40を2個設け、メッシュ42を下方及び上方へ向けるように背中合わせの姿勢で直列状に配置している。下方側の発泡部材40は支持リブ29上に設けられていて、発泡部材40と底部21との間には、所要の間隔となる隙間Sを設けている。また、ベースキャップ30の内側筒状壁37の下端は、上方側の発泡部材40に当接している。すなわち内側筒状壁37は、発泡部材40の抜け出しを阻止する押圧壁として機能する。なお、内容物の種類によっては、発泡部材40は1個でもよく、またメッシュ42の目の粗さも泡の大きさに応じて適宜変更される。
符号50は、逆止弁である。逆止弁50は、フランジ部23の下面を弁座とし、通常はこの下面に当接して孔(内容物帰還口)25を閉鎖する環状の弁体51と、弁体51と一体連結するとともにシリンダー20の筒状部22に嵌合保持される環状本体部52とを備えている。
上記のように構成される泡噴出容器は、容器本体10を圧搾すると、逆止弁50の作用下で充填空間Mが加圧され、内容物は吸引管pから内容物導入孔26を通り抜けて底部21と発泡部材40との隙間Sに至る。また加圧された充填空間M内の空気は、遮蔽壁21aの内側から空気導入孔27を通り抜けて隙間Sに至る。そして内容物は、空気とともに2つの発泡部材40を通過して発泡してノズル35の先端開口35aから噴出される。ここで、隙間Sの間隔が、発泡部材40の取り付け時のばらつき等で変わってしまうと泡質が変わってしまうおそれがあるが、本発明では支持リブ29にて発泡部材40を下方から支持しているので所期した間隔よりも狭くなることがなく、また、内側筒状壁37にて発泡部材40を上方から当て付けているので所期した間隔よりも広くなることがないので所期した通りの泡質で内容物を噴出させることができる。その後、容器本体10の圧搾を解除すると、可撓性の容器本体10は元の形状に復元する。これにより充填空間Mは負圧となるため、逆止弁50の弁体51はフランジ部23から離隔して内容物帰還口25が開放し、ノズル35内に残っていた残留内容物は、外気とともに貫通孔38及び内容物帰還口25を通過して充填空間Mに引き戻される。
引き戻された残留内容物がシリンダー20を伝って空気導入孔27に流れ込むと、シリンダー20内に取り込まれる空気と内容物との混合比が所期した割合から変わってしまい、内容物の泡質が変化してしまうおそれがあるが、本実施形態では遮蔽壁21aにて空気導入孔27を取り囲んでいるので、このような不具合が有効に防止される。また特に図示のように遮蔽壁21aの下端を、ノズル35の貫通孔38を設けた側がより下方に位置するように傾斜させて設ける場合は、貫通孔38に近い側の空気導入孔27に対しては、より長い遮蔽壁21aにて残留内容物を入り込みにくくすることができる一方、貫通孔38から遠い側の空気導入孔27に対しては、遮蔽壁21aを短くしても残留内容物が入り込むおそれが低く、遮蔽壁21aを短くした分これを形成する材料を減らすことができるので、材料コストを削減することができる。
なお、本実施形態においてはシリンダー20の底部21に支持リブ29を設けているが、発泡部材40に底部21に当接する支持リブを設けてもよい。なお、発泡部材40のリング41とメッシュ42は、支持リブをシリンダー20に設ける場合においては、メッシュ42をインサート成形にてリング41に固着させることが好ましく、支持リブを発泡部材40に設ける場合においては、リング41を成形した後にメッシュ42をこのリング41に貼着することが好ましい。
本発明によれば、発泡部材の位置が一意に定まるので内容物の泡質が変わってしまうそそれがなく、またパーツ数を減らすとともに構造をより簡単にすることができるので、従来よりも安価となる泡噴出容器を提供できる。
10 容器本体
11 口部
20 シリンダー
21 底部
22 筒状部
23 フランジ部
25 孔(内容物帰還口)
26 内容物導入孔
27 空気導入孔
29 支持リブ
30 ベースキャップ
35 ノズル
37 内側筒状壁(押圧壁)
38 貫通孔
40 発泡部材
50 逆止弁
M 充填空間
p 吸引管

Claims (2)

  1. 可撓性を有する容器本体を圧搾して該容器本体の充填空間内の内容物及び空気をシリンダー内に導入し、該シリンダー内に設けた発泡部材を通して内容物を泡状にしてノズルの先端から噴出させる一方、該容器本体の復元にて該ノズル内に残った残留内容物を該ノズルの後端に設けた貫通孔を通して該充填空間に引き戻す泡噴出容器であって、
    前記ノズルは、前記シリンダーを前記容器本体の口部に吊り下げ保持して該口部に固定されるベースキャップに一体連結するものであり、
    前記シリンダーは、内容物を該シリンダー内に導入する吸引管を保持するとともに空気導入孔を有する底部と、該底部の縁部から立ち上がる筒状部と、該筒状部から外側に向けて延在するとともに前記貫通孔を通り抜けた残留内容物を前記充填空間内に流入させる内容物帰還口を有するフランジ部とを備え、
    前記筒状部の外側に、該容器本体の圧搾時には該内容物帰還口を閉鎖して該シリンダー内に内容物と空気とを送り込む一方、該容器本体の復元時には該内容物帰還口を開放して残留内容物を該内容物帰還口から該充填空間内へ引き戻す環状の逆止弁を設け、
    前記シリンダーの底部及び前記発泡部材の少なくとも一方に、該発泡部材を下方から支持して該底部と該発泡部材との間に隙間を形成する支持リブを設けるとともに、該ノズルの後端に、該発泡部材の抜け出しを阻止する押圧壁を設けたことを特徴とする泡噴出容器。
  2. 前記発泡部材は、前記シリンダー内に直列状に2個配置されたものである請求項1に記載の泡噴出容器。
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