JP2014045802A - 樹脂成形体 - Google Patents

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Abstract

【課題】移動する金属物品に生じた帯電を除電し、帯電した金属物品が接触しても大きな電磁波を発生させず、さらには、金属物品との摩擦による発塵や摩耗が少なく、衝撃強度に優れ、成形材料の流動性、成形性も良好な樹脂成形体を提供する。
【解決手段】金属物品を誘導するためのレール部位および/又は金属物品を貯留するためのタンク部位を有する成形体であって、熱可塑性樹脂100重量部に対して、繊維直径200nm以下の微細炭素繊維を0.01重量部以上20重量部以下の割合で含有する熱可塑性樹脂組成物を成形してなる成形体。
【選択図】なし

Description

本発明は、金属物品を誘導するためのレール部位および/又は金属物品を貯留するためのタンク部位を有する成形体に関する。詳しくは、本発明は、金属物品の帯電に由来する静電気や電磁波による、デバイス損傷や、周辺機器の誤作動を防止することが可能な樹脂成形体に関する。
具体的には、本発明は、チップ状の電子部品の整列装置や供給装置、パチンコ機、アレンジボール、スロットマシーン、パチンコスロットマシーン等の遊技機における、金属製の球やコインを誘導、貯留するための成形部品に使用することが可能な樹脂成形体に関する。
電子機器等の製造時には、チップ状電子部品の供給装置等において多数個収納された電子部品を1個ずつ分離して供給する際に、該供給装置のレール部位上を電子部品が、レール壁面とぶつかり合いながら滑って移動する。この際、レール部位と電子部品との摩擦によって静電気が発生して、電子部品のスムーズな移動を妨げたり、電子デバイスを破壊することがある。
また、パチンコ機等の遊戯機において、パチンコ球(遊戯球)は、該遊戯機の内部においてレール上の移動、タンク部での貯留、落下等を繰り返すことにより静電気が蓄積し、該遊戯機内部の制御回路やディスプレイ等の誤作動を引き起こす原因となっている。
そのため、従来、パチンコ球の静電気を除去するために、金属部材と接触させたり、又は、レールやタンク部材の成形材料に導電性樹脂を使用するなどして除電することが提案されており、例えば特許文献1、2などに開示されている。
一方、成形体上で金属物品(例えばパチンコ球)が移動する際には、すべり摩擦やころがり摩擦が生じて、成形体と金属物品との間で電荷が移動し、帯電が生じる。成形体が導電性樹脂よりなる場合には、導電性樹脂による除電と摩擦による帯電が同時に起こる。このため、レールやタンク部材の成形材料として導電性樹脂を用いて、高速で移動する金属物品の静電気を確実に除電するためには、摩擦により発生した帯電電荷を素早く、確実に漏洩させる必要がある。
また、帯電した金属物品が導電性樹脂や他の金属部材に衝突すると、電磁波を発生させて、制御系デバイスや、装飾系デバイスの誤作動を引き起こす危険性があることから、その対策が必要となる。
また、これらの用途に用いられる樹脂成形体にあっては、静電気対策だけでなく、樹脂成形体と金属物品との摩擦により発塵が生じたり、摩耗痕により金属物品のスムーズな移動が阻害されるため、耐摩耗性も必要とされる。また、成形体がパチンコ機のタンクやレール部材に使用される場合、パチンコ球が高速で衝突するため、耐衝撃性も要求される。さらには、樹脂成形体の成形材料には、大型で複雑な形状の樹脂成形体を成形するための良好な流動性が要求されるなど、高度な特性バランスが要求される。
特開2002−248245号公報 特開2002−224402号公報
従来、静電気を除去するための導電性樹脂組成物としては、熱可塑性樹脂にカーボンブラック、カーボンファイバー、金属ファイバーあるいはイオン導電性ポリマー等の導電成分を練り込んだものが使用されている。しかしながら、これらの従来技術では、近年の高度化、多様化するデバイスやパチンコ機等の静電気対策には必ずしも十分ではない。
これらの導電性樹脂組成物のうち、熱可塑性樹脂にカーボンブラックを練り込んだ材料は、低コストではあるものの、導電性を得るために大量のカーボンブラックの添加が必要であるため、耐摩耗性が悪化しやすく、金属物品との摩擦による発塵や摩耗、金属物品との衝突によるクラック発生の問題が発生しやすい。
また、カーボンファイバーや金属ファイバーは、一般に繊維直径が大きいため、これらのファイバーで形成される導電性のネットワークのサイズが大きくなると同時に、ネットワーク間の樹脂エリアの面積も大きくなり、除電性能が不十分になりやすい。さらに、このように、大きな導電性のネットワークが形成された導電性樹脂は、電磁波の発生量も大きいことが本発明者によって確認された。
また、熱可塑性樹脂にイオン導電性ポリマーを練り込んだ材料は、電荷の移動速度が遅いために、高速で移動する金属物品の電荷を確実に除電することができない。
本発明は、上記実情に鑑みてなされたものであり、その目的は、移動する金属物品に生じた帯電の除電機能を有し、帯電した金属物品が接触しても大きな電磁波を発生させず、さらには、金属物品との摩擦による発塵や摩耗が少なく、衝撃強度に優れ、成形する際の流動性、成形性も良好な樹脂成形体を提供することにある。
本発明はまた、チップ状の電子部品の整列装置や供給装置、パチンコ機、アレンジボール、スロットマシーン、パチンコスロットマシーン等の遊技機における、金属製の球やコインを誘導、貯留するための成形部品に使用することが可能な樹脂成形体を提供することを目的とする。
本発明者は、上記課題に鑑み鋭意検討を行った結果、金属物品を誘導するためのレール部位および/又は金属物品を貯留するためのタンク部位を有する成形体の成形材料として、熱可塑性樹脂に対して特定の微細炭素繊維を特定量含有する熱可塑性樹脂組成物を用いることにより、上記課題を解決し得ることを見出し、本発明を完成した。
すなわち本発明は、以下の[1]〜[8]を要旨とする。
[1] 金属物品を誘導するためのレール部位および/又は金属物品を貯留するためのタンク部位を有する成形体であって、熱可塑性樹脂100重量部に対して、繊維直径200nm以下の微細炭素繊維を0.01重量部以上20重量部以下の割合で含有する熱可塑性樹脂組成物を成形してなることを特徴とする成形体。
[2] 前記熱可塑性樹脂組成物は、5.0kg荷重での該樹脂組成物のメルトフローレート[MFR(5.0)]と、2.16kg荷重での該樹脂組成物のメルトフローレート[MFR(2.16)]との比([MFR(5.0)]/[[MFR(2.16)])が3以上30以下となる温度領域をもつ[1]に記載の樹脂成形体。
[3] 射出成形により成形され、少なくとも一部の表面抵抗値が1×1013Ω以下である[1]又は[2]に記載の樹脂成形体。
[4] 表面抵抗値が1×10Ω以下である部位と、表面抵抗値が1×10Ωを超え1×1013Ω以下である部位とを有する[3]に記載の樹脂成形体。
[5] 前記レール部位とタンク部位とを有し、該レール部位とタンク部位とが一体化されている[1]ないし[4]の何れかに記載の樹脂成形体。
[6] 遊技機用の部材を構成する成形体であって、前記金属物品が遊戯球又はコインである[1]ないし[5]のいずれかに記載の樹脂成形体。
[7] 前記熱可塑性樹脂がポリカーボネートを含有する[1]ないし[6]のいずれかに記載の樹脂成形体。
[8] 前記レール部位および/又は前記タンク部位において前記金属物品の除電がなされる[1]ないし[7]のいずれかに記載の樹脂成形体。
本発明によれば、移動する金属物品に生じた帯電の除電機能を有し、帯電した金属物品が接触しても大きな電磁波を発生させず、さらには、金属物品との摩擦による発塵や摩耗が少なく、衝撃強度に優れ、成形する際の流動性、成形性も良好な樹脂成形体が提供される。
また、本発明によれば、チップ状の電子部品の整列装置や供給装置、パチンコ機、アレンジボール、スロットマシーン、パチンコスロットマシーン等の遊技機における、金属製の球やコインを誘導、貯留するための成形部品に使用することが可能な樹脂成形体が提供される。
実施例で成形したレール形状の樹脂成形体を示す図であり、(a)図は平面図、(b)図は背面図、(c)図は(a)図のC−C線に沿うピンゲート位置での断面図である。 実施例において成形したレール形状の樹脂成形体の表面抵抗値測定時の抵抗値測定プローブの接続箇所を示す平面図である。 実施例における樹脂成形体の静電気特性の測定方法を説明する斜視図である。 実施例における樹脂成形体の静電気特性の測定方法を説明する模式図である。
以下、本発明を詳細に説明するが、本発明は以下の説明に限定されるものではなく、本発明の要旨を逸脱しない範囲において、任意に変形して実施することができる。
本発明の樹脂成形体は、熱可塑性樹脂100重量部に対して、繊維直径200nm以下の微細炭素繊維を0.01重量部以上20重量部以下の割合で含有する熱可塑性樹脂組成物を成形することによって得られる。
<熱可塑性樹脂>
本発明で用いる熱可塑性樹脂は限定されないが、具体的には、ポリエチレン、ポリプロピレン、シクロオレフィンポリマー、共重合ポリオレフィンなどのポリオレフィン樹脂;ポリスチレン、ABS樹脂、AS樹脂等のスチレン樹脂;ポリブチレンテレフタレート、ポリエチレンテレフタレートなどのポリエステル樹脂;ポリアミド6、ポリアミド66、ポリアミト12などのポリアミド樹脂;ポリオキシメチレン、ポリカーボネート、ポリアリレート、ポリフェニレンサルファイド、ポリエーテルイミド、液晶性ポリエステル、ポリフェニレンエーテル、ポリサルフォン、ポリエーテルサルフォン、ポリエーテルエーテルケトン、熱可塑性ポリイミド、エチレン−テトラフルオロエチレン共重合体などの熱可塑性フッ素樹脂、EPRなどのオレフィン系エラストマー、SEBSなどのスチレン系エラストマー、ポリエステル系エラストマー、ポリウレタンエラストマー、ポリアミドエラストマー、シリコーンエラストマー、アクリルエラストマー等の熱可塑性エラストマーなどを使用することができる。前記の熱可塑性樹脂は、1種を単独で使用してもよいし、2種以上を併用してもよい。
上記の熱可塑性樹脂の中でも、ABS樹脂、ポリカーボネート、又はポリカーボネートとABS樹脂等のスチレン樹脂をブレンドしたものが、寸法精度や耐衝撃強度、耐熱性、コストのバランスに優れる点で望ましい。とりわけポリカーボネートは、耐摩耗性、難燃性にも優れる点で最も望ましい。
さらに、上記の熱可塑性樹脂の中でも、オレフィン系エラストマーやスチレン系エラストマー、ポリエステル系エラストマー、ポリウレタンエラストマー、ポリアミドエラストマー、シリコーンエラストマー、アクリルエラストマー等の熱可塑性エラストマーを用いることにより、成形体の耐衝撃強度が良好となる場合がある。
熱可塑性樹脂のメルトフローレート(MFR)は限定されないが、熱可塑性樹脂としてポリカーボネートを用いる場合は、300℃、1.2kg荷重での値が通常5〜200g/10min、好ましくは7〜100g/10min、より好ましくは12〜80g/10minである。メルトフローレートをこの範囲に調整することで、優れた導電性、流動性、機械強度が得られる傾向がある。
<微細炭素繊維>
本発明で使用される微細炭素繊維は、平均繊維径が200nm以下の微細炭素繊維であり、例えば気相成長法(具体的には、アーク放電法や化学的気相分解法など)により製造される。微細炭素繊維としては、例えば特表平8−508534号公報に記載されている炭素フィブリルを使用することができる。
炭素フィブリルは、当該フィブリルの円柱状軸に実質的に同心的に沿って沈着されているグラファイト外層を有し、その繊維中心軸は直線状でなく、曲がった管状の形態を有する。この管状の形態を有する炭素フィブリルの壁厚み(管状体の壁厚)は、通常3.5〜75nm程度である。これは、通常、炭素フィブリルの外径の約0.1〜0.4倍に相当する。
微細炭素繊維の繊維径は製法に依存し、ほぼ均一なものであるが、ここで言う繊維径とは顕微鏡観察して10点測定した平均値である。
微細炭素繊維の平均繊維径が200nmより大きいと、熱可塑性樹脂組成物中の導電性ネットワークが粗くなるため、除電性能が悪化したり、大きな電磁波が発生するため好ましくない。微細炭素繊維の平均繊維径は、好ましくは100nm以下、より好ましくは50nm以下であり、このような微細炭素繊維であると、静電気除電性に優れ、発生する電磁波も少ないため望ましい。
一方、微細炭素繊維の平均繊維径の下限は、0.1nm以上が好ましく、より好ましくは0.5nm以上、更に好ましくは1nm以上、特に好ましくは2nm以上である。微細炭素繊維の平均繊維径が上記下限より小さいと、微細炭素繊維の製造が困難な傾向にある。
微細炭素繊維の長さと径の比(長さ/径)すなわちアスペクト比は限定されないが、5以上のものが好ましく、より好ましくは10以上、更に好ましくは20以上、特に好ましくは100以上、とりわけ好ましくは1000以上である。なお、微細炭素繊維のアスペクト比の上限は限定されないが、通常10000以下である。
なお、繊維径および長さ/径比を測定する微細炭素繊維は、本発明における熱可塑性樹脂組成物中又は本発明の樹脂成形体中に分散された状態のものをいう。
熱可塑性樹脂組成物中又は樹脂成形体中に分散された微細炭素繊維を観察してこれらの値を測定するには、例えば、得られた樹脂成形体の樹脂成分を溶媒やイオンスパッタリング等で除去して、微細炭素繊維を露出させて透過型電子顕微鏡で観察するか、或いは熱可塑性樹脂組成物又は樹脂成形体より切り出した超薄切片を透過型電子顕微鏡観察することにより測定することができる。このような電子顕微鏡の観察において10本の実測値の平均値を平均繊維径、平均長さ(長さ/径比)とする。
上記の微細炭素繊維は、市販のものを使用することが出来る。例えば、昭和電工社の「VGCF−S」、ハイペリオンカタリシスインターナショナル社の「BN」や、ナノシル社の「NC7000」、C−NANO社の「FloTube 9000」、韓国CNT社の「C−Tube」などを使用することができる。
本発明において、微細炭素繊維の添加量は、熱可塑性樹脂100重量部に対して0.01重量部以上20重量部以下、望ましくは0.1重量部以上10重量部以下、さらに望ましくは0.1重量部以上5重量部以下である。微細炭素繊維の添加量が前記下限値よりも少ないと、本発明の樹脂成形体が良好な静電気特性を発現することができない。反対に微細炭素繊維の添加量が前記上限値よりも多いと、成形性や成形体の耐衝撃性を損なうため好ましくない。
本発明の樹脂成形体を構成する熱可塑性樹脂組成物において、熱可塑性樹脂に配合された微細炭素繊維は、その繊維の1本1本がバラバラに樹脂組成物中に分散しているだけでなく、何本かの繊維が絡み合い凝集体を形成した状態で存在している。このように、微細炭素繊維はその少なくとも一部分が凝集体の形態である場合、樹脂組成物中に、面積ベースで測定して約50μm(望ましくは10μm)よりも大きい径を有する微細炭素繊維の凝集体を含有していないことが望ましい。即ち、熱可塑性樹脂組成物中の微細炭素繊維の凝集体の数およびサイズが大きい場合は、樹脂成形体の静電気特性が低下する場合があるため、微細炭素繊維の凝集体の大きさを上記の範囲とすることが好ましい。なお、微細炭素繊維の凝集体の数やサイズは、熱可塑性樹脂や微細炭素繊維等の原料特性や樹脂組成物製造時の混練条件により制御することができる。
なお、本発明で用いる微細炭素繊維には、各種の表面処理剤や分散剤による処理を施してもよい。この場合の処理剤としては例えば、シラン系カップリング剤、チタネート系カップリング剤、アルミニウム系カップリング剤などのカップリング剤や、非極性セグメントと極性セグメントのブロック又はグラフト共重合体などを使用することができる。ただし、これらの処理剤が本発明の樹脂成形体の静電気特性を損なう場合には、微細炭素繊維に表面処理剤等による処理を施さないことが望ましい。
<付加成分>
本発明の樹脂成形体を構成する熱可塑性樹脂組成物には、本発明の効果を損なわない範囲で付加成分を添加することができる。
このような付加成分としては、例えば、ヒンダードフェノールやリン酸エステル等の熱安定剤、酸化防止剤、離型剤、パラフィンオイル等の可塑剤、ハロゲン系、リン系等の難燃剤、光安定剤、紫外線吸収剤、中和剤、滑剤、シランカップリング相溶化剤、防曇剤、アンチブロッキング剤、スリップ剤、分散剤、酸化チタン等の着色剤、防菌剤、蛍光増白剤、結晶核剤等といった各種添加剤を挙げることができる。
特に、金属物品との耐摩耗性を向上させるために、四フッ化ポリエチレン等のフッ素樹脂、二硫化モリブデン等の固体潤滑剤を、熱可塑性樹脂100重量部に対して0.1〜20重量部の範囲で添加することができる。ここで固体潤滑剤としてのフッ素樹脂は、通常、当該樹脂が溶融しない温度での混合(混練)によって熱可塑性樹脂組成物中に含有されるため、前記の熱可塑性樹脂には包含しないものとする。
また、ガラスファイバー、タルク、マイカ、ウォラストナイト、チタン酸カリウム等のウィスカ、炭酸カルシウム等の無機フィラーを添加してもよい。
本発明の樹脂成形体を構成する熱可塑性樹脂組成物には、さらに静電気特性を向上させるために、本発明の効果を失わない範囲で微細炭素繊維以外の導電性成分を添加することができる。具体的には、ファーネスブラック、アセチレンブラック、ランプブラック等のカーボンブラック、炭素繊維(前記の微細炭素繊維を除く)、金属繊維、金属粉末、金属フレーク、黒鉛、高分子型帯電防止剤などを使用することができる。
高分子型帯電防止剤としては、ポリエーテル、4級アンモニウム塩、スルホン酸塩等の導電性単位をブロックもしくはランダムに組み込んだ高分子や、特開平1−259051号公報に記載されているような、ホウ素原子を分子中に有する高分子電荷移動型結合体などを使用することができる。
中でもポリエーテル系高分子帯電防止剤が樹脂との溶融混練による複合化における耐熱性の点で望ましい。具体的には、ポリエチレンオキシド、ポリエーテルエステルアミド、ポリエーテルアミドイミド、エチレンオキシド−エピハロヒドリン共重合体、メトキシポリエチレングリコール−(メタ)アクリレート共重合体等が挙げられる。好ましくはポリエーテルエステルアミド、ポリエーテルアミドイミドで、より好ましくはポリエーテルエステルアミドが挙げられる。さらには、ポリエーテル系高分子帯電防止剤に金属塩を練り込んだものが使用できる。
また、上記の無機フィラーや導電性成分等の付加成分には、シランカップリング剤などの表面処理を施すことも可能である。
<熱可塑性樹脂組成物の製造方法>
本発明の樹脂成形体を構成する熱可塑性樹脂組成物は、通常の熱可塑性樹脂組成物を製造する方法によって製造することができるが、溶融混練によって製造することが好ましい。例えば、熱可塑性樹脂と微細炭素繊維、および必要により用いる付加成分を予め混合した後、バンバリーミキサー、ロール、単軸押出し機、二軸押出し機などで溶融混練することにより製造することができる。また、予め高濃度の微細炭素繊維樹脂組成物マスターバッチを製造した後、これを熱可塑性樹脂で希釈して製造することもできる。あるいは、単軸押出し機や二軸押出し機などの連続押出し機において、最上流から微細炭素繊維と熱可塑性樹脂の一部を投入し、該熱可塑性樹脂が溶融した後に、途中で残りの熱可塑性樹脂を投入して溶融混練してもよいし、さらには、最上流から熱可塑性樹脂のみを投入して溶融させた後、微細炭素繊維を途中から投入して製造してもよい。
<熱可塑性樹脂組成物のMFR比>
本発明の樹脂成形体を構成する熱可塑性樹脂組成物は、MFR比が3以上30以下となるような温度領域をもつことが好ましい。
ここでMFR比とは、当該熱可塑性樹脂組成物の同一温度でのメルトフローレート(MFR)の測定において、5.0kg荷重での測定値([MFR(5.0)])と、2.16kg荷重での測定値([MFR(2.16)])との比、すなわち[MFR(5.0)]/[[MFR(2.16)]を意味する。
また、本発明の樹脂成形体を構成する熱可塑性樹脂組成物は、当該MFR比が3.5以上20以下となるような温度領域をもつことがより好ましく、3.5以上10以下となるような温度領域をもつことが更に好ましい。
本発明における熱可塑性樹脂組成物が、MFR比が上記範囲となるような温度領域をもつものであると、成形時の流動性が良好であるばかりでなく、後述する通り、本発明の樹脂成形体が優れた静電気特性(表面抵抗値による除電特性)や電磁波特性(電磁波発生の抑制性)をもつこととなるので望ましい。
ここでMFR比を測定する際の測定方法は、ISO1133に準じて実施するものとする。測定は、所定の温度にて5分間荷重をかけずに予熱した後、5分後に2.16kg又は5.0kg荷重を負荷し、6分後(荷重負荷開始1分後)から7分後(荷重負荷開始2分後)までの重量を測定する。
MFRを測定する温度領域は、対象とする熱可塑性樹脂組成物が溶融又は流動する温度以上、熱分解する温度未満であればよい。例えば、結晶性樹脂の場合には融点(Tm)よりも10℃から100℃高い温度範囲、また非晶性樹脂の場合にはガラス転移温度(Tg)よりも50℃から200℃高い温度範囲が選択される。具体的には、熱可塑性樹脂組成物を構成する熱可塑性樹脂がポリカーボネートの場合には、200℃から340℃の範囲で測定するとよい。
また、MFRを測定する温度は、前述の温度範囲において、2.16kgおよび5.0kg荷重による測定が可能な温度であればよく、流動性に応じて測定温度を設定すればよい。例えば、流動性の高い(MFR値が大きい)組成物を測定する場合には、5.0kg荷重の測定が可能な程度に測定温度を低くすることが望ましい。反面、流動性の低い(MFR値が小さい)組成物を測定する場合には、2.16kg荷重の測定値が小さくなりすぎて誤差が大きくなるため、測定温度を高くするとよい。MFRの測定値が、1g/10min以上、50g/10min以下の範囲になるように測定温度を設定するとよい。
本発明で規定するMFR比は、MFR、すなわち流動性の荷重依存性を意味するものである。当該MFR比は、通常は、例えば射出成形時における流動特性の射出速度依存性や、射出圧力依存性を意味するものである。従って、従来は成形金型への樹脂の充填率(充満性)を最適化する目的で採用される場合があった。
本発明においては、当該MFR比が上記範囲となるような温度領域をもつ熱可塑性樹脂組成物であれば、成形時の流動特性のみならず、得られる樹脂成形体の表面抵抗値や電磁波発生特性を制御し得ることを見出したことにより、上記好適条件を採用する。すなわち、本発明者は、樹脂成形体の表面抵抗値や電磁波発生特性を、微細炭素繊維の種類や含有量のみならず、熱可塑性樹脂組成物の流動特性を最適化することによっても制御し得ることを見出した。
熱可塑性樹脂組成物のMFR比が得られる樹脂成形体の表面抵抗値や電磁波発生特性に影響を及ぼすメカニズムの詳細は明確ではないが、熱可塑性樹脂組成物中における微細炭素繊維の分散状態が影響するものと考えられる。
MFR比が前記範囲となるような温度領域をもつ熱可塑性樹脂組成物は、分散した微細炭素繊維が相互作用して導電性のネットワークが形成された状態となるため、導電性が発現し易く表面抵抗値が低くなる。また、射出成形等の成形時の流動性も確保することができる。一方、MFR比が前記範囲未満であると、微細炭素繊維による導電性のネットワークの形成が不十分となるため、導電性の発現が不十分となる傾向にある。また、MFR比が前記範囲を超えると、流動性および導電性は良好であるものの、金属物品の除電に際して電磁波発生量が大きくなる傾向にある。
<樹脂成形体の成形方法>
本発明の樹脂成形体は、上述の熱可塑性樹脂組成物を各種の溶融成形法を用いて成形することによって製造することができる。成形方法としては、具体的には圧縮成形(プレス成形)、押出成形、ブロー成形、射出成形などを挙げることができ、更には、延伸成形、真空成形等の二次的成形を行うこともできる。これらの成形方法の中でも、圧縮成形、射出成形が好ましく、特に射出成形が好適である。
射出成形方法としては、一般的な射出成形のほかに、インサート射出成形による金属部品やその他の部品との一体成形や、二色射出成形、コアバック射出成形、サンドイッチ射出成形、インジェクションプレス成形等の各種成形方法を採用することができる。なお、このような成形方法を用いることにより得られる成形体は、複数の部品から構成される成形体であっても後述する「一体化された」成形体を意味するものとする。
なお、射出成形においては、樹脂温度、金型温度、成形圧力、射出速度等によって得られる成形体の表面抵抗値が変化する場合があるので、目的に応じて適切な条件を設定する。
本発明の樹脂成形体を射出成形によって得る場合、金型のキャビティより熱可塑性樹脂組成物を注入する際のゲート(注入口)としては、サイドゲート、フィルムゲート、サブマリンゲート、ピンゲートなどを適宜選択して使用することができる。これらのゲートの断面積は、0.2mm以上であることが望ましい。
また、ゲートとしては、上記の中でも、成形後にゲート処理が不要なピンゲートが生産性の点で望ましいが、その場合には、ピンゲートの直径は0.2〜3mmが好ましく、1.0〜2.5mmであることがより好ましい。
ピンゲートの直径が前記下限値未満の場合は、ゲート部分を樹脂組成物が流れる際に過度の剪断を受ける傾向にあるため、熱可塑性樹脂組成物中の微細炭素繊維による導電性ネットワークが破壊して得られる成形体の除電性能が低下する場合がある。ピンゲートの直径が前記上限値を超える場合は、成形体のゲート部での切断性が悪化して仕上がりが悪くなる場合がある。
熱可塑性樹脂としてポリカーボネートを使用する場合の成形条件としては、射出成形による分子量の低下が2%以上、特に2〜5%となるように成形条件を設定すると、金型内での樹脂の流動が良好な状態となり、微細炭素繊維による導電性ネットワークの破壊が生じにくいものとなり、その結果、成形体の除電性能が良好となる傾向がある。
<樹脂成形体の形状>
本発明の樹脂成形体は、少なくともレール部位および/又はタンク部位を有するものであればその具体的な形状や大きさは限定されるものではない。ここで、レール部位とは、金属物品を移送する際のガイド(誘導)機能をもつ構造であれば、その形状は限定されないが、具体的には、雨樋状の形状が挙げられ、断面(長さ方向と直交する方向の断面)形状としては、上辺のない矩形(コ字形)や上辺のない台形、半円形、V字形などが例示される。また、タンク部位とは、金属物品を保持、滞留又は貯蔵(これらをまとめて「貯留」と称す。)させることが可能な構造であれば、その形状は限定されない。なお、金属物品の保持、滞留又は貯蔵は、一時的、断続的、恒久的等の何れであってもよい。
本発明の樹脂成形体は、金属物品を誘導および/又は貯留するための部位を有する成形体であるが、通常、前記のレール部位にて金属物品を誘導するか、或いは前記のタンク部位にて金属物品を貯留するためのものである。なお、前記のレール部位およびタンク部位が一体化されていると、部品点数の低減によるコストダウンが可能となる。また、一体化されていない成形体に比べて接続部の段差や表面抵抗値の相違が生じ難いため、本発明の効果を達成することが容易となる場合がある。
樹脂成形体の厚さは限定されないが、樹脂成形体内部に導電性ネットワークを形成させるために、樹脂成形体の平均肉厚(ただし開口部を除く)は1mm以上、望ましくは1.5mm以上であることが望ましい。
<樹脂成形体の表面抵抗値>
本発明の樹脂成形体の表面抵抗値は、後述する方法で測定した値として1×1013Ω以下であると、より優れた除電性能が得られる。さらに樹脂成形体の表面抵抗値は、1×10Ω以上1×1013Ω以下であることが好ましく、1×10Ω以上1×1012Ω以下であることがより好ましく、1×10Ω以上1×1012Ω以下であることが更に好ましい。成形体の表面抵抗値が前記範囲内であると、電磁波の放出も少なく、除電性能にも優れる傾向がある。
なお、上記の表面抵抗値は、必ずしも本発明の樹脂成形体の全表面で達成されている必要はない。本発明の樹脂成形体において上記の表面抵抗値を有する部位は限定されないが、金属物品を誘導するためのレール部位又は貯留するためのタンク部位のうち少なくとも一部が上記の表面抵抗値であることが好ましい。
また、当該レール部位および/又はタンク部位の表面抵抗値を上記範囲としておき、これらの部位以外の表面抵抗値は上記範囲外、例えば1×1013Ωを超えるものとしてもよい。
なお、樹脂成形体の表面抵抗値を前記範囲とする手段としては、熱可塑性樹脂の選択、微細炭素繊維の選択、微細炭素繊維の含有量、付加成分の種類と含有量、熱可塑性樹脂組成物の製造条件、成形体を成形する際の成形条件、成形体の形状等を調整する方法が挙げられ、これらの手段で樹脂成形体の表面抵抗値を最適化することができる。
樹脂成形体を構成する熱可塑性樹脂組成物への微細炭素繊維の添加量を増加すると、除電性能が向上するものの、同時に機械物性や耐摩耗性、流動性等が低下したり、さらには放電時の電磁波が増大する場合がある。このため、除電性能のみならず、機械物性、耐摩耗性、流動性、放電時の電磁波の発生等をバランスして最適化することが必要な場合がある。特に、レール部位および/又はタンク部位では、金属物品との接触によって除電とともに電磁波が発生するため、双方の性能を制御することは重要である。このように除電性能と電磁波発生等の他の特性とを制御する手段としては、具体的には以下のような方法が挙げられる。
樹脂成形体における金属物品と接触する部位、例えばレール部位および/又はタンク部位のうち、一部を前記範囲の表面抵抗値とし、一部を前記範囲より高い表面抵抗値とすることにより、金属物品が後者の領域を通過する際に大きな電磁波を放出させることなく大まかな除電が行われ、その後に前者の領域を通過する際に完全に除電を行うことができる。すなわち、電磁波の抑制と、良好な除電を両立することができる。
かかる成形体特性の制御は、例えば本発明の樹脂成形体を得る際の成形条件を最適化することにより達成することができる。
微細炭素繊維を添加した熱可塑性樹脂組成物は、成形時の流動速度や樹脂温度等によって微細炭素繊維の分散状態が変化し、表面抵抗値も変化する。例えば、流動速度が速いほど、或いは樹脂温度が低いほど、微細炭素繊維が流動方向に沿って配向し、微細炭素繊維同士の接触が少なくなる。その結果、表面抵抗値は上昇することとなる。反対に、流動速度が遅いほど、或いは樹脂温度が高いほど、微細炭素繊維のネットワーク形成が生じやすいために、表面抵抗値が低下する。従って、本発明の樹脂成形体を射出成形によって成形する場合は、表面抵抗値を高くしたいエリアを充填する際には熱可塑性樹脂組成物を高速で射出し、表面抵抗値を低くしたいエリアを充填する際には熱可塑性樹脂組成物が低速で流れるように射出速度を調整することにより、除電性能と電磁波発生等の他の特性とを制御することができる。
また、表面抵抗値を低くしたいエリアの成形品肉厚を、他のエリアよりも厚くすることにより、肉厚部分の熱可塑性樹脂組成物の流動速度を低下させることで表面抵抗値を制御してもよい。また、金型への樹脂注入口(ゲート)を、レール部付近、例えばレール部位の上流の裏側に配置すると、ゲート付近において大きな剪断がかかるために、表面抵抗値が上昇しやすい。
さらに、金属物品が成形体と接触する部位に熱可塑性樹脂組成物が最後に充填されるようにゲートを配置すると、最後に充填された部位は剪断が小さいために表面抵抗値が低くなりやすい。そのため、金属物品は成形体から排出される際には除電されて排出されることとなる。
また、成形後に再加熱すると、微細炭素繊維の配向が緩和して表面抵抗値が低下するので、表面抵抗値を低下させたい部位を熱風やヒーター、赤外線等で再加熱して抵抗値を調整することもできる。
このように表面抵抗値を制御する場合、低抵抗エリアの表面抵抗値を1×10Ω以下とし、高抵抗エリアの表面抵抗値を1×10Ωを超え1×1013Ω以下とすることが好ましい。低抵抗エリアの表面抵抗値は、好ましくは1×10Ω以下、より好ましくは1×10Ω以下であり、下限は通常1×10Ωである。
低抵抗エリアの面積は、金属物品の除電ができる程度の面積であればよく、例えば金属物品1個の投影面積の0.5倍以上、望ましくは1倍以上、さらに望ましくは3倍以上である。
金属物品が低抵抗エリアと接触する時間は限定されないが、例えば0.1秒以上であればよい。
また低抵抗エリアの面積は、樹脂成形体上の金属物品との接触部位のうちの80%以下、望ましくは50%以下、とりわけ望ましくは40%以下であると、電磁波の発生量が小さくなり、さらには耐衝撃強度、耐摩耗性、流動性を良好にすることができる傾向にある。この低抵抗エリアの面積の割合の下限は特に制限はなく、0%でもよいが、好ましくは1%以上である。
なお上記の手法により表面抵抗値をコントロールするために、熱可塑性樹脂組成物のMFR比を前記範囲内とすると、射出成形条件や再加熱等によって表面抵抗値を変化させやすい点で望ましい。
<表面抵抗値の測定方法>
本発明における表面抵抗値とは、先端に10Ωcm以下の導電性ゴムを導電性接着剤等により取り付けられた2探針(電極)プローブを用い、プローブ間距離(すなわち電極間距離)25mmで測定する。プローブに導電性ゴムを取り付けることにより、成形体表面の粗さ等に起因する接触面積の変動が少なくなるため、表面抵抗値を正確かつ安定して測定することができる。また、同様の理由で、銀ペーストなどの導電性塗料を、成形体表面に1〜2mmφ程度の大きさで塗布し、これを電極として測定してもよい。
なお測定印加電圧は、表面抵抗値の値に応じて以下のように設定する。
・表面抵抗値:1×10Ω未満の場合、印加電圧:1V
・表面抵抗値:1×10Ω以上、1×10Ω未満の場合、印加電圧:10V
・表面抵抗値:1×10Ω以上、1×1010Ω未満の場合、印加電圧:100V
・表面抵抗値:1×1010Ω以上の場合、印加電圧:500V
なお、一般に表面抵抗値とは、測定サンプルの厚みや幅方向への電流の回り込みを考慮して、抵抗値を形状要因で換算することにより(Ω/□)の単位で得られるが、複雑な形状の成形品の場合、この換算が極めて困難である。一方、実用においては、形状を含んだ上での見かけの抵抗値が重要であり、必ずしも形状で換算された単位(Ω/□)を用いる必要はない。従って、本発明においては、上記表面抵抗値(Ω)で評価する。
<樹脂成形体の用途>
本発明の樹脂成形体の用途は限定されないが、チップ状の電子部品の整列装置や供給装置、パチンコ機、アレンジボール、スロットマシーン、パチンコスロットマシーン等の遊技機における、金属製の球やコインを誘導、貯留するための成形部品として好適に用いることができる。
以下、本発明を実施例により更に具体的に説明するが、本発明はその要旨を超えない限り、以下の実施例に限定されるものではない。
以下の実施例および比較例において、熱可塑性樹脂組成物の製造には、以下の原料を使用した。
<熱可塑性樹脂>
・ポリカーボネート−1; 三菱エンジニアリングプラスチックス社製、ユーピロンS3000F(MFR(300℃、1.2kg荷重)15g/10min)
<微細炭素繊維>
・微細炭素繊維; ナノシル社製、NC7000(平均繊維径10nm、長さ/径比:150)
<その他>
・炭素繊維; 三菱レイヨン社製、パイロフィルTR06U(平均繊維径8μm、カット長6mm)
・カーボンブラック; 三菱化学社製、三菱カーボン#30
・高分子型帯電防止剤; 三洋化成社製、親水性ポリマー、ペレスタットNC201
・熱安定剤 ; 豊通ケミプラス社製、ヒンダードフェノール系熱安定剤、イルガノックス1010
・固体潤滑剤; 喜多村社製、フッ素樹脂、KTL610
[参考例1〜5]
MFR比は、測定温度やポリカーボネートの分子量に左右されることなく、ほぼ一定であることを確認する実験を行った。
分子量の異なる(即ち、同一条件でのMFR値の異なる)表1に示すポリカーボネートについて、ISO1133に準拠して、添加剤無添加で、表1に示す測定温度にて、5分間荷重をかけずに予熱した後、5分後に2.16kg荷重を負荷し、6分後(荷重負荷開始1分後)から7分後(荷重負荷開始6分後)までの重量を測定して10分あたりの重量に換算してMFR値を得た。同様に5.0kg荷重にて測定した後、[5.0kg荷重時のMFR値]/[2.16kg荷重時のMFR値]によりMFR比を算出し、結果を表1に示した。
表1の結果より、MFR比は、ポリカーボネートの分子量に拠らず、また測定温度に拠らず、ほぼ一定であることが確認された。
Figure 2014045802
[製造例1〜8:組成物1〜8の製造]
表2に示す配合比で、各原料成分を予め混合した後、二軸押出機(池貝鉄鋼社製「PCM45」、L/D=32(L;スクリュー長、D;スクリュー径))を用いて、表2の条件にて、吐出量は全て30Kg/時間として溶融混練し、冷却後、切断して熱可塑性樹脂組成物のぺレットを得た。
得られたペレットのうち、組成物1のペレットを透過型電子顕微鏡により観察して、微細炭素繊維の繊維径、および長さ/径比の10点測定の平均値を算出したところ、平均繊維径11.2nm、長さ/径比22であった。なお、サンプルの超薄切片を観察したことから、微細炭素繊維の正確な全長が測定できなかったため、長さ/径比については、22という値は正確な値ではないが、50程度であると推定された。
得られた樹脂組成物ペレットを用いて以下の評価を行い、結果を表2に示した。
<アイゾット衝撃強度>
各樹脂組成物ペレットを130トン射出成形機で成形して、ノッチ付アイゾット衝撃強度を評価した。ノッチ付アイゾット衝撃強度は、ASTM D256に準拠し、23℃、50%にて評価した。なお、射出成形に際しては、樹脂組成物ペレットを熱風乾燥機で120℃にて、4〜8時間乾燥したものを使用した(以下の射出成形においても同様である。)
<摩耗深さ>
各樹脂組成物ペレットを130トン射出成形機で成形して、100mm×100mm×2mm厚みのプレートを成形して評価した。往復摩耗試験機(ヘイドン社製 TYPE30S)を用いて、以下の条件でパチンコ球とのすべり摩擦試験を23℃、50%にて行い、300,000回往復して摩擦した後、表面粗さ計(ミツトヨ社製「サーフテストSJ−400」)を使用して摩耗痕の断面曲線を測定して、摩耗深さを読み取った。
荷重:20g
移動距離:40mm
移動速度:267mm/秒
<スパイラルフロー長>
各樹脂組成物ペレットについて、130トン射出成形機を使用して厚さ2mm、幅10mmのスパイラルフロー金型により、下記条件で射出した際の流動長を測定して各組成物の流動性を評価した。
成形温度:300℃(製造例8の組成物8のみ、260℃)
金型温度:90℃
射出時間:3秒
射出圧力:150MPa
射出速度:32.2cm/秒
シリンダ径:32mm
スクリュー前進速度:40mm/秒
<MFR比>
ISO1133に準拠して参考例1〜5と同様にして表2に示す測定温度で測定した。
Figure 2014045802
[実施例1〜4、比較例2,4]
<樹脂成形体の製造>
表3に示す樹脂組成物ペレットを原料として、図1(a)〜(b)に示すレール形状の樹脂成形体を射出成形することにより得た(図1中、寸法を示す数字の単位は全て「mm」である。後掲の図3においても同様である。)。この樹脂成形体1は、断面コ字形のレール状物であり、レール底面の裏側に直径1.5mmのピンゲート2が設置されている。
得られた樹脂成形体について、以下の方法により表面抵抗値、表面粗さ、静電気特性(電磁波強度およびパチンコ球の帯電量)を測定し、結果を表3に示した。
<表面抵抗値>
図2のように、樹脂成形体1のレール底面の抵抗値を、ゲート2に近い側の端部1Aから、この端部1Aからの距離Lを変えて他端1Bまで、10mm刻みで測定した。なお、測定には、各端部からの測定位置で抵抗値測定プローブ3を水平方向にずらして2箇所の表面抵抗値を測定して平均値を算出した。
抵抗値測定装置として、抵抗値が1×10Ω以上であればダイヤインスツルメンツ社製「ハイレスタUP」を使用し、また抵抗値が1×10Ω未満であればHIOKI社製「デジタルハイテスター(印加電圧1V)」を使用した。
「ハイレスタUP」のプローブとしてはUAプローブ(2探針プローブ、プローブ間距離20mm、プローブ先端直径2mm)を用いた。印加電圧は、抵抗値1×10Ω以上、1×10Ω未満であれば10V、抵抗値1×10Ω以上であれば100Vとした。コンタクトピン先端に導電ゴム(体積低効率:5Ω・cm)を導電性接着剤で取り付けて、サンプル表面との接触を安定させた。
また、「デジタルハイテスター」のプローブとしては、上記と同一のUAプローブを接続して測定した。
表面抵抗値は値が低いほど導電性が良好となり、1×1013Ω以下、好ましくは1×10Ω以上1×1013Ω以下、さらに好ましくは1×10Ω以上1×1012Ω以下、とりわけ好ましくは1×10Ω以上1×1012Ω以下の範囲にあることが好ましい。
<表面粗さ>
ミツトヨ社製表面粗さ計「サーフテストSJ−400」を使用し、JISB0601−2001の条件(評価長さ4mm、測定速度0.5mm/s)にて、算術表面粗さ(Ra)を得た。測定は、成形品のレール底面を5箇所測定して、平均値を算出した。
<電磁波強度・パチンコ球の帯電量>
図3に示すように、レール形状の樹脂成形体1とテフロン(登録商標)製の前段レール4を、互いの端部が接するように繋げて設置した。前段レール4は、幅30mm、壁面の高さ20mm、厚さ1.5mmの断面コ字形状である。このとき、樹脂成形体1は、ゲートに近い方の端部(すなわち表面抵抗値の測定位置が0mm側)1Aが前段レール4と接続されるように設置した。また、樹脂成形体1の他端1B付近の壁面部からワニ口クリップ5Aとアース線5Bを介して接地した。
また、図4に示すように、各レールの傾斜角度は前段レール4が45°、樹脂成形体1が20°とした。樹脂成形体1の下流には、金属バット5を設置しておいた。なお、この金属バット5は、チャージプレートモニター(ヒューグルエレクトロニクス社製、MODEL 700A)9上に設置されており、20pFの静電容量で浮遊している。
また、前段レール4と樹脂成形体1との接合部には、テフロン(登録商標)製のシャッター(幅40mm、高さ40mm)6を設けた。該シャッター6の出口から樹脂成形体1側へ30mmの位置には、25mmモノポールアンテナ7aを設置した。該モノポールアンテナ7aはオシロスコープ(レクロイ社製、LC584A)7に接続させた。オシロスコープにて検出された電磁波の最大振幅を読み取り、電磁波強度とした。
イオナイザーを用いて前段レール4および樹脂成形体1の帯電を除去した後、予め帯電させたパチンコ球(直径11mm)8を30個、前段レール4に投入し、前段レール4の出口に設けたテフロン(登録商標)製のシャッター6によりパチンコ球8を前段レール4内に貯留した。
このシャッター6を取り除くとパチンコ球8はレール状の樹脂成形体1上を転がり落ちた後、金属バット5へ落ちるが、この際に発生する電磁波をモノポールアンテナ7aでモニターし、オシロスコープ7に記録された波形から最大振幅を読み取り、電磁波強度を測定した。
また、金属バット5に落ちた30個のパチンコ球8の電位をチャージプレートモニター9で測定した(初期帯電2018Vのパチンコ球の帯電量)。
なお、パチンコ球を予め帯電させる方法として、パチンコ球40個を直径60mmのテフロン(登録商標)製カップに投入し、50回攪拌して摩擦帯電させた。
この方法で帯電させたパチンコ球を前段レール4に投入し、樹脂成形体1を経由することなく直接金属バット5へ落とした際のパチンコ球30個の帯電電位測定を5回繰り返した結果、1986V〜2058V、平均値は2018Vであり、帯電が安定して得られることが確認された。
次に、前段レール4およびシャッター6をアルミニウム製に変えて、前段レール4を接地することにより、30個のパチンコ球8を接地した(帯電していない)状態で貯留し、その後上記と同様に、レール形状の樹脂成形体1を流下した後のパチンコ球の帯電を測定した(初期帯電0Vのパチンコ球の帯電量)。
なお、上記の静電気特性の評価は、23℃、50%にて実施した。
[実施例5,6]
表3に示す樹脂組成物ペレットを原料として、実施例1と同様にレール形状サンプルを成形する際に、レール底部が約90mmまで充填する位置で射出速度を切り替えて成形した。初期の射出速度を第一射出速度、切り替え後の射出速度を第二射出速度として、表3に示した。得られたレール形状の樹脂成形体を用いて実施例1と同様に評価を実施し、結果を表3に示した。
[比較例1]
組成物1を、組成物5に変えた以外は、実施例1と同様に成形および評価を実施し、結果を表3に示した。なお、表面抵抗値の測定値において、印加電圧の依存性が非常に大きく、10V印加電圧では1011Ω以上、100V印加電圧では10Ω未満となり、表面抵抗値の値が得られない部位があった。表3に*印として示した。水平方向に2箇所測定したうちの1箇所でも値が得られなかった場合にも*印とした。
[比較例3]
組成物1を、組成物7に変えて、実施例1と同様にレール形状サンプルを成形したが、完全充填が不可能であり、さらに、金型が開く際にサンプルの側壁部位の割れが生じて、サンプルが得られなかった。
[比較例5]
組成物1を、参考例1のポリカーボネート(PC−1a)に変えた以外は、実施例1と同様に成形および評価を行って、結果を表3に示した。
[比較例6]
アルミニウム板(Al板)で作成した上記レール形状サンプルと同じ形状のAl製レールを用いた以外は実施例1と同様に電磁波強度とパチンコ球の帯電量の評価を行い、結果を表3に示した。
Figure 2014045802
以上の結果から明らかな通り、実施例1〜6の樹脂成形体の静電気特性は、比較例のものと比べて、パチンコ球の除電性能に優れ、電磁波の放出が少なく、また、パチンコ球を帯電させることも無かった。更には、用いた組成物1〜4は、流動性が良好なため成形性が良好であり、機械的特性にも優れていた。
また、実施例1,2では、表面抵抗値が高いにもかかわらず、優れた除電、帯電特性を示した。更に実施例3,4のように微細炭素繊維の添加量が増加するに従い、除電/帯電性能が向上した。
更には、実施例5,6のように射出速度をコントロールすることによって、レール出口付近の表面抵抗値を低下させることができ、これにより、電磁波発生の抑制と、除電性能
を両立させることができた。
これに対し、比較例1,2の樹脂成形体は、微細炭素繊維の代わりに炭素繊維を用いたため、除電、帯電性能が悪化した。さらに、炭素繊維が電磁波の発生基点となりやすく、大きな電磁波が放出した。
比較例3で用いた組成物7は、微細炭素繊維の代わりにカーボンブラックを用いたものであるが、流動性に劣るため成形性が著しく悪化し、機械的特性も不十分であった。
比較例4の樹脂成形体は、微細炭素繊維の代わりに高分子型帯電防止剤を用いたが、電磁波の発生は少ないものの、除電が不十分なだけでなく、パチンコ球を大きく帯電させた。
比較例5の樹脂成形体は、微細炭素繊維を含まないため、表面抵抗値が大きく、パチンコ球の帯電量も大きい。
比較例6のAl製レールは、電磁波発生の問題がある。
1 樹脂成形体
2 ピンゲート
3 抵抗値測定プローブ
4 前段レール
5 金属バット
6 シャッター
7a モノポールアンテナ
7 オシロスコープ
8 パチンコ球
9 チャージプレートモニター

Claims (8)

  1. 金属物品を誘導するためのレール部位および/又は金属物品を貯留するためのタンク部位を有する成形体であって、熱可塑性樹脂100重量部に対して、繊維直径200nm以下の微細炭素繊維を0.01重量部以上20重量部以下の割合で含有する熱可塑性樹脂組成物を成形してなることを特徴とする成形体。
  2. 前記熱可塑性樹脂組成物は、5.0kg荷重での該樹脂組成物のメルトフローレート[MFR(5.0)]と、2.16kg荷重での該樹脂組成物のメルトフローレート[MFR(2.16)]との比([MFR(5.0)]/[[MFR(2.16)])が3以上30以下となる温度領域をもつ請求項1に記載の樹脂成形体。
  3. 射出成形により成形され、少なくとも一部の表面抵抗値が1×1013Ω以下である請求項1又は2に記載の樹脂成形体。
  4. 表面抵抗値が1×10Ω以下である部位と、表面抵抗値が1×10Ωを超え1×1013Ω以下である部位とを有する請求項3に記載の樹脂成形体。
  5. 前記レール部位とタンク部位とを有し、該レール部位とタンク部位とが一体化されている請求項1ないし4の何れかに記載の樹脂成形体。
  6. 遊技機用の部材を構成する成形体であって、前記金属物品が遊戯球又はコインである請求項1ないし5のいずれかに記載の樹脂成形体。
  7. 前記熱可塑性樹脂がポリカーボネートを含有する請求項1ないし6のいずれかに記載の樹脂成形体。
  8. 前記レール部位および/又は前記タンク部位において前記金属物品の除電がなされる請求項1ないし7のいずれかに記載の樹脂成形体。
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