JP2014045682A - てん茶製造機およびてん茶の製造方法 - Google Patents

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Abstract

【課題】設置空間の省スペース化と製造コストの低減を図れ、あわせて、製造品質の良好なてん茶が得られるてん茶製造機とてん茶の製造方法を提供する。
【解決手段】扉200を備え、茶葉を収容した通気性トレー400を一段または複数段に収容可能な真空処理室200と、真空処理室200内を低真空度に減圧する真空ポンプ320と、真空処理室200内に収容した通気性トレー400上の茶葉を加温する遠赤ヒーター500と、真空処理室200内に不活性ガスを供給する不活性ガス供給装置600を備え、茶葉を収容した通気性トレー400を収容した真空処理室200内を真空ポンプ320により低真空度に減圧し、通気性トレー400上の茶葉を遠赤ヒーター500により加温しながら、茶葉に含まれる水分を一定時間蒸発処理し、その後不活性ガス供給装置600により低真空度下の真空処理室200内に不活性ガスを供給して、蒸発処理後の茶葉に不活性ガスを吸収および封入処理する。
【選択図】図1

Description

本発明は、てん茶の製造に用いるてん茶製造機およびてん茶の製造方法に関するものである。
お茶の製造工程において、煎茶は摘採した茶葉を蒸して、揉みを繰り返し、乾燥させて荒茶を得るのに対し、抹茶の原料となるてん茶は、摘採した茶葉を蒸して、揉み作業を行うことなく、乾燥させて荒茶を得るようにしている。従来のてん茶用の乾燥機は、高さ5〜7m、長さ10〜15mの金網製の一次乾燥室と、同規模の大きさの耐火レンガ製の乾燥炉を並列に備え、前工程の一次乾燥室内で蒸茶葉を下から複数のファンにより繰り返し吹き上げて一次乾燥し、後工程の乾燥炉で、バーナーの熱により茶葉を最終乾燥させるようにしている。したがって、従来のてん茶用の乾燥機は、広い設置面積を必要とし、また、バーナーに重油を使用する等、ランニングコストが非常に高いという問題があった。
そこで、蒸葉の輸送ラインを多段式にして空間効率を高めたてん茶用乾燥機が提案されている(特許文献1)。
特開平8−49972号公報
しかしながら、特許文献1の乾燥機は、茶葉の輸送ラインを多段式にして空間効率を高めているものの、大型の設備であることに従来と代わりがなく、火炉(バーナー)に重油を使用する等して、ランニングコストが高い点でも従来と同様であった。
本発明は、上記課題に鑑みてなされたもので、設置空間のさらなる省スペース化と製造コストの低減を図れ、あわせて、製造品質の良好なてん茶が得られる、てん茶製造機およびてん茶の製造方法を提供することを目的とする。
上記課題を解決するために、本発明に係るてん茶製造機は、
扉を備え、茶葉を収容した通気性トレーを一段または複数段に収容可能な真空処理室と、真空処理室内を低真空度に減圧する減圧手段と、真空処理室内に収容した通気性トレー上の茶葉を加温する加熱手段と、真空処理室内に不活性ガスを供給する不活性ガス供給手段を備え、
茶葉を収容した通気性トレーを収容した真空処理室内を減圧手段により低真空度に減圧し、および通気性トレー上の茶葉を加熱手段により加温しながら、通気性トレー上の茶葉に含まれる水分を一定時間蒸発処理し、不活性ガス供給手段により低真空度下の真空処理室内に不活性ガスを供給して、蒸発処理後の茶葉に不活性ガスを吸収および封入処理することを主要な特徴とする。
本発明に係るてん茶製造機は、真空処理室の内面に加熱手段から放射された遠赤外線を通気性トレー上の茶葉に向けて反射させる反射板を備えることを第2の特徴とする。
本発明に係るてん茶製造機は、真空処理室と減圧手段が床面上を移動可能なベース上に載置されていることを第3の特徴とする。
本発明に係るてん茶の製造方法は、
真空処理室内に多数の茶葉を収容した通気性トレーを一段または複数段に収容し、
真空処理室内を減圧手段により低真空度に減圧し、並行して加熱手段により通気性トレー上の茶葉を加温して、通気性トレー上の茶葉に含まれる水分を一定時間蒸発処理し、
低真空度下の真空処理室内に不活性ガス供給手段により不活性ガスを供給して、蒸発処理後の茶葉に不活性ガスを吸収および封入処理することを主要な特徴とする。
本発明に係るてん茶の製造方法は、蒸茶葉を用いることを第2の特徴とする。
本発明に係るてん茶の製造方法は、
真空処理室内に多数の茶葉を収容した通気性トレーを一段または複数段に収容し、
真空処理室内を減圧手段により低真空度に減圧し、並行して加熱手段により通気性トレー上の茶葉を加温して、通気性トレー上の茶葉に含まれる水分を一定時間蒸発処理する工程と、
低真空度下の真空処理室内に不活性ガス供給手段により不活性ガスを供給して、蒸発処理後の茶葉に不活性ガスを吸収および封入処理する工程を、
通気性トレー上の茶葉が目標の含水率に達するまで交互に繰り返すことを第3の特徴とする。
以上説明したように、本発明のてん茶製造機によれば、品質の良好なてん茶を効率よく製造することができるという優れた効果を奏する。また、設備の小型化を実現し、設置面積・設置空間の省スペース化と、てん茶の製造コストの低減を図ることができる。
さらに、本発明のてん茶製造機により得られたてん茶は、てん茶の内部に不活性ガスが効果的に封入されており、長期間品質を保持できるという優れた効果を奏する。
本発明のてん茶製造機の側面図、 図1に示すてん茶製造機の正面図、 図1に示すてん茶製造機の背面図、 図1に示すてん茶製造機の平面図、 図1に示すてん茶製造機のA−A線断面図で、真空処理室の内部を示す図、 図1に示すてん茶製造機に用いる通気性トレーの斜視図、 図1に示すてん茶製造機のシステム構成図である。
本発明を実施するための最良の形態につき、図面を参照して説明する。図1ないし図7は本発明に係るてん茶製造機の一実施形態を示している。図中、符号100はてん茶製造機である。
てん茶製造機100は、図1に示すように、ベース110(図示例の場合、長さ1200mm×幅650mm)の上面に真空処理室200と真空ポンプ室300を備えている。ベース110の下面には走行車輪120が取り付けられ、全体が床面G上を移動できるようになっている。
真空処理室200は、茶葉(蒸茶葉)を収容して低真空下で茶葉を乾燥処理するための部屋(チャンバー)であり、ベース110の上面の片側(図1の右半分)に箱状のケーシング210(図示例の場合、高さ800mm)が設置されている。ケーシング210の前面には、図2および図4に示すように、茶葉を搬入し、真空処理室200内を密閉するための扉220が開閉可能に取り付けられている。ケーシング210の左右内側面には、図5に示すように支持部211,211が上下に複数取り付けられている。左右の支持部211,211間には茶葉収容用の通気性トレー400を水平姿勢で支持できるようになっている。これにより、茶葉を収容した通気性トレー400を真空処理室200内に多段に収容できるようになっている。
真空処理室200内には、図5に示すように、真空処理室200内に多段に収容された通気性トレー400内の茶葉を上下から加温する遠赤ヒーター500が配置されている。より具体的には、最上段の通気性トレー400とケーシング210の天面の間、最下段の通気性トレー400とケーシング210の底面の間、上下の通気性トレー400,400間のそれぞれに遠赤ヒーター500が配置されている。各遠赤ヒーター500は図示しない支持手段によってケーシング210内面に支持されている。
ケーシング210の外面には、図1および図4に示すように、左右側面および天面の計3面に吸熱フィン212が多数取り付けられている。吸熱フィン212は、てん茶製造機100が設置される工場(乾燥場)内の熱(蓄熱・排熱)を真空処理室200内に吸収し、あわせて、真空処理室200が低真空状態にあるときケーシング210を補強する役目をする。
ケーシング210の全内面(側面、底面、天面)には、図5に示すように、遠赤ヒーター500からの輻射熱を遮蔽し、反射させるための熱反射板230が取り付けられている。熱反射板230には例えばステンレス板が用いられる。また、ケーシング210の内部には遠赤ヒーター500によって加温された茶葉の表面温度を測定する温度センサ240が配置されている。
真空ポンプ室300は、図1に示すように、ベース110の上面の片側(図1の左半分)に真空処理室200側のケーシング210よりもやや大きいサイズの箱状のケーシング310が設置されている。ケーシング310とケーシング210の間は周囲に隙間Sが設けられている。ケーシング310の内部には真空ポンプ(図示例の場合、定格出力7.5kw)320が配置されている。真空ポンプ320は真空処理室200内を真空引きし、真空処理室200内を低真空状態に維持する動力機で、真空ポンプ320と真空処理室200のケーシング210の後面の間には真空処理室200内を真空引きするための吸引管321が接続されている。吸引管321の途中には開閉弁322が設けられている。開閉弁322は時間設定されたタイマーのON/OFFにより弁が開閉されるようになっている。扉220の前面に真空度計250が取付けられている。
真空ポンプ室300のケーシング310の背面には、図3に示すように、吸気口311が開設されている。吸気口311には吸気ファン312が取り付けられている。この吸気ファン312は、真空ポンプ室300内に空気を取り込んで真空ポンプ320を冷却し、熱交換後の空気をケーシング310とケーシング210の周囲の隙間Sから吸熱フィン212に向けて排出し、吸熱フィン212から真空処理室200内に吸熱させるようになっている。
ケーシング310の上面には大気導入部330と不活性ガス導入部340がそれぞれ設けられている。大気導入部330は外気と連通し内部に図示しないエアフィルタが内蔵されている。大気導入部330と吸気管321の間は大気導入管331によって接続され、大気導入管331の途中には開閉弁332が設けられている。不活性ガス導入部340と吸気管321の間は不活性ガス導入管341によって接続され、不活性ガス導入管341の途中には開閉弁342が設けられている。開閉弁342は時間設定されたタイマーのON/OFFにより弁が開閉されるようになっている。一方、不活性ガス導入部340と不活性ガス供給装置600の間は不活性ガス供給管343によって接続されている。
通気性トレー400は、上面に多数枚の茶葉を収容するもので、図6に示すように、底板部401と四隅の枠部402から構成され、全体が矩形状とされている(図示例の場合、幅800mm〜850mm×奥行800mm〜850mm、高さ30mm)。上面には茶葉を収容する収容室403が形成されている。底板部401はメッシュ状とされ、通気性が確保されている。かかる通気性トレー400は、軽量なアルミニウム等の金属製からなり、吸熱性を良くするために全体に黒色メッキ加工が施されている。
不活性ガス供給装置600は、図2に示すタンク601内に一定容量の不活性ガス(窒素ガス)が充填されており、出口の開閉弁602を開き、不活性ガス供給管341の開閉弁342を開くことによって、不活性ガス(窒素ガス)を真空処理室200内に供給できる。
真空ポンプ室300のケーシング310の側面には、制御盤700が取り付けられている。制御盤700の外面には自動運転スイッチ701、遠赤ヒーター作動スイッチ702、真空ポンプ作動スイッチ703、非常停止スイッチ704、終了ランプ705が設けられている。また、制御盤700の内部には、真空ポンプの作動時間、遠赤ヒーターの作動時間、不活性ガスの供給時間をそれぞれ設定(タイマー設定)するダイヤルが設けられている。なお、制御盤700と、真空ポンプ320、各遠赤ヒーター500、吸気ファン312、開閉弁322、332、342の間は、図示しないケーブルで接続されている。
これにより、作業者は、制御盤700上で、予め真空ポンプ320の作動時間、遠赤ヒーター500の作動時間、不活性ガスの供給時間を設定しておき、自動運転スイッチ701を押すことにより、真空処理室200内で茶葉の乾燥から不活性ガスの封入に至る処理を自動的に行なわせることができる。また、遠赤ヒーター作動スイッチ702を押すことにより、遠赤ヒーター500を所定時間作動させ、真空ポンプ作動スイッチ703を押すことにより、真空ポンプ320を所定時間作動させることができる。さらに、遠赤ヒーター作動スイッチ702と真空ポンプ作動スイッチ703をそれぞれ押すことにより、同時並行的にそれらを所定時間作動させることができる。これらの各処理の一連の動作は、制御盤700に予め組み込まれたプログラムにより自動進行させるようにしている。
次に、上記構成のてん茶製造機100を用いて、茶葉を乾燥処理し、てん茶を製造する手順について、図7のシステム構成図等を用いて以下に説明する。
まず、準備段階として、真空処理室200の扉220を開けて、茶葉、すなわち蒸茶葉1を所定量(図示例では5kg)収容した通気性トレー400を真空処理室200内に搬入し、左右の支持部211,211間に架設する。これにより、蒸茶葉1を収容した通気性トレー400を真空処理室200内に多段に収容する(図7の4段の場合、蒸茶葉1の収容量は合計20kg)。最後に扉220を閉めて、ハンドル221をロックし、真空処理室200内を密閉する。
てん茶製造機100を用いての茶葉の乾燥および不活性ガスの封入処理は3段階に分けて行なう。最初の第1段階は茶葉の含水率を50%まで低下させる。次の第2段階は茶葉の含水率を25〜20%まで低下させる。最後の第3段階は茶葉の含水率を最終目標の5%まで低下させる。
(第1段階)
作業者が制御盤700上の自動運転スイッチ701を入れる(運転スイッチON)と、制御信号に基づき、真空ポンプ320が作動し、同時に吸気管321の開閉弁322が開き、タイマーが作動する(タイマーON/設定作動時間10分間)。これにより、吸気管321を通して真空処理室200内の真空引きがスタートし、真空処理室200内が徐々に低真空状態となる(第1段階は2000〜3000Paまで)。真空処理室200内の低真空度は真空度計250に表示され、作業員は真空度計250により真空処理室200内の真空度を確認できる。また、前記制御信号に基づき、各遠赤ヒーター500が作動し、タイマーが作動する(タイマーON/設定時間10分間)。
真空処理室200内が低真空状態に保持されるとともに、各遠赤ヒーター500により各通気性トレー400上の蒸茶葉1が加温されるが、各蒸茶葉1は表面温度が中温(約30〜40℃)に維持されながら、内部に含まれる水分が表面から積極的に蒸発される。各蒸茶葉1の表面から水分が蒸発するにともない蒸発潜熱によって各蒸茶葉1の表面温度が低下するが、上下の遠赤ヒーター500からの輻射熱によって同表面温度が中温に維持されるので、蒸茶葉1の表面が氷結して内部細胞が破壊されたり、逆に高温にさらされて茶葉が変質してしまうことがなく、茶葉の品質を確保しながら、茶葉に含まれる水分の蒸発を促進させることができる。
各ヒーター500からの輻射熱は、真空処理室200の内面全面に取り付けられた熱反射板230により遮蔽され、反射させられて各通気性トレー400の蒸茶葉1に向かうので、各蒸茶葉1の加温効率を高めることができる。よって、茶葉の品質を確保しながら、蒸茶葉の乾燥処理をより一層促進させることができる。
設定時間の終了(タイマーOFF)により、受信信号(タイマーOFF信号)に基づき、吸気管321の開閉弁322が閉じ、同時に真空ポンプ320が停止し、これにより真空処理室200内の真空引きが停止する。次いで、前記受信信号に基づき、不活性ガス供給装置600側の開閉弁342が開き、同時にタイマーが作動する(タイマーON/設定時間10分間)。これにより、不活性ガス供給管343、不活性ガス導入管341および吸気管321を通して、不活性ガス供給装置600(出口の開閉弁601は予め開けておく)から不活性ガス(窒素ガス)が低真空度下の真空処理室200内に導入開始される。真空処理室200内は低真空度下に維持されているから、真空処理室200内に導入された不活性ガス(窒素ガス)は通気性トレー400上の蒸茶葉1の内部(より詳しくは水分が抜けて空隙が形成された細胞や葉脈の中)に吸収され封入される。また、不活性ガスは乾燥された気体であるから、各蒸茶葉1に吸収されることによって、各蒸茶葉の内部からの水分蒸発が継続的に進行する。設定時間の終了(タイマーOFF)により開閉弁342が閉じられる。以上の第1段階により各蒸茶葉1の含水率は50%まで低下し、また、蒸発した水分の容積だけ各蒸茶葉1に不活性ガスが封入される。
(第2段階)
設定時間(タイマーOFF)、すなわち不活性ガスの供給時間の終了により、受信信号(タイマーOFF信号)に基づき、真空ポンプ320が再び作動し、同時に吸気管321の開閉弁322が開き、タイマーが作動する(タイマーON/設定作動時間10分間)。これにより、吸気管321を通して真空処理室200内の真空引きが再度行なわれ、真空処理室200内がさらに低真空状態となる(第2段階は約1000Paまで)。また、前記受信信号に基づき、各遠赤ヒーター500が再び作動し、タイマーが作動する(タイマーON/設定時間10分間)。
真空処理室200内がより低真空状態に保持されるとともに、各遠赤ヒーター500により各通気性トレー400上の蒸茶葉が加温されるが、各蒸茶葉1は表面温度が再び中温(約30〜40℃)に維持されながら、内部に含まれる水分が表面から積極的に蒸発される。第2段階においても、各蒸茶葉1の表面から水分が蒸発するにともない蒸発潜熱によって各蒸茶葉1の表面温度が低下するが、上下の遠赤ヒーター500からの輻射熱によって同表面温度が中温に維持されるので、蒸茶葉の表面が氷結して内部細胞が破壊されたり、逆に高温にさらされて茶葉が変質してしまうことがなく、茶葉の品質を確保しながら、茶葉に含まれる水分蒸発を促進させることができる。
設定時間の終了(タイマーOFF)により、受信信号(タイマーOFF信号)に基づき、吸気管321の開閉弁322が閉じ、同時に真空ポンプ320が停止し、これにより真空処理室200内の真空引きが停止する。次いで、前記受信信号に基づき、不活性ガス供給装置600側の開閉弁342が開き、同時にタイマーが作動する(タイマーON/設定時間10分間)。これにより、不活性ガス供給管341、不活性ガス導入管343および吸気管321を通して、不活性ガス供給装置600から不活性ガス(窒素ガス)が低真空度下の真空処理室200内に再び導入される。真空処理室200内は低真空度下に維持されているから、真空処理室200内に導入された不活性ガス(窒素ガス)は通気性トレー400上の蒸茶葉1の内部に再び吸収され封入される。また、不活性ガスは乾燥された気体であるから、各蒸茶葉1に吸収されることによって、このときも各蒸茶葉1の内部からの水分蒸発が継続的に進行する。設定時間の終了(タイマーOFF)により開閉弁342が閉じられる。以上の第2段階で各蒸茶葉1の含水率は20〜25%まで低下し、また蒸発した水分の容積だけ各蒸茶葉1に不活性ガスが封入される。
(第3段階)
設定時間(タイマーOFF)の終了により、受信信号(タイマーOFF信号)に基づき、真空ポンプ320が再び作動し、同時に吸気管321の開閉弁322が開き、タイマーが作動する(タイマーON/設定作動時間10分間)。これにより、吸気管321を通して真空処理室200内が再度真空引きされ、真空処理室200内がさらに低真空状態となる(第3段階は約700〜約800Paまで)。また、前記受信信号に基づき、各遠赤ヒーター500が再び作動し、タイマーが作動する(タイマーON/設定時間10分間)。
第3段階においても、真空処理室200内がより低真空状態に保持されるとともに、各遠赤ヒーター500により各通気性トレー400上の蒸茶葉1が加温され、各蒸茶葉1は表面温度が再び中温(約30〜40℃)に維持されながら、内部に含まれる水分が表面から積極的に蒸発される。設定時間の終了(タイマーOFF)により、吸気管321の開閉弁322が閉じ、同時に真空ポンプ320が停止し、これにより真空処理室200内の真空引きが停止する。次いで、前記受信信号に基づき、不活性ガス供給装置600側の開閉弁342が開き、同時にタイマーが作動し(タイマーON/設定時間10分間)、不活性ガス供給管341、不活性ガス導入管343および吸気管321を通して、不活性ガス供給装置600から不活性ガス(窒素ガス)が低真空度下の真空処理室200内に再び導入され、導入された不活性ガス(窒素ガス)は通気性トレー400上の蒸茶葉1の内部に再び吸収され封入される。そして、設定時間の終了(タイマーOFF)により開閉弁342が閉じられる。以上の第3段階で各蒸茶葉1の含水率が目標の5%まで低下し、また蒸発した水分の容積だけ各蒸茶葉に不活性ガスが封入される。
このようにして、真空処理室200内の蒸茶葉を加温しながら真空処理室200内の真空度を徐々に低下させていき、目標の含水率5%に達するまで、蒸茶葉に含まれる水分の蒸発処理を段階的に、かつ蒸発処理後の茶葉への不活性ガスの封入処理を交互に行なうことによって、各蒸茶葉の品質を確保しながら、乾燥にバラツキを生じさせることなく、各蒸茶葉に含まれる水分蒸発の促進を図ることができる。あわせて、茶葉の内部に窒素ガスを吸収および封入処理することによって、乾燥後に得られたてん茶葉の品質劣化(酸化による劣化)を長期にわたり防ぐことができる。
設定時間(タイマーOFF)の終了により、受信信号(タイマーOFF信号)に基づき、大気導入管331の開閉弁332が開き、大気導入部330から吸気管321を通り大気が真空処理室200内に導入される。その後終了ランプ705が点灯し、作業者に作業の終了を知らせる。
作業者は、ハンドル221を解除して、扉220を開け、真空処理室200内から乾燥茶葉が収容された各通気性トレー400を搬出できる。作業者は、各通気性トレー400上の乾燥茶葉の仕上がりを確認し、仕上がり具合をさらに調整することが可能である。すなわち、各通気性トレー400を再び真空処理室200内に搬入して扉220を閉め、制御盤700上の、遠赤ヒーター作動スイッチ702を押して遠赤ヒーター500を一定時間作動させ、各乾燥茶葉を加温することができる。また、真空ポンプ作動スイッチ703を押して真空ポンプ320を一定時間作動させ、各茶葉を再度乾燥させることができる。遠赤ヒーター500と真空ポンプ320を同時に作動させてもよい。
かくして、本発明のてん茶製造機を用いることにより、製造品質に優れたてん茶を短時間で効率よく生産することができ、また、不活性ガス(窒素ガス)を段階的に茶葉内部に封入して品質を長期間保持できるてん茶を得ることができる。
上記実施形態では、蒸茶葉1を用いたが、生茶葉を用いてよいのは当然である。
本実施形態のてん茶製造機100によると、以下の効果を奏する。
(1)設備の小型化を実現し、占有面積・占有空間の省スペース化を図ることができる。これにより、てん茶の製造工場・乾燥工場の小型化を実現することができる。また、ベース110の下面の走行車輪120により工場内を移動することができる。
(2)設備費用のイニシャルコストのみならず、重油等を使用せず電力のみを使用しまた吸熱効率の向上によりランニングコストの低減を図ることができ、てん茶の製造コストを低減させることができる。
(3)てん茶の製造品質を向上させることができる。すなわち、真空処理室200内で遠赤ヒーター500により各通気性トレー400上の蒸茶葉を中温で加温しながら真空ポンプ300により低真空度下で蒸茶葉の水分を蒸発処理し、その後に不活性ガス供給装置600により不活性ガスを供給し、各茶葉の内部に不活性ガスを吸収および封入することによりてん茶の製造品質を向上させることができる。
(4)短時間、例えば本実施形態の場合、20kgの蒸茶葉を約1時間で含水率5%まで乾燥させることができ、短時間でてん茶を製造することができる。
本発明のてん茶製造機は、てん茶に限らず、他の食品乾燥、例えば、野菜、果実、一般の茶(煎茶を含む)等の乾燥処理に広く適用できる。
本発明に係るてん茶製造機とてん茶の製造方法は、てん茶を製造する製造機と製造方法として利用可能である。また、他の食品乾燥に広く利用可能である。
1 蒸茶葉(茶葉)
100 てん茶製造機
110 ベース
120 走行車輪
200 真空処理室
210,310 ケーシング
211 支持部
212 吸熱フィン
220 扉
221 ハンドル
230 熱反射板
240 温度センサ
250 真空度計
300 真空ポンプ室
311 吸気口
312 吸気ファン
313 排気口
314 エアフィルタ
320 真空ポンプ
321 吸気管
322,332,342,601 開閉弁
330 大気導入部
331 大気導入管
340 不活性ガス導入部
341 不活性ガス導入管
343 不活性ガス供給管
400 通気性トレー
401 底板部
402 枠部
403 収容室
500 遠赤ヒーター
600 不活性ガス供給装置
700 制御盤
701 自動運転スイッチ
702 遠赤ヒーター作動スイッチ
703 真空ポンプ作動スイッチ
704 非常停止スイッチ
705 終了ランプ
G 床面

Claims (6)

  1. 扉を備え、茶葉を収容した通気性トレーを一段または複数段に収容可能な真空処理室と、真空処理室内を低真空度に減圧する減圧手段と、真空処理室内に収容した通気性トレー上の茶葉を加温する加熱手段と、真空処理室内に不活性ガスを供給する不活性ガス供給手段を備え、
    茶葉を収容した通気性トレーを収容した真空処理室内を減圧手段により低真空度に減圧し、および通気性トレー上の茶葉を加熱手段により加温しながら、通気性トレー上の茶葉に含まれる水分を一定時間蒸発処理し、不活性ガス供給手段により低真空度下の真空処理室内に不活性ガスを供給して、蒸発処理後の茶葉に不活性ガスを吸収および封入処理することを特徴とするてん茶製造機。
  2. 真空処理室の内面に加熱手段から放射された遠赤外線を通気性トレー上の茶葉に向けて反射させる反射板を備えることを特徴とする請求項1記載のてん茶製造機。
  3. 真空処理室と減圧手段が床面上を移動可能なベース上に載置されていることを特徴とする請求項1または請求項2記載のてん茶製造機。
  4. 真空処理室内に多数の茶葉を収容した通気性トレーを一段または複数段に収容し、
    真空処理室内を減圧手段により低真空度に減圧し、並行して加熱手段により通気性トレー上の茶葉を加温して、通気性トレー上の茶葉に含まれる水分を一定時間蒸発処理し、
    低真空度下の真空処理室内に不活性ガス供給手段により不活性ガスを供給して、蒸発処理後の茶葉に不活性ガスを吸収および封入処理することを特徴とするてん茶の製造方法。
  5. 蒸茶葉を用いることを特徴とする請求項4記載のてん茶の製造方法。
  6. 真空処理室内に多数の茶葉を収容した通気性トレーを一段または複数段に収容し、
    真空処理室内を減圧手段により低真空度に減圧し、並行して加熱手段により通気性トレー上の茶葉を加温して、通気性トレー上の茶葉に含まれる水分を一定時間蒸発処理する工程と、
    低真空度下の真空処理室内に不活性ガス供給手段により不活性ガスを供給して、蒸発処理後の茶葉に不活性ガスを吸収および封入処理する工程を、
    通気性トレー上の茶葉が目標の含水率に達するまで交互に繰り返すことを特徴とするてん茶の製造方法。
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