JP2014045041A - 露光装置、露光方法、および電子デバイス製造方法 - Google Patents

露光装置、露光方法、および電子デバイス製造方法 Download PDF

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Abstract

【課題】レジストパターンのアライメントずれ量の要求精度を満たす余地を産むことができる露光装置を提供する。
【解決手段】縮小投影露光装置1は、レチクル14により回折させた光を、投影レンズ15を介してウェハ17上のレジストに結像させてレジストパターンを形成する。また、レチクルスキャンステージ13を備え、レジストパターンの許容可能なアライメントずれ量が、他の方向よりも小さくなるスキャン方向にスキャニングする。
【選択図】図1

Description

本発明は、レチクルにより回折させた光を、レンズを介してウェハ上のレジストに結像させてレジストパターンを形成する縮小投影露光装置に関する。
半導体や液晶パネルなどの電子デバイスの製造においては、ガラスマスク(レチクル)および縮小投影露光装置を用いてレジストパターンを形成し、このレジストパターンをマスクに利用してイオン注入やエッチングなどを行う。当該電子デバイスの性能向上や、小型化によるコスト低減などのために、当該レジストパターンの微細化や、アライメント精度の向上などが要求されている。
ここで、上述の電子デバイスの例としては、CCD(電荷結合素子;Charge Coupled Device)イメージセンサーおよびCMOS(Complementary Metal Oxide Semiconductor)イメージセンサーなどの固体撮像素子や、DRAM(Dynamic Random Access Memory)およびフラッシュメモリーなどのメモリー素子を挙げることができる。
まず、CCDイメージセンサーおよびCMOSイメージセンサーなどの固体撮像素子の製造においては、当該固体撮像素子が備えている、フォトダイオード部と電荷転送部との間の回路を形成する際に、露光工程および注入工程を繰り返し、シリコン(Si)基板上に、被注入層を複雑に形成する。このため、特に、露光工程におけるレジストパターンのアライメント精度などが、製造される固体撮像素子の撮像感度や電荷の転送特性などの電子デバイスとしての性能面に影響する。また、当該レジストパターンのアライメント精度などが、製造における歩留まりなどにも影響する。ここで、上述のような固体撮像素子内における直交する2方向においては、必要とされるレジストパターンのアライメント精度が異なることが知られている。
次に、DRAMやフラッシュメモリーなどのメモリーの製造においては、当該メモリーが備えているビットラインおよびワードラインを、それぞれ異なる露光工程でレジストパターンを形成した後、エッチングなどを行う。ここで、当該ビットラインとワードラインとは直交しており、ビットラインおよびワードラインにおいて、必要とされるレジストパターンのアライメント精度は異なることが知られている。つまり、当該メモリー内における直交する2方向においても、必要とされるレジストパターンのアライメント精度が異なる。
すなわち、上述の電子デバイスの製造においては、露光工程におけるレジストパターンのアライメント精度の向上が重要であるが、その一方で、当該電子デイバスの直交する2方向において必要とされるレジストパターンのアライメント精度は異なっている。
特許文献1には、上述の電子デバイスの製造にて、露光工程におけるレジストパターンのアライメント精度の悪化を抑制する構成が開示されている。具体的には、特許文献1には、レジストパターンの形成に用いるレチクルおよび当該レジストパターンを形成する対象であるウェハを、90゜単位のセット角度で回転させて、レチクルステージ上およびウェハステージ上に搬送するプリアライメント機構部を有する縮小投光露光装置などが開示されている。また、特許文献1には、上記セット角度を、位置合せターゲットなる工程で露光した場合の装置のディストーションと、他の装置の90゜単位でレチクルセット角度を変化させた場合のディストーションとのマッチング特性に基づいて選択し、重ね合せ露光が可能な装置と、上記セット角度の情報とを、製造ラインのホストコンピュータに転送するシステムが開示されている。
言い換えると、特許文献1には、ステッパー(縮小投影露光装置)において、特定の方向でのアライメント精度を維持し、かつ、フォト工程(露光工程)の処理能力を拡大する手法が開示されている。
なお、露光工程においてレジストパターンのアライメント精度を向上させるということは、具体的には、当該アライメントずれ量を小さくすることであると言える。
特開平11−67633号公報(1999年3月9日公開)
特許文献1に記載されている構成では、露光工程におけるレジストパターンのアライメント精度が悪化するステッパー(縮小投影露光装置)の組み合わせを除外しながら、生産能力を確保することが可能である。しかしながら、特許文献1に記載されている構成では、当該アライメント精度を向上させることが不可能である。なぜならば、特許文献1に記載されている構成では、レチクルのセット方向を変更しているだけであって、例えば、露光工程におけるレジストパターンのアライメントずれ量の要求精度を考慮して、当該アライメント精度を向上させるような構成を有しているわけではないからである。
本発明は、上記の問題を解決するためになされたものであり、その目的は、レジストパターンのアライメントずれ量の要求精度が厳しい場合においても、当該要求精度を満たす余地を産むことができる露光装置を提供することにある。
上記の課題を解決するために、本発明に係る露光装置は、レチクルにより回折させた光を、レンズを介してウェハ上のレジストに結像させてレジストパターンを形成する縮小投影露光装置であって、上記レチクルを所定の方向へスキャニングさせるスキャニング手段を備えており、上記スキャニング手段は、上記レジストパターンの許容可能なアライメントずれ量が、当該レジストパターンにおける他の方向の許容可能なアライメントずれ量よりも小さくなるスキャン方向に上記レチクルをスキャニングすることを特徴としている。
また、本発明に係る露光方法は、レチクルにより回折させた光を、レンズを介してウェハ上のレジストに結像させてレジストパターンを形成する縮小投影露光方法であって、上記レチクルを所定の方向へスキャニングさせるスキャニングステップを含んでおり、上記スキャニングステップにおいて、上記レジストパターンの許容可能なアライメントずれ量が、当該レジストパターンにおける他の方向の許容可能なアライメントずれ量よりも小さくなるスキャン方向に上記レチクルをスキャニングすることを特徴としている。
上記構成によれば、レジストパターンの許容可能なアライメントずれ量が他の方向の当該量よりも小さい所定の方向、つまり、レジストパターンのアライメントずれ量の要求精度が厳しい所定の方向にレチクルをスキャニングさせることにより、任意の瞬間における露光エリアの、当該所定の方向の長さを短くすることができる。
これにより、露光において、所定の方向に関しては、レンズ端を介さずに照射光を照射することができるようになるため、レンズディストーションを小さくすることが可能となる。
ゆえに、所定の方向におけるレジストパターンのアライメントずれ量を小さくすることが可能となり、レジストパターンのアライメントずれ量の要求精度が厳しい場合においても、当該要求精度を満たす余地を産むことができる。
また、上記ウェハ上に形成されるレジストパターンのアライメントずれ量を測定する重ね合わせ測定ステップをさらに含んでおり、上記スキャニングステップにおいて所定のステージに設置されたウェハの向きを、上記重ね合わせ測定ステップにおけるウェハの向きにあわせることが好ましい。
上記構成によれば、スキャニングステップにおいて所定のステージに設置されたウェハの向きが、重ね合わせ測定ステップにおけるウェハの向きと同じであるので、アライメントずれ量の測定結果を元に、レジストパターンの残留線形成分(オフセット、伸縮成分、回転成分など)をスキャニングステップにフィードバックし、アライメント精度を向上させるAPC(Advanced Process Control)を活用することができる。
ここで、重ね合わせ測定とは、ウェハ上に形成したレジストパターンの形状を、基準となるレジストパターンの形状に重ね合わせ、これらのパターンエッジの寸法の差分からアライメントずれ量を測定することである。
また、本発明に係る電子デバイス製造方法は、上記露光装置によりレジストパターンをウェハ上に形成する露光ステップと、上記露光ステップによってレジストパターンが形成されたウェハにイオンを注入して上記ウェハに被注入層を形成する注入ステップとを含んでいることを特徴としている。
上記構成によれば、露光ステップにおいて、所定の方向におけるアライメントずれ量が小さい高精度なレジストパターンをウェハ上に形成することができる。そして、当該レジストパターンにより、当該ウェハへのイオンの注入をマスクすることで、ウェハ上に、高精度な被注入層を形成することができ、当該被注入層が形成されたウェハを利用して、高精度な電子デバイスを製造することができる。
ここで、上記露光方法において採用している、レチクルを所定の方向へスキャニングする構成は、容易かつ安価に実施できることが知られている。
つまり、電子デバイスの製造において、当該電子デバイスの性能を向上させ、その製造における良品率を向上させる、容易かつ安価な手段による露光技術を提供することできる。
上記の課題を解決するために、本発明に係る露光装置は、上記レチクルを所定の方向へスキャニングさせるスキャニング手段を備えており、上記スキャニング手段は、上記レジストパターンの許容可能なアライメントずれ量が、当該レジストパターンにおける他の方向の許容可能なアライメントずれ量よりも小さくなるスキャン方向に上記レチクルをスキャニングすることを特徴としている。
また、本発明に係る露光方法は、レチクルにより回折させた光を、上記レチクルを所定の方向へスキャニングさせるスキャニングステップを含んでおり、上記スキャニングステップにおいては、上記レジストパターンの許容可能なアライメントずれ量が、当該レジストパターンにおける他の方向の許容可能なアライメントずれ量よりも小さくなるスキャン方向に上記レチクルをスキャニングすることを特徴としている。
上記構成により、本発明は、レジストパターンのアライメントずれ量の要求精度が厳しい場合においても、当該要求精度を満たす余地を産むことができる効果を奏する。
また、本発明に係る電子デバイス製造方法は、上記露光装置によりレジストパターンをウェハ上に形成する露光ステップと、上記露光ステップによってレジストパターンが形成されたウェハにイオンを注入して上記ウェハに被注入層を形成する注入ステップとを含んでいることを特徴としている。
上記構成により、本発明は、電子デバイスの製造において、当該電子デバイスの性能を向上させ、その製造における良品率を向上させる、容易かつ安価な手段による露光技術を提供することできる効果を奏する。
本発明の一実施形態に係る縮小投影露光装置の構成を示す斜視図である。 図1の縮小投影露光装置における露光時の要部の構成を示す斜視図である。 一括露光方式およびスキャン露光方式における開口部のサイズの比較を示す平面図であり、(a)は一括露光方式における開口部のサイズを、(b)はスキャン露光方式における開口部のサイズを示す図である。 CCDイメージセンサーの構成を示す平面図である。 本実施形態に係るレチクルおよびウェハの処理フローを示す図である。 比較例に係るレチクルおよびウェハの処理フローを示す図である。 本実施形態および比較例における、レジストパターンのアライメントずれ量の比較結果を示す表である。 露光工程にて図1に示す縮小投影露光装置を用いた電子デバイス製造方法を示すフロー図である。
本発明の一実施形態に係る縮小投影露光装置(露光装置)1について、図1〜8に基づいて説明すれば、以下の通りである。
なお、以下の説明では、同一の部材および構成要素には同一の符号を付している。それらの名称および機能も同じである。したがって、それらについての詳細な説明は繰り返さない。
<縮小投影露光装置1の構成および動作>
図1は、本発明の一実施形態に係る縮小投影露光装置1の構成を示す斜視図である。図1に示すように、縮小投影露光装置1は、主に、照明系11と、レチクルスキャンステージ(スキャニング手段)13と、投影レンズ(レンズ)15と、ウェハスキャンステージ16とを備えている。また、レチクルスキャンステージ13には、照明エリア12が設けられており、照明エリア12にはレチクル14が配されている。また、ウェハスキャンステージ16上には、ウェハ17が配されている。
図1において、XYZ座標軸で示す各方向のうち、特に、Y方向は、レチクルスキャンステージ13およびウェハスキャンステージ16がスキャニングする方向を示している。また、Z方向は、鉛直方向であり、X方向は、Y方向およびZ方向の双方に垂直な方向である。X方向、Y方向、およびZ方向は、後述する図中に記載の方向と対応している。
上記構成により、図示しない光源から出射された光は、光路OPとして示す経路を経由して、最終的にウェハ17に照射される。以下では、この構成について詳しく説明する。
まず、図示しない光源から出射された光は、照明系11などを介して、照明エリア12に照射される。次に、当該照射された光は、照明エリア12にて、露光に利用されない領域をマスクされ、レチクル14で回折されて、投影レンズ15を介することにより、ウェハ17の表面上に結像される。
ここで、ウェハ17上にはレジストが塗布されており、上述のように光を結像して露光させた後、現像処理を行い、ウェハ17上にレジストパターンが形成される。
ウェハスキャンステージ16は、ウェハ17をスキャンさせることにより、光の照射位置を移動させて、ウェハ17上の広い範囲のレジストを露光させる。また、レチクルスキャンステージ13は、ウェハスキャンステージ16と同期して、同時かつ反対方向にレチクル14をスキャンさせる。このように、レチクルスキャンステージ13およびウェハスキャンステージ16が動作することにより、レチクル14に配置されたチップパターンが、ウェハ17上に転写される。
以下では、縮小投影露光装置1が備えている上述の各部材について詳細に説明する。
(照明系11)
照明系11は、図示しない光源から出射された光を導光して、照明エリア12へ照射する。ここで、照明系11は、ミラーやレンズなどの光学素子により構成されている。また、図1に示すように、照明系11から出射した光を、別のミラー11aにより反射させて、照明エリア12へ導光しても良いし、さらに別の光学素子11bを介して照明エリア12へ導光しても良い。
なお、光源としては、超高圧水銀ランプのg線(436nm)あるいはi線(365nm)を用いることができ、この場合には、最小線幅0.35μmに達する解像力を得ることができる。また、さらに、0.25μm以下の解像力を得るために、エキシマーレーザー(KrF=248nm、ArF=193nm)を利用しても良い。
(照明エリア12)
照明エリア12は、レチクルスキャンステージ13上に設置されたエリアである。照明エリア12には、照明系11などを介して光が照射される。当該光は、光路OPを経由して最終的にウェハ17に照射される。照明エリア12では、ウェハ17への最終的な照射に必要ではない光を遮蔽する。つまり、照明エリア12は、照射される光の一部をマスクする。
また、照明エリア12上には、レチクル14が配されている。照明エリア12により一部がマスクされた光は、レチクル14により回折される。そして、当該回折された光は、後述する投影レンズ15を介してウェハ17へ照射され、ウェハ17上に結像する。
(レチクルスキャンステージ13)
レチクルスキャンステージ13は、後述する所定の方向に可動を繰り返す可動部を備ええている。また、レチクルスキャンステージ13は、当該可動部にレチクル14を配して、照明系11などから出射される光に対して、レチクル14をスキャニングする。また、レチクルスキャンステージ13は、ウェハスキャンステージ16と同期して、同時かつ反対方向にレチクル14をスキャンする。ここで、レチクルスキャンステージ13の可動部以外は、照明系11などから出射される光に対して位置が変化しないように固定されているものとする。
なお、レチクルスキャンステージ13は、X軸干渉計18XやY軸干渉計18Yなどを備えていても良い。ここで、X軸干渉計18XおよびY軸干渉計18Yにより、例えば、レチクル14のX方向およびY方向の変位を計測し、当該計測結果をレチクル14の位置の調整などに利用しても良い。
(レチクル14)
レチクル14は、照明系11などから出射される光を回折させる。また、レチクル14にはチップが配置されており、当該回折された光が投影レンズ15を介してウェハ17上に結像されることにより、当該チップパターンがウェハ17上に転写される。
なお、レチクル14は、搬送ロボットなどによりレチクルスキャンステージ13上の所定の位置にローディングされても良い。
(投影レンズ15)
投影レンズ15は、レチクル14により回折された光を、ウェハ17上に結像させる。ここで、サブミクロンの加工精度が要求される最先端の半導体集積回路などの製造工程では、解像力などの観点から、投影レンズ15のようなレンズを利用して、レチクル14のチップパターンをウェハ17に縮小して転写する投影露光を行っている。一般的に、当該縮小投影露光においては、縮小率は1/5〜1/4であることが知られている。
本発明では、投影レンズ15における縮小率は、1/5〜1/4である。しかしながら、この構成に限定されるわけではない。
(ウェハスキャンステージ16)
ウェハスキャンステージ16は、レチクルスキャンステージ13と同様に、後述する所定の方向に可動を繰り返す可動部を備ええている。また、ウェハスキャンステージ16は、当該可動部にウェハ17を配して、投影レンズ15から出射される光に対して、ウェハ17をスキャニングする。また、レチクルスキャンステージ13と同期して、同時かつ反対方向にウェハ17をスキャニングする。ウェハスキャンステージ16の可動部以外は、投影レンズ15から出射される光に対して位置が変化しないように固定されているものとする。
なお、ウェハスキャンステージ16は、レチクルスキャンステージ13と同様に、X軸干渉計18XやY軸干渉計18Yなどを備えていても良い。ここで、X軸干渉計18XおよびY軸干渉計18Yにより、例えば、ウェハ17のX方向およびY方向の変位を計測し、当該計測結果をウェハ17の位置の調整などに利用しても良い。
さらに、ウェハスキャンステージ16の近傍には、オフアクシス顕微鏡19などを配しても良い。
(ウェハ17)
ウェハ17は、一般的に、シリコンやヒ化ガリウムなどの半導体結晶からなっており、厚さ数百μmの板状に加工したものである。また、ウェハ17には、光路OPを経由した光が照射され、当該光が照射された位置にレジストパターンが形成される。そして、ウェハ17上にレジストパターンが形成された後、ウェハ17にイオンが注入され、ウェハ17上に被注入層が形成される。
図2は、縮小投影露光装置1における露光時の要部の構成を示す斜視図である。図2に示すように、露光照明光ELは、レチクル14および投影レンズ15を透過し、ウェハ17上に結像される。ここで、レチクル14の一部のみを露光照明光ELが透過するように露光スリットESが設けられている。そして、レチクル14およびウェハ17は、例えば、矢印で示す互いに逆の方向にスキャニングされることにより、レチクル14の全体が、ウェハ17上に転写され、最終的にレジストパターンが形成される。
以下では、ウェハ17上に光を照射してレジストパターンを形成する工程を露光工程と呼ぶ。また、レジストパターンを形成したウェハ17にイオンを注入する工程を注入工程と呼ぶ。
上述の露光工程および注入工程が繰り返し行われ、ウェハ17上には、複雑な被注入層が形成される。また、注入工程においては、露光工程でウェハ17上に形成したレジストパターンが、注入されるイオンをマスクする。これにより、当該レジストパターンに応じた形状の注入層が、ウェハ17に形成される。
このため、上述のように、露光工程でのレジストパターンのアライメント精度およびレジストパターン自体の寸法精度の向上が、最終的に製造される電子デバイスの性能面ならびに歩留まり面で重要となってくる。つまり、当該電子デバイスの製造においては、当該レジストパターンのアライメントずれ量の低減(アライメント精度の向上)が重要となる。
以下では、レジストパターンのアライメントずれ量を低減させるための構成について説明する。
(レジストパターンのアライメントずれ量)
レジストパターンのアライメントずれ量は、主に、縮小投影露光装置1の性能に支配される。そして、レジストパターンのアライメントずれが発生する原因は、縮小投影露光装置1の構造的な原因と、光学的な原因とに分類することができる。
構造的な原因としては、縮小投影露光装置1のステージ(レチクルスキャンステージ13およびウェハスキャンステージ16)の動作精度の不良により、スキャニングさせたレチクル14またはウェハ17の位置が、予め設計した位置からずれることや、露光によりウェハ17の面内温度が不均一になりウェハ17の形状が予め設計した形状からずれることなどが挙げられる。このような構造的原因によるレジストパターンのアライメントずれ量は、露光装置メーカーの工夫や改善により、新規装置を購入する必要があるといった設備投資面での課題は残るものの、年々、小さくなってきている。
次に、光学的な原因としては、主に、投影レンズ15の歪み(レンズディストーション)を挙げることができる。投影レンズ15のレンズディストーションにより、ウェハ17上に結像させる光の位置が、予め設計した位置からずれ、レジストパターンのアライメントずれが発生する。
一般的に、結像を目的としたレンズでは、レンズの中心部と比較して、レンズの端部において、レンズディストーションが大きくなることが知られている。
しかしながら、発明者達は、縮小投影露光装置を、一括露光方式のステッパーから、本実施形態の縮小投影露光装置1のようなスキャン露光方式のスキャナーに変えて、かつ、スキャン方向を後述する方向に限定することにより、レンズディストーションが大きい投影レンズ15の端部を避けて、投影レンズ15の中心部を利用し、レジストパターンのアライメントずれ量を低減させる(アライメント精度を向上させる)ことができることを発見した。
(一括露光方式およびスキャン露光方式における開口部のサイズの比較)
図3は、一括露光方式およびスキャン露光方式における開口部のサイズの比較を示す平面図であり、(a)は一括露光方式における開口部のサイズを、(b)はスキャン露光方式における開口部のサイズを示す図である。ここで、開口部とは、縮小投影露光装置においてレチクルを設置した照明エリア上の領域であって、光が透過する領域のことである。
図3(a)に示すように、一括露光方式で用いる縮小投影露光装置(ステッパー)の露光エリアのサイズについて、幅(X方向の長さ)Waを25mm、高さ(Y方向の長さ)Haを33mmとしている。当該サイズの露光エリアを確保するためには、直径が約41mmの投影レンズが必要となる。なお、一括露光方式における開口部Eaのサイズは、露光エリアのサイズと同一である。
一方、図3(b)に示すように、スキャン露光方式で用いる縮小投影露光装置(スキャナー)では、開口部Ebのサイズについて、幅Wbを25mm、高さHbを8mmとしている。ここで、幅Wbは、幅Waと等しくなっている。また、高さHbは、高さHaより小さくなっている。
スキャン露光方式においては、図3に示すY方向(開口部Ebの短辺(8mm)方向)に、開口部Ebをスキャニングする。そして、開口部Ebがスキャニングされる領域のY方向の長さDが、高さHaと等しくなるようにする。つまり、スキャン露光方式では、開口部Ebをスキャニングさせることにより、一括露光方式と同様に、幅25mm、高さ33mmのサイズの露光エリアを確保することができる。
当該サイズの露光エリアを確保するためには、直径が約26mmの投影レンズがあれば良いことになる。つまり、スキャン露光方式では、一括露光方式と同一の露光エリアを確保しつつ、必要となる投影レンズの直径を63%にすることができる。つまり、一括露光方式と同一の直径の投影レンズを利用したとしても、スキャン露光方式では、当該投影レンズのより中心部を利用することができる。
ここで、上述のように、投影レンズの中心部では、投影レンズの端部よりもレンズディストーションが小さくなることが知られている。
すなわち、スキャン露光方式では、一括露光方式と比較して、Y方向においてよりレンズディストーションを小さくすることができる。言い換えると、スキャン露光方式では、X方向(非スキャン方向)と比較して、Y方向(スキャン方向)において、レンズディストーションを抑えることが可能となり、レジストパターンのアライメントずれ量を小さくすることができる。
本発明は、スキャン露光方式を採用する縮小投影露光装置のレジストパターンにおいて、上述したX方向に比較して、Y方向(スキャン方向)のアライメントズレ量を小さくすることができる特徴、および、後述する電子デバイスの構造によりレジストパターンにおける、あるx方向の許容可能なアライメントずれ量と当該x方向に垂直なy方向の許容可能なアライメントずれ量とが異なる特徴(アライメントずれ量の異方性)を組み合わることにより、当該電子デバイスの性能を向上させ、その製造における良品率を向上させることが可能な、容易かつ安価な手段による露光技術を提供する。
以下では、レジストパターンにおける、あるx方向の許容可能なアライメントずれ量と当該x方向に垂直なy方向の許容可能なアライメントずれ量とが異なる特徴を、アライメントずれ量の異方性と呼び、当該異方性を有する電子デバイスの例について説明する。
(アライメントずれ量の異方性を有する電子デバイスの例)
アライメントずれ量の異方性を有する電子デバイスの例として、CCDイメージセンサーを挙げることができる。以下では、まず、CCDイメージセンサーの動作原理について説明する。
CCDイメージセンサーは、フォトダイオード部を複数備えている。当該フォトダイオード部では、入射した光の量(エネルギー)に応じて電荷を発生させる。フォトダイオード部は、これに限定されるわけではないが、シリコン(Si)などの材料から成っていても良い。シリコンの単結晶においては、原子の持つ電子軌道のエネルギーが、結晶格子の周期性により帯状のエネルギーバンドを形成し、電子のとりうるエネルギー準位が価電子帯(EV)と伝導帯(EC)の二つに分かれる。このような状態において、価電子帯にある電子が、光からエネルギーの供給を受けて伝導帯に励起される現象が起こる。当該現象を、光電変換現象と呼ぶ。そして、CCDイメージセンサーは、当該光電変換現象で得られた信号電荷を集め蓄積し、所定の間隔で出力することにより、各フォトダイオードが受光した光の量(エネルギー)を電気信号に変換するように動作する。
以下では、上述の原理で動作するCCDイメージセンサーの構成およびアライメントずれ量の異方性について説明する。
図4は、CCDイメージセンサー(チップ2)の構成を示す平面図である。図4に示すように、チップ2は、主に、撮像領域27と、水平転送部28と、出力Tr29とを備えている。チップ2では、撮像領域27が備えている画素23において、光を受光し当該受光した光の量に応じた量の電荷qを発生させる。そして、各電荷qは、水平転送部28を介して出力Tr29から出力される。
なお、図4において、xy座標軸で示すx方向およびy方向は、後述する図中に記載の方向と対応している。チップ2は、当該x方向およびy方向について、アライメントずれ量の異方性を有している。
(撮像領域27)
撮像領域27は、画素23の集合体である。各画素23は、受光部25を備えている。ここで、受光部25では、受光する光の量(エネルギー)に応じた量の電荷qを発生させる。電荷qは、垂直転送部24に移動し、ポリシリコンからなる第1ゲート電極21および第2ゲート電極22を介して、水平転送部28に集められる。
(水平転送部28)
水平転送部28は、垂直転送部24などを介して集められた電荷qを、フローティングディヒュージョン31を介して、出力Tr29に転送する。ここで、出力Tr29への電荷qの転送は、リセットゲート30に入力される電圧により制御され、必要とする電荷qのみを出力Tr29に転送することができる。
チップ2では、上述の構成が、上述のように動作することにより、各画素23にて発生する電荷qを、画像として出力する。
(許容可能なアライメントずれ量の異方性)
チップ2の製造を考えると、まず、受光部25と垂直転送部24との間の領域では、イオンを注入する注入工程によりpn注入領域が形成される。ここで、当該注入のプロファイルを制御することにより、受光部25にて蓄積された電荷qの垂直転送部24への転送を促進することができる。一方、当該プロファイル制御には、注入工程の前の露光工程において形成するレジストパターンのアライメント精度が要求される。このため、露光工程におけるレジストパターンのアライメントずれ量を小さくする必要がある。特に、電荷qが受光部25から垂直転送部24へ転送される方向であって、垂直転送部24に対して垂直な方向(x方向)では、垂直転送部24に対して平行な方向(y方向)と比較して、レジストパターンのアライメントずれ量をより小さくする必要がある。
すなわち、チップ2は、レジストパターンにおける許容可能なアライメントずれ量に異方性を有している。
(アライメントずれ量に異方性を有するチップ2の露光処理時のスキャン方向)
(本実施形態におけるスキャン方向)
図5は、本実施形態に係るレチクル14およびウェハ17の処理フローを示す図である。ここで、xy方向は、図4に示すxy方向に対応している。また、XY方向は、図1などに示すXY方向に対応している。
まず、図5(a)は、図4に示す複数のチップ2を配置したレチクル14を示す図である。図5(a)に示すように、レチクル14上には、図4に示す6枚のチップ2が2行3列の構成で配置されている。ここで、出力Tr29は、概ねチップ2の角に配置されている。つまり、図5(a)に示すチップ2に対する出力Tr29の位置からわかるように、6枚のチップ2は、レチクル14上において、同じ方向に配置されている。
次に、図5(b)は、露光処理時における、(a)に示すレチクル14のスキャン方向を示す図である。図5(b)に示すように、x方向がスキャン方向(Y方向)になるように、レチクル14をスキャニングさせている。
上述のように、チップ2においてx方向では、y方向と比較して、レジストパターンのアライメントずれ量をより小さくする必要がある。つまり、チップ2では、レジストパターンにおけるx方向の許容可能なアライメントずれ量を、当該レジストパターンにおけるy方向の許容可能なアライメントずれ量よりも小さくする必要がある。
すなわち、ウェハ17上に形成するレジストパターンの許容可能なアライメントずれ量が、当該レジストパターンにおけるX方向(y方向)の許容可能なアライメントずれ量よりも小さくなるY方向(x方向)にレチクル14をスキャニングしている。
本発明では、以上のようにレチクル14をスキャニングして、ウェハ17上にレジストパターンを形成する。
次に、図5(c)は、重ね合わせ測定時における、(a)に示すレチクル14およびウェハ17の位置関係を示す図である。ここで、ウェハ17に対してノッチ40の位置は変化しない。つまり、図5(c)に示すウェハ17に対するノッチ40の位置からわかるように、重ね合わせ測定時において、ウェハ17は、露光処理時にウェハスキャンステージ16に設置された向きと同じ向きに配置されている。このようにウェハ17を設置して、重ね合わせ測定結果に基づいて、残留線形成分(オフセット、伸縮成分、回転成分など)を縮小投影露光装置1にフィードバックし、アライメント精度を向上させる。
ここで、重ね合わせ測定とは、ウェハ上に形成したレジストパターンの形状を、基準となるレジストパターンの形状に重ね合わせ、これらのパターンエッジの寸法の差分からアライメントずれ量を測定することである。
次に、図5(d)は、注入工程処理時における、(a)に示すレチクル14およびウェハ17の位置関係を示す図である。ここで、注入工程処理時における、ウェハ17は、重ね合わせ測定時の向きから、90°時計回りに回転されている。これは、注入工程においては、注入する際のウェハ17の向きに対する注入角度が、ウェハ17上に形成して製造する電子デバイスの性能に大きく影響するためである。つまり、予め、当該影響が少ない所定の向きを特定しておき、注入工程において、ウェハ17の向きを当該所定の向きへ回転させて、イオン注入を行うことにより、注入工程におけるウェハ17の向きに対する注入角度の影響を小さくすることができる。
(比較例におけるスキャン方向)
図6は、比較例に係るレチクル14およびウェハ17の処理フローを示す図である。図5と同様に、xy方向は、図4に示すxy方向に対応している。また、XY方向は、図1などに示すXYに対応している。なお、以下にて、図5(a)〜(d)と重複する説明については適宜省略する。
まず、図6(a)に示すように、レチクル14上には、図4に示す6枚のチップ2が3行2列の構成で配置されている。また、6枚のチップ2は、レチクル14上において、同じ向きに配置されている。
次に、図5(b)とは異なり、図6(b)に示すように、y方向がスキャン方向(Y方向)になるように、レチクル14をスキャニングしている。比較例では、以上のようにレチクル14をスキャニングして、ウェハ17上にレジストパターンを形成する。
次に、図6(c)に示すように、重ね合わせ測定時において、ウェハ17は、露光処理時と同じ向きに配置されている。
次に、図6(d)に示すように、注入工程処理時においても、ウェハ17は、重ね合わせ測定時の向きのままである。
(本実施形態および比較例におけるレジストパターンのアライメントずれ量の比較)
以下では、レジストパターンのアライメントずれ量の測定データを示し、上述の比較例と比較することにより、本発明に係る実施形態の効果を検証する。
図7は、本実施形態および比較例における、レジストパターンのアライメントずれ量の比較結果を示す表である。ここでは、オーバーレイ測定器と呼ばれる光学測定装置(KLA Tencor社製、Archer10XT)を用いて、図5および図6のx方向およびy方向について、ウェハ17上に形成したレジストパターンのアライメントずれ量を測定している。
また、下地の膜構造やレジスト膜厚が異なる3つの異なる工程A〜Cについて、当該測定を行っている。各工程で、1ショット内:5点、ウェハ面内:9点の計45点の測定点にて、ウェハ17に形成したレジストパターンにおけるx方向およびy方向のアライメントずれ量を測定している。
ここで、実際の評価指標としては、上述のように測定したレジストパターンのアライメントずれ量のバラツキを採用している。具体的には、上述の45の測定点から得られた測定結果の3σ値としている。また、図7に示している各値は、チップ2(CCDイメージセンサー)のx方向(水平転送部28の長辺方向)におけるデバイス要求性能を1としたときの相対値として表している。以下では、当該相対値のことを、評価値と呼ぶ。
図7に示すように、デバイス要求性能(許容可能なアライメントずれ量のバラツキ)は、y方向では1.33、x方向では1.00である。つまり、上述のように、y方向に比較して、x方向の許容可能なアライメントずれ量のバラツキは小さい必要がある。すなわち、y方向に比較して、x方向のデバイス要求性能は厳しいと言うことができる。
まず、本実施形態におけるy方向の評価値は、0.90〜1.30の範囲の値となっている。つまり、工程A〜Cのすべてにおいて、デバイス要求性能1.33より小さくなっている。また、本実施形態におけるx方向の評価値は、0.58〜0.79の範囲の値となっている。つまり、工程A〜Cのすべてにおいて、デバイス要求性能1.00より小さくなっている。すなわち、本実施形態においては、露光工程において、デバイス要求性能が厳しい方向(x方向)にレチクル14をスキャニングさせ、ウェハ17上にレジストパターンを形成することにより、当該デバイス要求性能を満たす余地を産み、当該要求性能を満たすことができたと言える。
次に、比較例におけるy方向の評価値は、0.60〜0.93の範囲の値となっている。つまり、工程A〜Cのすべてにおいて、デバイス要求性能1.33より小さくなっている。一方、比較例におけるx方向の評価値は、工程Aでは0.87となり、デバイス要求性能の1.00より小さくなっているが、工程B〜Cでは、1.17〜1.20の範囲の値となっており、デバイス要求性能の1.00より大きくなってしまっている。
なお、上述において、評価指標としては、レジストパターンのアライメントずれ量のバラツキを採用しているが、この構成に限定されるわけではない。例えば、評価指標を、レジストパターンのアライメントずれ量としても、同様の結果となる。
以上により、以下の本発明に係る実施形態の効果を検証できた。
<縮小投影露光装置1の効果>
縮小投影露光装置1は、上述の構成にて、上述のように動作することにより、ウェハ17上に形成するレジストパターンの許容可能なアライメントずれ量が他の方向の当該量よりも小さいx方向(Y方向)、つまり、レジストパターンのアライメントずれ量の要求精度が厳しいx方向(Y方向)にレチクル14をスキャニングさせることにより、任意の瞬間における露光エリアの、x方向(Y方向)の長さを短くすることができる。
これにより、露光において、x方向(Y方向)に関しては、投影レンズ15の端部を介さずに照射光を照射することができるようになるため、投影レンズ15におけるレンズディストーションを小さくすることが可能となる。ゆえに、x方向(Y方向)におけるレジストパターンのアライメントずれ量を小さくすることが可能となり、レジストパターンのアライメントずれ量の要求精度が厳しい場合においても、当該要求精度を満たす余地を産むことができる。
また、特許文献1に記載されている構成を既存設備に適用することを考えたとき、電子デバイスの製造ロット毎に、レチクルセット方向を90°単位で変更することは、一般的に不可能である。さらに、仮に、レチクルセット方向を90°単位で変更することができたとしても新規開発が必要であり、ステッパー(縮小投影露光装置)の設備コストが増加するといった問題が発生する。
縮小投影露光装置1は、上述の構成にて、上述のように動作することにより、電子デバイスの製造ロット毎に、レチクル14方向を90°単位で変更するわけではなく、所定の方向にレチクル14をスキャニングさせる、簡単な構成により、スキャン方向におけるレジストパターンのアライメントずれ量を小さくすることができる。つまり、縮小投影露光装置1を既存設備に適用することを考えても、ステッパー(縮小投影露光装置)の設備コストが増加するといった問題が発生するわけではない。
<電子デバイスの製造方法の構成>
また、縮小投影露光装置1を露光工程に用いて製造する電子デバイスの製造方法も本発明の技術的範囲である。以下では、図8を例に挙げて、当該電子デバイスの製造方法について説明する。
図8は、露光工程(露光ステップ)S2にて図1に示す縮小投影露光装置1を用いた電子デバイス製造方法を示すフロー図である。図8に示すように、当該電子デバイス製造工程は、搬送工程S1と、露光工程S2と、注入工程(注入ステップ)S3からなっている。
ここで、搬送工程S1とは、レチクルスキャンステージ13上の所定の位置に、レチクル14を搬送したり、ウェハスキャンステージ16上の所定の位置に、ウェハ17を搬送したりする工程のことである。また、露光工程S2とは、照明系11などを介して光をレチクル14照射し、当該光をレチクル14にて回折させて、投影レンズ15を介してウェハ17上に照射し、レジストパターンを形成する工程のことである。また、注入工程S3とは、ウェハ17にイオンを注入し、露光工程S2において形成したレジストパターンにより当該注入するイオンの一部をマスクして、所望の被注入層を形成する工程のことである。しかしながら、この構成に限定されるわけではなく、本発明の電子デバイス製造工程に、他の工程が含まれても良い。
例えば、搬送工程S1の前には、レチクル14を所望の大きさまたは厚さに加工する加工工程や、レチクル14上に所望の工数のチップ2を所望の位置へ配置する配置工程や、ウェハ17上にレジストを塗布する塗布工程などがあっても良い。
また、例えば、注入工程S3の後に、レジストの洗浄工程などがあっても良い。
また、注入工程S3の後に、注入工程S3があり、洗浄工程を介して、再びウェハ17上にレジストを塗布する塗布工程と、再びレチクル14をスキャニングさせてウェハ17上にレジストパターンを形成する露光工程S2とがあり、再度ウェハ17にイオンを注入する注入工程S3があっても良い。最終的な電子デバイスを得るために必要となる回数、つまり、ウェハ17上に被注入層を形成することに必要な回数分、露光工程S2や注入工程S3などが繰り返されても良い。
<電子デバイス製造方法の効果>
本発明に係る電子デバイス製造方法では、露光工程S2において、所定の方向におけるアライメントずれ量が小さい高精度なレジストパターンをウェハ17上に形成することができる。そして、当該レジストパターンにより、当該ウェハへのイオンの注入をマスクすることで、ウェハ上に、高精度な被注入層を形成することができ、当該被注入層が形成されたウェハを利用して、高精度な電子デバイスを製造することができる。
ここで、縮小投影露光装置1において採用している、レチクルを所定の方向へスキャニングする構成は、容易かつ安価に実施できることが知られている。
つまり、電子デバイスの製造において、当該電子デバイスの性能を向上させ、その製造における良品率を向上させる、容易かつ安価な手段による露光技術を提供することできる効果を奏する。
<付記事項>
本発明は上述した実施形態に限定されるものではなく、請求項に示した範囲で種々の変更が可能であり、異なる実施形態にそれぞれ開示された技術的手段を適宜組み合わせて得られる実施形態についても本発明の技術的範囲に含まれる。
本発明は、複数のチップが配置されたガラスマスク(レチクル)と縮小投影露光装置を用いて、レジストパターンを露光し、このレジストパターンをマスクにしてイオンを注入する工程を繰り返して行う、半導体や液晶パネルなどの電子デバイスの製造全般に利用することができる。
1 縮小投影露光装置(露光装置)
13 レチクルスキャンステージ(スキャニング手段)
14 レチクル
15 投影レンズ(レンズ)
S2 露光工程(露光ステップ)
S3 注入工程(注入ステップ)

Claims (4)

  1. レチクルにより回折させた光を、レンズを介してウェハ上のレジストに結像させてレジストパターンを形成する縮小投影露光装置であって、
    上記レチクルを所定の方向へスキャニングさせるスキャニング手段を備えており、
    上記スキャニング手段は、
    上記レジストパターンの許容可能なアライメントずれ量が、当該レジストパターンにおける他の方向の許容可能なアライメントずれ量よりも小さくなるスキャン方向に上記レチクルをスキャニングすることを特徴とする露光装置。
  2. レチクルにより回折させた光を、レンズを介してウェハ上のレジストに結像させてレジストパターンを形成する縮小投影露光方法であって、
    上記レチクルを所定の方向へスキャニングさせるスキャニングステップを含んでおり、
    上記スキャニングステップにおいて、
    上記レジストパターンの許容可能なアライメントずれ量が、当該レジストパターンにおける他の方向の許容可能なアライメントずれ量よりも小さくなるスキャン方向に上記レチクルをスキャニングすることを特徴とする露光方法。
  3. 上記ウェハ上に形成されるレジストパターンのアライメントずれ量を測定する重ね合わせ測定ステップをさらに含んでおり、
    上記スキャニングステップにおいて所定のステージに設置されたウェハの向きを、上記重ね合わせ測定ステップにおけるウェハの向きにあわせることを特徴とする請求項2に記載の露光方法。
  4. 請求項1に記載の露光装置によりレジストパターンをウェハ上に形成する露光ステップと、
    上記露光ステップによってレジストパターンが形成されたウェハにイオンを注入して上記ウェハに被注入層を形成する注入ステップとを含んでいることを特徴とする電子デバイス製造方法。
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