JP2009094256A - 露光方法、露光装置およびデバイス製造方法 - Google Patents

露光方法、露光装置およびデバイス製造方法 Download PDF

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Abstract

【課題】
露光工程の基板のフォーカス許容値からフォーカス計測位置を最適化し、スループットを向上させる露光方法、露光装置およびデバイス製造方法を提供する。
【解決手段】
基板を走査しながら原版のパターンを前記基板に露光して転写する露光方法において、前記パターンが露光される前記基板の露光領域の内側における複数箇所のフォーカス計測位置において前記基板の面位置を計測する工程と、前記工程において計測した前記基板の面位置の情報に基づいて、前記基板の高さ及び傾きの少なくとも1つを制御する工程と、前記フォーカス計測位置を、前記基板を露光する場合において許容される前記基板のフォーカス許容値に基づき変更することを特徴とする。
【選択図】図6

Description

本発明は、基板を走査しながら原版のパターンを前記基板に露光して転写する露光方法に関する。特に、マスク及び基板を投影光学系に対して同期して移動することによりマスクパターンを基板上に転写するステップ・アンド・スキャン方式の露光方法および露光装置に関する。
一般に、半導体素子又は液晶表示素子等をフォトリソグラフィ工程で製造する場合に、種々の露光装置が使用されている。
現在、原版であるフォトマスク又はレチクル(以下、「レチクル」と総称する)のパターン像を、投影光学系を介して表面にフォトレジスト等の感光材が塗布されたウェハ又はガラスプレート等の基板上に転写する投影露光装置が使用されている。
近年では、この投影露光装置として、ステップ・アンド・リピート方式の静止型縮小投影露光装置(いわゆるステッパー)が主流となっている。
このステッパーは、基板を2次元的に移動自在な基板ステージ上に載置し、この基板ステージにより基板を歩進(ステッピング)させて、レチクルのパターン像を基板上の各ショット領域に順次露光する動作を繰り返す静止型縮小投影露光装置である。
最近になって、このステッパー等の静止型露光装置に改良を加えた例えば、特開平7−176468号公報(特許文献1)で提案されるステップ・アンド・スキャン方式の投影露光装置(いわゆるスキャナー)も比較的多く用いられるようになってきた。
このスキャナーは、ステッパーに比べると大フィールドをより小さな光学系で露光でき、投影光学系の製造が容易であるとともに、大フィールド露光によるショット数の減少により高スループットが期待出来る。
また、投影光学系に対してレチクル及びウェハを相対走査することで平均化効果があり、ディストーションや焦点深度の向上が期待出来る等のメリットがある。
例えば、特開平4−281665号公報(特許文献2)、特開平6−283403号公報(特許文献3)で、このスキャン型投影露光装置(スキャナー)を用いて基板を露光する従来例が提案されている。
露光フィールドに対して走査方向の手前側に設けられた複数検出点をサンプル点として、予め露光前にそのサンプル点でのフォーカス位置の値を全て計測し、露光時にオートフォーカス及びオートレベリング機構を制御する。
そして、それと並行して上記計測点の各サンプル点でのフォーカス位置の計測値から非スキャン方向の傾きを求め、非スキャン方向のレベリング制御を行う、いわゆる先読み制御法が実施されていた。
特開平7−176468号公報 特開平4−281665号公報 特開平6−283403号公報
投影露光装置は、主として半導体素子等の量産機として使用されため、一定時間内にどれだけの枚数の基板であるウェハを露光処理できるかという処理能力、すなわちスループットを向上させることが必然的に要請される。
ステップ・アンド・スキャン方式の投影露光装置(スキャナー)の場合、大フィールドを露光する場合には先に述べたように、ウェハ内に露光するショット数が少なくなるためスループットの向上が見込まれる。
しかし、露光はレチクルとウェハとの同期走査による等速移動中に行われることから、その等速移動領域の前後に加減速領域が必要となる。
このため、静止型露光装置(ステッパー)のショットサイズと同等の大きさのショットを露光する場合には、静止型露光装置(ステッパー)より、スキャン型投影露光装置(スキャナー)の方がスループットが低い場合がある。
投影露光装置である静止型露光装置(ステッパー)およびスキャン型投影露光装置(スキャナー)における処理の流れは、以下のようになっている。
まず、ウェハローダを使ってウェハをウェハテーブル上にロードするウェハロード工程が行われる。
次に、サーチアライメント機構によりウェハの大まかな位置検出を行うサーチアライメント工程が行われる。
このサーチアライメント工程は、具体的には、例えば、ウェハの外形を基準とし、あるいは、ウェハ上のサーチアライメントマークを検出することにより行われる。
次に、ウェハ上の各ショット領域の位置を正確に求めるファインアライメント工程が行われる。
このファインアライメント工程は、一般にAGA(アドバンスト・グローバル・アライメント)方式が用いられる。
この方式は、ウェハ内の複数のサンプルショットを選択し、当該サンプルショットに付設されたアライメントマーク(ウェハマーク)の位置を順次計測する。
さらに、この計測結果とショット配列の設計値とに基づいて、いわゆる最小自乗法等による統計演算を行い、ウェハ上の全ショット配列データを求め、高スループットで各ショット領域の座標位置を比較的高精度に求めることができる。
次に、このAGA方式等により求めた各ショット領域の座標位置と予め計測したベースライン量とに基づいて露光位置にウェハ上の各ショット領域を順次位置決めしつつ、投影光学系を介してレチクルのパターン像をウェハ上に転写する露光工程が行われる。
次に、露光処理されたウェハテーブル上のウェハをウェハンローダを使ってウェハンロードさせるウェハンロード工程が行われる。
このウェハンロード工程は、露光処理を行うウェハの上記最初のウェハロード工程と同時に行われる。
すなわち、最初のウェハロード工程と最終のウェハンロード工程とによってウェハの交換工程が構成される。
このように、従来の投影露光装置では、ウェハ交換→サーチアライメント→ファインアライメント→露光→ウェハ交換……のように、大きく4つの動作が1つのウェハステージを用いて繰り返し行われている。
また、この投影露光装置のスループットWPH[枚/時間]は、上述したウェハ交換時間をT1、サーチアライメント時間をT2、ファインアライメント時間をT3、露光時間をT4とした場合に、次式(1)のように表すことができる。
WPH=3600/(T1+T2+T3+T4) ………(1)
上記T1〜T4の動作は、T1→T2→T3→T4→T1……のように順次(シーケンシャルに)繰り返し実行される。
このため、T1〜T4までの個々の要素を高速化すれば分母が小さくなって、スループットWPHを向上させることができる。
しかし、上述したT1(ウェハ交換時間)とT2(サーチアライメント時間)は、ウェハ1枚に対して一動作が行われるだけであるから改善の効果は比較的小さい。
また、T3(ファインアライメント時間)の場合は、上述したAGA方式を用いる際にショットのサンプリング数を少なくし、ショット単体の計測時間を短縮すればスループットを向上させることができる。
しかし、逆にアライメント精度を劣化させることになるため、安易にT3を短縮することはできない。
また、T4(露光時間)は、ウェハ露光時間とショット間のステッピング時間とを含んでいる。
例えば、ステップ・アンド・スキャン方式のような走査型投影露光装置の場合は、ウェハ露光時間を短縮させる分だけレチクルとウェハの相対走査速度を上げる必要があるが、同期精度が劣化することから、安易に走査速度を上げることができない。
走査型の投影露光装置(スキャナー)では、ウェハW上の各ショット領域に対する露光順序は、(a)スキャン時加減速時間、(b)整定時間、(c)露光時間、(d)隣接ショットへのステッピング時間等の(a)〜(d)の各パラメータにより決定される。
しかし、上述した特開平4−281665号公報(特許文献2)の従来例において先読み制御を行う場合には、フォーカス精度を安定化するため、以下の状態にする必要がある。
すなわち、走査方向の手前側に設けられた検出点が露光領域に達する時点では、ウェハWの振動が収まり、(a)スキャン時加減速時間は終了している必要がある。
ここで(b)整定時間とは、露光スリットが(a)スキャン時加減速を終了する位置から、露光領域に到達するまでの時間を示し、この間の走査速度は等速度である。
この時、走査方向手前側に設けられた検出点位置(ショット内第1計測ポイント)は、露光領域内のどこであろうと、ウェハWの振動は収まっている。
そのため、(a)スキャン時加減速終了位置から、露光領域までの距離を等速度で駆動する(b)整定時間は、速度が同じであれば(b)整定時間は常に同じである。
しかしながら、ラフ工程のようなフォーカス精度に余裕度があるような工程においては、フォーカス精度重視より多少フォーカス精度を犠牲にしても生産性重視を要請される。
そこで、本発明は、露光工程の基板のフォーカス許容値からフォーカス計測位置を最適化し、スループットを向上させる露光方法、露光装置およびデバイス製造方法を提供することを目的とする。
上記課題を解決するための本発明の露光方法は、基板を走査しながら原版のパターンを前記基板に露光して転写する露光方法において、前記パターンが露光される前記基板の露光領域の内側における複数箇所のフォーカス計測位置において前記基板の面位置を計測する工程と、前記工程において計測した前記基板の面位置の情報に基づいて、前記基板の高さ及び傾きの少なくとも1つを制御する工程と、前記フォーカス計測位置を、前記基板を露光する場合において許容される前記基板のフォーカス許容値に基づき変更することを特徴とする。
本発明によれば、露光工程の基板のフォーカス許容値からフォーカス計測位置を最適化し、スループットを向上させる。
以下、添付図面を参照して、本発明の実施例を説明する。
図1の概略構成図を参照して、本発明の実施例の露光装置100を説明する。
本実施例の露光装置100は、光源110と、照明光学系120と、原版であるレチクル130を保持するレチクルステージ135と、投影光学系140と、を有する。
さらに、基板であるウェハ150を保持するウェハステージ155と、検出系160と、制御部170と、を有する。
本実施例の露光装置100は、スキャナーと称されるステップ・アンド・スキャン方式で、レチクル130に形成された回路パターンをウェハ150に露光する投影露光装置である。
本実施例の露光装置100は、サブミクロンやクオーターミクロン以下のリソグラフィ工程に好適である。
エキシマレーザーなどの光源110から射出された光は、露光に最適な所定の形状の露光光束に成型される照明光学系120を経て、レチクル130に形成されたパターンを照明する。
レチクル130のパターンは、露光すべきIC回路パターンを含み、かかるパターンから射出された光は投影光学系140を通過して結像面に相当するウェハ150面近傍に像を形成する。
レチクル130は、投影光学系140の光軸に直交する平面内及びこの光軸方向に移動可能な構成となっているレチクルステージ135上に載置されている。
ウェハ150は、投影光学系140の光軸に直交する平面内及びこの光軸方向に移動可能、且つ、チルト補正可能な構成となっているウェハステージ155上に載置されている。
レチクルステージ135とウェハステージ155を露光倍率の比率の速度で相対的に走査させることでレチクル130のショット領域の露光を行う。
ワンショット露光が終了した後にはウェハステージ155は次のショットへステップ移動し、先ほどとは逆方向に走査露光を行い次のショットが露光される。
これを繰り返すことでウェハ150全域についてショット露光する。
ワンショット内の走査露光中には、フォーカス及びチルトを計測する検出系160によりウェハ150表面の面位置情報を取得する。
さらに、露光像面からのずれ量を算出し、フォーカス(高さ)及びチルト(傾き)方向へウェハステージ155を駆動させ、ほぼ露光スリット単位でウェハ150の高さ方向の形状に合わせこむ動作が行われている。
検出系160は、光学的な高さ計測システムを使用している。
ウェハ150表面に対して大きな角度(低入射角度)で光束を入射させ、ウェハ150からの反射光の像ズレをCCDカメラなどの位置検出素子で検出する方法をとっている。
ウェハ150上の複数の計測すべき点に光束を入射させ、各々の光束を個別のセンサーに導き、異なる位置の高さ計測情報から露光すべき面のチルトを算出している。
次に、図1、図5、図6を参照して、本発明の実施例の露光方法を説明する。
本発明の実施例の露光方法は、基板であるウェハ150を走査しながら、原版であるレチクル130のパターンをウェハ150に転写する露光装置100を用いてウェハ150を露光する。
最初の工程においては、レチクル130のパターンが露光されるウェハ150の露光領域500、510、520の内側における複数箇所のフォーカス計測位置(1)〜(8)においてウェハ150の面位置を計測する。
また、レチクル130のパターンが露光されるウェハ150の露光領域500、510、520の外側における複数箇所のフォーカス計測位置においてウェハ150の面位置を計測する。
次に、前の工程において計測したウェハ150の面位置の情報に基づいて、ウェハ150の高さ及び傾きの少なくとも1つを制御する。
さらに、フォーカス計測位置(1)〜(8)を、ウェハ150の露光する場合において許容されるウェハ150のフォーカス許容値に基づき変更する。
図2及び図3に示されるように、露光スリット位置である露光領域500に対して前段の領域内510及び後段の領域内520内には複数の計測点K1乃至K5が面形状をなすように配置されている。
そして、走査露光中の露光スリットが露光領域500に差し掛かる前にウェハ150のフォーカス及びチルト情報、特に、走査方向へのチルト情報の同時計測を可能にしている。
図2及び図3は、露光領域500に対する計測点K1乃至K5の配置の一例を示す概略図であって、図2は、5点の計測点K1乃至K5を配置した場合、図3は、3点の計測点K1乃至K3を配置した場合を示している。
上記の3点の計測点、5点の計測点は、それぞれ3点、5点に限られるものではなく、3点以上なら何点であってもよい。この3点以上の計測点が、一直線上に無いように構成することが好ましい。
言い換えると、3点以上の計測点のうち3点を選択した際に、その3点がウェハの垂直方向から見て3角形を形成するようにすることが好ましい。
図2に示されるように、露光領域500に対して前段の領域内510に5点の計測点K1乃至K5を投影するように構成し、露光領域500に差し掛かる前に高精度に露光直前のフォーカス及びチルト情報を取得し、露光位置の補正駆動が可能である。
同様に、逆方向のスキャン露光に対応するように、後段の領域内520にも同様に5点の計測点K1乃至K5が投影されるように構成される。
また、露光中におけるウェハ150のフォーカス及びチルトを確認するために、露光領域500にも前段の領域内510及び後段の領域内520とほぼ同様な位置に同数の5点の確認計測点CK1乃至CK5を配置する。
即ち、確認計測点CK1乃至CK5によって、露光領域500に対して前段の領域内510及び後段の領域内520の計測値によるウェハ150の補正駆動量を確認することができる。
図4に示されるように、実験により求めた整定時間と露光する工程の基板のフォーカスの許容値の関係から、露光工程条件A,B,Cに対して、整定時間が一意に決まる。
露光工程条件Aではフォーカス精度が要求されるため、整定時間を長くとる必要がある。
また、露光工程条件Cではフォーカス精度の許容値が大きいため、整定時間を短くして生産性を向上させることができる。
図5は、図4における露光工程条件A、B、Cにおける露光領域は同じ露光領域500内のフォーカス計測位置(1)〜(8)を示す。
露光領域500内のフォーカス計測位置(1)〜(8)の配置は、フォーカス精度の向上のために最適な配置となるように計算され設定される。
また、露光領域500のサイズに合わせて、フォーカス計測位置も最適化される。
高いフォーカス精度を要求されるA工程条件では、フォーカス計測位置は8点(1)〜(8)、フォーカス精度と生産性とを両立したい露光工程条件Bでは7点(1)〜(7)となっている。
また、フォーカス精度よりも生産性を要求される露光工程条件Cでは6点(1)〜(6)となっている。
図6を参照して、図5の詳細を説明する。
ここでは、本実施例として走査方向手前の検出点位置と、露光スリットの物理的な距離が12mm、走査速度が500mm/sとして説明する。
露光工程条件A、B、Cにより、フォーカス許容値と整定時間の関係を基に、露光領域500の端部500aから一定区間の領域内に第1のフォーカス計測位置(1)を配置しない境界線500bを設定する。
さらに、境界線500bの以降に第1のフォーカス計測位置(1)および第2のフォーカス計測位置(2)を設定している。
ここで、第3のフォーカス計測位置(3)以降のフォーカス計測位置は図示されない。
ここで整定時間とは、露光スリットがスキャン時の加減速を終了する位置から、露光領域500の端部500aに到達するまでの時間である。
境界線500bとは、スキャン時の加減速が終了した時の走査方向手前の検出点位置を示している。
高いフォーカス精度を要求される露光工程条件Aの場合、図4に示されるフォーカス許容値から整定時間:24msが取得される。
整定時間:24msを速度:500mm/sで走査する距離:24ms×500mm/s=12mmとなる。
走査方向手前の検出点位置と、露光スリットの物理的な距離が12mmなので、境界線500bは露光領域500の端部500a:0mmのところに設定される。
この境界線500b内に第1のフォーカス計測位置(1)が設定されない条件で、露光領域500内にフォーカス精度向上に最適なフォーカス計測位置(1)・・・を設定する。
本実施例では、境界線500b上に第1のフォーカス計測位置(1)が設定される。
この場合、フォーカス計測位置(1)〜(8)が8点であるため多く、露光領域500の端部500aから計測するため、フォーカス精度は向上するがスループットは遅い。
露光工程条件Bの場合、フォーカス精度と生産性の兼ね合いから、図4に示されるフォーカス許容値から整定時間:22msが取得される。
整定時間:22msを速度:500mm/sで走査する距離:22ms×500mm/s=11mmとなる。
走査方向手前の検出点位置と、露光スリットの物理的な距離が12mmなので、境界線500bは露光領域500の端部500a:1mmのところに設定される。
この境界線500b内に第1のフォーカス計測位置(1)が設定されない条件で、露光領域500内にフォーカス精度向上に最適なフォーカス計測位置(1)・・・を設定する。
本実施例では、露光領域500の端部500aから2.0mm内側に第1のフォーカス計測位置(1)が設定されている。
そこで、境界線500bを露光領域500の端部500aから2.0mmに位置する第1のフォーカス計測位置(1)に再設定することで、より整定時間を短縮させる。
整定時間を計算すると、前記条件同様、走査方向手前の検出点位置と、露光スリットの物理的な距離が12mm、走査速度が500mm/sとして計算する。
スキャン時の加減速終了位置から露光領域500の端部500aまでの距離は、12mm-2mm=10mm、整定時間は10mm÷500mm/s=20msとなり、A工程条件に比べ1ショットあたり4msの短縮が図れる。
この場合、フォーカス計測位置(1)〜(7)は7点で、露光領域500の端部500aの2mm内側から計測するため、フォーカス精度は露光工程条件Aより劣化するが生産性は向上する。
露光工程条件Cの場合、フォーカス精度より生産性を優先する条件であるため、図4のフォーカス許容値から整定時間:20msが取得される。
整定時間:20msを速度:500mm/sで走査する距離:20ms×500mm/s=10mmとなる。
走査方向手前の検出点位置と、露光スリットの物理的な距離が12mmなので、境界線500bは露光領域500の端部500b:2mmのところに設定される。
この境界線500b内に第1のフォーカス計測位置(1)が設定されない条件で、露光領域500内にフォーカス精度向上に最適なフォーカス計測位置を設定する。
本実施例では、露光領域500の端部500aから3.0mm内側に第1フォーカスの計測位置(1)が設定されている。
そこで、境界線500bを露光領域500の端部500aから3.0mmに位置する第1のフォーカス計測位置(1)に再設定することで、より整定時間を短縮させる。
整定時間を計算すると、前記条件同様、走査方向手前の検出点位置と、露光スリットの物理的な距離が12mm、走査速度が500mm/sとして計算する。
スキャン時の加減速終了位置から露光領域500の端部500aまでの距離は、12mm-3mm=9mm、整定時間は9mm÷500mm/s=18msとなり、A工程条件に比べ1ショットあたり6msの短縮が図れる。
この場合、フォーカス計測位置(1)〜(6)は6点で、露光領域500の端部500aの3mm内側から計測する。
このため、露光領域500の端部500aから3mmの間は、フォーカス計測を行わず、近傍フォーカス基準で露光することになり、フォーカス精度は露光工程条件A、B、Cの中で一番劣化するが、生産性は大きく向上する。
図6、図7を参照し、本実施例における工程条件のフォーカス許容値によりフォーカス計測位置を可変する処理を説明する。
まず、基板であるウェハ150の露光工程のフォーカスの許容値をチェックする。(ステップS1)
次に、露光工程のフォーカス許容値から、フォーカス精度の重視の整定時間を取得する。(ステップS2)
次に、露光工程のフォーカス許容値から、フォーカス精度と生産性を両立する整定時間を取得する。(ステップS3)
次に、露光工程のフォーカス許容値から、生産性重視の整定時間を取得する。(ステップS4)
次に、取得した整定時間から境界線500bを設定する。(ステップS5)
次に、境界線500bを考慮したフォーカス計測位置(1)(2)・・・を設定する。(ステップS6)
最後に、第1のフォーカス計測位置(1)に境界線500bを再設定する。(ステップS7)
次に、図8及び図9を参照して、上述の露光装置を利用したデバイス製造方法の実施例を説明する。
図8は、デバイス(ICやLSIなどの半導体チップ、LCD、CCD等)の製造を説明するためのフローチャートである。ここでは、半導体チップの製造方法を例に説明する。
露光装置を用いてウェハを露光する工程と、前記ウェハを現像する工程とを備え、具体的には、以下の工程から成る。
ステップ1(回路設計)では半導体デバイスの回路設計を行う。
ステップ2(マスク製作)では設計した回路パターンに基づいてマスクを製作する。
ステップ3(ウェハ製造)ではシリコン等の材料を用いてウェハを製造する。
ステップ4(ウェハ工程)は前工程と呼ばれ、マスクとウェハを用いて、上記の露光装置によりリソグラフィ技術を利用してウェハ上に実際の回路を形成する。
ステップ5(組立)は、後工程と呼ばれ、ステップ4によって作製されたウェハを用いて半導体チップ化する工程であり、アッセンブリ工程(ダイシング、ボンディング)、パッケージング工程(チップ封入)等の組み立て工程を含む。
ステップ6(検査)では、ステップ5で作製された半導体デバイスの動作確認テスト、耐久性テスト等の検査を行う。
こうした工程を経て半導体デバイスが完成し、それが出荷(ステップ7)される。
図9は、ステップ4のウェハ工程の詳細なフローチャートである。
ステップ11(酸化)では、ウェハの表面を酸化させる。
ステップ12(CVD)では、ウェハの表面に絶縁膜を形成する。
ステップ13(電極形成)では、ウェハに電極を形成する。
ステップ14(イオン打込み)では、ウェハにイオンを打ち込む。
ステップ15(レジスト処理)では、ウェハに感光剤を塗布する。
ステップ16(露光)では、露光装置によってマスクの回路パターンをウェハに露光する。
ステップ17(現像)では、露光したウェハを現像する。
ステップ18(エッチング)では、現像したレジスト像以外の部分を削り取る。
ステップ19(レジスト剥離)では、エッチングが済んで不要となったレジストを取り除く。
これらのステップを繰り返し行うことによってウェハ上に多重に回路パターンが形成される。
本発明の実施例の露光装置の概略構成図である。 本実施例の露光領域に対して5つの計測点を配置した場合の概略図である。 本実施例の露光領域に対して3つの計測点を配置した場合の概略図である。 本実施例における実験により求めた工程のフォーカス許容値と整定時間の関係図である。 露光工程条件A、B、Cにおける露光領域内のフォーカス計測位置(1)〜(8)を示す概略図である。 図5に示される露光工程条件A、B、Cでの詳細なフォーカス計測位置と境界線の示す概略図である。 本実施例における露光時の工程条件から、フォーカス許容値と整定時間を求めフォーカス計測位置を設定する工程を示すフローチャート図である。 露光装置を使用したデバイスの製造を説明するためのフローチャートである。 図8に示すフローチャートのステップ4のウェハ工程の詳細なフローチャートである。
符号の説明
100:露光装置
110:光源
120:照明光学系
130:レチクル
140:投影光学系
150:ウェハ
160:検出系
170:制御部

Claims (4)

  1. 基板を走査しながら原版のパターンを前記基板に露光して転写する露光方法において、
    前記パターンが露光される前記基板の露光領域の内側における複数箇所のフォーカス計測位置において前記基板の面位置を計測する工程と、
    前記工程において計測した前記基板の面位置の情報に基づいて、前記基板の高さ及び傾きの少なくとも1つを制御する工程と、
    前記フォーカス計測位置を、前記基板を露光する場合において許容される前記基板のフォーカス許容値に基づき変更することを特徴とする露光方法。
  2. 前記パターンが露光される前記基板の露光領域の外側における複数箇所のフォーカス計測位置において前記基板の面位置を計測する工程を有することを特徴とする請求項1記載の露光方法。
  3. 請求項1または2記載の露光方法を用いて前記基板を露光することを特徴とする露光装置。
  4. 請求項3記載の露光装置を用いて基板を露光する工程と、
    前記基板を現像する工程と、を備えることを特徴とするデバイス製造方法。
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