JP2014044888A - 放電ユニットおよびこれを用いた空気清浄装置 - Google Patents

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Abstract

【課題】本発明は、放電のスパークを防止しつつ放電電極と対向電極の距離を近づけ、イオンの放出量を増やすことができる放電ユニットおよびこれを用いた空気清浄装置を提供することを目的とする。
【解決手段】放電電極17は針状で、その先端に傾斜部を有し、対向電極14は平板状で、この平板状の対向電極14に対して針状の放電電極17を非接触で、かつ直交状態に配置し、放電電極17の対向電極14との直交部分を熱収縮チューブ17bで被覆し、放電電極17の先端が突出した側の、対向電極14の表面が、半導電性を有する構成とした。
【選択図】図4

Description

本発明は、室内空間の除菌や脱臭を行う、コロナ放電を利用した空気清浄装置に関するものである。
従来、コロナ放電を利用して、オゾンやマイナスイオンなどを発生させる装置が知られている。その構成は、針電極と、アース電極とを有し、前記針電極とアース電極間に高電圧を印加して、針電極先端部においてコロナ放電を生起させ、このコロナ放電により、オゾンおよびマイナスイオンを発生させるものであった(例えば特許文献1参照)。
特開2004−18348号公報
上記従来の特許文献1に記載の装置では、放電のスパークを防止するために、放電電極としての針電極と対向電極としてのアース電極の距離を離す必要があった。また、針電極とアース電極を平行に配置しているため、イオン風の発生方向と、コロナ放電の発生部位がずれ、生成したオゾンなどの活性種を効率的に拡散させることができず、活性種の放出量を増やすことは困難であった。
そこで、本発明は、放電のスパークを防止しつつ放電電極と対向電極の距離を近づけ、イオンの放出量を増やすことができる放電ユニットおよびこれを用いた空気清浄装置を提供することを目的とする。
そして、この目的を達成するために本発明は、放電電極と対向電極に電源部から電圧を印加してコロナ放電させる放電ユニットにおいて、前記放電電極は針状で、その先端に傾斜部を有し、前記対向電極は平板状で、この平板状の対向電極に対して前記針状の放電電極を非接触で、かつ直交状態に配置し、前記放電電極の前記対向電極との直交部分を絶縁体で被覆し、前記放電電極の先端が突出した側の、前記対向電極の表面が、半導電性を有する構成とし、これにより所期の目的を達成するものである。
以上のように本発明は、放電電極と対向電極に電源部から電圧を印加してコロナ放電させる放電ユニットにおいて、前記放電電極は針状で、その先端に傾斜部を有し、前記対向電極は平板状で、この平板状の対向電極に対して前記針状の放電電極を非接触で、かつ直交状態に配置し、前記放電電極の前記対向電極との直交部分を絶縁体で被覆し、前記放電電極の先端が突出した側の、前記対向電極の表面が、半導電性を有する構成としたものであるので、放電のスパークを防止しつつ放電電極と対向電極の距離を近づけ、イオンの放出量を増やすことができる。
すなわち、本発明においては、対向電極の放電電極の先端突出側表面が半導電性を有する構成としたことにより、対向電極と放電電極の距離を近くでき、その結果放電電流が増えるため、イオンの発生量を増やすことができる。
また、放電電極を対向電極から離間し、側面視で放電電極の先端を対向電極から突出させているため、コロナ放電により発生するイオン風の風量を増加させ、例えば放電電極に+電圧を印加した場合、発生したプラスイオンがアースに接続された対向電極に電気的に吸引されるのを抑制でき、イオン風を効率的に利用して、発生したイオンを放出できるものである。
また、放電電極の対向電極との直交部分を絶縁体で被覆しているため、針状の放電電極が曲がったり偏心したりして対向電極と接触しても短絡を防止でき、安全性が向上する。さらに放電電極の対向電極との直交部分の無駄な放電電流の発生を防止できる。
すなわち、放電電極の対向電極との直交部分を絶縁体で被覆しない場合は、直交する放電電極と対向電極の最接近部分間に放電電流が流れイオンを発生させるが、対向電極にすぐ吸収されてしまい、この放電電流は無駄であり、放電電極の対向電極との直交部分を絶縁体で被覆することにより、この無駄な放電電流の発生を防止できる。
本発明の実施の形態1における空気清浄装置を設置する屋内の斜視図 同空気清浄装置の断面を示す構成図 同放電ユニットの分解斜視図 同放電ユニットの外観斜視図 (a)同放電ユニットの放電状態を示すイメージ図、(b)同放電電極先端の拡大図 同空気清浄装置の制御回路を示すブロック図
(実施の形態1)
以下、本発明の実施の形態について、図面を参照しながら説明する。
図1に示すように、空気清浄装置1は、略縦長箱形状で、前面の四方から室内の空気を吸込み、後述するエアフィルタ2で清浄し、本発明の放電ユニットで発生させたイオンと静電霧化ユニットで発生させた活性種を清浄空気とともに天面から室内へ送風するものである。
図2は、図1における空気清浄装置1の断面図を示している。
空気清浄装置1は、吸気口3と排気口4を有する本体5と、この本体5内の送風手段6と、放電ユニット7および静電霧化ユニット8とを備えている。
本体5は、吸気口3の反対側に位置する仕切板部9によって、吸気口3と排気口4とを連通する風路部10と、空間部11とに分けられている。
送風手段6は、本体5の仕切板部9に固定された電動機12と、この電動機12によって回転する羽根部13とから形成している。送風手段6によって、吸気口3から吸い込んだ空気の一部は、放電ユニット7および静電霧化ユニット8を介して、排気口4へ送風されるものである。
放電ユニット7は、図3〜図4に示すように絶縁性基板16と、絶縁性基板16の放電電極17先端側の表面に設けた半導電部18と、この半導電部18の外周縁に設けた導電部23とからなる対向電極14と、絶縁性基板16の円形の孔部21を貫通して配置された放電電極17と、支持部材22と、導電部23と電気的に接続された電源接続部19と、この電源接続部19および放電電極17に電圧を印加する電源部20(図2に記載)とから形成している。
また図5に示すように、放電電極17の対向電極14との直交部分を直交部17aとし、直交部17aを絶縁体としての熱収縮チューブ17bで被覆している。熱収縮チューブ17bは、放電電極17の針状の先端の傾斜部17cの一部も被覆している。熱収縮チューブ17bは、電子線照射によるプラスチックの形状記憶効果を応用した熱収縮チューブ(加熱により、径方向に収縮するチューブ)である。
絶縁体の材質は、放電により発生するオゾン等に耐えられるようフッ素樹脂やシリコーン樹脂が好ましい。この樹脂を使った熱収縮チューブ17bや熱収縮しない絶縁チューブを使用することがる。
なお、孔部21を設けなくても、例えば絶縁性基板16が半分の大きさで半円の切欠を有する形状でも、イオン量を増やすことは可能である。従来の特許文献に記載のように、針電極とアース電極を平行に配置した場合、コロナ放電領域は、針電極とからアース電極側に偏って生成するため、放電領域が小さくなる。一方、本発明のように、放電電極と半導電部を略垂直方向に対向配置した場合、針からみて円錐状に広がりを持ったコロナ放電領域が形成されるため、コロナ放電領域の範囲が広がり、より多くの活性種を発生させることができる。孔部21を設けた場合には、孔部21の端面に向かってコロナ放電が発生するため、孔部21の直径を変えることによってコロナ放電の広がり方を変化させることができる。
絶縁性基板16は、図3、図4に示すごとく、平板形状で略中央に開口である孔部21を有し、絶縁性基板16の端部は、支持部材22を介して本体ケースの仕切板部9に固定されている。
支持部材22は、対向電極14を両面から挟み込むように固定する固定蓋22aと台座22b、および放電電極17を固定する底板22cで構成され、図3に示す分解した部材を組立てると、図4のような全側面の一部を開口した筒形状となる構成であり、支持部材22が内部に放電電極17と対向電極14を設けたケースを構成している。
放電ユニット7は、上述のごとく絶縁性基板16と、この絶縁性基板16の孔部21を貫通して配置された放電電極17と、絶縁性基板16の孔部21の内面と絶縁性基板16の放電電極17側の表面とに設けた半導電部18と、この半導電部18の外周部を覆うごとく電気的に接続されるように設けた導電部23と、この導電部23と電気的に接続された電源接続部19と、電源部20を設けたものである。
電源接続部19は、SUSなどのステンレス、アルミ、金、銀、銅などで形成されている。なお、これらに限られること無く、導電性の素材であれば良い。
放電ユニット7は、対向電極14と、放電電極17と、対向電極14と放電電極17を保持する支持部材22とを備えている。支持部材22は、仕切板部9(図2に記載)に固定されている。
以下で、各構成の特徴を図3、図4を用いて詳細に説明する。
対向電極14を構成する絶縁性基板16は、四角平板形状であり、略中央に開口する孔部21を有している。なお、絶縁性基板の形状は円形や多角形であってもよく、孔部の形状としても、円形状ではなく、四角形・多角形・楕円形状としてもよい。
さらに絶縁性基板16は、オゾンやラジカルで腐食されにくい無機系のもの、あるいは、フッ素樹脂であれば良く、セラミック基板であっても、フッ素などの樹脂基板であっても良い。セラミック基板としては、Si、Al、Zn、Ti、Mgを含む酸化物あるいは複合酸化物、炭化物、窒化物などを用いることができ、コストと入手のしやすさからアルミナが好適である。なお、絶縁性基板16の表面抵抗は、1010Ω/□以上であることが望ましい。
また半導電部18は、図3に示すように、絶縁性基板16の一方面側の表面、つまり、放電電極17の先端が突出した面と、絶縁性基板16の孔部21の内面とに設けられている。放電電極17の先端側から見ると、半導電部18の形状はリング形状である。半導電部18の表面抵抗は、106から1010Ω/□であることが望ましい。ここで、表面抵抗率は、1000V印加時の値である。
さらに半導電部18は、絶縁性基板16の表面にスクリーン印刷によりスキージで半導電インクを塗布したものである。半導電インクは、酸化スズなどの導電剤とガラス粉などの接着剤を含み、前記成分を溶剤に混合あるいは溶解させたものである。
接着剤は、導電剤粒子と、絶縁性基板16とを接着できればよい。接着剤としてガラス粉やコロイダルシリカ、シリケート化合物、チタネート化合物などを用いてもよい。ガラス粉は化学的に不活性で耐酸化性があり、好ましい。アルミナやジルコニア、チタニアの粉末あるいはフッ素樹脂粒子などを用いてもよい。接着剤の大きさは、形状を安定化させるために導電材粒子よりも大きいほうが好ましく、導電材の2〜100倍程度の大きさにすると良い。
導電剤粒子としては、酸化スズが酸化に対する安定性と入手の容易さの理由で好ましく、他にはZnO、PbO2,CdO,In23、Tl23、Ga23、Fe34などの酸化物導電材およびこれらの複合酸化物などが使用可能である。導電剤としての酸化スズ(SnO2)にSbなどをドープしたものを用いてもよい。
半導電部18として、導電剤としてのSnO2と、接着剤としてのガラスを用いる場合の構成割合は、1:4〜1:1、すなわち導電剤が20〜50%、ガラスが80〜50%が好ましく、強度面から接着剤としてのガラスは50%以上必要で、半導電性、すなわち表面抵抗率を106〜1010Ω/□とするためには、導電剤を20%以上いれることが望ましい。
接着剤としてガラスを用いる場合には、ガラス粉末を適度な溶媒を加えて混合し、作成した半導電性インキを絶縁性基板16に印刷し、ガラスが溶融する温度まで加熱して、ガラス中に導電剤が分散した状態を作る方法などが挙げられる。また、酸化スズとガラスと接着剤を混合して作成したインキに、絶縁性の基板をディップして乾燥させる方法などが挙げられる。
また導電部23は、図3に示すように、半導電部18の周縁部近傍の表面外周部を覆う位置に設けられており、この導電部23は電源接続部19と半導電部18と電気的に接続しているものである。このとき、放電電極17から導電部23までの最短距離は、放電電極17から半導電部18までの最短距離よりも長いものである。図3の例では、導電部23は、四角形状の金属性平板であり、孔部21の外周よりも大きい貫通孔24を有する。
このような構成とすることにより、放電電極17と電源接続部19間を流れる電流は、例えば放電電極17から絶縁性基板16の孔部21の内面を覆う半導電部18を流れた後に、絶縁性基板16の一方面表面を覆う半導電部18を流れ、その後、導電部23を介して、ようやく電源接続部19へと到達することになる。つまり、沿面距離が長いので、その結果として火花放電が起こらず、安全性の向上が図れるものである。
ここで、導電部23の表面抵抗率は、半導電部18の表面抵抗率より小さいものである。具体的には、半導電部18の表面抵抗率は、106Ω/□以上から1010Ω/□未満であり、導電部23の表面抵抗率は、106Ω/□未満であり、電源接続部19の表面抵抗率は、10-1Ω/□以下であることが望ましい。
さらに導電部23は、孔部21の中心から略等距離に位置するものである。具体的には、半導電部18の孔部21の外周から外方へ略等距離延びた位置で電気的に接続するリング形状であり、この周縁部に導電部23が位置するものである。つまり、放電電極17の先端から略等距離に導電部23が位置するものである。
これにより、導電部23は、孔部21の外周から略等距離に位置するので、放電電極17と電源接続部19間に高電圧が印加された場合に、放電電極17と電源接続部19間を流れる電流は、導電部23全周に均一に流れ易くなる。また、半導電部18の周縁部まで流れた電流は、導電部23の表面抵抗率が、半導電部18の表面抵抗率より小さいものであるので、導電部23を介して電源接続部19へ到達し易くなる。
すなわち、半導電部18の広い範囲に電流が均一に分散し、更に、半導電部18の周縁部に位置する導電部23へ広がるように電流が流れるので、半導電部18の狭い範囲に電流が集中し、集中的に活性種を生成することなく、さらに局所的に発熱することがないため、半導電部18の劣化を抑制することができるものである。
導電部23は、金属製平板であることが望ましい。導電部23をAg、Cu、カーボンなどを含む導電性インクによる印刷で形成することもできるが、長期間使用する際には導電インクの劣化が課題となる。金属製平板であれば、インクに比べて、放電によって生成した活性種に対する酸化安定性が優れているため、結果として活性種を安定して発生させることができる。
導電部23の材質は、SUS316L、SUS316、SUS304、アルマイト処理を施したアルミニウムのいずれかからなるものであることが望ましい。これらの金属は、オゾン等の活性種に対する耐性が高いため、オゾン等の活性種による腐食に強く、導電部23の耐久性を向上できるからである。なお、導電部23は、これらに限られること無く、導電性の素材であれば良い。導電部23の表面抵抗は、10-1Ω/□以下であることが望ましい。
さらに導電部23の外形を支持部材22の内部と略同一の四角形状とすれば、放電ユニット7の組立工程において、導電部23の位置決めを容易にすることができる。
また、電源接続部19は、絶縁性基板16における放電電極17の先端が突出した面側、すなわち、図3では導電部23の一隅からの突出端に設けられている。これにより、放電電極17から流れる電子が、絶縁性基板16の表面を伝って流れる際に、電子の移動する距離である、いわゆる沿面距離が伸びることで、火花放電が起こりにくくなる。なお、これに限られること無く、電源接続部19を絶縁性基板16の表面に設ける場合には、十分な沿面距離を確保した状態で配置することが必要となる。
次に放電電極17は、棒形状あるいは針形状で、支持部材22の底板22cから垂直方向に延び、絶縁性基板16の一方面に対向している。支持部材22は多数の開口を備えて通気可能であってもよい。そして、放電電極17の先端は、絶縁性基板16から数ミリメートル〜数十ミリメートル程度の所定距離を隔てて孔部21から突出しており、かつ孔部21の略中心軸上に位置するものである。略中心軸上とは、孔部21の中心を通り、絶縁性基板16に対して垂直な軸上を示す。放電電極17の材質は、コロナ放電をさせるSUSなどのステンレスやタングステン、チタン、Ni−Cr合金などである。放電可能であれば、炭素・スズ・SiCなどを含む電極を用いてもよい。
なお、放電電極の先端部は鋭利な円錐状、円柱状、半球状などの形状を利用することができる。鋭利な先端を用いた場合、放電集中が起こりやすいため、比較的低い電圧でコロナ放電を行うことができる。針先の形状を、円柱状あるいは半球状にした場合は、特定の部分に電荷集中が起こらない。そのため、針形状に比べると高い電圧を印加しないとコロナ放電が発生しないが、電荷が分散した状態でコロナ放電が継続されることから、針形状に比べて長時間劣化しにくい放電電極とすることができる。これは、鋭利な針先には電荷集中によって金属の溶融やほこりの集中付着が起こりやすいためである。
放電電極17の先端の断面形状と、半導電部18の孔部の形状は、同種の形状であってもよい。例えば、円状の孔部に対して、先端が円柱状または半球状の放電電極17を用いた場合には、放電部分の先端部の断面形状が円状になっているため、放電電極17を中心として円周方向に広い範囲に分散して放電が発生する。
その結果、先端が鋭利な針状の放電電極17を用いる場合に比べて、局所的な放電集中が起こりにくく、放電電極17の劣化を抑制することができ、結果としてイオンを安定して発生させることができるものである。
この孔部の形状としては、円形状ではなく、四角形・多角形・楕円形状としてもよい。
なお、放電電極17の放電を受ける電極として、半導電性の皮膜を備えた絶縁性基板16と半導電部18と導電部23と電源接続部19からなる構成を説明したが、電極として半導電部18と電源接続部19のみを用いてもよい。すなわち、絶縁性基板16と同形状の孔空き平板状の半導電部18を電源接続部19に電気的に接続する構成でもよい。このような構成とすることによって、構造が簡易になり組立てやすい放電ユニットにすることができる。さらに、導電部および絶縁性基板の厚みを減らすことで、より小型の放電ユニットとすることができる。
半導電部18は、絶縁性基板16の表面にスクリーン印刷によりスキージで半導電インクを塗布したものである。半導電インクは、酸化スズなどの導電剤とガラス粉などの接着剤を含み、前記成分を溶剤に混合あるいは溶解させたものである。
ここで、放電電極17にプラスの電圧を印加した場合について図5(a)を用いて説明を行う。
図2の空気清浄装置1を運転し、放電電極17とアースに接続された対向電極14間に電源部20によりプラス約3〜10kVが印加されると、放電電極17先端近傍に強い電界域が形成され、電界域内の空気を電離させる。このとき発生した電子が空気中の窒素分子および酸素分子に衝突し、窒素分子および酸素分子からは衝突した電子の個数以上の電子が飛び出し、電子を失った窒素分子および酸素分子は正イオンとなる。
分子から飛び出した電子のいくらかは酸素分子と結合して酸素の負イオンとなり、酸素の負イオンは周辺の分子と反応して別の様々な負イオンを生成しながら電子とともに放電電極17に吸収される。窒素および酸素の正イオンは水分子と反応して別の様々な正イオン生成し、それらは対向電極14の半導電部18に向かい、図5(a)の点線で示す電気力線上を移動する。この状態がコロナ放電である。
また、放電電極17の先端からは、イオン風と呼ばれる気流が発生しており(図5中の点線矢印)、前述した窒素、酸素、水に由来の正イオンは、このイオン風により最初は半導電部18から遠ざかり、その後、半導電部18に吸い寄せられるため、図5に示したような放物線を描く電気力線上を移動する。
このコロナ放電状態で、送風手段6による送風が、図2では放電ユニット7の下から、図5では放電ユニット7の右から、電気力線上を移動する酸素の正イオンに当たることにより、電気力線上を移動する酸素の正イオンの半数以上が、図5に示すように、送風された風に乗って放電ユニット7から放出される。
ここで、放電電極17の先端は、孔部21の略中心軸上に配置されているため、放電電極17と電源接続部19に電気的に接続された半導電部18に高電圧が印加された場合、放電電極17と半導電部18間をながれる電流は、半導電部18の孔部21外周面から導電部23を介して、電源接続部19に到達する。
つまり、放電電極17を中心として円周方向の周囲に半導電部18が位置するので、半導電部18の広い範囲に電流が分散することになり、半導電部18近傍の空気には広い範囲で発熱による近傍空気の対流作用が起こり、暖められた空気は上昇するため、図5では、放電電極17先端近傍に発生した窒素、酸素、水に由来の正イオンが下降しにくくなり、結果として、半導電部18に吸収されず送風された風に乗って放電ユニット7から放出される窒素、酸素、水に由来の正イオン量を増加させることができるものである。
ここで、3〜10kV電圧を印加することによって、十分なイオン量を発生させることができる。10kV以上でもイオンは発生するが、放電針の劣化などの副作用が生じるため10kV以下で使用することが望ましい。また、3kV未満では放電が不安定になる場合があるため、3kV以上で使用することが望ましい。
また、放電電極17の対向電極14との直交部17aを絶縁体の熱収縮チューブ17bで被覆しているため、針状の放電電極17が曲がったり偏心したりして対向電極14と接触しても短絡を防止でき、安全性が向上する。さらに対向電極14と放電電極17の最短距離の直交部17aでの無駄な放電電流の発生を防止できる。
すなわち、直交部17aを絶縁体の熱収縮チューブ17bで被覆しない場合は、直交部17aと対向電極14間に放電電流が流れイオンを発生させるが、発生したイオンは正イオンであり、アースに接続された対向電極14にすぐ吸収されてしまい、この放電電流は無駄であり、直交部17aを絶縁体の熱収縮チューブ17bで被覆することにより、この無駄な放電電流の発生を防止できる。
さらに、図5(b)に示すように、熱収縮チューブ17bは、放電電極17の針状の先端の傾斜部17cの一部も被覆している。そのため、熱収縮チューブ17bの放電電極17の根元方向へのズレを防止できる。
このとき、熱収縮チューブ17bを使用せず、内径の変化しない絶縁チューブを使用した場合は、破線のように、隙間を生じてしまい、その隙間に塵埃等が付着し、貯まってしまう。このとき、塵埃の端部が尖部を形成、例えば髪の毛が付着すると、放電電極17の針状の先端の電界集中が妨げられ、放電電流が減少し、上述した電子の発生量が減少する。さらにオゾンも発生するため、絶縁チューブの劣化を促進する。
また、本実施の形態では、図2に示すように、放電ユニット7の下流側(排気口4側)に静電霧化ユニット8を設けている。静電霧化ユニット8は、放電電極と、放電電極に対向して位置する対向電極と、放電電極に水を供給する供給手段とを備え、放電電極と対向電極との間に高電圧を印加することで放電電極に保持される水を霧化させてナノメータサイズで強い電荷を持つ帯電微粒子水(マイナスイオンミストで、以下、これをナノイオンミストという)を発生させるものである。ナノイオンミストの粒径は3〜数十nm程度であって、広範囲に飛散し、滞留時間が長く、壁面などの内部にも浸透し、高い脱臭効果や、ダニや花粉等のアレルゲンの不活性化効果や殺菌効果を発揮することができるものである。
この静電霧化ユニット8の上流側に放電ユニット7を有することで、放電ユニット7で発生させた酸素の正イオンにより、空気中のダニや花粉等のアレルゲンおよび浮遊カビ菌や浮遊菌などの汚れを+に帯電させ、マイナスイオンである、ナノイオンミストが接触しやすくできる。
すなわち、放電ユニット7で発生させた酸素の正イオンは、ナノイオンミストの不活性化効果や殺菌効果を向上させる、アシストイオンとして作用する。
図6は、空気清浄装置1の制御回路のブロック図である。図2の空間部11に電源部20を含む制御部25が収納されており、放電ユニット7、静電霧化ユニット8に対し、それぞれ各ユニットに高電圧を印加する第1の高電圧発生手段26、第2の高電圧発生手段27が接続され、各高電圧発生手段は制御手段28に接続されている。
また、制御手段28には、運転操作スイッチ29と送風手段6(実際は電動機12)も接続されており、運転操作スイッチ29からの入力により、制御手段28は、送風手段6、第1の高電圧発生手段26、第2の高電圧発生手段27を制御している。
本実施形態では、放電ユニット7、静電霧化ユニット8に対し、別々の高電圧発生手段を用いたが、同じ高電圧を発生させる場合には、一つの高電圧発生手段を共用できる。
このような制御部25を備えた空気清浄装置1を運転操作スイッチ29を操作して運転することにより、制御手段28からの制御信号を受けて、第1の高電圧発生手段26、第2の高電圧発生手段27、送風手段6が作動し、排気口4から静電霧化ユニット8から発生したナノイオンミストと、放電ユニット7から発生したアシストイオンが室内へ放出される。
その結果、前述したナノイオンミストの効果を発揮できる。すなわち、空気中の菌を不活化することができる。また、空気中の臭いを分解して取り除くことで、脱臭効果を発揮させることができる。また、ナノイオンミストを含む空気を衣類やカーテン等にあてることによって、衣類やカーテンの脱臭・除菌などの効果が期待できる。
なお、本実施形態では放電ユニット7が一つの構成を説明したが、多くのイオン量が必要な場合、複数備えてもよい。
(実施の形態2)
実施の形態1では、放電電極17にプラスの電圧を印加し静電霧化ユニット8との併用で発生させたイオンをアシストイオンとして利用したが、本実施形態では、放電電極17にマイナスの電圧を印加し、単独でマイナスイオンとして利用する場合について説明する。
実施の形態1と同じ構成は、同一番号を付し、詳細な説明は省略する。
放電電極17にマイナスの電圧を印加した場合について図5を用いて説明を行う。
図2の空気清浄装置1(静電霧化ユニット8は備えていない)を運転し、放電電極17とアースに接続された対向電極14間に電源部20によりマイナス約3〜10kVが印加されると、放電電極17先端近傍に強い電界域が形成され、電界域内の空気を電離させる。このとき、放電電極17からは電子が放出され、空気中の窒素分子および酸素分子に衝突し、窒素分子および酸素分子から、衝突した電子の個数以上の電子が飛び出し、電子を失った窒素分子および酸素分子は正イオンとなる。窒素および酸素の正イオンは水分子と反応して別の様々な正イオン生成しながら放電電極17へ吸収される。一方、分子から飛び出した電子のいくらかは酸素分子と結合して酸素の負イオンとなり、周辺の分子と反応して別の様々な負イオンを生成しながら電子とともに対向電極14の半導電部18に向かう。
このように発生した負イオンを実施の形態1と同様に空気清浄装置1の排気口4から室内へ放出することにより、負イオン特有の爽快感(滝の近くの清々しさ)を使用者に感じさせられるという効果を奏する。
なお、実施の形態1の構成で、静電霧化ユニット8を作動させず、放電電極17にマイナスの電圧を印加して放電ユニット7を作動させた場合、本実施形態と同様の作用効果を有する。
以上のように本発明は、筒状または箱状のケース部と、このケース部の一端開口部からこのケース部内に、その先端側を挿入した放電電極と、前記放電電極の先端側近傍に対向配置した半導電部とを備え、前記半導電部は、前記放電電極の先端側に対向する部分に配置した孔部を有し、前記半導電部と前記放電電極には電源部から電圧を印加してコロナ放電により活性種を発生させる放電電極と対向電極に電源部から電圧を印加してコロナ放電させる放電ユニットにおいて、前記放電電極は針状電極であり、前記対向電極は平板状で、前記放電電極の略垂直方向に離間配置され、前記放電電極は前記対向電極の平板状の平面をこの平面の側面視で貫通し、その先端を突出させ、前記放電電極の先端が突出した側の、前記対向電極の表面が、半導電性を有する構成としたものであるので、放電のスパークを防止しつつ放電電極と対向電極の距離を近づけ、活性種の発生量を増やすことができる。
すなわち、本発明においては、半導電部と放電電極に電源部から電圧を印加してコロナ放電により活性種を発生させる構成としたことにより、半導電部と放電電極の距離を近くでき、その結果放電電流が増えるため、イオンの発生量を増やすことができる。
したがって、放電ユニットおよびこれを用いた空気清浄装置としての活用が期待される。
1 空気清浄装置
2 エアフィルタ
3 吸気口
4 排気口
5 本体
6 送風手段
7 放電ユニット
8 静電霧化ユニット
9 仕切板部
10 風路部
11 空間部
12 電動機
13 羽根部
14 対向電極
16 絶縁性基板
17 放電電極
17a 直交部
17b 熱収縮チューブ
17c 傾斜部
18 半導電部
19 電源接続部
20 電源部
21 孔部
22 支持部材
22a 固定蓋
22b 台座
22c 底板
23 導電部
24 貫通孔
25 制御部
26 第1の高電圧発生手段
27 第2の高電圧発生手段
28 制御手段
29 運転操作スイッチ

Claims (10)

  1. 放電電極と対向電極に電源部から電圧を印加してコロナ放電させる放電ユニットにおいて、
    前記放電電極は針状で、その先端に傾斜部を有し、
    前記対向電極は平板状で、この平板状の対向電極に対して前記針状の放電電極を非接触で、かつ直交状態に配置し、
    前記放電電極の前記対向電極との直交部分を絶縁体で被覆し、
    前記放電電極の先端が突出した側の、前記対向電極の表面が、半導電性を有することを特徴とした放電ユニット。
  2. 絶縁体は熱収縮チューブであり、
    放電電極の先端に形成された傾斜部の少なくとも一部を被覆することを特徴とした請求項1記載の放電ユニット。
  3. 対向電極は中央部に開口を有し、
    前記放電電極は前記開口を貫通することを特徴とした請求項1または2記載の放電ユニット。
  4. 対向電極の半導電性を有する表面の表面抵抗率が、106Ω/□以上から1010Ω/□未満であることを特徴とする請求項1〜3のいずれか1つに記載の放電ユニット。
  5. 対向電極の開口は円形であることを特徴とする請求項1〜4のいずれか1つに記載の放電ユニット。
  6. 放電電極は、対向電極の開口の略中心軸上に位置することを特徴とする請求項1〜5のいずれか1つに記載の放電ユニット。
  7. 電源部から放電電極に+電圧を印加し、対向電極をアースに接続することを特徴とする請求項1〜6のいずれか1つに記載の放電ユニット。
  8. 電源部から放電電極に−電圧を印加し、対向電極をアースに接続することを特徴とする請求項1〜6のいずれか1つに記載の放電ユニット。
  9. 吸気口と排気口を有する本体と、
    この本体内に送風手段と静電霧化手段と請求項7記載の放電ユニットとを設け、
    前記送風手段により前記本体の吸気口から吸込んだ空気を、前記静電霧化手段と前記放電ユニットに送り、
    前記静電霧化手段で発生した活性種と、前記放電ユニットで発生したプラスイオンを含んだ空気を前記排気口から吹出す構成としたことを特徴とする空気清浄装置。
  10. 吸気口と排気口を有する本体と、
    この本体内に送風手段と請求項8記載の放電ユニットとを設け、
    前記送風手段により前記本体の吸気口から吸込んだ空気を、前記放電ユニットに送り、
    前記放電ユニットで発生したマイナスイオンを含んだ空気を前記排気口から吹出す構成としたことを特徴とする空気清浄装置。
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