JP2006164767A - イオン発生装置 - Google Patents

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Abstract

【課題】 放電部と接地との間の対地電圧を低下させて、放電部から人が触れるおそれのある部位までの空間距離を小さくする。
【解決手段】 第1、第2放電部12、13の放電電極12a、13aと入力電源201との間に、バイアス電圧を印加するためのダイオード208、209が介装される。ダイオード209、209と入力電源201との間に、抵抗222、223がダイオード208、209と直列に介装される。抵抗222、223によりバイアス電圧が低下され、対地電圧が低下する。
【選択図】 図3

Description

本発明は、空気中に浮遊する細菌、カビ菌、ウイルスなどを不活化するために、プラスイオンとマイナスイオンを空間に放出するイオン発生装置に関する。
一般に、事務所や会議室など、換気の少ない密閉化された部屋では、室内の人数が多いと、呼吸により排出される二酸化炭素、タバコの煙、埃などの空気汚染物質が増加するため、人間をリラックスさせる効能を有するマイナスイオンが空気中から減少していく。特に、タバコの煙が存在すると、マイナスイオンは通常の1/2〜1/5程度にまで減少することがあった。そこで、空気中のマイナスイオンを補給するため、従来から種々のイオン発生装置が市販されている。
しかしながら、従来の放電現象を利用したイオン発生装置は、主として負電位の直流高電圧方式でマイナスイオンを発生させるものであり、その目的はリラックス効果を訴求するものであった。そのため、このようなイオン発生装置では、空気中にマイナスイオンを補給することはできるものの、空気中の浮遊細菌等を積極的に除去することはできなかった。
そこで、プラスイオンとマイナスイオンを空間に放出することで、空気中に浮遊する細菌やカビ菌、有害物質などを不活化、分解することが可能なイオン発生装置が特許文献1、2に開示されている。このイオン発生装置は、空気調和機、除湿器、加湿器、空気清浄機、冷蔵庫、掃除機等の電気機器に搭載される。
イオン発生装置では、空気中にマイナスイオンであるH+(H2O)と、プラスイオンであるO2 (H2O)(m、nは自然数)を発生させる。両イオンが空気中の浮遊カビやウイルスの周りを取り囲み、その際に生成される活性種の水酸基ラジカル(・OH)の作用により、カビ菌等を不活化する。
イオン発生装置は、イオンを発生するイオン発生素子と、イオン発生素子に高電圧を印加する電圧印加回路を備えている。イオン発生素子は、放電電極および誘導電極を有する放電部と、誘電体とから構成される。誘電体を挟んで外側に放電電極、内側に誘導電極が配置された構造とされ、放電電極および誘導電極が、電圧印加回路のトランスの2次側に接続される。電圧印加回路によって放電部に交流電圧を印加することにより、プラスイオンとマイナスイオンが発生し、ファンの風によってイオンが空間に放出される。
特開2003−47651号公報 特開2002−319472号公報
イオン発生装置では、放電部に高電圧が印加される。ところで、電気用品安全法によれば、放電部(充電部)と非充電部との間の空間距離、すなわち放電部から人が触れるおそれのある部位までの空間距離が、放電部と接地との間での電圧、すなわち対地電圧によって規定されている。そのため、対地電圧が高くなれば、空間距離を大きくしなければならず、装置の大型化を招くとともに、放電部の電極配置等の機構設計も困難となる。
そこで、本発明は、上記に鑑み、放電部に印加する電圧を変えずに対地電圧を低くしたイオン発生装置の提供を目的とする。
本発明は、イオンを発生する放電部を有するイオン発生素子と、該イオン発生素子に高電圧を印加する電圧印加回路とを備え、前記電圧印加回路に、前記放電部の線間電圧を変えることなく対地電圧を低下させる電圧低下手段が設けられたものである。
電圧低下手段は、放電部と接地との間に設けられた電圧降下素子からなる。電圧降下素子としては、抵抗、コンデンサ、ダイオード、トランジスタ、あるいはこれらを組み合わせたものとされる。
このように、放電部と接地との間に電圧降下素子が挿入されることにより、電圧降下素子がない場合に比べて放電部の電位が低くなる。したがって、対地電圧が低くなり、放電部から人が触れるおそれのある部位までの空間距離を小さくすることが可能となる。このとき、電圧印加回路による放電部に対する線間電圧は変わらないので、安定したイオン量を発生させることができる。
イオン発生素子は、マイナスイオンを発生するための放電部と、プラスイオンを主に発生するための放電部とを有し、電圧印加回路は、交流電源から各放電部にバイアス電圧を印加するバイアス印加回路を備え、該バイアス印加回路に、電圧低下手段が設けられる。バイアス印加回路は、放電部と交流電源との間にダイオードを介装してなり、電圧降下素子である抵抗が前記ダイオードと直列に接続される。あるいは、電圧降下素子であるコンデンサが前記ダイオードと並列に接続される。すなわち、電圧降下素子は、複数の放電部に対してそれぞれ設けられる。
本発明によると、放電部−接地間の対地電圧を低くできるので、放電部(充電部)と非充電部との間の空間距離を小さくできる。したがって、放電部が外部に露出したイオン発生素子を覆うためのカバーまでの距離を小さくすることが可能となり、イオン発生装置の小型化を図れる。
本実施形態のイオン発生装置を図1に示す。本イオン発生装置は、発生したプラスイオンとマイナスイオンがイオン発生素子10の電極近傍で中和して消滅することを抑え、発生した両極性のイオンを有効的に空間に放出するために、単一のイオン発生素子でプラスイオンとマイナスイオンを所定周期で交互に発生させる方式ではなく、プラスイオンとマイナスイオンを個別に発生させ、各々を独立して室内に放出する方式(以下、イオン独立放出方式と呼ぶ)を採用した構成としている。
すなわち、イオン発生装置は、イオンを発生する放電部12、13を複数、例えば2つ備えたイオン発生素子10と、イオン発生素子10に対して所定の電圧印加を行う電圧印加回路20とを備えている。
イオン発生素子10は、誘電体11と、第1放電部12と、第2放電部13と、コーティング層14とからなる。誘電体11は、上部誘電体11aと下部誘電体11bとによって構成される。第1放電部12は、放電電極12a、誘導電極12b、放電電極接点12c、誘導電極接点12d、接続端子12e、12fおよび接続経路12g、12hによって構成される。第2放電部13は、放電電極13a、誘導電極13b、放電電極接点13c、誘導電極接点13d、接続端子13e、13fおよび接続経路13g、13hによって構成される。
第1の放電電極12aと誘導電極12bとの間、および第2の放電電極13aと誘導電極13bとの間に電圧印加を行い、放電電極12a、13a近傍において放電を行うことにより、それぞれプラスイオン、マイナスイオンを発生させる。
誘電体11は、略直方体状の上部誘電体11aと下部誘電体11bを貼り合わせて成る。例えば縦15mm×横37mm×厚み0.45mmとされる。誘電体11の材料として無機物を選択するのであれば、高純度アルミナ、結晶化ガラス、フォルステライト、ステアタイト等のセラミックを使用することができる。また、誘電体11の材料として有機物を選択するのであれば、耐酸化性に優れたポリイミドやガラスエポキシなどの樹脂が好適である。ただし、耐食性の面を考えれば、誘電体11の材料として無機物を選択する方が望ましく、さらに、成形性や電極形成の容易性を考えれば、セラミックを用いて成形するのが好適である。
また、放電電極12a、13aと誘導電極12b、13bとの間の絶縁抵抗は均一であることが望ましいため、誘電体11の材料としては、密度ばらつきが少なく、その絶縁率が均一であるものほど好適である。
なお、誘電体11の形状は、略直方体状以外に円板状や楕円板状、多角形板状等であってもよく、さらには円柱状であってもよい。生産性を考えると、本実施形態のように平板状(円板状及び直方体状を含む)とするのが好適である。
第1、第2放電部12、13は、お互いが一直線上に並ばないように、直方体状の基材である誘電体11に対して対角線上に配置される。すなわち、イオン発生素子10に対していずれの方向から空気流が送られたとしても、第1、第2放電部12、13の配列方向が、空気流に対して直交するように、言い換えれば、一方の放電部上を通過した空気流が他方の放電部上を通過しないように、配置される。このような構成とすることにより、イオン独立放出方式の効果を活かし、両放電部12、13で発生したイオンの減衰を抑えて、効率的でバランスのよいイオン放出を行うことが可能となる。
放電電極12a、13aは、上部誘電体11aの表面に、該上部誘電体11aと一体的に形成されている。放電電極12a、13aの材料としては、例えばタングステンのように、導電性を有するものであれば、特に制限なく使用することができるが、放電によって溶融等の変形を起こさないことが条件となる。
また、誘導電極12b、13bは、上部誘電体11aを挟んで、放電電極12a、13aと平行に設けられている。このような配置とすることにより、放電電極12a、13aと誘導電極12b、13bの距離(以下、電極間距離と呼ぶ)を一定とすることができる。これによって、放電電極12a、13aと誘導電極12b、13b間の絶縁抵抗を均一化して放電状態を安定させ、プラスイオンおよび/またはマイナスイオンを好適に発生させることが可能となる。なお、誘電体11を円柱状とした場合には、放電電極12a、13aを円柱の外周表面に設けるとともに、誘導電極12b、13bを軸状に設けることによって、電極間距離を一定とすることができる。
誘導電極12b、13bの材料としては、放電電極12a、13aと同様、例えばタングステンのように、導電性を有するものであれば、特に制限なく使用することができるが、放電によって溶融等の変形を起こさないことが条件となる。
接続端子12e、13eは、放電電極12a、13aと同一形成面、すなわち上部誘電体11aの表面に設けられ、放電電極接点12c、13cは、下部誘電体11bの下面に設けられる。接続経路12g、13gは、上部誘電体11aおよび下部誘電体11bに形成されたスルーホールを利用して形成される。放電電極接点12c、13cは、接続端子12e、13eおよび接続経路12g、13gを介して、放電電極12a、13aと電気的に導通されている。放電電極接点12c、13cに銅線やアルミ線などのリード線の一端が接続され、該リード線の他端が電圧印加回路20に接続され、放電電極12a、13aと電圧印加回路20とが電気的に導通される。
誘導電極接点12d、13dは、誘導電極12b、13bと同一形成面、すなわち下部誘電体11bの表面に設けられた接続端子12f、13fおよび接続経路12h、13hを介して、誘導電極12b、13bと電気的に導通されている。誘導電極接点12d、13dに銅線やアルミ線などのリード線の一端を接続し、該リード線の他端を電圧印加回路20に接続すれば、誘導電極12b、13bと電圧印加回路20とが電気的に導通される。
さらに、放電電極接点12c、13cと誘導電極接点12d、13dは全て、誘電体11の表面であって放電電極12a、13aが設けられた面(以下、誘電体11の上面と呼ぶ)以外の面に設けることが望ましい。このような構成であれば、誘電体11の上面に不要なリード線などが配設されないので、ファン(不図示)からの空気流が乱れにくく、イオン独立発生方式の効果を最大限に発揮させることが可能となる。
以上のことを考慮して、本実施形態のイオン発生装置10では、放電電極接点12c、13cおよび誘導電極接点12d、13dが全て、誘電体11の上面に相対する面(以下、誘電体11の下面と呼ぶ)に設けられている。
なお、本実施形態のイオン発生素子10において、第1の放電電極12a、第2の放電電極13aは鋭角部を持ち、その部分で電界を集中させ、局部的に放電を起こす構成としている。もちろん、電界集中ができれば、上記以外のパターンを用いてもよい。
図2に他の形態のイオン発生素子を示す。ここでは、誘電体11の大きさの制約上、第1、第2放電部12、13の放電部位が対角線上に配置されておらず、第1、第2放電部12、13が横並びに配置されている。
第1の放電電極12aは、電界集中させ放電を起こす第1放電部位12jと、この周囲もしくは一部を取り囲む第1導電部位12kと、接続端子部12eとを有する。これらは全て同一パターン上にあり、印加される電圧は等しくなる。第2の放電電極13aも同様に、第2放電部位13j、第2導電部位13k、接続端子部12eを有する。
第1放電部位12jは、プラス電位にてプラスイオンを発生させ、第2放電部位13jは、マイナス電位にてマイナスイオンを発生させる。第1、第2放電部12、13が、お互いが風向きに対して一直線上に並ばないように、誘電体11の形状に対して対角線上に配置できない場合、送風によって、プラスイオンが第2放電部位13jに捕らえられ、中和することが推測される。
そこで、放電を起こす第1、第2放電部位12j、13jに対し、この周囲もしくは一部を取り囲む第1、第2導電部位12k、13kが設けられる。このように、第1放電部位12jと同電圧の第1導電部位12kが第1放電部位12jの周囲または一部を取り囲んでいるため、第1放電部位12jから発生したプラスイオンは、逆極性でマイナス電位の第2放電部位13jに達する前に、プラス電位の第1導電部位12kによって反発され、第2放電部位13jに達することを防ぐことができる。第2放電部位13kについても同様である。
電圧印加回路20は、図3に示すように、入力電源201による電圧をトランス202に供給するための1次側駆動回路を備え、トランス202の2次側回路に第1、第2放電部12、13が接続される。1次側駆動回路は、入力抵抗204、整流ダイオード206、トランス駆動用スイッチング素子212、コンデンサ211、ダイオード207とを有する。
入力電源201が交流商用電源の場合、入力電源201の電圧により、入力抵抗204、整流ダイオード206を介して、コンデンサ211に充電され、規定電圧以上になればトランス駆動用スイッチング素子212がオンして、トランス202の1次側巻線202aに電圧印加される。その直後、コンデンサ211に充電されたエネルギーはトランス202の1次側巻線202aとトランス駆動用スイッチング素子212を通じて放電され、コンデンサ211の電圧はゼロに戻り、再び充電がされ、規定周期で充放電を繰り返す。トランス駆動用スイッチング素子212は、無ゲート2端子サイリスタ(サイダック[新電元工業社製])を採用しているが、若干異なる回路を用いて、サイリスタ(SCR)を用いてもよい。また、入力電源201は直流電源の場合であっても、上記と同様の動作が得られる回路とすれば、これを問わない。すなわち、電圧印加回路20の1次側駆動回路としては、特に限定するものではなく、同様の動作が得られる回路であればよい。
トランス202は、2つの2次巻線202b、202cを備え、各2次巻線202b、202cがそれぞれ第1、第2放電部12、13に接続されて、2次側回路が2つ形成される。すなわち、一方の2次巻線202bの一端側が第1の放電電極12aに接続され、他端側が第1の誘導電極12bに接続される。同様に、他方の2次巻線202cの一端側が第2の放電電極13aに接続され、他端側が第2の誘導電極13bに接続される。1次側駆動回路のトランス駆動用スイッチング素子212がオンすることにより、1次側のエネルギーがトランス202の2次巻線202b、202cに伝達され、インパルス状電圧が発生する。
そして、電圧印加回路20は、各放電部12、13にバイアス電圧を印加するバイアス印加回路220、221を2つ備えている。第1、第2のバイアス印加回路220、221は、入力電源201の電位を放電部12、13に供給するものであり、各放電部12、13に対する2次側回路に互いに独立して接続される。バイアス印加回路220、221は、ダイオード208、209を有し、放電部12、13と入力電源201との間にダイオード208、209がそれぞれ介装される。すなわち、第1のバイアス印加回路220では、第1の放電電極12aにダイオード209のカソードが接続され、ダイオード209のアノードが入力電源201に接続される。また、第2のバイアス印加回路221では、第2の放電電極13aにダイオード208のアノードが接続され、ダイオード208のカソードが入力電源201に接続される。
入力電源201が交流商用電源であるとき、日本国内では入力交流商用電源の片方が接地されているため、接地端子がない電気機器などは入力電源201の片側につなげば、接地されたときと同じ機能を得ることができる。
なお、第1放電部12に対するバイアス印加回路220には、切替スイッチ203が設けられている。切替スイッチ203は、ダイオード209と入力電源201との間に介装される。切替スイッチ203は、トランスファー形のリレーとされ、ノーマルオープン端子203aにダイオードが接続され、ノーマルクローズ端子は開放され、共通端子203cが入力電源201に接続される。
バイアス印加回路220、221は、放電部の線間電圧を変えることなく、放電部−接地間の電圧である対地電圧を低下させる電圧低下手段を有している。すなわち、放電部12、13と入力電源201との間に電圧降下素子としての抵抗222、223が設けられる。第1のバイアス印加回路220では、抵抗222が切替スイッチ203と入力電源201との間に介装される。第2のバイアス印加回路221では、抵抗223がダイオード208と入力電源201との間に介装される。なお、抵抗222、223は、放電部12、13と入力電源201との間であれば、ダイオード208、209と放電部12、13との間に介装してもよい。
また、他の電圧低下手段として、図4に示すように、各バイアス印加回路220、221において、ダイオード208、209と並列に電圧降下素子としてのコンデンサ224、225が接続される。
次に、バイアス印加回路220、221の作用を説明する。トランス202の2次巻線202b、202cの両端には、図5(a)に示すような交番電圧のインパルス波形が印加される。ダイオード209およびダイオード208が接続されるとき、2次巻線202b、202cに接続されるダイオード209およびダイオード208の向きは、互いに逆向きである。第1の放電電極12a、第1の誘導電極12b、第2の放電電極13a、第2の誘導電極13bの電圧を接地、すなわち入力電源201の片側を基準にみた電圧波形は、それぞれ図5(b)、(c)、(d)、(e)に示すようになる。すなわち、図5(a)の波形がそれぞれ正負にバイアスされた波形となる。
すなわち、2次巻線202cは、順方向のダイオード208を介して入力電源に接続されているので、第2の放電電極13aおよび第2の誘導電極13bの電圧波形は、図5(d)、(e)に示すように、負にバイアスされた波形となる。また、2次巻線202bは、逆方向のダイオード209を介して入力電源201に接続されているので、第1の放電電極12aおよび第1の誘導電極12bの電圧波形は、図5(b)、(c)に示すように、正にバイアスされた波形となる。
切替スイッチ203がノーマルオープン端子203a側にあるとき、第1の放電電極12a、第1の誘導電極12bの接地を基準に見た電位は共にプラスであるので、第1放電部12からはプラスイオンが発生する。また、第2の放電電極13a、第2の誘導電極13bの接地を基準に見た電位は共にマイナスであるので、第2放電部13からはマイナスイオンが発生する。
なお、切替スイッチ203がノーマルクローズ端子側にあるとき、第1の放電電極12a、第1の誘導電極12bはバイアスされず、2次巻線202bがフローティング状態となり、電圧波形は交番波形となる。そのため、第1の放電部12からはプラスイオンとマイナスイオンの両方が発生する。第2放電部13からはマイナスイオンが発生する。
プラスイオンとしてはH+(H2O)であり、マイナスイオンとしてはO2 (H2O)である。m、nは自然数でH2O分子が複数個付いていることを意味する。
このように、切替スイッチ203が閉端子203a側にあるとき、第1の放電部12から発生するイオンはプラスイオンとなり、第2の放電部13から発生するマイナスイオンとでプラス、マイナス略同量のイオンが発生する。空気中にH+(H2O)とO2 (H2O)を略同量放出させることにより、これらのイオンが空気中の浮遊カビ菌やウィルスの周りを取り囲み、その際生成される活性種の水酸基ラジカル(・OH)の作用により、不活化することが可能となる。
すなわち、第1、第2の放電部12、13を構成する電極間に交流電圧を印加することにより、空気中の酸素ないしは水分が電離によりエネルギーを受けてイオン化し、H+(H2O)(mは任意の自然数)とO2 (H2O)(nは任意の自然数)を主体としたイオンを生成する。これらがファン等により空間に放出される。これらH+(H2O)およびO2 (H2O)は、浮遊菌の表面に付着し、化学反応して活性種であるH22または(・OH)を生成する。H22または(・OH)は、極めて強力な活性を示すため、これらにより、空気中の浮遊細菌を取り囲んで不活化することができる。ここで、(・OH)は活性種の1種であり、ラジカルのOHを示している。
正負のイオンは浮遊細菌の細胞表面で式(1)〜式(3)に示すように化学反応して、活性種である過酸化水素H22または水酸基ラジカル(・OH)を生成する。ここで、式(1)〜式(3)において、m、m'、n、n'は任意の自然数である。これにより、活性種の分解作用によって浮遊細菌が破壊される。したがって、効率的に空気中の浮遊細菌を不活化、除去することができる。
H+(H2O)m+O2 -(H2O)n→・OH+1/2O2+(m+n)H2O … (1)
H+(H2O)m+H+(H2O)m'+O2 -(H2O)n+O2 -(H2O)n'→2・OH+O2+(m+m'+n+n')H2O … (2)
H+(H2O)m+H+(H2O)m'+O2 -(H2O)n+O2 -(H2O)n'→H2O2+O2+(m+m'+n+n')H2O … (3)
以上のメカニズムにより、上記正負イオンの放出により、浮遊菌等の不活化効果を得ることができる。
また、上記式(1)〜式(3)より、空気中の有害物質表面でも同様の作用を生じさせることができる。活性種である過酸化水素H22または水酸基ラジカル(・OH)が、有害物質を酸化もしくは分解して、ホルムアルデヒドやアンモニアなどの化学物質を二酸化炭素や、水、窒素などの無害な物質に変換することにより、有害物質を実質的に無害化することが可能である。
したがって、ファンを駆動することにより、イオン発生素子10によって発生させたプラスイオンとマイナスイオンを本体外に送り出することができる。そして、これらのプラスイオンとマイナスイオンの作用により空気中のカビ菌等を不活化し、その増殖を抑制することができる。その他、プラスイオンとマイナスイオンには、コクサッキーウイルス、ポリオウイルス、などのウイルス類も不活化する働きがあり、これらウイルスの混入による汚染が防止できる。また、プラスイオンとマイナスイオンには、臭いの元となる分子を分解する働きがあることも確かめられており、空間の脱臭にも利用できる。
なお、上記したイオン発生素子またはイオン発生装置は、空気調和機、除湿器、加湿器、空気清浄機、冷蔵庫、ファンヒータ、電子レンジ、洗濯乾燥機、掃除機、殺菌装置などの電気機器に搭載するとよい。このような電気機器であれば、機器本来の機能に加えて、搭載したイオン発生装置で空気中のイオン量やイオンバランスを変化させ、室内環境を所望の雰囲気状態とすることが可能となる。
ここで、上記のように電圧低下手段として、放電部12、13と接地となる入力電源201との間に抵抗222、223あるいはコンデンサ224、225を挿入することにより、図6に示すように、入力電源201からのバイアス電圧を低下させることができる。このとき、トランス202の2次側における線間電圧には、この電圧低下は影響せず、従来通りの高電圧を放電部12、13に印加でき、イオンの発生には変化はない。なお、図6(a)は電圧降下素子がない場合の第2放電電極−接地間の電圧波形、(b)は電圧降下素子がない場合の第1放電電極−接地間の電圧波形、(c)は抵抗を挿入した場合の第2放電電極−接地間の電圧波形、(d)は抵抗を挿入した場合の第1放電電極−接地間の電圧波形、(e)はコンデンサを挿入した場合の第2放電電極−接地間の電圧波形、(f)はコンデンサを挿入した場合の第1放電電極−接地間の電圧波形である。
したがって、対地電圧が低くなるので、放電部12、13から人が触れるおそれのある部位までの空間距離を小さくすることができる。これによって、電気用品安全法の規定を満たしながら、イオン発生装置の小型化を図ることができ、機構設計の自由度も高まる。
なお、本発明は、上記実施形態に限定されるものではなく、本発明の範囲内で上記実施形態に多くの修正および変更を加え得ることは勿論である。上記実施形態では、放電部が2つであるが、3つ以上、あるいは1つの場合であっても、同様に電圧降下素子を設けることによって、対地電圧を低くできる。また、放電部は、入力電源に接続されることにより、接地されることになるが、放電部を直接接地してもよい。また、電圧降下素子として、ダイオードあるいはトランジスタを用いたり、抵抗、コンデンサ、ダイオード、トランジスタを適宜組み合わせて用いてもよい。
本発明のイオン発生装置の概略図 他の形態のイオン発生素子の平面図 電圧印加回路の構成図 他の電圧降下素子を用いた電圧印加回路の構成図 放電部に印加された電圧の波形図 対地電圧の波形図
符号の説明
10 イオン発生素子
12 第1の放電部
12a 第1の放電電極
12b 第1の誘導電極
13 第2の放電部
13a 第2の放電電極
13b 第2の誘導電極
20 電圧印加回路
201 入力電源
202 トランス
203 切替スイッチ
208 ダイオード
209 ダイオード
220 第1のバイアス印加回路
221 第1のバイアス印加回路
222 抵抗
223 抵抗
224 コンデンサ
225 コンデンサ

Claims (5)

  1. イオンを発生する放電部を有するイオン発生素子と、該イオン発生素子に高電圧を印加する電圧印加回路とを備え、前記電圧印加回路に、前記放電部に対する線間電圧を変えることなく対地電圧を低下させる電圧低下手段が設けられたことを特徴とするイオン発生装置。
  2. 電圧低下手段は、放電部と接地との間に設けられた電圧降下素子からなることを特徴とする請求項1記載のイオン発生装置。
  3. イオン発生素子は、マイナスイオンを発生するための放電部と、プラスイオンを主に発生するための放電部とを有し、電圧印加回路は、交流電源から各放電部にバイアス電圧を印加するバイアス印加回路を備え、該バイアス印加回路に、電圧低下手段が設けられたことを特徴とする請求項1記載のイオン発生装置。
  4. バイアス印加回路は、放電部と交流電源との間にダイオードを介装してなり、電圧低下手段を構成する抵抗が前記ダイオードと直列に接続されたことを特徴とする請求項3記載のイオン発生装置。
  5. バイアス印加回路は、放電部と交流電源との間にダイオードを介装してなり、電圧低下手段を構成するコンデンサが前記ダイオードと並列に接続されたことを特徴とする請求項3記載のイオン発生装置。
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