JP4422014B2 - イオン発生装置 - Google Patents

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Description

本発明は、空気中に浮遊する細菌、カビ菌、ウイルスなどを不活化するために、プラスイオンとマイナスイオンを空間に放出するイオン発生装置に関する。
一般に、事務所や会議室など、換気の少ない密閉化された部屋では、室内の人数が多いと、呼吸により排出される二酸化炭素、タバコの煙、埃などの空気汚染物質が増加するため、人間をリラックスさせる効能を有するマイナスイオンが空気中から減少していく。特に、タバコの煙が存在すると、マイナスイオンは通常の1/2〜1/5程度にまで減少することがあった。そこで、空気中のマイナスイオンを補給するため、従来から種々のイオン発生装置が市販されている。
しかしながら、従来の放電現象を利用したイオン発生装置は、主として負電位の直流高電圧方式でマイナスイオンを発生させるものであり、その目的はリラックス効果を訴求するものであった。そのため、このようなイオン発生装置では、空気中にマイナスイオンを補給することはできるものの、空気中の浮遊細菌等を積極的に除去することはできなかった。
そこで、プラスイオンとマイナスイオンを空間に放出することで、空気中に浮遊する細菌やカビ菌、有害物質などを不活化、分解することが可能なイオン発生装置が特許文献1、2に開示されている。このイオン発生装置は、空気調和機、除湿器、加湿器、空気清浄機、冷蔵庫、掃除機等の電気機器に搭載される。
イオン発生装置では、空気中にプラスイオンであるH+(H2O)と、マイナスイオンであるO2 (H2O)(m、nは自然数)を発生させる。両イオンが空気中の浮遊カビやウイルスの周りを取り囲み、その際に生成される活性種の水酸基ラジカル(・OH)の作用により、カビ菌等を不活化する。
イオン発生装置は、イオンを発生するイオン発生素子と、イオン発生素子に高電圧を印加する電圧印加回路を備えている。イオン発生素子は、放電電極および誘導電極を有する放電部と、誘電体とから構成される。誘電体を挟んで外側に放電電極、内側に誘導電極が配置された構造とされ、放電電極および誘導電極が、電圧印加回路のトランスの2次側に接続される。電圧印加回路によって放電部に交流電圧を印加することにより、プラスイオンとマイナスイオンが発生し、ファンの風によってイオンが空間に放出される。
特開2003−47651号公報 特開2002−319472号公報
イオン発生装置では、放電部に高電圧が印加される。ところで、IEC(International Electrotechnical Commission:国際電気標準会議)規格によれば、イオン発生装置の放電部のうち外側の放電電極は充電部として取り扱われることになり、人が触れるおそれのある部位からは強化絶縁を施しておくことが要求される。強化絶縁は、基礎絶縁と付加絶縁の両方からなる絶縁と同等以上の感電に対する保護を行うことができる単一の絶縁である。
強化絶縁として、絶縁物を設けることが考えられるが、新たな部材を設けるため、構造が複雑となり、コスト高、大型化となる。そこで、空気を絶縁物として、放電部における外側の放電電極から人が触れるおそれのある部位まで必要な距離をおけばよい。この場合、放電電極と人が触れるおそれのある部位との間の最短距離である沿面距離が、規格によって規定されている。ところが、強化絶縁での沿面距離は、付加絶縁での沿面距離の2倍とされる。そのため、必要な沿面距離を確保することは、小型化が要求されるイオン発生装置において、設計上困難な問題となり、しかもイオン発生装置を搭載する電気機器の小型化設計にも影響を及ぼす。
そこで、本発明は、上記に鑑み、絶縁上必要な沿面距離を確保しながら、装置自体およびこの装置を搭載する電気機器の小型化を図れるイオン発生装置の提供を目的とする。
本発明は、イオンを発生する放電部を有するイオン発生素子と、該イオン発生素子に高電圧を印加する電圧印加回路とを備え、前記電圧印加回路は、電源からの電圧をトランスに供給するための1次側回路を有し、前記トランスの2次側に前記放電部が接続され、前記トランスの1次側と2次側とが絶縁されたものである。
具体的には、イオン発生素子は、プラスイオンを発生するプラス側放電部とマイナスイオンを発生するマイナス側放電部とを有する。トランスの2次側に、プラス側放電部とマイナス側放電部とが個別に接続される複数の2次側回路を有し、2次側回路同士が接続されて前記トランスの1次側と2次側とが絶縁される。そして、両放電部の間に、マイナス側放電部からプラス側放電部への電流の流れを許容するようにダイオードが介装されている。
これによって、トランスの1次側と2次側とが絶縁される。そのため、放電部の放電電極は基礎絶縁された充電部として取り扱われ、人が触れるおそれのある部位からは付加絶縁を施しておくことが要求される。付加絶縁での沿面距離は強化絶縁での沿面距離の半分でよいので、放電電極から人が触れるおそれのある部位までの距離を短くできる。
本発明によると、トランスの1次側と2次側とを絶縁することにより、規格によって定められた絶縁を付加絶縁とすることができる。したがって、空気を絶縁物として絶縁を図る場合、放電部のうち外側の放電電極から人が触れるおそれのある部位までの距離を短くでき、イオン発生装置の小型化を図れる。これによって、イオン発生装置を電気機器に搭載するとき、限られたスペースにイオン発生装置を配置することが可能となり、電気機器の小型化にも寄与する。
本実施形態のイオン発生装置を図1に示す。本イオン発生装置は、発生したプラスイオンとマイナスイオンがイオン発生素子10の電極近傍で中和して消滅することを抑え、発生した両極性のイオンを有効的に空間に放出するために、単一のイオン発生素子でプラスイオンとマイナスイオンを所定周期で交互に発生させる方式ではなく、プラスイオンとマイナスイオンを個別に発生させ、各々を独立して室内に放出する方式(以下、イオン独立放出方式と呼ぶ)を採用した構成としている。
すなわち、イオン発生装置は、イオンを発生する放電部12、13を複数、例えば2つ備えたイオン発生素子10と、イオン発生素子10に対して所定の電圧印加を行う電圧印加回路20とを備えている。
イオン発生素子10は、誘電体11と、第1放電部12と、第2放電部13と、コーティング層14とからなる。誘電体11は、上部誘電体11aと下部誘電体11bとによって構成される。第1放電部12は、放電電極12a、誘導電極12b、放電電極接点12c、誘導電極接点12d、接続端子12e、12fおよび接続経路12g、12hによって構成される。第2放電部13は、放電電極13a、誘導電極13b、放電電極接点13c、誘導電極接点13d、接続端子13e、13fおよび接続経路13g、13hによって構成される。
第1の放電電極12aと誘導電極12bとの間、および第2の放電電極13aと誘導電極13bとの間に電圧印加を行い、放電電極12a、13a近傍において放電を行うことにより、それぞれプラスイオン、マイナスイオンを発生させる。
誘電体11は、略直方体状の上部誘電体11aと下部誘電体11bを貼り合わせて成る。例えば縦15mm×横37mm×厚み0.45mmとされる。誘電体11の材料として無機物を選択するのであれば、高純度アルミナ、結晶化ガラス、フォルステライト、ステアタイト等のセラミックを使用することができる。また、誘電体11の材料として有機物を選択するのであれば、耐酸化性に優れたポリイミドやガラスエポキシなどの樹脂が好適である。ただし、耐食性の面を考えれば、誘電体11の材料として無機物を選択する方が望ましく、さらに、成形性や電極形成の容易性を考えれば、セラミックを用いて成形するのが好適である。
また、放電電極12a、13aと誘導電極12b、13bとの間の絶縁抵抗は均一であることが望ましいため、誘電体11の材料としては、密度ばらつきが少なく、その絶縁率が均一であるものほど好適である。
なお、誘電体11の形状は、略直方体状以外に円板状や楕円板状、多角形板状等であってもよく、さらには円柱状であってもよい。生産性を考えると、本実施形態のように平板状(円板状及び直方体状を含む)とするのが好適である。
第1、第2放電部12、13は、お互いが一直線上に並ばないように、直方体状の基材である誘電体11に対して対角線上に配置される。すなわち、イオン発生素子10に対していずれの方向から空気流が送られたとしても、第1、第2放電部12、13の配列方向が、空気流に対して直交するように、言い換えれば、一方の放電部上を通過した空気流が他方の放電部上を通過しないように、配置される。このような構成とすることにより、イオン独立放出方式の効果を活かし、両放電部12、13で発生したイオンの減衰を抑えて、効率的でバランスのよいイオン放出を行うことが可能となる。
放電電極12a、13aは、上部誘電体11aの表面に、該上部誘電体11aと一体的に形成されている。放電電極12a、13aの材料としては、例えばタングステンのように、導電性を有するものであれば、特に制限なく使用することができるが、放電によって溶融等の変形を起こさないことが条件となる。
また、誘導電極12b、13bは、上部誘電体11aを挟んで、放電電極12a、13aと平行に設けられている。このような配置とすることにより、放電電極12a、13aと誘導電極12b、13bの距離(以下、電極間距離と呼ぶ)を一定とすることができる。これによって、放電電極12a、13aと誘導電極12b、13b間の絶縁抵抗を均一化して放電状態を安定させ、プラスイオンおよび/またはマイナスイオンを好適に発生させることが可能となる。なお、誘電体11を円柱状とした場合には、放電電極12a、13aを円柱の外周表面に設けるとともに、誘導電極12b、13bを軸状に設けることによって、電極間距離を一定とすることができる。
誘導電極12b、13bの材料としては、放電電極12a、13aと同様、例えばタングステンのように、導電性を有するものであれば、特に制限なく使用することができるが、放電によって溶融等の変形を起こさないことが条件となる。
接続端子12e、13eは、放電電極12a、13aと同一形成面、すなわち上部誘電体11aの表面に設けられ、放電電極接点12c、13cは、下部誘電体11bの下面に設けられる。接続経路12g、13gは、上部誘電体11aおよび下部誘電体11bに形成されたスルーホールを利用して形成される。放電電極接点12c、13cは、接続端子12e、13eおよび接続経路12g、13gを介して、放電電極12a、13aと電気的に導通されている。放電電極接点12c、13cに銅線やアルミ線などのリード線の一端が接続され、該リード線の他端が電圧印加回路20に接続され、放電電極12a、13aと電圧印加回路20とが電気的に導通される。
誘導電極接点12d、13dは、誘導電極12b、13bと同一形成面、すなわち下部誘電体11bの表面に設けられた接続端子12f、13fおよび接続経路12h、13hを介して、誘導電極12b、13bと電気的に導通されている。誘導電極接点12d、13dに銅線やアルミ線などのリード線の一端を接続し、該リード線の他端を電圧印加回路20に接続すれば、誘導電極12b、13bと電圧印加回路20とが電気的に導通される。
さらに、放電電極接点12c、13cと誘導電極接点12d、13dは全て、誘電体11の表面であって放電電極12a、13aが設けられた面(以下、誘電体11の上面と呼ぶ)以外の面に設けることが望ましい。このような構成であれば、誘電体11の上面に不要なリード線などが配設されないので、ファン(不図示)からの空気流が乱れにくく、イオン独立発生方式の効果を最大限に発揮させることが可能となる。
以上のことを考慮して、本実施形態のイオン発生装置10では、放電電極接点12c、13cおよび誘導電極接点12d、13dが全て、誘電体11の上面に相対する面(以下、誘電体11の下面と呼ぶ)に設けられている。
なお、本実施形態のイオン発生素子10において、第1の放電電極12a、第2の放電電極13aは鋭角部を持ち、その部分で電界を集中させ、局部的に放電を起こす構成としている。もちろん、電界集中ができれば、上記以外のパターンを用いてもよい。
図2に他の形態のイオン発生素子を示す。ここでは、誘電体11の大きさの制約上、第1、第2放電部12、13の放電部位が対角線上に配置されておらず、第1、第2放電部12、13が横並びに配置されている。
第1の放電電極12aは、電界集中させ放電を起こす第1放電部位12jと、この周囲もしくは一部を取り囲む第1導電部位12kと、接続端子部12eとを有する。これらは全て同一パターン上にあり、印加される電圧は等しくなる。第2の放電電極13aも同様に、第2放電部位13j、第2導電部位13k、接続端子部12eを有する。
第1放電部位12jは、プラス電位にてプラスイオンを発生させ、第2放電部位13jは、マイナス電位にてマイナスイオンを発生させる。第1、第2放電部12、13が、お互いが風向きに対して一直線上に並ばないように、誘電体11の形状に対して対角線上に配置できない場合、送風によって、プラスイオンが第2放電部位13jに捕らえられ、中和することが推測される。
そこで、放電を起こす第1、第2放電部位12j、13jに対し、この周囲もしくは一部を取り囲む第1、第2導電部位12k、13kが設けられる。このように、第1放電部位12jと同電圧の第1導電部位12kが第1放電部位12jの周囲または一部を取り囲んでいるため、第1放電部位12jから発生したプラスイオンは、逆極性でマイナス電位の第2放電部位13jに達する前に、プラス電位の第1導電部位12kによって反発され、第2放電部位13jに達することを防ぐことができる。第2放電部位13kについても同様である。
電圧印加回路20は、図3に示すように、入力電源201による電圧をトランス202に供給するための1次側駆動回路を備え、トランス202の2次側回路に第1、第2放電部12、13が接続される。1次側駆動回路は、入力抵抗204、整流ダイオード206、トランス駆動用スイッチング素子212、コンデンサ211、ダイオード207を有する。
入力電源201が交流商用電源の場合、入力電源201の電圧により、入力抵抗204、整流ダイオード206を介して、コンデンサ211に充電され、規定電圧以上になればトランス駆動用スイッチング素子212がオンして、トランス202の1次側巻線202aに電圧印加される。その直後、コンデンサ211に充電されたエネルギーはトランス202の1次側巻線202aとトランス駆動用スイッチング素子212を通じて放電され、コンデンサ211の電圧はゼロに戻り、再び充電がされ、規定周期で充放電を繰り返す。トランス駆動用スイッチング素子212は、無ゲート2端子サイリスタ(サイダック[新電元工業社製])を採用しているが、若干異なる回路を用いて、サイリスタ(SCR)を用いてもよい。また、入力電源201は直流電源の場合であっても、上記と同様の動作が得られる回路とすれば、これを問わない。すなわち、電圧印加回路20の1次側駆動回路としては、特に限定するものではなく、同様の動作が得られる回路であればよい。
トランス202は、2つの2次巻線202b、202cを備え、各2次巻線202b、202cがそれぞれ第1、第2放電部12、13に接続されて、個別に2つの2次側回路が形成される。すなわち、一方の2次巻線202bの一端側が第1の放電電極12aに接続され、他端側が第1の誘導電極12bに接続される。同様に、他方の2次巻線202cの一端側が第2の放電電極13aに接続され、他端側が第2の誘導電極13bに接続される。1次側駆動回路のトランス駆動用スイッチング素子212がオンすることにより、1次側のエネルギーがトランス202の2次巻線202b、202cに伝達され、インパルス状電圧が発生する。
そして、2次側回路同士が接続され、トランス202の1次側とは絶縁されている。すなわち、2次巻線202bの一端側と第1の放電電極12aとの中間点が2次巻線202cの一端側と第2の放電電極13aとの中間点に接続され、この間にダイオード209が介装されている。ダイオード209のアノードが第1の放電電極12aに接続され、カソードが第2の放電電極13aに接続される。
このように、両放電部12、13の間にダイオード209を挿入することにより、第2の放電部13から第1の放電部12に対してバイアス電圧がかけられることになり、第1の放電部12の電位はプラス側に変位し、第2の放電部13の電位はマイナス側に変位する。したがって、第1の放電部12では、プラスイオンがマイナスイオンよりも多く発生し、第2の放電部13では、マイナスイオンが多く発生する。プラスイオンとしてはH+(H2O)であり、マイナスイオンとしてはO2 (H2O)である。m、nは自然数でH2O分子が複数個付いていることを意味する。
第1の放電部12から発生するイオンはプラスイオンとなり、第2の放電部13から発生するマイナスイオンとでプラス、マイナス略同量のイオンが発生する。空気中にH+(H2O)とO2 (H2O)を略同量放出させることにより、これらのイオンが空気中の浮遊カビ菌やウィルスの周りを取り囲み、その際生成される活性種の水酸基ラジカル(・OH)の作用により、不活化することが可能となる。
すなわち、第1、第2の放電部12、13を構成する電極間に交流電圧を印加することにより、空気中の酸素ないしは水分が電離によりエネルギーを受けてイオン化し、H+(H2O)(mは任意の自然数)とO2 (H2O)(nは任意の自然数)を主体としたイオンを生成する。これらがファン等により空間に放出される。これらH+(H2O)およびO2 (H2O)は、浮遊菌の表面に付着し、化学反応して活性種であるH22または(・OH)を生成する。H22または(・OH)は、極めて強力な活性を示すため、これらにより、空気中の浮遊細菌を取り囲んで不活化することができる。ここで、(・OH)は活性種の1種であり、ラジカルのOHを示している。
正負のイオンは浮遊細菌の細胞表面で式(1)〜式(3)に示すように化学反応して、活性種である過酸化水素H22または水酸基ラジカル(・OH)を生成する。ここで、式(1)〜式(3)において、m、m'、n、n'は任意の自然数である。これにより、活性種の分解作用によって浮遊細菌が破壊される。したがって、効率的に空気中の浮遊細菌を不活化、除去することができる。
H+(H2O)m+O2 -(H2O)n→・OH+1/2O2+(m+n)H2O … (1)
H+(H2O)m+H+(H2O)m'+O2 -(H2O)n+O2 -(H2O)n'→2・OH+O2+(m+m'+n+n')H2O … (2)
H+(H2O)m+H+(H2O)m'+O2 -(H2O)n+O2 -(H2O)n'→H2O2+O2+(m+m'+n+n')H2O … (3)
以上のメカニズムにより、上記正負イオンの放出により、浮遊菌等の不活化効果を得ることができる。
また、上記式(1)〜式(3)より、空気中の有害物質表面でも同様の作用を生じさせることができる。活性種である過酸化水素H22または水酸基ラジカル(・OH)が、有害物質を酸化もしくは分解して、ホルムアルデヒドやアンモニアなどの化学物質を二酸化炭素や、水、窒素などの無害な物質に変換することにより、有害物質を実質的に無害化することが可能である。
したがって、ファンを駆動することにより、イオン発生素子10によって発生させたプラスイオンとマイナスイオンを本体外に送り出することができる。そして、これらのプラスイオンとマイナスイオンの作用により空気中のカビ菌等を不活化し、その増殖を抑制することができる。その他、プラスイオンとマイナスイオンには、コクサッキーウイルス、ポリオウイルス、などのウイルス類も不活化する働きがあり、これらウイルスの混入による汚染が防止できる。また、プラスイオンとマイナスイオンには、臭いの元となる分子を分解する働きがあることも確かめられており、空間の脱臭にも利用できる。
なお、上記したイオン発生装置は、空気調和機、除湿器、加湿器、空気清浄機、冷蔵庫、ファンヒータ、電子レンジ、洗濯乾燥機、掃除機、殺菌装置などの電気機器に搭載される。このような電気機器であれば、機器本来の機能に加えて、搭載したイオン発生装置で空気中のイオン量やイオンバランスを変化させ、室内環境を所望の雰囲気状態とすることが可能となる。
ところで、イオン発生装置は、絶縁のためにケースに内装され、外部から人が触れることができないようにされて、電気機器に搭載される。イオン発生素子10の放電電極12a、13aから人が触れるおそれのある部位までの沿面距離は、IEC規格によって定められた距離を確保しなければならない。上記のようにイオン発生装置では、トランス202の1次側と2次側とが絶縁されている、すなわち基礎絶縁されているので、放電電極12a、13aは、基礎絶縁された充電部として取り扱われる。そのため、人が触れるおそれのある部位からは付加絶縁を施しておくことが要求される。
なお、基礎絶縁は、感電に対する基本的な保護を与える絶縁であり、付加絶縁は、基礎絶縁が破壊した場合の感電に対する保護を与えるため、基礎絶縁に付加して設けられる独立した絶縁である。
付加絶縁での沿面距離は、強化絶縁での沿面距離の半分でよい。そのため、必要な沿面距離を確保したとしても、トランスの1次側と2次側とを絶縁しない場合に比べて放電電極から人が触れるおそれのある部位までの距離を短くすることができる。したがって、イオン発生装置を小型化でき、これを電気機器に搭載する際にも、配置場所の自由度が高まり、設計が容易となる。
なお、本発明は、上記実施形態に限定されるものではなく、本発明の範囲内で上記実施形態に多くの修正および変更を加え得ることは勿論である。上記実施形態では、放電部が2つであるが、3つ以上、あるいは1つの場合であっても、同様にトランスの1次側と2次側とを絶縁する。
本発明のイオン発生装置の概略図 他の形態のイオン発生素子の平面図 電圧印加回路の構成図
符号の説明
10 イオン発生素子
12 第1の放電部
12a 第1の放電電極
12b 第1の誘導電極
13 第2の放電部
13a 第2の放電電極
13b 第2の誘導電極
20 電圧印加回路
201 入力電源
202 トランス
209 ダイオード

Claims (1)

  1. プラスイオンを発生するプラス側放電部とマイナスイオンを発生するマイナス側放電部とを有するイオン発生素子と、該イオン発生素子に高電圧を印加する電圧印加回路とを備え、前記電圧印加回路は、電源からの電圧をトランスに供給するための1次側回路を有し、前記トランスの2次側に前記プラス側放電部とマイナス側放電部とが個別に接続される複数の2次側回路を有し、2次側回路同士が接続されて前記トランスの1次側と2次側とが絶縁され、両放電部の間に、前記マイナス側放電部からプラス側放電部への電流の流れを許容するようにダイオードが介装されたことを特徴とするイオン発生装置。
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