JP2014044060A - 形状測定装置、および形状測定方法 - Google Patents
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Abstract
【課題】被検面上での光束入射位置の変化に起因して発生し得る測定精度への影響を抑えるのに有利な形状測定装置を提供する。
【解決手段】形状測定装置1は、対象物に対する光束3の投受光を行う測長計6と、測長計6からの光束3を基準点Qを基準として偏向させる光束偏向機構7と、対象物の被検面2に対して光束3が垂直に入射する場合の被検面2と基準点Qとの間の距離L0と光束偏向機構7による最大光束偏向角θmaxとの少なくとも一方を、被検面2での光束3のスポット径の変化に依存する第1の測定誤差と、被検面2での光束3の入射角αに依存する第2の測定誤差との合成誤差が、許容される測定誤差の閾値以下となるように決定する制御部5とを備える。
【選択図】図1
【解決手段】形状測定装置1は、対象物に対する光束3の投受光を行う測長計6と、測長計6からの光束3を基準点Qを基準として偏向させる光束偏向機構7と、対象物の被検面2に対して光束3が垂直に入射する場合の被検面2と基準点Qとの間の距離L0と光束偏向機構7による最大光束偏向角θmaxとの少なくとも一方を、被検面2での光束3のスポット径の変化に依存する第1の測定誤差と、被検面2での光束3の入射角αに依存する第2の測定誤差との合成誤差が、許容される測定誤差の閾値以下となるように決定する制御部5とを備える。
【選択図】図1
Description
本発明は、形状測定装置、および形状測定方法に関する。
例えば、レーザー光を対象物表面に照射し、対象物表面にて反射したレーザー光を受光することで、非接触にて対象物の3次元形状を測定する装置が存在する。このような形状測定装置として、特許文献1は、対象物表面に向けて照射されたレーザー光を、基準点から放射状に偏向走査する光束偏向機構としてのガルバノミラーを設けた3次元形状測定装置を開示している。一方、対象物表面上に照射されたレーザー光束のスポット径は、測定精度の変化を避ける観点から、対象物表面上での位置が変化したときでも、可能な限り変動が小さいことが望ましい。そこで、特許文献2は、この対象物表面上のレーザー光束のスポット径を一定にするものとして、レーザー光束の焦点を調整し得る焦点調整レンズをプローブ内に配置した立体回路基板の製造装置を開示している。
ここで、特許文献1に示す3次元形状測定装置では、レーザー光束が光束偏向機構により放射状に走査されるため、レーザー光束の被検面(対象物表面)への入射角は、被検面上での位置により変化する。したがって、この入射角に依存して変化する被検面からの反射光の光量や被検面が粗面のときに生じるスペックルパターン(干渉縞)により測定誤差が発生する可能性があり、この測定誤差も被検面上のレーザー光束の入射位置により変化することになる。また、レーザー光束のビームウエストの位置(測長計からビームウエストまでの距離)が一定であるため、被検面と測長計との間の距離に応じてスポット径が変化する。特に被検面でのスポット径が一定ならば、被検面のうねり成分や粗さ成分の平均化効果による振幅の劣化を補正し得る。これに対して、スポット径が変化してしまう場合には、特許文献2に示す製造装置に採用されているように焦点調整レンズをプローブ内に設置することで、スポット径を一定の範囲内に調整し得る。しかしながら、この場合にはプローブが大型化し、結果的に形状測定装置全体も大型化する。
本発明は、このような状況を鑑みてなされたものであり、例えば、被検面上での光束入射位置の変化に起因して発生し得る測定精度への影響を抑えるのに有利な形状測定装置を提供することを目的とする。
上記課題を解決するために、本発明は、光束の投受光により対象物の形状を測定する形状測定装置であって、対象物に対する光束の投受光を行う測長計と、測長計からの光束を基準点を基準として偏向させる光束偏向機構と、対象物の被検面に対して光束が垂直に入射する場合の被検面と基準点との間の距離と光束偏向機構による最大光束偏向角との少なくとも一方を、被検面での光束のスポット径の変化に依存する第1の測定誤差と、被検面での光束の入射角に依存する第2の測定誤差との合成誤差が、許容される測定誤差の閾値以下となるように決定する制御部と、を備えることを特徴とする。
本発明によれば、例えば、被検面上での光束入射位置の変化に起因して発生し得る測定精度への影響を抑えるのに有利な形状測定装置を提供することができる。
以下、本発明を実施するための形態について図面などを参照して説明する。
まず、本発明の一実施形態に係る形状測定装置の構成について説明する。図1は、本実施形態に係る形状測定装置1の構成を示す概略図である。この形状測定装置1は、対象物(被測定物)の表面を被検面2として、非接触にて被検面2の3次元形状を測定する。また、本実施形態における被検面2の概略形状は、図1に示すように、球面または曲面であるものと想定し、測定時の対象物は、測定のために照射される光束3の出射方向に凸面が向かうように不図示の保持部に載置(保持)されるものとする。さらに、図1では、対象物が保持部に載置された状態での平面内に互いに直交するX軸およびY軸を取り、また、このX軸およびY軸を含むXY平面に対して垂直な方向(本実施形態では鉛直方向)にZ軸を取っている。この形状測定装置1は、被検面2の形状を非接触で測定するためのプローブ4と、制御部5とを備える。
プローブ4は、その内部に、測長計6と、光束偏向機構7とを含み、不図示の駆動ステージにより移動可能に保持されている。測長計6は、被検面2に対してレーザー光(レーザー光束(以下「光束」という))3を投受光する、すなわち、被検面2に対して光束3を照射するとともに、被検面2にて反射された反射光を検出する。光束偏向機構7は、測長計6から照射された光束3を偏向する偏向部材8と、この偏向部材8の回転位置(傾き)を変化させる不図示の駆動部とを含む。この光束偏向機構7としては、例えばガルバノミラーを採用し得る。このガルバノミラーは、駆動部の動作により基準点Qを基準として回転可能であり、光束3を任意の角度の方向に偏向させる。すなわち、基準点Qは、光束3の進行方向(角度)を変化させる際の中心となる点であり、図1に示す光束3の被検面2への偏向角(光束偏向角)θを定めるときの原点となる。なお、光束偏向機構7は、本実施形態では、光束3を1軸方向(X軸方向)にのみ偏向させるものとするが、例えばX軸とY軸の2軸方向に偏向可能な構成としてもよい。さらに、光束偏向機構7は、本実施形態では、図1に示すように偏向部材(ミラー)8の回転中心と光束3の偏向中心とを一致させる構成としているが、一致させない構成でもよい。制御部5は、形状測定装置1の各構成要素に配線を介して接続され、プログラムなどにしたがって演算処理や各構成要素の動作制御を実行し得る。
次に、形状測定装置1による対象物の形状測定について説明する。形状測定装置1において、制御部5は、まず、プローブ4を対象物のZ軸方向上部に位置させた後、測長計6から光束3を照射させ、この光束3の偏向角θを光束偏向機構7により連続的に変化させる。このとき、光束3は、被検面2上を放射状に走査されるので、制御部5は、この走査により変化した被検面2上の複数の位置での反射光を測長計6に受光させ、その度に受光信号を取得する。そして、制御部5は、取得した複数の位置における複数の受光信号に基づいて被検面2の表面形状を算出する。
ここで、光束3の被検面2への入射角(光束入射角)αは、被検面2上での入射位置により変化し、この光束入射角αに依存して被検面2からの反射光の検出光量が変化することなどにより測定誤差が発生し得る。また、この測定誤差自体も、被検面2上の位置で異なるものとなる。一方、測長計6から照射された光束3は、測長計6内の不図示の光学系により、基準点Qから一定の位置でビームウエストを形成する。図1において、距離Lbwは、基準点Qからビームウエストが形成される位置Pbwまでの距離を示す。この距離Lbwは、一定であるため、プローブ4と被検面2との間の距離に応じてレーザー光束径が変化し、特に被検面2でのレーザー光束径(スポット径φ)も変化する。このスポット径φの変化も測定精度に対して影響を及ぼす場合がある。そこで、本実施形態では、形状測定装置1は、測定誤差の発生を含む測定精度への影響を可能な限り抑えるために、この影響が許容される範囲で通常時の測定を実施する。具体的には、制御部5は、通常時の測定の前に、予め2つの基準値を決定する。2つの基準値とは、プローブ4と被検面2との間の基準距離L0と、光束偏向機構7による光束3の最大偏向角度である最大光束偏向角θmaxとである。基準距離L0は、具体的には、図1に示すように、被検面2に対して光束3が垂直(被検面2側に90度傾いた軸方向(Z軸方向))に入射する場合の基準点Qから被検面2までの距離である。一方、最大光束偏向角θmaxは、ここまでの偏向角度であれば測定精度への影響が許容されるという角度である。
次に、上記の基準距離L0と最大光束偏向角θmaxとを決定する基準値算出シーケンスについて説明する。図2は、本実施形態に係る基準値算出シーケンスの流れを示すフローチャートである。制御部5は、基準値算出シーケンスを開始すると、まず、初期パラメーターを取得する(ステップS100)。ここで、初期パラメーターは、被検面2のCADデータなどの設計に係る被検面形状データ、測定誤差の閾値Eth、基準距離L0および最大光束偏向角θmaxの限界値、ならびに測定誤差に関するルックアップテーブル(以下「LUT」と表記する)である。このうち、設計に係る被検面形状データは、制御部5が被検面2の大まかな形状を認識するために用いるものであり、CADデータの他に、例えば別の測定装置や本実施形態とは異なる測定により予め得られた被検面2の形状であってもよい。閾値Ethとしては、形状測定装置1のオペレーターが指定してもよいし、CADデータに付帯した管理情報が記載してある製造公差に関する情報に基づいて決定してもよい。このとき、製造公差に関する情報に基づいて決定する場合には、例えば、公差値の1/3〜1/10が閾値Ethとして適切な値となる。基準距離L0の限界値は、形状測定装置1の動作保証範囲などであり、被検面2の大きさやプローブ4の駆動範囲などで決定される。また、最大光束偏向角θmaxの限界値も、光束偏向機構7の精度保証範囲などで決定される。なお、いずれの限界値も、小さくなる方向であるならば、オペレーターが任意で入力可能である。さらに、測定誤差に関するLUTは、形状測定装置1に固有の個体情報であり、例えば、装置出荷時に予め測定される装置固有の測定誤差が記されている。この測定誤差に関するLUTには、光束入射角αに依存するものと、スポット径φの変化に依存するものとがある。制御部5は、これらの初期パラメーターを、制御部5自体にある記憶部に保存されているものを読み出したり、形状測定装置1のオペレーターが入力したり、制御部5にネットワーク回線を介して接続された他の記憶部から読み込んだりすることができる。
次に、制御部5は、基準距離L0および最大光束偏向角θmaxの予め想定した範囲内で、被検面2上での測定可能な複数の測定点(測定可能点)Piを決定する(ステップS101)。なお、測定点Piの添え字「i」は、i番目と言う意味であり、以下の各パラメーターでも同様とする。ここで、測定点Piは、被検面2上において適当な間隔で位置するものとする。
次に、制御部5は、ステップS101で決定した複数の測定点Piのそれぞれにおける2つのパラメーターを算出する(ステップS102)。これら2つのパラメーターのうち、1つは、基準点Qと測定点Piとの間の距離Liであり、もう1つは、その測定点Piにおける光束入射角αiである。ここで、光束入射角αiは、以下のような演算で算出し得る。まず、測定点Piの座標を(xi,yi,zi)、および基準点Qの座標を(X,Y,Z)とし、測定点Piから基準点Qに向かうベクトルをPiQとする。そして、制御部5は、以下の式(1)のように、ベクトルPiQに対して、ステップS100で取得した被検面2の設計に係る被検面形状から求めた測定点Piの法線ベクトルniとの内積を取ることで、光束入射角αiを算出する。
cos(αi)=PiQ・ni/|PiQ・ni| (1)
ここで、ベクトルPiQのノルムは、距離Liであり、Z軸からの角度が光束偏向角θであるので、光束入射角αiは、プローブ4と被検面2との間の基準距離L0および光束偏向角θに依存する。例えば、被検面2の形状が球面の場合には、光束入射角αiは、被検面2の曲率半径をRとすると、以下の式(2)で表される。
cos(αi)=((L0+R)2+Li2+R2)/Li/R (2)
cos(αi)=PiQ・ni/|PiQ・ni| (1)
ここで、ベクトルPiQのノルムは、距離Liであり、Z軸からの角度が光束偏向角θであるので、光束入射角αiは、プローブ4と被検面2との間の基準距離L0および光束偏向角θに依存する。例えば、被検面2の形状が球面の場合には、光束入射角αiは、被検面2の曲率半径をRとすると、以下の式(2)で表される。
cos(αi)=((L0+R)2+Li2+R2)/Li/R (2)
次に、制御部5は、ステップS102で得られた距離Liおよび光束入射角αiを用いて、複数の測定点Piのそれぞれにおける光束3のスポット径φiを算出する(ステップS103)。ここで、スポット径φiは、以下のような演算で算出し得る。まず、光束3が例えばガウスビームであると想定し、ビームウエスト位置Pbw(距離Lbw)におけるビームウエストの半径をw0とし、光束3の波長をλとする。そして、制御部5は、以下の式(3)に示すガウスビームの伝播式よりスポット径φiを算出する。
φi=1/cos(αi)×2×w0
×(1+(λ×(Li−Lbw)/(π×w02))2)0.5 (3)
ここで、スポット径φiは、距離Liと光束入射角αiとに依存する。さらに、距離Liおよび光束入射角αiは、基準距離L0と光束偏向角θとに依存する。したがって、制御部5は、被検面2の設計に係る被検面形状データに基づいて、基準距離L0と光束偏向角θとをパラメーターとして、スポット径φiの変化量を、スポット径φiの変化に起因する誤差を閾値内とするように設定し得る。なお、スポット径φiの算出については、測長計6が採用するレーザーの種類により、エルミートガウシアンビーム、ラゲールガウシアンビーム、またはベッセルビームに関する演算としてもよいし、幾何光学を用いた演算としてもよい。次に、制御部5は、すべての測定点Piにおけるスポット径φiの変化量Δφを算出する(ステップS104)。ここで、スポット径φiの変化量Δφとは、i番目の測定点Piにおけるスポット径φiから、i+1番目の測定点P(i+1)におけるスポット径φ(i+1)までの変化量(差分)をいう。
φi=1/cos(αi)×2×w0
×(1+(λ×(Li−Lbw)/(π×w02))2)0.5 (3)
ここで、スポット径φiは、距離Liと光束入射角αiとに依存する。さらに、距離Liおよび光束入射角αiは、基準距離L0と光束偏向角θとに依存する。したがって、制御部5は、被検面2の設計に係る被検面形状データに基づいて、基準距離L0と光束偏向角θとをパラメーターとして、スポット径φiの変化量を、スポット径φiの変化に起因する誤差を閾値内とするように設定し得る。なお、スポット径φiの算出については、測長計6が採用するレーザーの種類により、エルミートガウシアンビーム、ラゲールガウシアンビーム、またはベッセルビームに関する演算としてもよいし、幾何光学を用いた演算としてもよい。次に、制御部5は、すべての測定点Piにおけるスポット径φiの変化量Δφを算出する(ステップS104)。ここで、スポット径φiの変化量Δφとは、i番目の測定点Piにおけるスポット径φiから、i+1番目の測定点P(i+1)におけるスポット径φ(i+1)までの変化量(差分)をいう。
次に、制御部5は、ステップS100にて取得した測定誤差に関するLUTを参照し、スポット径φiの変化量Δφに対応した測定誤差(第1の測定誤差)Eφを導出する(ステップS105)。次に、制御部5は、光束入射角αiに対応した測定誤差(第2の測定誤差)Eαを導出する(ステップS106)。このとき、制御部5は、すべての測定点Piにおける最大の光束入射角αiを算出した後、ステップS100にて取得した測定誤差に関するLUTを参照することで、測定誤差Eαを決定する。次に、制御部5は、測定誤差(合成誤差)Eを算出する(ステップS107)。このとき、制御部5は、測定誤差Eを、E=Eφ+Eαとして算出してもよいし、または、EφとEαとの二乗和平方根として算出してもよい。次に、制御部5は、ステップS107にて得られた測定誤差Eが、ステップS100で取得した閾値以下(閾値Eth以下)となっているかどうかを判断する(ステップS108)。ここで、制御部5は、測定誤差Eが閾値Eth以下であると判定した場合には(YES)、このときの基準距離L0および最大光束偏向角θmaxを確定する(ステップS109)。一方、制御部5は、測定誤差Eが閾値Ethを超えていると判定した場合には(NO)、このときの基準距離L0と最大光束偏向角θmaxとの両方または一方のみの値を変更する(ステップS110)。そして、制御部5は、ステップS101に戻り、ステップS108での判断にて測定誤差Eが閾値Eth以下となるまで演算を繰り返す。
制御部5は、上記のように決定した基準距離L0に基づいて図1でのXYZ座標系における光束3の偏向基準点Qの座標を演算し、この基準点Qを用いて通常時の測定を実施させる。さらに、制御部5は、測定時に光束3の角度を偏向させるに際し、光束偏向角θが上記のように決定した最大光束偏向角θmaxを超えないように光束偏向機構7の動作を制御する。これにより、形状測定装置1は、測定精度への影響が許容される範囲で通常時の測定を実施することが可能となる。さらに、本実施形態の形状測定装置1によれば、特許文献2に示すような光束の焦点を調整するための焦点調整レンズなどをプローブ内に設置することもないため、プローブの大型化を避け、結果的に形状測定装置全体の大型化も避けられる。なお、本実施形態では、基準距離L0と最大光束偏向角θmaxとの双方を決定し通常時の測定に反映させるものとして説明した。これに対して、基準距離L0と最大光束偏向角θmaxとの双方を厳密に決定せずとも測定精度への影響が許容される範囲となり得る場合には、これらのうちのいずれかのみを決定して反映させるものとしてもよい。
以上のように、本実施形態によれば、被検面上の光束入射位置の変化に起因して発生し得る測定精度への影響を抑えるのに有利な形状測定装置を提供することができる。
以上、本発明の好ましい実施形態について説明したが、本発明は、これらの実施形態に限定されず、その要旨の範囲内で種々の変形および変更が可能である。
1 形状測定装置
5 制御部
6 測長計
7 光束偏向機構
5 制御部
6 測長計
7 光束偏向機構
Claims (9)
- 光束の投受光により対象物の形状を測定する形状測定装置であって、
前記対象物に対する前記光束の投受光を行う測長計と、
前記測長計からの前記光束を基準点を基準として偏向させる光束偏向機構と、
前記対象物の被検面に対して前記光束が垂直に入射する場合の前記被検面と前記基準点との間の距離と前記光束偏向機構による最大光束偏向角との少なくとも一方を、前記被検面での前記光束のスポット径の変化に依存する第1の測定誤差と、前記被検面での前記光束の入射角に依存する第2の測定誤差との合成誤差が、許容される測定誤差の閾値以下となるように決定する制御部と、
を備えることを特徴とする形状測定装置。 - 前記制御部は、前記閾値を、前記被検面の設計に係る被検面形状データに付帯した管理情報が記載してある製造公差に基づいて決定することを特徴とする請求項1に記載の形状測定装置。
- 前記制御部は、前記形状測定装置の固有の個体情報としての前記スポット径の変化に依存した測定誤差が記されたルックアップテーブルを取得し、
前記第1の測定誤差を、前記ルックアップテーブルを参照して求めることを特徴とする請求項1または2に記載の形状測定装置。 - 前記制御部は、前記形状測定装置の固有の個体情報としての前記入射角に依存した測定誤差が記されたルックアップテーブルを取得し、
前記第2の測定誤差を、前記ルックアップテーブルを参照して求めることを特徴とする請求項1または2に記載の形状測定装置。 - 前記制御部は、前記測定点から前記基準点に向かうベクトルに基づいて、前記被検面での複数の測定点のそれぞれにおける前記測定点と前記基準点との間の距離および前記入射角を算出することを特徴とする請求項1ないし4のいずれか1項に記載の形状測定装置。
- 前記制御部は、前記測定点と前記基準点との間の前記距離および前記入射角に基づいて前記スポット径を算出し、
算出された複数の前記スポット径に基づいて前記スポット径の変化量を算出する、
ことを特徴とする請求項5に記載の形状測定装置。 - 前記制御部は、前記スポット径を、ガウスビームの伝播式に基づいて算出することを特徴とする請求項6に記載の形状測定装置。
- 前記制御部は、前記スポット径の変化量を、前記被検面の設計に係る被検面形状に基づく、決定される前の前記対象物の被検面に対して前記光束が垂直に入射する場合の前記被検面と前記基準点との間の距離と、前記測定点における前記光束偏向角とをパラメーターとして、前記第1の測定誤差が閾値以下となるように設定することを特徴とする請求項6に記載の形状測定装置。
- 光束の投受光により対象物の形状を測定する形状測定方法であって、
測定誤差が記憶されたルックアップテーブルを取得する工程と、
前記対象物の被検面に対して前記光束が垂直に入射する場合の、前記被検面と前記光束を前記被検面に対して偏向させる際の基準となる基準点との間の距離、および最大光束偏向角の予め想定した範囲内で前記被検面での測定可能な複数の測定点を決定する工程と、
前記複数の測定点のそれぞれにおける、前記基準点と前記測定点との間の距離、および前記光束の入射角を算出する工程と、
前記基準点と前記測定点との間の前記距離および前記入射角に基づいて前記光束のスポット径を算出し、算出された複数の前記スポット径に基づいて前記スポット径の変化量を算出する工程と、
前記被検面での前記スポット径の変化に依存する第1の測定誤差と、前記被検面での前記入射角に依存する第2の測定誤差とを、前記ルックアップテーブルを参照して取得する工程と、
前記第1の測定誤差と第2の測定誤差との合成誤差が、許容される測定誤差の閾値以下となるように、前記対象物の被検面に対して前記光束が垂直に入射する場合の前記被検面と前記基準点との間の距離、または前記最大光束偏向角の少なくとも一方を決定する工程と、
を含むことを特徴とする形状測定方法。
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