JP5221211B2 - 形状測定装置 - Google Patents

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Description

本発明は、三次元の任意形状の穴の内面や穴径、任意形状の外側面の形状等を高精度かつ低測定力で走査測定する形状測定装置用プローブを備える形状測定装置に関する。
測定物の外側面、内側面、及び穴径等を走査測定可能な従来のプローブとして、特許文献1に開示されたものがある。図8は、特許文献1に記載された従来の三次元形状測定装置用のプローブ810の構成を示す。このプローブ810は、測定物の鉛直方向又は略鉛直方向に延在する側面を測定するためのプローブであり、水平方向又は略水平方向に延在する面を測定することはできない。プローブ810は、板ばね805によってX方向に揺動可能に支持されたアーム803を備える。アーム803は下端にスタイラス801を有する。また、アーム803の上端にはミラー802が設けられている。
このプローブ810では以下のように測定動作が行われる。被測定面Sにスタイラス801が接触した状態でプローブ810がYZ方向に動くと、被測定面SのX方向への変位に従って、アーム803がほぼX方向に沿って傾く。一方、半導体レーザ投光部806からレーザ光がミラー802に照射されており、ミラー802からの反射光に基づきアーム803の傾きが光位置検出手段807で検知される。検知された傾きが一定になるように、プローブ810全体をX方向に動かし、この際の移動量からプローブ810全体のX座標測定値を得、さらに得られたX座標測定値に光位置検出手段807で検出されたスタイラス801の変位量を加算することにより、被測定面SのX方向への変位量を示すX座標が測定される。このようにプローブ810は、その構造上、測定物の上面は測定できない。
外側面、内側面、及び穴径等を測定可能な他の従来のプローブとして、特許文献2に開示されるものがある。図9は、特許文献2に記載された三次元形状測定装置用のプローブ901の構成を示す図である。このプローブ901は、測定物の鉛直方向または略鉛直方向の側面形状を測定することができる。
このプローブ901は、形状測定装置902への取付部材910、下端にスタイラス921を有するアーム922と上部に固定されたミラー923とを備える揺動部材920、及び揺動部材920を取付部材910に対して支点部931を中心に水平方向の任意方向に揺動可能に連結するコイルバネを含む連結機構930を備える。非測定時には揺動部材920の中心軸は鉛直方向に保持される。測定時にはスタイラス921を被測定面Sに押し付ける力を発生させる。形状測定装置902から照射されるレーザ光がミラー923で反射され、この反射光から揺動部材920のX,Y軸方向の傾きが検出される。スタイラス921の押し込み量(揺動部材920の傾き)が一定に保持されるように、形状測定装置902によってプローブ901全体を被測定面Sに対して移動させる。プローブ901自体のXYZ位置を検出し、その値にミラー923の傾きから換算したスタイラス921の変位を加えることにより、スタイラス921の位置を検出する。この構成によれば、スタイラス921を備える揺動部材920はいずれの方向にも傾斜可能であるので、測定物を回転させることなく、測定物の任意方向の側面を測定できる。例えば、測定物を回転させることなく、任意形状の穴内面の表面や穴径測定、外側面の形状測定等を行うことができる。
特許第3075981号公報 特開2006−284410号公報
特許文献1に開示された構成では、スタイラス801は水平方向の1方向(図8においてX方向)にのみ揺動可能であるので、鉛直軸を中心軸とする円筒面の全周形状を測定するためには円筒面自体を回転させる必要があった。そのため、測定物を回転させる機構が必要となり、回転機構の中心軸の芯ぶれが測定誤差となる課題を有していた。また、測定物を回転させる方法では複雑な断面をもつ被測定面は測定できないという課題も有していた。
特許文献2に開示された構成によれば、前述のように測定物を回転させることなく任意形状の被測定面を測定可能である。しかしながら、特許文献2に開示された構成は、十分に高精度な測定を実現できない。以下、この点について詳述する。
前述のように、特許文献2に開示された構成ではスタイラス921の押し込み量が一定に保持されるようにプローブ901を動作させ、そのときのプローブ901のXYZ方向の三次元座標を検出しながら測定している。スタイラス921の押し込み量の変化を算出する手段として、光電変換による光位置検出手段を使用している。光電変換により位置変化量を算出する場合、実際の傾きと光位置検出手段に入射する光量の関係は非線形で、かつ分解能も0.1μmが限界であるため、これ以上の高精度測定をするのは困難である。また、実際に測定部を測定する前に、スタイラス901の実際の傾きと光位置検出手段に入る光量との関係の把握(キャリブレーション)が必要であり、キャリブレーションの結果に基づいて光位置検出手段に入る光量から傾き量を推定することになる。このため、プローブ201自体のXYZ軸方向に沿った移動量についてはレーザ光の干渉により数ナノメートルの高精度で測定可能であるにもかかわらず、光電変換を使用するスタイラス921の傾き量の算出には誤差が不可避的に発生し、サブミクロンオーダでの高精度測定への妨げとなっている。
本発明は、上記技術的課題を解決し、任意形状の被測定面を、被測定物を回転させることなく高精度で測定可能な形状測定装置を提供することを課題とする。
本発明の形状測定装置は、測定物の被測定面に接触するスタイラスと、形状測定装置が備える同一の集光レンズを通って集光される少なくとも3本の測定用レーザ光が照射されるミラーとを有する測定面接触部と、前記測定面接触部を前記形状測定装置に取り付ける取付部材と、前記取付部材に固定された載置台と、前記測定面接触部又は前記載置台に固定された支点部材とを備え、前記測定面接触部を前記支点部材の先端を支点として揺動可能に前記載置台に支持させる連結機構とを備える形状測定用プローブと、前記測定用レーザ光を発生及び分岐するレーザ光発生分岐部と、前記レーザ光発生分岐部で生成された前記測定用レーザのうち少なくとも3本を前記同一の集光レンズを通過させて、前記測定面接触部の前記ミラーに集光させるレーザ光集光部と、前記ミラーで反射された前記測定用レーザ光により検出した前記ミラーの位置変位に基づいて、前記形状測定装置用プローブ自体の鉛直軸方向の変位と前記測定面接触部の傾斜角度とを算出する測定点情報決定部と、前記測定点情報決定部で算出される前記測定面接触部の傾斜角度が一定に保持されるように前記形状測定装置用プローブを移動させて、測定物の被測定面の形状を測定する制御部とを備える。
同一の集光レンズを通って集光される少なくとも3本の測定用レーザ光が照射される個々のミラーは、照射される測定用レーザ光のレーザ光軸に対してミラー面が垂直となる姿勢で取り付けられることが好ましい。
また、同一の集光レンズを通って集光される少なくとも3本の測定用レーザ光が照射される個々のミラーは、互いに別体であってもよいし、1個の部材から構成される一体構造であってもよい。
連結機構の具体的態様としては、前記支点部材は上端側が測定面接触部に固定されて下向きに突出する針状の突起であり、前記載置台の上面に形成された上向き開口の円錐溝に前記支点部材の先端を陥入し、前記円錐溝の最深部と前記支点部材の尖端との接触部を揺動中心とする構成を採用できる。代案としては、前記支点部材は下端側が前記載置台に固定されて上向きに突出する針状の突起であり、前記測定面接触部に形成された下向き開口の円錐溝に前記支点部材の先端を陥入する構成がある。
前記少なくとも3本の測長用レーザ光は、光軸が互いに干渉しない位置関係で同一の集光レンズを通過して集光され、個々の測定用レーザ光の集光点付近に形状測定装置用プローブの測定面接触部が有するミラーが配置される。また、測定面接触部のミラーは照射される測定用レーザ光の光軸に対してミラー面が垂直になるように配置される。これらの構成により、ミラーで反射された集光レンズを再度通過する測定用レーザ光(反射光)は、入射光と略平行な光となるので、干渉法による測長が可能となる。
測定用レーザ光、集光レンズ、及びミラーに関する具体的態様の一例としては、前記レーザ光集光部で集光される少なくとも3本の前記測定用レーザ光は、鉛直軸方向の第1の測定用レーザ光と、前記第1の測定用レーザ光に対して第1の水平軸方向に傾いた第2の測定用レーザ光と、前記第1の測定用レーザ光に対して前記第1の水平軸方向と交差する第2の水平軸方向に傾いた第3の測定用レーザ光とを含む。また、前記ミラーは、前記集光レンズによる前記第1の測定用レーザの集光位置に配置され、かつミラー面が前記第1の測定用レーザの光軸に対して垂直である第1のミラーと、前記集光レンズによる前記第2の測定用レーザの集光位置に配置され、かつミラー面が前記第2の測定用レーザの光軸に対して垂直である第2のミラーと、前記集光レンズによる前記第3の測定用レーザの集光位置に配置され、かつミラー面が前記第3の測定用レーザの光軸に対して垂直である第3のミラーとを含む。
さらに具体的には、鉛直軸(Z軸)に対して平行である第1の測定用レーザ光に対して、第2の測定用レーザ光をX軸方向(第1の水平軸方向)に0度から30度の範囲で傾きを持たせてY軸方向(第2の水平軸方向)にシフト位置で集光レンズに入射させ、かつ集光された第2の測定用レーザ光をX軸に平行とする。また、鉛直軸(Z軸)に対して平行である第1の測定用レーザ光に対して、第3の測定用レーザ光をY軸方向(第1の水平軸方向)に0度から30度の範囲で傾きを持たせてX軸方向(第2の水平軸方向)にシフト位置で集光レンズに入射させ、かつ集光された第3の測定用レーザ光をY軸に平行とする。
測定点位置情報決定部は、前記形状測定装置用プローブのミラー面に照射する少なくとも3本以上の測定用レーザ光で測長されるそれぞれの照射位置における相対位置情報と、予めわかっている前記プローブのミラー面に照射する測定用レーザ光と揺動部材の支点を中心としてプローブの照射位置が回転運動する軌跡によって作成される円の接線方向とでなす角度と、予めわかっている前記プローブの揺動部材の支点位置から上記測定点までの距離と、から上記測定点の位置情報を求める。
具体的には、前記測定点情報決定部は、前記第1の測定用ミラーが反射する前記第1の測定用レーザ光から前記形状測定装置用プローブ自体の鉛直方向の位置座標を測定する第1の位置座標測定部と、前記第2の測定用ミラーが反射する前記第2の測定用レーザ光により測定した前記第2の測定用ミラーの変位に基づいて、前記測定面接触部の前記第1の水平軸方向の傾斜角度を算出する第1の傾斜角度検出部と、前記第3の測定用ミラーが反射する前記第3の測定用レーザ光により測定した前記第3の測定用ミラーの変位に基づいて、前記測定面接触部の前記第2の水平軸方向の傾斜角度を算出する第2の傾斜角度検出部とを備える。
さらに具体的には、前記測定点情報決定部は、前記第1及び第2の傾斜角度検出部が算出した前記測定面接触部の前記第1及び第2の水平軸方向の傾斜角度から、前記スタイラスの前記取付部材に対する相対位置を求めるスタイラス位置情報算出部と、前記測定用レーザ光を用いて前記形状測定装置用プローブ自体の前記第1及び第2の水平軸方向の位置座標値を求める第2及び第3の位置座標測定部と、前記第1から第3の位置座標測定部が求めた前記形状測定装置用プローブ自体の前記位置座標値と、前記スタイラス位置情報検出部が求めた前記取付部材に対する前記スタイラスの相対位置から測定点の位置情報を求める加算部とを備える。
本発明の形状測定装置が備える形状測定装置用プローブは、スタイラスを有する測定面接触部を支点部材の先端を支点として揺動可能に取付部材側の載置台に支持させる連結機構を備える。よって、スタイラスが接触する被測定面を有する測定物を回転させることなく、被測定面の形状測定を行うことができ、例えば、任意形状の穴内面の表面や穴径測定、外側面の形状測定等を実行できる。また、同一の集光レンズで少なくとも3本の測定用レーザ光を被測定面接触部が備えるミラーに集光する構成であるので、限定された空間内で複雑な構成の光学系を構成する必要がなく、形状測定装置用プローブ自体を含む鉛直軸方向に移動する部分の質量を軽量化できる。この軽量化により、応答性を低下させることなくスタイラスの被測定面に対する接触力を低減できる。
また、かかる形状測定装置用プローブを備える本発明の形状測定装置は、少なくとも3本の測定用レーザを同一の集光ミラーで集光して形状測定装置用プローブが備える揺動可能な測定面接触部のミラーに照射し、反射された測定用レーザ光により検出したミラーの位置変位に基づいて、すなわち測定用レーザ光を使用した測長によって、スタイラスを有する測定面接触部の傾斜角度を算出する。従って、スタイラスの押し込み量の変化量を高精度に算出して測定誤差を低減でき、それによって高精度での形状測定を実現できる。
以上のように、本発明により、任意形状の被測定面を、測定物を回転させることなく、高精度かつ低測定力での走査測定を実現できる。
本発明の実施形態である形状測定装置用プローブ及びそれを備える形状測定装置について、図を参照しながら以下に詳しく説明する。なお、各図において、同じ構成部分については同じ符号を付している。また、以下の説明において、Z軸が鉛直方向であり、X軸及びY軸が互いに直交する水平方向である三次元直交座標を導入する。
本実施形態の形状測定装置は、穴や外形、任意形状の側面形状をナノメートルオーダの高い精度で測定可能とする装置である。測定対象としては、例えば、きわめて高精度が必要とされるモータの軸受、インクジェットプリンタにおけるノズル、及び自動車エンジンにおける燃料噴射ノズル等における穴形状であり、また、流体軸受に形成され潤滑剤を収容する溝部の形状、さらには、形状測定装置に備わるマイクロエアスライドの内径、円筒度等である。また、半導体回路パターンにおけるトレンチ部分も測定対象に含めることができる。
また、本実施形態の形状測定装置用プローブを備えた形状測定装置にて測定可能な被測定面は、被測定面における接線方向と鉛直方向との交差角度が0度から最大で約30度までの面(測定物の鉛直方向又は略鉛直方向に延在する側面)である。
まず、図1から図3を参照して、形状測定装置用プローブ1(以下、単にプローブという)について説明する。図1はプローブ1の斜視図、図2はプローブ1をYZ断面で切断したときの斜視図、図3はプローブ1の揺動部材3をXZ平面で切断したときの断面図である。
プローブ1は、測定対象となる測定物2の被測定面2aに接触する揺動部材(被測定面接触部)3、揺動部材3を形状測定装置6に取り付けるための取付部材4、揺動部材3を取付部材4に対して任意の水平方向に揺動可能に連結するための連結機構5を備える。
図1及び図2を参照すると、取付部材4は、その上部が形状測定装置6に固定され、又は着脱可能に取り付けられる概ね円筒形のブロック部材であり、揺動部材3が揺動するのに対し固定された部分である。取付部材4には、形状測定装置6から下向きに照射される測定用レーザ光(以下、単にレーザ光という。)22a,22b,22cを通過可能とするために、上端と下端の間を貫通するレーザ光用開口4aが形成されている。
図1から図3を参照すると、揺動部材3は、取付部材4に対してその内部に収納されるような位置関係を有する。本実施形態における揺動部材3は、概ね縦置きの姿勢の円筒状である本体部3aを備える。本体部3aの下端面には先端にアーム7が下向きに立設されている。アーム7の先端にはスタイラス8が設けられている。このスタイラス8が測定物2の被測定面2aに接触する。前述のように揺動部材3は連結機構5によって取付部材4に対して任意の水平方向に揺動可能に連結されているので、被測定面2aの形状に応じたスタイラス8の変位に対応して取付部材2に対して揺動する。一方、本体部3aの上面部には3枚のミラー21a,21b,21cが平面視で互いに異なる位置に取り付けられている。これらのミラー21a〜21cに関しては、後に詳述する。
図1及び図2を参照すると、本実施形態における連結機構5は、取付部材4に固定された角柱状の載置台11と、揺動部材3に取り付けられた円錐状ないし針状の支点部材12とにより構成されている。
揺動部材3の本体部3aには水平方向(X軸方向)に貫通する貫通穴3bが形成されており、載置台11はこの貫通穴3bを水平方向に貫通して配置されている。載置台11の両端がネジ止めの金具13,14によって取付部材4に固定されている。
また、本体部3aの内側上壁、すなわち、貫通穴3bの上側穴壁面に支点部材12が取り付けられている。支点部材12は基部12aが貫通穴3bの上側穴壁面に固定され、尖った先端12bが鉛直方向下向きに突出する姿勢を有する。載置台11の上面には円錐形の溝穴15が形成されており、支点部材12の先端12bはこの溝穴15に陥入している。支点部材42及び溝穴15の寸法、形状、及び配置は、支点部材42の先端12bが溝穴15に陥入された際に、溝穴15の底部(最下点)に支点部材12の先端12bが接触するように構成されている。揺動部材3の自重は支点部材12の先端12bと溝穴15の接触によって載置台11によって支承される。また、貫通穴3bの穴寸法は載置台11の断面寸法よりも十分大きく設定されている。このような構成とすることによって、揺動部材3は取付部材4に対して支点部材12の先端12bと溝穴15の接触部分を揺動中心として揺動可能、具体的には鉛直方向(Z軸方向)に直交する任意方向に揺動可能である。一方、前述のように揺動部材3の貫通穴3bを取付部材4側の載置台11が貫通しているので、揺動部材3の取付部材4からの脱落は確実に防止される。本実施形態では、揺動部材3は、支点部材12が載置台11の溝穴15に陥入された際に、アーム7が鉛直方向(Z軸方向)を向くように、重心が支点部材12の先端12bの鉛直方向下側に位置するように構成している。
本実施形態のプローブ1の連結機構5は、スタイラス8を有する揺動部材3を支点部材12の先端12bと載置台11の溝穴15との接触点を支点として、任意の水平方向に揺動可能とするので、スタイラス8が接触する被測定面2aを有する測定物2を回転させることなく、被測定面2aの形状測定を行うことができる。例えば、任意形状の穴内面の表面や穴径測定、外側面の形状測定等を実行できる。また、支点部材12の先端12bと載置台11の溝穴15との接触点を支点とする構成としたことにより、揺動部材3の揺動の支点に位置ずれが起こりにくい。支点の位置が変化しないことにより、後に詳述するミラー21a〜21cの相対位置変化量による測定点での傾きの変化量の計算が可能となる。
次に、ミラー21a〜21cについて詳細に説明する。本実施形態では、3枚のミラー21a〜21cは互いに別体の平面ミラーである。これら3枚のミラー21a〜21cには、3本のレーザ光22a,22b,22cのうちの1本がそれぞれ照射される。これらのレーザ光22a〜22cはミラー21a〜21cよりも手前で形状測定装置6が備える同一の集光レンズ23を光軸が互いに干渉しない位置関係で通過し、集光レンズ23を通過後のレーザ光22a〜22cも光軸が互いに干渉しない位置関係を維持する。個々のレーザ光22a〜22cの集光位置に個々のミラー21a〜21cが配置されている。
詳細には、レーザ光(第1の測定用レーザ光)22aは、Z軸(鉛直軸)に対して平行な光軸を有する。また、第2レーザ光(第2の測定用レーザ光)22bは、レーザ光22aに対してX軸方向(第1の水平軸方向)に傾きを持たせてY軸方向(第2の水平軸方向)にシフトした位置で集光レンズ23に入射している。集光レンズ23を通過したレーザ光22bは、レーザ光22aに対してX軸方向に傾き、かつX軸に平行である。さらに、レーザ光(第3の測定用レーザ光)22cは、レーザ光22aに対してY軸方向に傾きを持たせてX軸方向にシフトした位置で集光レンズ23に入射している。集光レンズ23を通過してレーザ光22cは、第1レーザ光22aに対してY軸方向に傾き、かつY軸に平行である。レーザ光22b,22cの第1レーザ光22aに対する傾きは、例えば0度を上回り30度を上回らない範囲に設定される。レーザ光22aの集光位置にミラー21aが配置され、レーザ光22bの集光位置にミラー21bが配置され、レーザ光22cの集光位置にミラー21cが配置されている。
レーザ光22aが入射するミラー21aは揺動部材3の本体部3aの上面の中央部分に配置されている。また、レーザ光22b,22cがそれぞれ入射するミラー21b,21cは、揺動部材3の本体部3aの上面のミラー21aに対してX軸方向及びY軸方向にシフトした位置に配置されている。個々のミラー21a〜21cのミラー面は、揺動部材3に傾きがないとき、すなわちスタイラス8が被測定面2aに対して非接触であるときに、入射するレーザ光22a〜22cの光軸に対して垂直となるように設定されている。そのため、個々のミラー21a〜21cで反射されて集光レンズ23を再度通過するレーザ光22a〜22b(反射光)は、入射光と略平行な光となり、後述する干渉法による測長が可能となる。
前述のようにミラー21aに入射するレーザ光22aは光軸がZ軸方向に一致している。従って、本実施形態における連結機構5は、ミラー21aに照射されるレーザ光22aの光軸に対して直交するあらゆる方向に揺動部材3を揺動可能に取付部材4に支持している。また、本実施形態における揺動部材3は、揺動部材3に傾きがないとき、すなわちスタイラス8が被測定面2aに対して非接触であるときに、支点部材12の先端12b(揺動の支点)と、スタイラス8とがレーザ光22aの光軸上に位置するように構成している。
後に詳述するように、ミラー21aに入射して反射されるレーザ光22aはプローブ1自体のZ軸座標の測定に利用される。また、ミラー21bに入射して反射されるレーザ光22bは揺動部材3のX軸方向の傾斜角度の測定に利用される。さらに、ミラー21cに入射して反射されるレーザ光22cは揺動部材3のY軸方向の傾斜角度の測定に利用される。
複数の集光レンズをプローブ上部に配置するようにした場合、複雑な構成となる上、上下に移動する部分の質量が重くなってしまうため、測定時のZ軸方向移動の応答性が悪化してしまう。しかし、3本のレーザ光22a〜22cのうち1本は、鉛直方向であるZ軸方向に一致するように配置し、残りの2本は、Z軸方向に対して0〜30度の角度を持って集光レンズ23に入射するように配置しているため、単一の集光レンズ23ですべてのレーザ光22a〜22cの集光が可能である。集光レンズ23を複数個ではなく1個のみとしたことにより、限定された空間内で複雑な構成の光学系を構成する必要がなく、プローブ1自体を含む鉛直軸方向に移動する部分の質量を軽量化できる。この軽量化により、応答性を低下させることなくスタイラスの被測定面に対する接触力を低減できる。以下、接触力と応答性に関して詳述する。
接触力とは、測定時に測定物にスタイラスを押し付ける力のことであり、強くなると測定物に傷がつきやすくなってしまう。接触力と質量と応答性(加速度)には以下の式(1)の関係がある。
Figure 0005221211
式(1)において、Fは接触力、mは質量、aは加速度である。この関係から明らかなように、質量が大きいままで接触力を低下させると加速度が低下し、応答性が悪化する。しかし、本実施形態では前述のようにZ軸方向に移動する移動体の質量を軽量化できるので、接触力を弱めても応答性は低下しない。
ミラーの枚数及び位置関係は本実施形態のものに限定されず、適宜設定可能である。例えば、本実施形態では、ミラー21a〜21cは互いに別体の平面ミラーであるが、平面ミラーではなくミラー面が球面状に加工されたミラーであってもよい。また、単一の部材に複数のミラー面を形成し、これらのミラー面がそれぞれレーザ光を反射する構成も採用できる。レーザ光の照射位置のうちの1つが必ずしもプローブの中央部になる必要は無く、プローブの外周部に沿って等配になる位置に配置してもよいし、その他設計上の都合により自由に配置してもよい。
次に、本実施形態のプローブ1を備える形状測定装置6について説明する。
一般に、本実施形態のプローブ1のようなプローブを備える形状測定装置は、プローブを被測定面に接触させ、被測定面に対する接触力がほぼ一定になるようにプローブの移動を制御しつつ、プローブを測定物の被測定面に沿って移動させる。そして、レーザ測長器と基準平面ミラーとを利用して、プローブと基準面との位置関係から被測定の表面形状を測定、演算する。
このような形状測定装置は、図5に示すような主として例えば約200mm角以下の大きさを有する中型及び小型の測定物の測定用と、図6に示すような主として例えば約400mm角の大きさを有する比較的大型の測定物の測定用に大別される。
図5に示す中型及び小型の測定物の測定用の形状測定装置6は、測定物2をX軸及びY軸方向に移動させ、一方、プローブ1はZ軸方向にのみ移動させる。具体的には、この形状測定装置6は、石定盤32に設置されたステージ31を備え、このステージ31上に測定物2が載置される。ステージ31は、平面上で互いに直交する方向に移動するX−ステージ31aとY−ステージ31bを備える。石定盤32に立設された支柱33にZ軸方向に可動なZ−テーブル34が設置されており、このZ−テーブル34の下端にプローブ1が取り付けられる。また、石定盤32上にはレーザ光発生部41と測定点情報決定部42が載置されている。ステージ31は駆動部43により駆動され、駆動部43は制御装置44によって制御される。
図6に示す比較的大型の測定物用の形状測定装置6は、測定物2を石定盤32上に固定して、プローブ1をX軸、Y軸、及びZ軸の全方向に移動させる。具体的には、この形状測定装置6は、石定盤32上に設置されたステージ31(X−ステージ31aとY−ステージ31b)を備え、このステージ31上に、下端にプローブ1が取り付けられたZ−ステージ34、レーザ光発生部41、及び測定点情報決定部42が搭載されている。測定物2は石定盤32上に固定される。図6において、符号45はZ軸方向の基準面である。
本実施形態のプローブ1は図5及び図6のいずれのタイプの形状測定装置6にも適用可能である。以下、形状測定装置6について詳細に説明するが、図5及び図6のいずれのタイプの形状測定装置6であるかについては特に言及しない。
制御装置44は、測定点情報決定部42からフィードバックされる情報(後述する揺動部材3の傾きθX,θY及び被測定面2aの測定点の3次元位置座標X,Y,Z)に基づいて、プローブ1の揺動部材3を特定方向のみ傾斜させず、いずれの方向にも傾斜させ、かつ傾斜角度が一定に保持されるように駆動部43によるステージ31の移動方向及び移動量を制御する。
レーザ光発生部41は、被測定面2a上の測定点の位置情報を求めるためのレーザ光22を発生する。レーザ光22は例えば発振周波数安定化He−Neレーザ光であるが、所望の光学的特性が得られる限り、レーザ光の種類は特に限定されない。
測定点情報決定部42は被測定面2aにおける測定点の3次元位置情報を得るものであり、光学系50とレーザ測長部61とを備える。光学系50はレーザ光発生部41で発生したレーザ光22を分岐させる機能と、分岐させた複数のレーザ光22a〜22eをそれぞれ所定個所に照射し、反射光を導光する機能とを有する。レーザ測長部61は、光学系50に対して光電的に結合され、レーザ光の干渉を利用した測長により被測定面2aにおける測定点の位置座標を決定する機能を有する。
光学系50は、被測定面2aの測定点の3次元位置座標を求めるため、レーザ光発生部41が発生したレーザ光22を5つに分光する。そのため、光学系50は、合計5つの光学系、すなわち2つの第1光学系51a,51bと、3つの第2光学系52a,52b,52cとを有する。2つの第1光学系51a,51bは、それぞれプローブ1のX座標測定用とY座標測定用の光学系である。3つの第2光学系52a〜52cのうち、第2光学系52aはプローブ1のZ座標測定用である。また、第2光学系52bは、揺動部材3のX軸方向の傾斜角度測定用の光学系である。さらに、第2光学系52cは、揺動部材3のY軸方向の傾斜角度測定用の光学系である。
レーザ測長部61は、プローブ1のX座標を測定するX座標測定部62、プローブ1のY座標を測定するY座標測定部63、プローブ1のZ座標を測定するZ座標測定部64、プローブ1の揺動部材3が備えるミラー21bのX軸方向の傾斜角度を検出する第1傾斜角度検出部65a、プローブ1の揺動部材3が備えるミラー21cのY軸方向の傾斜角度を検出する第2傾斜角度検出部65b、第1及び第2傾斜角度検出部65a,65bからの入力を使用してスタイラス8の取付部材4に対する相対的なX軸、Y軸、及びZ軸の位置座標を検出するスタイラス位置演算部67、及び加算部68を備える。
X座標測定用の第1光学系51aは、レーザ光22dをプローブ1と共にX軸方向に移動するミラーと石定盤32に固定されたX軸基準面(いずれも図示せず)とに照射して反射させ、これらで反射されたレーザ光22dをレーザ測長部61のX座標測定部62に導光する。X座標測定部62は、反射光間の干渉信号からプローブ1のX座標(Xp)を算出する。同様に、Y座標測定用の第1光学系51bは、レーザ光22eをプローブ1と共にY軸方向に移動するミラーと石定盤32に固定されたY軸基準面(いずれも図示せず)とに照射して反射させ、これらで反射されたレーザ光22eをレーザ測長部61のY座標測定部63に導光する。Y座標測定部63は、反射光間の干渉信号からプローブ1のY座標(Yp)を算出する。この種のレーザ光の干渉を利用した測長の原理及びそのための具体的な構成は公知であり、例えば特開平1−170243号公報、特開平10−170243号公報に記載されている。
第2光学系52a〜52cは、3本のレーザ光22a〜22cを同一の集光レンズ23を介してプローブ1の揺動部材3に取り付けられたミラー21a〜21cに照射する。
Z軸測定用の第2光学系52aは、第1レーザ光22aを集光レンズ23を介して揺動部材3のミラー21aに照射して反射させ、ミラー21aで反射された第1レーザ光22aをZ座標測定部64に導光する。Z座標測定部64は、Z軸基準面45(図6にのみ図示する。)で反射された第1レーザ光22aとミラー21aで反射された第1レーザ光22aの干渉信号から、プローブ1のZ軸座標(Zp)を算出する。前述のように、レーザ光の干渉を利用した測長の原理及びそのための具体的な構成は公知である。
揺動部材3のX軸方向の傾斜角度測定用の第2光学系52bは、レーザ光22bを集光レンズ23を介して揺動部材3のミラー21bに照射して反射させ、ミラー21bで反射されたレーザ光22bを第1傾斜角度検出部65aに導光する。第1傾斜角度検出部65aは、ミラー21bへ入射するレーザ光22bとミラー21bで反射されたレーザ光22bの干渉を利用して測長を実施し、その結果を利用して揺動部材3のX軸方向の傾斜角度θXを検出する。
揺動部材3のY軸方向の傾斜角度測定用の第2光学系52cは、レーザ光22cを集光レンズ23を介して揺動部材3のミラー21cに照射して反射させ、ミラー21cで反射されたレーザ光22cを第2傾斜角度検出部65bに導光する。第2傾斜角度検出部65bは、ミラー21cに対するレーザ光22cの入射光と反射光の干渉を利用して測長を実施し、その結果を利用して揺動部材3のY軸方向の傾斜角度θYを検出する。
次に、図4を参照して、第1傾斜角度検出部65aにおける揺動部材3のX軸方向の傾斜角度θXの検出原理を説明する。第2傾斜角度検出部65bも同様の原理で揺動部材3のY軸方向の傾斜角度を検出する。
図4はプローブ1の揺動部材3及びその近傍をXZ面で2次元的に図示している。
まず、揺動部材3の揺動の支点A(支点部材12の先端12b)から測定点までの距離Lについては、設計段階で予め決定しておくことができる(距離Lは既知)。また、プローブ1のミラー21bのミラー面に照射するレーザ光22bと、揺動部材3の支点Aを中心としてプローブ1の照射位置Pが回転した円形の軌跡(回転軌跡T)の接線(回転軌跡接線TL)とでなす角度αについても、設計段階で予め決定しておくことができる(角度αは既知)。プローブ1の回転軌跡Tを作成するときの照射位置Pは、プローブ1が被測定物2に接していない状態、すなわちミラー21bが傾斜していない初期位置Bにあるときの照射位置である(以下、照射位置Pを初期照射位置と呼ぶ)。回転軌跡Tの半径Rも、設計段階で予め決定しておくことができる(半径Rは既知)。
ここで、プローブ1の揺動部材3がX軸方向に傾斜角度θXだけ傾いたことにより、ミラー21bが初期位置Bから傾斜位置B’に変化した場合を考える。ミラー21bが傾いたことにより、初期照射位置Pは回転軌跡T上を位置P’まで移動し、レーザ21bの照射位置は初期照射位置Pから位置Qに移動する。第2傾斜角度検出部65bによる測長値の変化量は、初期照射位置Pと位置Qとの間の距離δZ0で表される。ここで初期照射位置Pと位置P’の間の距離δZ1は以下の式(2)で表れる。
Figure 0005221211
また、角度θXについて以下の式(3)の関係がある。
Figure 0005221211
また傾斜角度θが十分小さいことから近似を用いると、式(2),(3)より以下の式(4)の関係が得られる。
Figure 0005221211
前述のように角度αと半径Rは既知であり、距離δZ0はレーザ測長による実測値であるので、式(4)の関係からプローブ1の揺動部材3のX軸方向の傾斜角度θXを算出できる。ミラー21bのY軸方向の傾斜角度θYについても同様の関係が成り立つので、式(4)と同様の計算を行うことにより、プローブ1の揺動部材3のY軸方向の傾斜角度θYを算出できる。
スタイラス位置演算部67は、第1傾斜角度検出部65aから入力される傾斜角度θXと第2傾斜角度検出部65bから入力される傾斜角度θXとを使用して、スタイラス8の取付部材4(プローブ1自体)に対する相対的なX軸、Y軸、及びZ軸の位置座標である、補正値ΔX,ΔY,ΔZを算出する。言い換えれば、スタイラス位置演算部67は傾斜角度θX,θYをスタイラス8の押し込み量の変化量に変換する。具体的には、スタイラス位置演算部67は、傾斜角度θX,θYと距離L(前述のように既知である。)から、以下の式(5)により補正値ΔX,ΔY,ΔZを算出する。
Figure 0005221211
式(5)の第3式右辺の傾斜角度θは、傾斜角度θX,θYのいずれであってもよい。
以下、傾斜角度θXと補正値ΔXについて具体的な数値を挙げてさらに詳細に説明する。まず、プローブ1の揺動部材3の支点Aから測定点までの距離L=10mm、初期照射位置Pの回転軌跡Tの半径R=7mm、レーザ光22bと初期照射位置Pにおける回転軌跡Tの接線がなす角度α=30度とする。また、スタイラス8の先端の変位を約10μmに保持しつつ測定とする。さらに、レーザ光22bは発信周波数安定化レーザであるHe−Neレーザ光とする。He−Neレーザ光を使用したレーザ測長により少なくとも3nmの分解能が得られることが知られている。
He−Neレーザの最小分解能を3nmとし、この最小分解能を測定点での分解能に換算するために、レーザ測長により測定される初期照射位置Pと位置Qとの間の距離δZ0をこの最小分解能に対応する3nmとする。この条件下では、δZ0=3nm、α=30度、R=7mmである。これらを式(4)に代入すると、以下の式(6)に示すように傾斜角度θXは2.835×10−5度となる。
Figure 0005221211
さらに、θX=2.835×10−5と前述のL=10を式(5)の第1式に代入すると、以下の式(7)に示すように補正量ΔXが得られる。
Figure 0005221211
補正量ΔXは4.949nmとなる。つまり、本実施形態のプローブ1と形状測定装置6は数ナノメートルレベルの高分解能でスタイラス8の傾きを補正可能である。
再度図7を参照すると、加算部68はX座標測定部62、Y座標測定部63、及びZ座標測定部64からそれぞれ入力されるプローブ1の座標Xp,Yp,Zpに、スタイラス位置演算部67から入力される補正値ΔX,ΔY,ΔZを加算して、スタイラス8の位置座標、すなわち被測定面2aにおける測定点の位置座標(Xs,Ys,Zs)を算出する。具体的には、加算部68は以下の式(6)に基づいて測定点の位置座標(Xs,Ys,Zs)を算出する。
Figure 0005221211
前述のようにレーザ測長により得られた傾斜角度θX,θYを換算することで高精度の補正値ΔX,ΔY,ΔZが得られ、それらを使用して測定点の位置座標Xs,Ys,Zsを求めるので、高精度で被測定面2aの測定点の位置座標が得られる。
本実施形態のプローブ1及びそれを備える形状測定装置6は、主として以下に列挙する特徴を有する。
スタイラス8を有する揺動部材3は支点部材12の先端12bを支点としてあらゆる方向に揺動可能であるので、スタイラス8が接触する被測定面2aを有する測定物2を回転させることなく、被測定面2aの形状測定を行うことができる。
同一の集光レンズ23で3本のレーザ光22a〜22cをプローブ1が備える揺動部材3のミラー21a〜21cに集光する構成であるので、限定された空間内で複雑な構成の光学系を構成する必要がなく、プローブ1自体を含む鉛直軸方向に移動する部分の質量を軽量化できる。この軽量化により、応答性を低下させることなくスタイラス8の被測定面2aに対する接触力を低減できる。
ミラー21b,21cの位置変位をレーザ測長によって検出することでプローブ1の傾斜角度θX,θYを高精度で検出でき、この高精度の傾斜角度θX,θYをスタイラス8のプローブ1に対する相対的な位置座標である補正値ΔX,ΔY,ΔZに換算することにより、スタイラス8の位置(被測定面2aの測定点)の座標Xs,Ys,Zsを高精度で測定できる。
以上の特徴を有する本実施形態のプローブ1及び形状測定装置6により、任意形状の被測定面2aを、測定物2を回転させることなく、高精度かつ低測定力での走査測定を実現できる。
本発明は、任意形状の穴の内面や穴径の測定、及び任意形状の外側面の形状測定等を高精度及び低測定力にて走査測定する形状測定装置、該形状測定装置に備わるプローブに適用可能である。
本発明の実施形態に係る形状測定装置用プローブを示す斜視図。 本発明の実施形態に係る形状測定装置用プローブをYZ断面で切断した部分断面斜視図。 揺動部材の一部断面正面図。 測定点の位置情報決定方法を説明するための模式図。 本発明の実施形態に係る形状測定装置用プローブを備える形状測定装置の一例を示す模式図。 本発明の実施形態に係る形状測定装置用プローブを備える形状測定装置の他の一例を示す模式図。 形状測定装置の測定点情報決定部の構成を示す模式図。 従来の形状測定装置用プローブの一例を示し、(a)は一部断面正面図、(b)は(a)のVIII-VIII線での断面図。 従来の形状測定装置用プローブの他の一例を示す一部断面正面図。
符号の説明
1 形状測定装置用プローブ
2 測定物
2a 被接触面
3 揺動部材
3a 本体部
3b 貫通穴
4 取付部材
4a レーザ光用開口
5 連結機構
6 形状測定装置
7 アーム
8 スタイラス
11 載置台
12 支点部材
12a 基部
12b 先端
13,14 金具
15 溝穴
21a,21b,21c ミラー
22,22a,22b,22c,22d,22e 測定用レーザ光
23 集光レンズ
31 ステージ
31a X−ステージ
31b Y−ステージ
32 石定盤
33 支柱
34 Z−テーブル
41 レーザ光発生部
42 測定点情報決定部
43 駆動部
44 制御装置
45 基準面
50 光学系
51a,51b 第1光学系
52a,52b,52c 第2光学系
61 レーザ測長部
62 X座標測定部
63 Y座標測定部
64 Z座標測定部
65a 第1傾斜角度検出部
65b 第2傾斜角度検出部
66
67 スタイラス位置演算部
68 加算部

Claims (4)

  1. 測定物の被測定面に接触するスタイラスと、形状測定装置が備える同一の集光レンズを通って集光される少なくとも3本の測定用レーザ光が照射されるミラーとを有する測定面接触部と、
    前記測定面接触部を前記形状測定装置に取り付ける取付部材と、
    前記取付部材に固定された載置台と、前記測定面接触部又は前記載置台に固定された支点部材とを備え、前記測定面接触部を前記支点部材の先端を支点として揺動可能に前記載置台に支持させる連結機構と
    を備える、形状測定装置用プローブと、
    前記測定用レーザ光を発生及び分岐するレーザ光発生分岐部と、
    前記レーザ光発生分岐部で生成された前記測定用レーザのうち少なくとも3本を前記同一の集光レンズを通過させて、前記測定面接触部の前記ミラーに集光させるレーザ光集光部と、
    前記ミラーで反射された前記測定用レーザ光により検出した前記ミラーの位置変位に基づいて、前記形状測定装置用プローブ自体の鉛直軸方向の変位と前記測定面接触部の傾斜角度とを算出する測定点情報決定部と、
    前記測定点情報決定部で算出される前記測定面接触部の傾斜角度が一定に保持されるように前記形状測定装置用プローブを移動させて、測定物の被測定面の形状を測定する制御部と
    を備える、形状測定装置。
  2. 前記レーザ光集光部で集光される少なくとも3本の前記測定用レーザ光は、鉛直軸方向の第1の測定用レーザ光と、前記第1の測定用レーザ光に対して第1の水平軸方向に傾いた第2の測定用レーザ光と、前記第1の測定用レーザ光に対して前記第1の水平軸方向と交差する第2の水平軸方向に傾いた第3の測定用レーザ光とを含み、
    前記ミラーは、前記集光レンズによる前記第1の測定用レーザの集光位置に配置され、かつミラー面が前記第1の測定用レーザの光軸に対して垂直である第1のミラーと、前記集光レンズによる前記第2の測定用レーザの集光位置に配置され、かつミラー面が前記第2の測定用レーザの光軸に対して垂直である第2のミラーと、前記集光レンズによる前記第3の測定用レーザの集光位置に配置され、かつミラー面が前記第3の測定用レーザの光軸に対して垂直である第3のミラーとを含む、
    請求項に記載の形状測定装置。
  3. 前記測定点情報決定部は、
    前記第1の測定用ミラーが反射する前記第1の測定用レーザ光から前記形状測定装置用プローブ自体の鉛直方向の位置座標を測定する第1の位置座標測定部と、
    前記第2の測定用ミラーが反射する前記第2の測定用レーザ光により測定した前記第2の測定用ミラーの変位に基づいて、前記測定面接触部の前記第1の水平軸方向の傾斜角度を算出する第1の傾斜角度検出部と、
    前記第3の測定用ミラーが反射する前記第3の測定用レーザ光により測定した前記第3の測定用ミラーの変位に基づいて、前記測定面接触部の前記第2の水平軸方向の傾斜角度を算出する第2の傾斜角度検出部と
    を備える
    請求項に記載の形状測定装置。
  4. 前記測定点情報決定部は、
    前記第1及び第2の傾斜角度検出部が算出した前記測定面接触部の前記第1及び第2の水平軸方向の傾斜角度から、前記スタイラスの前記取付部材に対する相対位置を求めるスタイラス位置情報算出部と、
    前記測定用レーザ光を用いて前記形状測定装置用プローブ自体の前記第1及び第2の水平軸方向の位置座標値を求める第2及び第3の位置座標測定部と、
    前記第1から第3の位置座標測定部が求めた前記形状測定装置用プローブ自体の前記位置座標値と、前記スタイラス位置情報検出部が求めた前記取付部材に対する前記スタイラスの相対位置から測定点の位置情報を求める加算部と
    を備える、請求項に記載の形状測定装置。
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