JP2014043640A - ケイ素含有薄膜の製造方法及びケイ素含有薄膜 - Google Patents
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Abstract
【課題】500℃以下の低温でケイ素含有薄膜を効率良く製造する方法を提供する。
【解決手段】Si(tBuNCHCHNtBu)(H)NCO等の原料に用いて、ケイ素含有薄膜を熱CVD法によりアンモニアを反応ガスとして用い還元雰囲気下で製造する。上記の特定のヒドロシラン誘導体を用いることにより、500℃以下の低温でプラズマを用いることなく、ケイ素含有薄膜を製造することができる。
【選択図】図2
【解決手段】Si(tBuNCHCHNtBu)(H)NCO等の原料に用いて、ケイ素含有薄膜を熱CVD法によりアンモニアを反応ガスとして用い還元雰囲気下で製造する。上記の特定のヒドロシラン誘導体を用いることにより、500℃以下の低温でプラズマを用いることなく、ケイ素含有薄膜を製造することができる。
【選択図】図2
Description
本発明は、特定のヒドロシラン誘導体を用いた還元雰囲気下でのケイ素含有薄膜の製造方法及びその製造方法により得られたケイ素含有薄膜に関するものである。
ケイ素単体及びケイ素含有化合物は、構成元素の種類及び/又は比率を変えることによって電気抵抗率、比誘電率などの電気的性質を調整することができるため、半導体デバイスを構成する多くの部位に薄膜として用いられ、今後もその産業上の用途は更に広がるものと期待されている。半導体デバイス用途として用いられるケイ素含有化合物としては、二酸化ケイ素、酸窒化ケイ素、窒化ケイ素、炭化ケイ素、金属シリサイドなど多様な物質を挙げることができる。また、半導体デバイスの高集積化を進める上で、デバイス構造の立体化、すなわち三次元化された基板の表面上に薄膜を製造する技術の確立は極めて重要である。この観点から、化学気相蒸着法(CVD法)や原子層蒸着法(ALD法)は、半導体デバイス製造工程に適した薄膜製造プロセスとして特に注目されている。CVD法やALD法を用いてケイ素含有薄膜を製造する際は、目的の薄膜組成を得るために酸化還元雰囲気と原料を選択する必要がある。例えば、二酸化ケイ素を得るためにはテトラエトキシシランと酸化雰囲気が、窒化ケイ素を得るためにはトリス(ジメチルアミノ)シランと還元雰囲気がしばしば用いられる。
還元雰囲気下における薄膜製造用の原料として種々のケイ素化合物が検討されている。例えば、ヒドロシラン、ハロシラン、アルコキシシラン、アミノシランが知られているが、これらは薄膜製造の際に高温やプラズマが必要である。高温やプラズマを用いると下地の基板や周辺の素子へダメージを与えるばかりか、段差に対して均一に薄膜を製造することを困難にし、デバイスの歩留まり低下を招く恐れがある。特許文献1及び非特許文献1〜3には、酸素を用いて500℃以下の低温でプラズマを用いなくてもケイ素含有薄膜を製造することが可能なヒドロシラン誘導体が記載されている。
岩永 宏平 et al.,第71回応用物理学会学術講演会,(2010) 14a−NF−8
Kohei Iwanaga et al.,220th Meeting of The Electrochemical Society,(2011) Abstract 1867
Kohei Iwanaga et al.,The Electrochemical Society Transaction,Vol.41, No.2,(2011) P.211−218
還元雰囲気下でケイ素含有薄膜を製造するためには、高温またはプラズマを用いることが必須である。薄膜製造時の基板温度が高い場合には各層の間の相互拡散や剥離などのトラブルが発生することがあるため、可能な限り低温で薄膜を製造することが求められている。また、プラズマを用いると基板を損傷するほか、三次元化された基板へ均一に薄膜を製造することが困難になるという問題点があり、実用的な薄膜製造方法としては適用範囲が狭い。すなわち、還元雰囲気下でプラズマを用いることなく、かつ可能な限り低温で薄膜を形成しうるケイ素含有薄膜の製造方法が求められるが、このような方法は未だ見出されていない。
本発明の目的は、特定のヒドロシラン誘導体を用いることにより500℃以下の低温でプラズマを用いなくてもケイ素含有薄膜を還元雰囲気下で製造することが可能な方法を提供することにある。
本発明者らは上記の課題を解決すべく鋭意検討を重ねた結果、一般式[1]で示される環状構造を有するヒドロシラン誘導体を用いることで、500℃以下の低い温度でもプラズマを用いなくても窒化ケイ素などのケイ素含有薄膜を還元雰囲気下で効率良く製造することが可能な優れた製造方法であることを見出し、本発明を完成するに至った。
即ち本発明は、以下の(1)〜(6)に関するものである。
(1)一般式[1]
(式中、R1及びR2は各々独立に炭素数3〜12のアルキル基を表す。Zはイソシアナト基、イソチオシアナト基、アミノ基、NHR3で表される一置換アミノ基、NR4R5で表される二置換アミノ基、又は炭素数2〜6のアルケニル基を表す。R3はフッ素原子で置換されていても良い炭素数1〜12のアルキル基を表す。R4及びR5は各々独立に炭素数1〜4のアルキル基を表す。)で示されるヒドロシラン誘導体を、還元雰囲気下でケイ素含有薄膜とすることを特徴とする、ケイ素含有薄膜の製造方法。
(2)R1及びR2が各々独立にtert−ブチル基又はtert−ペンチル基であり、Zがイソシアナト基、アミノ基又はNHR3で表される一置換アミノ基であり、R3が炭素数1〜4のアルキル基であることを特徴とする上述の(1)に記載の製造方法。
(3)R1及びR2が各々tert−ブチル基であり、Zがイソシアナト基であることを特徴とする上述の(1)または(2)に記載の製造方法。
(4)化学気相蒸着法または原子層蒸着法を用いることを特徴とする上述の(1)〜(3)のいずれかに記載の製造方法。
(5)還元雰囲気とする反応ガスとしてアンモニアを用いることを特徴とする上述の(1)〜(4)のいずれかに記載の製造方法。
(6)上述の(1)〜(5)のいずれかに記載の方法により製造されることを特徴とするケイ素含有薄膜。
以下に本発明をさらに詳細に説明する。
まず、一般式[1]で示されるヒドロシラン誘導体におけるR1、R2、R3、R4及びR5の定義について説明する。R1及びR2で表される炭素数3〜12のアルキル基としては、直鎖状、分岐状又は環状のいずれのものでも良く、具体的には例えばプロピル基、イソプロピル基、シクロプロピル基、ブチル基、イソブチル基、sec−ブチル基、tert−ブチル基、シクロブチル基、ペンチル基、イソペンチル基、ネオペンチル基、tert−ペンチル基、1−メチルブチル基、2−メチルブチル基、1,2−ジメチルプロピル基、1−エチルプロピル基、シクロペンチル基、ヘキシル基、イソヘキシル基、1−メチルペンチル基、2−メチルペンチル基、3−メチルペンチル基、1,1−ジメチルブチル基、1,2−ジメチルブチル基、2,2−ジメチルブチル基、1,3−ジメチルブチル基、2,3−ジメチルブチル基、3,3−ジメチルブチル基、1−エチルブチル基、2−エチルブチル基、1,1,2−トリメチルプロピル基、1,2,2−トリメチルプロピル基、1−エチル−1−メチルプロピル基、1−エチル−2−メチルプロピル基、シクロヘキシル基、シクロプロピルメチル基、シクロプロピルエチル基、シクロブチルメチル基、ヘプチル基、シクロヘキシルメチル基、1,1−ジエチル−プロピル基、2−メチルシクロヘキシル基、4−メチルシクロヘキシル基、オクチル基、1,1−ジエチル−2−メチルプロピル基、2,5−ジメチルシクロヘキシル基、3,5−ジメチルシクロヘキシル基、1,1,3,3−テトラメチルブチル基、1−メチル−1−プロピルブチル基、1,1,2,3,3−ペンタメチルブチル基、1,1−ジエチル−3,3−ジメチルブチル基、アダマンチル基、1,1−ジメチルオクチル基、1,1−ジプロピルブチル基、1,1−ジメチルデシル基、1,1−ジエチルオクチル基、1−ブチル−1−プロピルペンチル基などを例示することができる。
一般式[1]で示されるヒドロシラン誘導体が高い蒸気圧を持ち薄膜形成用原料として取り扱いやすい点及びヒドロシラン誘導体を原料として用いて成膜したときのケイ素含有薄膜の堆積速度が速い点で、R1及びR2が各々独立に炭素数3〜5の二級アルキル基又は三級アルキル基であることが好ましく、tert−ブチル基及びtert−ペンチル基であることが更に好ましく、tert−ブチル基が殊更好ましい。
R3で表される炭素数1〜12のアルキル基としては、例えばメチル基、エチル基、プロピル基、イソプロピル基、シクロプロピル基、ブチル基、イソブチル基、sec−ブチル基、tert−ブチル基、シクロブチル基、ペンチル基、イソペンチル基、ネオペンチル基、tert−ペンチル基、1−メチルブチル基、2−メチルブチル基、1,2−ジメチルプロピル基、1−エチルプロピル基、シクロペンチル基、ヘキシル基、イソヘキシル基、1−メチルペンチル基、2−メチルペンチル基、3−メチルペンチル基、1,1−ジメチルブチル基、1,2−ジメチルブチル基、2,2−ジメチルブチル基、1,3−ジメチルブチル基、2,3−ジメチルブチル基、3,3−ジメチルブチル基、1−エチルブチル基、2−エチルブチル基、1,1,2−トリメチルプロピル基、1,2,2−トリメチルプロピル基、1−エチル−1−メチルプロピル基、1−エチル−2−メチルプロピル基、シクロヘキシル基、シクロプロピルメチル基、シクロプロピルエチル基、シクロブチルメチル基、ヘプチル基、シクロヘキシルメチル基、1,1−ジエチル−プロピル基、2−メチルシクロヘキシル基、4−メチルシクロヘキシル基、オクチル基、ノニル基、デシル基、ウンデシル基、ドデシル基、1,1−ジエチル−2−メチルプロピル基、2,5−ジメチルシクロヘキシル基、3,5−ジメチルシクロヘキシル基、1,1,3,3−テトラメチルブチル基、1−メチル−1−プロピルブチル基、1,1,2,3,3−ペンタメチルブチル基、1,1−ジエチル−3,3−ジメチルブチル基、アダマンチル基、1,1−ジメチルオクチル基、1,1−ジプロピルブチル基、1,1−ジメチルデシル基、1,1−ジエチルオクチル基、1−ブチル−1−プロピルペンチル基などを例示することができる。
これらはフッ素原子で置換されていても良く、例えばフルオロメチル基、ジフルオロメチル基、トリフルオロメチル基、1−フルオロエチル基、2−フルオロエチル基、1,1−ジフルオロエチル基、2,2−ジフルオロエチル基、2,2,2−トリフルオロエチル基、ペルフルオロエチル基、1−フルオロプロピル基、2−フルオロプロピル基、3−フルオロプロピル基、1,1−ジフルオロプロピル基、2,2−ジフルオロプロピル基、3,3−ジフルオロプロピル基、3,3,3−トリフルオロプロピル基、ペルフルオロプロピル基、1−トリフルオロメチル−2,2,2−トリフルオロエチル基、ペルフルオロイソプロピル基、ペルフルオロブチル基、ペルフルオロイソブチル基、ペルフルオロ−sec−ブチル基、ペルフルオロ−tert−ブチル基、ペルフルオロペンチル基、ペルフルオロイソペンチル基、ペルフルオロネオペンチル基、ペルフルオロ−tert−ペンチル基、ペルフルオロヘキシル基、ペルフルオロシクロヘキシル基、ペルフルオロヘプチル基、ペルフルオロオクチル基、ペルフルオロノニル基、ペルフルオロデシル基、ペルフルオロウンデシル基、ペルフルオロドデシル基などを例示することができる。
一般式[1]で示されるヒドロシラン誘導体が高い蒸気圧を持ち、液体であり薄膜形成用原料として取り扱いやすい点、及びヒドロシラン誘導体を原料として用いて成膜したときのケイ素含有薄膜の堆積速度が速い点で、R3がフッ素で置換されていても良い炭素数1〜8のアルキル基であることが好ましく、とりわけ炭素数1〜4のアルキル基であることが更に好ましく、具体的にはメチル基、エチル基、プロピル基、イソプロピル基、シクロプロピル基、ブチル基、イソブチル基、sec−ブチル基、tert−ブチル基、シクロブチル基などが殊更好ましい。
R4及びR5で表される炭素数1〜4のアルキル基としては、例えばメチル基、エチル基、プロピル基、イソプロピル基、シクロプロピル基、ブチル基、イソブチル基、sec−ブチル基、tert−ブチル基、シクロブチル基などを例示することができる。
次に本明細書におけるZで表される置換基の定義について説明する。Zはイソシアナト基、イソチオシアナト基、アミノ基、NHR3で表される一置換アミノ基、NR4R5で表される二置換アミノ基又は炭素数2〜6のアルケニル基を表す(R3、R4及びR5は前記と同じ意味を示す。)。
一般式[1]で示されるヒドロシラン誘導体を原料として還元雰囲気下でケイ素含有薄膜を製造する場合の堆積速度が速い点で、Zはイソシアナト基、アミノ基、NHR3で表される一置換アミノ基又はN(CH3)R4で表されるN−メチル−アルキルアミノ基であることが好ましく、イソシアナト基、アミノ基、NHR3で表される一置換アミノ基であることが更に好ましく、イソシアナト基、アミノ基、メチルアミノ基、エチルアミノ基、プロピルアミノ基、イソプロピルアミノ基、シクロプロピルアミノ基、ブチルアミノ基、イソブチルアミノ基、sec−ブチルアミノ基又はtert−ブチルアミノ基であることが殊更好ましい。また、低温でのケイ素含有薄膜製造プロセスに適している点で、Zはイソシアナト基、アミノ基又はNHR3で表される一置換アミノ基が好ましく、イソシアナト基であることが殊更好ましい。
具体的な一般式[1]で示されるヒドロシラン誘導体としては、例えばSi(tBuNCHCHNtBu)(H)NCO、Si(tBuNCHCHNtBu)(H)NH2、Si(tBuNCHCHNtBu)(H)CH2CHCH2などが挙げられる。なお、本明細書中では、tert−ブチル基をtBuと示す。
一般式[1]で示されるヒドロシラン誘導体を原料として用いて、還元雰囲気下でケイ素含有薄膜を500℃以下の低温で効率良く製造することができる。
ケイ素含有薄膜を製造する際の還元雰囲気下とする反応ガスとしては、例えばアンモニア、水素、モノシラン、ヒドラジンなどを挙げることが出来る。ケイ素含有薄膜を製造する場合の堆積速度が速い点で、アンモニアが好ましい。反応ガスの流量は原料の反応性と反応チャンバーの体積に応じて適切な流量を設定することができる。例えば一般式[1]で示されるヒドロシラン誘導体を原料として用いて、反応チャンバーの体積が1〜10Lの場合、反応ガスの流量は1〜5000sccmが好ましい。なお、sccmとは気体の流量を表す単位であり、1sccmは理想気体に換算すると2.68mmol/hの速度で気体が移動していることを表す。
ケイ素含有薄膜を製造する際のキャリアガス及び希釈ガスとしては希ガスまたは窒素が好ましく、経済的な理由から窒素、ヘリウム、ネオン、アルゴンが特に好ましい。キャリアガス及び希釈ガスの流量は原料の反応性と反応チャンバーの体積に応じて適切な流量を設定することができる。例えば一般式[1]で示されるヒドロシラン誘導体を原料として用いて、反応チャンバーの体積が1〜10Lの場合、キャリアガスの流量は1〜10000sccmが好ましい。
ケイ素含有膜を還元雰囲気下で製造するときの温度は、100〜500℃が好ましく、150〜450℃であることが特に好ましい。
ケイ素含有薄膜の製造方法は特に限定はなく、例えば、CVD法、ALD法、スピンコート法、ディップコート法、噴霧法などが挙げられる。三次元化された基板の表面上に薄膜を均一に製造する際はCVD法及びALD法が好ましく、ALD法が殊更好ましい。
一般式[1]で示されるヒドロシラン誘導体を原料として、CVD法又はALD法により基板上にケイ素含有薄膜を製造する場合、ヒドロシラン誘導体をガス化して基板上に供給する。成膜チャンバーへの原料供給方法としてはバブリング、液体気化供給システムなどが挙げられ、特に限定されるものではない。
一般式[1]で示されるヒドロシラン誘導体を原料として用いる際は溶媒や安定化剤などを含有していてもよい。このときの溶媒として例えば、メタノール、エタノール、プロパノール、イソプロパノールなどのアルコール類;酢酸エチル、酢酸ブチル、酢酸イソアミルなどのエステル類;エチレングリコールモノエチルエーテル、エチレングリコールモノメチルエーテル、エチレングリコールモノブチルエーテルなどのグリコールエーテル類;ジエチルエーテル、tert−ブチルメチルエーテル、グライム、ジグライム、トリグライム、テトラヒドロフランなどのエーテル類;tert−ブチルメチルケトン、イソブチルメチルケトン、エチルブチルケトン、ジプロピルケトン、ジイソブチルケトン、メチルアミルケトン、シクロヘキサノン、アセトンなどのケトン類;ヘキサン、シクロヘキサン、エチルシクロヘキサン、ヘプタン、オクタン、ベンゼン、トルエン、キシレンなどの炭化水素類を挙げることが出来、特に限定するものではない。
ケイ素含有薄膜の製造は熱だけでも可能であるが光やプラズマなどを併用してもよい。
本発明の製造方法により得られるケイ素含有薄膜としては、例えば、一般式[1]で示されるヒドロシラン誘導体を単独で用いた場合は、金属シリコン薄膜、窒化ケイ素薄膜、炭化ケイ素薄膜や酸窒化ケイ素薄膜などが得られる。また、他の金属原料と組み合わせて用いることで金属シリサイドやシリコン含有酸窒化薄膜などが得られる。例えば、ビス(メチルシクロペンタジエニル)ニッケルなどのニッケル原料を組み合わせて用いればニッケルシリサイド薄膜などが得られ、テトラキス(エチルメチルアミノ)チタンなどのチタン原料と組み合わせて用いればチタンシリサイド薄膜などが得られ、テトラキス(エチルメチルアミノ)ハフニウムなどのハフニウム原料と組み合わせて用いれば窒化ハフニウムシリケート薄膜などが得られる。また、他の金属原料と組み合わせて用いる際、それぞれの原料を別々に供給しても、混合してから供給してもよい。
本発明によれば、特定のヒドロシラン誘導体を用いることによりケイ素含有薄膜を500℃以下の低温でプラズマを用いなくても還元雰囲気下で効率的に製造することができる。
本発明を適用した具体的な実施の形態について、実施例により詳細に説明する。なお、本発明は以下の実施例に限定されるものではない。
薄膜製造例(実施例1〜6、参考例1,2)
Si(tBuNCHCHNtBu)(H)NCOを原料に用いて、ケイ素含有薄膜を熱CVD法によりアンモニアを反応ガスとして用い還元雰囲気下で製造した(参考例1,2はアンモニアを用いなかった)。薄膜製造のために使用した装置の概略を図1に示した。成膜条件は表1に示す通りであり、その他の条件は以下の通りである。
Si(tBuNCHCHNtBu)(H)NCOを原料に用いて、ケイ素含有薄膜を熱CVD法によりアンモニアを反応ガスとして用い還元雰囲気下で製造した(参考例1,2はアンモニアを用いなかった)。薄膜製造のために使用した装置の概略を図1に示した。成膜条件は表1に示す通りであり、その他の条件は以下の通りである。
原料容器温度:46℃、原料の蒸気圧:31Pa、原料容器内全圧:13.3kPa、キャリアガス流量:20sccm、反応チャンバーへの原料供給速度:0.25mmol/h、基板:C面サファイア基板。但し、実施例5及び6のみ段差基板(TiN/SiO2/Si)を用いた。キャリアガス及び希釈ガスとしてアルゴンを用いた。なお、反応チャンバーへの原料供給速度は、(キャリアガス流量×原料の蒸気圧÷原料容器内全圧)の計算式に基づいて求めることができる。
実施例1〜6、参考例1,2のいずれの場合においても、製造した薄膜を蛍光X線分析で確認したところケイ素に基づく特性X線が検出されたことから、ケイ素含有薄膜が得られた。
薄膜製造例(比較例1〜3)
トリス(ジメチルアミノ)シランを原料に用いて、ケイ素含有薄膜を熱CVD法によりアンモニアを反応ガスとして用い還元雰囲気下で製造した。薄膜製造のために使用した装置の概略を図1に示した。成膜条件は表1に示す通りであり、その他の条件は以下の通りである。
トリス(ジメチルアミノ)シランを原料に用いて、ケイ素含有薄膜を熱CVD法によりアンモニアを反応ガスとして用い還元雰囲気下で製造した。薄膜製造のために使用した装置の概略を図1に示した。成膜条件は表1に示す通りであり、その他の条件は以下の通りである。
原料容器温度:1℃、原料の蒸気圧:125Pa、原料容器内全圧:13.3kPa、キャリアガス流量:10sccm、反応チャンバーへの原料供給速度:0.25mmol/h、基板:C面サファイア基板。キャリアガス及び希釈ガスとしてアルゴンを用いた。
比較例1〜3のいずれの場合においても、製造した薄膜を蛍光X線分析で確認したところケイ素に基づく特性X線が検出されなかったことから、ケイ素含有薄膜は得られなかった。
薄膜分析例(実施例7〜8、参考例3〜4)
実施例1〜6、参考例1,2で得られたケイ素含有薄膜の膜厚は、電界放射型走査電子顕微鏡(FE−SEM)により断面を観察することで評価した。実施例1〜6、参考例1,2で得られたケイ素含有薄膜の膜厚を表1に示した。実施例1、3及び参考例1,2で得られたケイ素含有薄膜の組成は、X線光電子分光法により評価した。薄膜の組成を表2に示した。
実施例1〜6、参考例1,2で得られたケイ素含有薄膜の膜厚は、電界放射型走査電子顕微鏡(FE−SEM)により断面を観察することで評価した。実施例1〜6、参考例1,2で得られたケイ素含有薄膜の膜厚を表1に示した。実施例1、3及び参考例1,2で得られたケイ素含有薄膜の組成は、X線光電子分光法により評価した。薄膜の組成を表2に示した。
反応ガスとしてアンモニアを用い還元雰囲気下で得たケイ素含有薄膜は、アンモニアを用いない条件で得たケイ素含有薄膜に比べ、窒素の含有量が高いものであった。
実施例5及び6で得られたケイ素含有薄膜の断面FE−SEM像より、段差被覆率を算出した。段差被覆率は(100×ホール底部の膜厚÷ホール開口部の膜厚)の計算式に基づいて求めた。
本発明を詳細にまた特定の実施態様を参照して説明したが、本発明の精神と範囲を逸脱することなく様々な変更や修正を加えることができることは当業者にとって明らかである。
1 原料容器
2 恒温槽
3 反応チャンバー
4 基板
5 アンモニアガス
6 希釈ガス
7 キャリアガス
8 マスフローコントローラー
9 マスフローコントローラー
10 マスフローコントローラー
11 油回転式ポンプ
12 排気
2 恒温槽
3 反応チャンバー
4 基板
5 アンモニアガス
6 希釈ガス
7 キャリアガス
8 マスフローコントローラー
9 マスフローコントローラー
10 マスフローコントローラー
11 油回転式ポンプ
12 排気
Claims (6)
- R1及びR2が各々独立にtert−ブチル基又はtert−ペンチル基であり、Zがイソシアナト基、アミノ基又はNHR3で表される一置換アミノ基であり、R3が炭素数1〜4のアルキル基であることを特徴とする請求項1に記載の製造方法。
- R1及びR2が各々tert−ブチル基であり、Zがイソシアナト基であることを特徴とする請求項1または2に記載の製造方法。
- 化学気相蒸着法または原子層蒸着法を用いることを特徴とする請求項1〜3のいずれかに記載の製造方法。
- 還元雰囲気とする反応ガスとしてアンモニアを用いることを特徴とする請求項1〜4のいずれかに記載の製造方法。
- 請求項1〜5のいずれかに記載の方法により製造されることを特徴とするケイ素含有薄膜。
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JP2019070179A (ja) * | 2017-10-07 | 2019-05-09 | 株式会社Flosfia | 成膜方法 |
JP2019070180A (ja) * | 2017-10-07 | 2019-05-09 | 株式会社Flosfia | 成膜方法 |
JP7023445B2 (ja) | 2017-10-07 | 2022-02-22 | 株式会社Flosfia | 成膜方法 |
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