JP2014043490A - アニオン性ジオール及びこれを用いてなるポリウレタン樹脂 - Google Patents

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Ryosuke Kusano
亮介 草野
Masaki Yanagida
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Abstract

【課題】 吸放湿性・染色性に優れ、かつ弾性回復率等の伸縮特性にも優れるポリウレタン樹脂形成用アニオン性ジオールを提供する
【解決手段】 一般式(1)で表されるポリウレタン樹脂形成用アニオン性ジオール(A1)。
【化1】
Figure 2014043490

[式中、m及びnはそれぞれ独立に5〜100の整数;A1及びA2はそれぞれ独立に炭素数2〜20の2価の炭化水素基であり、m個のA1はそれぞれ同一でも異なっていてもよく、n個のA2は同一でも異なっていてもよく;Q-は−10〜4のpKaを有するプロトン酸のアニオン性基;hは1又は2;Mh+はh価のカチオン;jは1〜4の整数;Zはj個のプロトン酸(塩)基{−Q-(Mh+1/h}を有するジカルボン酸(a1)からj個のプロトン酸(塩)基及び2個のカルボキシル基を除いた残基を表す。]
【選択図】なし

Description

本発明はポリウレタン樹脂に吸放湿性及び染色性を付与するのに有用なアニオン性ジオール及びこれを用いてなるポリウレタン樹脂に関する。
従来、スルホン酸塩基を有する二塩基酸とテレフタル酸及び/又はイソフタル酸とを酸成分として共重合させてなるスルホン酸塩基含有ポリエステルポリオールからなる高分子量ポリオールを用いてポリウレタン樹脂に吸湿性及び染色性等を付与することが知られている(例えば、特許文献1参照)。しかしながら、特許文献1で開示されているスルホン酸塩基含有ポリエステルポリオールは共重合させるジオールとしてエチレングリコール等の低分子ジオールを使用しているため、スルホン酸塩基含有ポリエステルポリオールを用いて製造したポリウレタン樹脂は、吸湿性及び染色性等は良好であるが、弾性回復率が十分でなく、伸縮特性に問題がある。
特開昭59−6210号公報
本発明は上記問題点に鑑みなされたものであり、本発明の目的は吸放湿性・染色性に優れ、かつ弾性回復率等の伸縮特性にも優れるポリウレタン樹脂形成用アニオン性ジオールを提供することにある。
本発明者らは、上記課題を解決すべく、鋭意検討した結果、本発明に到達した。即ち本発明は、一般式(1)で表されるポリウレタン樹脂形成用アニオン性ジオール(A1);前記アニオン性ジオール(A1)と他の活性水素含有化合物(A2)を含有してなり、前記(A1)と前記(A2)の合計モル数を基準として前記(A2)を85モル%以下含有し、前記(A2)が少なくとも250の水酸基当量を有する高分子ポリオール(A21)、250未満の当量を有する低分子ポリオール(A22)、ポリアミン(A23)、アミノアルコール(A24)及び単官能活性水素含有化合物(A25)からなる群から選ばれる少なくとも1種であるポリウレタン樹脂形成用ポリオール組成物(A);前記アニオン性ジオール(A1)又は前記ポリオール組成物(A)を含有する活性水素成分(H)と、ポリイソシアネート成分(B)とを反応させて得られるポリウレタン樹脂(U);並びに前記ポリウレタン樹脂(U)を用いてなる吸放湿性及び/又は染色性を有するシート、繊維又は繊維製品である。
Figure 2014043490
[式中、m及びnはそれぞれ独立に5〜100の整数;A1及びA2はそれぞれ独立に炭素数2〜20の2価の炭化水素基であり、m個のA1はそれぞれ同一でも異なっていてもよく、n個のA2は同一でも異なっていてもよく;Q-は−10〜4のpKaを有するプロトン酸のアニオン性基;hは1又は2;Mh+はh価のカチオン;jは1〜4の整数;Zはj個のプロトン酸(塩)基{−Q-(Mh+1/h}を有するジカルボン酸(a1)からj個のプロトン酸(塩)基及び2個のカルボキシル基を除いた残基を表す。]
本発明のアニオン性ジオール(A1)又はこれを含有するポリオール組成物(A)を用いたポリウレタン樹脂(U)は、吸放湿性・染色性に優れ、かつ弾性回復率等の伸縮特性にも優れる。
本発明のポリウレタン樹脂形成用アニオン性ジオール(A1)は一般式(1)で表され、一般式(2)で表されるジカルボン酸(a1)又はそのエステル形成性誘導体[(a1)のジ低級アルキル(炭素数1〜4)エステル(例えばメチル、エチル、n−又はi−イソプロピル及びn−、i−、sec−又はt−ブチルエステル)、酸無水物及び酸ハライド(例えば酸クロライド)等]1モルと一般式(3)で表されるジオール(a2)2モルとを反応させて得られるジエステルである。
Figure 2014043490
Figure 2014043490
Figure 2014043490
一般式(1)におけるm及びn並びに一般式(3)におけるpはそれぞれ独立に5〜100の整数であり、機械的特性の観点から好ましくは15〜45の整数である。
一般式(1)におけるA1及びA2並びに一般式(3)におけるA3はそれぞれ独立に炭素数(以下、Cと略記)2〜20の2価の炭化水素基であり、m個のA1はそれぞれ同一でも異なっていてもよく、n個のA2は同一でも異なっていてもよく、p個のA3はそれぞれ同一でも異なっていてもよい。
一般式(3)におけるA3及び/又はpが異なる2種以上のジオールを用いることにより、一般式(1)におけるA1及びA2、並びに/又はm及びnが異なるアニオン性ジオール(A1)が得られる。
一般式(3)で表されるジオール(a2)には、C2〜12の脂肪族ジオール、C4〜20の脂環式ジオール、C8〜20の芳香脂肪族ジオール又はC6〜20の2価フェノールへのC2〜8又はそれ以上(好ましくはC2〜4)のアルキレンオキサイド(以下、AOと略記)付加物が含まれる。
C2〜8又はそれ以上のAOには、例えばエチレンオキシド、1,2−又は1,3−プロピレンオキシド、テトラヒドロフラン及び3−メチル−テトラヒドロフラン(以下、それぞれEO、PO、THF及びMTHFと略記)、1,2−1,3−又は2,3−ブチレンオキシド、C5〜8のα−オレフィンオキシド、及び置換(フェニル又ははハロゲン置換)AO(例えばスチレンオキシド及びエピクロルヒドリン)が含まれる。
AOは1種を単独で用いても2種以上を併用してもよい。また、AOの付加形式はランダムでもブロックでもこれらの併用でもよい。
C2〜12(好ましくはC2〜10)の脂肪族ジオールには、例えばエチレングリコール(以下、EGと略記)、プロピレングリコール、トリメチレングリコール、1,2−、1,3−、2,3−又は1,4−ブタンジオール、1,6−ヘキサンジオール、ネオペンチルグリコール及びドデカンジオールが含まれる。
C4〜20(好ましくはC6〜10)の脂環式ジオールには、例えばビス(ヒドロキシメチル)シクロヘキサン、シクロヘキサン−1,2−、1,3−又は1,4−ジオール、シクロペンタン−1,2−又は1,3−ジオール、及び下記2価フェノールの水素化物(例えば水素添加ビスフェノールA)が含まれる。
C8〜20の芳香脂肪族ジオールには、例えばジヒドロキシメチルベンゼン(キシリレングリコール)及びビス(ヒドロキシエチル)ベンゼンが含まれる。
C6〜20の2価フェノールには、例えば単環2価フェノール(ハイドロキノン、カテコール及びレゾルシン等)及びビスフェノール(ビスフェノールA、ビスフェノールB、ビスフェノールC、ビスフェノールF及びビスフェノールS)が含まれる。
ジオール(a2)の内、ポリウレタン樹脂(U)の機械特性、特に弾性回復率の観点から好ましいのは、600〜3,000の数平均分子量(以下、Mnと略記)を有するもの、更に好ましいのは8000〜2,500のMnのものである。このような範囲のMnを有するポリオールの内で、ポリウレタン樹脂(U)の吸湿性、染色性及び機械特性の観点から好ましいのは(ポリ)オキシアルキレングリコール、更に好ましいのはポリオキシエチレングリコール(以下、PEGと略記)である。
本発明において、ポリウレタン樹脂(U)以外のMn及び重量平均分子量(以下、Mwと略記)は溶媒としてTHFを用いPEGを標準物質として、ポリウレタン樹脂(U)のMnは溶媒としてジメチルホルムアミドを用いポリスチレンを標準物質として、ゲルパーミエーションクロマトグラフィー(GPC)により測定される。
一般式(1)及び(2)におけるQ-は、−10〜4のpKaを有するプロトン酸のアニオン性基であり、一般式R0−Q-+(R0はH又はCH3)で表されるpKaが−10〜4(好ましくは0〜3)であるプロトン酸からR0及びプロトン(H+)を除いた残基である。pKaが−10〜4であることにより良好な染色性が得られる。
プロトン酸のpKaは、例えば「化学便覧(改訂4版)基礎編II」(日本化学会編)317頁(1993年5月発行)に記載されている。このようなプロトン酸には、硫黄原子含有酸、例えばメタンスルホン酸(pKa=1.8)、硫酸(pKa=1.99)及びスルファミン酸(pKa=0.99);並びにリン原子含有酸、例えばホスホン酸(pKa=1.5)、リン酸(pKa=2.15)及びホスフィン酸(pKa=1.23)等が含まれる。
アニオン性基Q-には、硫黄原子含有酸のアニオン、例えば−SO3 -、−OSO3 -及び−NHSO3 -;リン原子含有酸のアニオン、例えば−O−P(=O)(−OR)−O-、−O−P(=O)(−O-2、−P(=O)(−OR)−O-及び−P(=O)(−O-2が含まれる。式中、RはC1〜6のアルキル基又はC2〜4のヒドロキシアルキル基を表す。これらの内、染色性の観点から好ましいのは−SO3 -、−OSO3 -及び−NHSO3 -であり、特に好ましいのは−SO3 -である。
一般式(1)及び(2)におけるhは1又は2であり、Mh+はh価のカチオンである。
カチオン(Mh+)には、プロトン(H+)、並びに金属カチオン、アミニウムイオン、アンモニウムイオン及び四級アンモニウムイオンから選ばれる1又は2価のカチオンが含まれる。
h+を形成する金属には、アルカリ金属(例えばナトリウム及びカリウム)、アルカリ土類金属(例えばカルシウム及びマグネシウム)、及びその他(例えばIIB族及びVIII族)の金属(例えば亜鉛、アルミニウム及び鉄)が含まれる。
アミニウムイオンを形成するアミンには、C1〜10のハイドロカルビル基(例えばアルキル、アルケニル、シクロアルキル、アリール及びアラルキル基)及び/又はC2〜4のヒドロキシアルキル基(例えばヒドロキシエチル基)を有する(これらの基の2個又はそれ以上が結合して窒素原子と共に複素環を形成していてもよい)、1、2又は3級の、脂肪族、脂環式、芳香族又は複素環アミンが含まれる。
具体的には、1級アミン、例えば後述のポリエーテルポリオール(A211)の開始剤として挙げる1級モノアミン、アルカノールアミン及びポリアミン;2級アミン(C2〜12)、例えばジ(ハイドロカルビル及び/又はヒドロキシアルキル)アミン(例えばジメチルアミン、ジブチルアミン、ジシクロヘキシルアミン、ジエタノールアミン及びエチルエタノールアミン)、及び複素環2級アミン(例えばモルホリン、ピペリジン及びピペラジン);3級アミン(C3〜15)、例えばトリ(ハイドロカルビル及び/又はヒドロキシアルキル)アミン(例えばトリメチルアミン、トリブチルアミン、トリエタノールアミン及びジエチルエタノールアミン);並びに複素環3級アミン(例えばN−メチルモルホリン及びピリジン)が挙げられる。
4級アンモニウムイオンには、例えば上記3級アミンを4級化してなるもの(例えばテトラアルキルアンモニウム、トリアルキルベンジルアンモニウム及びトリアルキルヒドロキシアルキルアンモニウム)が含まれる。
これらの内、ポリウレタン樹脂(U)の染色性の観点から好ましいのは、金属、特にアルカリ金属及び/又はアルカリ土類金属[以下、アルカリ(土類)金属と略記]のカチオンである。
一般式(1)及び(2)におけるjは1〜4の整数である。
一般式(1)及び(2)におけるZはj個のプロトン酸(塩)基{−Q-(Mh+1/h}を有するジカルボン酸(a1)からj個のプロトン酸(塩)基及び2個のカルボキシル基を除いた残基を表す。残基Zには、アルコキシ基、ヒドロキシル基、シアノ基、アルデヒド基若しくはニトロ基又はハロゲン原子の1種又は2種以上で置換されていてもよい、2価の炭化水素基(脂肪族、脂環式及び芳香族炭化水素基)からj個の水素原子を除いた(2+j)価の炭化水素基が含まれる。ポリウレタン樹脂(U)の物性の観点から、好ましいのは芳香族炭化水素基、特にベンゼントリイル基である。
2価の炭化水素基には、2価の脂肪族炭化水素基(C1〜16好ましくはC3〜12)(アルキレン基及びアルケニレン基、例えばメチレン基、エチレン基、プロピレン基、ブチレン基、ペンチレン基、ヘキシレン基、オクチレン基、デシレン基、トリデシレン基、ヘキサデシレン基、エテニレン基、プロペニレン基、及びアルキル又はアルケニル置換エチレン基);2価の脂環式炭化水素基(C3〜16好ましくはC5〜12)[(ビ)シクロアルキレン基及び(ビ)シクロアルケニレン基、例えばシクロプロピレン基、シクロブチレン基、シクロペンチレン基、(ビ)シクロヘキシレン基、シクロヘプチレン基、シクロオクチレン基、メチレンビス(シクロヘキシレン)基及びシクロヘキシル置換エチレン基];並びに2価の芳香族炭化水素基(C6〜16好ましくはC6〜15)[(ビ)アリーレン基、例えばフェニレン基、トリレン基、キシリレン基、メチレン(ビスフェニレン)基、ナフテニレン基及びフェニル置換エチレン基]等が含まれる。
Zとしては、後述の他の活性水素含有化合物(A2)や溶剤への相溶性の点からC14以下特にC10以下のもの、耐加水分解性の点からC3以上特にC4以上のものが好ましい。
一般式(2)で表されるジカルボン酸(a1)の具体例には、スルホン酸基含有ジカルボン酸(a11)、硫酸基含有ジカルボン酸(a12)、スルファミン酸基含有ジカルボン酸(a13)、リン酸基含有ジカルボン酸(a14)及びホスホン酸基含有ジカルボン酸(a15)及びこれらの塩[−10〜4のpKaを有するプロトン酸基のプロトンを上記アルカリ(土類)金属カチオン、アミニウムイオン、アンモニウムイオン及び四級アンモニウムイオンからなる群から選ばれるカチオンに変換してなるもの]が含まれる。
スルホン酸基含有ジカルボン酸(a11)には、後述のポリエステルポリオール(A212)の原料として挙げるジカルボン酸のスルホン化物、例えばスルホベンゼンジカルボン酸(5−スルホ−オルト−、イソ−又はテレフタル酸等)及びスルホナフタレンジカルボン酸等のスルホ芳香族ジカルボン酸(a111);スルホアルカン又はスルホアルケンジカルボン酸(例えばスルホコハク酸、スルホグルタル酸、スルホアジピン酸、スルホピメリン酸、スルホスベリン酸、スルホアゼライン酸、スルホセバシン酸及びスルホマレイン酸)等のスルホ脂肪族ジカルボン酸(a112);並びに、下記一般式(4)で表される置換スルホコハク酸(a113)等が含まれる。
Figure 2014043490
一般式(4)におけるR1はC1〜13のハイドロカルビル基(例えばアルキル、アルケニル、シクロアルキル、アラルキル及びアリール)、アルコキシ基(例えばメトキシ基及びエトキシ基)、ヒドロキシル基、シアノ基、アルデヒド基、ニトロ基又はハロゲン原子(例えば塩素及び臭素)を表す。
硫酸基含有ジカルボン酸(a12)には、ヒドロキシジカルボン酸[例えばモノ−又はジ−ヒドロキシアルカン二酸(例えばタルトロン酸、リンゴ酸及び酒石酸)]の硫酸エステル[水酸基を硫酸化剤(例えば発煙硫酸)で硫酸エステル化したもの]等が含まれる。
スルファミン酸基含有ジカルボン酸(a13)には、アミノジカルボン酸(例えばアスパラギン及びグルタミン酸)のスルファミン化物(アミノ基を発煙硫酸又はクロロ硫酸でスルファミン酸基に変換してなるもの)等が含まれる。
リン酸基含有ジカルボン酸(a14)には、上記ヒドロキシジカルボン酸のリン酸エステル[水酸基を、リン酸化剤(例えば五酸化リン及びオキシ塩化リン)でリン酸エステル化したもの、及びその酸基のOHの一部をアルコール又はAOと反応させて部分アルキルエステル又は部分ヒドロキシアルキルエステル化したもの]等が含まれる。
ホスホン酸基含有ジカルボン酸(a15)には、上記ヒドロキシジカルボン酸のホスホン化物(水酸基を、三塩化リンで亜リン酸エステル化し異性化してホスホン酸基に変換したもの、及びその酸基のOHの一部を上記と同様に部分アルキルエステル又は部分ヒドロキシアルキルエステル化したもの)等が含まれる
アニオン性ジオール(A1)の内、ポリウレタン樹脂(U)の伸縮特性、特に弾性回復率の観点から好ましいのは5−スルホイソフタル酸のポリオキシアルキレンジコール(特にPEG)ジエステルの金属塩、更に好ましいのはそのアルカリ(土類)金属塩、特にアルカリ金属塩である。
アニオン性ジオール(A1)は、ジカルボン酸(a1)又はそのエステル形成性誘導体とジオール(a2)とを不活性溶媒(S)中で反応(エステル化又はエステル交換)させることにより、製造することができる。
不活性溶媒(S)は、反応(エステル化又はエステル交換)に関与せず(a1)、(a2)及び(A1)を溶解するものであれば特に限定されない。不活性溶媒(S)には、アミド系溶媒[例えばジメチルホルムアミド(以下、DMFと略記)、ジメチルアセトアミド(以下、DMAと略記)及びN−アルキル(C1〜3)−2−ピロリドン(例えばN−メチル−2−ピロリドン)]、エーテル系溶媒(例えばジオキサン及びTHF)、ケトン系溶媒(例えばシクロヘキサノン、メチルエチルケトン及びメチルイソブチルケトン)、芳香族炭化水素系溶媒(例えばトルエン及びキシレン)、及びスルホキシド系溶媒(例えばジメチルスルホキシド)、並びにこれらの2種以上の混合物が含まれる。
不活性溶媒(S)として反応性及びポリウレタン樹脂(U)の溶解性の点から好ましいのはアミド系溶媒であり、更に好ましいのはDMF及びDMA、特にDMAである。
不活性溶媒(S)と(a1)の重量比[溶媒/(a1)]は、通常3/1〜10/1、溶液の粘度の点から好ましくは4/1〜7/1である。溶媒と、(a1)と(a2)の合計量との重量比[溶媒/{(a1)+(a2)}]は、通常2/1〜9/1、好ましくは3/1〜7/1である。
(a1)と(a2)との反応は、触媒の存在下又は不存在下に行われる。触媒としては通常のエステル化又はエステル交換用触媒が使用できる。触媒には、例えばアルカリ金属(例えばナトリウム及びカリウム)、アルカリ土類金属(例えばマグネシウム及びカルシウム)、IIB族(例えば亜鉛及びカドミウム)、IVAB族(例えばチタン)、VIIB族(例えばマンガン)及びVIII族(例えば鉄、コバルト及びニッケル)からなる群から選ばれる金属の有機酸(C2〜8のカルボン酸、例えば酢酸、プロピオン酸、オクタン酸及びマレイン酸)塩やこれらの金属の有機金属錯体(例えばトリエタノールアミンキレート)が含まれる。これらの内、反応速度及び着色の観点から好ましいのは有機金属錯体であり、更に好ましいのはIVAB族金属のトリエタノールアミンキレート特にチタンビス(トリエタノールアミネート)である。
触媒は、反応速度及び着色の観点から、(a2)の重量に基づいて0.01〜5重量%特に0.03〜3重量%の量用いるのが好ましい。
(a1)成分と(a2)との反応は、通常のエステル化又はエステル交換の条件下、例えば110〜190℃の温度で常圧又は減圧下(0.098〜0.001MPa)でエステル化又はエステル交換反応させて生成する水又はアルコールを除去することにより行うことができる。
(a1)成分と(a2)とを不活性溶媒(S)中で反応(エステル化又はエステル交換)させることにより、未反応(a2)の含有量の少ない(A1)を製造することができる。未反応(a2)の含有量は、(A1)の重量に基づいて、好ましくは4重量%以下、特に3重量%以下である。
本発明のポリウレタン樹脂形成用ポリオール組成物(A)は、前記アニオン性ジオール(A1)と他の[(A1)以外の]活性水素含有化合物(A2)を含有する。
(A2)には、高分子ポリオール(A21)、低分子ポリオール(A22)、ポリアミン(A23)、アミノアルコール(A24)、水及び単官能活性水素含有化合物(A25)並びにこれらの混合物が含まれる。
高分子ポリオール(A21)は、少くとも250、好ましくは250〜3,000、更に好ましくは350〜2,500、特に400〜2,000の水酸基当量(水酸基価に基づく、水酸基1個当たりの分子量)を有する。
(A21)は、通常500〜5,000又はそれ以上、好ましくは700〜4,500特に900〜4,000のMnを有し;好ましくは6,000以下、特に700〜4,000のMwを有する。 (A21)は、2〜8個又はそれ以上、好ましくは2〜3個特に2個の水酸基を有する。
(A21)には、ポリエーテルポリオール(A211)、ポリエステルポリオール(A212)、ポリブタジエン系ポリオール(A213)、アクリルポリオール(A214)及びポリマーポリオール(A215)が含まれる。これらの内で好ましいのは(A211)である。
ポリエーテルポリオール(A211)には、少くとも2個(2〜8個又はそれ以上)の活性水素を有する開始剤に前記AO(例えばEO、PO及びTHF)の1種又は2種以上(ランダム及び/又はブロック)が付加した構造の化合物、及びこれらの2種以上の混合物が含まれる。上記開始剤には、多官能活性水素含有化合物[2個以上の活性水素含有基(例えば水酸基、アミノ基、カルボキシル基及び/又はメルカプト基)を有する化合物]、及び1級モノアミンが含まれ、例えば多価アルコール、多価フェノール、アミン、ポリカルボン酸及びヒドロキシカルボン酸が挙げられる。
多価アルコールには、前記C2〜12の脂肪族ジオール、前記C4〜20の脂環式ジオール、前記C8〜20の芳香脂肪族ジオール及び3価以上(3価〜8価又はそれ以上)のポリオール、例えば(シクロ)アルカンポリオール及びそれらの分子内又は分子間脱水物[例えばグリセリン、トリメチロールプロパン、1,2,6−ヘキサントリオール、シクロヘキサントリオール、ペンタエリスリトール、ソルビトール、マンニトール、ソルビタン、ジグリセリンその他のポリグリセリン及びジペンタエリスリトール]、糖類及びその誘導体(グリコシド)(例えばシュークロース、グルコース、フラクトース、マンノース、ラクトース及びメチルグルコシド)が含まれる。
多価フェノールには、前記C6〜20の2価フェノール、及び3価以上の多価フェノール[例えば単環フェノール(例えばピロガロール及びフロログルシン)、及び1価フェノール(例えばフェノール)のホルムアルデヒド低縮合物(例えばノボラック樹脂及びレゾールの中間体)]が含まれる。
アミンには、1級モノアミン、アルカノールアミン及びポリアミンが含まれる。
1級モノアミンには、モノハイドロカルビルアミン、例えばC1〜20の脂肪族、脂環式、芳香脂肪族又は芳香族モノアミン[モノアルキルアミン(例えばメチル、エチル、n−ブチル及びオクチルアミン)、シクロヘキシルアミン、ベンジルアミン、アリールアミン(例えばアニリン、トルイジン及びナフチルアミン)];アルカノールアミン[モノ−、ジ−又はトリ−のアルカノールアミン(ヒドロキシアルキル基のC2〜4)、例えばモノ−、ジ−又はトリ−のエタノールアミン]が含まれる。
ポリアミンには、ジアミン及び3個〜5個又はそれ以上の1級及び/又は2級アミノ基を有するポリアミンが含まれ、例えば脂肪族、脂環式、芳香脂肪族及び芳香族ポリアミン[例えば後述の(B1)に相当する(イソシアネート基がアミノ基に置き換った)ポリアミン(例えばエチレンジアミン、ヘキサメチレンジアミン、イソホロンジアミン、ジシクロヘキシルメタンジアミン、キシリレンジアミン、トリレンジアミン及びジエチルトリレンジアミン)、及びポリアルキレン(C2〜4)ポリアミン(例えばジエチレントリアミン及びトリエチレンテトラアミン)]、複素環ポリアミン、例えば特公昭55−21044号公報記載のもの[例えばピペラジン、アミノアルキル(C2〜6)ピペラジン(例えばアミノエチルピペラジン)及び1,4−ジアミノアルキル(C2〜6)ピペラジン(例えば1,4−ジアミノエチルピペラジン)];これらのポリアミンの部分アルキル置換体[例えばジアミン(例えばエチレンジアミン)のN−アルキル(C1〜4)置換体及びN,N−若しくはN,N’−ジアルキル(C1〜4)置換体]が挙げられる。
ポリカルボン酸及びヒドロキシカルボン酸としては、後述の(A212)の原料に挙げるものが挙げられる。
(A211)の具体例としては、ポリエーテルジオール、例えばポリオキシアルキレングリコール[例えばPEG、ポリオキシプロピレングリコール(以下、PPGと略記)、ポリオキシテトラメチレングリコール(以下、PTMGと略記)、ポリ(オキシ−3−メチルテトラメチレン)グリコール、共重合ポリオキシアルキレンジオール(THF/EO共重合ジオール及びTHF/MTHF共重合ジオール:共重合比、例えば1/9〜9/1)]、芳香族環含有ポリオキシアルキレンジオール[ポリオキシアルキレンビスフェノールA(ビスフェノールAのEO及び/又はPO付加物等)]、及び3官能以上のポリエーテルポリオール、例えばポリオキシプロピレントリオール[例えばグリセリンのPO付加物]、並びにこれらの1種以上をアルキレンジハライド(C1〜4)でカップリングしたもの(例えば2分子のポリエーテルポリオールをメチレンジクロライドでカップリングしたもの)が挙げられる。これらの内で好ましいのは、ポリエーテルジオール、特にPTMGである。
ポリエステルポリオール(A212)には、縮合ポリエステルポリオール(A2121)、ポリラクトンポリオール(A2122)、ポリカーボネートポリオール(A2123)及びヒマシ油系ポリオール(A2124)等が含まれる。
縮合ポリエステルポリオール(A2121)には、ポリオール(ジオール及び必要により3価以上のポリオール)とポリカルボン酸(ジカルボン酸及び必要により3価以上のポリカルボン酸)とが(重)縮合した構造の化合物、及びこれらの2種以上の混合物が含まれる。(A2121)は、ポリオールとポリカルボン酸(ジカルボン酸及び必要により3価以上のポリカルボン酸)若しくはそのエステル形成性誘導体との縮合、又はポリオールとポリカルボン酸無水物及びAOとを反応させることにより製造することができる。
ポリオールとしては、低分子ポリオール及び/又はポリエーテルポリオールが使用できる。低分子ポリオールとしては、低分子ジオール、及びこれと少割合(例えば10当量%以下)の3価以上の低分子ポリオールとの併用が挙げられる。
低分子ジオールには、例えば前記の、C2〜12の脂肪族ジオール、C4〜20の脂環式ジオール、C8〜20の芳香脂肪族ジオール、モノオキシアルキレンジオール(例えばジエチレングリコール)及びジヒドロキシアルキルモノハイドロカルビルアミン(例えばN−メチルジエタノールアミン)が含まれる。
3価以上の低分子ポリオールには、例えば前記(A211)の開始剤として挙げた3価以上(3価〜8価又はそれ以上)のポリオール(例えばグリセリン、トリメチロールプロパン)、及びアミン系ポリオール[前記(A211)の開始剤として挙げたポリアミンのN−ヒドロキシアルキル置換体、例えばテトラキス(ヒドロキシプロピル)エチレンジアミン、及びトリアルカノールアミン、例えばトリエタノールアミン]が含まれる。
ポリエーテルポリオールには、500以下の水酸基当量を有する、AOの開環重合物及び(A211)で挙げた多官能活性水素含有化合物又は1級モノアミンのAO付加物、例えばポリオキシエチレンポリオール(例えばPEG)、ポリオキシプロピレンポリオール(例えばPPG)、ポリオキシテトラメチレンポリオール(例えばPTMG)、ビスフェノールAのPO及び/又はEO付加物が挙げられる。
ポリカルボン酸としては、ジカルボン酸、及びジカルボン酸と少割合(例えば10当量%以下)の3〜4価又はそれ以上のポリカルボン酸が使用できる。それらの例としては、C2〜12の飽和又は不飽和の脂肪族ポリカルボン酸、例えば飽和ジカルボン酸(例えばコハク、アジピン、アゼライン、セバチン及びドデカンジカルボン酸)、不飽和ジカルボン酸(例えばマレイン、フマル及びイタコン酸)、トリカルボン酸(例えばヘキサントリカルボン酸)、C8〜15の芳香族ポリカルボン酸、例えばジカルボン酸(例えばテレフタル、イソフタル及びフタル酸)、トリ−又はテトラ−カルボン酸(例えばトリメリット及びピロメリット酸)、並びにC6〜40の脂環式ポリカルボン酸(例えばダイマー酸)が挙げられる。
ポリラクトンポリオール(A2122)には、ポリオールを開始剤としてラクトン(C4〜15)を開環重合した構造の化合物、及びこれらの2種以上の混合物が含まれる。(A2122)は、ポリオールにラクトンを開環重合させることにより、又はポリオールとヒドロキシカルボン酸との縮合により製造できる。
ラクトンには、C4〜15のもの、例えばε−カプロラクトン、γ−ブチロラクトン及びγ−バレロラクトンが含まれる。
ヒドロキシカルボン酸には、C3〜15のもの、例えば上記ラクトンに相当する(開環した)もの(例えばヒドロキシカプロン酸)、乳酸、m−、p−又はo−ヒドロキシ安息香酸等が含まれる。ポリオールとしては、低分子ポリオール並びに/又はポリエーテルポリオールが使用でき、それらには、前記(A2121)で挙げた低分子ジオール及び/又は3価以上の低分子ポリオール、並びに500以下の水酸基当量を有するポリエーテルポリオール(ジオール及び/又は3価以上のポリオール)が含まれる。
ポリカーボネートポリオール(A2123)は、ポリオールとアルキレン(C2〜4)カーボネート(例えばエチレンカーボネート)又は低級ジアルキル(C1〜4)カーボネート(例えばジメチルカーボネート、ジエチルカーボネート及びジ−i−プロピルカーボネート)との反応(縮合)又はジフェニルカーボネートとの反応(エステル交換)により得られる。これらの製造に用いるポリオールとしては、上記(A2122)におけると同様の低分子ポリオール及び/又はポリエーテルポリオールが使用できる。
ヒマシ油系ポリオール(A2124)には、ヒマシ油(リシノール酸トリグリセリド)、及びそのエステル交換物が含まれる。後者はヒマシ油とポリオールとのエステル交換により得られ、ポリオールとしては、上記(A2122)におけると同様の低分子ポリオール及び/又はポリエーテルポリオールが使用できる。
ポリブタジエン系ポリオール(A213)には、ポリブタジエンポリオール、及びその水素添加物が含まれる。ポリブタジエンポリオールには、例えば末端に水酸基を有するブタジエンのホモポリマー及びコポリマー[例えばブタジエン/スチレンコポリマー及びブタジエン/アクリロニトリルコポリマー](共重合モル比:100/0〜70/30)、ポリブタジエン構造が1,2−ビニル構造のもの、1,4−トランス構造のもの、1,4−シス構造を有するもの、及びこれらの構造を2種以上有するもの[好ましくは1,2−ビニル/1,4−トランス/1,4−シスのモル比(10〜30)/(50〜70)/(10〜30)]が含まれる。その水素添加物には、水素添加率が20〜100%のものが含まれる。
アクリルポリオール(A214)には、アクリル共重合体[アルキル(C1〜20)(メタ)アクリレート又はこれらと他のモノマー(例えばスチレン)との共重合体]に水酸基を導入したもの等が含まれ、水酸基の導入には主としてヒドロキシエチル(メタ)アクリレートが用いられる。
ポリマーポリオール(A215)には、ポリオール中でビニルモノマーをその場で重合させることにより得られるもの及びポリオールとビニルモノマーの重合体とをグラフトさせてなるものが含まれ(好ましいのは前者)、その重合体含量は、例えば5〜70重量%である。ポリオールとしては、例えば上記(A211)及び/又は(A212)、並びにこれらの1種以上と上記低分子ポリオールとの混合物(混合重量比、例えば100/0〜20/80)が使用できる。
ビニルモノマーとしては、アクリル系モノマー[例えば(メタ)アクリロニトリル及びアルキル(C1〜20)(メタ)アクリレート(例えばメチルメタクリレート)]、芳香族ビニルモノマー(例えばスチレン等)、脂肪族炭化水素モノマー[例えばC2〜8又はそれ以上のアルケン及びアルカジエン(例えばα−オレフィン及びブタジエン)]、及びこれらの2種以上の併用[例えばアクリロニトリル/スチレンの併用(共重合モル比100/1〜20/80)]が含まれる。
低分子ポリオール(A22)には、250未満の水酸基当量を有する、低分子ジオール及び3価以上(3価〜8価又はそれ以上)の低分子ポリオールが含まれる。(A22)としては、前記(A2121)で挙げた低分子ジオール及び/又は3価以上の低分子ポリオール(例えば2価アルコール及び3価以上の多価アルコール、ジヒドロキシアルキルモノハイドロカルビルアミン及びアミン系ポリオール)、並びに250未満の水酸基当量を有するポリエーテルポリオール(ジオール及び/又は3価以上のポリオール)[前記(A211)に記載の開始剤(例えば多価アルコール、多価フェノール及びアミン)にAOの1種又は2種以上が付加した構造のポリエーテルポリオール]が使用できる。
ポリアミン(A23)には、前記(A211)の開始剤として挙げた、脂肪族、脂環式、芳香脂肪族又は芳香族ポリアミン、複素環ポリアミン及びポリエーテルポリアミン、例えばポリオール[上記低分子ポリオール(A22)及び/又はポリエーテルポリオール(A211)]のポリ(アミノプロピルエーテル)(ポリオールの水酸基をシアノエチル化し水素化してなる)が含まれ、これらには、250〜3,000又はそれ以上の当量(1及び2級アミン価に基づく、1及び2級アミノ基当たりの分子量)を有する高分子ポリアミン(A231)及び250未満の当量を有する低分子ポリアミン(A232)が含まれる。これらのポリアミンは、アミノ基がブロックされた形(例えば特開昭54−118466号公報に記載のような、ケチミン−ブロック又はアルジミン−ブロックされた形:例えばメチルエチルケチミン化された形)で用いてもよい。
アミノアルコール(A24)には、例えばモノエタノールアミン及びジエタノールアミン等のモノ−又はジアルカノールアミン(ヒドロキシアルキル基のC2〜4)、並びにエチルエタノールアミン及びブチルエタノールアミン等のハイドロカルビル(C1〜10)アルカノールアミン(ヒドロキシアルキル基のC2〜4)が含まれる。
単官能活性水素含有化合物(A25)には、例えば単官能アミノ化合物(A251)及び単官能ヒドロキシル化合物(A252)が含まれる。
単官能アミノ化合物(A251)には、単官能1級アミノ化合物[例えば前記(A211)の開始剤のモノハイドロカルビル(C1〜20好ましくはC1〜4;以下同様)アミン(例えばブチルアミン)]、3級アミノ基含有1級アミノ化合物[前記(A23)のアミノ基の一部(1個のアミノ基を残して)が3級化(ジハイドロカルビル化)されたもの、例えば脂肪族、脂環式、芳香脂肪族又は芳香族ジアミンのN,N−ジハイドロカルビル置換体(例えばN,N−ジメチルアミノエチルアミン)]、及び単官能2級アミノ化合物、例えば上記1級アミノ化合物の1級アミノ基が2級化(ハイドロカルビル化)されたもの[例えばジハイドロカルビルアミン(例えばジブチルアミン)、脂肪族、脂環式、芳香脂肪族又は芳香族ジアミンのN,N,N’−トリハイドロカルビル置換体(N,N−ジメチルアミノエチルメチルアミン)]が含まれる。
単官能ヒドロキシル化合物(A252)には、ハイドロカルビルアルコール[C1〜20の脂肪族、脂環式及び芳香族の1価アルコール、例えばアルカノール(例えばメチル、エチル、n−又はi−プロピル及びブチルアルコール)、シクロアルカノール(例えばシクロヘキシルアルコール)、及びベンジルアルコール]、並びに3級アミノ基含有1価アルコール、例えばジハイドロカルビルアルカノールアミン[上記ジハイドロカルビルアミンのヒドロキシアルキル(C2〜4)置換体(例えばジエチルエタノールアミン及びジブチルエタノールアミン)]、及びそのAO付加物(付加モル数1〜5又はそれ以上)が含まれる。
本発明のポリオール組成物(A)は、更に前記不活性溶媒(S)及び/又は添加剤(T)を含有することができる。
不活性溶媒(S)として、ポリウレタン製造の際の反応性及びポリウレタン樹脂(U)の溶解性の観点から、好ましいのはアミド系溶媒、更に好ましいのはDMA及びDMFである。
不活性溶媒(S)の量は、通常(A1)の重量[又は(A1)と(A2)の合計重量]の3〜10倍、溶液の粘度の点から好ましくは4〜7倍である。
添加剤(T)としては、ポリウレタン製造に通常用いられているものが使用できる。(T)には、安定化剤(T1)[例えば酸化防止剤(T11)、紫外線吸収剤(T12)、加水分解防止剤(T13)及び抗菌/防黴剤(T14)]、充填/着色剤(T2)[例えば充填剤(T21)及び着色剤(T22)]、難燃/可塑/離型剤(T3)[例えば難燃剤(T31)、可塑剤(T32)及び離型剤(T33)]、界面活性剤(T4)[例えば帯電防止剤(T41)、乳化(T42)及び整泡剤(T43)]、分散剤(T5)、触媒(T6)及び発泡剤(T7)等が含まれる。(T)は1種を単独で用いても、2種以上を併用してもよい。
酸化防止剤(T11)には、例えばヒンダードフェノール系[例えば2,6−ジ−t−ブチル−p−クレゾール(BHT)及び2,2’−メチレンビス(4−メチル−6−t−ブチルフェノール)]、硫黄系[例えばジラウリル3,3’−チオジプロピオネート(DLTDP)及びジステアリル3,3’−チオジプロピオネート(DSTDP)]、リン系[例えばトリフェニルホスファイト(TPP)及びトリイソデシルホスファイト(TDP)]、アミン系[例えばオクチルジフェニルアミン、N−n−ブチル−p−アミノフェノール及びN,N−ジイソプロピル−p−フェニレンジアミン]等が含まれる。
紫外線吸収剤(T12)には、例えばベンゾフェノン系(例えば2−ヒドロキシベンゾフェノン及び2,4−ジヒドロキシベンゾフェノン)、サリチレート系(例えばフェニルサリチレート及び2,4−ジ−t−ブチルフェニル−3,5−ジ−t−ブチル−4−ヒドロキシベンゾエート)、ベンゾトリアゾール系[例えば(2’−ヒドロキシフェニル)ベンゾトリアゾール及び(2’−ヒドロキシ−5’−メチルフェニル)ベンゾトリアゾール]、アクリル系[例えばエチル−2−シアノ−3,3’−ジフェニルアクリレート及びメチル−2−カルボメトキシ−3−(パラメトキシベンジル)アクリレート]等が含まれる。
加水分解防止剤(T13)には、カルボジイミド系加水分解防止剤、4−t−ブチルカテコール、アゾジカルボナミッド、アゾジカルボキシリック酸エステル及び脂肪酸アミド等が含まれる。
抗菌/防黴剤(T14)には、例えば安息香酸、パラオキシ安息香酸エステル、ソルビン酸、ハロゲン化フェノール(例えば2,4,6−トリブロモフェノールナトリウム塩、2,4,6−トリクロロフェノールナトリウム塩、パラクロロメタキシレノール、ペンタクロロフェノール及びペンタクロロフェノールラウレート)、有機ヨウ素(例えば4−クロロフェニル−3−ヨードプロパギルホルマール、5−クロロ−2−メチル−4−イソチアゾリン−3−オン及び2−メチル−4−イソチアゾリン−3−オン)、ニトリル(例えば2,4,5,6−テトラクロロイソフタロニトリル)、チオシアノ(例えばメチレンビスチアノシアネート)、N−ハロアルキルチオイミド(例えばN−テトラクロロエチル−チオ−テトラヒドロフタルイミド及びN−トリクロロメチル−チオ−フタルイミド)、銅剤(例えば8−オキシキノリン銅)、ベンツイミダゾール(例えば2−4−チアゾリルベンツイミダゾール)、ベンゾチアゾール(例えば2−チオシアノメチルチオベンゾチアゾール)、トリハロアリル(例えば3−ブロモ−2,3−ジヨード−2−プロペニルエチルカルボナート)、トリアゾール(例えばアザコナゾール)及び有機窒素硫黄化合物(例えばスラオフ39)等が含まれる。
充填剤(T21)には、例えば金属粉(例えばアルミニウム粉及び銅粉)、金属酸化物(例えばアルミナ、ケイ灰石、シリカ、タルク、マイカ、ヒル石、カオリンクレー、焼成カオリン及び白土)、金属水酸化物(例えば水酸化アルミニウム)、金属硫化物(例えば二硫化モリブデン)、金属塩(例えば炭酸カルシウム、ケイ酸カルシウム、硫酸バリウム及びバライト)、繊維[例えば無機繊維{例えば炭素繊維、ガラス繊維、金属(例えばアルミニウム)繊維、セラミックウィスカ、チタンウィスカ及びアスベスト}及び有機繊維(例えばコットン、ジュート、ナイロン、アクリル及びレーヨン繊維)]、マイクロバルーン(例えばガラス、シラス及びフェノール樹脂バルーン)、カーボン(例えばカーボンブラック、石墨及びカーボンナノチューブ)、有機粉(例えば木粉)及び無機粉(例えば石炭粉)が含まれる。
着色剤(T22)には、顔料、例えば無機顔料[例えば白色顔料(例えば酸化チタン、リトポン、鉛白及び亜鉛華)、コバルト化合物(例えばオーレオリン、コバルトグリーン、セルリアンブルー、コバルトブルー及びコバルトバイオレット)、鉄化合物(例えばベンガラ及び紺青)、クロム化合物(例えば酸化クロム、黄鉛及びクロム酸バリウム)及び硫化物(例えば硫化カドミウム、カドミウムイエロー及び群青)]及び有機顔料[例えばアゾ顔料(例えばアゾレーキ、モノアゾ、ジスアゾ及びキレートアゾ顔料)及び多環式顔料(例えばベンジイミダゾリン、フタロシアニン、キナクリドン、ジオキサジン、イソインドリノン、チオインジゴ、ペリレン、キノフタロン及びアンスラキノン顔料)、並びに染料、例えばアゾ染料、アンスラキノン染料、インジゴイド染料、硫化染料、トリフェニルメタン染料、ピラゾロン染料、スチルベン染料、ジフェニルメタン染料、キサンテン染料、アリザリン染料、アクリジン染料、キノンイミン染料、チアゾール染料、メチン染料、ニトロ染料、ニトロソ染料及びアニリン染料が挙げられる。
難燃剤(T31)としては、例えば有機系[含リン系{例えばリン酸エステル(例えばトリクレジルホスフェート及びトリス(2,3ジブロモプロピル)ホスフェート}、含臭素系(例えばテトラブロモビスフェノールA及びデカブロモビフェニルエーテル)及び含塩素系{例えば塩素化パラフィン及び(無水)ヘット酸}]及び無機系[例えば三酸化アンチモン、ホウ酸塩(例えばホウ酸亜鉛及びメタホウ酸バリウム)、水酸化アルミニウム、赤リン、水酸化マグネシウム及びポリリン酸アンモニウム]が挙げられる。
可塑剤(T32)としては、例えばモノカルボン酸エステル〔C10〜30、例えば脂肪酸エステル[例えばステアリン酸ブチル(BS)、オレイン酸メトキシエチル(MEO)、アセチルリシノール酸メチル(MAR)、アセチルリシノール酸エチル(EAR)、アセチルリシノール酸メトキシエチル(MEAR)及びグリセリントリヘプタン酸エステル]及び芳香族カルボン酸エステル[C18〜30、例えばジエチレングリコールジベンゾエート及びトリエチレングリコールジベンゾエート]〕;ジカルボン酸エステル〔例えば芳香族ジカルボン酸エステル[C10〜40、例えばフタル酸エステル{例えばフタル酸ジメチル(DMP)、フタル酸ジエチル(DEP)、フタル酸ジブチル(DBP)、フタル酸ヘプチルノニル(HNP)、フタル酸ジ−2−エチルヘキシル(DOP)、フタル酸ジ−n−オクチル(DNOP)、フタル酸ジ−i−オクチル(DIOP)、フタル酸ジ−s−オクチル(DCapP)、フタル酸−i−デシル(DIDP)、フタル酸ジトリデシル(DTDP)、フタル酸ジシクロヘキシル(DCHP)、フタル酸ブチルベンジル(BBP)、エチルフタリルエチルグリコレート(EPEG)及びブチルフタリルブチルグリコレート(BPBG)}]及び脂肪族ジカルボン酸エステル[C10〜40、例えばアジピン酸エステル{例えばアジピン酸ジ−2−エチルヘキシル(DOA)、アジピン酸ジイソデシル(DIDA)及びアジピン酸ジ(メチルシクロヘキシル)}、アゼライン酸エステル{例えばアゼライン酸ジ−n−ヘキシル(DNHZ)及びアゼライン酸ジ−2−エチルヘキシル(DOZ)}及びセバシン酸エステル{例えばセバシン酸ジブチル(DBS)及びセバシン酸ジ−2−エチルヘキシル(DOS)}]〕;トリカルボン酸エステル〔例えば脂肪族トリカルボン酸エステル[C9〜60、例えばクエン酸エステル{例えばクエン酸トリエチル(TEC)、クエン酸トリブチル(TBC)、アセチルクエン酸トリエチル(ATEC)、アセチルクエン酸トリブチル(ATBC)、アセチルクエン酸トリシクロヘキシル、クエン酸リオクチル及びクエン酸トリ(オクチルデシル)}]〕;エポキシド[C10〜40、例えばエポキシ化大豆油(ESO)及び4,5−エポキシシクロヘキサン−1,2−ジカルボン酸ジ−2−エチルヘキシル(E−PS)];リン酸エステル[C10〜30、例えばリン酸トリブチル(TBP)、リン酸トリフェニル(TPP)、リン酸トリクレジル(TCP)、リン酸ジフェニルモノクレジル、リン酸−2−エチルヘキシルジフェニル、リン酸トリプロピレングリコール、リン酸トリブトキシエチル、リン酸トリクロルエチル、リン酸トリエチル及びリン酸トリキシリル];含塩素系炭化水素[C10〜30、例えば芳香族炭化水素(例えば塩素化ナフタリン及び塩素化ジフェニル)及び塩素化パラフィン]及び石油樹脂が挙げられる。
離型剤(T33)(滑剤)としては、例えば流動パラフィン、硬化油、ワックス(例えばカルナウバワックス、鯨ロウ、イボタロウ、モンタンワックス及び密ロウ)、アルコール(C12〜20、例えばセチルアルコール及びステアリルアルコール)、脂肪酸(例えばステアリン酸)、脂肪酸エステル(C16〜36、例えばステアリン酸ブチル、ステアリン酸セチル、EGモノステアレート及びメチルヒドロキシステアレート)、脂肪酸アミド(C12〜24、例えばパルミチン酸アミド、リシノール酸アミド、ステアリン酸アミド、オレイン酸アミド及びエルカ酸アミド)、脂肪酸金属塩(例えばステアリン酸カルシウム、ステアリン酸鉛及びステアリン酸バリウム)が挙げられる。
帯電防止剤(T41)には、界面活性剤型帯電防止剤、例えば米国特許第4331447号明細書に記載の、カチオン性界面活性剤[例えばアルキル(C8〜20、以下同様)トリメチルアンモニウム塩、ジアルキルジメチルアンモニウム塩及びアルキルジメチルベンジルアンモニウム塩]、両性界面活性剤界面活性剤[例えばベタイン型例えばアルキルジメチルベタイン、及びアラニン型例えばN−アルキル−β−アミノプロピオン酸塩]、アニオン性界面活性剤[例えば硫酸エステル塩、例えばアルキル硫酸エステル塩及びポリオキシアルキレン(C2〜4、以下同様)アルキルエーテル硫酸エステル塩;リン酸エステル塩型、例えばアルキルリン酸エステル塩及びポリオキシアルキレンアルキルエーテルリン酸エステル塩;スルホン酸塩型、例えばジアルキルスルホコハク酸エステル塩及びアルキルベンゼンスルホン酸塩;並びにカルボン酸塩型、例えばアルキル(ポリオキシアルキレン)エーテルカルボン酸塩及び石鹸];及び非イオン性界面活性剤[例えばポリオキシエチレン型、例えばポリオキシエチレンアルキルエーテル、及び多価アルコール型例えば多価アルコール{(A211)の開始剤に記載のもの:ソルビタン等}の脂肪酸(C8〜20)エステル、及びアルキロールアミド型、例えば脂肪酸(C8〜20)モノ−又はジ−エタノールアミド];並びに高分子型帯電防止剤(Mn5,000〜50,000)[例えばポリエーテルエステルアミド(例えば米国特許第5,652,326号明細書に記載のもの)]が含まれる。
乳化剤(T42)としての界面活性剤には、下記(1)〜(4)、米国特許第3,929,678号明細書及び米国特許第4,331,447号明細書に記載の、非イオン性、カチオン性、アニオン性又は両性の界面活性剤が含まれる。
(1)非イオン性界面活性剤:
AO付加型ノニオニックス、例えば疎水性基(C8〜24又はそれ以上)を有する活性水素含有化合物[飽和又は不飽和の、高級アルコール(C8〜18)、高級脂肪族アミン(C8〜24)及び高級脂肪酸(C8〜24)等:例えばアルキル又はアルケニル(例えばドデシル、ステアリル、オレイル)アルコール及びアミン、及びアルカン又はアルケン酸(例えばラウリン、ステアリン及びオレイン酸)]の(ポリ)オキシアルキレン誘導体[AO(C2〜4、例えばEO、PO、ブチレンオキシド及びこれらの2種以上の併用、特にEO)(1〜500モル又はそれ以上)付加物(分子量174〜Mn30,000)、及びポリオキシアルキレングリコール(例えばPEG;分子量150〜Mn6,000)の高級脂肪酸モノ−又はジ−エステル];多価アルコール(2価〜8価又はそれ以上、例えばエチレングリコール、グリセリン、トリメチロールプロパン、ペンタエリスリトール、ソルビタン及びショ糖)の高級脂肪酸(上記)エステルの(ポリ)オキシアルキレン誘導体(同上;分子量320〜Mn30,000;例えばツイーン型ノニオニックス);高級脂肪酸(上記)の(アルカノール)アミドの(ポリ)オキシアルキレン誘導体(同上;分子量330〜Mn30,000);多価アルコール(上記)アルキル(C3〜60)エーテルの(ポリ)オキシアルキレン誘導体(同上;分子量180〜Mn30,000);及びポリオキシプロピレンポリオール[多価アルコール(上記)及びポリアミン[前記(A211)の開始剤として例示したもの]のポリオキシプロピレン誘導体(例えばPPG及びエチレンジアミンPO付加物;Mn500〜5,000)]のポリオキシエチレン誘導体(Mn1,000〜30,000)[プルロニック型及びテトロニック型ノニオニックス];多価アルコール(C3〜60)型ノニオニックス、例えば多価アルコール(上記)の脂肪酸(C8〜20)エステル、多価アルコール(上記)アルキル(C3〜60)エーテル、及び脂肪酸(上記)アルカノールアミド;並びにアミンオキシド型ノニオニックス、例えば(ヒドロキシ)アルキル(C10〜18:ドデシル、ステアリル、オレイル、2−ヒドロキシドデシル等)ジ(ヒドロキシ)アルキル(C1〜3:メチル、エチル、2−ヒドロキシエチル等)アミンオキシド。
(2)カチオン性界面活性剤:
第4級アンモニウム塩型カチオニックス、例えばテトラアルキルアンモニウム塩(C11〜100)、例えばアルキル(C8〜18:ラウリル、ステアリル等)トリメチルアンモニウム塩及びジアルキル(C8〜18:デシル、オクチル等)ジメチルアンモニウム塩;トリアルキルベンジルアンモニウム塩(C17〜80)、例えばラウリルジメチルベンジルアンモニウム塩;アルキル(C8〜60)ピリジニウム塩、例えばセチルピリジニウム塩;(ポリ)オキシアルキレン(C2〜4、重合度1〜100又はそれ以上)トリアルキルアンモニウム塩(C12〜100)、例えばポリオキシエチレンラウリルジメチルアンモニウム塩;及びアシル(C8〜18)アミノアルキル(C2〜4)もしくはアシル(C8〜18)オキシアルキル(C2〜4)トリ[(ヒドロキシ)アルキル(C1〜4)]アンモニウム塩、例えばステアラミドエチルジエチルメチルアンモニウム塩(サパミン型4級アンモニウム塩)[これらの塩には、例えばハライド(例えばクロライド及びブロマイド)、アルキルサルフェート(例えばメトサルフェート)及び有機酸(下記)の塩が含まれる];並びにアミン塩型カチオニックス:1〜3級アミン[例えば高級脂肪族アミン(C12〜60:ラウリル、ステアリル及びセチルアミン、硬化牛脂アミン、ロジンアミン等)、脂肪族アミン(C8〜20)のポリオキシアルキレン誘導体(上記;EO付加物等)、及びアシルアミノアルキル若しくはアシル(C8〜18)オキシアルキルジ(ヒドロキシ)アルキル(上記)アミン(例えばステアロイロキシエチルジヒドロキシエチルアミン、ステアラミドエチルジエチルアミン)]の、無機酸(塩酸、硫酸、硝酸及びリン酸等)塩及び有機酸(C2〜22:酢酸、プロピオン、ラウリン、オレイン、コハク、アジピン及びアゼライン酸、安息香酸等)塩。
(3)アニオン性界面活性剤:
カルボン酸(塩)、例えば高級脂肪酸(上記)、エーテルカルボン酸[高級アルコール(上記)又はそのAO付加物、例えばEO(1〜10モル)付加物のカルボキシメチル化物]、及びそれらの塩;硫酸エステル塩、例えば上記の高級アルコール又はそのAO付加物の硫酸エステル塩(アルキル及びアルキルエーテルサルフェート、硫酸化油(天然の不飽和油脂又は不飽和のロウをそのまま硫酸化して中和した塩)、硫酸化脂肪酸エステル(不飽和脂肪酸の低級アルコールエステルを硫酸化して中和した塩)及び硫酸化オレフィン(C12〜18のオレフィンを硫酸化して中和した塩);スルホン酸塩、例えばアルキルベンゼンスルホン酸塩、アルキルナフタレンスルホン酸塩、スルホコハク酸ジアルキルエステル型、α−オレフィン(C12〜18)スルホン酸塩及びN−アシル−N−メチルタウリン(例えばイゲポンT型);並びにリン酸エステル塩、例えば上記の高級アルコール若しくはそのAO付加物[例えばEO(1〜10モル)付加物]又はアルキル(C4〜60)フェノールのAO付加物(同上)のリン酸エステル塩(アルキル、アルキルエーテル及びアルキルフェニルエーテルホスフェート)。
(4)両性界面活性剤:
カルボン酸(塩)型アンフォテリックス、例えばアミノ酸型アンフォテリックス、例えばアルキル(C8〜18)アミノプロピオン酸(塩)、及びベタイン型アンフォテリックス、例えばアルキル(同上)ジ(ヒドロキシ)アルキル(上記)ベタイン(アルキルジメチルベタイン、アルキルジヒドロキシエチルベタイン等);硫酸エステル(塩)型アンフォテリックス、例えばアルキル(同上)アミンの硫酸エステル(塩)、及びヒドロキシアルキル(C2〜4:ヒドロキシエチル等)イミダゾリン硫酸エステル(塩);スルホン酸(塩)型アンフォテリックス、例えばアルキル(同上:ペンタデシル等)スルフォタウリン、及びイミダゾリンスルホン酸(塩);並びにリン酸エステル(塩)型アンフォテリックス、例えばグリセリン高級脂肪酸(上記)エステルのリン酸エステル(塩)。
上記のアニオン性及び両性界面活性剤における塩には、金属塩、例えばアルカリ金属(例えばリチウム、ナトリウム及びカリウム)、アルカリ土類金属(例えばカルシウム及びマグネシウム)及びIIB族金属(例えば亜鉛)の塩;アンモニウム塩;並びにアミン塩及び4級アンモニウム塩が含まれる。塩を構成するアミンには、C1〜20のアミン、例えばヒドロキシルアミン[C2〜10、例えば(ジ)アルカノールアミン(例えば、2−アミノエタノール及びジエタノールアミン)、シクロアルカノールアミン(例えば3−アミノメチル−3,5,5−トリメチルシクロヘキサノール)及びアルキルアルカノールアミン(例えばメチルエタノールアミン及びエチルエタノールアミン)]、3級アミノ基含有ジオール及び1級モノアミン、2級モノアミン(例えばジアルキルアミン及びモルホリン)、並びにそれらのアルキル化(C1〜4)及び/又はヒドロキシアルキル化(C2〜4)物(AO付加物):例えばモノ−、ジ−又はトリ−(ヒドロキシ)アルキル(アミン)(モノ−、ジ−又はトリ−エタノールアミン及びエチルアミン、ジエチルエタノールアミン、モルホリン、N−メチルモルホリン、N−ヒドロキシエチルモルホリン等)が含まれる。4級アンモニウム塩には、これらのアミンの4級化物[米国特許第4,271,217号明細書に記載の4級化剤又はジアルキルカーボネート(C1〜4のアルキル基を有するカーボネート、例えばジメチル、ジエチル及びジ−i−プロピルカーボネート)による4級化物]が含まれる。
整泡剤(T43)には、シリコーン界面活性剤、例えばポリオキシエチレン変性ポリジメチルシロキサンが含まれる。
分散剤(T5)には下記のものが含まれる。
水溶性ポリマー(Mn:1,000〜100,000又はそれ以上、好ましくは3,000〜10,000;水に対する溶解度:少くとも1g/100g、好ましくは少くとも10g/100g)、例えば非イオン性水溶性ポリマー、例えばポリビニルアルコール、ポリアクリルアミド及びポリエチレンオキシド;アニオン性水溶性ポリマー、例えばナフタレンスルホン酸ホルマリン縮合物(Mn1,000〜10,000);スルホ基含有モノマー[不飽和スルホン酸、例えばアルケンスルホン酸(例えばビニルスルホン酸)、不飽和芳香族スルホン酸(例えばスチレンスルホン酸)、スルホカルボン酸(例えばスルホコハク酸)のアルケニル及びアルキル(C1〜18)アルケニルエステル(例えばメチルビニルスルホサクシネート)、スルホ(ヒドロキシ)アルキル(メタ)アクリレート及び相当する(メタ)アクリルアミド{例えばスルホエチル(メタ)アクリレート、2−(メタ)アクリルアミド−2−メチルプロパンスルホン酸}]及び/若しくはカルボキシル基含有モノマー[不飽和モノ−又はジ−カルボン酸、及びそれらの無水物、例えば(メタ)アクリル、(イソ)クロトン、ケイ皮、(無水)マレイン、フマル及び(無水)イタコン酸;ジカルボン酸モノエステル{上記ジカルボン酸のモノアルキル(C1〜8又はそれ以上)エステル}、例えばマレイン、フマル、イタコン及びシトラコン酸のモノアルキルエステル;並びにこれらの塩、例えばアルカリ金属塩、アルカリ土類金属塩、アンモニウム塩、アミン(C2〜24)塩及び4級アンモニウム(C4〜24)塩]又はこれらと他のモノマーとの(共)重合体、例えばポリスチレンスルホン酸塩(Mn1,000〜100,000)、ポリ(メタ)アクリル酸塩(Mn2,000〜50,000)、(メタ)アクリル酸(塩)/アルキル(メタ)アクリレート共重合体及びマレイン酸(塩)/酢酸ビニル共重合体;及びセルロース誘導体、例えばカルボキシメチルセルロース。アニオン性ポリマーにおける塩には、前記アニオン性及び両性界面活性剤におけると同様のもの[例えばアルカリ金属(例えばナトリウム及びカリウム)塩]が含まれる。
触媒(T6)には、金属触媒、例えば錫系触媒(例えばトリメチルチンラウレート、トリメチルチンヒドロキサイド、ジメチルチンジラウレート、ジブチルチンジラウレート及びスタナスオクトエート)、鉛系触媒(例えばオレイン酸鉛、2−エチルヘキサン酸鉛、ナフテン酸鉛及びオクテン酸鉛);アミン触媒、例えば脂肪族3級アミン[例えばトリハイドロカルビルアミン(トリエチルアミン及びジメチルシクロヘキシルアミン)、テトラハイドロカルビルアルキレンジアミン(例えばテトラメチルエチレンジアミン)及びペンタハイドロカルビルジエチレントリアミン(例えばペンタメチルジエチレントリアミン)]、及び複素環アミン〔例えばN−メチルモルホリン、トリエチレンジアミン、及び米国特許第4524104号明細書に記載のシクロアミジン化合物、例えば1,8−ジアザ−ビシクロ[5,4,0]ウンデセン−7[サンアプロ(株)製DBU(登録商標)]〕;並びにこれらの2種以上の混合物が含まれる。
発泡剤(T7)には、水、物理的発泡剤[揮発性(低沸点)液体]、例えば代替フロン[ハイドロクロロフルオロカーボン(HCFC)、例えばR123、R22、R124;ハイドロフルオロカーボン(HFC)、例えばR134a、R125、R32、R152a]、及びこれらの混合物が含まれる。
(T)の添加量は、それらの添加目的及び要求性能に応じて適宜採択することができるが、一般に、(A1)[又は(A1)と(A2)の合計]の重量に基づいて、次のような量が好ましい。
安定化剤(T1)の合計量:10重量%以下特に0.05〜5重量%;
酸化防止剤(T11):5重量%以下特に0.05〜1重量%;
紫外線吸収剤(T12):5重量%以下特に0.05〜1重量%;
加水分解防止剤(T13):5重量%以下特に0.05〜1重量%;
抗菌/防黴剤(T14):10重量%以下特に0.01〜5重量%;
充填/着色剤(T2)の合計量:80重量%以下特に5〜70重量%;
充填剤(T21):80重量%以下特に5〜70重量%;
着色剤(T22):5重量%以下特に0.1〜3重量%;
難燃/可塑/離型剤(T3)合計 30重量%以下特に5〜25重量%;
難燃剤(T31):30重量%以下特に5〜25重量%;
可塑剤(T32):30重量%以下特に5〜20重量%;
離型剤(T33):5重量%以下特に0.1〜2重量%;
界面活性剤(T4)の合計量:5重量%以下特に0.1〜3重量%;
帯電防止剤(T41):5重量%以下特に0.1〜3重量%;
乳化剤(T42):5重量%以下特に0.1〜3重量%;
整泡剤(T43):5重量%以下特に0.1〜3重量%;
分散剤(T5):5重量%以下特に0.1〜3重量%;
触媒(T6):5重量%以下特に0.1〜3重量%;
発泡剤(T7)は、所定の密度を有する発泡ポリウレタン樹脂を与える量、用いられる。
本発明のポリオール組成物(A)は、ポリウレタン樹脂(U)の吸放湿性、染色性及び弾性回復率の観点から、アニオン性ジオール(A1)と他の活性水素含有化合物(A2)の合計モル数を基準として、アニオン性ジオール(A1)を少くとも15モル%、好ましくは30〜85モル%、更に好ましくは40〜70モル%の割合で含有する。
(A1)の含有量が15モル%未満であるとプロトン酸(塩)基含量が少なくなり、良好な吸放湿性、染色性を発現することが困難となる。
本発明のポリオール組成物(A)中の(A1)と(A2)の合計の含有量は、(A)の重量を基準として好ましくは5〜90重量%、更に好ましくは15〜80重量%である。
不活性溶媒(S)の含有量は、(A)の重量を基準として好ましくは5〜90重量%、更に好ましくは15〜80重量%、添加剤(T)の含有量は、好ましくは0.1〜30重量%、更に好ましくは3〜20重量%である。
本発明のポリオール組成物(A)は、100〜50,000mPa・s、特に500〜30,000mPa・sの粘度(温度25℃でのB型回転粘度計による測定値)を有することが好ましい。
本発明のポリオール組成物(A)の製造方法は特に制限されない。(A1)、(A2)並びに必要により(S)及び(T)を任意の順序で添加して混合してもよいし、一括して混合することもできる。
本発明のポリウレタン樹脂(U)は、前記アニオン性ジオール(A1)又はポリオール組成物(A)を含有する活性水素成分(H)と、ポリイソシアネート成分(B)とを反応させて得られる。
ポリイソシアネート成分(B)には、有機ポリイソシアネート(B1)及びイソシアネート基末端ウレタンプレポリマー(B2)が含まれる。
(B1)及び(B2)としては、従来ポリウレタン製造に使用されているものが使用できる。(B1)及び(B2)は、通常2〜5個又はそれ以上(好ましくは2〜3個特に2個)のイソシアネート基(NCO基)を有する。
(B1)には、C(NCO基中の炭素を除く、以下同様)2〜18の脂肪族ポリイソシアネート、C4〜15の脂環式ポリイソシアネート、C8〜15の芳香脂肪族ポリイソシアネート、C6〜20の芳香族ポリイソシアネート、及びこれらのポリイソシアネートの変性体(例えばカーボジイミド基、ウレタン基、ウレア基、イソシアヌレート基、ウレトイミン基、アロファネート基、ビウレット基、オキサゾリドン基及び/又はウレトジオン基を有する変性体)、並びにこれらの2種以上の混合物が含まれる。
C2〜18の脂肪族ポリイソシアネートには、ジイソシアネート、例えばエチレンジイソシアネート、テトラメチレンジイソシアネート、ヘキサメチレンジイソシアネート(HDI)、ドデカメチレンジイソシアネート、2,2,4−又は/又は2,4,4−トリメチルヘキサメチレンジイソシアネート、リジンジイソシアネート、2,6−ジイソシアナトエチルカプロエート、ビス(2−イソシアナトエチル)フマレート及びビス(2−イソシアナトエチル)カーボネート;及び3官能以上のポリイソシアネート(例えばトリイソシアネート)、例えば1,6,11−ウンデカントリイソシアネート、1,8−ジイソシアネート−4−イソシアネートメチルオクタン、1,3,6−ヘキサメチレントリイソシアネート、リジンエステルトリイソシアネート(リジンとアルカノールアミンとの反応生成物のホスゲン化物)、2−イソシアナトエチル−2,6−ジイソシアナトヘキサノエート、及び2−又は3−イソシアナトプロピル−2,6−ジイソシアナトヘキサノエートが含まれる。
C4〜15の脂環式ポリイソシアネートには、ジイソシアネート、例えばイソホロンジイソシアネート(IPDI)、ジシクロヘキシルメタン−4,4’−ジイソシアネート(水添MDI)、シクロヘキシレンジイソシアネート、メチルシクロヘキシレンジイソシアネート、ビス(2−イソシアナトエチル)−4−シクロヘキシレン−1,2−ジカルボキシレート及び2,5−又は2,6−ノルボルナンジイソシアネート;及び3官能以上のポリイソシアネート、例えばビシクロヘプタントリイソシアネートが含まれる。
C8〜15の芳香脂肪族ポリイソシアネートには、m−又はp−キシリレンジイソシアネート(XDI)、ジエチルベンゼンジイソシアネート及びα,α,α’,α’−テトラメチルキシリレンジイソシアネート(TMXDI)等が含まれる。
C6〜20の芳香族ポリイソシアネートには、ジイソシアネート、例えば1,3−又は1,4−フェニレンジイソシアネート、2,4−又は2,6−トリレンジイソシアネート(TDI)、4,4’−又は2,4’−ジフェニルメタンジイソシアネート(MDI)、4,4’−ジイソシアナトビフェニル、3,3’−ジメチル−4,4’−ジイソシアナトビフェニル、3,3’−ジメチル−4,4’−ジイソシアナトジフェニルメタン及び1,5−ナフチレンジイソシアネート;及び3官能以上のポリイソシアネート、例えば粗製TDI、粗製MDI(ポリメチレンポリフェニレンポリイソシアネート);並びに、ポリイソシアネートの変性体、例えば変性水添MDI(カルボジイミド変性水添MDI、トリヒドロカルビルホスフェート変性水添MDI)、ビウレット変性HDI、イソシアヌレート変性HDI及びイソシアヌレート変性IPDI等が含まれる。
イソシアネート基末端ウレタンプレポリマー(B2)は、前記高分子ポリオール(A21)及び/又は低分子ポリオール(A22)と過剰の(B1)とを用いて、1段法又は多段法により、ウレタン化反応を行なうことにより製造することができる。
(B2)の製造に際しての(B1)と(A21)及び/又は(A22)との当量比(NCO/OH比)は、通常1.1〜10、好ましくは1.4〜4、更に好ましくは1.4〜2である。更に、(B1)1当量に対して、0.1〜0.5当量、特に0.2〜0.4当量の(A21)、及び0又は0.01〜0.2当量、特に0.05〜0.15当量の(A22)を用いるのが好ましい。
(B2)は、ポリウレタン樹脂(U)の物性(例えば引張伸度)の観点から、通常150〜5,000、好ましくは200〜4,000、更に好ましくは300〜3,000、特に好ましくは350〜2,000のイソシアネート基当量(以下、NCO当量と略記)を有する。
本発明のポリウレタン樹脂(U)は、吸放湿性、染色性及び弾性回復率の観点から、アニオン性ジオール(A1)と他の活性水素含有化合物(A2)の合計モル数を基準として、アニオン性ジオール(A1)を少くとも15モル%、好ましくは30〜85モル%、更に好ましくは40〜70モル%の割合で含有する。
(A1)の含有量が15モル%未満であるとプロトン酸(塩)基含量が少なくなり、良好な吸放湿性、染色性及び弾性回復率を発現することが困難となる。
本発明の活性水素成分(H)とポリイソシアネート成分(B)とを反応させてポリウレタン樹脂(U)を製造する方法には、一段法(ワンショット法)及び二段法(プレポリマー法)が含まれる。
一段法は、(A1)又はポリオール組成物(A)と(B)とを同時に反応させてアニオン性基含有ポリウレタン樹脂(U)を製造する方法である。
プレポリマー法には、(1)イソシアネート末端プレポリマーを経由する方法及び(2)ヒドロキシ末端プレポリマーを経由する方法が含まれる。
(1)の方法には、(A21)及び/又は(A22)[好ましくは(A21)と(A22)の併用(重量比99/1〜50/50)]並びに必要により(A1)と過剰当量(前記NCO/OH比)の(B1)を反応させてなるイソシアネート末端プレポリマーを、活性水素成分(H)と反応させる方法が含まれる。
この方法においては、前記単官能活性水素含有化合物(A25)を反応停止剤として活性水素成分(H)中に含有させておいてもよく、またプレポリマーを(H)と反応(鎖伸長)させた後で(所定の分子量又は粘度に到達した段階で)反応停止剤を加えて反応停止させてもよい。
また、上記方法において、ブロックされた形(ケチミン−ブロック又はアルジミン−ブロックされた形)の前記(A232)を用い、これとプレポリマー[(A1)を構成単位として含むもの]からなる組成物を形成しておいて、基材に適用した後、加熱して遊離のアミノ基を再生させプレポリマーと反応させてポリウレタン樹脂(U)を製造してもよい。
(2)の方法には、(B1)と過剰当量(OH/NCO比率1.1〜10、好ましくは1.4〜4特に1.4〜2)のポリオール(A0)を反応させてなるヒドロキシ末端プレポリマーを含有するポリオール成分と、ポリイソシアネート成分(B)[(B1)及び/又は(B2)]と反応させてポリウレタン樹脂(U)を製造するに当り、プレポリマー製造に用いるポリオール(A0)の少くとも一部として、プレポリマーに加えて用いる成分の一部として、及び/又は(B2)の製造に用いるポリオールの少くとも一部として、(A1)を用いる方法が含まれる。
上記方法において、ポリイソシアネート成分(B)として、ブロックされた形のもの(ブロック体)を用い、これと前記ポリオール(A0)を反応させてなるヒドロキシ末端プレポリマーを含有するポリオール成分とからなる組成物を形成しておいて、基材に適用した後、加熱して遊離のイソシアネート基を再生させポリオール成分と反応させてポリウレタン樹脂(U)を製造してもよい。ブロック体形成に用いるブロッキング剤としては、例えば米国特許第4524104号明細書に記載の、フェノール、活性メチレン化合物(C−H酸化合物)、ラクタム、オキシム、亜硫酸塩、3級アルコール、2級芳香族アミン、イミド及びメルカプタンからなる群から選ばれる少くとも1種を用いることができる。
ポリウレタン樹脂(U)の製造において、活性水素成分(H)とポリイソシアネート成分(B)とのウレタン化反応に際し、NCO/活性水素含有基の当量比は通常0.6/1〜1.5/1、好ましくは、0.8/1〜1.2/1である。また、イソシアネートを大過剰(例えば当量比は通常1.5/1〜50/1又はそれ以上)に用いて、ポリイソシアヌレート樹脂を形成することもできる。
これらのポリウレタン樹脂(U)の製造方法において、前記添加剤(T)を含有するポリオール組成物(A)を使用することにより、ポリウレタン樹脂(U)に(T)を添加することができるが、(T)は製造の任意の段階で配合することができる。
例えば、一段法の場合、予め(A1)及び/又は(B)に添加ししてもよく、更に(A1)又は(A)と(B)との反応の反応前、反応中及び反応後のいずれの時期においても添加することができる。また、プレポリマー法の場合、プレポリマーに用いる各成分に予め添加してもよく、プレポリマー反応の反応前、反応中及び反応後のいずれの時期においても添加することができ、更にプレポリマーと(H)又は(B)との反応に際して、予め(H)又は(B)に添加してもよく、プレポリマー反応の反応前、反応中及び反応後のいずれの時期においても添加することができる。
上記ウレタン化反応は無溶媒で行ってもよいし、イソシアネート基に対して不活性な溶媒の存在下で行ってもよい。このような溶媒としては前記不活性溶媒(S)と同様のものが使用できる。
ウレタン化の反応温度は通常30〜180℃、好ましくは60〜120℃である。反応においては、通常のウレタン反応において用いられる触媒、例えば前記触媒(T6)の1種又は2種以上を用いてもよい。
ポリウレタン樹脂(U)のMnは、樹脂の用途及びタイプ(熱可塑性か熱硬化性か)により異なるが、一般に、樹脂物性及び耐久性の観点から少なくとも10,000、特に少なくとも30,000のMnを有することが好ましい。熱可塑性(線状、溶剤可溶性)ポリウレタン樹脂としては、200,000以下、特に50,000以上120,000以下のMnを有することが好ましい。熱硬化性(3次元構造、溶剤不溶性)ポリウレタン樹脂は上記範囲より高いMnを有する。
ポリウレタン樹脂(U)は、好ましくは0.01〜7ミリモル/g、特に0.1〜5ミリモル/gのプロトン酸(塩)基含量を有する。
(U)のソフトセグメント含有量[(A1)と(A2)と(B)との合計重量に対する、少なくとも250の水酸基当量を有するアニオン性ジオール(A1)と高分子ポリオール(A21)と高分子ポリアミン(A231)との合計重量の割合]は、好ましくは30〜90重量%、特に50〜80重量%である。
本発明のポリウレタン樹脂(U)は、親水性に起因する機能(例えば帯電防止性、親水性、吸湿性、吸放湿性及び防曇性)を有する樹脂、又はプロトン酸(塩)基に起因する機能(例えば染色性)を有する樹脂として単独で用いることができるが、更に熱可塑性樹脂の改質剤(例えば帯電防止性付与及び/又は親水性付与)としても用いることができる。
該熱可塑性樹脂には、例えばポリエステル樹脂、ポリアミド樹脂、ポリアクリル樹脂、ポリスチレン樹脂、ポリ塩化ビニル樹脂、(U)以外のポリウレタン樹脂、ABS樹脂、ポリオレフィン樹脂、ポリカーボネート樹脂及びセルロース誘導体が含まれる。
(U)を熱可塑性樹脂の改質剤として使用するときの配合割合は、熱可塑性樹脂の重量に基づいて、通常3〜80重量%、好ましくは20〜60重量%である。
(U)を改質剤として熱可塑性樹脂に混合し、成形する方法には、通常、(U)とペレット状又は粉末状の熱可塑性樹脂及び必要により他の添加剤[前記(T)と同様のもの]とを、混合機(例えばヘンシェルミキサー、タンブラー及びバンバリーミキサー)で所定濃度になるように配合し均一に混合後、押出機で加熱溶融混練して樹脂組成物を得た後、加圧成形機又は射出成形機等を用いて常法(射出成形、ブロー成形、インフレーション成形、押し出し成形、加圧成形及びキャスティング等)に従ってフィルム、シート等に成形加工する方法、並びに予め少量の熱可塑性樹脂に高濃度の(U)を配合したいわゆるマスターバッチを作製しておき、ついで(U)を含まない熱可塑性樹脂で所定濃度まで希釈してから上記と同様に成形する方法(マスターバッチ法)等が含まれ、作業性の観点から好ましいのは後者のマスターバッチ法である。
本発明のポリウレタン樹脂(U)を用いて、親水性等が付与された熱可塑性樹脂の用途には、産業資材用材料(各種パイプ、シート、フィルム、角材及び棒材等)、産業用資材[ケース、パレット、トレー、瓶ストッカー及び住宅建材(壁材、屋根材、床材等)等]、家庭用品(バケツ、ほうき及びゴミ箱等)、電化製品のハウジング(掃除機筐体、テレビ筐体及びコピー機筐体等)、自動車部材(バンパー、インパネ、ドアトリム等)、塗料並びに繊維及び繊維製品(糸、トウ、トップ、カセ、編織物及び不織布等)等が含まれる。
本発明のポリウレタン樹脂(U)が適用され、親水性等が付与された塗料の用途には、結露防止塗料、自動車用耐チッピング塗料、電線用コーティング剤及びプレコートメタル用塗料等が含まれる。 該塗料は、本発明のポリウレタン樹脂(U)、顔料、無機充填剤、塗料用溶媒及びその他の樹脂等を混合して得られる。該塗料における(U)の含有量は該塗料の全重量に基づいて少なくとも10重量%、好ましくは20〜80重量%である。
顔料には、無機顔料[例えば酸化チタン、カーボンブラック、ベンガラ、オキサイドイエロー及び前記(T22)で例示したもの]、及び有機顔料[例えばフタロシアニンブルー、フタロシアニングリーン及び前記(T22)で例示したもの]が含まれる。
無機充填剤には、前記(T21)で例示したものの内の無機充填剤と同様のものが含まれる。
塗料用溶媒にはトルエン、キシレン、メチルエチルケトン、シクロヘキサン、メタノール及び水等が含まれる。
その他の樹脂には、前記熱可塑性樹脂として例示したものの他に、フェノール樹脂、ケトン樹脂、合成ゴム(スチレン−ブタジエンゴム、イソプレンゴム等)、不飽和ポリエステル樹脂、エポキシ樹脂、メラミン樹脂、尿素樹脂及びロジン樹脂等の天然樹脂が含まれる。
上記顔料等の使用量は、塗料の全重量に基づいてそれぞれ顔料は通常5重量%以下、好ましくは0.1〜3重量%;無機充填剤は、通常30重量%以下、好ましくは5〜20重量%;塗料用溶媒は、通常90重量%以下、好ましくは20〜70重量%;その他の樹脂は、通常90重量%以下、好ましくは20〜70重量%である。
また、該塗料には必要により、レベリング剤、タレ防止剤、消泡剤、界面活性剤、硬化促進剤、ハジキ防止剤、顔料分散剤及び帯電防止剤等の各種助剤を併用することができる。
レベリング剤には、例えばフッ素系界面活性剤、変性シリコーン樹脂、フッ化ポリオレフィン、ポリビニルブチラール及びポリアクリレートが含まれる。
タレ防止剤には、無機系(例えば合成微粉シリカ、ベントナイト及び極微細表面処理炭酸カルシウム)及び有機系[例えば水添ヒマシ油ワックス、金属石鹸(ステアリン酸カルシウム及びステアリン酸アルミニウム等)、ジベンジリデンソルビトール及び植物油系重合油]が含まれる。
消泡剤には、低分子系[例えば低級アルコール(C1〜6、例えばメタノール、エタノール及びブタノール)、高級アルコール(C8〜18、例えばオクチルアルコール及びヘキサデシルアルコール)、油脂、脂肪酸(C8〜20、例えばオレイン酸及びステアリン酸)、脂肪酸エステル(C10〜30、例えばグリセリンモノラウレート)、リン酸エステル(例えばトリブチルホスフェート)及び鉱物油]及び高分子系[例えばポリエーテル(例えばポリオキシアルキレングリコール誘導体)及びシリコーン(例えばジメチルシリコーンオイル、有機変性シリコーンオイル、フルオロシリコーンオイル及びシリカ・シリコーンコンパウンド)]が含まれる。
硬化促進剤には、前記(T6)で例示した触媒と同様のものが含まれる。
ハジキ防止剤には、例えばシリコーン樹脂、アクリルオリゴマー[例えば(メタ)アクリル酸オリゴマー及び(メタ)アクリル酸/(メタ)アクリル酸エステル共重合オリゴマー]、ポリカルボン酸塩及び非シリコーン系界面活性剤が含まれる。
顔料分散剤には、高分子型[例えば水系(例えばナフタレンスルホン酸塩のホルマリン縮合物、ポリスチレンスルホン酸塩、ポリアクリル酸塩、ビニル化合物とカルボン酸モノマーとの共重合物の塩、カルボキシメチルセルロース及びポリビニルアルコール)及び非水系[例えばポリアクリル酸部分アルキルエステル及びポリアルキレンポリアミン]、低分子型(例えば前記界面活性剤)及び無機型(例えばポリリン酸塩)が含まれる。
帯電防止剤には、前記(T41)で例示したものと同様のものが含まれる。
上記各種助剤の使用量は、塗料の全重量に基づいてレベリング剤、タレ防止剤、消泡剤、ハジキ防止剤及び顔料分散剤は、それぞれ通常10重量%以下、好ましくは1〜7重量%;硬化促進剤は、通常1重量%以下、好ましくは0.01〜0.5重量%;及び帯電防止剤は、通常5重量%以下、好ましくは0.1〜3重量%である。
本発明のポリウレタン樹脂(U)を用いた塗料は公知の方法で製造することができる。例えば上記各成分を通常の混合装置(デイスパー、三本ロール、ボールミル、スチールミル、ペブルミル、アトライター、サンドミル、サンドグラインダー、ロールミル、ポットミル及び羽根付高速撹拌機等)を用いて混合し、塗料化する。
本発明のポリウレタン樹脂(U)を、単独又は他の繊維形成性樹脂に含有させて紡糸することにより吸放湿性及び/又は染色性に優れ、かつ繊維特性にも優れる吸放湿性及び/又は染色性繊維を得ることができる。また、本発明のポリウレタン樹脂(U)は、弾性回復率等の伸縮特性にも優れるため、特に弾性繊維に好適である。
他の繊維形成性樹脂に含有させる場合の(U)の割合(混合割合)は、他の繊維形成性樹脂の重量に対して吸放湿性及び/又は染色性の観点から好ましい下限は3重量%、更に好ましくは7重量%であり、紡糸性及び繊維物性の観点から好ましい上限は40重量%、更に好ましくは30重量%である。
上記他の繊維形成性樹脂には、例えばポリオレフィン(ポリエチレン及びポリプロピレン等)、ポリアミド(6−ナイロン及び6,6−ナイロン等)、ポリエステル(ポリエチレンテレフタレート及びポリブチレンテレフタレート等)等が含まれる。
繊維の形態には、(U)単独繊維、(U)と上記他の繊維形成性樹脂を任意の割合で用いた複合繊維[芯鞘型複合繊維、芯鞘型複合中空繊維、カバーリング糸{被覆糸が(U)を中心部に包み込んだ形態の加工糸、例えばシングルカバードヤーン(SCY)、ダブルカバードヤーン(DCY)等}、海島型複合繊維、張り合わせ型複合繊維等]が挙げられる。
複合比率(重量比)については、例えば芯鞘型複合繊維、芯鞘型複合中空繊維及びカバーリング糸の場合は、芯部の(U)と鞘部の他の繊維形成性樹脂との複合比率は、好ましくは芯部/鞘部=3/97〜40/60、更に好ましくは7/93〜30/70である。該複合比率は、染色用途及び非染色用途で任意に選ぶことができる。芯部の複合比率の下限は吸放湿性及び/又は染色性付与の観点から設定され、複合比率の上限は紡糸性及び繊維物性の観点から設定される。
また、海島型複合繊維あるいは張り合わせ型複合繊維においても、島部の(U)と海部の他の繊維形成性樹脂との複合比率は好ましくは3/97〜40/60、更に好ましくは7/93〜30/70である。島部の複合比率の下限は吸放湿性及び/又は染色性付与の観点から設定され、複合比率の上限は紡糸性及び繊維物性の観点から設定される。
(U)単独繊維、又は(U)と他の繊維形成性樹脂との複合繊維の製法としては、従来公知の方法を用いることができるが、以下に代表して芯鞘型複合繊維の場合を例に説明する。
ポリエステル(鞘部)と(U)(芯部)をそれぞれ個別に溶融し、紡糸パックに導き口金装置内で芯鞘複合流を形成し、吐出孔から紡出する。
紡出したフィラメント糸を所定の速度で引取った後、一旦パッケージに巻き上げ、得られた未延伸糸を通常の延伸機にて延伸する。また、この延伸は紡出糸を引き取った後、巻き上げることなく一挙に延伸してもよい。即ち、4,000m/分以上の高速で引き取り、実質的に延伸して一挙に所望の繊維性能を得る方法を採ってもよい。
上記複合繊維の断面における複合の形態は、同心円状でも偏心円状でも多島状でもよく、繊維断面形状は丸ばかりでなく、三角、偏平、多葉型等の異形断面でもよい。
本発明の繊維からなる繊維製品には、糸、トウ、トップ、カセ、布帛、不織布等が含まれる。
繊維製品の内、布帛においては、本発明の繊維は、単独で編織されることはほとんどなく、絹、綿、羊毛等の天然繊維や、ナイロン、ポリエステル、レーヨン等の合成繊維と交編織されたり、又はこれらの繊維で被覆、交絡、合撚等の加工をした糸を交編織して布帛とされる。該繊維の糸状形態は、フィラメント、ステープルのどちらでもよく、常法によって得ることができる布帛の形態としては、編物、織物があり、編物ではシングルの天竺組織、鹿子組織ダブルのリブ、スムース、ピッケ組織等変化組織、トリコットのハーフ組織等変化組織、ラッセルのパワーネット組織、サテン組織、チュール組織、織物では平織、斜紋織、朱子織等の変化組織、等いずれの構造でも使用目的に合わせて選択することができる。布帛伸度は編物の場合、伸度を必要とする方向に30〜300%、織物の場合は5〜100%、又は2方向に伸縮性を示すものが好ましい。
上記繊維製品の内、布帛の用途には、衣料(レッグ衣料、インナー衣料、スポーツ衣料等)、医療用具(包帯、テーピング等)が含まれる。
レッグ衣料には、ストッキング、靴下、タイツ等、インナー衣料としては肌着、ショーツ、ボディーファー等、スポーツ衣料としてはスパッツ、レオタード等が含まれ、肌を外気から遮断し、保温することや、保形や身体の肉を抑える目的等で使用される。本発明の繊維は、帯電防止の効果も有することから、例えば静電気が発生してパンティストッキングの周りにスカートがまとわりついたり、摩擦による静電気ショックが起こることを抑制することができる。
また、不織布の用途としては、テーブルクロス、ナプキン、カーペット、合成皮革、人工皮革等が挙げられる。
更に、ポリウレタン樹脂(U)は、単独で、又は他のシート形成性樹脂に含有させることにより吸放湿性及び染色性に優れ、かつシート特性にも優れる吸放湿性・染色性シートを得ることができる。
他のシート形成性樹脂に含有させる場合の(U)の割合は、全ポリマーの重量に対して吸放湿性の観点から好ましい下限は3重量%、更に好ましくは7重量%であり、シート物性の観点から好ましい上限は40重量%、更に好ましくは30重量%である。
上記他のシート形成性樹脂には、ポリオレフィン(ポリエチレン及びポリプロピレン等)、ポリアミド(6−ナイロン及び6,6−ナイロン等)、ポリエステル(ポリエチレンテレフタレート及びポリブチレンテレフタレート等)等が含まれる。
本発明のシートからなる製品としては、合成皮革、人工皮革等が挙げられる。合成皮革や人工皮革を製造する方法としては、従来公知の方法でよく、例えば乾式処理法及び湿式処理法が挙げられる。
乾式処理法には、例えば、基材に発泡剤を添加したポリウレタン樹脂溶液をコーティングし、これを炉の中で高温加熱して発泡剤を分解発泡させてスポンジ層を形成し、その上にポリウレタン樹脂溶液を塗布して表面に緻密なスキン層を作る方法が含まれる。
湿式処理法には、例えば特開昭54−38996に記載の方法(例えば、ポリウレタン樹脂溶液を塗布した基材を凝固浴へ浸漬する方法及び水蒸気により部分的に凝固させ次いで凝固浴へ浸漬させる方法等)が含まれる。ポリウレタン樹脂を凝固させるための凝固浴には、水及びメタノール等、ポリウレタン樹脂が溶解しない溶剤又は貧溶剤が含まれる。
該シートの用途には、鞄、ベルト、衣料、家具及び自動車シート等が含まれる。
以下、実施例により本発明を更に説明するが、本発明はこれに限定されるものではない。尚、以下において部は重量部を表す。
実施例1
撹拌機、温度計及び還流冷却管の付いた反応容器に5−スルホイソフタル酸ジメチルナトリウム塩298部、PEG(水酸基当量=500)2004部及びDMA1883部及びチタンビス(トリエタノールアミネート)1.15部を仕込んで、140〜160℃でエステル交換反応を行い、生成したメタノールを除去し、5−スルホイソフタル酸ポリオキシエチレングリコールジエステルナトリウム塩(A1−1)を得た。
撹拌機、温度計の付いた別の反応容器に(A1−1)90.2部、EG14.5部、PTMG(水酸基当量=1,000)91.2部及びPTMG(水酸基当量=1,450)22.5部を仕込み、均一混合してポリオール組成物(A−1)を得た。ここに4,4’−ジフェニルメタンジイソシアネート82.7部及びDMA700部を加え、60℃で反応させてポリウレタン樹脂(U−1)の30重量%溶液を得た。
得られたポリウレタン樹脂(U−1)のMnは55,000であった。(U−1)の30重量%溶液をガラス板上に流延して減圧(0.005MPa)下、70℃で3時間乾燥し、膜厚200μmのシートを得た。
実施例2
撹拌機、温度計及び還流冷却管の付いた反応容器に5−スルホイソフタル酸ジメチルナトリウム塩298部、PEG(水酸基当量=1,000)3992部及びDMA4290部及びチタンビス(トリエタノールアミネート)2.14部を仕込んで、140〜160℃でエステル交換反応を行い、生成したメタノールを除去し、5−スルホイソフタル酸ポリオキシエチレングリコールジエステルナトリウム塩(A1−2)を得た。
撹拌機、温度計の付いた別の反応容器に(A1−2)85.1部、EG11.6部、PTMG(水酸基当量=1,000)97.2部及びPTMG(水酸基当量=1,450)23.9部を仕込み、均一混合してポリオール組成物(A−2)を得た。ここに4,4’−ジフェニルメタンジイソシアネート82.7部及びDMA700部を加え、60℃で反応させてポリウレタン樹脂(U−2)の30重量%溶液を得た。
得られたポリウレタン樹脂(U−2)のMnは58,000であった。(U−2)の30重量%溶液をガラス板上に流延して減圧(0.005MPa)下、70℃で3時間乾燥し、膜厚200μmのシートを得た。
実施例3
撹拌機、温度計の付いた別の反応容器に上記(A1−1)72.3部、EG14.5部、PTMG(水酸基当量=1,000)105.6部及びPTMG(水酸基当量=1,450)26.0部を仕込み、均一混合してポリオール組成物(A−3)を得た。ここに4,4’−ジフェニルメタンジイソシアネート82.7部及びDMA700部を加え、60℃で反応させてポリウレタン樹脂(U−3)の30重量%溶液を得た。
得られたポリウレタン樹脂(U−3)のMnは56,000であった。(U−3)の30重量%溶液をガラス板上に流延して減圧(0.005MPa)下、70℃で3時間乾燥し、膜厚200μmのシートを得た。
実施例4
撹拌機、温度計の付いた別の反応容器に上記(A1−1)107.4部、EG14.5部、PTMG(水酸基当量=1,000)71.8部及びPTMG(水酸基当量=1,450)24.3部を入仕込み、均一混合してポリオール組成物(A−4)を得た。ここに4,4’−ジフェニルメタンジイソシアネート82.7部及びDMA700部を加え、60℃で反応させてポリウレタン樹脂(U−4)の30重量%溶液を得た。
得られたポリウレタン樹脂(U−4)のMnは52,000であった。(U−4)の30重量%溶液をガラス板上に流延して減圧(0.005MPa)下、70℃で3時間乾燥し、膜厚200μmのシートを得た。
比較例1
撹拌機、温度計及び還流冷却管の付いた反応容器に5−スルホイソフタル酸ジメチルナトリウム塩148部、EG65.1部、DMA820部及び酢酸マンガン0.4部を仕込み、140〜160℃でエステル交換反応を行い、生成したメタノールを除去し、EG含有量0.3重量%、DMA81.9重量%、5−スルホイソフタル酸エチレングリコールジエステルナトリウム塩17.8重量%からなる組成物(R−1)を得た。
撹拌機、温度計及び還流冷却管の付いた別の反応容器に上記(R−1)137.7部、EG3.85部、PTMG(水酸基当量=1,000)65.0部及びPTMG(水酸基当量=1,450)16.1部を仕込んみ、均一混合して組成物(R−2)を得た。ここに4,4’−ジフェニルメタンジイソシアネート73.5部及びDMA700部を加え、60℃で反応させてポリウレタン樹脂(U’−1)の30重量%溶液を得た。得られたポリウレタン樹脂(U’−1)のMnは48,000であった。(U’−1)の30重量%溶液をガラス板上に流延して減圧(0.005MPa)下、70℃で3時間乾燥し、膜厚200μmのシートを得た。
上記実施例1〜4及び比較例1で得られた各シートについて以下の方法により、吸湿率、破断強度、破断伸度及び弾性回復率を測定した結果を表1に示す。
1.吸湿率の測定
上記シートを幅5cm、長さ10cmに切り抜いて試験片を作製し、105℃の恒温乾燥機内に1.5時間静置後、取り出して乾燥剤入りデシケーター内に30分静置して20℃に冷却した後に重量を測定してこの値を絶乾時の重量(W0)とした。続いて試験片を温度20℃、相対湿度65%の雰囲気下で24時間静置した後に重量を測定してこの値をW1として、下式から温度20℃、相対湿度65%の雰囲気下での24時間静置後の吸湿率(a)を算出した。
吸湿率(a)=(W1−W0)/W0×100
また、吸湿の際の雰囲気を、「温度20℃、相対湿度65%」から「温度20℃、相対湿度95%」に変更する以外は上記と同様にして、温度20℃、相対湿度95%の雰囲気下で24時間静置した後の重量(W2)を測定して、下式から温度20℃、相対湿度95%の雰囲気下での24時間静置後の吸湿率(b)を算出した。
吸湿率(b)=(W2−W0)/W0×100
2.フィルムの強伸度物性の測定方法
上記で得られたフィルムを温度25℃、湿度65%RHに調整した室内に1日間静置した後、JIS K 6251に従い、破断強度及び破断伸度を測定した。
3.弾性回復率の測定方法
上記で得られたフィルムから、縦100mm×横5mmの短冊状の試験片を切り出して標線間距離が50mmとなるように標線をつけた。この試験片をインストロン型引張り試験機(島津製作所製オートグラフ)のチャックにセットして、25℃の雰囲気下、500mm/分の一定速度で標線間の距離が300%になるまで伸長後、直ちに同じ速度で伸長前のチャック間の距離まで戻す操作を行った。この操作時の伸長過程における150%伸長時の応力(M1)と戻り過程における150%伸長時の応力(M2)を測定し、次式から弾性回復率を求めた。
弾性回復率(%)=M2/M1×100
この値が大きい程、衣料用の弾性繊維に使用したときのフィット性が良好である。
Figure 2014043490
本発明のアニオン性ジオール(A1)を使用したポリウレタン樹脂(U)吸放湿性・染色性に優れ、かつ弾性回復率等の伸縮特性にも優れるため、(U)単独で又は他の熱可塑性樹脂を併用することにより、産業資材用材料(各種パイプ、シート、フィルム、角材及び棒材等)、産業用資材[ケース、パレット、トレー、瓶ストッカー及び住宅建材(壁材、屋根材、床材等)等]、家庭用品(バケツ、ほうき及びゴミ箱等)、電化製品のハウジング(掃除機筐体、テレビ筐体及びコピー機筐体等)、自動車部材(バンパー、インパネ、ドアトリム等)、塗料並びに繊維及び繊維製品(糸、トウ、トップ、カセ、編織物及び不織布等)等に使用することができる。

Claims (10)

  1. 一般式(1)で表されるポリウレタン樹脂形成用アニオン性ジオール(A1)。
    Figure 2014043490
    [式中、m及びnはそれぞれ独立に5〜100の整数;A1及びA2はそれぞれ独立に炭素数2〜20の2価の炭化水素基であり、m個のA1はそれぞれ同一でも異なっていてもよく、n個のA2は同一でも異なっていてもよく;Q-は−10〜4のpKaを有するプロトン酸のアニオン性基;hは1又は2;Mh+はh価のカチオン;jは1〜4の整数;Zはj個のプロトン酸(塩)基{−Q-(Mh+1/h}を有するジカルボン酸(a1)からj個のプロトン酸(塩)基及び2個のカルボキシル基を除いた残基を表す。]
  2. 前記Q-が、−SO3 -、−O−SO3 -又は−NH−SO3 -である請求項1記載のアニオン性ジオール。
  3. 前記ジカルボン酸(a1)が、5−スルホ−イソフタル酸又はその塩である請求項1又は2記載のアニオン性ジオール。
  4. 請求項1〜3のいずれか記載のアニオン性ジオールと他の活性水素含有化合物(A2)を含有してなり、前記アニオン性ジオールと前記(A2)の合計モル数を基準として前記(A1)を15モル%以上含有し、前記(A2)が少なくとも250の水酸基当量を有する高分子ポリオール(A21)、250未満の当量を有する低分子ポリオール(A22)、ポリアミン(A23)、アミノアルコール(A24)及び単官能活性水素含有化合物(A25)からなる群から選ばれる少なくとも1種であるポリウレタン樹脂形成用ポリオール組成物(A)。
  5. 更に不活性溶媒(S)及び/又は添加剤(T)を含有する請求項4記載のポリオール組成物。
  6. 請求項1〜3のいずれか記載のアニオン性ジオール又は請求項4若しくは5記載のポリオール組成物を含有する活性水素成分(H)と、ポリイソシアネート成分(B)とを反応させて得られるポリウレタン樹脂(U)。
  7. 前記プロトン酸(塩)基の含有量が、ポリウレタン樹脂(U)の重量を基準として0.01〜7ミリモル/gである請求項6記載のポリウレタン樹脂。
  8. 請求項6又は7記載のポリウレタン樹脂を用いてなる吸放湿性及び/又は染色性を有するシート。
  9. 請求項6又は7記載のポリウレタン樹脂を用いてなる吸放湿性及び/又は染色性を有する繊維。
  10. 請求項6又は7記載のポリウレタン樹脂を用いてなる吸放湿性及び/又は染色性を有する繊維製品。
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