JP2014043289A - シート排出装置及び画像形成装置 - Google Patents

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Abstract

【課題】上向きカールしているシートをシート積載手段に積載する場合であっても、その積載枚数の減少を抑制することが可能なシート排出装置及び画像形成装置を提供する。
【解決手段】シート排出部500は、上下一対の排出ローラ521及び排出対向ローラ522から構成され、シートを排出口510から排出する排出ローラ対520と、シート排出方向上流側に下降するように傾斜し、排出ローラ対520により排出されたシートS1が積載されるシート積載部560とを備えている。またシート排出部は、シート積載部に積載されたシートのシート排出方向上流側を整列させる整列壁部550と、シート積載部に積載されたシートの、シート排出方向と直交する幅方向の両端部近傍に対応する位置にて排出対向ローラ522の上端部と排出対向ローラの下端部との間からシート排出方向下流側に延出するシート規制部材580とを備える。
【選択図】図2

Description

本発明は、シートを排出するシート排出装置、及びシート排出装置を備えた画像形成装置に関する。
従来、シートに画像を形成する画像形成装置には、画像形成後のシートを排出口から排出するシート排出部が備えられている。シート排出部には、シートを排出する排出口と、排出口近傍に配置され、上下一対のローラで構成される排出ローラ対と、排出ローラ対によって排出されたシートが順次積載される積載トレイとが設けられている。シート排出部には、順次排出されるシートを整列させながら所定枚数を積載トレイ上に積載させる機能が求められる。
しかし、排出されるシートの剛度(剛性)が低い(腰が無い)場合、積載トレイ上の排出口に近い位置にシートが着地することがある。その場合、積載トレイに対してシートの突入角が急になり、すでに積載トレイに積載されているシートに引っ掛かって丸まってしまったり、積載トレイ上の積載シートの整列を乱してしまったりするなどの搬送不良を発生するおそれがある。
この課題に対して、排出されるシートの表面及び裏面からシートに波形状に腰を付け、シートがシート積載部に着地する距離を延ばし、シートのシート積載部への突入角を小さくする機構を用いたものがある(特許文献1参照)。
この機構に対応する一例を、図7に示す。図7(a)はシート排出部の断面図であり、図7(b),(c)は、シート排出部を図7(a)における矢印Y方向から見た状態で示す矢視図である。
図7(c)では、シートの腰付けの様子が分かるように、図7(b)に対して満載検知フラグ8a,8bを図示していない。また、図7(b)では、シート積載部60上に積載されたシートの満載状態を検知して、シートの排出動作が停止された様子を示している。図7(c)では、シート積載部60上に積載されたシートが満載まで達していないときの様子を示している。なお、図中のシートは、シート積載部60上に積載されたシートをS、排出動作中のシートをS1と示す。
はじめに、排出ローラ対によりシートに腰付けを行う構成について説明する。図7(a)に示すように、排出口1に排出ローラ21と排出対向ローラ22とは、オーバーラップするように配置されている。また、図7(b),(c)に示すように、排出ローラ21と排出対向ローラ22とは、シート排出方向と直交する幅方向において上下で互い違いとなるように(櫛歯状に)配置されている。これら排出ローラ21及び排出対向ローラ22は、不図示の駆動源より動力を受け、それぞれ独立して回転する。
以上の構成により、図7(a)に示す搬送ガイド30を通って搬送されてきたシートS1は、図7(c)に示すように、櫛歯状の排出ローラ21及び排出対向ローラ22を通る際にシート幅方向に波形状の腰が付けられる。この腰付けにより、シートS1は剛性が強くなり、シートS1の先端が垂れ下がりにくくなる。そのため、シートS1の先端がシート積載部60に着地する距離を延ばすことができ、シートS1のシート積載部60への突入角が急になることが防止される。
また、シートS1の先端の垂れ下がりは、幅方向の両端部から発生することが多いため、排出対向ローラ22をシートS1の両端部近傍にも配置し、シートS1の両端部を下方より持ち上げ、シートS1の垂れ下がりを防止している。
次に、シート積載部上に積載されたシートの満載状態を検知する機構について説明する。シート積載部上に積載されたシートSの満載は、満載検知フラグ8を用いて検知している。満載検知フラグ8は、中央部のフラグ8aと、シートSの両端上部に配置される2つのフラグ8bとの計3つのフラグを一体的に備えている。
シート積載部60上のシートSが所定高さまで積載されると、フラグ8a及びフラグ8bがシートSに接触し始める。そして、シートSがシート積載部60におけるシートSの満載状態を検知する高さ(以下「満載検知ポイント7」という)まで積載されると、満載検知フラグ8が「満載状態」を検知し、不図示の制御部によりシートの排出動作が停止される。
ここで、満載検知ポイント7は、シート積載部60上のシートSの特に両端部が排出対向ローラ22と接触しないように、排出対向ローラ22よりも下側に設けられている。シート積載部60上シートSが排出対向ローラ22に接触すると、回転する排出対向ローラ22がシートSの端部を汚してしまったり、傷つけたりしてしまう。これらの場合、排出対向ローラ22がシートSを装置内部に巻き込むおそれがある。
次に、カールしたシートに対して、満載状態を検知する方法について説明する。画像が形成されたシートは、図7(b)に示すように、積載されたシートSの両端部が装置上方向にカールする場合がある(以下「上向きカール」という)。この場合、積載されたシートSが排出対向ローラ22と接触する前に満載検知フラグ8で満載状態を検知するために、満載検知フラグ8はフラグ8bを使って、積載されたシートSの両端部で満載状態を検知する(特許文献2参照)。
図7(a)〜(c)における符号h1はシートSの中央部の積載高さを示し、h2は、上向きカールしたシートSの端部での積載高さを示している。上向きカールしたシートがシート積載部に積載されている場合、h2が満載検知ポイント7に達したときに、シートの排出が止まる。このように、上向きカールしたシートSの端部が排出対向ローラ22に接触する前に排出動作を停止し、シート端部の汚れや傷の防止、及び装置内部への巻き込みを防いでいる。
次に、腰付けに関する別の例を示す。上述の先行例で、排出されるシートの腰付けを行う例として図8に示す構成もある。図8(a),(b)は、図7におけるY矢視図に相当し、図8(b)ではシートの腰付けの様子が分かるように、図8(a)に対して満載検知フラグ8を図示していない。なお、図8(a),(b)において、図7と同じ部品、並びに同じ機能を果たす部品に関しては同一の符号で示し、その説明を省略する。
図8の画像形成装置のシート排出部では、図8(b)に示すように、排出ローラ24と排出対向コロ25とが、櫛歯状ではなく対向配置されて互いに圧接され、5組のニップローラを形成している。シート幅方向において、5組の対になった排出ローラ24と排出対向コロ25との間には、腰付け部材23が配置されている。
腰付け部材23は、先端に回転自在に支持されたコロ23aを有し、コロ23aの上端が5組の排出ローラ24と排出対向コロ25との接触点を結ぶ直線よりも、図8(b)における上方に突出している。
上述の構成により、排出されるシートS1は、図8(b)示すように、幅方向で波打ち、腰付けされる。また、排出ローラ24と排出対向コロ25をシートSの幅方向の両端部にも位置させ、シートS1の両端部を下方より支持し、シートS1の垂れ下がりを防止している。
特開平11−322151号公報 特開平10−120295号公報
しかし、上記の例では、上向きカールしたシートが積載される場合、積載されたシートSの両端部の積載高さ(図7、図8のh2)で満載状態を検知するため、積載されたシートSのカール量に応じて、シートの積載高さ(図7、図8のh1)が低くなる。すなわち、上向きカールしたシートが積載される場合、上向きカールしていないシートが積載される場合と比べて、h2−h1分の積載枚数が減少してしまうという課題があった。
本発明は、上向きカールしているシートがシート積載手段に積載される場合においても、その積載枚数の減少を抑制することが可能なシート排出装置、及びこのシート排出装置を備えた画像形成装置を提供することを目的とする。
本発明は、シート排出装置において、上下一対の上側ローラ及び下側ローラから構成され、シートを排出口から排出する排出ローラ対と、シート排出方向上流側に下降するように傾斜し、前記排出ローラ対により排出されたシートが積載されるシート積載手段と、前記シート積載手段に積載されたシートのシート排出方向上流側を整列させる整列壁部と、前記シート積載手段に積載されたシートの、シート排出方向と直交する幅方向の両端部近傍に対応する位置にて前記下側ローラの上端部と前記下側ローラの下端部との間からシート排出方向下流側に延出するシート規制部材と、を備えることを特徴とする。
本発明によると、シート規制部材が、積載されたシートの幅方向の両端部近傍に対応する位置にて下側ローラの上端部と下側ローラの下端部との間からシート排出方向下流側に延出している。このため、シート積載手段に排出されて整列壁部側に移動するシートの幅方向の両端部を整列壁部に向けて円滑に潜り込ませることができる。これにより、上向きカールしているシートをシート積載手段に積載する場合であっても、その積載枚数の減少を抑制し、従来に比して多くのシートを積載することが可能になる。
本発明に係る第1の実施形態における画像形成装置を示す図である。 (a)〜(c)は第1の実施形態における画像形成装置のシート排出部を示す図である。 (a)〜(c)は第1の実施形態におけるシート排出の様子を示す図である。 (a),(b)は排出ローラ対の構成が異なる変形例を示す図である。 (a),(b)は押し付け部材と満載検知フラグが一体となっている変形例を示す図である。 (a),(b)は本発明に係る第2の実施形態における画像形成装置のシート排出部を示す図である。 (a)〜(c)は従来技術を用いたシート排出部の一例を示す図である。 (a),(b)は従来技術を用いたシート排出部の別例を示す図である。
<第1の実施形態>
以下、本発明に係る実施形態について図面を用いて詳細に説明する。まず、図1を用いて、本発明のシート排出装置を備えた画像形成装置について説明する。なお、図1は、本発明に係る第1の実施形態の画像形成装置を示す概略断面図である。
図1に示すように、画像形成装置90は、画像形成装置本体(以下「装置本体」という)90aを備えている。装置本体90aは、給送部100と、給送部100の上方に配置された画像形成部200と、画像形成部200の上方に位置して静電潜像を形成するレーザ光を出力するレーザスキャナ300とを有している。さらに、装置本体90aは、装置各部を統括的に制御する制御手段としての制御部97を有している。
また、シートに画像を形成する画像形成部200のシート搬送方向下流側には、定着装置400が配置されており、定着装置400の下流側には、シート排出部500が配置されている。このシート排出部500は、画像形成部200により画像が形成されたシートSを排出する本発明のシート排出装置を構成する。
給送部100には、複数枚のシートSを収納可能なシートカセット110が上下二段に配置されている。各シートカセット110の前側上部には、それぞれピックアップローラ119が配置されている。各ピックアップローラ119のシート給送方向下流には、それぞれピックアップローラ119により供給されたシートSを1枚ずつ分離しながら送り出す分離給送部120が配置されている。
画像形成部200は、シートカセット110から送り出されて搬送されるシートSに画像を形成する。画像形成部200は、像担持体としての感光体ドラム210と、感光体ドラム210に接するように対向配置された転写ローラ220とを有している。
シートカセット110に収納されたシートSは、ピックアップローラ119及び分離給送部120により送り出され、画像形成のために画像形成部200へ搬送される。画像形成部200では、レーザスキャナ300によって感光体ドラム210上に静電潜像が形成され、この静電潜像にトナーが付着されて、静電潜像が画像として顕在化する。そして、感光体ドラム210上の画像が、感光体ドラム210と転写ローラ220との転写ニップ部に搬送されたシートSに未定着トナー像として転写される。
未定着トナー像を転写されたシートSは、定着装置400内へ搬送され、定着装置400により加熱及び加圧されることにより未定着トナー像を定着される。この際、定着装置400内では、加熱装置及び加圧ローラによってシート上に画像が定着される。定着装置で画像定着されたシートSは、シート排出部500に搬送され、シート排出方向Aへと排出されてシート積載部560上に積載される。シート積載部560は、シート排出方向上流側に下降するように傾斜し、排出ローラ対520により排出されたシートSが積載されるシート積載手段を構成する。
次に、本実施形態における画像形成装置90のシート排出部500について詳細に説明する。なお、図2は、本発明に係る第1の実施形態における画像形成装置のシート排出部を示す図である。図2(a)は画像形成装置のシート排出部の断面図、図2(b)、図2(c)はシート排出部を図2(a)中に記載の矢印Y方向から見た矢視図である。
図2(b)では、シート積載部560上に積載されたシートの満載状態を検知して、シートの排出動作が停止した様子を示している。図2(c)では、シート積載部560上に積載されたシートが満載まで達していないときの様子を示している。この図2(c)は、シートS1の腰付けの様子がよく分かるように、図2(b)における満載検知フラグ540及び押し付け部材591を図示省略して示している。なお、図2(a)〜(c)では、シート積載部560上に積載されたシートをS、排出動作中のシートをS1として示す。
まず、シート排出部500に関する構成について説明する。シートは、定着装置400から搬送ガイド600を通り、シート排出部500へと搬送される。図2(a)に示すように、シート排出部500には排出口510が設けられており、この排出口510には、シートを排出口510から排出する排出ローラ対520が配置されている。
排出ローラ対520は、排出口510内(排出口内)に配置された上下一対の排出ローラ(上側ローラ)521と排出対向ローラ(下側ローラ)522とから構成される。
図2(b),(c)に示すように、排出ローラ521は、軸部材521aと、軸部材521aの軸方向に所定間隔離して取り付けられた複数(本実施形態では3個)のローラ本体521bとを有している。軸部材521aは、不図示の回転支持部によって両端部を回転自在に支持されている。排出対向ローラ522は、軸部材522aと、軸部材522aの軸方向に所定間隔離して取り付けられた複数(本実施形態では2個)のローラ本体522bとを有している。軸部材522aは、不図示の回転支持部によって両端部を回転自在に支持されている。
排出ローラ521のローラ本体521bと排出対向ローラ522のローラ本体522bとは、軸方向において互い違いに食い込むように位置する櫛歯状に配置されている。これにより、排出ローラ521と排出対向ローラ522とは、図2(a)に示すように、互いにオーバーラップすることによって図中aとbとを結んだニップ部530を形成している。
このように、上側ローラとしての排出ローラ521は、上側軸部材としての軸部材521aと、軸部材521aに所定間隔をあけて取り付けられた複数(本実施形態では3個)の上側ローラ本体としてのローラ本体521bとを有している。下側ローラとしての排出対向ローラ522は、軸部材521aと平行に支持された下側軸部材としての軸部材522aを有している。さらに排出対向ローラ522は、複数のローラ本体521bと互い違いになるように軸部材522aに所定間隔をあけて取り付けられた複数(本実施形態では2個)の下側ローラ本体としてのローラ本体522bを有している。
ここで、排出ローラ521と排出対向ローラ522は、不図示の駆動源からの動力を受けて、それぞれ独立して回転する。また、排出ローラ対520のシート搬送方向下流には、排出ローラ対520によって排出されたシートSを順次積載するためのシート積載部560と、積載されたシートSの後端側を整列させる整列壁部550とを有している。つまり整列壁部550は、シート積載部560に積載されたシートSのシート排出方向上流側を整列させる。
排出ローラ対520の図2(a)中の上側には、この上側に回動支点509を有する満載検知フラグ540が配置されている。満載検知フラグ540は、回動支点509を中心に、シート積載部560におけるシートの満載状態を検知する高さ(以下「満載検知ポイント570」という)より下の位置から、ニップ部530の延長線531よりも上の位置まで回動可能に支持される。
つまり、回動支点509として幅方向に延在する回動軸がシート排出部500の本体に対して回動自在に支持されており、この回動軸に満載検知フラグ540の上端部が固定されている。満載検知フラグ540は、シート排出方向と直交する幅方向の両側のシート規制部材580の間にて、シート積載部560に積載されたシートSに当接してシート満載状態を検知する満載検知部材を構成する。
ここで、満載検知ポイント570は、シート積載部560の積載面に平行で、且つ排出対向ローラ522の下端に接する直線である。さらに、ニップ部530に平行で、排出対向ローラ522の上側に接する直線571よりも下側で、且つ満載検知ポイント570よりも上側に、シート規制部材580が配置されている。シート規制部材580は、整列壁部550よりもシート排出方向A(図1参照)の下流に延長した位置に、幅方向で一対として2つが配置される。
シート規制部材580は、シート積載部560に積載されたシートSの、シート排出方向Aと直交する幅方向の両端部近傍に対応する位置にて排出対向ローラ522の上端部と排出対向ローラ522の下端部との間からシート排出方向下流側に延出する。シート規制部材580は、整列壁部550の上端部に一体的に設けられ、この上端部からシート排出方向下流側に上昇するように傾斜する板状に形成される。
また、満載検知フラグ540のシート排出方向Aと直交する幅方向における左右端部には、2つの押し付け部材591が設けられている。これら押し付け部材591はそれぞれ、回動軸として幅方向に延在する上記回動支点509に、連結部508の上端部が回動自在に連結されている。回動支点509に連結された連結部508によって構成される押し付け部材591の回動軸は、満載検知フラグ540の回動軸と同軸にされている。
押し付け部材591は、シート排出方向と直交する幅方向の両側のシート規制部材580に対応して配置され、シート積載部560に排出されて整列壁部550側に移動するシートの幅方向の両端部を押し下げてシート規制部材580に向けて潜り込ませる。
すなわち、左右の押し付け部材591はそれぞれ、回動軸を中心として、シート規制部材580の先端を通り且つニップ部530と平行な直線581よりも下の位置から、ニップ部530の延長線531の上の位置まで回動できるように支持されている。
満載検知フラグ540と押し付け部材591は、それぞれ独立して回動動作する。図2(b)では、上述した満載検知フラグ540、押し付け部材591、シート規制部材580、積載されたシートSに関して、シートSの幅方向の位置関係を示している。図2(b)に示すように、満載検知フラグ540は、積載されたシートSの中央部に位置しており、シートSの中央部で満載状態を検知する構成になっている。
また、シート規制部材580と押し付け部材591とは、シート積載部560上に積載されたシートSの両端部近傍に配置されている。押し付け部材591は、シート規制部材580の上方に配置されている。
図2(c)では、シートS1の腰付けの様子を示している。図2(c)で示すように、シートS1は、排出ローラ対520により排出される際に、排出ローラ対520におけるローラ本体521b及びローラ本体522bと、幅方向で一対のシート規制部材580とによって、幅方向で波打たされて腰付けされる。
シート排出方向と直交する幅方向の両側のシート規制部材580は、複数のローラ本体(上側ローラ本体)521bのうちの最も両端部に位置するものよりも幅方向端部側に配置されている。そして、互い違いに対向するローラ本体521bとローラ本体522bとともに、シートS1を幅方向にて波打ち形状にして排出口510から排出する。
また、シート規制部材580の上側は、シート排出方向下流に向かって上方に傾斜する搬送ガイドとして形成されている。シート規制部材580は、シートS1両端部の幅方向の両端部に配置されているため、排出されるシートS1の両端部を下方より支持し、シートS1の垂れ下がりを防止している。また、シート規制部材580の下側は、積載部560上のシートが排出ローラ対520と接触しないように、積載部560に積載されたシートを規制する。
図2中のH1は、積載されたシートSの中央部の積載高さを示しており、H2は、上向きカールしたシートSの端部での積載高さを示している。
次に、図3(a)〜(c)を用いて、シートSが、排出口510から排出されてシート積載部560に積載されて満載状態を検知され、排出動作が停止するまでを説明する。なお、図3(a)は、シートS1が排出ローラ対520から排出され始めた様子を示し、図3(b)は、シートS1の後端が排出ローラ対520を抜けて押し付け部材591により下側に押し付けられているときの様子を示す。また、図3(c)は、シートS1が押し付け部材591の押し付けによってシート規制部材580の下側に潜り込む様子を示す。
図3(a)に示すように、搬送ガイド600を通るシートS1が、排出ローラ対520にニップ(挟持)される際に、排出ローラ対520とシート規制部材580とにより腰付けされる。その後、シートS1は、押し付け部材591と満載検知フラグ540をシート排出方向に押して持ち上げながら回動させる。
さらに、排出ローラ対520により搬送されて、後端が排出ローラ対520を抜けたシートS1は、図3(b)及び図3(c)に示すように、押し付け部材591によってシート積載部560の方向へ押し付けられる。そして、押し付け部材591は、図3(c)に示すように、シートS1をシート規制部材580の下側に潜り込ませながらシート積載部560上に積載する。
ここで積載されたシートSの両端部が上向きカールであったとしても、シート規制部材580で上側が規制されているため、シートSはシート規制部材580より上には持ち上がらない。そして、排出されたシートS1は、整列壁部550によって後端部が整列される。
こうして、シートS1が排出口510から順次排出され、シート積載部560に積載されていく。このシート積載部上のシートSが所定高さまで積載されると、中央部の満載検知フラグ540がシートSの中央部と接触し始める。そして、シートS1(S)が満載検知ポイント570まで積載されると、満載検知フラグ540が「満載状態」を検知する。これにより、制御手段としての制御部97が、シートの排出動作を停止するように制御する。
満載検知ポイント570は、シート積載部560に積載されたシートSが排出対向ローラ522のローラ本体522bと接触しないように、排出対向ローラ522のローラ本体522bよりも下側に配置されている。これは、シート積載部560上のシートSが排出対向ローラ522に接触した場合に、回転する排出対向ローラ522がシートSの端部を汚したり、傷つけたり、或いは、装置内部へ巻き込んだりするおそれがあるためである。
排出されるシートS1は、押し付け部材591によりシート規制部材580の下側に潜り込みながらシート積載部560上に順次積載される。このシート規制部材580により、積載されたシートSが上向きカールした状態であっても、シート両端部の排出対向ローラ522との接触及び装置内部への巻き込みを防止することができる。
従って、積載されたシート両端部の汚れ・傷、及び装置内部への巻き込みのおそれがないため、満載検知位置をシート両端部で行う必要がなくなり、上向きカールの影響を受けにくいシート幅方向内側で満載検知を行うことができる。すなわち、両端部が上向きカールしたシートを積載した場合でも、図2及び図3中の積載高さH1で満載状態を検知するため、H2−H1分だけ、シート積載部560に積載されるシートSの積載枚数の減少を抑えることができる。
以上の本実施形態では、シート規制部材580が、シートの幅方向の両端部近傍に対応する位置からシート排出方向下流側に延出し、シート積載部560に排出されて整列壁部側に移動するシートの幅方向の両端部を整列壁部550に向けて潜り込ませる。これにより、上向きカールしているシートSをシート積載部560に積載する場合であっても、その積載枚数の減少を抑制し、従来に比して多くのシートを積載することが可能になる。
また、シート規制部材580によりシートの幅方向両端部を整列壁部550に向けて潜り込ませることで、上向きカールした積載シートの両端部の排出ローラ対520との接触や装置内部への巻き込みを回避することができる。このように、積載されたシート両端部の汚れ・傷、及び装置内部への巻き込みのおそれがなくなるため、満載検知位置をシート両端部で行うことが不要になる。そして、上向きカールの影響を受けにくいシート幅方向内側(本実施形態では中央部)で満載検知を行うことができる。すなわち、両端部が上向きカールしたシートを積載した場合であっても、シート積載部560に積載されるシートの積載枚数の減少を抑えることができる。
なお、本実施形態では、満載検知フラグ540を用いてシートSの満載状態を検知したが、満載状態を検知する手段としては満載検知フラグに限らず、非接触型のセンサを用いてシート満載状態を検知する構成とすることもできる。このような変形例によっても、上記実施形態と同様の効果を得ることができる。
また、上述した本実施形態の構成に限らず、以下の図4及び図5に示すような変形例によっても、同様の効果を得ることができる。なお、図4(a),(b)は、排出ローラ対の構成が異なる第1、第2の変形例を示す図、図5(a),(b)は、押し付け部材と満載検知フラグが一体となっている第3の変形例を示す図である。
まず、図4(a)に示すように、排出ローラ対520とは別に腰付け部材523を配置した第1の変形例によっても、上記実施形態と同様の効果を得ることができる。この変形例では、ローラ本体521bとローラ本体522bとが櫛歯状に配置されるのではなく、図4(a)のように対向して接するように配置されている。そして、それら対向配置されたローラ本体521b,522bの各組同士の間に、腰付け部材523がそれぞれ配置されている。
つまり、図4(a)では、上側ローラとしての排出ローラ521は、上側軸部材としての軸部材521aと、軸部材521aに所定間隔をあけて取り付けられた複数の上側ローラ本体としてのローラ本体521bとを有している。下側ローラとしての排出対向ローラ522は、軸部材521aと平行に支持された下側軸部材としての軸部材522aと、複数の下側ローラ本体としてのローラ本体522bとを有している。これらローラ本体522bは、互いに所定間隔をあけた状態で、複数のローラ本体521bとそれぞれ対向して接するように軸部材522aに支持されている。この変形例における軸部材522aは、図2に示したような1本の長尺軸ではなく、各ローラ本体522b毎にその対応するローラ本体に合わせて短く形成した軸として構成される。この軸構造は、図5の変形例においても同様である。
対向するローラ本体521bとローラ本体522bの各1組同士の間に、1組のローラ本体521b,522bで形成するニップ部よりも上方位置に配置された複数(本実施形態では4個)の腰付け部材523を有している。これにより、互い違いに対向する腰付け部材523と上記ニップ部とで、シートSをシート排出方向と直交する幅方向にて波打ち形状にして排出口510から排出することができる。
満載検知フラグ540は、上記実施形態と同様に、中央部に対向配置されたローラ本体521b,522bの上側に対向するように配置されている。シート排出方向と直交する幅方向における両端部のシート規制部材580及び押し付け部材591は、上記実施形態と同様の位置関係で配置されているが、これらは最も幅方向の両端部に位置する腰付け部材523の外側に位置している。
また、図4(b)に示すように、図4(a)に示した腰付け部材523を省略した第2の変形例によっても、シートSの積載枚数の減少を抑制する効果を得ることができる。この第2の変形例では、図4(a)に示した腰付け部材523が無い代わりに、ローラ本体521b,522bが幅広に形成されて相互の間隔が広くなっている。幅方向の両端部のシート規制部材580及び押し付け部材591は、両端のローラ本体521b,522bの各外側に配置されている。このような第2の変形例によっても、上記実施形態と同様の効果を得ることができる。
また、1つ以上の押し付け部材と満載検知フラグ540とが一体もしくは連動して動く第3の変形例によっても、シートSの積載枚数の減少を抑制する効果を得ることができる。
すなわち、図5(a)のように満載検知部541aと押し付け部541bとを一体に構成した一体型フラグ541は、図5(b)のようにシート排出部500に支持されている。図5(b)では、一体型フラグ541を用いて満載状態を検知した際の様子を示している。
一体型フラグ541は、軸部材541cと、軸部材541cの両端部にそれぞれ取り付けられた一対の押し付け部541bと、これら押し付け部541bの中間部に取り付けられた満載検知部541aとを一体的に有している。
軸部材541cは、シート排出方向と直交する幅方向に延在した状態で回動自在となるように支持されている。満載検知部541aは、シート積載部560上に積載されたシートSの満載状態を検知できるように軸部材541cの中央部に先端が固定されている。両端部の押し付け部541bは、カールしたシート両端部を押し付ける役割を持ち、シート積載部560上のシートSを検知する際に、図5(b)のように満載検知部541aより下側に延びて、高さの違いをもってシート両端部に接触できるように構成される。
シートSの満載付近では、一体型フラグ541の中央部の満載検知部541aがシート中央部に接触するまで、両端部の押し付け部541bが上向きカールのシート両端部を押さえつける。このような第3の変形例によっても、上記実施形態と同様の効果を得ることができる。
<第2の実施形態>
次に、図6を参照して、本発明に係る第2の実施形態について説明する。図6は、本実施形態における画像形成装置のシート排出部を示す図である。図6(a)は、A3サイズ等の幅広のシートT1がシート積載部560に積載された様子を示し、図6(b)は、B5サイズ等の幅狭のシートT2がシート積載部560に積載された様子を示している。なお、第1の実施形態と同じ部品、並びに同じ機能を果たす部品に関しては同一の符号で示し、その説明を省略する。
前述した実施形態及び各変形例では、シート排出方向と直交する幅方向でのシート規制部材580は、幅サイズが押し付け部材591の幅サイズ内に収まるように構成され、且つ位置が押し付け部材591からはみ出ない程度で中央部に寄った状態とされていた。
これに対し、本実施形態における両端部のシート規制部材582は、図6(a),(b)に示すように、中央寄りのローラ本体522bに両側から接近するように各連結部508の幅サイズからはみ出すように形成されている。
これにより、本実施形態のシート規制部材582は、図6(a)ではシート積載部560上の幅広のシートT1の両端部に対向する位置に存在し、図6(b)ではシート積載部560上の幅狭のシートT2の両端部に対向する位置に存在して規制できる。なお、本実施形態において、シートT1とシートT2がシート規制部材582の下に潜り込むメカニズムは第1の実施形態で説明したものと同様であるため、説明は省略する。
以上の本実施形態では、幅方向の中央寄りに幅広に形成された両端部のシート規制部材582により、次のような効果を得ることができる。つまり、幅が大小に異なる各種シートにおいて、積載されたシートT1,T2が上向きカールした場合であっても、シート両端部が排出対向ローラ522と接触したり装置内部に巻き込まれたりする不都合の発生を確実に防止することができる。
従って、シート積載部560に積載されたシート両端部の汚れ・傷、及び装置内部への巻き込みのおそれがないため、満載検知位置をシート両端部で行う必要がなくなり、上向きカールの影響を受けにくいシート幅方向内側で満載検知を行うことができる。すなわち、両端部が上向きカールしたシートを積載した場合であっても、図6中の積載高さH1で満載状態を検知することができるので、H2−H1分、シート積載部560上に積載されるシートの積載枚数の減少を抑えることができる。
200…画像形成部、500…シート排出装置(シート排出部)、510…排出口、520…排出ローラ対、521…上側ローラ(排出ローラ)、521a…上側軸部材(軸部材)、521b…上側ローラ本体(ローラ本体)、522…下側ローラ(排出対向ローラ)、522a…下側軸部材(軸部材)、522b…下側ローラ本体(ローラ本体)、523…腰付け部材、540…満載検知部材(満載検知フラグ)、550…整列壁部、560…シート積載手段(シート積載部)、580,582…シート規制部材、591…押し付け部材、A…シート排出方向、S,S1,T1,T2…シート

Claims (9)

  1. 上下一対の上側ローラ及び下側ローラから構成され、シートを排出口から排出する排出ローラ対と、
    シート排出方向上流側に下降するように傾斜し、前記排出ローラ対により排出されたシートが積載されるシート積載手段と、
    前記シート積載手段に積載されたシートのシート排出方向上流側を整列させる整列壁部と、
    前記シート積載手段に積載されたシートの、シート排出方向と直交する幅方向の両端部近傍に対応する位置にて前記下側ローラの上端部と前記下側ローラの下端部との間からシート排出方向下流側に延出するシート規制部材と、を備える、
    ことを特徴とするシート排出装置。
  2. 前記シート規制部材は、前記整列壁部の上端部からシート排出方向下流側に上昇するように傾斜する板状に形成される、
    ことを特徴とする請求項1記載のシート排出装置。
  3. 前記幅方向の両側の前記シート規制部材の間にて、前記シート積載手段に積載されたシートに当接してシート満載状態を検知する満載検知部材を備える、
    ことを特徴とする請求項1又は2記載のシート排出装置。
  4. 前記幅方向の両側の前記シート規制部材に対応して配置され、前記シート積載手段に排出されて前記整列壁部側に移動するシートの前記幅方向の両端部を押し下げて前記シート規制部材に向けて潜り込ませる押し付け部材を有する、
    ことを特徴とする請求項1乃至3のいずれか1項記載のシート排出装置。
  5. 前記排出ローラ対は、前記排出口内に配置された上下一対の上側ローラ及び下側ローラから構成され、
    前記上側ローラは、上側軸部材と、前記上側軸部材に所定間隔をあけて取り付けられた複数の上側ローラ本体と、を有し、
    前記下側ローラは、前記上側軸部材と平行に支持された下側軸部材と、前記複数の上側ローラ本体と互い違いになるように前記下側軸部材に所定間隔をあけて取り付けられた複数の下側ローラ本体と、を有する、
    ことを特徴とする請求項1乃至4のいずれか1項記載のシート排出装置。
  6. 前記幅方向の両側の前記シート規制部材は、
    前記複数の上側ローラ本体のうちの最も両端部に位置するものよりも前記幅方向端部側に配置され、互い違いに対向する前記上側ローラ本体と前記下側ローラ本体とともに、シートを前記幅方向にて波打ち形状にして前記排出口から排出する、
    ことを特徴とする請求項5記載のシート排出装置。
  7. 前記排出ローラ対は、前記排出口内に配置された上下一対の上側ローラ及び下側ローラから構成され、
    前記上側ローラは、上側軸部材と、前記上側軸部材に所定間隔をあけて取り付けられた複数の上側ローラ本体と、を有し、
    前記下側ローラは、前記上側軸部材と平行に支持された下側軸部材と、互いに所定間隔をあけた状態で前記複数の上側ローラ本体とそれぞれ対向して接するように前記下側軸部材に支持された複数の下側ローラ本体と、を有する、
    ことを特徴とする請求項1乃至4のいずれか1項記載のシート排出装置。
  8. 対向する前記上側ローラ本体と前記下側ローラ本体の各1組同士の間に、1組の前記上側ローラ本体と前記下側ローラ本体とで形成するニップ部よりも上方位置に配置された腰付け部材を有し、
    前記腰付け部材と前記ニップ部とで、シートを前記幅方向にて波打ち形状にして前記排出口から排出する、
    ことを特徴とする請求項7記載のシート排出装置。
  9. シートに画像を形成する画像形成部と、
    前記画像形成部により画像が形成されたシートを排出する請求項1乃至8のいずれか1項記載のシート排出装置と、を備える、
    ことを特徴とする画像形成装置。
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