JP2014041868A - 露光装置及び露光方法並びにデバイス製造方法 - Google Patents

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Abstract

【課題】露光不良の発生を抑制できる露光装置を提供する。
【解決手段】液体を介して露光光で基板を露光する。露光光が射出される射出面を有する光学部材と、基板をリリース可能に保持する基板保持部と、基板が配置可能な開口が形成され、基板保持部に保持された基板の周囲に配置される上面、及び基板保持部の中心に対して外側に向かって下方に傾斜する傾斜面を含む内面を有するカバー部材と、
少なくとも一部が保持された基板の側面とカバー部材の傾斜面との隙間に配置される多孔部材と、を備える。多孔部材を介して、間隙に流入する前記液体の少なくとも一部を回収する。
【選択図】図3

Description

本発明は、液体を介して基板上に露光光を照射して基板を露光する露光装置及び露光方法、デバイス製造方法に関するものである。
半導体デバイス、電子デバイス等のマイクロデバイスの製造工程において、例えば下記特許文献に開示されているような、液体を介して露光光で基板を露光する液浸露光装置が使用される。露光装置は、基板を保持して移動可能な基板ステージを備え、その基板ステージに保持された基板を露光する。
米国特許出願公開第2008/0043211号明細書 米国特許出願公開第2008/0100812号明細書
液浸露光装置において、例えば液体が基板の上面及び基板ステージの上面の少なくとも一方に残留すると、露光不良が発生する可能性がある。その結果、不良デバイスが発生する可能性がある。
本発明の態様は、露光不良の発生を抑制できる露光装置及び露光方法を提供することを目的とする。また本発明の態様は、不良デバイスの発生を抑制できるデバイス製造方法を提供することを目的とする。
本発明の第1の態様に従えば、液体を介して露光光で基板を露光する露光装置であって、露光光が射出される射出面を有する光学部材と、基板をリリース可能に保持する基板保持部と、基板が配置可能な開口が形成され、基板保持部に保持された基板の周囲に配置される上面、及び基板保持部の中心に対して外側に向かって下方に傾斜する傾斜面を含む内面を有するカバー部材と、少なくとも一部が保持された基板の側面と前記カバー部材の傾斜面との隙間に配置される多孔部材と、を備え、多孔部材を介して、間隙に流入する液体の少なくとも一部を回収する露光装置が提供される。
本発明の第2の態様に従えば、液体を介して露光光で基板を露光する露光装置であって、露光光が射出される射出面を有する光学部材と、基板をリリース可能に保持する基板保持部と、基板が配置可能な開口が形成され、基板保持部に保持された基板の周囲に配置される上面、及び基板保持部の中心に対して外側に向かって下方に傾斜する傾斜面を含む内面を有するカバー部材と、多孔部材、及び多孔部材よりも上方に配置される回収口を含む回収部材と、を備え、多孔部材及び回収口の少なくとも一方を介して、基板とカバー部材との間の間隙に流入する液体の少なくとも一部が回収され、回収口の液体回収力は、多孔部材の液体回収力よりも大きい露光装置が提供される。
本発明の第3の態様に従えば、液体を介して露光光で基板を露光する露光装置であって、露光光が射出される射出面を有する光学部材と、基板の下面をリリース可能に保持する基板保持部と、基板が配置可能な開口が形成され、基板保持部に保持された基板の上面の周囲に配置される上面を有するカバー部材と、少なくとも一部が基板とカバー部材との間の間隙の下方に配置され、第1気孔率の第1部分及び第1気孔率とは異なる第2気孔率の第2部分を含む多孔部材と、を備え、多孔部材を介して、間隙に流入する液体の少なくとも一部を回収する露光装置が提供される。
本発明の第4の態様に従えば、液体を介して露光光で基板を露光する露光装置であって、露光光が射出される射出面を有する光学部材と、基板の下面をリリース可能に保持する基板保持部と、基板が配置可能な開口が形成され、基板保持部に保持された基板の上面の周囲に配置される上面を有するカバー部材と、少なくとも一部が基板とカバー部材との間の間隙の下方に配置され、間隙に流入する液体の少なくとも一部が回収される多孔部材と、多孔部材の第1部分に接続される第1回収流路と、第1部分よりも下方の多孔部材の第2部分に接続される第2回収流路と、を備え、多孔部材から回収された前記液体の少なくとも一部は、第1回収流路及び第2回収流路の少なくとも一方を流れる露光装置が提供される。
本発明の第5の態様に従えば、液体を介して露光光で基板を露光する露光装置であって、露光光が射出される射出面を有する光学部材と、基板の下面をリリース可能に保持する基板保持部と、基板が配置可能な開口が形成され、基板保持部に保持された基板の上面の周囲に配置される上面、及び基板保持部の中心に対して外側に向かって下方に傾斜する傾斜面を含む内面を有するカバー部材と、少なくとも一部が基板とカバー部材との間に配置され、基板の上面及びカバー部材の上面と実質的に同一平面内に配置される第1上面と、基板の側面が対向する第1側面と、カバー部材の内面が対向する第2側面と、を有する回収部材と、を備え、回収部材は、第1上面と第1側面とで形成される第1角部、及び第1上面と第2側面とで形成される第2角部の少なくとも一方に配置される液体回収口を有する露光装置が提供される。
本発明の第6の態様に従えば、液体を介して露光光で基板を露光する露光装置であって、露光光が射出される射出面を有する光学部材と、基板の下面をリリース可能に保持する基板保持部と、基板が配置可能な開口が形成され、基板保持部に保持された基板の上面の周囲に配置される上面を有するカバー部材と、を備え、カバー部材は、カバー部材の上面の内縁領域、カバー部材の下面の内縁領域、及び上面の内縁領域と下面の内縁領域とを結ぶ内面を含み、液体に対して撥液性の第1部材と、第1部材に接続される第2部材と、を含む露光装置が提供される。
本発明の第7の態様に従えば、液体を介して露光光で基板を露光する露光装置であって、露光光が射出される射出面を有する光学部材と、光学部材の下方で移動可能であり、液浸空間が形成可能な第1上面を有する第1部材と、光学部材の下方において第1部材と隣接した状態で移動可能であり、液浸空間が形成可能な第2上面、及び第1部材に対して外側に向かって下方に傾斜する傾斜面を含む第2側面を有する第2部材と、
少なくとも一部が第1部材の第1側面と第2部材の傾斜面との間に配置される多孔部材と、を備え、多孔部材を介して、第1部材と第2部材との間の間隙に流入する液体の少なくとも一部を回収する露光装置が提供される。
本発明の第8の態様に従えば、液体を介して露光光で基板を露光する露光装置であって、露光光が射出される射出面を有する光学部材と、光学部材の下方で移動可能であり、液浸空間が形成可能な第1上面を有する第1部材と、光学部材の下方において第1部材と隣接した状態で移動可能であり、液浸空間が形成可能な第2上面、及び第1部材に対して外側に向かって下方に傾斜する傾斜面を含む第2側面を有する第2部材と、多孔部材、及び多孔部材よりも上方に配置される回収口を含む回収部材と、を備え、多孔部材及び回収口の少なくとも一方を介して、第1部材と第2部材との間の間隙に流入する液体の少なくとも一部が回収され、回収口の液体回収力は、多孔部材の液体回収力よりも大きい露光装置が提供される。
本発明の第9の態様に従えば、液体を介して露光光で基板を露光する露光装置であって、露光光が射出される射出面を有する光学部材と、光学部材の下方で移動可能であり、液浸空間が形成可能な第1上面を有する第1部材と、光学部材の下方において第1部材と隣接した状態で移動可能であり、液浸空間が形成可能な第2上面を有する第2部材と、少なくとも一部が第1部材と第2部材との間の間隙の下方に配置され、第1気孔率の第1部分及び第1気孔率とは異なる第2気孔率の第2部分を含む多孔部材と、を備え、
多孔部材を介して、間隙に流入する前記液体の少なくとも一部を回収する露光装置が提供される。
本発明の第10の態様に従えば、液体を介して露光光で基板を露光する露光装置であって、露光光が射出される射出面を有する光学部材と、光学部材の下方で移動可能であり、液浸空間が形成可能な第1上面を有する第1部材と、光学部材の下方において第1部材と隣接した状態で移動可能であり、液浸空間が形成可能な第2上面を有する第2部材と、少なくとも一部が第1部材と第2部材との間の間隙の下方に配置され、間隙に流入する液体の少なくとも一部が回収される多孔部材と、多孔部材の第1部分に接続される第1回収流路と、第1部分よりも下方の多孔部材の第2部分に接続される第2回収流路と、を備え、多孔部材から回収された液体の少なくとも一部は、第1回収流路及び第2回収流路の少なくとも一方を流れる露光装置が提供される。
本発明の第11の態様に従えば、液体を介して露光光で基板を露光する露光装置であって、露光光が射出される射出面を有する光学部材と、光学部材の下方で移動可能であり、液浸空間が形成可能な第1上面を有する第1部材と、光学部材の下方において第1部材と隣接した状態で移動可能であり、液浸空間が形成可能な第2上面、及び第1部材に対して外側に向かって下方に傾斜する傾斜面を含む内面を有する第2部材と、少なくとも一部が第1部材と第2部材との間に配置され、第1部材の第1上面及び第2部材の第2上面と実質的に同一平面内に配置される第3上面と、第1部材の第1側面が対向する第3側面と、第2部材の第2側面が対向する第4側面と、を有する回収部材と、を備え、回収部材は、第3上面と第3側面とで形成される第1角部、及び第3上面と第4側面とで形成される第2角部の少なくとも一方に配置される液体回収口を有する露光装置が提供される。
本発明の第12の態様に従えば、液体を介して露光光で基板を露光する露光装置であって、露光光が射出される射出面を有する光学部材と、光学部材の下方で移動可能であり、液浸空間が形成可能な第1上面を有する第1部材と、光学部材の下方において第1部材と隣接した状態で移動可能であり、液浸空間が形成可能な第2上面を有する第2部材と、を備え、第2部材は、第2部材の第2上面の内縁領域、第2部材の第2下面の内縁領域、及び第2上面の内縁領域と第2下面の内縁領域とを結ぶ内面を含み、液体に対して撥液性の第1部材と、第1部材に接続される第2部材と、を含む露光装置が提供される。
本発明の第13の態様に従えば、第1〜第12のいずれか一つの態様の露光装置を用いて基板を露光することと、露光された基板を現像することと、を含むデバイス製造方法が提供される。
本発明の第14の態様に従えば、液体を介して露光光で基板を露光する露光方法であって、露光光が射出される射出面を有する光学部材と、基板の下面をリリース可能に保持する基板保持部に保持された基板の上面、及び基板が配置可能な開口を規定し、基板が基板保持部に保持されている状態において基板の上面の周囲に配置される上面、及び基板保持部の中心に対して外側に向かって下方に傾斜する傾斜面を含む内面を有するカバー部材の上面の少なくとも一方との間に、液体で液浸空間が形成されている状態で、基板を露光することと、少なくとも一部が基板の側面とカバー部材の傾斜面との間に配置される多孔部材を介して、基板とカバー部材との間の間隙に流入する液体の少なくとも一部を回収することと、を含む露光方法が提供される。
本発明の第15の態様に従えば、液体を介して露光光で基板を露光する露光方法であって、露光光が射出される射出面を有する光学部材と、基板の下面をリリース可能に保持する基板保持部に保持された基板の上面、及び基板が配置可能な開口を規定し、基板が基板保持部に保持されている状態において基板の上面の周囲に配置される上面、及び基板保持部の中心に対して外側に向かって下方に傾斜する傾斜面を含む内面を有するカバー部材の上面の少なくとも一方との間に、液体で液浸空間が形成されている状態で、基板を露光することと、回収部材が有する多孔部材、及び多孔部材よりも上方に配置される回収口の少なくとも一方を介して、基板とカバー部材との間の間隙に流入する液体の少なくとも一部を回収することと、を含み、回収口の液体回収力は、多孔部材の液体回収力よりも大きい露光方法が提供される。
本発明の第16の態様に従えば、液体を介して露光光で基板を露光する露光方法であって、露光光が射出される射出面を有する光学部材と、基板の下面をリリース可能に保持する基板保持部に保持された基板の上面、及び基板が配置可能な開口を規定し、基板が基板保持部に保持されている状態において基板の上面の周囲に配置される上面を有するカバー部材の上面の少なくとも一方との間に、液体で液浸空間が形成されている状態で、基板を露光することと、少なくとも一部が基板とカバー部材との間の間隙の下方に配置され、第1気孔率の第1部分及び第1気孔率とは異なる第2気孔率の第2部分を含む多孔部材を介して、間隙に流入する液体の少なくとも一部を回収することと、を含む露光方法が提供される。
本発明の第17の態様に従えば、液体を介して露光光で基板を露光する露光方法であって、露光光が射出される射出面を有する光学部材と、基板の下面をリリース可能に保持する基板保持部に保持された基板の上面、及び基板が配置可能な開口を規定し、基板が基板保持部に保持されている状態において基板の上面の周囲に配置される上面を有するカバー部材の上面の少なくとも一方との間に、液体で液浸空間が形成されている状態で、基板を露光することと、少なくとも一部が基板とカバー部材との間の間隙の下方に配置される多孔部材で、間隙に流入する液体の少なくとも一部を回収することと、多孔部材の第1部分に接続される第1回収流路、及び第1部分よりも下方の多孔部材の第2部分に接続される第2回収流路の少なくとも一方に、多孔部材から回収された液体の少なくとも一部を流すことと、を含む露光方法が提供される。
本発明の第18の態様に従えば、液体を介して露光光で基板を露光する露光方法であって、露光光が射出される射出面を有する光学部材と、基板の下面をリリース可能に保持する基板保持部に保持された基板の上面、及び基板が配置可能な開口を規定し、基板が基板保持部に保持されている状態において基板の上面の周囲に配置される上面及び基板保持部の中心に対して外側に向かって下方に傾斜する傾斜面を含む内面を有するカバー部材の上面の少なくとも一方との間に、液体で液浸空間が形成されている状態で、基板を露光することと、少なくとも一部が基板とカバー部材との間に配置され、基板の上面及びカバー部材の上面と実質的に同一平面内に配置される第1上面と、基板の側面が対向する第1側面と、カバー部材の内面が対向する第2側面と、第1上面と前記第1側面とで形成される第1角部及び第1上面と第2側面とで形成される第2角部の少なくとも一方に配置される液体回収口とを有する回収部材から、間隙に流入する液体の少なくとも一部を回収することと、を含む露光方法が提供される。
本発明の第19の態様に従えば、液体を介して露光光で基板を露光する露光方法であって、露光光が射出される射出面を有する光学部材と、基板の下面をリリース可能に保持する基板保持部に保持された基板の上面、及び基板が配置可能な開口を規定し、基板が基板保持部に保持されている状態において基板の上面の周囲に配置される上面を有するカバー部材の上面の少なくとも一方との間に、液体で液浸空間が形成されている状態で、基板を露光することと、を含み、カバー部材は、カバー部材の上面の内縁領域、カバー部材の下面の内縁領域、及び上面の内縁領域と下面の内縁領域とを結ぶ内面を含み、液体に対して撥液性の第1部材と、第1部材に接続される第2部材と、を含む露光方法が提供される。
本発明の第20の態様に従えば、第14〜第19のいずれか一つの態様の露光方法を用いて基板を露光することと、露光された基板を現像することと、を含むデバイス製造方法が提供される。
本発明の態様によれば、露光不良の発生を抑制できる。また本発明の態様によれば、不良デバイスの発生を抑制できる。
第1実施形態に係る露光装置の一例を示す概略構成図。 第1実施形態に係る液浸部材及び基板ステージの一例を示す図。 図2の一部を拡大した図。 図3における間隙Gaの部分拡大図。 傾斜部85を傾斜面Tsとの対向方向で断面した図。 基板ステージの平面図。 第2実施形態に係る要部構成を示す図。 図7における間隙Gaの部分拡大図。 傾斜部85を傾斜面Tsとの対向方向で断面した図。 第3実施形態に係る露光装置の要部詳細図。 第4実施形態に係る露光装置の要部詳細図。 第5実施形態に係る露光装置の要部詳細図。 第6実施形態に係る露光装置の要部詳細図。 第7実施形態に係る露光装置の要部詳細図。 第8実施形態に係る要部構成を示す図。 他の実施形態に係るカバー部材の平面図。 他の実施形態に係るカバー部材の断面図。 露光装置の一例を示す平面図。 基板ステージの一例を示す図。 デバイスの製造工程の一例を示すフローチャート。
以下、本発明の露光装置及び露光方法並びにデバイス製造方法の実施の形態を、図1ないし図20を参照して説明するが、本発明はこれに限定されない。以下の説明においては、XYZ直交座標系を設定し、このXYZ直交座標系を参照しつつ各部の位置関係について説明する。水平面内の所定方向をX軸方向、水平面内においてX軸方向と直交する方向をY軸方向、X軸方向及びY軸方向のそれぞれと直交する方向(すなわち鉛直方向)をZ軸方向とする。また、X軸、Y軸、及びZ軸まわりの回転(傾斜)方向をそれぞれ、θX、θY、及びθZ方向とする。
<第1実施形態>
第1実施形態について説明する。図1は、第1実施形態に係る露光装置EXの一例を示す概略構成図である。本実施形態の露光装置EXは、液体LQを介して露光光ELで基板Pを露光する液浸露光装置である。本実施形態においては、露光光ELの光路の少なくとも一部が液体LQで満たされるように液浸空間LSが形成される。液浸空間とは、液体で満たされた部分(空間、領域)をいう。基板Pは、液浸空間LSの液体LQを介して露光光ELで露光される。本実施形態においては、液体LQとして、水(純水)を用いる。
また、本実施形態の露光装置EXは、例えば米国特許第6897963号明細書、及び欧州特許出願公開第1713113号明細書等に開示されているような、基板ステージと計測ステージとを備えた露光装置である。
図1において、露光装置EXは、マスクMを保持して移動可能なマスクステージ1と、基板Pを保持して移動可能な基板ステージ(ステージ装置)2と、基板Pを保持せずに、露光光ELを計測する計測部材C及び計測器を搭載して移動可能な計測ステージ3と、マスクステージ1を移動する駆動システム4と、基板ステージ2を移動する駆動システム5と、計測ステージ3を移動する駆動システム6と、マスクMを露光光ELで照明する照明系ILと、露光光ELで照明されたマスクMのパターンの像を基板Pに投影する投影光学系PLと、露光光ELの光路の少なくとも一部が液体LQで満たされるように液浸空間LSを形成可能な液浸部材7と、露光装置EX全体の動作を制御する制御装置8と、制御装置8に接続され、露光に関する各種の情報を記憶する記憶装置8Rとを備えている。記憶装置8Rは、例えばRAM等のメモリ、ハードディスク、CD−ROM等の記録媒体を含む。記憶装置8Rには、コンピュータシステムを制御するオペレーティングシステム(OS)がインストールされ、露光装置EXを制御するためのプログラムが記憶されている。
また、露光装置EXは、マスクステージ1、基板ステージ2、及び計測ステージ3の位置を計測する干渉計システム11と、検出システム300とを備えている。検出システム300は、基板Pのアライメントマークを検出するアライメントシステム302と、基板Pの上面(表面)Paの位置を検出する表面位置検出システム303とを含む。なお、検出システム300が、例えば米国特許出願公開第2007/0288121号明細書に開示されているような、基板ステージ2の位置を検出するエンコーダシステムを備えてもよい。
マスクMは、基板Pに投影されるデバイスパターンが形成されたレチクルを含む。マスクMは、例えばガラス板等の透明板と、その透明板上にクロム等の遮光材料を用いて形成されたパターンとを有する透過型マスクを含む。なお、マスクMとして、反射型マスクを用いることもできる。
基板Pは、デバイスを製造するための基板である。基板Pは、例えば半導体ウエハ等の基材と、その基材上に形成された感光膜とを含む。感光膜は、感光材(フォトレジスト)の膜である。また、基板Pが、感光膜に加えて別の膜を含んでもよい。例えば、基板Pが、反射防止膜を含んでもよいし、感光膜を保護する保護膜(トップコート膜)や撥液膜を含んでもよい。
また、露光装置EXは、露光光ELが進行する空間102の環境(温度、湿度、圧力、及びクリーン度の少なくとも一つ)を調整するチャンバ装置103を備えている。チャンバ装置103は、空間102を形成するチャンバ部材104と、その空間102の環境を調整する空調システム105とを有する。
空間102は、空間102A及び空間102Bを含む。空間102Aは、基板Pが処理される空間である。基板ステージ2及び計測ステージ3は、空間102Aを移動する。
空調システム105は、空間102A、102Bに気体を供給する給気部105Sを有し、その給気部105Sから空間102A、102Bに気体を供給して、その空間102A、102Bの環境を調整する。本実施形態においては、少なくとも基板ステージ2、計測ステージ3、及び投影光学系PLの終端光学素子12が空間102Aに配置される。
照明系ILは、所定の照明領域IRに露光光ELを照射する。照明領域IRは、照明系ILから射出される露光光ELが照射可能な位置を含む。照明系ILは、照明領域IRに配置されたマスクMの少なくとも一部を、均一な照度分布の露光光ELで照明する。照明系ILから射出される露光光ELとして、例えば水銀ランプから射出される輝線(g線、h線、i線)及びKrFエキシマレーザ光(波長248nm)等の遠紫外光(DUV光)、ArFエキシマレーザ光(波長193nm)、及びF2レーザ光(波長157nm)等の真空紫外光(VUV光)等が用いられる。本実施形態においては、露光光ELとして、紫外光(真空紫外光)であるArFエキシマレーザ光を用いる。
マスクステージ1は、マスクMを保持した状態で、照明領域IRを含むベース部材9のガイド面9G上を移動可能である。駆動システム4は、ガイド面9G上でマスクステージ1を移動するための平面モータを含む。平面モータは、例えば米国特許第6452292号明細書に開示されているような、マスクステージ1に配置された可動子と、ベース部材9に配置された固定子とを有する。本実施形態においては、マスクステージ1は、駆動システム4の作動により、ガイド面9G上において、X軸、Y軸、Z軸、θX、θY、及びθZ方向の6つの方向に移動可能である。
投影光学系PLは、所定の投影領域PRに露光光ELを照射する。投影領域PRは、投影光学系PLから射出される露光光ELが照射可能な位置を含む。投影光学系PLは、投影領域PRに配置された基板Pの少なくとも一部に、マスクMのパターンの像を所定の投影倍率で投影する。本実施形態の投影光学系PLは、その投影倍率が例えば1/4、1/5、又は1/8等の縮小系である。なお、投影光学系PLは、等倍系及び拡大系のいずれでもよい。本実施形態においては、投影光学系PLの光軸は、Z軸と平行である。また、投影光学系PLは、反射光学素子を含まない屈折系、屈折光学素子を含まない反射系、反射光学素子と屈折光学素子とを含む反射屈折系のいずれであってもよい。また、投影光学系PLは、倒立像と正立像とのいずれを形成してもよい。
基板ステージ2は、投影光学系PLから射出される露光光ELが照射可能な位置(投影領域PR)に移動可能である。基板ステージ2は、基板Pを保持した状態で、投影領域PRを含むベース部材10のガイド面10G上を移動可能である。計測ステージ3は、投影光学系PLから射出される露光光ELが照射可能な位置(投影領域PR)に移動可能である。計測ステージ3は、計測部材Cを保持した状態で、投影領域PRを含むベース部材10のガイド面10G上を移動可能である。基板ステージ2と計測ステージ3とは、ガイド面10G上を独立して移動可能である。
基板ステージ2を移動するための駆動システム5は、ガイド面10G上で基板ステージ2を移動するための平面モータを含む。平面モータは、例えば米国特許第6452292号明細書に開示されているような、基板ステージ2に配置された可動子と、ベース部材10に配置された固定子とを有する。同様に、計測ステージ3を移動するための駆動システム6は、平面モータを含み、計測ステージ3に配置された可動子と、ベース部材10に配置された固定子とを有する。
本実施形態において、基板ステージ2は、基板Pの下面Pbをリリース可能に保持する第1保持部(基板保持部)31と、基板Pが配置可能な開口Thを規定し、基板Pが第1保持部31に保持されている状態において基板Pの上面Paの周囲に配置される上面とを有する。
本実施形態において、基板ステージ2は、例えば米国特許出願公開第2007/0177125号明細書、米国特許出願公開第2008/0049209号明細書等に開示されているような、第1保持部31の周囲に配置され、カバー部材Tの下面Tbをリリース可能に保持する第2保持部32を有する。カバー部材Tは、例えば、表面が撥水性(撥液性)を有し、第1保持部31に保持された基板Pの周囲に配置される。本実施形態においては、カバー部材Tが、第1保持部31に保持された基板Pが配置される開口Thを有する。本実施形態においては、カバー部材Tが上面2Uを有する。
本実施形態において、第1保持部31は、基板Pの上面PaとXY平面とがほぼ平行となるように、基板Pを保持する。第2保持部32は、カバー部材Tの上面2UとXY平面とがほぼ平行となるように、カバー部材Tを保持する。本実施形態において、第1保持部31に保持された基板Pの上面Paと第2保持部32に保持されたカバー部材Tの上面2Uとは、ほぼ同一平面内に配置される(ほぼ面一である)。
本実施形態において、計測ステージ3は、計測部材Cをリリース可能に保持する第3保持部33と、第3保持部33の周囲に配置され、カバー部材Qをリリース可能に保持する第4保持部34とを有する。第3,第4保持部33,34は、ピンチャック装置を有する。カバー部材Qは、第3保持部33に保持された計測部材Cの周囲に配置される。なお、第3保持部33及び第4保持部34の少なくとも一方で使用される保持装置はピンチャック装置に限られない。また、計測部材C及びカバー部材Qの少なくとも一方は、計測ステージ3に一体的に形成されていてもよい。
本実施形態において、第3保持部33は、計測部材Cの上面とXY平面とがほぼ平行となるように、計測部材Cを保持する。第4保持部34は、カバー部材Qの上面とXY平面とがほぼ平行となるように、カバー部材Qを保持する。本実施形態において、第3保持部33に保持された計測部材Cの上面と第4保持部34に保持されたカバー部材Qの上面とは、ほぼ同一平面内に配置される(ほぼ面一である)。
ここで、以下の説明において、第2保持部32に保持されたカバー部材Tの上面2Uを適宜、基板ステージ2の上面2U、と称し、第3保持部33に保持された計測部材Cの上面及び第4保持部34に保持されたカバー部材Qの上面を合わせて適宜、計測ステージ3の上面3U、と称する。
干渉計システム11は、マスクステージ1の位置を計測するレーザ干渉計ユニット11Aと、基板ステージ2及び計測ステージ3の位置を計測するレーザ干渉計ユニット11Bとを含む。レーザ干渉計ユニット11Aは、マスクステージ1に配置された計測ミラー1Rを用いて、マスクステージ1の位置を計測可能である。レーザ干渉計ユニット11Bは、基板ステージ2に配置された計測ミラー2R、及び計測ステージ3に配置された計測ミラー3Rを用いて、基板ステージ2及び計測ステージ3それぞれの位置を計測可能である。
アライメントシステム302は、基板Pのアライメントマークを検出して、その基板Pのショット領域Sの位置を検出する。アライメントシステム302は、基板ステージ2(基板P)が対向可能な下面を有する。基板ステージ2の上面2U、及び基板ステージ2に保持されている基板Pの上面(表面)Paは、−Z方向を向くアライメントシステム302の下面と対向可能である。
表面位置検出システム303は、例えばオートフォーカス・レベリングシステムとも呼ばれ、基板ステージ2に保持された基板Pの上面(表面)Paに検出光を照射して、その基板Pの上面Paの位置を検出する。表面位置検出システム303は、基板ステージ2(基板P)が対向可能な下面を有する。基板ステージ2の上面2U、及び基板ステージ2に保持されている基板Pの上面Paは、−Z方向を向く表面位置検出システム303の下面と対向可能である。
基板Pの露光処理を実行するとき、あるいは所定の計測処理を実行するとき、制御装置8は、干渉計システム11の計測結果、及び検出システム300の検出結果に基づいて、駆動システム4,5,6を作動し、マスクステージ1(マスクM)、基板ステージ2(基板P)、及び計測ステージ3(計測部材C)の位置制御を実行する。
液浸部材7は、露光光ELの光路の少なくとも一部が液体LQで満たされるように液浸空間LSを形成可能である。液浸部材7は、投影光学系PLの複数の光学素子のうち、投影光学系PLの像面に最も近い終端光学素子12の近傍に配置される。本実施形態において、液浸部材7は、環状の部材であり、露光光ELの光路の周囲に配置される。本実施形態においては、液浸部材7の少なくとも一部が、終端光学素子12の周囲に配置される。
終端光学素子12は、投影光学系PLの像面に向けて露光光ELを射出する射出面13を有する。本実施形態において、射出面13側に液浸空間LSが形成される。液浸空間LSは、射出面13から射出される露光光ELの光路Kが液体LQで満たされるように形成される。射出面13から射出される露光光ELは、−Z方向に進行する。射出面13は、露光光ELの進行方向(−Z方向)を向く。本実施形態において、射出面13は、XY平面とほぼ平行な平面である。なお、射出面13がXY平面に対して傾斜していてもよいし、曲面を含んでもよい。
液浸部材7は、少なくとも一部が−Z方向を向く下面14を有する。本実施形態において、射出面13及び下面14は、射出面13から射出される露光光ELが照射可能な位置(投影領域PR)に配置される物体との間で液体LQを保持することができる。液浸空間LSは、射出面13及び下面14の少なくとも一部と投影領域PRに配置される物体との間に保持された液体LQによって形成される。液浸空間LSは、射出面13と、投影領域PRに配置される物体との間の露光光ELの光路Kが液体LQで満たされるように形成される。液浸部材7は、終端光学素子12と物体との間の露光光ELの光路Kが液体LQで満たされるように物体との間で液体LQを保持可能である。
本実施形態において、投影領域PRに配置可能な物体は、投影光学系PLの像面側(終端光学素子12の射出面13側)で投影領域PRに対して移動可能な物体を含む。その物体は、終端光学素子12及び液浸部材7に対して移動可能である。その物体は、射出面13及び下面14の少なくとも一方と対向可能な上面(表面)を有する。物体の上面は、射出面13との間に液浸空間LSを形成可能である。その物体は、終端光学素子12の光軸(Z軸)と垂直な面内(XY平面内)において移動可能である。本実施形態において、物体の上面は、射出面13及び下面14の少なくとも一部との間に液浸空間LSを形成可能である。一方側の射出面13及び下面14と、他方側の物体の上面(表面)との間に液体LQが保持されることによって、終端光学素子12と物体との間の露光光ELの光路Kが液体LQで満たされるように液浸空間LSが形成される。
本実施形態において、その物体は、基板ステージ2、基板ステージ2に保持された基板P、計測ステージ3、及び計測ステージ3に保持された計測部材Cの少なくとも一つを含む。例えば、基板ステージ2の上面2U、及び基板ステージ2に保持されている基板Pの表面(上面)Paは、−Z方向を向く終端光学素子12の射出面13、及び−Z方向を向く液浸部材7の下面14と対向可能である。もちろん、投影領域PRに配置可能な物体は、基板ステージ2、基板ステージ2に保持された基板P、計測ステージ3、及び計測ステージ3に保持された計測部材Cの少なくとも一つに限られない。また、それら物体は、検出システム300の少なくとも一部と対向可能である。
本実施形態においては、基板Pに露光光ELが照射されているとき、投影領域PRを含む基板Pの表面の一部の領域が液体LQで覆われるように液浸空間LSが形成される。基板Pの露光時において、液浸部材7は、終端光学素子12と基板Pとの間の露光光ELの光路Kが液体LQで満たされるように基板Pとの間で液体LQを保持可能である。液体LQの界面(メニスカス、エッジ)LGの少なくとも一部は、液浸部材7の下面14と基板Pの表面との間に形成される。すなわち、本実施形態の露光装置EXは、局所液浸方式を採用する。
図2は、本実施形態に係る液浸部材7及び基板ステージ2の一例を示す側断面図である。図3は、図2の一部を拡大した図である。なお、図2においては、投影領域PR(終端光学素子12及び液浸部材7と対向する位置)に基板Pが配置されているが、上述のように、基板ステージ2(カバー部材T)、及び計測ステージ3(カバー部材Q、計測部材C)を配置することもできる。
図2に示すように、液浸部材7は、少なくとも一部が終端光学素子12の射出面13と対向する対向部71と、少なくとも一部が終端光学素子12の周囲に配置される本体部72とを含む。対向部71は、射出面13と対向する位置に孔(開口)7Kを有する。対向部71は、少なくとも一部が射出面13とギャップを介して対向する上面7Uと、基板P(物体)が対向可能な下面7Hとを有する。孔7Kは、上面7Uと下面7Hとを結ぶように形成される。上面7Uは、孔7Kの上端の周囲に配置され、下面7Hは、孔7Kの下端の周囲に配置される。射出面13から射出された露光光ELは、孔7Kを通過して、基板Pに照射可能である。
本実施形態において、上面7U及び下面7Hのそれぞれは、光路Kの周囲に配置される。本実施形態において、下面7Hは、平坦面である。下面7Hは、基板P(物体)との間で液体LQを保持可能である。以下の説明において、下面7Hを適宜、保持面7H、と称する。
また、液浸部材7は、液体LQを供給可能な供給口15と、液体LQを回収可能な回収口16とを有する。供給口15は、例えば基板Pの露光時において液体LQを供給する。回収口16は、例えば基板Pの露光時において液体LQを回収する。なお、供給口15は、基板Pの露光時及び非露光時の一方又は両方において液体LQを供給可能である。なお、回収口16は、基板Pの露光時及び非露光時の一方又は両方において液体LQを回収可能である。
供給口15は、射出面13から射出される露光光ELの光路Kの近傍において、その光路Kに面するように配置されている。なお、供給口15は、射出面13と開口7Kとの間の空間及び終端光学素子12の側面の一方又は両方に面していればよい。本実施形態において、供給口15は、上面7Uと射出面13との間の空間に液体LQを供給する。供給口15から供給された液体LQは、その上面7Uと射出面13との間の空間を流れた後、開口7Kを介して、基板P(物体)上に供給される。
供給口15は、流路17を介して、液体供給装置18と接続されている。液体供給装置18は、清浄で温度調整された液体LQを送出可能である。この液体供給装置18は、露光装置EXに備えられていてもよいし、露光装置EX外の例えばクリーンルームに備えられていてもよい。流路17は、液浸部材7の内部に形成された供給流路17R、及びその供給流路17Rと液体供給装置18とを接続する供給管で形成される流路を含む。液体供給装置18から送出された液体LQは、流路17を介して供給口15に供給される。少なくとも基板Pの露光において、供給口15は、液体LQを供給する。
回収口16は、液浸部材7の下面14と対向する物体上の液体LQの少なくとも一部を回収可能である。回収口16は、露光光ELが通過する開口7Kの周囲の少なくとも一部に配置される。本実施形態においては、回収口16は、保持面7Hの周囲の少なくとも一部に配置される。回収口16は、物体の表面と対向する液浸部材7の所定位置に配置されている。少なくとも基板Pの露光において、回収口16に基板Pが対向する。基板Pの露光において、回収口16は、基板P上の液体LQを回収する。
本実施形態において、本体部72は、基板P(物体)に面する開口7Pを有する。開口7Pは、保持面7Hの周囲の少なくとも一部に配置される。本実施形態において、液浸部材7は、開口7Pに配置された多孔部材19を有する。本実施形態において、多孔部材19は、複数の孔(openingsあるいはpores)を含むプレート状の部材である。なお、開口7Pに、網目状に多数の小さい孔が形成された多孔部材であるメッシュフィルタが配置されてもよい。
本実施形態において、多孔部材19は、基板P(物体)が対向可能な下面19Hと、下面19Hの反対方向を向く上面19Uと、上面19Uと下面19Hとを結ぶ複数の孔とを有する。下面19Hは、保持面7Hの周囲の少なくとも一部に配置される。本実施形態において、液浸部材7の下面14の少なくとも一部は、保持面7H及び下面19Hを含む。
本実施形態において、回収口16は、多孔部材19の孔を含む。本実施形態において、基板P(物体)上の液体LQは、多孔部材19の孔(回収口16)を介して回収される。なお、多孔部材19が配置されなくてもよい。
回収口16は、流路20を介して、液体回収装置21と接続されている。液体回収装置21は、回収口16を真空システムに接続可能であり、回収口16を介して液体LQを吸引可能である。この液体回収装置21は、露光装置EXに備えられていてもよいし、露光装置EX外の例えばクリーンルームに備えられていてもよい。流路20は、液浸部材7の内部に形成された回収流路20R、及びその回収流路20Rと液体回収装置21とを接続する回収管で形成される流路を含む。回収口16から回収された液体LQは、流路20を介して、液体回収装置21に回収される。
本実施形態においては、制御装置8は、供給口15からの液体LQの供給動作と並行して、回収口16からの液体LQの回収動作を実行することによって、一方側の終端光学素子12及び液浸部材7と、他方側の物体との間に液体LQで液浸空間LSを形成可能である。
なお、液浸部材7として、例えば米国特許出願公開第2007/0132976号明細書、欧州特許出願公開第1768170号明細書に開示されているような液浸部材(ノズル部材)を用いることができる。
図2及び図3に示すように、本実施形態において、基板ステージ2は、基板(物体)Pとカバー部材T(基板ステージ2)との間の間隙(ギャップ)Gaに通じる空間部23を有する。空間部23は、間隙Gaの下方に位置する。間隙Gaは、互いに対向する、第1保持部31に保持された基板Pの側面Pcと、第2保持部32に保持されたカバー部材Tの内面Tcとの間に形成される。内面Tcは、基板Pの側面Pcと平行で上端が上面Taと結ばれる第1内面Tdと、第1内面Tdの下方に第1内面Tdとは非平行に配置され、第1保持部31の中心に対して外側に向かうに従って下方に傾斜する傾斜面(第2内面)Tsとを有している。
図4は、図3における間隙Gaの部分拡大図である。
空間部23には、吸引部81が配置されている。吸引部81は間隙Gaに配置される多孔部材80と、多孔部材80を支持する支持部材82とを備えている。本実施形態において、多孔部材80は、例えばチタン製である。多孔部材80は、例えば焼結法により形成可能である。本実施形態において、間隙Gaに流入する液体LQの少なくとも一部は、多孔部材80を介して回収される。多孔部材80は、カバー部材Tの傾斜面Tsと平行に対向配置された第1対向面85aを有する傾斜部85と、基板Pの側面Pcと平行に対向配置された第2対向面86aを有する鉛直部86とを備えている。図5は、傾斜部85を傾斜面Tsとの対向方向で断面した部分断面図である。図5に示すように、傾斜部85には、傾斜面Ts側に向けて突出する鋭端部85Eと溝部85Fとが第1保持部31の中心を通るZ軸と平行な軸線周りに全周に亘って交互に形成されている。
傾斜部85と鉛直部86とは上部において鋭角に交差している。傾斜部85と鉛直部86との交差部89の最上端位置は、略面一となっている基板Pの上面Pa及びカバー部材Tの上面Taよりも低い位置(−Z側の位置)となるように形成されている。具体的には、交差部89の最上端位置は、間隙Gaに液体がブリッジ状に残留した場合でも、当該液体に最上端が当接する位置に設定される。傾斜部85と鉛直部86とは、下方において支持部材82との間に断面三角形状の中空部87を形成する。中空部87は、第1保持部31の中心を通るZ軸と平行な軸線周りに全周に亘って形成されている。なお、傾斜部85と鉛直部86との交差部89の最上端位置を、略面一となっている基板Pの上面Pa及びカバー部材Tの上面Taと実質的に同じ高さとしてもよい。
支持部材82は、例えば金属材で形成されている。支持部材82は、連通部27及び流路28を備えている。連通部27は支持部材82の上面に形成されており、多孔部材80の中空部87と連通する。流路28は、Z方向に延在して形成されており、上端が連通部27に開口し、下端が後述する吸引口24を介して流路25と連通している。
本実施形態において、基板ステージ2は、空間部23に配置される吸引口24を有する。本実施形態において、吸引口24は、空間部23を形成する基板ステージ2の内面の少なくとも一部に形成されている。吸引口24は、流路25を介して、流体吸引装置26と接続されている。流体吸引装置26は、吸引口24を真空システムに接続可能であり、吸引口24を介して液体及び気体の一方又は両方を吸引可能である。流路25の少なくとも一部は、基板ステージ2の内部に形成される。吸引口24を介して吸引された流体(液体及び気体の少なくとも一方)は、流路25を介して、流体吸引装置26に吸引される。
本実施形態において、第1保持部31は、例えばピンチャック装置を有する。第1保持部31は、基板ステージ2の支持面31Sに配置され、基板Pの下面Pbが対向可能な周壁部35と、周壁部35の内側の支持面31Sに配置され、複数のピン部材を含む支持部36と、支持面31Sに配置され、流体を吸引する吸引口37とを有する。吸引口37は、流体吸引装置と接続される。流体吸引装置は、制御装置8に制御される。周壁部35の上面は、基板Pの下面Pbと対向可能である。周壁部35は、基板Pの下面Pbとの間の少なくとも一部に負圧空間を形成可能である。なお、支持面31Sにおいて、周壁部35は実質的に円形であり、前述、及び後述の説明において、第1保持部31の中心は、周壁部35の中心である。なお、本実施形態においては、XY平面内において、周壁部35は、実質的に円形(円環状)である。制御装置8は、基板Pの下面Pbと周壁部35の上面とが接触された状態で、吸引口37の吸引動作を実行することによって、周壁部35と基板Pの下面Pbと支持面31Sとで形成される空間31Hを負圧にすることができる。これにより、基板Pが第1保持部31に保持される。また、吸引口37の吸引動作が解除されることによって、基板Pは第1保持部31から解放される。
本実施形態においては、空間31Hを負圧にすることにより、基板Pの下面が支持部36(複数のピン部材)の上端に保持される。すなわち、支持部36(複数のピン部材)の上端によって基板Pを保持する保持面36Sの少なくとも一部が規定されている。
本実施形態において、第2保持部32は、例えばピンチャック装置を有する。第2保持部32は、基板ステージ2の支持面32Sにおいて周壁部35を囲むように配置され、カバー部材Tの下面Tbが対向可能な周壁部38と、支持面32Sにおいて周壁部38を囲むように配置され、カバー部材Tの下面Tbが対向可能な周壁部39と、周壁部38と周壁部39との間の支持面32Sに配置され、複数のピン部材を含む支持部40と、支持面32Sに配置され、流体を吸引する吸引口41とを有する。吸引口41は、流体吸引装置と接続される。流体吸引装置は、制御装置8に制御される。周壁部38、39の上面は、カバー部材Tの下面Tbと対向可能である。周壁部38、39は、カバー部材Tの下面Tbとの間の少なくとも一部に負圧空間を形成可能である。制御装置8は、カバー部材Tの下面Tbと周壁部38、39の上面とが接触された状態で、吸引口41の吸引動作を実行することによって、周壁部38と周壁部39とカバー部材Tの下面Tbと支持面32Sとで形成される空間32Hを負圧にすることができる。これにより、カバー部材Tが第2保持部32に保持される。また、吸引口41の吸引動作が解除されることによって、カバー部材Tは第2保持部32から解放される。
次に、露光装置EXの動作の一例について、図1乃至図6を参照して説明する。図6は、第1保持部31(基板ステージ2)に保持された基板Pの一例を示す図である。
第1保持部31に保持されている基板Pを露光するために、基板ステージ2を露光位置に移動して、終端光学素子12及び液浸部材7と基板ステージ2(基板P)との間に液体LQで液浸空間LSが形成された後、制御装置8は、基板Pの露光処理を開始する。
本実施形態の露光装置EXは、マスクMと基板Pとを所定の走査方向に同期移動しつつ、マスクMのパターンの像を基板Pに投影する走査型露光装置(所謂スキャニングステッパ)である。本実施形態においては、基板Pの走査方向(同期移動方向)をY軸方向とし、マスクMの走査方向(同期移動方向)もY軸方向とする。制御装置8は、基板Pを投影光学系PLの投影領域PRに対してY軸方向に移動するとともに、その基板PのY軸方向への移動と同期して、照明系ILの照明領域IRに対してマスクMをY軸方向に移動しつつ、投影光学系PLと基板P上の液浸空間LSの液体LQとを介して基板Pに露光光ELを照射する。これにより、基板Pが液体LQを介して露光光ELで露光され、マスクMのパターンの像が投影光学系PL及び液体LQを介して基板Pに投影される。
図6に示すように、本実施形態においては、基板P上に露光対象領域であるショット領域Sがマトリクス状に複数配置されている。制御装置8は、基板P上に定められた複数のショット領域Sを順次露光する。
基板Pのショット領域Sを露光するとき、終端光学素子12及び液浸部材7と基板Pとが対向され、終端光学素子12と基板Pとの間の露光光ELの光路Kが液体LQで満たされるように液浸空間LSが形成される。基板Pの複数のショット領域Sを順次露光するとき、終端光学素子12及び液浸部材7と基板Pの上面Pa及び基板ステージ2の上面2Uの少なくとも一方との間に液体LQで液浸空間LSが形成されている状態で、駆動システム5によって基板ステージ2がXY平面内において移動される。制御装置8は、終端光学素子12及び液浸部材7と基板Pの上面Pa及び基板ステージ2の上面2Uの少なくとも一方との間に液体LQで液浸空間LSが形成されている状態で、基板ステージ2を移動しながら、基板Pの露光を実行する。
例えば基板P上の複数のショット領域Sのうち最初のショット領域Sを露光するために、制御装置8は、その第1のショット領域Sを露光開始位置に移動する。制御装置8は、液浸空間LSが形成された状態で、第1のショット領域S(基板P)を投影光学系PLの投影領域PRに対してY軸方向に移動しながら、その第1のショット領域Sに対して露光光ELを照射する。
第1のショット領域Sの露光が終了した後、次の第2のショット領域Sを露光するために、制御装置8は、液浸空間LSが形成された状態で、基板PをX軸方向(あるいはXY平面内においてX軸方向に対して傾斜する方向)に移動し、第2のショット領域Sを露光開始位置に移動する。制御装置8は、第1のショット領域Sと同様に、第2のショット領域Sを露光する。
制御装置8は、投影領域PRに対してショット領域SをY軸方向に移動しながらそのショット領域Sに露光光ELを照射する動作(スキャン露光動作)と、そのショット領域Sの露光が終了した後、次のショット領域Sを露光開始位置に移動するための動作(ステッピング動作)とを繰り返しながら、基板P上の複数のショット領域Sを、投影光学系PL及び液浸空間LSの液体LQを介して順次露光する。基板Pの複数のショット領域Sに対して露光光ELが順次照射される。
本実施形態において、制御装置8は、投影光学系PLの投影領域PRと基板Pとが、図6中、矢印R1に示す移動軌跡に沿って相対的に移動するように基板ステージ2を移動しつつ投影領域PRに露光光ELを照射して、液体LQを介して基板Pの複数のショット領域Sを露光光ELで順次露光する。基板Pの露光における基板ステージ2の移動中の少なくとも一部において、液浸空間LSは、間隙Ga上に形成される。
例えば、投影領域PRが基板Pに対して、図6に示すショット領域S1からショット領域S2に移動軌跡R1に沿ってY方向に相対移動する場合、ショット領域S1において、間隙Gaが液浸空間LSの液体LQと接触する第1状態から、ショット領域S2において、間隙Gaが液浸空間LSの液体LQと接触しない第2状態に変化する。第1状態から第2状態に変化した後には、図4に示すように、液浸空間LSの液体LQの一部が分離して間隙Gaにブリッジ状に残留する場合がある。
間隙Gaにブリッジ状に残留した液体は多孔部材80における先端部89と当接しているため、流体吸引装置26の作動による負圧吸引力が流路25、28及び連通部27を介して中空部87に作用することで多孔部材80に付着した液体LQは、多孔部材80の孔を介して吸引され、中空部87、連通部27、流路28、25を介して吸引・回収される。
以上説明したように、本実施形態では、間隙Gaにブリッジ状に液体LQが残留した場合でも、多孔部材80から液体LQを除去して回収するため、間隙Gaに残留する液体LQ、及び液体LQが残留した状態で液浸空間LSが間隙Gaを通過した場合にエアが巻き込まれることで生じる気泡に起因して、露光不良が生じることを抑制できる。特に、本実施形態では、多孔部材80に中空部87を設けているため、傾斜部85及び鉛直部86における壁厚が薄くなり、残留液体LQに対する負圧吸引力の圧損を効果的に緩和することが可能になる。
また、本実施形態では、多孔部材80の上端部が、基板Pの上面Pa及びカバー部材Tの上面Taよりも低い位置にあるため、多孔部材80の孔が、所謂、親水トラップ源として作用し、間隙Gaに液体LQを残留させる原因となってしまうことを緩和できる。しかも、本実施形態では、多孔部材80において上端部1に鋭端部85Eが形成され、間隙Gaに残留する液体LQと接触する箇所を限定しているため、間隙Gaに液体LQを残留させる原因となってしまうことをさらに緩和することが可能になる。
<第2実施形態>
次に、露光装置EXの第2実施形態について、図7乃至図9を参照して説明する。
これらの図において、図1乃至図6に示す第1実施形態の構成要素と同一の要素については同一符号を付し、その説明を省略する。
第2実施形態においては、吸引部81の構成が第1実施形態と異なっている。
図7及び図8に示すように、本実施形態の露光装置EXにおける吸引部(回収部材)81は、第1支持部材82Aと、第2支持部材82Bと、傾斜部(第2多孔部材)85と、鉛直部(第1多孔部材)86とを備えている。傾斜部85及び鉛直部86は、多孔部材80を構成する。
第1支持部材82Aは、断面視で三角形状を有し、第1保持部31の中心を通るZ軸と平行な軸線周りに延在するリング形状に形成されている。第1支持部材82Aは、例えば、金属材で形成されている。多孔部材80の傾斜部85は、第1支持部材82Aにおいてカバー部材Tの傾斜面Tsと対向する位置に埋設された形状を有している。また、多孔部材80の鉛直部86は、第1支持部材82Aにおいて、交差部89よりも低い位置で、且つ基板Pの側面Pcと対向する位置で第2支持部材82まで延びるように埋設された形状を有している。
また、第1支持部材82Aは、第1保持部31の中心を通るZ軸と平行な軸線を中心とする径方向で、傾斜部85と鉛直部86との間の位置でZ方向に貫通する吸引孔91と、Z方向に延び上端が傾斜部85に臨んで開口する吸引孔92とを備えている。吸引孔91の上端は、図9に示すように、回収口として鋭端部85Eにおいて間隙Gaに臨んで開口している。
第2支持部材82Bは、第1支持部材82Aを下方から支持するものであって、上端が吸引孔91と連通し、下端が連通部27に開口する流路91Aと、上端が吸引孔92と連通し、下端が連通部27に開口する流路92Aと、上端が鉛直部86に臨んで開口し、下端が連通部27に開口する流路93Aとを備えている。
上記吸引孔91、92、流路91A〜93A、28及び連通部27は、液体の回収流路を形成している。
他の構成は、上記第1実施形態と同様である。
上記構成の露光装置EXでは、例えば、流体吸引装置26を常時作動させることにより、間隙Gaに残留した液体は、吸引孔91から流路91Aを介して吸引される。また、吸引孔91から吸引されなかった液体は、基板Pの側面Pcとの隙間を介して鉛直部86の孔から流路93Aを介して吸引される、あるいは、溝部85Fを流動して傾斜部85の孔から吸引孔92及び流路92Aを介して吸引される。
流路91A〜93Aを介して吸引された液体は、連通部27、流路28、25などを介して吸引・回収される。
このように、本実施形態では、上記第1実施形態と同様の作用・効果が得られることに加えて、間隙Gaに残留した液体を、多孔質の孔を介して吸引する場合よりも圧損が少なく液体回収力の大きい吸引孔91を介して吸引するため、より効果的に液体を回収することが可能となる。また、本実施形態では、吸引孔91から吸引されずに、基板Pの側面Pcとの隙間、またはカバー部材Tの傾斜面Tsとの隙間から流入した液体を鉛直部86、傾斜部85によって吸引して回収できるため、より確実に液体を回収・除去することが可能となる。
<第3実施形態>
次に、露光装置EXの第3実施形態について、図10を参照して説明する。
この図において、図1乃至図6に示す第1実施形態の構成要素と同一の要素については同一符号を付し、その説明を省略する。
図10に示すように、本実施形態では、カバー部材Tにおける間隙Gaに臨む側に、下方側を欠落させた形状で薄板部Teが設けられている。薄板部Teは、例えば、数十μmの厚さ(側面Tcの幅)で、長さ(間隙Gaへの突出量)が数百μm程度に形成される。本実施形態のカバー部材Tは、内面Tcは基板Pの側面Pcと平行で上端が上面Taと結ばれる一方で、この内面Tcの下方で基板Pまたは多孔部材80と対向可能な面Ts1〜Ts3を備えている。このうち面Ts3は、上述した薄板部Teの一部を構成している。また、面Ts2は基板Pの側面Pcと平行となるように形成されている。また、面Ts1は内面Tcとは非平行に配置され、第1保持部31の中心に対して外側に向かうに従って下方に傾斜している。
このように、本実施形態では、カバー部材Tのうち基板Pと対向する側の側面は、4つの面(内面Tc、および面Ts1〜面Ts3)を備えている。なお、Tcは出来るだけ省略(小さく)してもよい。
また、面Ts2は省略してもよく、この場合には面Ts3の端部と面Ts1の端部とが接続される。すなわち、内面Tcを除けば、カバー部材Tのうち基板Pと対向する側の側面の数は、少なくとも2つの面(面Ts3および面Ts1)があればよい。
他の構成は、上記第1実施形態と同様である。
上記構成の露光装置EXでは、上記第1実施形態と同様の作用・効果が得られることに加えて、液浸空間LSが間隙Gaを通り過ぎる際に、カバー部材Tの側面Tcの幅が小さく液体がリリースされやすくなることから、基板Pとカバー部材Tの液体に対する接触角の差に起因してブリッジ状の残水が生じる可能性を抑えることが可能となる。
<第4実施形態>
次に、露光装置EXの第4実施形態について、図11を参照して説明する。
この図において、図1乃至図6に示す第1実施形態の構成要素と同一の要素については同一符号を付し、その説明を省略する。
図11に示すように、本実施形態では、カバー部材Tは、間隙Gaに臨む側に設けられた撥水ブロック(第1部材)HBと、撥水ブロックHBの外周側に接続されるカバー本体(第2部材)TGとを備えている。撥水ブロックHBは、圧入等によりカバー本体TGに取り付けられている。撥水ブロックHBは、例えば、フッ素樹脂等で形成され、液体LQに対する撥水性を有している。なお、撥水ブロックHBとしては、フッ素樹脂等で形成されるのではなく、例えば、金属等の母材表面にフッ素コーティングを施す構成としてもよい。
撥水ブロックHBの上面HBaは、基板Pの上面Paと実質的に面一に形成されている。撥水ブロックHBの間隙Ga側の内面は、基板Pの側面Pcと平行な第1内面HBcと、第1内面HBcの下端を基点として、基板Pから離間するのに従って、下方に向かって傾斜する第2内面HBsとを有している。第1内面HBcの幅(Z方向の長さ)も、上記第3実施形態の薄板部Tcと同様に、数十μmに形成されている。
本実施形態においては、撥水ブロックHBが撥水性を有しており、また第1内面HBcの幅が微小量であるため、間隙Gaにブリッジ状の液体が残留する可能性を抑えることが可能となる。
<第5実施形態>
次に、露光装置EXの第5実施形態について、図12を参照して説明する。
この図において、図1乃至図6に示す第1実施形態の構成要素と同一の要素については同一符号を付し、その説明を省略する。
図12に示すように、本実施形態では、カバー部材Tにおける間隙Gaに臨む側には、上面Taを基点とする傾斜面Tsが形成されている。傾斜面Tsには、多孔部材80が設けられている。多孔部材80は、基板Pの側面Pcと平行な側面Tcから基板Pに向けて延出する延出部88を備えている。延出部88は、基板Pの下方に下面Pbと微小隙間をあけ、下面Pbと対向する位置(側面Pcよりも小径となる位置)まで延出している。多孔部材80は、流体吸引装置26によって負圧吸引される。
他の構成は、上記第1実施形態と同様である。
上記構成の露光装置EXでは、間隙Gaに臨んで、基板Pの上面Pa及びカバー部材Tの上面Taの位置まで、多孔部材80が設けられて間隙Gaの液体を吸引できるため、より確実に間隙Gaに残留する液体を回収することが可能となる。また、本実施形態では、多孔部材80の延出部88が基板Pの下面Pbと対向する位置まで延出しているため、基板Pの下面Pb側に流入する可能性がある液体についても効果的に吸引して回収することができる。
<第6実施形態>
次に、露光装置EXの第6実施形態について、図13を参照して説明する。
この図において、図1乃至図6に示す第1実施形態の構成要素と同一の要素については同一符号を付し、その説明を省略する。
図13に示すように、多孔部材80は、カバー部材Tの傾斜面Tsと微小隙間をあけて平行に対向する第1対向面85aと、基板Pの側面Pcと微小隙間をあけて平行に対向する第2対向面86aと、基板Pの下面Pbと微小隙間をあけて平行に対向する第3対向面88aとを有している。第1対向面85aと第2対向面86aとの交差部89は、間隙Gaに配置されている。
また、多孔部材80のカバー部材T側の側面(第1部分)は、第2保持部32の側面と当接して設けられている。多孔部材80の側面と当接する位置における第2保持部32の側面には、流路(第1回収流路)125の吸引孔124が開口している。吸引孔124は、多孔部材80の下面(第2部分)に臨んで開口する、流路(第2回収流路)25の吸引孔24よりも高い位置に開口している。流路125には、流体吸引装置(第1液体回収装置)126が接続されている。流体吸引装置(第2液体回収装置)26の負圧吸引力(液体回収力)は、流体吸引装置126よりも大きく設定されている。流体吸引装置26、126の動作は制御装置8によって制御される。
上記構成の露光装置EXでは、制御装置8は、基板Pの露光において流体吸引装置26を作動させず、流体吸引装置126を作動させる。また、制御装置8は、基板Pに対する露光前及び露光後の少なくとも一方においては、流体吸引装置26を作動させる。これにより、露光処理中に間隙Gaにブリッジ状に残留した液体については、多孔部材80の交差部89から吸引孔124及び流路125を介して吸引して回収することができる。一方、露光処理前あるいは露光処理後については、例えば基板Pの交換時については、流体吸引装置26の作動により、間隙Gaに流入した液体は、多孔部材80の孔から、吸引孔24及び流路25を介して吸引して回収することができる。
この場合、流体吸引装置26の液体回収力が流体吸引装置126の液体回収力よりも大きいため迅速に液体を回収することができる。また、露光処理中においては、吸引孔24よりも上方に配置され交差部89に近い位置にある吸引孔124を介して液体を吸引するため、間隙Gaに残留する液体を効果的に吸引・回収することができる。また、流体吸引装置126の液体回収力が流体吸引装置26の液体回収力よりも小さいため、露光処理に悪影響を与える可能性がある振動等についても小さく抑えることが可能となる。
<第7実施形態>
次に、露光装置EXの第7実施形態について、図14を参照して説明する。
この図において、図1乃至図6に示す第1実施形態の構成要素と同一の要素については同一符号を付し、その説明を省略する。
図14に示すように、本実施形態では、空間部23に回収部材80Kが配設されている。回収部材80Kは、例えばチタン等の金属材で形成されており、少なくとも一部が間隙Gaに位置する第1上面F1、第1側面S1、第2側面S2を有している。第1上面F1は、基板Pの上面Pa及びカバー部材Tの上面Taと同一平面内に配置されている。第1上面F1には、液体に対して撥液性を有する撥液膜(不図示)が成膜されている。
第1上面F1と第1側面S1との第1角部C1には、流路94の液体回収口94aが設けられている。第1上面F1と第2側面S2との第2角部C2には、流路95の液体回収口95aが設けられている。
流路94及び液体回収口94aは、第1保持部31の周囲に沿って所定間隔をあけて複数配置されている。同様に、流路95及び液体回収口95aは、第2保持部32の周囲に沿って所定間隔をあけて複数配置されている。各流路94、95は流路28に連通している。
上記構成の露光装置EXにおいては、基板Pのエッジ部(上面Paと側面Pcとの交差部)の液体は、流体吸引装置26の作動により液体回収口94aから吸引され、流路94、28を介して回収される。また、カバー部材Tについても同様に、エッジ部の液体は、流体吸引装置26の作動により液体回収口95aから吸引され、流路95、28を介して回収される。また、第1上面F1に位置する液体は、第1上面F1が撥液性を有していることからはじかれて液体回収口94aあるいは液体回収口95aから吸引されて回収される。
このように、本実施形態では、上述したブリッジの起点となる可能性がある液体を迅速に回収することが可能となる。
<第8実施形態>
次に、露光装置EXの第8実施形態について、図15を参照して説明する。
この図において、図1乃至図6に示す第1実施形態の構成要素と同一の要素については同一符号を付し、その説明を省略する。
図15に示すように、本実施形態における多孔部材80は、第1部分181と、当該第1部分181を挟んで第1保持部31側及び第2保持部32側に位置して設けられた第2部分182とを備えている。第1部分181は、間隙Gaに臨んで配置された第1上面181aと、流路(回収流路)25の吸引孔24に臨んで配置された第1下面181bと、第1上面181aの周縁と第1下面181bの周縁とを結ぶ第1側面181cとを備えている。第2部分182は、各第1側面181cに隣接して配置される。
第1部分181と第2部分182とは、例えば、粒径の異なるアルミナが用いられて成型されることにより、第1部分181の気孔率が第2部分182の気孔率よりも大きく設定されている。
上記構成の露光装置EXでは、第2部分182の気孔率が第1部分181の気孔率よりも小さいため、流体吸引装置26の作動により多孔部材80を負圧吸引したときに、第2部分182の吸引抵抗が第1部分181の吸引抵抗よりも大きくなる。そのため、多孔部材80への負圧吸引力は、第2部分182よりも第1部分181に対して大きく作用することになる。その結果、多孔部材80としては、第1保持部31及び第2保持部32と対向する側面よりも間隙Gaに臨む第1上面181aにおいて吸引力が大きくなる。すなわち、本実施形態では、間隙Gaに臨む第1上面181aからの液体吸引効率を高めることができる。
なお、上述した第1〜第8実施形態において、基板Pの形状などに対応して特定のエリアで液浸空間LSから液体LQが離脱して残留する場合には、例えば、図16に示すように、カバー部材Tにおける当該特定エリアに開口Th側に突出する突部Tnを設ける構成としてもよい。この構成を採ることにより、液体LQがカバー部材T上または基板P上に残留してしまうことを抑制できる。
また、液浸空間LSが間隙Gaを通り過ぎる際の液圧変化(特に、液圧低下)で気泡が生じる場合には、液浸空間LSが間隙Gaを通り過ぎるときに液圧を調整することも可能である。例えば、図17(a)、(b)に示すように、液浸空間LSが移動する方向に応じて、液浸空間LSの移動方向の前方側でカバー部材Tを厚くして液圧を上昇させる構成としてもよい。この構成を採ることにより、液浸空間LSが間隙Gaを通る際の液圧低下をカバー部材Tの厚さ変化による液圧上昇で相殺することで、気泡の発生等を抑制することができる。
すなわち、図17(a)に示すカバー部材Tでは、外周付近におけるカバー部材Tのおける厚さと、中心付近におけるカバー部材Tの厚さが異なっている。
また、図17(b)に示す例では、カバー部材Tの中心付近と外周付近の間において、厚みが異なる領域を備えている。
このように、カバー部材TのZ方向における厚みを局所的に異ならせることにより、液浸空間LSが間隙Gaを通り過ぎるときに生じる液圧の変化を調整することが可能となる。
以上、添付図面を参照しながら本発明に係る好適な実施形態について説明したが、本発明は係る例に限定されないことは言うまでもない。上述した例において示した各構成部材の諸形状や組み合わせ等は一例であって、本発明の主旨から逸脱しない範囲において設計要求等に基づき種々変更可能である。
例えば、上記実施形態では、間隙Gaとして基板Pとカバー部材Tとの間に形成される構成を例示したが、これに限定されるものではなく、例えば、図18に示すように、基板ステージ2におけるカバー部材Tの周囲に間隙Gmをあけてスケール部材(計測部材)GTが設けられ、スケール部材GTを用いてその基板ステージ2の位置を計測するエンコーダシステムが用いられる場合には、間隙Gmに残留する液体LQを、上記実施形態と同様に除去することも可能である。この場合の間隙Gmは、例えば、第1部材としてのスケール部材GTのエッジ部Eggと、第2部材としてのカバー部材Tのエッジ部Egとの間に形成される。
なお、このようなエンコーダシステムは、例えば米国特許出願公開第2007/0288121号明細書に開示されている。
また、基板ステージ2の他に、図18に示されるように、計測ステージ3において、計測部材(計測器)Cとカバー部材Qとの間に形成される間隙Gnに残留する液体LQを、上記実施形態と同様に除去することも可能である。この場合の間隙Gnは、例えば、第2部材としてのカバー部材Qのエッジ部Egqと、第1部材としての計測部材Cのエッジ部Egcとの間に形成される。さらに、露光処理から計測処理への移行時、あるいは計測処理から露光処理への移行時に、基板ステージ2と計測ステージ3とが近接した状態を維持したまま、液浸空間LSが基板ステージ2上と計測ステージ3上との間を相対移動する際に、これら基板ステージ2と計測ステージ3との間の間隙に残留する液体LQを、上記実施形態と同様に除去することも可能である。
なお、上述の各実施形態においては、投影光学系PLの終端光学素子12の射出側(像面側)の光路Kが液体LQで満たされているが、投影光学系PLが、例えば国際公開第2004/019128号パンフレットに開示されているような、終端光学素子12の入射側(物体面側)の光路も液体LQで満たされる投影光学系でもよい。
なお、上述の各実施形態においては、露光用の液体LQとして水を用いているが、水以外の液体であってもよい。液体LQとしては、露光光ELに対して透過性であり、露光光ELに対して高い屈折率を有し、投影光学系PLあるいは基板Pの表面を形成する感光材(フォトレジスト)などの膜に対して安定なものが好ましい。例えば、液体LQとして、ハイドロフロロエーテル(HFE)、過フッ化ポリエーテル(PFPE)、フォンブリンオイル等を用いることも可能である。また、液体LQとして、種々の流体、例えば、超臨界流体を用いることも可能である。
なお、上述の各実施形態の基板Pとしては、半導体デバイス製造用の半導体ウエハのみならず、ディスプレイデバイス用のガラス基板、薄膜磁気ヘッド用のセラミックウエハ、あるいは露光装置で用いられるマスクまたはレチクルの原版(合成石英、シリコンウエハ)等が適用される。
露光装置EXとしては、マスクMと基板Pとを同期移動してマスクMのパターンを走査露光するステップ・アンド・スキャン方式の走査型露光装置(スキャニングステッパ)の他に、マスクMと基板Pとを静止した状態でマスクMのパターンを一括露光し、基板Pを順次ステップ移動させるステップ・アンド・リピート方式の投影露光装置(ステッパ)にも適用することができる。
さらに、ステップ・アンド・リピート方式の露光において、第1パターンと基板Pとをほぼ静止した状態で、投影光学系を用いて第1パターンの縮小像を基板P上に転写した後、第2パターンと基板Pとをほぼ静止した状態で、投影光学系を用いて第2パターンの縮小像を第1パターンと部分的に重ねて基板P上に一括露光してもよい(スティッチ方式の一括露光装置)。また、スティッチ方式の露光装置としては、基板P上で少なくとも2つのパターンを部分的に重ねて転写し、基板Pを順次移動させるステップ・アンド・スティッチ方式の露光装置にも適用できる。
また、例えば米国特許第6611316号明細書に開示されているように、2つのマスクのパターンを、投影光学系を介して基板上で合成し、1回の走査露光によって基板上の1つのショット領域をほぼ同時に二重露光する露光装置などにも本発明を適用することができる。また、プロキシミティ方式の露光装置、ミラープロジェクション・アライナーなどにも本発明を適用することができる。
また、本発明は、米国特許第6341007号明細書、米国特許第6208407号明細書、米国特許第6262796号明細書等に開示されているような、複数の基板ステージを備えたツインステージ型の露光装置にも適用できる。例えば、図19に示すように、露光装置EXが2つの基板ステージ2001、2002を備えてもよい。その場合、射出面13と対向するように配置可能な物体は、一方の基板ステージ、その一方の基板ステージに保持された基板、他方の基板ステージ、及びその他方の基板ステージに保持された基板の少なくとも一つを含む。
また、複数の基板ステージと計測ステージとを備えた露光装置にも適用することができる。
露光装置EXの種類としては、基板Pに半導体素子パターンを露光する半導体素子製造用の露光装置に限られず、液晶表示素子製造用又はディスプレイ製造用の露光装置や、薄膜磁気ヘッド、撮像素子(CCD)、マイクロマシン、MEMS、DNAチップ、あるいはレチクル又はマスクなどを製造するための露光装置などにも広く適用できる。
なお、上述の実施形態においては、光透過性の基板上に所定の遮光パターン(又は位相パターン・減光パターン)を形成した光透過型マスクを用いたが、このマスクに代えて、例えば米国特許第6778257号明細書に開示されているように、露光すべきパターンの電子データに基づいて透過パターン又は反射パターン、あるいは発光パターンを形成する可変成形マスク(電子マスク、アクティブマスク、あるいはイメージジェネレータとも呼ばれる)を用いてもよい。また、非発光型画像表示素子を備える可変成形マスクに代えて、自発光型画像表示素子を含むパターン形成装置を備えるようにしても良い。
上述の各実施形態においては、投影光学系PLを備えた露光装置を例に挙げて説明してきたが、投影光学系PLを用いない露光装置及び露光方法に本発明を適用することができる。例えば、レンズ等の光学部材と基板との間に液浸空間を形成し、その光学部材を介して、基板に露光光を照射することができる。
また、例えば国際公開第2001/035168号パンフレットに開示されているように、干渉縞を基板P上に形成することによって、基板P上にライン・アンド・スペースパターンを露光する露光装置(リソグラフィシステム)にも本発明を適用することができる。
上述の実施形態の露光装置EXは、各構成要素を含む各種サブシステムを、所定の機械的精度、電気的精度、光学的精度を保つように、組み立てることで製造される。これら各種精度を確保するために、この組み立ての前後には、各種光学系については光学的精度を達成するための調整、各種機械系については機械的精度を達成するための調整、各種電気系については電気的精度を達成するための調整が行われる。各種サブシステムから露光装置への組み立て工程は、各種サブシステム相互の、機械的接続、電気回路の配線接続、気圧回路の配管接続等が含まれる。この各種サブシステムから露光装置への組み立て工程の前に、各サブシステム個々の組み立て工程があることはいうまでもない。各種サブシステムの露光装置への組み立て工程が終了したら、総合調整が行われ、露光装置全体としての各種精度が確保される。なお、露光装置の製造は温度及びクリーン度等が管理されたクリーンルームで行うことが望ましい。
半導体デバイス等のマイクロデバイスは、図20に示すように、マイクロデバイスの機能・性能設計を行うステップ201、この設計ステップに基づいたマスク(レチクル)を製作するステップ202、デバイスの基材である基板を製造するステップ203、上述の実施形態に従って、マスクのパターンからの露光光で基板を露光すること、及び露光された基板を現像することを含む基板処理(露光処理)を含む基板処理ステップ204、デバイス組み立てステップ(ダイシング工程、ボンディング工程、パッケージ工程などの加工プロセスを含む)205、検査ステップ206等を経て製造される。
なお、上述の各実施形態の要件は、適宜組み合わせることができる。また、一部の構成要素を用いない場合もある。また、法令で許容される限りにおいて、上述の各実施形態及び変形例で引用した露光装置などに関する全ての公開公報及び米国特許の開示を援用して本文の記載の一部とする。
2…基板ステージ(ステージ装置)、 3…計測部材、 7…液浸部材、 8…制御装置(調整装置)、 12…終端光学素子(光学部材)、 13…射出面、 24…吸引口(回収口)、 25…流路(第2回収流路)、 26…流体吸引装置(第2液体回収装置)、 27A…給気口、 31…第1保持部(基板保持部)、 32…第2保持部、 43…計測部(計測装置)、 64、65…給気口、 80…多孔部材(回収部材)、 80K…回収部材、 81…吸引部(回収部材)、 85…傾斜部(第2多孔部材)、 85a…第1対向面、 86…鉛直部(第1多孔部材)、 86a…第2対向面、 94a、95a…液体回収口、 125…流路(第1回収流路)、 126…流体吸引装置(第1液体回収装置)、 181…第1部分、 181a…第1上面、 181b…第1下面、 182…第2部分、 AX…光軸、 C…計測部材(計測器)、 C1…第1角部、 C2…第2角部、 DV…駆動装置(調整装置)、 EL…露光光、 EX…露光装置、 F1…第1上面、 Ga…間隙、 HB…撥水ブロック(第1部材)、 LQ…液体、 LS…液浸空間、 P…基板、 Pc…側面、 S1…第1側面、 S2…第2側面、 T…カバー部材、 TG…カバー本体(第2部材)、 Ta…上面、 Tc…内面、 Td…第1内面、 Ts…傾斜面(第2内面)

Claims (57)

  1. 液体を介して露光光で基板を露光する露光装置であって、
    前記露光光が射出される射出面を有する光学部材と、
    前記基板をリリース可能に保持する基板保持部と、
    前記基板が配置可能な開口が形成され、前記基板保持部に保持された基板の周囲に配置される上面、及び前記基板保持部の中心に対して外側に向かって下方に傾斜する傾斜面を含む内面を有するカバー部材と、
    少なくとも一部が前記保持された基板の側面と前記カバー部材の傾斜面との隙間に配置される多孔部材と、を備え、
    前記多孔部材を介して、前記間隙に流入する前記液体の少なくとも一部を回収する露光装置。
  2. 前記カバー部材の内面は、上端が前記カバー部材の上面と結ばれる第1内面と、前記第1内面の下方に配置され、前記第1内面と非平行な第2内面と、を含み、
    前記第2内面が、前記傾斜面を含む請求項1に記載の露光装置。
  3. 前記第2内面と、前記第2内面と対向する前記多孔部材の第1対向面とは、実質的に平行である請求項2に記載の露光装置。
  4. 前記基板の側面と、前記基板の側面と対向する前記多孔部材の第2対向面とは、実質的に平行である請求項2又は3に記載の露光装置。
  5. 前記多孔部材の少なくとも一部は、前記第1内面と対向する請求項2〜4のいずれか一項に記載の露光装置。
  6. 前記第1内面の少なくとも一部は、前記基板保持部に保持されている前記基板の側面と対向する請求項2〜5のいずれか一項に記載の露光装置。
  7. 前記カバー部材の上面の法線方向に関して、前記第2内面の寸法は、前記第1内面の寸法よりも大きい請求項2〜6のいずれか一項に記載の露光装置。
  8. 前記第1内面は、前記カバー部材の上面の法線と実質的に平行である請求項2〜7のいずれか一項に記載の露光装置。
  9. 前記第1内面の下端と前記第2内面の上端とが結ばれる請求項8に記載の露光装置。
  10. 前記多孔部材は、前記カバー部材の上面よりも下方に配置される請求項1〜9のいずれか一項に記載の露光装置。
  11. 前記多孔部材の少なくとも一部は、前記基板保持部の外側において、前記基板の下面の周縁領域の少なくとも一部と対向する請求項1〜10のいずれか一項に記載の露光装置。
  12. 前記多孔部材は、前記カバー部材と間隙を介して配置される請求項1〜11のいずれか一項に記載の露光装置。
  13. 前記多孔部材の少なくとも一部は、前記カバー部材に接続される請求項1〜11のいずれか一項に記載の露光装置。
  14. 液体を介して露光光で基板を露光する露光装置であって、
    前記露光光が射出される射出面を有する光学部材と、
    前記基板をリリース可能に保持する基板保持部と、
    前記基板が配置可能な開口が形成され、前記基板保持部に保持された基板の周囲に配置される上面、及び前記基板保持部の中心に対して外側に向かって下方に傾斜する傾斜面を含む内面を有するカバー部材と、
    多孔部材、及び前記多孔部材よりも上方に配置される回収口を含む回収部材と、を備え、
    前記多孔部材及び前記回収口の少なくとも一方を介して、前記基板と前記カバー部材との間の間隙に流入する前記液体の少なくとも一部が回収され、
    前記回収口の液体回収力は、前記多孔部材の液体回収力よりも大きい露光装置。
  15. 前記回収口は、前記間隙に面する請求項14に記載の露光装置。
  16. 前記多孔部材は、前記基板の側面と対向する第1多孔部材、及び前記傾斜面と対向する第2多孔部材の少なくとも一方を含む請求項14又は15に記載の露光装置。
  17. 前記回収部材は、前記多孔部材の孔及び前記回収口の両方に接続される回収流路を有し、
    前記回収流路に、真空システムが接続される請求項14〜16のいずれか一項に記載の露光装置。
  18. 前記カバー部材の内面は、上端が前記カバー部材の上面と結ばれる第1内面と、前記第1内面の下方に配置され、前記第1内面と非平行な第2内面と、を含み、
    前記第2内面が、前記傾斜面を含む請求項14〜17のいずれか一項に記載の露光装置。
  19. 前記第2内面と、前記第2内面と対向する前記回収部材の第1対向面とは、実質的に平行である請求項18に記載の露光装置。
  20. 前記基板の側面と、前記基板の側面と対向する前記回収部材の第2対向面とは、実質的に平行である請求項18又は19に記載の露光装置。
  21. 前記回収部材の少なくとも一部は、前記第1内面と対向する請求項18〜20のいずれか一項に記載の露光装置。
  22. 前記第1内面の少なくとも一部は、前記基板保持部に保持されている前記基板の側面と対向する請求項18〜21のいずれか一項に記載の露光装置。
  23. 前記カバー部材の上面の法線方向に関して、前記第2内面の寸法は、前記第1内面の寸法よりも大きい請求項18〜22のいずれか一項に記載の露光装置。
  24. 前記第1内面は、前記カバー部材の上面の法線と実質的に平行である請求項18〜23のいずれか一項に記載の露光装置。
  25. 前記第1内面の下端と前記第2内面の上端とが結ばれる請求項24に記載の露光装置。
  26. 前記回収部材は、前記カバー部材の上面よりも下方に配置される請求項14〜25のいずれか一項に記載の露光装置。
  27. 液体を介して露光光で基板を露光する露光装置であって、
    前記露光光が射出される射出面を有する光学部材と、
    前記基板の下面をリリース可能に保持する基板保持部と、
    前記基板が配置可能な開口が形成され、前記基板保持部に保持された基板の上面の周囲に配置される上面を有するカバー部材と、
    少なくとも一部が前記基板と前記カバー部材との間の間隙の下方に配置され、第1気孔率の第1部分及び前記第1気孔率とは異なる第2気孔率の第2部分を含む多孔部材と、を備え、
    前記多孔部材を介して、前記間隙に流入する前記液体の少なくとも一部を回収する露光装置。
  28. 前記第1部分は、前記間隙に面する第1上面、前記第1上面の反対側の第1下面、及び前記第1上面の周縁と前記第1下面の周縁とを結ぶ第1側面を有し、
    前記第2部分は、前記第1部分の前記第1側面の周囲に配置され、
    前記第1部分の気孔率は、前記第2多孔部材の気孔率よりも大きい請求項27に記載の露光装置。
  29. 前記第1下面に接続される回収流路を有し、
    前記回収流路に、真空システムが接続される請求項28に記載の露光装置。
  30. 液体を介して露光光で基板を露光する露光装置であって、
    前記露光光が射出される射出面を有する光学部材と、
    前記基板の下面をリリース可能に保持する基板保持部と、
    前記基板が配置可能な開口が形成され、前記基板保持部に保持された基板の上面の周囲に配置される上面を有するカバー部材と、
    少なくとも一部が前記基板と前記カバー部材との間の間隙の下方に配置され、前記間隙に流入する前記液体の少なくとも一部が回収される多孔部材と、
    前記多孔部材の第1部分に接続される第1回収流路と、
    前記第1部分よりも下方の前記多孔部材の第2部分に接続される第2回収流路と、を備え、
    前記多孔部材から回収された前記液体の少なくとも一部は、前記第1回収流路及び前記第2回収流路の少なくとも一方を流れる露光装置。
  31. 前記第1回収流路に接続される第1液体回収装置と、
    前記第2回収流路に接続される第2液体回収装置と、
    前記第1、第2液体回収装置を制御する制御装置と、を備え、
    前記制御装置は、前記基板の露光において、前記第2液体回収装置を作動せずに前記第1液体回収装置を作動し、前記基板の露光前及び露光後の少なくとも一方において、前記第2液体回収装置を作動する請求項30に記載の露光装置。
  32. 前記第2液体回収装置の液体回収力は、前記第1液体回収装置の液体回収力よりも大きい請求項31に記載の露光装置。
  33. 前記第2回収流路は、前記多孔部材の下面に接続される請求項30〜32のいずれか一項に記載の露光装置。
  34. 前記第1回収流路は、前記多孔部材の側面に接続される請求項30〜33のいずれか一項に記載の露光装置。
  35. 前記多孔部材の少なくとも一部は、前記基板と前記カバー部材との間の間隙に配置される請求項30〜34のいずれか一項に記載の露光装置。
  36. 液体を介して露光光で基板を露光する露光装置であって、
    前記露光光が射出される射出面を有する光学部材と、
    前記基板の下面をリリース可能に保持する基板保持部と、
    前記基板が配置可能な開口が形成され、前記基板保持部に保持された基板の上面の周囲に配置される上面、及び前記基板保持部の中心に対して外側に向かって下方に傾斜する傾斜面を含む内面を有するカバー部材と、
    少なくとも一部が前記基板と前記カバー部材との間に配置され、前記基板の上面及び前記カバー部材の上面と実質的に同一平面内に配置される第1上面と、前記基板の側面が対向する第1側面と、前記カバー部材の内面が対向する第2側面と、を有する回収部材と、を備え、
    前記回収部材は、前記第1上面と前記第1側面とで形成される第1角部、及び前記第1上面と前記第2側面とで形成される第2角部の少なくとも一方に配置される液体回収口を有する露光装置。
  37. 前記第1角部において、前記回収口は、前記基板保持部の周囲に複数配置される請求項36に記載の露光装置。
  38. 前記第2角部において、前記回収口は、前記基板保持部の周囲に複数配置される請求項36又は37に記載の露光装置。
  39. 前記第1上面、前記第1側面、及び前記第2側面は、液体を回収不可能である請求項36〜38のいずれか一項に記載の露光装置。
  40. 前記第1上面は、前記液体に対して撥液性の膜の表面を含む請求項36〜39のいずれか一項に記載の露光装置。
  41. 前記カバー部材は、前記カバー部材の上面の内縁領域、前記カバー部材の下面の内縁領域、及び前記上面の内縁領域と前記下面の内縁領域とを結ぶ内面を含み、前記液体に対して撥液性の第1部材と、前記第1部材に接続される第2部材と、を含む請求項1〜40のいずれか一項に記載の露光装置。
  42. 液体を介して露光光で基板を露光する露光装置であって、
    前記露光光が射出される射出面を有する光学部材と、
    前記基板の下面をリリース可能に保持する基板保持部と、
    前記基板が配置可能な開口が形成され、前記基板保持部に保持された基板の上面の周囲に配置される上面を有するカバー部材と、を備え、
    前記カバー部材は、前記カバー部材の上面の内縁領域、前記カバー部材の下面の内縁領域、及び前記上面の内縁領域と前記下面の内縁領域とを結ぶ内面を含み、前記液体に対して撥液性の第1部材と、前記第1部材に接続される第2部材と、を含む露光装置。
  43. 前記カバー部材の内面は、前記基板保持部の中心に対して外側に向かって下方に傾斜する傾斜面を含む請求項42に記載の露光装置。
  44. 液体を介して露光光で基板を露光する露光装置であって、
    前記露光光が射出される射出面を有する光学部材と、
    前記光学部材の下方で移動可能であり、液浸空間が形成可能な第1上面を有する第1部材と、
    前記光学部材の下方において前記第1部材と隣接した状態で移動可能であり、液浸空間が形成可能な第2上面、及び前記第1部材に対して外側に向かって下方に傾斜する傾斜面を含む第2側面を有する第2部材と、
    少なくとも一部が前記第1部材の第1側面と前記第2部材の傾斜面との間に配置される多孔部材と、を備え、
    前記多孔部材を介して、前記第1部材と前記第2部材との間の間隙に流入する前記液体の少なくとも一部を回収する露光装置。
  45. 液体を介して露光光で基板を露光する露光装置であって、
    前記露光光が射出される射出面を有する光学部材と、
    前記光学部材の下方で移動可能であり、液浸空間が形成可能な第1上面を有する第1部材と、
    前記光学部材の下方において前記第1部材と隣接した状態で移動可能であり、液浸空間が形成可能な第2上面、及び前記第1部材に対して外側に向かって下方に傾斜する傾斜面を含む第2側面を有する第2部材と、
    多孔部材、及び前記多孔部材よりも上方に配置される回収口を含む回収部材と、を備え、
    前記多孔部材及び前記回収口の少なくとも一方を介して、前記第1部材と前記第2部材との間の間隙に流入する前記液体の少なくとも一部が回収され、
    前記回収口の液体回収力は、前記多孔部材の液体回収力よりも大きい露光装置。
  46. 液体を介して露光光で基板を露光する露光装置であって、
    前記露光光が射出される射出面を有する光学部材と、
    前記光学部材の下方で移動可能であり、液浸空間が形成可能な第1上面を有する第1部材と、
    前記光学部材の下方において前記第1部材と隣接した状態で移動可能であり、液浸空間が形成可能な第2上面を有する第2部材と、
    少なくとも一部が前記第1部材と前記第2部材との間の間隙の下方に配置され、第1気孔率の第1部分及び前記第1気孔率とは異なる第2気孔率の第2部分を含む多孔部材と、を備え、
    前記多孔部材を介して、前記間隙に流入する前記液体の少なくとも一部を回収する露光装置。
  47. 液体を介して露光光で基板を露光する露光装置であって、
    前記露光光が射出される射出面を有する光学部材と、
    前記光学部材の下方で移動可能であり、液浸空間が形成可能な第1上面を有する第1部材と、
    前記光学部材の下方において前記第1部材と隣接した状態で移動可能であり、液浸空間が形成可能な第2上面を有する第2部材と、
    少なくとも一部が前記第1部材と前記第2部材との間の間隙の下方に配置され、前記間隙に流入する前記液体の少なくとも一部が回収される多孔部材と、
    前記多孔部材の第1部分に接続される第1回収流路と、
    前記第1部分よりも下方の前記多孔部材の第2部分に接続される第2回収流路と、を備え、
    前記多孔部材から回収された前記液体の少なくとも一部は、前記第1回収流路及び前記第2回収流路の少なくとも一方を流れる露光装置。
  48. 液体を介して露光光で基板を露光する露光装置であって、
    前記露光光が射出される射出面を有する光学部材と、
    前記光学部材の下方で移動可能であり、液浸空間が形成可能な第1上面を有する第1部材と、
    前記光学部材の下方において前記第1部材と隣接した状態で移動可能であり、液浸空間が形成可能な第2上面、及び前記第1部材に対して外側に向かって下方に傾斜する傾斜面を含む内面を有する第2部材と、
    少なくとも一部が前記第1部材と前記第2部材との間に配置され、前記第1部材の第1上面及び前記第2部材の第2上面と実質的に同一平面内に配置される第3上面と、前記第1部材の第1側面が対向する第3側面と、前記第2部材の第2側面が対向する第4側面と、を有する回収部材と、を備え、
    前記回収部材は、前記第3上面と前記第3側面とで形成される第1角部、及び前記第3上面と前記第4側面とで形成される第2角部の少なくとも一方に配置される液体回収口を有する露光装置。
  49. 液体を介して露光光で基板を露光する露光装置であって、
    前記露光光が射出される射出面を有する光学部材と、
    前記光学部材の下方で移動可能であり、液浸空間が形成可能な第1上面を有する第1部材と、
    前記光学部材の下方において前記第1部材と隣接した状態で移動可能であり、液浸空間が形成可能な第2上面を有する第2部材と、を備え、
    前記第2部材は、前記第2部材の第2上面の内縁領域、前記第2部材の第2下面の内縁領域、及び前記第2上面の内縁領域と前記第2下面の内縁領域とを結ぶ内面を含み、前記液体に対して撥液性の第1部材と、前記第1部材に接続される第2部材と、を含む露光装置。
  50. 請求項1〜49のいずれか一項に記載の露光装置を用いて基板を露光することと、
    露光された前記基板を現像することと、を含むデバイス製造方法。
  51. 液体を介して露光光で基板を露光する露光方法であって、
    前記露光光が射出される射出面を有する光学部材と、前記基板の下面をリリース可能に保持する基板保持部に保持された前記基板の上面、及び前記基板が配置可能な開口を規定し、前記基板が前記基板保持部に保持されている状態において前記基板の上面の周囲に配置される上面、及び前記基板保持部の中心に対して外側に向かって下方に傾斜する傾斜面を含む内面を有するカバー部材の前記上面の少なくとも一方との間に、前記液体で液浸空間が形成されている状態で、前記基板を露光することと、
    少なくとも一部が前記基板の側面と前記カバー部材の傾斜面との間に配置される多孔部材を介して、前記基板と前記カバー部材との間の間隙に流入する前記液体の少なくとも一部を回収することと、を含む露光方法。
  52. 液体を介して露光光で基板を露光する露光方法であって、
    前記露光光が射出される射出面を有する光学部材と、前記基板の下面をリリース可能に保持する基板保持部に保持された前記基板の上面、及び前記基板が配置可能な開口を規定し、前記基板が前記基板保持部に保持されている状態において前記基板の上面の周囲に配置される上面、及び前記基板保持部の中心に対して外側に向かって下方に傾斜する傾斜面を含む内面を有するカバー部材の前記上面の少なくとも一方との間に、前記液体で液浸空間が形成されている状態で、前記基板を露光することと、
    回収部材が有する多孔部材、及び前記多孔部材よりも上方に配置される回収口の少なくとも一方を介して、前記基板と前記カバー部材との間の間隙に流入する前記液体の少なくとも一部を回収することと、を含み、
    前記回収口の液体回収力は、前記多孔部材の液体回収力よりも大きい露光方法。
  53. 液体を介して露光光で基板を露光する露光方法であって、
    前記露光光が射出される射出面を有する光学部材と、前記基板の下面をリリース可能に保持する基板保持部に保持された前記基板の上面、及び前記基板が配置可能な開口を規定し、前記基板が前記基板保持部に保持されている状態において前記基板の上面の周囲に配置される上面を有するカバー部材の前記上面の少なくとも一方との間に、前記液体で液浸空間が形成されている状態で、前記基板を露光することと、
    少なくとも一部が前記基板と前記カバー部材との間の間隙の下方に配置され、第1気孔率の第1部分及び前記第1気孔率とは異なる第2気孔率の第2部分を含む多孔部材を介して、前記間隙に流入する前記液体の少なくとも一部を回収することと、を含む露光方法。
  54. 液体を介して露光光で基板を露光する露光方法であって、
    前記露光光が射出される射出面を有する光学部材と、前記基板の下面をリリース可能に保持する基板保持部に保持された前記基板の上面、及び前記基板が配置可能な開口を規定し、前記基板が前記基板保持部に保持されている状態において前記基板の上面の周囲に配置される上面を有するカバー部材の前記上面の少なくとも一方との間に、前記液体で液浸空間が形成されている状態で、前記基板を露光することと、
    少なくとも一部が前記基板と前記カバー部材との間の間隙の下方に配置される多孔部材で、前記間隙に流入する前記液体の少なくとも一部を回収することと、
    前記多孔部材の第1部分に接続される第1回収流路、及び前記第1部分よりも下方の前記多孔部材の第2部分に接続される第2回収流路の少なくとも一方に、前記多孔部材から回収された前記液体の少なくとも一部を流すことと、を含む露光方法。
  55. 液体を介して露光光で基板を露光する露光方法であって、
    前記露光光が射出される射出面を有する光学部材と、前記基板の下面をリリース可能に保持する基板保持部に保持された前記基板の上面、及び前記基板が配置可能な開口を規定し、前記基板が前記基板保持部に保持されている状態において前記基板の上面の周囲に配置される上面及び前記基板保持部の中心に対して外側に向かって下方に傾斜する傾斜面を含む内面を有するカバー部材の前記上面の少なくとも一方との間に、前記液体で液浸空間が形成されている状態で、前記基板を露光することと、
    少なくとも一部が前記基板と前記カバー部材との間に配置され、前記基板の上面及び前記カバー部材の上面と実質的に同一平面内に配置される第1上面と、前記基板の側面が対向する第1側面と、前記カバー部材の内面が対向する第2側面と、前記第1上面と前記第1側面とで形成される第1角部及び前記第1上面と前記第2側面とで形成される第2角部の少なくとも一方に配置される液体回収口とを有する回収部材から、前記間隙に流入する前記液体の少なくとも一部を回収することと、を含む露光方法。
  56. 液体を介して露光光で基板を露光する露光方法であって、
    前記露光光が射出される射出面を有する光学部材と、前記基板の下面をリリース可能に保持する基板保持部に保持された前記基板の上面、及び前記基板が配置可能な開口を規定し、前記基板が前記基板保持部に保持されている状態において前記基板の上面の周囲に配置される上面を有するカバー部材の前記上面の少なくとも一方との間に、前記液体で液浸空間が形成されている状態で、前記基板を露光することと、を含み、
    前記カバー部材は、前記カバー部材の上面の内縁領域、前記カバー部材の下面の内縁領域、及び前記上面の内縁領域と前記下面の内縁領域とを結ぶ内面を含み、前記液体に対して撥液性の第1部材と、前記第1部材に接続される第2部材と、を含む露光方法。
  57. 請求項51〜56のいずれか一項に記載の露光方法を用いて基板を露光することと、
    露光された前記基板を現像することと、を含むデバイス製造方法。
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