JP2014040928A - 吸着熱交換器 - Google Patents

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玲 藤田
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Abstract

【課題】本発明の課題は、吸着熱交換器フィンへ目詰まり無く、吸着型吸湿剤を担持させることができ、しかも吸着型吸湿剤の担持量が少ないにもかかわらず、調湿効率が高く、通風抵抗が適正な高性能の吸着熱交換器を提供することにある。
【解決手段】本発明は、複数の板状のフィンが配列された熱交換器における該板状のフィンへ、下引き層、吸着型吸湿剤及び水系塗膜形成性樹脂を含有してなる吸着層を、順次形成させてなる吸着熱交換器において、該下引き層がエポキシ樹脂、ポリエステル樹脂、アクリル樹脂及びこれらの変性物から選ばれる少なくとも1種の溶剤系塗膜形成性樹脂を含有してなることを特徴とする吸着熱交換器である。
【選択図】なし

Description

本発明は、熱交換器本体の表面に吸着型吸湿剤を含む吸着層が形成される吸着熱交換器に関するものである。
従来、空気中の水分を吸脱着して室内の調湿を行う調湿装置が知られている。例えば、特許文献1には、吸着熱交換器が接続された冷媒回路を有する調湿装置が開示されている。この調湿装置の冷媒回路には、圧縮機、2つの吸着熱交換器、膨張弁及び四方切換弁が接続されている。この冷媒回路では、冷媒を循環させることで冷凍サイクルが行われる。その結果、2つの吸着熱交換器は、一方の吸着熱交換器が蒸発器として機能し、他方の吸着熱交換器が凝縮器として機能する。
具体的に、この調湿装置の加湿運転時には、室外空気が凝縮器となる吸着熱交換器を通過する。この吸着熱交換器では、冷媒によって吸着型吸湿剤が加熱されており、吸着型吸湿剤から水分が脱離して室外空気へ放出される。以上のようにして、加湿された空気は室内へ供給され、室内の加湿が行われる。一方、室内空気は蒸発器となる吸着熱交換器を通過する。この吸着熱交換器では、冷媒によって吸着型吸湿剤が冷却されており、空気中の水分が吸着型吸湿剤に吸着されると同時にその際生じる吸着熱が冷媒に奪われる。以上のようにして、吸着型吸湿剤に水分を付与した空気は室外へ排出される。
また、この調湿装置の除湿運転時には、室外空気が蒸発器となる吸着熱交換器を通過する。この吸着熱交換器では、冷媒によって吸着型吸湿剤が冷却されており、空気中の水分が吸着型吸湿剤に吸着されると同時にその際生じる吸着熱が冷媒に奪われる。以上のようにして、除湿された空気は室内へ供給され、この室内の除湿が行われる。一方、室内空気は凝縮器となる吸着熱交換器を通過する。この吸着熱交換器では、吸着型吸湿剤が冷媒によって加熱されており、吸着型吸湿剤から水分が脱離して空気へ放出される。以上のようにして、吸着型吸湿剤の再生に利用された空気は室外へ排出される。
この調湿装置では、空気の流路をダンパで切り換えると同時に、冷媒回路の冷媒の循環方向を四方切換弁で切り換えることで、2つの吸着熱交換器で再生動作と吸着動作とが交互に繰り返し行われる。即ち、この調湿装置では、吸着型吸湿剤の吸着能力や再生能力を損なうことなく、調湿した空気が室内に連続供給される。
以上のようにして空気の調湿に利用される吸着熱交換器は、熱交換器本体と、この熱交換器本体に形成される吸着型吸湿剤の積層膜(吸着層)によって構成される。上記熱交換器本体は、長方形板状に形成されて互いに平行に配列されてなるアルミニウム製の多数のフィンと、各フィンを貫通する銅製の伝熱管とからなるフィン・アンド・チューブ熱交換器で構成される。また、上記吸着型吸湿剤としては、粉末状のゼオライト、シリカゲル、活性炭などが用いられる。
上述のようにして、熱交換器本体の表面に吸着層を形成する方法としては、例えば、特許文献2にあるように、吸着型吸湿剤及び水系塗膜形成性樹脂(水系バインダー)を含む水系スラリー状の原料液に熱交換器本体を浸漬させて熱交換器本体の表面に原料液を付着させ、この膜状に付着した原料液を乾燥固化する方法が挙げられる。ここで、このような熱交換器本体は、一般的には金属製であり、表面は疎水性のため、基本的には水系バインダーで塗層を形成させるのは困難である。そのために、塗液自体の粘性を上げることで、塗液の流動性を下げることにより、乾燥固化するまで塗層構造を保持させながら、塗層形成させる方法等が採られている。このような手法だと、目的とする吸脱着性能を満足する塗工量を得ようとすると、塗層が不均一になり、熱交換器フィン間への目詰まりや吸着熱交換器における通風抵抗の増加等の問題が起こることがあった。
一方、特許文献3には、熱交換器表面に強固な塗層を形成させる方法として、有機溶剤を使用した例が記載されていて、バインダーとしては、フッ素樹脂、シリコーン樹脂、ウレタン樹脂等の撥水性バインダーが好ましいことが記載されている。しかしながら、本文献は熱交換器表面への着霜防止を目的とするものであり、熱交換器表面へ撥水性バインダー樹脂層を設け、表面を極端に疎水性にすることで、熱交換器表面への水の付着を防止するものであり、本発明の目的である吸着型吸湿剤と水系塗膜形成性樹脂を含有してなる吸着層による水蒸気の吸脱着性能を制御するための、有効な下引き層としてのバインダー樹脂の選択には言及していない。
また、特許文献4には、シート基材上に、下引き層、吸着層を順次設けてなる吸着用シートにおいて、前記下引き層がポリビニルアセタール系樹脂を含有してなり、吸着層が吸着剤とポリビニルアルコール系樹脂とを含有してなることを特徴とする吸着用シート及び構造体が開示されている。ここで、特許文献4では、シート基材上への吸着用シートの安定製造の観点から、当時塗工液としての安定性の高かった吸着層塗液を用いて、該吸着層と基材シートの密着性向上を達成しているが、本発明の目的である吸着型吸湿剤と水系塗膜形成性樹脂を含有してなる吸着層による水蒸気の吸脱着性能を制御するための、有効な下引き層としてのバインダー樹脂の選択には言及していない。
特開2004−294048号公報 特開2007−10181号公報 特開2004−294049号公報 特開2011−206624号公報
本発明は、係る点に鑑みてなされたものであり、本発明の課題は、吸着熱交換器フィンへ目詰まり無く、吸着型吸湿剤を担持させることができ、しかも吸着型吸湿剤の担持量が少ないにもかかわらず、調湿効率が高く、通風抵抗が適正な高性能の吸着熱交換器を提供することにある。
本発明は、複数の板状のフィンが配列された熱交換器における該板状のフィンへ、下引き層、吸着型吸湿剤及び水系塗膜形成性樹脂を含有してなる吸着層を、順次形成させてなる吸着熱交換器において、該下引き層がエポキシ樹脂、ポリエステル樹脂、アクリル樹脂及びこれらの変性物から選ばれる少なくとも1種の溶剤系塗膜形成性樹脂を含有してなることを特徴とする吸着熱交換器である。
本発明では、複数の板状のフィンが配列された熱交換器における該板状のフィンへ吸着型吸湿剤と水系塗膜形成性樹脂を含有してなる吸着層の吸湿性能を低下させることなく、かつ熱交換器表面と強固な密着性を有する吸着層を形成させることにより、吸着型吸湿剤の効率を向上させることで、吸着層の厚みを薄くすることが可能となり、吸着型吸湿剤の担持量が少ないにもかかわらず、調湿効率が高く、吸着剤の脱落を抑制すると共に、吸着熱交換器の通風抵抗を軽減させることができる。
本発明の吸着熱交換器は、複数の板状のフィンが配列された熱交換器における該板状のフィンへ、下引き層、吸着型吸湿剤及び水系塗膜形成性樹脂を含有してなる吸着層を、順次形成させてなる吸着熱交換器において、該下引き層がエポキシ樹脂、ポリエステル樹脂、アクリル樹脂及びこれらの変性物から選ばれる少なくとも1種の溶剤系塗膜形成性樹脂を含有してなることを特徴とする吸着熱交換器である。
本発明の下引き層形成に用いられる溶剤系塗膜形成性樹脂は、塗膜形成能を有する溶剤系樹脂であり、エポキシ樹脂、ポリエステル樹脂、アクリル樹脂及びこれらの変性物から選ばれる少なくとも1種の樹脂である。具体的には、エポキシ樹脂及びその変性物(アクリル変性エポキシ樹脂等);ポリエステル樹脂及びその変性物(ウレタン変性ポリエステル樹脂、エポキシ変性ポリエステル樹脂、シリコーン変性ポリエステル樹脂等);アクリル樹脂及びその変性物(シリコーン変性アクリル樹脂等)などの樹脂を挙げることができる。これらの樹脂は1種のみを単独で用いてもよいし、2種以上を併用してもよい。
エポキシ樹脂としては、例えば、エピクロルヒドリンとビスフェノールとを必要に応じてアルカリ触媒などの触媒存在下で高分子量まで縮合させてなる樹脂;ビスフェノールA型、ビスフェノールF型等のビスフェノール型エポキシ樹脂;及びノボラック型エポキシ樹脂などを挙げることができる。
エポキシ樹脂の変性物としては、例えば、アクリル変性エポキシ樹脂、ウレタン変性エポキシ樹脂、アミン変性エポキシ樹脂などの変性エポキシ樹脂を挙げることができる。例えば、アクリル変性エポキシ樹脂を例に挙げれば、これは、上記ビスフェノール型エポキシ樹脂または上記ノボラック型エポキシ樹脂に、アクリル酸またはメタクリル酸などを含む重合性不飽和モノマー成分を反応させて調製することができる。また、ウレタン変性エポキシ樹脂を例に挙げれば、これは、上記ビスフェノール型エポキシ樹脂または上記ノボラック型エポキシ樹脂にポリイソシアネート化合物を反応させて調製することができる。
上記ポリエステル樹脂は、多価アルコールと多塩基酸との重縮合により得られるものである。上記多価アルコールの具体例としては、例えば、エチレングリコール、ジエチレングリコール、ポリエチレングリコール、プロピレングリコール、ジプロピレングリコール、ポリプロピレングリコール、ネオペンチルグリコール、1,2−ブタンジオール、1,3−ブタンジオール、2,3−ブタンジオールまたは1,4−ブタンジオール、1,5−ペンタンジオール、1,6−ヘキサンジオール、水添ビスフェノールA、ヒドロキシアルキル化ビスフェノールA、1,4−シクロヘキサンジメタノール、2,2−ジメチル−3−ヒドロキシプロピル−2,2−ジメチル−3−ヒドロキシプロピオネート(BASHPN)、N,N−ビス−(2−ヒドロキシエチル)ジメチルヒダントイン、ポリカプロラクトンポリオール、グリセリン、ソルビトール、アンニトール、トリメチロールエタン、トリメチロールプロパン、トリメチロールブタン、ヘキサントリオール、ペンタエリスリトール、ジペンタエリスリトール、トリス−(ヒドロキシエチル)イソシアナートなどを挙げることができる。多価アルコールは1種のみを単独で用いてもよいし、2種以上を併用してもよい。
また、上記多塩基酸の具体例としては、例えば、フタル酸、無水フタル酸、テトラヒドロフタル酸、テトラヒドロ無水フタル酸、ヘキサヒドロフタル酸、ヘキサヒドロ無水フタル酸、メチルテトラフタル酸、メチルテトラヒドロ無水フタル酸、無水ハイミック酸、トリメリット酸、無水トリメリット酸、ピロメリット酸、無水ピロメリット酸、イソフタル酸、テレフタル酸、マレイン酸、無水マレイン酸、フマル酸、イタコン酸、アジピン酸、アゼライン酸、セバシン酸、コハク酸、無水コハク酸、乳酸、ドデセニルコハク酸、ドデセニル無水コハク酸、シクロヘキサン−1,4−ジカルボン酸、無水エンド酸などを挙げることができる。多塩基酸は1種のみを単独で用いてもよいし、2種以上を併用してもよい。
ポリエステル樹脂の変性物としては、例えば、ウレタン変性ポリエステル樹脂、エポキシ変性ポリエステル樹脂、アクリル変性ポリエステル樹脂、シリコーン変性ポリエステル樹脂などの変性ポリエステル樹脂を挙げることができる。例えば、シリコーン変性ポリエステル樹脂を例に挙げれば、これは、ポリエステル樹脂と有機シリコーン(例えば、官能基として−SiOCH基及び/または−SiOH基を有する数平均分子量300〜1000程度の有機シリコーン)とを反応させることにより調製することができる。有機シリコーンの使用量は、通常、ポリエステル樹脂100質量部に対して、5〜50質量部程度である。また、ウレタン変性ポリエステル樹脂を例に挙げれば、これは、上記ポリエステル樹脂とポリイソシアネート化合物とを反応させて調製することができる。
上記アクリル樹脂としては、例えば、(メタ)アクリル酸ヒドロキシメチル、(メタ)アクリル酸ヒドロキシルエチル、(メタ)アクリル酸ヒドロキシルプロピル、(メタ)アクリル酸ヒドロキシブチル、N−メチロールアクリルアミド等のヒドロキシル基を有する(メタ)アクリル系モノマー及びそのラクトン付加物;(メタ)アクリル酸;(メタ)アクリル酸アルキル等の(メタ)アクリル酸エステル;(メタ)アクリロニトリルなどから選択される1種または2種以上のモノマーからなるアクリル樹脂を挙げることができる。アクリル樹脂は、上記モノマーに由来する構成単位のほか、他のモノマー(例えば、クロトン酸、イタコン酸、フマル酸、マレイン酸等のカルボキシル基含有エチレン性モノマーや、スチレンなどのビニル系モノマー等)に由来する構成単位を含んでいてもよい。
アクリル樹脂の変性物としては、例えば、シリコーン変性アクリル樹脂などの変性アクリル樹脂を挙げることができる。例えば、シリコーン変性アクリル樹脂を例に挙げれば、これは、アクリル樹脂と上記したような有機シリコーンとを反応させることにより調製することができる。有機シリコーンの使用量は、通常、アクリル樹脂100質量部に対して、5〜50質量部程度である。
溶剤系塗膜形成性樹脂がエポキシ樹脂、ポリエステル樹脂、アクリル樹脂及びこれらの変性物から選ばれる少なくとも1種の樹脂である場合、得られる塗膜の加工密着性や得られる塗膜の耐湿性、耐食性及び耐候性のバランスに優れている。また、エポキシ樹脂、ポリエステル樹脂及びこれらの変性物から選ばれる1種以上を用いることがより好ましい。さらに、水酸基含有エポキシ樹脂、水酸基含有ポリエステル樹脂及び水酸基を含有するこれらの変性物から選ばれる1種以上が用いられることが好ましい。エポキシ樹脂、ポリエステル樹脂及びこれらの変性物が水酸基を有していると、架橋剤として、各種メラミン樹脂、各種イソシアネート化合物を選択することができる。その結果、種々の架橋剤の中から、所望の性質を有する架橋剤を選択することによって、塗膜に多様な物性を付与することができるようになるため、特に好ましい。
上記、溶剤系塗膜形成性樹脂には、必要に応じて、各種顔料を添加することができる。例えば、アゾレーキ系顔料、フタロシアニン系顔料、インジコ系顔料、ベリレン系顔料、キノフタロン系顔料、ジオキサジン系顔料、キナクリドン系顔料、イソインドリノン系顔料の有機着色顔料、また、黄鉛、黄色酸化鉄、ベンガラ、二酸化チタン、カーボンブラック等の無機着色顔料や、硫酸バリウム、タルク、クレー等の体質顔料等をいずれも使用でき、樹脂固形分に対して10〜250質量%の範囲で配合できる。
本発明において、下引き層の担持量は、フィンの面積に対して、好ましくは50〜300g/mであり、より好ましくは80〜150g/mである。50g/m未満になると、目的とする下引き層としての吸着層との密着性の効果が得られなくなる場合があり、300g/mを超えると、下引き層が厚くなり、熱伝導性が悪くなり、熱交換器内を流れる冷媒による吸着熱除去等の効果が得られなくなる等の問題を招く場合がある。
次に、このようにして得られた下引き層上に、吸着型吸湿剤と水系塗膜形成性樹脂(水系バインダー)を含有してなる吸着層が設けられる。吸着型吸湿剤としては、高吸水性高分子、カルボキシメチルセルロース等の有機系吸湿剤、セピオライト、ゼオライト、ベントナイト、アタパルジャイト、珪藻土、珪藻土頁岩、活性炭、多孔質シリカ、メソポーラスシリカ、水酸化アルミニウム、繊維状酸化チタン、アロフェン、イモゴライト、非晶質アルミノ珪酸塩等の無機系吸湿剤を用いることができる。また、高吸水性高分子、カルボキシメチルセルロース等の有機系水分吸着剤を使用することもできる。
水系バインダーとしては、澱粉、ポリビニルアルコール等の水溶性有機高分子化合物、アクリル樹脂、エチレン−酢酸ビニル樹脂、ウレタン樹脂、SBR(スチレンブタジエンゴム)樹脂、塩化ビニル樹脂等からなる熱可塑性高分子エマルジョン、シリカゾル、アルミナゾル等からなる無機系化合物及びそれらを組み合わせた複合体などの水系で溶解あるいは分散された多種の材料が利用できる。
本発明における吸着型吸湿剤と水系塗膜形成性樹脂(水系バインダー)による吸着層の担持量は、フィンの面積に対して、好ましくは50〜400g/mであり、より好ましくは100〜200g/mである。50g/m未満になると、目的とする吸脱着性能の効果が得られなくなる場合があり、400g/mを超えると、吸着層の脱落を抑制できなくなる場合がある。吸着型吸湿剤と水系塗膜形成性樹脂(水系バインダー)の含有比率については、質量比率で10:90〜90:10、より好ましくは30:70〜70:30である。吸着型吸湿剤含有比率が10質量%未満になると、目的とする調湿効果が得られなくなる場合があり、吸着型吸湿剤含有比率が90質量%を超えると、吸着型吸湿剤の脱落を招く場合がある。
以下、本発明の実施形態について詳細に説明する。本実施形態の吸着熱交換器は、室内の調湿を行う調湿装置に搭載されるものである。この調湿装置は、除湿した空気を室内へ供給する除湿運転と、加湿した空気を室内へ供給する加湿運転とが可能に構成されている。
上記調湿装置は、冷媒回路を備えている。この冷媒回路は、2つの吸着熱交換器、圧縮機、四方切換弁及び電動膨張弁が設けられた閉回路である。この冷媒回路は、充填された冷媒を循環させることによって、蒸気圧縮冷凍サイクルを行う。
<吸着熱交換器の構成>
2つの吸着熱交換器は、熱交換器本体の表面に吸着型吸湿剤を含む吸着層を形成したものである。上記熱交換器本体は、クロスフィン型のフィン・アンド・チューブ型の熱交換器で構成されている。これら熱交換器本体は、アルミニウム製のフィンと、このフィンを貫通する銅製の伝熱管とを備えている。上記複数のフィンは、細長の長方形板状に形成され、伝熱管の伸長方向に一定の間隔で平行に配列されている。
上記各フィンのピッチは、1.2mm以上2.2mm以下の範囲が好適であり、さらには1.4mm以上1.6mm以下の範囲が好適である。また、上記伝熱管の直径は、7.0mm以上9.5mm以下の範囲が好適である。また、伝熱管におけるフィンの幅方向の列数は、2列から4列までの範囲が好適である。また、伝熱管におけるフィンの長手方向の段数は、10段から20段までの範囲が好適である。さらに、上記フィンは、長方形板状のいわゆるプレートフィンで構成されているが、このフィンは、その幅方向の断面形状においてゆるやかな波形状になった、いわゆるワッフルフィンで構成されていても良い。
<熱交換器の製造方法>
上記実施形態に係る吸着熱交換器の製造方法としては、基本的に熱交換器本体表面に、予め溶剤系塗膜形成性樹脂による下引き層を設け、さらにその上に吸着型吸湿剤と水系塗膜形成性樹脂(水系バインダー)を含有した原料液中に浸積させる工程により、熱交換器本体の表面全域に原料液を付着させた後、乾燥工程において、この原料液を乾燥固化させると、熱交換器本体の表面全域に亘って均一な吸着層が形成された吸着熱交換器を得ることができる。
次に、本発明を実施例によりさらに詳細に説明するが、本発明はこれらに何ら限定されるものではない。
実施例1
<下引き層の作製>
溶剤系変性エポキシ系塗膜形成性樹脂(日本ペイント(株)製、ニッペパワーバインド(登録商標))50質量部及び希釈剤(日本ペイント(株)製、ニッペパワーバインド(登録商標)スタンダードシンナー)15質量部を含有してなる塗液を調製し、この塗液に熱交換器本体を浸漬させる工程により、熱交換器本体の表面全域に下引き層塗液を付着させた後、80℃、2時間の乾燥工程において、この塗液を乾燥固化させ、熱交換器本体の表面全域に亘って均一な下引き層が、フィンの面積に対して、100g/m形成された吸着熱交換器を得た。
<吸着層の作製>
次に、吸着型吸湿剤(シリカゲルA型)20質量部、水系バインダー(エチレン−酢酸ビニル重合体のエマルジョン)7質量部を含有してなる水性塗液を調製し、この塗液に下引き層を施した熱交換器本体を浸積させる工程により、熱交換器本体の表面全域に吸着層を付着させた後、80℃、2時間の乾燥工程において、この塗液を乾燥固化させ、熱交換器本体の表面全域に亘って均一な吸着層が、フィンの面積に対して、100g/m形成された吸着熱交換器を得た。
実施例2
吸着層の水系バインダーをアクリル重合体のエマルジョンに変更した以外、実施例1と同様にして吸着熱交換器を得た。
実施例3
吸着層の水系バインダーをポリビニルアルコールに変更した以外、実施例1と同様にして吸着熱交換器を得た。
実施例4
下引き層の溶剤系変性エポキシ系塗膜形成性樹脂を溶剤系変性ポリエステル系塗膜形成性樹脂(日本ペイント(株)製、ニッペウレトップエコ(登録商標))に変更した以外、実施例1と同様にして吸着熱交換器を得た。
実施例5
下引き層の溶剤系変性エポキシ系塗膜形成性樹脂を溶剤系変性アクリル系塗膜形成性樹脂(日本ペイント(株)製、スーパーラック(登録商標)ネオ)に変更した以外、実施例1と同様にして吸着熱交換器を得た。
比較例1
吸着型吸湿剤(シリカゲルA型)20質量部、水系バインダー(エチレン−酢酸ビニル重合体のエマルジョン)7質量部、増粘剤(カルボキシメチルセルロース)2質量部を含有してなる水性塗液を調製し、この塗液に下引き層の無い熱交換器本体を浸積させる工程により、熱交換器本体の表面全域に吸着層を付着させた後、80℃、2時間の乾燥工程において、この塗液を乾燥固化させ、熱交換器本体の表面全域に亘って均一な吸着層が、フィンの面積に対して、200g/m形成された吸着熱交換器を得た。
比較例2
下引き層の溶剤系変性エポキシ系塗膜形成性樹脂を弗素系撥水性バインダー樹脂(ダイキン工業(株)製、ゼッフル(登録商標)GK−510)に変更した以外、実施例1と同様にして下引き層を設け、同様にして吸着層を設けようとしたところ、吸着層の塗液がはじいてしまい、吸着層を設けることはできなかった。
比較例3
下引き層の溶剤系変性エポキシ系塗膜形成性樹脂をポリビニルブチラール(電気化学工業(株)製、商品名:6000−C)に変更した以外、実施例3と同様にして吸着熱交換器を得た。
<吸着熱交換器の性能評価>
実施例1で得られた吸着熱交換器を2つ用いた調湿装置によって、吸着熱交換器の性能を評価した。まず、第一の熱交換器における吸着ゾーンにおいて、冷媒を循環させながら、第一の吸着熱交換器のクロスフィンに面速2m/secで外気(25℃、質量絶対湿度16.0g/kg(DA))を流入させた。第一の吸着熱交換器から出てきた空気の出口での温湿度を測定したところ、安定状態で温度30℃、質量絶対湿度11.0g/kg(DA)であった。入口質量絶対湿度と出口質量絶対湿度の差から絶対除湿質量5.0g/kg(DA)を求めた。
一方、第二の吸着熱交換器における脱着ゾーンにおいて、冷媒を循環させながら、第二の吸着熱交換器のクロスフィンに面速2m/secで、加熱空気(55℃、質量絶対湿度16.0g/kg(DA))を流入させた。第二の吸着熱交換器から出てきた空気の出口での温湿度を測定したところ、安定状態で温度44℃、質量絶対湿度21.0g/kgであった。再生出口質量絶対湿度と再生入口質量絶対湿度の差から、絶対再生質量5.0g/kg(DA)を求めた。
さらに、第一の吸着熱交換器における吸着ゾーン及び第2の吸着熱交換器を脱着ゾーンの入口と出口の差圧をデジタル微差圧計により測定し、吸着ゾーンの圧力損失250Pa、脱着ゾーンの圧力損失250Paを求めた。これらの評価を他の実施例及び比較例で得られた吸着熱交換器に対しても同様に実施した。
各実施例及び比較例で得られた吸着熱交換器の評価結果を表1に示す。
Figure 2014040928
実施例1、4、5と比較例1の結果より、吸着型吸湿剤を含有した吸着層を形成させた吸着熱交換器において、予め溶剤系塗膜形成性樹脂による下引き層を設け、さらに吸着型吸湿剤と水系塗膜形成性樹脂(水系バインダー)を含有した吸着層を形成させることにより、より少ない吸着層においても、調湿性能に優れ、除湿後の空気の温度上昇を抑えられると共に、圧力損失の低いことが確認された。さらに、実施例1〜3と比較例2、3の結果より、同じ溶剤系塗膜形成性樹脂の中でも、特にエポキシ樹脂、ポリエステル樹脂、アクリル樹脂及びこれらの変性物から選ばれる樹脂による下引き層が、吸着型吸湿剤の吸湿性能を低下させることなく、調湿性能に優れ、除湿後の空気の温度上昇を抑えられると共に、圧力損失の低いことが確認された。
本発明の吸着熱交換器は、一般調湿装置に使用できるほか、特に、蒸気圧縮式冷凍サイクルの冷媒回路を備えた調湿装置に利用することができる。

Claims (1)

  1. 複数の板状のフィンが配列された熱交換器における該板状のフィンへ、下引き層、吸着型吸湿剤及び水系塗膜形成性樹脂を含有してなる吸着層を、順次形成させてなる吸着熱交換器において、該下引き層がエポキシ樹脂、ポリエステル樹脂、アクリル樹脂及びこれらの変性物から選ばれる少なくとも1種の溶剤系塗膜形成性樹脂を含有してなることを特徴とする吸着熱交換器。
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WO2022071515A1 (ja) * 2020-09-30 2022-04-07 ダイキン工業株式会社 吸着熱交換器
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