JP2014038955A - 化合物太陽電池の製法 - Google Patents

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太一 渡邉
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Abstract

【課題】基材と蒸着源との間の距離に関係なく、蒸着レートを精度よく制御することができ、安定した品質の化合物太陽電池を効率よく製造することのできる方法を提供する。
【解決手段】長尺状の、蒸着レート検出用の開口部30が形成された基材1を準備し、その基材1の近傍に、化合物半導体層形成材料を供給して蒸着させるための蒸着源18、19、20を設けるとともに、上記基材1を挟んで、その反対側に蒸着レート検出手段21、22、23を設け、上記基材1を搬送しながら化合物半導体層を形成する際、上記蒸着源18、19、20から供給される化合物半導体層形成材料の一部を、上記開口部30から上記蒸着レート検出手段21、22、23に到達させて蒸着レートを制御するようにした。
【選択図】図1

Description

本発明は、品質にばらつきのない化合物太陽電池を、効率よく製造する方法に関するものである。
太陽電池の中でも、CISまたはCIGS(以下「CIGS系」と総称する)化合物半導体を光吸収層に用いた化合物太陽電池は、高い変換効率を有し、薄く形成できるとともに、光照射等による変換効率の劣化が少ないという利点を有していることが知られている。
このような化合物太陽電池を製造する場合、上記化合物半導体層を均一な厚みに揃えることが、安定した品質を確保する上で重要である。そこで、上記化合物半導体層形成時の蒸着レート(蒸着による製膜速度)を適正にコントロールする方法として、例えば、その蒸着レートを光学的にモニタリングして制御する方法が提案されている(特許文献1を参照)。
ところで、本出願人は、上記CIGS系化合物太陽電池を、効率よく製造する方法として、いわゆるロールトゥロール方式により、長尺状で幅の狭い電極基板(基材ともいう)を長手方向に搬送しながら、その片面に、蒸着法により化合物半導体層を形成する方法を開発し、すでに出願している(特許文献2を参照)。
特開2011−60866号公報 特開2011−176148号公報
しかしながら、上記特許文献2の方法において、製造効率を高めるには、できるだけ基材と蒸着源とを接近させることが好ましく、そうすると、上記特許文献1に示されるような、蒸着レートモニタリング装置を設置するスペースを、基材と蒸着源との間に確保できず、化合物半導体層の厚みを制御することが困難になることが判明した。
そこで、基材と蒸着源の間の距離に関係なく、精度よく化合物半導体層形成時の蒸着レートをモニタリングして適正に制御する方法の確立が強く望まれている。
本発明は、上記の課題を解決するためになされたもので、基材と蒸着源との間の距離に関係なく、蒸着レートを精度よく制御することができ、安定した品質の化合物太陽電池を効率よく製造することのできる方法の提供をその目的とする。
上記の目的を達成するため、本発明は、長尺状の基材を長手方向に搬送しながら、その片方の面に化合物半導体層形成材料を蒸着させて化合物半導体層を得る工程を備えた化合物太陽電池の製法であって、上記基材として、蒸着レート検出用の開口部が形成されたものを準備し、上記基材の、化合物半導体層を形成しようとする面の近傍に、化合物半導体層形成材料を供給して蒸着させるための蒸着源を設けるとともに、上記基材を挟んで、その反対側の、上記蒸着源と対向する位置に、蒸着レート検出手段を設け、上記基材を搬送しながら化合物半導体層を形成する際、上記蒸着源から供給される化合物半導体層形成材料の一部を、上記基材に形成された開口部から上記蒸着レート検出手段に到達させて蒸着レートを計測し、その計測値にもとづいて蒸着レートを制御するようにした化合物太陽電池の製法をその要旨とする。
すなわち、本発明の化合物太陽電池の製法は、いわゆるロールトゥロール方式やステッピングロール方式等によって長手方向に搬送される長尺状の基材に対して化合物半導体層を形成する際に、予め、開口部が形成された基材を準備し、この開口部を利用して、蒸着源から供給される化合物半導体層形成材料の一部を、基材反対側に設けられた蒸着レート検出手段に到達させ、その蒸着レートを計測して、これを適正に制御するようにしたものである。この製法によれば、蒸着源と基材との距離に関係なく、簡単かつ高精度で化合物半導体層の厚みを均一に制御することができるため、高品質の化合物太陽電池を効率よく製造することができるという利点を有する。したがって、本発明は、蒸着源と基材との距離が、例えば100mm以下に設定された製膜方法を含むCIGS太陽電池の製法に適用することが好適である。
なお、本発明の製法において、上記蒸着レート検出手段による蒸着レートの計測の際、基材の、開口部が形成されていない部分をバックグラウンドとして、計測の都度その計測値の較正が行われるようにすると、より正確に蒸着レートの制御を行うことができ、好適である。
また、本発明の製法において、上記蒸着レート検出手段が、検出部として水晶発信器を備え、上記水晶発信器に付着する化合物半導体層形成材料の重量変化に伴う振動数の変化により蒸着レートが計測されるようになっており、水晶発信器の先端を冷却しながら検知を行うようにすると、上記蒸着レート検出手段に付着した化合物半導体層形成材料が、熱によって再度蒸着レート検出手段から離れるようなことがなく、より正確に蒸着レートの制御を行うことができる。
そして、本発明の製法において、上記基材が、幅10〜80mmに設定されていると、目的とする化合物太陽電池のサイズに充分に対応可能であり、また製造工程における作業性にも優れている。
さらに、本発明の製法において、上記基材と蒸着源との距離が、5〜70mmに設定されていると、基材と蒸着源との間に蒸着レートモニタリング装置を設置するスペースがなくても高品質の化合物太陽電池を効率よく製造することができる、という本発明の特長を充分に活かすことができる。
また、本発明の製法において、上記基材を搬送しながら化合物半導体層を形成する際、基材の幅方向両側に、基材と平行に仕切りガイドを設け、蒸着源から供給される化合物半導体層形成材料が基材反対側に回り込むことを抑制するようにすると、蒸着レート検出手段に化合物半導体層形成材料が余分に付着するようなことがないため、より正確に蒸着レートの制御を行うことができる。
そして、本発明の製法において、上記化合物半導体層が形成された基材を、長手方向に所定間隔で切断する工程が設けられており、上記基材の長手方向に所定間隔で切断代が設けられ、上記切断代を利用して、蒸着レート検出用の開口部が形成されていると、化合物半導体層形成後の切断工程において、上記開口部を切断代ごと除去することができるため、上記開口部がむだなスペースとして残ることがなく、好適である。
さらに、本発明の製法において、上記化合物半導体層形成材料として、少なくともI族、III 族、VI 族の元素からなる化合物半導体層を形成するようにすると、とりわけ優れた変換効率の化合物太陽電池が得られるため、好適である。
本発明の一実施の形態に用いられる真空蒸着装置の模式的な説明図である。 上記実施の形態に用いられる基材の平面図である。 図1のX−X′断面を示す模式的な説明図である。 上記実施の形態によって得られる化合物太陽電池の構成を示す模式的な説明図である。 本発明の実施例に用いられる真空蒸着装置の模式的な説明図である。
つぎに、本発明を実施するための形態について説明する。
本発明は、いわゆるロールトゥロール方式等によって長尺状の基材を長手方向に搬送しながら、その片方の面に化合物半導体層形成材料を蒸着させて化合物半導体層を得るようにした化合物太陽電池の製法に関するもので、上記化合物半導体層の形成に先立って、まず、長尺状の基材として、蒸着レート検出用の開口部が形成されたものを準備する。そして、この基材に上記化合物半導体層(光吸収層)を形成する際に、上記基材の開口部を利用して、特殊な蒸着レート制御を行うことにより、ばらつきのない均一厚みの化合物半導体層を得るようにしたものである。この製法によれば、基材と蒸着源との間の距離に関係なく、蒸着レート制御を、高い精度で行うことができる。これが、本発明の最大の特徴である。
以下に、本発明の化合物太陽電池の製法を、順を追って詳細に説明する。
〔基板の準備〕
まず、化合物半導体層の蒸着基材となる長尺の帯状基板を準備する。基板の材質は、ガラス基板、金属基板、樹脂基板等のなかから適宜のものが選択されるが、ロールトゥロール方式等により巻き出しおよび巻き取りを行うため、可撓性を備えていることが望ましい。そして、その寸法は、例えば、厚み10〜200μm、幅10〜80mm、長さ10〜3000m程度に設定することが好適である。
〔蒸着レート検出用の開口部の形成〕
つぎに、上記基板に、蒸着レート検出用の開口部を、基板長手方向に、所定間隔で形成する。開口部30は、図2に示すように、通常、基板1aの中央に配置することが好ましく、基板1aの幅をWとすると、その開口径Sが、上記Wの10〜50%程度となるような大きさに設定することが好適である。そして、開口形状は、円形や四角形、楕円形等、適宜の形状が選択される。円形の開口部30とすることが、開口作業を効率よく行う上で好適である。
そして、上記開口部30の隣り合う間隔Pは、後述するように、化合物半導体層形成工程において複数の蒸着源を設ける場合、その複数の蒸着源の間隔に合わせて設定することが好適である。すなわち、上記化合物半導体層形成の際に、複数の開口部30を同時に各蒸着源の真上に位置決めして、それぞれの蒸着レートを同時に計測して制御するためである(図3参照)。
上記開口部30は、パンチング、メカニカルドリル等による機械的な手法、レーザを用いた高強度のパルス光による手法、感光性レジストを用いた光リソグラフィによる手法等、各種の方法によって形成することができるが、なかでも、レーザによる方法が、高精度で、作業効率にも優れているため好適である。そして、この開口部30の形成は、ステッピングロール方式によって、間欠的に行うことが好適である。
なお、上記レーザによる方法は、レーザを集光して照射することにより基板1aを溶融し、所定パターンの穴加工を施すもので、基板1aの材質に応じたレーザを選択する。ちなみに、金属基板1aに対しては炭酸レーザを用いることが好適である。
そして、形成された開口部30の周囲には、突起部分(いわゆる「バリ」)が多く形成されるため、これを除去するために、酸成分を含有する液(例えば硝酸と弗酸の混合溶液)に上記基板1aを浸漬して酸洗浄を行うことが好適である。これにより、短時間で周囲のバリを除去することができる。
〔裏面電極層の形成〕
つぎに、上記開口部30が形成された基板1aに、裏面電極層を形成する。裏面電極層は、スパッタリング法等により、例えばMo(モリブデン),W(タングステン),Cr(クロム),Ti(チタン)等を層状に形成することによって得られる。
なお、上記裏面電極層の形成には、例えばロールトゥロール法が採用され、一方のロールから長尺の基板を繰り出し、裏面電極層を形成後、これを他方のロールに巻き取ることが行われる。
〔化合物半導体層の形成〕
つぎに、上記裏面電極層が形成された基板1aを基材1として、その表面に、化合物半導体層を形成する。化合物半導体層としては、太陽電池の光吸収層として機能するものであれば、どのような層であってもよいが、少なくともI族、III 族、VI 族の元素によって形成すると、とりわけ優れた変換効率の化合物太陽電池が得られるため、好適である。
化合物半導体層の形成には、例えば図1に示すような真空蒸着装置が用いられる。この真空蒸着装置は、基材1を巻き出すための巻き出しロール10を備えた基材巻き出し室11と、基材1に化合物半導体層形成材料を蒸着させる真空蒸着室12と、化合物半導体層が形成された基材1を巻き取るための巻き取りロール13を備えた基材巻き取り室14とで構成されている。15、16はそれぞれ基材1の走行をガイドするガイドロールである。そして、上記真空蒸着室12の室内の真空を保った状態で、基材1の搬送・搬出が行われるようになっている。
上記真空蒸着室12内には、化合物半導体層形成用の複数の蒸着源(この例では、Cu蒸着源18、In蒸着源19、Ga蒸着源20の3つの蒸着源)が設けられている。また、これらの蒸着源18〜20の近傍に、これらとの混晶を得るための材料(この例ではSe)を供給するための蒸着源が別途設けられている(図示せず)。
なお、上記蒸着源18等の個数は、得ようとする化合物半導体層の組成によって増減する。また、上記各蒸着源18等の先端開口部と基材1との距離は、通常、100mm以下、好ましくは5〜70mmに設定される。そして、その距離は、各蒸着源18等においてそれぞれ個別に調節することができるようになっている。例えば、各蒸着源18等の先端部を、外筒と内筒からなる二重筒で構成し、その内筒を昇降させることにより、基材1との距離を調節することができる。
また、各蒸着源18等の内部には、蒸着源18等から供給する材料を加熱・蒸発させるための加熱器等(図示せず)が設けられ、各蒸着源18等の先端開口部には、それぞれシャッター等が取り付けられている。
さらに、上記真空蒸着装置には、上記真空蒸着室12内を排気する排気手段(図示せず)や、上記基板1aを加熱・冷却する加熱・冷却手段等(図示せず)が設けられている。
そして、基材1を挟んで、上記各蒸着源18等が設けられている側と反対側の、各蒸着源18等と対向する位置に、蒸着レート検出手段21、22、23が設けられている。
これらの蒸着レート検出手段21等は、全て同一の構成になっており、例えば最も上流側に設けられる蒸着レート検出手段21を例にとって説明すると、このものは、図3に示すように、その下端の検出部21aが、水晶発信器で構成されており、圧電体である水晶を挟む金属電極の表面に、基材1の開口部30を通過した材料が到達して付着固化すると、その質量変化によって共振周波数が変化するため、この変化を検出して、電気信号として中央演算装置を兼ね備えた制御部(図示せず)に伝送するようになっている。そして、上記制御部では、検出データから計測される蒸着レートを、予め設定された適正値と対比して、適正に修正するよう蒸着条件をコントロールするようになっている。
蒸着条件をコントロールする方法としては、蒸着源18に設けられた加熱手段の加熱温度を、例えば1℃刻みで昇降させることにより、蒸着源18から供給される材料の量を増減させる方法があげられる。また、蒸着源18の先端開口部の高さを、圧電アクチュエータ等を用いて変位させることにより、蒸着源18から基材1に到達する材料の量を増減させるようにしてもよい。
なお、上記蒸着源18等および蒸着レート検出手段21等が設けられた領域の、基材1の左右両側には、基材1と平行に延びる左右一対の仕切りガイド24、25が設置されており、蒸着源18等から供給される材料が、基材1の開口部30を経由せずに、その左右両側から回り込んで蒸着レート検出手段21等に到達することを防止するようになっている。材料が開口部30を経由せずに蒸着レート検出手段21に到達して付着すると、基材1の表面における蒸着レートとは異なる値が計測されてしまい、適正な蒸着レート制御ができなくなるおそれがあるからである。
このように構成された真空蒸着装置を用い、つぎのようにして、基材1に化合物半導体層を形成する。すなわち、まず、基材1を、巻き出しロール10から巻き出しながら、所定の蒸着条件に設定された真空蒸着室12内に搬送し、蒸着源18と蒸着レート検出手段21の間、蒸着源19と蒸着レート検出手段22の間、蒸着源20と蒸着レート検出手段23の間を順次通過させながら、基材1の、裏面電極層が形成された方の面(図1では下向きの面)に、化合物半導体層(この例では、CIGS化合物層)を形成する。
このとき、上述のとおり、各蒸着レート検出手段21等により、それぞれに対応する蒸着源18等からの材料供給量がコントロールされ、適正な蒸着レートで蒸着が行われるため、得られる化合物半導体層の厚みが殆どばらつかない。
そして、上記化合物半導体層が形成された基材1は、順次、巻き取りロール13に巻き取られる。
〔バッファ層の形成工程〕
つぎに、ロール状に巻き取られた基材1(基板+裏面電極層+化合物半導体層)を、再度巻き出しながら、押し切りやカッター等の切断装置を用いて、これを所定の長さごとに切断し、一定サイズの積層体を得る。そして、切断された積層体の化合物半導体層の上に、CdSやMgおよびZnOの混晶等の形成材料を用い、溶液成長法、真空蒸着法、スパッタリング法等により、バッファ層を形成する。
〔表面電極層の形成工程〕
つぎに、上記バッファ層の上に、GZO、ITO、IZO等の形成材料を用いて、スパッタリング法(DC、RF、RF重畳)、蒸着法、有機金属気相成長法(MOCVD法)等により、表面電極層を形成する。
このようにして、例えば図4に示すような、基板1aと裏面電極層31とからなる基材1上に、化合物半導体層32と、バッファ層33と、表面電極層34とが、この順で形成されたCIGS太陽電池を得ることができる。
得られたCIGS太陽電池は、基材1と蒸着源18等とが非常に接近した状態(例えば100mm以下)で、効率よく化合物半導体層32が形成されているため、変換効率に優れている。また、化合物半導体層32の形成時に、その蒸着レートが、蒸着レート検出手段21等によって適正に制御されているため、化合物半導体層32の厚みにばらつきが殆どなく、安定した品質を備えている。
なお、上記の製法において、基板1aが裏面電極層31の機能を有する場合(導電性を有する場合等)には、上記〔裏面電極層の形成〕工程は不要であり、上記基板1aをそのまま裏面電極層として利用することができる。
また、上記の製法では、基板1aにまず開口部30を形成し、つぎに裏面電極層31を形成した後、化合物半導体層32を形成するようにしたが、開口部30の形成は、化合物半導体層32を形成する前であれば、どの段階で形成してもよい。例えば、化合物半導体層32を形成する直前、すなわち図1に示す真空蒸着室12内の、蒸着源18等が配置されて部分より上流側にレーザ等を配置して、開口部30の形成を行うようにしてもよい。ただし、その場合は、ロールトゥロール方式ではなく、ステッピングロール方式で、間欠的に基材1を搬送する必要があり、開口部30の形成と、蒸着とのタイミングを合わせることが重要となる。そして、基板1aが、予め開口部30を有するものである場合は、上記の例のような〔蒸着レート検出用の開口部の形成〕工程は不要である。
なお、上記の製法において、長尺状の基板1a(上記の例では、裏面電極層31が形成されたものを「基材」として言い換えている)は、バッファ層33を形成する前に、所定長に切断されるが、上記基板1aの切断代を利用して、上記開口部30を形成するようにすると、上記切断工程において、その開口部30を、切断代とともに除去することができるため、むだなスペースを使うことがない。
また、上記の製法において、蒸着レート制御のための蒸着レート検出手段21等において、開口部30が形成されていない部分をバックグラウンドとして、計測の都度、その計測値の較正を行うようにすると、蒸着レート制御を、より高い精度で行うことができ好適である。
さらに、上記の製法において、蒸着レート検出手段21等に用いられる水晶発信器に、その先端部を冷却するための冷却手段を設けておくことが好ましい。すなわち、水晶発信器が周囲の熱によって熱くなり、付着した化合物半導体層形成材料が再度気化して水晶発信器から離れると、正確な蒸着レートを検出することができないからである。
もちろん、蒸着レート検出手段21は、水晶発信器を利用したものに限らず、光学的な手法によって蒸着レートを検出するものであっても差し支えない。
そして、上記の製法では、3つの蒸着レート検出手段21等を、3つの蒸着源18等にそれぞれ対応させて設け、各蒸着源18等の蒸着レートを全て制御するようにしたが、蒸着レートの制御は、少なくもと1つの蒸着源に対して行えば、一定の効果を得ることができるのであり、その個数は適宜選択することができる。
また、上記の製法では、図3に示すように、基材1の両側に、仕切りガイド24、25を設けて、蒸着源18等から供給される化合物半導体層形成材料が、基材1の両側から上方に回り込むのを防止するようにしたが、蒸着条件によっては、そのような回り込みによるノイズがごく小さくなるため、そのような場合には、仕切りガイド24、25を特に設ける必要はない。
つぎに、実施例について比較例と併せて説明する。ただし、本発明は、以下の実施例に限定されるものではない。
〔実施例1〕
まず、フェライト系SUS430からなる金属基板(幅15mm、長さ100m、厚み50μm)に、炭酸レーザ(エネルギー:40mJ)を10パルス照射し、直径5mmの円形開口部を、0.5mピッチで形成した。そして、開口部が形成された基板を、60℃の温浴中に浸漬し、その状態で2分間走行させた後、取り出して、薬液(佐々木化成社製、エスクリーンS−200LS)にて95℃、30分間の酸洗浄を行った。
上記基板を水洗・乾燥した後、DCマグネトロンスパッタ法により、裏面電極層としてクロム(Cr、厚み100nm)およびモリブデン(Mo、厚み300nm)をこの順で積層した。
上記開口部と裏面電極層とが形成された基板を、基材1として、図5に示す真空蒸着装置の巻き出しロール10および巻き取りロール13に掛け渡した。そして、真空蒸着室12内の圧力を1×10-3Paにするとともに、Cu蒸着源18の温度を1300℃に設定した。また、Cu蒸着源18の上端開口と基材1との距離は30mmとした。そして、基材1を1m/minで搬送し、蒸着レート検出手段21として設けられた水晶振動子膜厚モニタ(INFICON社製、型番:IC6)で蒸着レート情報の読み込みを行った。
そして、得られた指示値に蒸着源温度を変位させ、蒸着レートの制御を行った。得られた基材1の検出部位近傍のCu膜を切り出し、接触式膜厚計(アルバック イーエス社製、DEKTAK)を用いてその膜厚を測定した結果、その厚み精度は±2%であった。
〔実施例2〕
上記と同様にして、開口部と裏面電極層とが形成された基材1を準備した。そして、図5に示す真空蒸着装置の巻き出しロール10および巻き取りロール13に掛け渡した。そして、真空蒸着室12内の圧力を1×10-3Paにするとともに、Cu蒸着源18、In蒸着源19、Ga蒸着源20、Se蒸着源(図示せず)の各蒸着源を、それそれ1300℃、1100℃、1100℃、200℃となるよう加熱するとともに、上記実施例1と同様の手法により、上記Cu蒸着源18の蒸着レート制御を行うことにより、目的とする化合物半導体層を形成した。
なお、上記化合物半導体層の形成に際し、上記蒸着源18等の上を通過する際の基材表面(蒸着源に対峙する面)に対し、550℃×15分間の加熱を行った。これは、蒸着源から供給される化合物半導体層形成用材料の蒸着後の結晶性を高めるためである。
つぎに、上記化合物半導体層が形成された基材1を、巻き取りロール13から巻き出し、100mmごとに所定の切断手段によって切断し、その化合物半導体層の上に、CBD法によりCdSからなるバッファ層(厚み50μm)を形成した。そして,その上に、スパッタリング法によりZnO層(厚み100nm)とITO層(厚み300nm)とを、この順で形成して透明電極層とした。そして、基材1の裏面(化合物半導体層等が形成された面と反対側の面)に、NiCr/Alからなる櫛型電極を形成し、CIGS太陽電池(幅15mm、長さ100cm)を製造した。
上記CIGS太陽電池を20個用意し、それらの変換効率を、下記の方法にしたがって測定した。そして、20個の平均変換効率と、変換効率ばらつき(最大変換効率−最小変換効率)を求めた。その結果を、後記の表1に併せて示す。
<変換効率>
ソーラシュレータ(山下電装社製、セルテスター YSS−150)を用い、擬似太陽光(AM1.5)を、照射面積が100mm×100mm以上になるよう調整して照射してそれぞれの変換効率を測定した。
〔比較例1〕
基板に開口を形成せず、蒸着レート制御を行わなかった。それ以外は、上記実施例1と同様にしてCu膜を形成した。そして、その膜厚のばらつきを求めたところ、±10%であった。
〔比較例2〕
基板に開口を形成せず、蒸着レート制御を行わなかった。それ以外は、上記実施例2と同様にして、CIGS太陽電池を作製し、その平均変換効率と、変換効率ばらつきを求めた。その結果を、下記の表1に併せて示す。
Figure 2014038955
上記の結果から、実施例2品は、全体として変換効率が高いだけでなく、変換効率ばらつきが低く、品質が安定していることがわかる。
なお、上記実施例1、2品はCIGS太陽電池であるが、同様の手順によりCIS太陽電池を製造して、上記と同様の評価を行ったところ、これらについても、上記CIGS太陽電池と同様、高い変換効率と、低い変換効率ばらつきが得られることがわかった。
本発明の化合物太陽電池の製法は、変換効率が高く、品質の安定した化合物太陽電池の製造に良好に利用することができる。
1 基材
18、19、20 蒸着源
21、22、23 蒸着レート検出手段
30 開口部

Claims (8)

  1. 長尺状の基材を長手方向に搬送しながら、その片方の面に化合物半導体層形成材料を蒸着させて化合物半導体層を得る工程を備えた化合物太陽電池の製法であって、
    上記基材として、蒸着レート検出用の開口部が形成されたものを準備し、
    上記基材の、化合物半導体層を形成しようとする面の近傍に、化合物半導体層形成材料を供給して蒸着させるための蒸着源を設けるとともに、
    上記基材を挟んで、その反対側の、上記蒸着源と対向する位置に、蒸着レート検出手段を設け、
    上記基材を搬送しながら化合物半導体層を形成する際、上記蒸着源から供給される化合物半導体層形成材料の一部を、上記基材に形成された開口部から上記蒸着レート検出手段に到達させて蒸着レートを計測し、その計測値にもとづいて蒸着レートを制御するようにしたことを特徴とする化合物太陽電池の製法。
  2. 上記蒸着レート検出手段において、基材の、開口部が形成されていない部分をバックグラウンドとして、計測の都度その計測値の較正が行われるようにした請求項1記載の化合物太陽電池の製法。
  3. 上記蒸着レート検出手段が、検出部として水晶発信器を備え、上記水晶発信器に付着する化合物半導体層形成材料の重量変化に伴う振動数の変化により蒸着レートが計測されるようになっており、水晶発信器の先端を冷却しながら検知を行うようにした請求項1または2記載の化合物太陽電池の製法。
  4. 上記基材が、幅10〜80mmに設定されている請求項1〜3のいずれか一項に記載の化合物太陽電池の製法。
  5. 上記基材と蒸着源との距離が、5〜70mmに設定されている請求項1〜4のいずれか一項に記載の化合物太陽電池の製法。
  6. 上記基材を搬送しながら化合物半導体層を形成する際、基材の幅方向両側に、基材と平行に仕切りガイドを設け、蒸着源から供給される化合物半導体層形成材料が基材反対側に回り込むことを抑制するようにした請求項1〜5のいずれか一項に記載の化合物太陽電池の製法。
  7. 上記化合物半導体層が形成された基材を、長手方向に所定間隔で切断する工程が設けられており、上記基材の長手方向に所定間隔で切断代が設けられ、上記切断代を利用して、蒸着レート検出用の開口部が形成されている請求項1〜6のいずれか一項に記載の化合物太陽電池の製法。
  8. 上記化合物半導体層形成材料として、少なくともI族、III 族、VI 族の元素からなる化合物半導体層を形成するようにした請求項1〜7のいずれか一項に記載の化合物太陽電池の製法。
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* Cited by examiner, † Cited by third party
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JP2017128792A (ja) * 2015-10-30 2017-07-27 コリア インスティチュート オブ エナジー リサーチ Acigs薄膜の低温形成方法およびそれを用いた太陽電池の製造方法

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