JP2014038017A - 半導体装置の評価システム及び評価方法 - Google Patents

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Abstract

【課題】半導体装置及び放熱材料などを含む装置における対象物の熱抵抗(温度)等を、容易(低コスト)及び正確(高精度)に測定・評価などができる技術を提供する。
【解決手段】本評価システム15は、例えば、評価用半導体チップ1の半導体基板の面に伝熱放熱材料あるいは熱放射放熱材料52が形成され、実装基板200、放熱板71等を備える構成である。本評価システムが例えば恒温槽150の内部に設置された状態で、チップ1の電極に接続された電源からの電力によりチップ1のヒータの領域ごとに加熱が行われ、チップ1の電極に接続された電流計及び電圧計によりチップ1の抵抗測温体の領域ごとに測温が行われ、チップ1の領域の温度の測定、及び放熱材料の放熱特性の評価が行われる。
【選択図】図19

Description

本発明は、半導体チップ及びそれに適用される放熱材料(伝熱放熱材料および熱放射放熱材料)等を含んで成る半導体装置(システム)に関する測定・評価などの技術に関する。また、評価用半導体チップを用いた半導体装置の評価システム及び評価方法などに関する。
各種コンピュータや電子部品などに搭載される半導体チップ(半導体パッケージ)等の半導体集積回路は、電源電圧の低電圧化により低消費電力化が進められている。しかし低消費電力化よりも高集積化と高速化がはるかに上回るため、チップの発熱量が増大している。現在、チップの動作周波数は3GHzを越える高速領域に入ってきている。このため、このような高速動作・高発熱のチップからの放熱問題が深刻化している。
上記放熱問題への対策としては、チップにヒートシンク(放熱板)等の空冷部品が取り付けられる。チップと空冷部品との間には、金属面の微細な隙間を充填するように放熱材料が用いられる。これはチップの発熱量に見合う伝熱特性を有する伝熱放熱材料が選択される。
更に、最近ではヒートシンク等の空冷部品の適用が困難な半導体パッケージ(例えばLED)の市場が急拡大を続けている。このような製品に関して、空冷に替わる放熱方法として、熱放射放熱(放射伝熱)の技術のニーズが高まってきている。
熱放射放熱(放射伝熱)は、一般的には熱放射と対流とを合わせた状態を指すことが多く、真の熱放射を測定するには、対流の要素を切り離した真空状態で計測する必要がある。しかし真空状態(真空中)で熱放射(真の熱放射)を測定するためには、大掛かりな装置(真空装置など)及び時間を要し、コストが高い。
このため、真空中ではなく簡易的に大気中で熱放射面(測定対象物の表面)の温度が測定可能である赤外線放射温度計装置(放射温度計)が使用されることが多い。しかし従来の放射温度計には、測定対象物の表面(熱放射面)の状態に応じて放射率の補正を行う機能は無く、予め放射率(測定対象物の表面状態に応じた放射率)を測定・設定する必要がある。即ちその補正の機能を持つ装置が別途必要であり、測定・設定の手間もかかる。
また、測定対象物である半導体チップ等が、装置(当該チップを搭載する実装基板など)の内側・裏側などにある場合は、遮られるため、放射温度計で測定することができない(対象面と放射温度計との間で遮られないように直に測定する必要がある)。
そのため、上記温度(熱放射)の測定・評価のための手段としては、温度センサとしての熱電対を対象物(面)の周辺に設置する方式が採用されている。
例えば、非特許文献1(日立評論 Vol.91,No.05,p.456)には、高密度実装で課題となる応力・発熱解析に向けた評価用素子によるソリューションの提案が記載されている。
半導体装置の評価に関する先行技術例としては、特開2011−196993号公報(特許文献1)などがある。特許文献1では、シリコン基板の面に、抵抗測温体としての金属配線膜、及びヒータとしての金属配線膜と、金属配線膜を実装基板と接続するための電極とが積層された半導体チップを有し、その半導体チップを実装基板に実装し、抵抗測温体としての金属配線膜を電流計及び電圧計と接続し、ヒータとしての金属配線膜を電源と接続し、半導体チップの領域における測温、加熱、及びその温度プロファイルが評価可能な評価システム、について記載している。
特開2011−196993号公報
日立評論 Vol.91,No.05,p.456
前述の温度センサとしての熱電対を対象物の周辺に設置する方式では、測定・評価の対象物(発熱源)であるチップ等の裏面またはその周囲の基板上などに熱電対を設置して温度を測定していた。対象物(発熱源)に対して直に熱電対を設置することは困難であるためである。しかしこのような方式では、発熱源であるチップ等の正確な温度を把握することはできないという問題があった。
また上記のような方式では、対象物(チップ等)の実利用状態(発熱状態)での正確な測定・評価はできないという問題があった。
以上を鑑み、本発明の主な目的は、半導体装置及び放熱材料などを含む装置における対象物(例えばチップ)の熱抵抗(温度)等を、容易(低コスト)及び正確(高精度)に測定・評価などができる技術を提供することである。
より詳しく言い換えると、真空装置などの高価な装置を不要とし、大気中での測定で真の熱放射(対流の要素を抑えた熱放射)を測定可能とし、また放射温度計や熱電対を用いる必要を減らし、放射率の補正なども容易化し、実利用状態(実装)のシミュレーション等による高精度な測定・評価を可能とする技術を提供することである。
前記目的を達成するため、本発明のうち代表的な形態は、評価用半導体チップ等を用いて、半導体チップや放熱材料などを含んで成る半導体装置(システム)の対象物(チップ領域や放熱材料など)の熱抵抗(温度)や放熱特性などの測定・評価などのための評価システム及び評価方法などであって、以下に示す構成を有することを特徴とする。
(1) 本形態の半導体装置の評価システムは、評価用半導体チップと、当該評価用半導体チップに対して形成される放熱材料と、当該評価用半導体チップが実装される実装基板と、当該評価用半導体チップを放熱するための放熱板と、を有する。前記評価用半導体チップは、前記実装基板と前記放熱板との間で距離を置いて固定される。前記評価用半導体チップは、半導体基板と、当該半導体基板の第1の面に、1つ以上の領域から成る抵抗測温体を構成する1つ以上の第1の配線と、1つ以上の領域から成るヒータを構成する1つ以上の第2の配線と、前記第1の配線に電気的に接続された第1の電極と、前記第2の配線に電気的に接続された第2の電極と、が形成された構成である。前記放熱材料は、前記半導体基板の第2の面と前記放熱板の面との間で接触して固定される伝熱放熱材料である。前記評価用半導体チップ、放熱材料、実装基板、及び放熱板を含む装置が、恒温槽の内部に設置される。前記第2の電極に電源が接続され、当該電源からの電力により前記第2の配線によるヒータの領域ごとに加熱が行われ、前記第1の電極に電流計及び電圧計が接続され、当該電流計及び電圧計により前記第1の配線による抵抗測温体の領域ごとに測温が行われ、前記加熱及び測温に基づき、前記恒温槽による対流抑制状態で、前記評価用半導体チップの領域の温度の測定、及び前記伝熱放熱材料の伝熱放熱特性の評価が行われる。
(2) 本形態の半導体チップの評価システムは、前記放熱材料は、前記半導体基板の第2の面に形成される熱放射放熱材料であり、当該熱放射放熱材料の面と前記放熱板の面との間が非接触で距離を制御して配置される。前記第2の電極に電源が接続され、当該電源からの電力により前記第2の配線によるヒータの領域ごとに加熱が行われ、前記第1の電極に電流計及び電圧計が接続され、当該電流計及び電圧計により前記第1の配線による抵抗測温体の領域ごとに測温が行われ、前記加熱及び測温に基づき、前記評価用半導体チップの領域の温度の測定、及び前記熱放射放熱材料の熱放射放熱特性の評価が行われる。
(3) 本形態の半導体装置の評価方法は、上記(1)の評価システムを用いて評価を行う。本評価方法は、前記評価システムが、恒温槽の内部に設置された状態と、外部に設置された状態との各状態において、前記第2の電極に接続された電源からの電力により前記第2の配線によるヒータの領域ごとに加熱が行われる第1のステップと、前記第1の電極に接続された電流計及び電圧計により前記第1の配線による抵抗測温体の領域ごとに測温が行われる第2のステップと、前記加熱及び測温に基づき、前記恒温槽による対流抑制状態の有無に応じた、前記評価用半導体チップの領域の温度の測定、及び前記伝熱放熱材料の伝熱放熱特性の評価が行われる第3のステップとを有する。前記評価用半導体チップ及び放熱材料の周囲の対流による影響を抑制した状態で評価を行う。
(4) 本形態の半導体装置の評価方法は、上記(2)の評価システムを用いて評価を行う。本評価方法は、前記熱放射放熱材料の対向面を、Al製の前記放熱板とした第1の構成と、アルマイト製の低熱反射板とした第2の構成と、断熱材とした第3の構成との各状態において、前記第2の電極に接続された電源からの電力により前記第2の配線によるヒータの領域ごとに加熱が行われる第1のステップと、前記第1の電極に接続された電流計及び電圧計により前記第1の配線による抵抗測温体の領域ごとに測温が行われる第2のステップと、前記加熱及び測温に基づき、前記評価用半導体チップの領域の温度の測定、及び前記熱放射放熱材料の熱放射放熱特性の評価が行われる第3のステップとを有し、熱反射の有無に応じた評価を行う。
本発明のうち代表的な形態によれば、半導体装置及び放熱材料などを含む装置における対象物(例えばチップ)の熱抵抗(温度)等を、容易(低コスト)及び正確(高精度)に測定・評価などができる。
本発明の一実施の形態の評価システムを含むシステム全体の構成を示す図である。 本発明の一実施の形態の評価用半導体チップの構造を示す断面図である。 本評価用半導体チップの金属配線膜(第1の配線)の配線パターンの一例を示す平面図である。 本評価用半導体チップの金属配線膜(第2の配線)の配線パターンの一例を示す平面図である。 本評価用半導体チップの電極(第1の電極、第2の電極)の構造の一例を示す図である。 (a)〜(d)は、本評価用半導体チップの製造方法の過程を示す遷移図である。 本評価用半導体チップの第1の変形例を示す断面図である。 本評価用半導体チップの第2の変形例を示す断面図である。 本評価用半導体チップの第3の変形例を示す断面図である。 本実施の形態の評価用半導体チップの構成例を示す図である。 一実施の形態(第1の基本構成)の評価システムを示す断面図である。 一実施の形態(第2の基本構成)の評価システムを示す断面図である。 一実施の形態(第3の基本構成)の評価システムを示す断面図である。 一実施の形態(第4の基本構成)の評価システムを示す断面図である。 本発明の実施の形態1の評価システムの構成を示す断面図である。 本発明の実施の形態2の評価システムの構成を示す断面図である。 本発明の実施の形態3の評価システムの構成を示す断面図である。 本発明の実施の形態4の評価システムの構成を示す断面図である。 本発明の実施の形態5の評価システムの構成を示す断面図である。 本発明の実施の形態6の評価システムの構成を示す断面図である。 本実施の形態の評価システムを用いた具体例の概要を示す図である。 放熱特性の評価結果の第1の具体例を示す図である。 放熱特性の評価結果の第2の具体例を示す図である。 放熱特性の評価結果の第3の具体例を示す図である。 放熱特性の評価結果の第4の具体例その1を示す図である。 放熱特性の評価結果の第4の具体例その2を示す図である。 放熱特性の評価結果の第5の具体例を示す図である。 放熱特性の評価結果の第6の具体例を示す図である。 放熱特性の評価結果の第7の具体例を示す図である。 放熱特性の評価結果の第8の具体例を示す図である。 放熱特性の評価結果の第9の具体例を示す図である。 放熱特性の評価結果の第10の具体例を示す図である。
以下、本発明の実施の形態を図面に基づいて詳細に説明する。なお、実施の形態を説明するための全図において、同一部には原則として同一符号を付し、その繰り返しの説明は省略する。図1では、本実施の形態のシステム全体の概要を説明する。図2〜図10では、本評価システムの構成要素となる評価用半導体チップの構成例を説明する。図11〜図14では、本評価用半導体チップを含んで成る、基本構成である評価システムを説明する。図15〜図20では、特徴的な実施の形態の評価システムを説明する。図21〜図32では、本評価システムを用いた測定・評価の具体例(本評価システムによる効果の検証)について説明する。
[システム全体]
図1は、本実施の形態の評価システム10等を含んで成るシステム300の全体(概要)を示す。本実施の形態の評価システム10は、評価用半導体チップ1(適宜「チップ」と略す)と、それに適用される放熱材料(AまたはB)とを含んで成る、測定・評価などの対象装置(対象システム)である。評価用半導体チップ1は、主に半導体基板(100)から成り、その一方の第1面(M1)側に、第1の配線(H1)及び第2の配線(H2)などが形成され、他方の第2面(M2)側に、放熱材料(AまたはB)が形成される。放熱材料(A/B)は、(A)伝熱放熱材料51、または(B)熱放射放熱材料52である。なお評価システム10は後述する各種の形態があるので、適宜それらを含んで成るシステム300が構成される。
チップ1の半導体基板(100)の面(M1)の所定の形成部(1000)において、複数の領域(R1)から成る抵抗測温体を構成する第1の配線(H1)と、複数の領域(R2)から成るヒータを構成する第2の配線(H2)と、第1の配線(H1)に接続される第1の電極(D1)と、第2の配線(H2)に接続される第2の電極(D2)とが形成される(図2,図10等)。
第1の電極D1に対して、電流計・電圧計21が接続される。電流計・電圧計21(またはその制御をする31)から、第1の配線(H1)の各領域(R1)を選択的に測定可能である。
第2の電極D2に対して、電源(外部電源)22が接続される。電源22(またはその制御をする32)から、第2の配線(H2)の各領域(R2)を選択的に加熱可能である。
コンピュータ30は、ユーザ(評価者など)が操作する評価処理システム(評価システム10を対象として評価処理を行う情報処理システム)の構成例である。コンピュータ(評価処理システム)30は、一般的なPCや、そのソフトウェアプログラム処理や回路などで実現可能である。コンピュータ30は、プロセッサ及びメモリ等の公知の要素を用いたソフトウェアプログラム処理などによる演算部40と、ユーザに対しグラフィカルユーザインターフェイス(画面など)を提供する処理を行うGUI部60と、その他図示しない記憶部や通信インターフェイス、入力装置、出力装置、及びバスなどの公知の要素とを含んで成る。
演算部40は、各処理部として、熱抵抗・温度測定処理部31と、加熱処理部32と、放熱材料A(伝熱放熱材料51)−放熱特性評価処理部41と、放熱材料B(熱放射放熱材料52)−放熱特性評価処理部42とを有する。演算部40は、評価システム10の測定・評価処理(シミュレーションや試験など)の際、GUI部60の画面でユーザに対し情報を表示すると共に、31,32,41,42等の処理を制御し、各処理に対応するデータ情報を入出力・記憶処理する。
熱抵抗・温度測定処理部31は、電流計・電圧計21の測定結果(電流値、電圧値)を用いて、第1の配線(H1)の領域R1(その複数の各領域)に関する電気抵抗を測定し、その電気抵抗と、所定の関数(係数)とから、温度を算出し、熱抵抗を算出する。なお、熱抵抗は、単位時間あたりの発熱量あたりの温度上昇量[℃/W]である。なおユーザの操作により21のデータを31に入力してもよいし、21と31を接続し通信して自動的に21のデータを31で取得してもよいし、31から21の測定(領域選択測定)を制御してもよい。
加熱処理部32は、電源22による第2の配線(H2)の領域R2(その複数の各領域)に対する加熱状態を把握または制御する。なおユーザの操作により22のデータを32に入力してもよいし、22と32を接続し通信して自動的に22のデータを32で取得してもよいし、32から22の加熱(領域選択加熱)を制御してもよい。
放熱材料A(51)−放熱特性評価処理部41は、放熱材料A(51)の伝熱特性評価処理や、(チップと放熱板などとの間での)密着性変化検出処理などを行う(後述)。
放熱材料B(52)−放熱特性評価処理部42は、放熱材料B(52)の熱放射特性評価処理や、内部の結晶配向性の計測処理などを行う(後述)。
GUI部60は、ユーザの操作に応じて、演算部40の制御・処理に基づき、各処理に応じたデータ情報を表示する画面を構成しディスプレイに表示する。ユーザは画面での操作により測定・評価処理の指示などを行うことができ、測定・評価処理の結果などを確認することができる。なお本システム300は、必要(実施の形態)に応じて、放射温度計や熱電対などの公知の要素を追加的に設けて、コンピュータ30でそれらの情報処理をしてもよい。
[評価方法]
本実施の形態の評価方法は、上記評価システム10及びシステム300を用いてユーザの操作に基づき行われる。例えば後述する各具体例(図21)に応じた測定・評価処理が行われる。例えば、評価システム10が、図15(実施の形態1)のように恒温槽150の内部に設置された状態と、外部に設置された状態との各状態において、電源22からの電力により第2の配線(H2)によるヒータの領域(R2)ごとに加熱が行われる第1のステップと、電流計・電圧計21により第1の配線(H1)による抵抗測温体の領域(R1)ごとに測温が行われる第2のステップと、当該加熱及び測温に基づき、恒温槽150による対流抑制状態の有無に応じた、評価用半導体チップ1の領域の温度の測定、及び伝熱放熱材料51の伝熱放熱特性の評価が行われる第3のステップとを有する。即ちチップ1及び伝熱放熱材料51の周囲の対流による影響を抑制した状態で評価が行われる。
[評価用半導体チップの構成(1)]
図2〜図5を用いて、一実施の形態の評価用半導体チップ1の構成について説明する。図2は、本評価用半導体チップ1の断面構造を示す。本チップ1は、シリコン基板(半導体基板)100の一方の面(第1面:M1)側に、各種の配線(H1,H2)及び電極(D1,D2)等が形成された層(1000)を有する。本層(1000)は、金属配線膜101,102、電極103(103a,103b)、及び絶縁層104(104a,104b,104c)が図示のように順次積層されて構成される。
金属配線膜101(第1の配線H1)は、抵抗測温体として利用可能な金属の配線パターンが形成された構成である(例:図3)。
金属配線膜102(第2の配線H2)は、ヒータとして利用可能な金属の配線パターンが形成された構成である(例:図4)。
電極103(103a,103b)は、金属配線膜101(H1),102(H2)と電気的に接続される外部接続用の電極である(図1のシステム300のように外部接続可能である)。電極103は、金属配線膜101(H1)を後述の実装基板(図11、201)に電気的に接続するための第1の電極103a(D1)、及び金属配線膜102(H2)を実装基板(201)に電気的に接続するための第2の電極103b(D2)を有する構成である(例:図5)。
絶縁層104(104a,104b,104c)は、ポリイミド膜による。金属配線膜101と102との間にポリイミド膜(104a)が設けられ、金属配線膜102と電極103との間にポリイミド膜(104b)が設けられる。電極103上にはポリイミド膜(104c)が保護層として形成される。
チップ1の表面(M1側)には、開口部g11,g12,g21,g22が設けられる。絶縁層104cには、開口部g21,g22が設けられる。g21は、後述の配線基板(図11、200)や他の半導体チップと金属配線膜101(H1)につながる電極103a(D1)とを接続するための開口である。g22は、配線基板(200)と金属配線膜102(H2)につながる電極103b(D2)とを接続するための開口である。絶縁層104a及び104bには、共に金属配線膜101と電極103aとを接続するための開口部g11が形成される。絶縁層104bには、更に金属配線膜102と電極103bとを接続するための開口部g12が形成される。
開口部g11は、絶縁層104(104a,104b,104c)の同一の場所に設けられているので、金属配線膜101は、開口部g11,g21のどちらからも電気的な接続を確保可能である。同様に、金属配線膜102では、開口部g12,g22のどちらからも電気的な接続を確保可能である。上記構成により、開口部g21,g22を用いてBall Grid Array実装構造を採ることもできるし、開口部g11,g12を用いてWire-Bonding実装構造を採ることもできる。更にこれらの開口部は導通検査用端子として用いることもできる。
上記のような評価用半導体チップ1を後述の実装基板(図11、201)に実装した構成(評価システム10)とすることで、様々な温度プロセスなどを測定・評価可能である。
[評価用半導体チップの構成(2)]
図3に、図2のチップ1の金属配線膜101(H1)の配線パターンの一例を示す。本例示したパターンでは、金属配線膜101は、方形に蛇行する独立した白金(Pt)配線であり、3×3のマトリクス状に分画された領域(R1)にそれぞれ形成されている。分画する領域(R1)の数はいくつでもよく、その配置の仕方は、図3のように各領域(R1)が隣接していてもよいし、離れていてもよい(後述、図10)。
本例示したパターンでは、各白金配線はそれぞれ配線の両端に2つずつ、計4つの端子N1を有しており、端子N1は、電極103(103a)に接続される。このように、各配線(H1)の電気抵抗はいわゆる四端子法により測定できる。即ち、白金(Pt)の抵抗温度係数(3.9×10−3/K、日本金属学会編 金属データブック 改訂3版 p.212)から白金配線の各領域(R1)における温度(熱抵抗)を測定することができる。
なお本例では複数の各領域(R1)で独立した白金配線を設けた構成を例示しているが、それら領域の金属配線膜101が1つの連続した配線からなる構成としてもよいし、連続した配線を途中から分岐させて端子N1を設けた構成としてもよい。
また金属配線膜101に使用する金属材料としては、温度と電気抵抗の線形性に優れており、また腐食耐性、マイグレーション耐性に優れていて膜質変化が小さいことから、特に白金(Pt)を利用することが望ましい。それ以外の金属材料、例えばニッケル(Ni)、銅(Cu)などを利用する場合には、使用に際して温度と電気抵抗の相関関係を計測して、予め検量線を作製しておく必要があるが、チップ作製コストは低減できる。繰り返し使用するならPtを用い、繰り返し使用しないならNiや銅を用いる等、用途・目的に応じて使い分ければよい。
[評価用半導体チップの構成(3)]
図4に、図2のチップ1の金属配線膜102(H2)の配線パターンの一例を示す。本例示したパターンでは、金属配線膜102は、Ni配線または銅配線が2×2のマトリクス上に分画された4つの領域(R2)に蛇行する一連の配線パターンである。Ni配線または銅配線は、両端及び途中に3つの端子N2を有し、それぞれ電極103(103b)に接続される。加熱領域を分画する場合、その領域(R2)の数はいくつでもよく、その配置の仕方は、図4に例示するように各領域(R2)が隣接していてもよいし、離れていてもよい(後述、図10)。また配線への電磁波シールド(401)を有する。
評価対象(実装)となる半導体装置に使われる半導体チップ内の各機能領域を模擬するような配置で、評価用半導体チップ1の金属配線膜102(H2)の加熱領域(R2)を配置し、各領域(R2)のみを選択して加熱するための端子(途中端子)N2を設ける。このような構成により、Ni配線または銅配線の加熱領域(R2)を選択可能となり、半導体チップの発熱領域を模擬できる。
なお本例示したパターンでは途中に端子N2を設ける構成としているが、勿論、簡易的な評価のために両端のみに端子N2を設けてもよいし、図3に例示した金属配線膜101(H1)と同様なパターン、即ち分画した各領域に独立した配線を設けてもよい。
また金属配線膜102に使用する金属材料は、Niや銅に限らず、評価対象となる半導体装置に使われる半導体チップの発熱挙動を模擬できるような導体抵抗を有し、低コストで微細なパターンを加工形成でき、且つ高温耐久性を有する金属であればよい。具体的には、NiCr系合金、NiCrAl系合金、Cu系合金、CuMn、CuNi、FeCr系合金、タングステン等である。
[評価用半導体チップの構成(4)]
図5に、図2のチップ1の電極103(D1,D2)の構造の一例を示す。電極103は、本例示したパターンでは、103a(D1)に対応する外部接続用電極501が、金属配線膜101(H1)の端子N1と接続される。103b(D2)に対応する外部接続用電極502が、金属配線膜102(H2)の端子N2と接続される。
[評価用半導体チップの製造方法]
次に図6を用いて、本実施の形態の評価用半導体チップ1の製造方法について説明する。図6(a)〜(d)は、チップ1の製造方法の過程を示す。まず図6(a)で、シリコン基板100の一方の面(M1)に、図示しないSi酸化膜を成長させる。Si酸化膜は、900℃程度のスチーム雰囲気下でSiと酸素を反応させるような一般的な方法で形成すればよい。そしてSi酸化膜上に、白金配線パターン(例:図3)を有する金属配線膜101をリフトオフ法により形成する。具体的には、まずSi酸化膜上にパターニングされたレジストを形成し、各絶縁層(101aはPtO膜、101bはPt膜、101cはTiO膜)を順次蒸着する。そしてレジストを除去して図3の配線パターンを完成させる。本実施の形態では、リフトオフ法を採用しているので、配線厚は、実効的には最大1μm程度である。このような薄膜構造の測温体(測温膜)を用いたことにより、測温体(測温膜)自身の熱容量を最小化でき、その結果として高速応答性が実現できる。なお、PtO膜(101a)はSi酸化膜との密着性を、TiO膜(101c)はポリイミド膜(104a)との密着性を向上させるために、それぞれPt膜(101b)に対して1/100程度の膜厚で設けている。
次に図6(b)で、絶縁層104として、金属配線膜101の両端を覆い、端子N1部分を開口させた膜厚約5μmのポリイミド膜(104a)を形成し、そしてその膜(104a)上に、Ni配線パターン(例:図4)を有する金属配線膜102を形成する。例えば、Cr膜及び銅膜の積層膜をシード膜として、レジストのフォトリソグラフィ及びNi電気めっきを併用するセミアディティブ法を用いることにより、図4の配線パターンを有する金属配線膜102を形成できる。
更に図6(c)で、金属配線膜102の両端を覆い、端子N1及び端子N2部分を開口させたポリイミド膜(104b)を形成し、その膜(104b)上にセミアディティブ法により図5の外部接続用の電極103(103a,103b)を形成する。
そして最後に図6(d)で、後述する実装基板(201)等と電極103を接続するための開口(g11等)を有する保護層としてのポリイミド膜(104c)を形成することで、図2のチップ1が得られる。
本評価用半導体チップ1は、上述の構造に限らず下記のように様々な変形が可能である。例えば、抵抗測温体(H1)及びヒータ(H2)は、どのような位置関係で配置されていてもよい。また抵抗測温体(H1)、ヒータ(H2)、及び電極(D1,D2)は、積層ではなくシリコン基板(100)の同一面内(同一層)に形成されてもよい。更に、配線の温度と電気抵抗の関係を明らかにしておくことで、ヒータ(H2)と抵抗測温体(H1)を1つの配線で兼ねることもできる。即ち、配線に接続された電源(22)から電力を供給すると同時に電気抵抗を測定すれば、別途配線を設けずとも、発熱する配線自身の温度を測定可能となる。これにより本評価用半導体チップ1の構造を大幅に簡素化し、短TATで製造可能となり、製造コストの大幅低減が可能となる。
また本評価用半導体チップ1は、抵抗測温体としての金属配線膜101(H1)のみを備え、ヒータ(H2)の機能を持たない構成としてもよい。例えば、外部から加熱するプロセスの温度プロファイルを計測する場合には、必ずしも評価用半導体チップ1内にはヒータ(H2)が必須ではないため、より簡素な構成とすることができる。
[評価用半導体チップの変形例(1)]
以下、評価用半導体チップ1に関する変形例を示す。
図7は、第1の変形例の評価用半導体チップ2を示す。本チップ2は、抵抗測温体の金属配線膜101(H1)と、ヒータの金属配線膜102(H2)とが、図2のチップ1の抵抗測温体(101)及びヒータ(102)とは逆の位置(層)に配置された構造である。本チップ2によれば、ヒータ(102)の領域(R2)よりも抵抗測温体(101)の測定領域(R1)の方が、電極103が外部接続される開口部g21,g22の近傍となっている。そのため、より発熱源に近い位置(例えば、硬化性樹脂材料であるアンダーフィル材)の温度を測定可能である。ただしポリイミド膜(104a,104b)は十分に薄く、従って熱容量は十分に小さいので、1と2の実用上の性能差は殆ど無いと言えるので、形成歩留り差などを考慮して有利構造を選択するとよい。
[評価用半導体チップの変形例(2)]
図8は、第2の変形例の評価用半導体チップ3を示す。本チップ3は、抵抗測温体の金属配線膜101(H1)とヒータの金属配線膜102(H2)とが、同じ面(層)内の酸化膜上に形成され、それら(101,102)の両端を覆うように、金属配線膜101と電極103aとを接続するための開口部g31、及び金属配線膜102と電極103bとを接続するための開口部g32、を有するポリイミド膜(絶縁層104d)が設けられている。前述の絶縁層としての2つのポリイミド膜(104a,104b)を1つのポリイミド膜(104d)で実現できるため、チップ1に比べて層数を減少させ、より低コスト、簡便な方法で製造可能である。
[評価用半導体チップの変形例(3)]
図9は、第3の変形例の評価用半導体チップ4を示す。本チップ4は、抵抗測温体(H1)とヒータ(H2)の機能を兼ねる金属配線膜105のみが形成され、金属配線膜105の両端を覆うように、金属配線膜105と電極103(103a,103b)とを接続するための開口部g41,g42を有するポリイミド膜(絶縁層104e)が設けられている。なお金属配線膜105には、例えば図3のようなNi配線または銅配線を利用できる。本チップ4を、後述の配線基板(200)に実装し、両端の端子に電源(22)と電流計・電圧計(21)などを接続することで、Ni配線または銅配線に流れる電流を制御すると共に、Niの抵抗温度係数(6.3×10−3/K、日本金属学会編 金属データブック 改訂3版 p.212)または銅の抵抗温度係数(4.3×10−3/K、日本金属学会編 金属データブック 改訂3版 p.212)から、Ni配線または銅配線の各領域(R1)における温度を測定可能である。本チップ4によれば、チップ1に比べて絶縁層(ポリイミド膜)及び金属配線膜をそれぞれ1つずつ省略できるため、製造プロセスの簡素化と、製造コストの大幅な低減が可能である。
[評価用半導体チップの構成例]
次に図10を用いて、後述の各構成の評価用システムの構成部材となる、評価用半導体チップ1(特にその領域R1,R2)の構成例を説明する。図10で、3種類の評価用半導体チップ1である1a,1b,1cの構成(上面)を示す。チップ1a,1b,1cに形成される各々の抵抗測温体層(白金配線)としての金属配線膜101(H1)と、ヒータ層(Ni配線)としての金属配線膜102(H2)と、電極層(電極103)(D1,D2)との組み合わせを示す。
第1のチップ1aは、外形サイズが8mm×8mmであり、3×3のマトリクス状に分画された領域(R1)(#1〜9)が隣接して配置される金属配線膜(H1)101Aと、2×2のマトリクス状に分画された領域(R2)(#1〜4)が隣接して配置される金属配線膜(H2)102Aと、外形サイズの面積のほぼ全面に配線された電極(D1,D2)103Aとが積層された構成である。なお各抵抗測温体の領域R1における複数の温度測定単位となる領域を番号(#)1〜9で示す。またヒータの領域R2における複数の加熱単位となる領域を番号(#)1〜4で示す。
第2のチップ1bは、外形サイズが9mm×13mmであり、3×3のマトリクス状に分画された領域(R1)(#1〜9)が離れて配置される金属配線膜(H1)101Bと、2×2のマトリクス状に分画された領域(R2)(#1〜4)が隣接して配置される金属配線膜(H2)102Bと、外形サイズの面積のほぼ全面に配線された電極(D1,D2)103Bとが積層された構成である。なお本例では金属配線膜101Bの全領域R1の面積は、金属配線膜101Aの全領域R1の面積と同じである。
第3のチップ1cは、外形サイズが15mm×25mmであり、第2のチップ1bと同様に、金属配線膜(H1)101B、金属配線膜(H2)102B、及び電極103Bが積層された構成である。
以上を踏まえ、次に基本構成の評価システム(91〜94)について説明する。その後、特徴的な実施の形態(1〜6)の評価システム(11〜16)について説明する。各基本構成は、実施の形態1等の構成要素となったり、評価の際の比較要素となる。なお以下の評価システム(配線基板200)に実装される評価用半導体チップとして図2のチップ1とするが、これに限らず前述の各種構造のチップとしてもよい。
[第1の基本構成]
図11は、一実施の形態として第1の基本構成である評価システム91を示す。図11で、本評価システム91は、前述の図2の評価用半導体チップ1(上下は逆)を、配線基板200(実装基板201)に対し、はんだバンプ204によって実装した構成である。尚はんだバンプ204を用いて接続する場合、前述の開口部g11,g12は閉じていてもよい。配線基板200は、プリント基板やセラミック基板などであり、基板配線203(203a,203b)及びその端部に接続される配線群250a,250bなどを有する。基板配線203aは、抵抗測温体の金属配線膜101(H1)に接続される。基板配線203bは、ヒータの金属配線膜102(H2)に接続される。配線群250aは、基板配線203aを介して、抵抗測温体(H1)と電流計・電圧計21とを結線する。配線群250bは、基板配線203bを介して、ヒータ(H2)と外部電源22とを結線する。
これにより図1のように本評価システム91の外部からヒータ(H2)の各領域(R2)の加熱と、抵抗測温体(白銀配線)(H1)の各領域(R1)の熱抵抗の測定(四端子法による電気抵抗の測定)とが可能である。抵抗測温体(H1)の領域(R1)の測定結果と、白金の抵抗温度係数(3.9×10−3/K)とから、白金配線(H1)の各領域(R1)の温度を測定(算出)可能である。
[第2の基本構成]
図12は、第2の基本構成の評価システム92を示す。なお図12等では、チップ1の配線(H1,H2)及び電極(D1,D2)等の形成部(1000)を図示のように簡易的に示す。本評価システム92は、伝熱放熱材料51(放熱材料A)を含んだ対象装置における伝熱放熱特性を評価する構成である。本評価システム92は、図11の評価システム91を、より実際に近い形態で搭載し、評価用半導体チップ1及びその周辺(51を含む)の熱情報の取得を可能とする構成である。
本評価システム92は、図11の評価システム91(上下は逆)(その実装基板201)と、アルミ(Al)材などから成る放熱板71とを、評価用半導体チップ1と放熱板71との間に伝熱放熱材料51を挟んだ形で、断熱性ネジ241により固定した構成である。
チップ1の下側の第2面M2と、放熱板71の上側の面との間に伝熱放熱材料51が充填されている。配線基板200上の基板配線203の少なくとも一部は、コネクタ242を介してハーネス243として外部回路(図1)に電気的に接続される。また本評価システム92は、放熱板71下に、温度制御機器72を配した構造である。これにより放熱板71の温度を制御可能である。
本評価システム92の構成では、チップ1及び伝熱放熱材料51を含む対象部において、チップ1の抵抗測温体(H1)の領域R1の温度変化を検出・測定ができる。また温度制御機器72を用いた放熱板71の温度制御により、1に対応するチップに対する51に対応する伝熱放熱材料(伝熱放熱シート等)の実装時(実利用時)に近い状態での放熱特性を評価可能である。つまり、本評価システム92(図1、コンピュータ30)では、両者(チップ1,伝熱放熱材料51)の温度差を算出することにより、伝熱放熱材料51の放熱特性(熱抵抗)を知ることができる。そのため、51に対応した伝熱放熱シート等の設計・開発においても有用なデータを取得できる。
なお図12の構成で放熱材料(51)を設けない形態、即ちチップ1と放熱板71との間に空間領域を設けた形態として、測温及び放熱特性の評価をしてもよい。
[第3の基本構成]
図13は、第3の基本構成の評価システム93を示す。本評価システム93の構成は、第2の基本構成の評価システム92に対し、伝熱放熱材料51を設けない構成である。かつ本評価システム93は、チップ1の下面(第2面M2)と放熱板71の上面とが接触して配置される。このような構成において、放熱材料を持たない場合の対象装置の測温・放熱特性評価ができる。
[第4の基本構成]
図14は、第4の基本構成の評価システム94を示す。本評価システム94は、熱放射放熱材料52(放熱材料B)及び断熱材77を備えた構成である。本評価システム94は、図11の評価システム91のチップ1の下面(M2)に熱放射放熱材料52が形成されていると共に、その対向面を放熱板71ではなく断熱材77に変えた構成である。熱放射放熱材料52と断熱材77との間の距離k4(空間領域1004)を制御して断熱材77が配置されている。
以上を踏まえ、以下、特徴的な実施の形態を説明する。実施の形態1は、放熱材料として伝熱放熱材料51を用いた構成例であり、実施の形態2〜6は、放熱材料として熱放射放熱材料52を用いた構成例である。
<実施の形態1>
図15は、実施の形態1の評価システム11の構成を示す。実施の形態1の評価システム11では、評価用半導体チップ1及び伝熱放熱材料51を含む対象装置に関して、伝熱、対流、熱反射(その有無)による放熱特性を測定・評価する構成である。本評価システム11は、図12の評価システム92を恒温槽(チャンバ)150内に配置した構成である。恒温槽150は、内部の対流を抑制する機能を持つアルミ(Al)製の恒温槽(対流抑制Al製恒温槽)である。恒温槽150の内壁は、必要に応じて、Al状態(150aとする)と、それに黒体塗料を塗布した状態(150bとする)とを、容易に切り替え可能である。Al状態(150a)は熱反射有りの状態、黒体塗布状態(150b)は熱反射無しの状態に対応する。即ち、本評価システム11では、恒温槽150の内壁がAl状態(150a)及び黒体塗布状態(150b)の各状態におけるチップ1及びその周辺(伝熱放熱材料51を含む)の熱情報の取得が可能である。本評価システム11(図1のシステム300)では、上記各状態(150a,150b)におけるチップ1の領域R1の温度(熱抵抗)の測定データを取得してそれらの差分データを取得(算出)することで、対流抑制時における熱反射の有無に応じた伝熱放熱特性の評価が可能である。
また本評価システム11は、恒温槽150の上下面に温度制御機器151(ペルチェ温度制御機器)を配した構造である。これにより放熱板71と同温度で恒温槽150(内部)の温度を制御する(外部から制御可能である)。これにより、伝熱放熱材料51に対応した伝熱放熱シート等の実使用状態(実装時)の模擬における伝熱以外の分(対流抑制)の放熱データを取得して評価ができる。なお恒温槽150内の温度制御機器72を省略した形態としてもよい。
<実施の形態2>
図16は、実施の形態2の評価システム12の構成を示す。実施の形態2の評価システム12は、チップ1及び熱放射放熱材料52を含む対象装置に関して、熱放射放熱特性を測定・評価する構成である。本評価システム12は、図11の評価システム91(チップ1及び実装基板201等)を、より実際(実装)に近い形態で構成し、評価用半導体チップ1及びその周辺(熱放射放熱材料52を含む)の熱情報の取得を可能とする。本評価システム12は、チップ1の表面(M2)に熱放射放熱材料52を形成した状態で、Al製の放熱板71との間に非接触な状態で距離k1(空間領域1001)を制御して配置された構成である。なお距離k1(空間領域1001)の制御は、例えば断熱性ネジ241の調整で可能である。本評価システム12では、チップ1(熱放射放熱材料52)と放熱板71(Al)との間(1001)に発生する対流を距離k1の制御により抑制した状態での熱放射放熱特性の評価が可能である。
<実施の形態3>
図17は、実施の形態3の評価システム13の構成を示す。本評価システム13は、チップ1及び熱放射放熱材料52を含む対象装置に関して、対流抑制時における熱放射放熱特性を測定・評価する構成である。本評価システム13は、図12の評価システム92の放熱板71上に更に低熱反射板73を配置した構成である。チップ1の表面(M2)に熱放射放熱材料52を形成した状態で、低熱反射板73との間に非接触な状態で距離k2(空間領域1002)を制御して配置された構成である。低熱反射板73は、熱反射が低い、例えばアルマイト製である。本評価システム13では、低熱反射板73からの熱反射を抑制した状態での熱放射放熱特性を評価でき、チップ1の表面(M2)に形成された熱放射放熱材料52からの熱放射を反映した温度計測ができる。
<実施の形態4>
図18は、実施の形態4の評価システム14の構成を示す。本評価システム14は、チップ1及び熱放射放熱材料52を含む対象装置に関して、熱放射、対流、熱反射による放熱特性を測定・評価する構成である。本評価システム14は、図17の評価システム13を、前述(図15)同様の恒温槽150内に配置した構成である。恒温槽150の内壁がAl状態(150a)及び黒体塗布状態(150b)の各状態におけるチップ1及びその周辺(熱放射放熱材料52を含む)の熱情報を取得可能であり、各状態(150a,150b)での放熱特性の評価が可能である。本評価システム14は、前述同様に、チップ1の表面(M2)に熱放射放熱材料52を形成した状態で、熱放射放熱材料52と低熱反射板73との間に非接触な状態で距離k2(空間領域1002)を制御して配置された構成である。また本評価システム14は、前述同様に、恒温槽150の上下面に温度制御機器151を配した構造であり、放熱板71及び低熱反射板73と同温度で恒温槽150の温度を制御する。本評価システム14では、対流抑制時における熱反射の有無による熱放射放熱特性の評価ができる。そのため、熱放射放熱材料52に対応する材料の実使用状態(実装時)に近い状態での模擬における放熱データを取得し評価することができる。
<実施の形態5>
図19は、実施の形態5の評価システム15の構成を示す。本評価システム15は、チップ1及び熱放射放熱材料52を含む対象装置に関して、熱放射、対流、熱反射による放熱特性を測定・評価する構成である。本評価システム15は、図18の評価システム14の配線基板200(実装基板201)側にも、放熱板74を含む部材(基板対向面の対流・熱反射抑制部材2002)を設置した構造である。放熱板74は、上側の面に断熱材75(対流抑制部材)が付き、下側(配線基板200と対抗する側)の面に低熱反射板76が付いた構造である。この断熱材75及び低熱反射板76付きの放熱板74(対流・熱反射抑制部材2002)を、配線基板200からの距離k3(空間領域1003)を制御して対流が抑制できる状態として配置した構成である。評価システム14のチップ1及び熱放射放熱材料52の下側には、前述の距離k2(空間領域1002)を介して放熱板71及び低熱反射板73等による部材(チップ対向面の対流・熱反射抑制部材2001)が配置され、実装基板201の上側には、上記距離k3(空間領域1003)を介して放熱板74等による部材(対流・熱反射抑制部材2002)が配置された構成である。本評価システム15では、配線基板200(実装基板201)側からの熱放射によるチップ1の温度への影響を抑制した状態での熱放射放熱特性の評価ができる。つまりチップ1の表面に形成した熱放射放熱材料52からのみの熱放射を反映した温度計測ができる。
<実施の形態6>
図20は、実施の形態6の評価システム16の構成を示す。本評価システム16は、熱放射放熱材料52の内部の結晶配向性及び材料組成による熱伝導を比較評価可能とする構成である。本評価システム16は、評価システム15(14)に対し、配線基板200(実装基板201)の裏面(上側)に熱電対80を配置した構成である。これにより、熱放射放熱材料52によって、熱伝導が熱放射放熱材料52側に優先的に伝導するのか、チップ1側に蓄熱するかを測定・評価する構成である。本評価システム16では、チップ1(M2)における熱放射放熱材料52の形成層の結晶配向性及び組成の違いによる熱伝導の計測ができる(後述)。
<評価の具体例>
以下、上述した各基本構成及び各実施の形態の評価システムを用いた、放熱材料(A/B)を含む場合及び含まない場合の各対象に関する放熱特性などの測定・評価(その能力の評価・検証)の具体例について説明する。なお本発明はこれら具体例によって限定されない。なお補足として図21に前述の各構成と各具体例との対応関係及び概要などをまとめて示している。
<放熱材料Aの放熱特性評価の具体例>
図12,図13,図22〜図28を用いて、伝熱放熱材料51(放熱材料A)を含む場合及び含まない場合の各評価システム(対象装置)による伝熱放熱特性などの測定・評価の具体例を説明する。主に前述の実施の形態1の評価システム11に対応する具体例である。なお前記図12の第2の基本構成の評価システム92を用いることで、伝熱放熱材料51を備えなる場合の評価を行い、前記図13の第3の基本構成の評価システム93を用いることで、伝熱放熱材料51を備えない場合の評価を行う。前記図14の第4の基本構成の評価システム94を用いることで、熱放射放熱材料52を備える場合の評価を行う。
なお評価システム13に搭載されるチップ1として特に図10の第2のチップ1bを用いた。なお以下のような伝熱放熱材料51を用いた場合の測定・評価の具体例に対応した処理を図1のコンピュータ30の処理部41などで行ってもよい。
[第1の具体例]
第1の具体例では、図13の評価システム93(放熱材料なし)による温度の測定・評価の評価結果を示す。第1の具体例では、チップ1bへ電力を印加してヒータの金属配線膜102(H2)を加熱すると共に、抵抗測温体の金属配線膜101(H1)と別途用意した放射温度計とによってチップ1bの温度を測定した。これにより評価システム93の放熱特性(測温能力)を評価した。なお第1の具体例では、チップ1の領域(R1)ごとの測定・評価はしていない。
図22に、評価システム93による評価結果の第1の具体例のグラフを示す。図22で、横軸はチップ1bへの印加電力[W]、縦軸は印加電力に対する温度測定値[℃]である。四角印(□)は、白金配線層の金属配線膜101(H1)による温度測定値、丸印(○)は、放射温度計を用いて測定した温度測定値である。
図22からわかるように、金属配線膜101(H1)による温度測定値(□)と、放射温度計による温度測定値(○)との間には、実質的な差はみられず、両者はよく一致した。この結果から、第1の具体例(評価システム93)では、金属配線膜102(H2)の発熱による温度の変化を、熱電対を用いることなく金属配線膜101(H1)によって正確に測定可能であることがわかった。
[第2の具体例]
次に第2の具体例では、図13の評価システム93(放熱材料なし)を用いた、チップ1の領域(R1)別の温度測定評価について示す。チップ1bへ電力を印加して金属配線膜102(H2)を加熱し、白金配線層の金属配線膜101(H1)の抵抗測温体の領域R1における全測定領域#1〜9(図10)の温度を測定した。
図23に、第2の具体例の評価結果を示す。横軸は領域R1の測定領域#1〜9を示す。縦軸はチップ1bへの印加電力に応じた各測定領域の温度[℃]の測定値を示す。印加電力[W]は、菱形(◇)が1.3W、四角(□)が5.5W、三角(△)が13.0W、丸(○)が20.0Wである。
図23からわかるように、チップ1bへの印加電力が上昇するに従って、各測定領域における温度も上昇した。また測定領域別にみれば、チップ1bの中央の測定領域(#5)の温度が全体で最も高く、逆にチップ1b端の測定領域(#1,3,7,9)の温度は比較的抑えられていた。またこの傾向は印加電力が大きくなるにつれて顕著になる。これらは、チップ1bの中央では熱が籠り易く、端側は熱が逃げ易いことを示している。この結果から、第2の具体例(評価システム93)では、金属配線膜102(H2)の発熱による温度の変化を、金属配線膜101(H1)の各測定領域ごとに正確に測定可能であることがわかった。このように第2の具体例(評価システム93)では、実パッケージ(チップ1の実装時)の発熱構造を再現(模擬)可能であると共に、その発熱挙動(放熱特性)の正確な温度プロファイルを各測定領域ごとに得ることができる。
[第3の具体例]
次に第3の具体例として、放熱シート(伝熱放熱材料51)の有無による温度測定評価を示す。第3の具体例では、評価システムとして図12の評価システム92を用い、放熱シートに対応する伝熱放熱材料51を使用した場合の構成(92)と、使用していない場合の構成(92の51を無くして空間領域とした構成)とで、チップ1の白金配線層の金属配線膜101(H1)による抵抗測温体の領域R1の全測定領域#1〜9の温度を測定した。なおチップ1として第1のチップ1aを用いた。
図24に、第3の具体例の結果を示す。チップ1aへの印加電力を同一(15W)とした際における、放熱シート(伝熱放熱材料51)の有無に応じた各測定領域#1〜9の温度測定値を示す。四角(□)は放熱シート(51)有りの場合、丸(○)は放熱シート(51)無しの場合である。
図24からもわかるように、放熱シート(51)をチップ1aと放熱板71との間に設けた場合(92)の温度(□)は、設けない場合の温度(○)と比較して、全測定領域に渡って低いことがわかった。これは、高熱伝導性の放熱材料(51)を用いることにより、チップ1aで発生した熱が放熱板71へと効率よく伝導したことを示している。また放熱シート(51)により、各測定領域間の温度分布が低減されていることもわかった。これは、チップ1aと放熱板71との密着性が向上したことで、接触抵抗が低減され、チップ1aで発生した熱が面内に効率よく分散して伝導したことを示している。上記のように第3の具体例(評価システム92)では、伝熱放熱材料51等の部材(シート状放熱材料およびグリース状放熱材料)ごとの放熱特性やその効果を評価できる。
[第4の具体例]
次に第4の具体例として、伝熱放熱材料51としてグリース放熱材料を用いた温度サイクル信頼性試験について示す。第4の具体例では、評価システムとして図12の評価システム92を用い、チップ1の下面の伝熱放熱材料51を、前述の放熱シート(第1の種類の伝熱放熱材料51)の代わりに、異なる特性であるグリース放熱材料(放熱グリース)(第2の種類の伝熱放熱材料51)とした構成を用いる。第4の具体例では、上記評価システム92を、以下に示すような温度サイクル試験の前後で、一定の印加電力の下、チップ1の領域R1の全測定領域#1〜9の温度を測定した。これにより、グリース放熱材料(51)の放熱特性の変化を検出し、そこから材料寿命評価を行った。チップ1としては第3のチップ1cを用いた。グリース放熱材料としては、信越シリコーン製,X-23-7783D,熱伝導率:5.5W/m/Kを用いた。
温度サイクル試験では、−40℃で30分間保持した後、1分で+130℃までテストエリア(測定領域)内の温度を上昇させて同温度を30分間保持した後、再び1分で−40℃まで下降させて同温度を30分間保持するサイクルを、1000回繰り返すことで行った。
放熱グリースは、塗布する際に気泡を巻き込むことがあるが、その量や大きさや場所は一定ではなく、その結果として、放熱グリース自体の正しい放熱特性を検出することは必ずしも簡単ではない。また、放熱グリース内に混入した気泡は、温度サイクル試験にも影響を与えることがある。
図25は、第4の具体例の評価結果(その1)として、同一のチップ1cで、同一の放熱グリースから作製した試料Aおよび試料Bについて温度サイクル試験の繰り返し再現性に関する実験結果例の一部を示す。横軸は温度サイクル数、縦軸は各試料における抵抗測温体の温度測定値を示す。丸(○)は試料Aの温度、四角(□)は試料Bの温度である。
放熱グリースは、温度サイクル試験時にチップ1と放熱板71との間からはみ出していく現象がしばしば観察される。この現象は、ポンプアウトと呼ばれており、温度サイクル試験における放熱グリースの熱伝導特性変動の主要原因と言われている。
図25に例示した試料A,Bの温度サイクル試験の結果においても、ポンプアウトによって、まず放熱グリース厚の減少による放熱性改善が起こり、その後更なるポンプアウトによるグリース不足が発生して放熱性が劣化する現象が確認されている。
しかし、試料Aと試料Bの放熱特性変化を詳しく解析すると、同一材料、同一電力印加の条件で計測しているにも関わらず、試料Aと試料Bでは、その示す温度が異なっており、その変化挙動は必ずしも同じではない。その原因を調べるために、試料A,Bと同様の構成で作製した試料X,Y(特に塗布方法を明確に異ならせた条件)において、そのチップ1内の温度測定分布を測定した。
図26は、上記試料X,Yにおけるチップ1内の温度測定分布の測定結果の一部を示す。丸(○)は試料Xの温度、四角(□)は試料Yの温度である。試料Xの測定領域#1〜9の平均温度は65.37℃、試料Yの測定領域#1〜9の平均温度は59.38℃であった。試料Xと試料Yは、初期段階での面内平均温度において6℃の差異が生じており、特に特定のいくつかの測定領域においてその差異が顕著になっている。
また、放熱グリース内の混入気泡を別途観察したところ、図26で特に温度差が顕著な領域の近傍に気泡が含在(混入)していることが確認できた。放熱グリース内に気泡が混入した状態のまま温度サイクル試験に供すると、試験中の放熱グリースのポンプアウトと供に気泡も排出されることになるが、気泡混入した量がランダムであるため、必然的に放熱変動がチップ1ごとに異なる挙動を示すことになる訳である。
上記第4の具体例(評価システム92)を用いて、チップ1内の温度分布を計測しながら温度サイクル試験を実施することによって、上記のようなランダムに混入した気泡の影響を評価することができる。つまり、混入気泡の影響を非破壊に観察することにより、放熱材料(51)と放熱板71との間の密着性の変化を検出できる。
[第5の具体例]
次に第5の具体例として、対流抑制有無による温度測定評価について説明する。第5の具体例では、評価システムとして、図12の評価システム92、及び図15の実施の形態1の評価システム11を用いた。図15のように評価システム92を恒温槽150内に配置した状態、及び恒温槽150外に配置した状態、のそれぞれの構成で、伝熱放熱材料51を使用する場合について、測温・評価を行った。評価システム92に搭載されるチップ1としては第1のチップ1aを用いた。チップ1aへの印加電力を同一(18W)とした。放熱板71(ヒートシンク)及び恒温槽150を同一温度として制御した。
図27に、第5の具体例の評価結果を示す。チップ1aへ電力(18W)を印加し、金属配線膜102(H2)によるヒータの領域R2を加熱し、白金配線層の金属配線膜101(H1)による抵抗測温体の領域R1の全測定領域#1〜9の温度を測定した。四角(□)は対流抑制有りの温度、丸(○)は対流抑制無しの温度を示す。対流抑制有り(□)の平均温度が46.04℃、対流抑制無し(○)の平均温度が29.48℃であった。
図27からわかるように、対流抑制有り(□)の方が対流抑制無し(○)よりも抵抗測温体(白金配線)の温度が平均で約17℃高く、対流が温度に与える影響が大きい。上記のように第5の具体例(評価システム11,92)では、対流抑制の有無による、その発熱挙動(放熱特性)の正確な温度プロファイルを得ることができる。
[第6の具体例]
次に第6の具体例として、基板裏面側からの熱放射(その有無)による温度への影響について示す。第6の具体例では、評価システムとして、図12の評価システム92、及び図15の実施の形態1の評価システム11を用いた。評価システム92を恒温槽150内に配置し、恒温槽150の内壁がAl状態(150a)及び黒体塗料(放射率0.94)を塗布した状態(150b)のそれぞれの構成で、伝熱放熱材料51を使用する場合について、測温・評価を行った。チップ1aへの印加電力を同一とした。放熱板71及び恒温槽150を同一温度とした。
図28は、第6の具体例の評価結果を示す。チップ1aへ電力(18W)を印加して金属配線膜102(H2)によるヒータの領域R2を加熱し、白金配線層の金属配線膜101(H1)による抵抗測温体の領域R1の全測定領域#1〜9の温度を測定した。四角(□)は熱反射有り(Al状態(150a))、丸(○)は熱反射無し(黒体塗布状態(150b))を示す。熱反射有り(□)の平均温度が46.04℃、熱反射無し(○)の平均温度が44.99℃であった。
図28からわかるように、熱反射有り(□)の方が熱反射無し(○)よりも抵抗測温体(白金配線)の温度が平均で約1℃高く、基板裏面(実装基板201側)から熱放射される熱の熱反射による温度に与える影響は小さい。上記のように第6の具体例(評価システム11,92)では、熱反射の有無による、その発熱挙動(放熱特性)の極小な温度変化も正確に計測することができる。
前述の伝熱放熱材料51における放熱特性の評価では、一般的に、熱伝導が、[伝熱]>[対流]>[熱放射]の順番で発生する(その順番で影響が大きい)。このため、第6の具体例のような基板裏面からの熱放射による温度低下分については、一般的には無視して、伝熱放熱材料51の放熱特性の評価が行われている。しかしながら、以下説明する熱放射放熱材料52の放熱特性を評価する際には、伝熱と比較して温度低下量が小さいため、基板裏面からの熱放射による温度の影響を無視することはできない。
<放熱材料Bの放熱特性評価の具体例>
次に図14、及び図29〜図32を用いて、熱放射放熱材料52を含む場合及び含まない場合の各評価システムによる熱放射放熱特性などの測定・評価の具体例を説明する。前述の実施の形態2〜6の評価システム(12〜16)に対応する具体例である。なお以下のような熱放射熱材料51を用いた場合の測定・評価の具体例に対応した処理を図1のコンピュータ30の処理部42などで行ってもよい。
[第7の具体例]
第7の具体例として、評価用半導体チップ1に形成した熱放射放熱材料52の膜と対向面との間の対流抑制について示す。第7の具体例では、熱放射放熱材料52を備える評価システムとして、前記図16の実施の形態2の評価システム12(Al製の放熱板71を備える構成)、図17の実施の形態3の評価システム13(アルマイト製の低熱反射板73を備える構成)、及び図14の評価システム94(断熱材77を備える構成)を用いる。チップ1(熱放射放熱材料52を形成する側の第2面M2)の対向面の部材(71,73,77)を変えて、測温・評価を行った。
図29は、第7の具体例の評価結果を示す。各構成(94,12,13)の対向面の材料(77,71,73)に関する温度測定値を示す。横軸は熱放射放熱材料52の膜と対向面(各構成)との距離[mm]である(前述のk1等に対応する)。縦軸は各構成での測定温度値(抵抗測温体(H1)の領域R1の平均温度[℃])である。三角(△)は、評価システム94の構成で対向面を断熱材77とした場合である。四角(□)は、評価システム12の構成で、対向面をAl製の放熱板71(放射率0.06)とした場合である(放熱板71の温度は25℃に制御した)。丸(○)は、評価システム13の構成で、対向面をアルマイト製の低熱反射板73(放射率0.88)とした場合である(低熱反射板73の温度は25℃に制御した)。上記各構成でチップ1への印加電力を同一(0.9W)とした。12,13の構成では、同一温度でチップ1と対向面との距離(k2,k3)を制御して測温した。チップ1としては第1のチップ1aを用いた。
図29からわかるように、Alの放熱板71(□)と断熱材77(△)とでは、制御距離が大きくなるに従って、温度が上昇している。空気は、動かなければ断熱材として働く特徴を持っており、これは、断熱層が厚くなるのみで、本制御距離の範囲内では、対流が発生していないことを示唆している。Alの放熱板71(□)と断熱材77(△)とでは、断熱材77の方が、強制冷却されないために温度が高いことが確認できる。
またAlの放熱板71(□)とアルマイトの低熱反射板73(○)とでは、制御距離の小さい場合、例えば0.3500mmでは、熱反射の有るAlの放熱板71(□)の方が、低熱反射板73よりも温度が低い。これは、25℃に温度制御されたAlの放熱板71からの影響を受けたことを示唆している。また制御距離が例えば0.535mm及び0.735mmでは、低熱反射板73(○)よりも放熱板71(□)の方が温度が高くなっている。これは、この制御距離であれば、温度管理された放熱板71からの影響を受けないことを示唆している。
上記第7の具体例(評価システム12,13等)では、チップ1と対向面との距離を対流の抑制ができる距離(例えば0.5〜0.7mm)に制御し、且つ対向面からの熱反射及び温度影響を受けず、熱放射放熱材料52の放熱特性の評価が可能であることが分かった。
[第8の具体例]
次に第8の具体例として、恒温槽150(対流抑制)の有無による熱放射放熱特性の評価について示す。第8の具体例では、評価システムとして、前記図18の実施の形態4の評価システム14を用いる。評価システム14の恒温槽150の内壁を前述の熱反射有りのAl状態(放射率0.06)(150a)及び熱反射無しの黒体塗布状態(放射率0.92)(150b)のそれぞれの状態として、チップ1への印加電力を変えて、測温・評価を行った。放熱板71及び恒温槽150を同一温度とした。チップ1としては第1のチップ1aを用いた。
図30は、第8の具体例の評価結果を示す。横軸はチップ1aへの印加電力[W]である。縦軸は、対流抑制有無に応じた測定温度値(抵抗測温体の平均温度)である。丸(○)は恒温槽150による対流抑制無しの場合、四角(□)は恒温槽150による対流抑制有りの場合である。チップ1aへの印加電力を、0.5W,0.7W,1.0W,1.3Wとして、金属配線膜102(H2)の領域R2を加熱し、白金配線層の金属配線膜101(H1)による抵抗測温体の領域R1の全測定領域#1〜9の温度を測定し、その平均温度を求めた。
図30から分かるように、対流抑制有り(□)の方が対流抑制無し(○)よりも白金配線層の平均温度が高く、印加電力の小さい0.5Wでも10℃の差が生じており、熱放射放熱材料52の放熱特性評価における対流の影響が大きい。
[第9の具体例]
次に第9の具体例として、基板裏面側の対流及び熱反射抑制について示す。第9の具体例では、評価システムとして、前記図19の実施の形態5の評価システム15を用いる。前述の評価システム15のように、恒温槽150内の評価システム14の基板(200)の裏面側(距離k3,空間領域1003)に、2002の部材(放熱板74、断熱材75、低熱反射板76)を配置した状態で、熱放射放熱材料52を使用する場合について、チップ1への印加電力を変えて、測温・評価を行った。断熱材75は対流抑制部材、低熱反射板76は低熱反射材料(放射率0.90)である。放熱板71及び恒温槽150を同一温度とした。チップ1としては第1のチップ1aを用いた。チップ1aへの印加電力を、0.9W,1.2W,1.5W,2.0Wとして、金属配線膜102(H2)を加熱し、白金配線層の金属配線膜101(H1)による抵抗測温体の領域R1の全測定領域#1〜9の温度を測定し、その平均温度を求めた。
図31に、第9の具体例の評価結果を示す。横軸は印加電力[W]を示す。縦軸は、基板裏面側の対流及び熱反射抑制の有無に応じた温度測定値(抵抗測温体の平均温度)である。四角(□)は基板裏面側の対流及び熱反射の抑制有り、丸(○)は抑制無しである。
図31から分かるように、抑制有り(□)の方が抑制無し(○)よりも白金配線の平均温度が高く、印加電力が例えば2.0Wで約5℃の差が生じており、熱放射放熱材料52の放熱特性の評価における基板裏面側の対流及び熱反射の影響が大きい。
[第10の具体例]
次に第10の具体例として、異なる放射率の熱放射放熱材料52の評価について示す。第10の具体例では、評価システムとして、前記図19の実施の形態5の評価システム15を用いる。熱放射放熱材料52を用いずチップ1のみの場合と、異なる放射率を持つ熱放射放熱材料52として、材料a(放射率0.92)または材料b(放射率0.94)を用いた場合とにおいて、測温・評価を行った。各熱放射放熱材料52(a,b)の放射率は、熱放射率計(放射率を計測する機能を持つ装置)で計測した。第10の具体例では、チップ1への印加電力を、0.9W,1.2W,1.5W,2.0Wとして、金属配線膜102(H2)を加熱し、白金配線層の金属配線膜101(H1)による抵抗測温体の領域R1の全測定領域#1〜9の温度を測定し、その平均温度を求めた。なおチップ1としては第3のチップ1cを用いた。
図32に、第10の具体例の評価結果を示す。横軸は印加電力[W]を示す。縦軸は、三角(△)はチップ1のみの場合、四角(□)は材料a有りの場合、丸(○)は材料b有りの場合に応じた、温度測定値である。
図32から分かるように、チップ1のみの場合(△)よりも、材料aまたはbを塗布した場合(□,○)の方がチップ1の平均温度が低くなっており、これは熱放射放熱材料52(a,b)の働きによる。また材料aとbを比較すると、熱放射率が0.02大きい材料bの方が、チップ1の平均温度が低くなっている。このように第10の具体例(評価システム15)では、熱放射率に対応する温度変化を高精度に評価することができる。
[効果等]
以上説明したように、各実施の形態によれば、半導体装置(チップ1)及び放熱材料(A/B)を含む対象装置(評価システム)における熱抵抗(温度)を容易に測定することができ、対象物の放熱特性などを正確(高精度)に評価することができる。
以上、本発明者によってなされた発明を実施の形態に基づき具体的に説明したが、本発明は前記実施の形態に限定されるものではなく、その要旨を逸脱しない範囲で種々変更可能であることは言うまでもない。各実施の形態で示した要素の組合せを変えた形態が可能である。
1〜4…評価用半導体チップ、11〜16,91〜94…評価システム、21…電流計・電圧計、22…電源、30…コンピュータ(評価処理システム)、31…熱抵抗・温度測定処理部、32…加熱処理部、40…演算部、41…伝熱放熱材料(放熱材料A)−放熱特性評価処理部、42…熱放射放熱材料(放熱材料B)−放熱特性評価処理部、51…伝熱放熱材料、52…熱放射放熱材料、60…GUI部、71…放熱板、72…温度制御機器、73…低熱反射板、74…放熱板、75…断熱材、76…低熱反射板、77…断熱材、80…熱電対、100…シリコン基板(半導体基板)、101…金属配線膜(第1の配線(H1))、102…金属配線膜(第2の配線(H2))、103(103a,103b)…電極、103a…第1の電極(D1)、103b…第2の電極(D2)、150…恒温槽、151…温度制御機器、200…配線基板、201…実装基板、300…システム。

Claims (12)

  1. 半導体装置の評価システムであって、
    評価用半導体チップと、当該評価用半導体チップに対して形成される放熱材料と、当該評価用半導体チップが実装される実装基板と、当該評価用半導体チップを放熱するための放熱板と、を有し、
    前記評価用半導体チップは、前記実装基板と前記放熱板との間で距離を置いて固定され、
    前記評価用半導体チップは、半導体基板と、当該半導体基板の第1の面に、1つ以上の領域から成る抵抗測温体を構成する1つ以上の第1の配線と、1つ以上の領域から成るヒータを構成する1つ以上の第2の配線と、前記第1の配線に電気的に接続された第1の電極と、前記第2の配線に電気的に接続された第2の電極と、が形成された構成であり、
    前記放熱材料は、前記半導体基板の第2の面と前記放熱板の面との間で接触して固定される伝熱放熱材料であり、
    前記評価用半導体チップ、放熱材料、実装基板、及び放熱板を含む装置が、恒温槽の内部に設置され、
    前記第2の電極に電源が接続され、当該電源からの電力により前記第2の配線によるヒータの領域ごとに加熱が行われ、前記第1の電極に電流計及び電圧計が接続され、当該電流計及び電圧計により前記第1の配線による抵抗測温体の領域ごとに測温が行われ、前記加熱及び測温に基づき、前記恒温槽による対流抑制状態で、前記評価用半導体チップの領域の温度の測定、及び前記伝熱放熱材料の伝熱放熱特性の評価が行われること、を特徴とする、半導体装置の評価システム。
  2. 半導体チップの評価システムであって、
    評価用半導体チップと、当該評価用半導体チップに対して形成される放熱材料と、当該評価用半導体チップが実装される実装基板と、当該評価用半導体チップを放熱するための放熱板と、を有し、
    前記評価用半導体チップは、前記実装基板と前記放熱板との間で距離を置いて固定され、
    前記評価用半導体チップは、半導体基板と、当該半導体基板の第1の面に、1つ以上の領域から成る抵抗測温体を構成する1つ以上の第1の配線と、1つ以上の領域から成るヒータを構成する1つ以上の第2の配線と、前記第1の配線に電気的に接続された第1の電極と、前記第2の配線に電気的に接続された第2の電極と、が形成された構成であり、
    前記放熱材料は、前記半導体基板の第2の面に形成される熱放射放熱材料であり、当該熱放射放熱材料の面と前記放熱板の面との間が非接触で距離を制御して配置され、
    前記第2の電極に電源が接続され、当該電源からの電力により前記第2の配線によるヒータの領域ごとに加熱が行われ、前記第1の電極に電流計及び電圧計が接続され、当該電流計及び電圧計により前記第1の配線による抵抗測温体の領域ごとに測温が行われ、前記加熱及び測温に基づき、前記評価用半導体チップの領域の温度の測定、及び前記熱放射放熱材料の熱放射放熱特性の評価が行われること、を特徴とする、半導体装置の評価システム。
  3. 請求項2記載の半導体装置の評価システムにおいて、
    前記放熱板上に配置される低熱反射板を有し、
    前記熱放射放熱材料の面と前記低熱反射板の面との間が非接触で距離を制御して配置されること、を特徴とする、半導体装置の評価システム。
  4. 請求項3記載の半導体装置の評価システムにおいて、
    前記評価用半導体チップ、放熱材料、実装基板、放熱板、及び低熱反射板を含む装置が、恒温槽の内部に設置され、
    前記加熱及び測温に基づき、前記恒温槽による対流抑制状態で、前記評価用半導体チップの領域の温度の測定、及び前記熱放射放熱材料の熱放射放熱特性の評価が行われること、を特徴とする、半導体装置の評価システム。
  5. 請求項4記載の半導体装置の評価システムにおいて、
    前記実装基板における前記評価用半導体チップを実装する面とは反対側の面に距離を置いて配置される第2の放熱板として、低熱反射板と断熱材とが付いた第2の放熱板を有すること、を特徴とする、半導体装置の評価システム。
  6. 請求項5記載の半導体装置の評価システムにおいて、
    前記実装基板における前記評価用半導体チップを実装する面とは反対側の面に熱電対が配置され、
    前記熱電対を用いて温度の測定が行われ、前記評価用半導体チップの領域の温度の測定結果との比較に基づき評価が行われること、を特徴とする、半導体装置の評価システム。
  7. 評価用半導体チップを含む評価システムを用いた、半導体装置の評価方法であって、
    前記評価システムは、評価用半導体チップと、当該評価用半導体チップに対して形成される放熱材料と、当該評価用半導体チップが実装される実装基板と、当該評価用半導体チップを放熱するための放熱板と、を有し、
    前記評価用半導体チップは、前記実装基板と前記放熱板との間で距離を置いて固定され、
    前記評価用半導体チップは、半導体基板と、当該半導体基板の第1の面に、1つ以上の領域から成る抵抗測温体を構成する1つ以上の第1の配線と、1つ以上の領域から成るヒータを構成する1つ以上の第2の配線と、前記第1の配線に電気的に接続された第1の電極と、前記第2の配線に電気的に接続された第2の電極とが形成された構成であり、
    前記放熱材料は、前記半導体基板の第2の面と前記放熱板の面との間で接触して固定される伝熱放熱材料であり、
    前記評価システムが、恒温槽の内部に設置された状態と、外部に設置された状態との各状態において、
    前記第2の電極に接続された電源からの電力により前記第2の配線によるヒータの領域ごとに加熱が行われる第1のステップと、前記第1の電極に接続された電流計及び電圧計により前記第1の配線による抵抗測温体の領域ごとに測温が行われる第2のステップと、前記加熱及び測温に基づき、前記恒温槽による対流抑制状態の有無に応じた、前記評価用半導体チップの領域の温度の測定、及び前記伝熱放熱材料の伝熱放熱特性の評価が行われる第3のステップとを有すること、を特徴とする、半導体装置の評価方法。
  8. 請求項7記載の半導体装置の評価方法において、
    前記恒温槽の内壁におけるAl状態と黒体塗布状態との各状態において、前記第1〜第3のステップを行い、熱反射の有無に応じた評価を行うこと、を特徴とする、半導体装置の評価方法。
  9. 評価用半導体チップを含む評価システムを用いた、半導体装置の評価方法であって、
    前記評価システムは、評価用半導体チップと、当該評価用半導体チップに対して形成される放熱材料と、当該評価用半導体チップが実装される実装基板と、当該評価用半導体チップを放熱するための放熱板と、を有し、
    前記評価用半導体チップは、前記実装基板と前記放熱板との間で距離を置いて固定され、
    前記評価用半導体チップは、半導体基板と、当該半導体基板の第1の面に、1つ以上の領域から成る抵抗測温体を構成する1つ以上の第1の配線と、1つ以上の領域から成るヒータを構成する1つ以上の第2の配線と、前記第1の配線に電気的に接続された第1の電極と、前記第2の配線に電気的に接続された第2の電極とが形成された構成であり、
    前記放熱材料は、前記半導体基板の第2の面に形成される熱放射放熱材料であり、当該熱放射放熱材料の面と前記放熱板の面との間が非接触で距離を制御して配置され、
    前記熱放射放熱材料の対向面を、Al製の前記放熱板とした第1の構成と、アルマイト製の低熱反射板とした第2の構成と、断熱材とした第3の構成との各状態において、
    前記第2の電極に接続された電源からの電力により前記第2の配線によるヒータの領域ごとに加熱が行われる第1のステップと、前記第1の電極に接続された電流計及び電圧計により前記第1の配線による抵抗測温体の領域ごとに測温が行われる第2のステップと、前記加熱及び測温に基づき、前記評価用半導体チップの領域の温度の測定、及び前記熱放射放熱材料の熱放射放熱特性の評価が行われる第3のステップとを有し、熱反射の有無に応じた評価を行うこと、を特徴とする、半導体装置の評価方法。
  10. 請求項9記載の半導体装置の評価方法において、
    前記評価システムが、恒温槽の内部に設置された状態と、外部に設置された状態との各状態において、前記第1〜第3のステップを行い、前記恒温槽による対流抑制状態の有無に応じた評価を行うこと、を特徴とする、半導体装置の評価方法。
  11. 請求項10記載の半導体装置の評価方法において、
    前記評価システムは、前記実装基板における前記評価用半導体チップを実装する面とは反対側の面に距離を置いて配置される第2の放熱板として、低熱反射板と断熱材とが付いた第2の放熱板を有し、
    前記第2の放熱板を有する状態において、前記第1〜第3のステップを行い、前記実装基板からの熱放射による影響を抑制した状態で評価を行うこと、を特徴とする、半導体装置の評価方法。
  12. 請求項11記載の半導体装置の評価方法において、
    前記半導体基板の第2の面に、前記放熱材料が形成されていない状態と、第1の放射率の第1の熱放射放熱材料が形成された状態と、第2の放射率の第2の熱放射放熱材料が形成された状態との各状態において、前記第1〜第3のステップを行い、熱放射率に応じた評価を行うこと、を特徴とする、半導体装置の評価方法。
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