JP2014036916A - 流体混合器 - Google Patents

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Abstract

【課題】異なる流体を適切に混合することができる流体混合器を提供すること。
【解決手段】少なくとも一部が円錐台形状である内部空間を有する混合器本体3と、混合器本体3との間に旋回流空間Sを形成するように、円錐台形状に対応して内部空間内に配置される、少なくとも一部が円錐台形状の整流体11とを備え、旋回流空間Sの大径部側端部Saには、旋回流空間Sの接線方向に外部から第1流体を導入するための少なくとも1つの第1流体導入路5が形成され、整流体11の内部には、外部から旋回流空間S内に第2流体を導入するための第2流体導入路7が形成され、旋回流空間Sの小径部側端部Sbには、混合された流体を外部へ排出するための流体排出口9が形成されていること。
【選択図】図1

Description

本発明は、流体混合器に係り、特に、異なる物質同士を適切に混合することができる流体混合器に関するものである。ここで、混合の対象となる物資としては、気体、液体、固体のすべてが含まれる。また、「混合」という時には、狭義の「混合」の他に「分散」、「乳化」、「溶解」などの概念も含む趣旨である。
従来から、異なる流体同士を混合するための流体混合器として、いくつかのタイプのものが提案されている。そのうちの1つとしては、例えば水の浄化などを目的として、水に空気を混合して水中に微細な気泡を発生させる気泡発生装置がある(特許文献1参照)。具体的には、図8(A)に示すような、有底円筒形のスペースを有する容器本体と、この容器本体の内壁円周面の一部にその接線方向に開設された加圧液体導入口と、容器本体の底部に開設された気体導入孔と、容器本体の先部に開設された旋回気液混合体導出口とから構成された旋回式微細気泡発生装置である。
また、微小な気泡を発生させる他の装置も開示されている(特許文献2参照)。このマイクロバブル発生装置は、図8(B)に示すような、円筒状の旋回流発生筒の底部近傍に加圧液体を中心軸線に対して偏倚して導入する加圧液体導入孔と、底部を貫通して中心軸線と同軸に設けられた乱流防止筒を備えた気柱生成空間と、旋回流発生筒の頂部中心軸を貫通して設けられた気体導入量を調整する調整弁を設けた気体導入管と、その下端に接続され、吐出される加圧液体を導入する加圧気液導入孔と、吐出側において導入孔面積よりも断面積を大きくしたキャビテーションノズルを備えたものである。
国際公開第WO00/69550号パンフレット(第1図) 特開2003−126665号公報
しかしながら、上記各従来例には以下のような解決すべき課題があった。すなわち、特許文献1の装置で微細な気泡を発生させるためには、水流の剪断によって空気を微細に断ち切る必要があるため、水の旋回速度が高い方が望ましい。しかし、容器本体内の空間が単純な円筒形状であるため、容器本体の底部と先部とで水の旋回速度は基本的に同じである。従って、水の旋回速度を高めるためには、注入する水の圧力を高めて大量の水を注入しなければならない。このことは、大容量の加圧ポンプが必要となることを意味する。
また、特許文献2に係る発明では、旋回流発生筒の底部に加圧液体が導入される。この旋回流発生筒の底部(下流側に相当)に導入された液体は、一担乱流防止筒の回りを旋回しながら旋回流発生筒の頂部側(上流側に相当)に流れる。そして、旋回流発生筒の頂部でUターンして、気柱生成空間および加圧気液導入孔側に流れて、その過程で微小な気泡を生成するようになっている。すなわち、当該発明では、液体が旋回流生成筒内でUターンする構造であるために、液体の旋回エネルギが減衰してしまうことが考えられる。
本願発明は、上記課題に鑑みてなされたものであり、第1の発明では、(1)少なくとも一部が円錐台形状である内部空間を有する混合器本体と、(2)混合器本体との間に旋回流空間を形成するように、円錐台形状に対応して内部空間内に配置される、少なくとも一部が円錐台形状の整流体とを備え、(3)旋回流空間の大径部側端部には、旋回流空間の接線方向に外部から第1流体を導入するための少なくとも1つの第1流体導入路が形成され、(4)整流体の内部には、外部から旋回流空間内に第2流体を導入するための第2流体導入路が形成され、(5)旋回流空間の小径部側端部には、混合された流体を外部へ排出するための流体排出口が形成されている、(6)ことを特徴とする流体混合器、という構成を採っている。
かかる流体混合器は、混合器本体の内部空間と、これに対応する整流体が共に円錐台形状を少なくとも一部に含んでいる。このため、旋回流が形成される旋回流空間の直径が、流体の排出側に向かって除々に小さくなる。従って、第1流体導入路から導入される第1流体の周方向の流速が、流体排出側に向かうに従って増大する。例えば、大径部側端部の直径が小径部側端部の直径の2倍であれば、小径部側端部の円周長は大径部側端部の1/2となる。したがって、流体が定常状態で流れている場合には、小径部側端部における流体の周方向の流速は、大径部側端部における周方向の流速の約2倍となる。このことは、小径部側端部の近傍において、第1流体と第2流体とが混合される際に、第1流体の速い周方向の流速によって、第2流体が第1流体に対して適切に混合されることを意味する。
また、第1流体導入路から導入される第1流体は、旋回流空間を旋回しながら小径部側に移動する。このとき、第1流体には旋回による遠心力が働くため、流体は半径方向外方に移動しようとする。この遠心力は、周方向の流速が高い程大きいが、本発明では小径部側端部の近傍における流速が、大径部側端部における流速よりも高められている。このため、旋回流の中心軸近傍において負圧状態が生じる。この負圧状態によって、第2流体導入路を通して外部から第2流体が取り込まれて旋回流空間に注入される。このため、第2流体を導入するための複雑な機構等を省略することができる。もちろん、第2流体を加圧した状態で旋回流空間に導入するようにしてもよい。
また、第2の発明では、混合器本体の大径部側の端部は大径部側壁部で構成されており、この大径部側壁部と整流体とが一体的に形成されている、という構成を採っている。
また、第3の発明では、混合器本体の小径部側の端部は小径部側壁部で構成されており、この小径部側壁部に流体排出口が形成されている、という構成を採っている。
また、第4の発明では、第2流体導入路は、外部から第2流体を取り込むための第2流体取込口と、旋回流空間に第2流体を注入するための第2流体注入口とを備え、この第2流体注入口は流体排出口の近傍に位置している、という構成を採っている。
また、第5の発明では、流体排出口の少なくとも一部は、流体の排出方向に向かって断面積が拡張している、という構成を採っている。
また、第6の発明では、整流体が一体形成された大径部側壁部は、混合器本体から分離可能である、という構成を採っている。
また、第7の発明では、流体排出口が形成された小径部側壁部は、混合器本体から分離可能である、という構成を採っている。
また、第8の発明では、大径部壁部および小径部側壁部の少なくとも何れか一方は、流体特性の異なる少なくとも2種類の整流体若しくは流体排出口を具備するものと交換可能である、という構成を採っている。
また、第9の発明では、第1流体導入路は、4つ設けられている、という構成を採っている。
更に、第10の発明では、第2流体導入路の第2流体取込口は閉鎖可能である、という構成を採っている。
本発明の第1の実施形態に係る流体混合器の図であり、図1(A)は平面図を示し、図1(B)は正面図を示し、図1(C)は側面図を示す。 図1に開示した流体混合器の内部構造を説明する図であり、図2(A)は図1(B)に対応する図であり、図2(B)は図2(A)のB−B線における断面図であり、図2(C)は図2(A)のC−C線における断面図である。 図1に開示した流体混合器の内部構造を説明する図であり、図3(A)は図1(B)に対応する図であり、図3(B)は図3(A)のB−B線における断面図であり、図3(C)は図3(A)のC−C線における断面図である。 図1に開示した流体混合器の内部構造を説明する図であり、図4(A)は図1(B)に対応する図であり、図4(B)は図4(A)のB−B線における断面図である。 図1に開示した流体混合器の分解斜視図である。 図1に開示した流体混合器の変形例を示す図であり、図6(A)は旋回流空間の直径が中心軸線Cに沿って曲線状に変化する場合を示し、図6(B)は第1流体導入路が接線方向に対して僅かに傾いている場合を示し、図6(C)は第1流体導入路が小径部側端部に向かって僅かに傾いている場合を示す。 本発明の第2の実施形態に係る流体混合器を示す図であり、図7(A)は正面図を示し、図7(B)は図7(A)のB−B線における断面図を示し、図7(C)は平面図を示す。 従来の発明を示す図であり、図8(A)は特許文献1の気泡発生装置を示し、図8(B)は特許文献2のマイクロバブル発生装置を示す。
[第1の実施形態]
次に、添付図面に基づいて、本願発明の第1の実施形態について説明する。以後の説明では、後述する内部空間における円錐台形状の直径の大きな側を大径部側と称し、直径の小さな側を小径部側と称する(それぞれ、図1(A)における上方側と下方側が対応する)。また、内部空間および整流体の中心軸を中心軸線Cと称し、大径部側から小径部側に向かう方向(或いは、その逆方向)を中心軸線方向と称する。
[全体概要]
図1から図4に示すように、本実施形態に係る流体混合器1は、(1)少なくとも一部が円錐台形状である内部空間を有する混合器本体3と、(2)混合器本体3との間に旋回流空間Sを形成するように、円錐台形状に対応して内部空間内に配置される、少なくとも一部が円錐台形状の整流体11とを備え、(3)旋回流空間Sの大径部側端部Saには、旋回流空間Sの接線方向に外部から第1流体を導入するための第1流体導入路5が形成され、(4)整流体11の内部には、外部から旋回流空間S内に第2流体を導入するための第2流体導入路7が形成され、(5)旋回流空間Sの小径部側端部Sbには、混合された流体を外部へ排出するための流体排出口9が形成されている。
ここで、本実施形態で扱う「流体」には、気体や液体等の一般的な意味での流体の他に、流動性を有する粉体なども含む趣旨である。そして、流体混合器1は、導入する流体を変更することで、液体−液体混合、液体−気体混合、気体−気体混合、液体−固体混合、気体−固体混合、固体−固体混合などの組み合わせが可能である。但し、固体−固体混合の場合には、実際には粉体などの固体物質を混合する場合が多いが、液体や気体と比べて流動性が低い。このため、固体−固体混合は、限られた条件下で実施可能である。
図1においては、流体混合器1が1つのブロック状の部材で構成されているように示されているが、これは説明の便宜上のものに過ぎず、実際には複数の部材を組み合わせて構成するようにしてもよい。特に、流体混合器1を、樹脂や塩化ビニル或は金属などの材料で構成する場合は、内部空間及び旋回流空間Sを形成するために、2つ以上の部材で構成する必要が生じる場合があることは当然である。図2は、図1(B)に対応する図2(A)と、この図2(A)における各部の断面図を示しており、図2(B)は図2(A)のB−B線における断面図であり、図2(C)は図2(A)のC−C線における断面図である。
また、図3は、図1(A)に対応する図3(A)と、この図3(A)における各部の断面図を示しており、図3(B)は図3(A)のB−B線における断面図であり、図3(C)は図3(A)のC−C線における断面図である。同様に、図4は、図1(B)に対応する図4(A)を示し、図4(B)は図4(A)のB−B線における断面図である。更に、図5は、本実施形態に係る流体混合器1を示す斜視図であり、流体混合器3の主要部を分解する場合の一例を表したものである。
次に、流体混合器の各構成要素について個別に説明する。
[混合器本体]
本実施形態に係る混合器本体3は、ブロック状の部材から構成されている。但し、混合器本体3の基本形状はブロック形状に限定されるものではなく、たとえば円柱状(あるいは円筒状)のものであってもよい。混合器本体3に使用している材料は塩化ビニルである。但し、材料は塩化ビニルの他、樹脂や、アルミ、ステンレスなどの金属であってもよい。混合器本体3の製造方法もさまざまなものが考えられ、たとえばブロック状の部材に対する切削加工や、樹脂を用いた射出成型等がある。
[内部空間]
上述したように、内部空間は大径部側端部Saから小径部側端部Sbに向かって、略円錐台形状となっている。ただし、本実施形態においては、内部空間の大径部側端部Saは、一部が略円柱状となっている。すなわち、内部空間を形成する内壁は中心軸線Cに対して傾斜していない。この円柱状部には、後述する第1流体導入路5が連通している。本実施形態の内部空間を形成する内壁4は、中心軸線Cに対して傾斜面となっているが、本発明はこれに限定されるものではない。たとえば、大径部側端部Saから小径部側端部Sbに向かって、内壁4の直径が階段状に徐々に減少してゆくような構成であってもよい。また、円柱状部を形成せずに、内部空間のすべての部分を円錐台形状にしてもよい。
また、本実施形態では、図1(A)、(C)に示されるように、内部空間の円錐台形状の各部における直径は、大径部側端部Saから小径部側端部Sbに向かって直線状に減少しているが、本発明はこれに限定されるものではなく、図6(A)に示すように、各部における直径が曲線状に減少してゆくような形状の内部空間であってもよい。この場合、後述する整流体11は、円錐台形状のままでもよいし、内部空間を形成する内壁に合わせて、直径が曲線状に変化するような形状のものを用いてもよい。また、内部空間の中心軸線C方向の両端部はそれぞれ壁部で閉じられており、これらが大径部側壁部3aと小径部側壁部3bとなる。なお、大径部側壁部3aと小径部側壁部3bには、それぞれ第2流体取込口7aと流体排出口9が形成されているが、それらについては後述する。
[第1流体導入路]
次に、第1流体導入路5について説明する。第1流体導入路5は、流体混合器1の外部から旋回流空間Sに第1流体を導入するための流路である。第1流体導入路5は、旋回流空間Sの大径部側端部Saと外部とを連通するように形成されている。そして、第1流体導入路5は、旋回流空間Sの大径部側端部Saの接線方向に向かって形成されている。このため、第1流体導入路5から第1流体が導入されると、旋回流空間Sを形成する内壁4に沿って旋回流が形成されるようになっている。なお、第1流体導入路5は、少なくとも旋回流空間Sに連通する部分が接線方向に向いていればよいので、他の部分が接線方向を向いていることは本発明に必須の条件ではない。
第1流体導入路5の外側の端部には、雌ネジが形成されている。これは、第1流体を供給するための供給管(図示略)の端部をネジ接続するためのものである。このため、供給管の端部には、上記雌ネジに対応する雄ネジを形成しておく必要がある。ただし、ネジ構造を用いた接続構造は一例であって、その他の接続構造を用いることも可能である。たとえば、第1流体導入路5の外側の端部に接続パイプ(図示略)を取り付け、この接続パイプにゴム製などの柔軟性のある供給管を接続するような構造であってもよい。
なお、本実施形態において「接線方向」とは、厳密な意味での接線方向に限定する趣旨ではない。すなわち、第1流体導入路5の方向が内部空間に対して、僅かでも接線方向成分を有するものであれば、本願発明は成立するという意味である。したがって、図6(B)に示すように、第1流体導入路5の中心線が、内部空間の接線方向に対して傾斜していてもよい。また、図6(C)に示すように、第1流体導入路5の中心線が、僅かに小径部側端部Sbに向かって傾斜しているような構成も可能である。
[整流体]
次に、整流体11について説明する。本実施形態の整流体11は、大径部側壁部3aから突出して、小径部側端部Sbに向かって中心軸線C方向に沿って設けられている。整流体11は、大径部側端部Saが円筒形状であり、小径部側が円錐台形状となっている。整流体11のこれらの円筒形状および円錐台形状は、混合器本体3の内部空間を形成する内壁4の形状に対応する形状である。具体的には、内壁4と整流体11の外壁12との相互間距離が、大径部側端部Saから小径部側端部Sbに向かって常に略一定となるように、整流体11の形状が定められている。
[第2流体導入路]
整流体11の内部には、その中心軸線Cに沿って第2流体導入路7が形成されている。この第2流体導入路7は、混合器本体3の外部から第2流体を導入するためのものである。具体的には、混合器本体3の大径部側壁部3aから整流体11の小径部側の末端まで貫通した流路となっている。そして、整流体11の小径部側の末端は、混合器本体3の小径部側壁部3bまでは到達していない。このため、第2流体導入路7の小径部側の末端は、小径部側壁部3bの近傍の旋回流空間Sに開口している。
なお、以下の説明の便宜上、第2流体導入路7の大径部側の末端を「第2流体取込口7a」と称する。これは、第2流体取込口7aが、第2流体を外部から取り込むための口として作用するからである。一方、第2流体導入路7の小径部側の末端を「第2流体注入口7b」と称する。これは、第2流体注入口7bが、第2流体を旋回流空間S内に注入する口として作用するからである。
第2流体取込口7aには、雌ネジが形成されている。これは、第1流体導入路5の場合と同様に、第2流体を供給するための供給管(図示略)をネジ接続するためのものである。ただし、本実施形態の流体混合器1では、雌ネジは必須の構成要素ではない。なぜなら、第2流体が空気である場合には、後述するように、第1流体の旋回流に起因して第2流体導入路7に負圧状態が生じ、この負圧によって空気が吸い込まれるからである。
[旋回流空間]
次に、旋回流空間Sについて説明する。旋回流空間Sは、混合器本体3の内部空間を形成する内壁4と、整流体11の外壁12との間に形成される空間である。すなわち、混合器本体3の内部空間のうち、整流体11によって占められる空間を除いた部分が、旋回流空間Sと定義される。本実施形態では、混合器本体3の内壁4と整流体11の外壁12とは、ほとんどの部分で概ね平行となっている。このため、旋回流空間Sは、略一定幅の環状断面が、中心軸線Cに沿って連続している空間となっている。ただし、図3に示すように、環状断面の直径は大径部側端部Saから小径部側端部Sbに向かって徐々に減少するものである。そして、整流体11の小径部側の末端を超えた領域では、旋回流空間Sは円形断面となって小径部側壁部3bで終端する。
上述のように、本実施形態の旋回流空間Sは、略一定幅の環状断面が連続するものであるが、本発明はこれに限定されるものではない。たとえば、内部空間を形成する内壁4の直径をより大きな角度で減少させ、整流体は変更しないことも考えられる。このような構成を採った場合、大径部側端部Saから小径部側端部Sbに向かう場合の、旋回流空間Sの外径の減少度合いが上述の実施形態よりも大きくなる。換言すると、旋回流空間Sを構成する環状断面の幅は、大径部側端部Saから小径部側端部Sbに向かって徐々に狭いものとなる。
逆に、整流体11の外壁12の傾斜をより大きくすることも考えられる。すなわち、大径部側端部Saから小径部側端部Sbに向かう場合の、混合器本体3における内壁4の直径の減少度合いよりも、整流体11の外壁12における直径の減少度合いを大きくするということである。このような構成を採ると、旋回流空間Sを形成する環状断面の幅は、大径部側端部Saから小径部側端部Sbに向かって僅かずつ広くはなるが、環状断面の直径自体は減少してゆくので、上述したものと同様の混合作用を発揮することは可能である。
[流体排出口]
次に、流体排出口9について説明する。流体排出口9は、小径部側壁部3bに形成された貫通穴である。この流体排出口3bは、流体混合器1内で第1流体と第2流体とが混合された後、この混合された流体を外部に排出するためのものである。本実施形態の流体排出口9は、図2(C)に示すように、大径部側から小径部側に向かって順に、第1平行部9a、拡大部9b、第2平行部9cによって形成されている。ここで、第1平行部9aと拡大部9bとの境界におけるそれぞれの直径は同一であるが、拡大部9bと第2平行部9cの境界におけるそれぞれの直径は異なっている。このため、拡大部9bと第2平行部9cとの境界には段差が形成されている。
ただし、上述の流体排出口9の構成はあくまでも一例であって、本発明はこれに限定されるものではない。たとえば、単純に全体が平行な穴であってもよいし、全体がラッパ状に拡張するような形状であってもよい。逆に、大径部側から小径部側に向かって直径が減少するような先細り形状の流体排出口9であってもよい。
また、図5に示すように、流体混合器1は、混合器本体3と、整流体11および大径部側壁部3aの組合せ体と、小径部側壁部3bとをそれぞれ別個に製造し、これらを組立てるような構造であってもよい。大径部側壁部3aと小径部側壁部3bは、例えば、接着剤やネジ構造によって混合器本体3に取り付けられるようになっている。
[各部の具体的寸法の一例]
図1に開示した流体混合器1の、具体的寸法の一例について説明する。以下の説明では、図1において、図1(B)を正面図、図1(A)を平面図、図1(C)を側面図とする。先ず、図1(B)において、混合器本体3の幅Wは約50mmであり、高さHは約60mmである。また、図1(C)において、混合器本体3の奥行きDは約60mmである。このように、本実施形態の混合器本体3は、約50×60×60mmの立方体形状を有している。
また、混合器本体3の旋回流空間Sの大径部側端部Saの直径は約40mmであり、小径部側端部Sbの直径は約20mmである。また、旋回流空間Sの中心軸線Cに沿った長さは約50mmとなっている。また、整流体11の大径部側の末端の直径は約20mmであり、小径部側の末端の直径は約5mmである。更に、整流体11の旋回流空間Sに露出している部分の長さは、約45mmである。このため、小径部側壁部3bと整流体11の末端との間には約5mm程度の距離がある。なお、以上の寸法はあくまでも一例であって、相似形に拡大或いは縮小しても良いし、各部の寸法を他の寸法と無関係に変更することも可能である。
[作用]
本実施形態の流体混合器1では、加圧された第1流体が、第1流体導入路5を通して旋回流空間Sに導入される。第1流体導入路5は、旋回流空間Sの接線方向に向かって開口しているので、旋回流空間Sを周方向に旋回しながら小径部側端部Sbに向かって流れる。第1流体には旋回による遠心力が働いて半径方向外方に移動しようとするため、第2流体注入口7bの近傍の中心軸線Cで負圧状態が発生する。このため、第2流体注入口7bから第2流体が旋回流空間Sに引き込まれる。これによって、旋回する第1流体内で、第2流体が渦流となりながら、流体排出口9に向かって移動する。このとき、第1流体と第2流体の渦流とは、整流体11の第2流体注入口7bの付近で急激に不安定となり、第2流体が強制的に切断されて、各流体同士が均一に混合される。
この流体混合器1において、旋回流空間Sの直径は、第1流体の導入側である大径部側端部Saから、流体排出側である小径部側端部Sbに向かうに従って減少する。したがって、第1流体の周方向の流速が流体排出側に向かうに従って増大し、第1流体に加わる遠心力も増大する。その結果、第2流体注入口7bからの第2流体の引き込み力が増大する。それと同時に、第1流体の速い流速によって、第1流体と第2流体との混合特性が向上する。
また、本実施形態では、図5に示すように、大径部側壁部3aと小径部側壁部3bとが、混合器本体3から取り外し可能に構成される。このため、流体に接触する第1流体導入路5、旋回流空間Sおよび流体排出口9の洗浄が行いやすい。しかも、大径部側壁部3aと小径部側壁部3bには、それぞれ整流体11と流体排出口9が設けられているが、流体特性の異なる整流体および流体排出口を備える大径部側壁部と小径部側壁部に交換することで、取り扱う流体に応じて、混合特性を積極的に変更することが可能である。
また、流体混合器1には、旋回流空間Sおよび流体排出口9の少なくとも一方に超音波振動を伝播する超音波振動子を備えていてもよい。かかる超音波振動子は、例えば、流体排出口9の周囲に設けられてもよいし、旋回流空間Sの小径部側端部Sbに設けてもよい。超音波振動子としては、圧電型、磁歪型など、種々のタイプを採用可能である。かかる構成とすれば、混合性能を一層向上できる。
[第2の実施形態]
次に、図7に基づいて、第2の実施形態に係る流体混合器101について説明する。この流体混合器101の基本構成は第1の実施形態と同様であるが、第1流体導入路134a〜134dが4つ設けられている点が異なっている。以下では、第1の実施形態と異なる点についてのみ説明し、共通する点については、説明を省略する。
図7(A)に示すように、混合器本体130には、4つの第1流体導入路134a〜134dが形成されており、これらは相互に独立した流路である。但し、第1流体導入路の数は、4つに限らず、2以上の任意の数で設定可能である。この第1流体導入路134a〜134dには、接続パイプ137a〜137dがそれぞれ設けられている。この接続パイプ137a〜137dは、混合器本体130の外部から第1流体を供給する供給管(図示略)を接続するためのものである。第1流体導入路134a〜134dは、図7(A)から分かるように、周方向に沿って等角度間隔で配置されている。
この流体混合器101によれば、第1流体導入路134a〜134dの各々から異なる種類の流体を供給することによって、第2流体導入路153から導入される流体を含めた5種類の流体を均一に混合できる。第1流体導入路134a〜134dから供給される各々の流体は、十分な旋回エネルギによって、旋回流空間S内を旋回する。なお、第1流体導入路134a〜134dのうちの2以上の流路から、同一の種類の流体を供給してもよい。
この第2実施形態において、流体混合器101は、第2流体導入路153における第2流体取込口155を閉鎖する閉鎖機構を備えていてもよい。かかる閉鎖機構は、例えば、第2流体取込口155に押し込むゴム製の蓋部材155bである。こうすれば、第2流体導入路153の流通を閉鎖した状態で、第1流体導入路134a〜134dから2種類以上の流体を供給して、これらの流体を混合できる。
以上、いくつかの実施例に基づいて本発明の実施の形態について説明してきたが、上記した発明の実施の形態は、本発明の理解を容易にするためのものであり、本発明を限定するものではない。本発明は、その趣旨並びに特許請求の範囲を逸脱することなく、変更、改良され得るとともに、本発明にはその等価物が含まれることはもちろんである。また、上述した課題および効果の少なくとも一部を奏する範囲で適宜、組合せ、または、省略が可能である。
本願発明は、流体の混合器に利用することが可能であり、具体的には、水と空気を混合する気泡発生装置や霧発生装置に利用可能である。また、2つの液体同士を混合して乳化させるような流体混合器としても利用可能である。更には、液体に粉体を混合して分散させるような場合にも利用可能である。これらのことから、本発明は、例えば水の浄化、海水の淡水化、化粧品製造、医薬品の製造、複写機のトナー製造、カーボンナノチューブの溶剤への分散などの様々な産業分野で利用可能である。
1 流体混合器
3 混合器本体
3a 大径部側壁部
3b 小径部側壁部
5 第1流体導入路
7 第2流体導入路
7a 第2流体取込口
7b 第2流体注入口
9 流体排出口
11 整流体
C 中心軸線
Sa 大径部側端部
Sb 小径部側端部

Claims (10)

  1. 少なくとも一部が円錐台形状である内部空間を有する混合器本体と、
    前記混合器本体との間に旋回流空間を形成するように、前記円錐台形状に対応して前記内部空間内に配置される、少なくとも一部が円錐台形状の整流体とを備え、
    前記旋回流空間の大径部側端部には、前記旋回流空間の接線方向に外部から第1流体を導入するための少なくとも1つの第1流体導入路が形成され、
    前記整流体の内部には、外部から前記旋回流空間内に第2流体を導入するための第2流体導入路が形成され、
    前記旋回流空間の小径部側端部には、混合された流体を外部へ排出するための流体排出口が形成されていることを特徴とする、流体混合器。
  2. 前記混合器本体の前記大径部側の端部は大径部側壁部で構成されており、この大径部側壁部と前記整流体とが一体的に形成されていることを特徴とする、請求項1に記載の流体混合器。
  3. 前記混合器本体の前記小径部側の端部は小径部側壁部で構成されており、この小径部側壁部に前記流体排出口が形成されていることを特徴とする、請求項1または請求項2に記載の流体混合器。
  4. 前記第2流体導入路は、外部から第2流体を取り込むための第2流体取込口と、前記旋回流空間に第2流体を注入するための第2流体注入口とを備え、この第2流体注入口は前記流体排出口の近傍に位置していることを特徴とする、請求項1〜3の何れか一項に記載の流体混合器。
  5. 前記流体排出口の少なくとも一部は、流体の排出方向に向かって断面積が拡張していることを特徴とする、請求項1〜4の何れか一項に記載の流体混合器。
  6. 前記整流体が一体形成された大径部側壁部は、前記混合器本体から分離可能であることを特徴とする、請求項2に記載の流体混合器。
  7. 前記流体排出口が形成された小径部側壁部は、前記混合器本体から分離可能であることを特徴とする、請求項3に記載の流体混合器。
  8. 前記大径部壁部および小径部側壁部の少なくとも何れか一方は、流体特性の異なる少なくとも2種類の整流体若しくは流体排出口を具備するものと交換可能であることを特徴とする、請求項6又は7に記載の流体混合器。
  9. 前記第1流体導入路は、4つ設けられていることを特徴する、請求項1〜8の何れか一項に記載の流体混合器。
  10. 前記第2流体導入路の第2流体取込口は閉鎖可能であることを特徴とする、請求項4に記載の流体混合器。
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* Cited by examiner, † Cited by third party
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