JP2014035640A - 電子機器、音質改善方法および音質改善部材 - Google Patents

電子機器、音質改善方法および音質改善部材 Download PDF

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Abstract

【課題】スピーカが出力した低音域の音声を良好に再生できる電子機器を提供する。
【解決手段】一つの実施の形態に係る電子機器は、スピーカと、整合部とを備える。前記スピーカは、音声を出力する出力部と、前記出力部を露出させる開口部と、を有する。前記整合部は、前記開口部を塞ぐとともに、前記出力部を部分的に露出させるスリットを有する。
【選択図】 図2

Description

本発明の実施形態は、電子機器、音質改善方法および音質改善部材に関する。
ポータブルコンピュータ、タブレット、スマートフォン、および携帯音楽プレーヤのような電子機器は、小型化および部品の高密度化が求められる傾向にある。これら電子機器には、小口径のスピーカが用いられる。
特開平4−326698号公報
上記電子機器において、スピーカの音質を改善するために種々の方法によってインピーダンスマッチングが行われる。例えば、スピーカの前面を板材で覆い、当該板材に音声が出力される複数の孔が設けられる。しかし、スピーカが出力した低音域の音声を良好に再生するためには、未だ改良の余地がある。
本発明の目的は、スピーカが出力した低音域の音声を良好に再生できる電子機器、音質改善方法および音質改善部材を提供することにある。
一つの実施の形態に係る電子機器は、スピーカと、整合部とを備える。前記スピーカは、音声を出力する出力部と、前記出力部を露出させる開口部と、を有する。前記整合部は、前記開口部を塞ぐとともに、前記出力部を部分的に露出させるスリットを有する。
第1の実施の形態に係るポータブルコンピュータを示す斜視図。 第1の実施形態の整合部を示す斜視図。 第1の実施形態の整合部を示す断面図。 第2の実施の形態に係る整合部を示す斜視図。 第3の実施の形態に係る整合部を示す斜視図。 第4の実施の形態に係るスピーカユニットを示す斜視図。 第4の実施形態の整合部およびスピーカを示す斜視図。 第4の実施形態と従来技術との音声出力の特性を比較するグラフ。 第5の実施の形態に係るタブレットを示す斜視図。 第5の実施形態のタブレットの一部を示す断面図。 第5の実施形態のタブレットの一部を図10のF11−F11線に沿って示す断面図。 第6の実施の形態に係る整合部およびスピーカを分解して示す斜視図。
以下に、第1の実施の形態について、図1から図3を参照して説明する。なお、本明細書において、手前側(即ちユーザ側)を前方、ユーザから見て遠い側を後方、ユーザから見て左側を左方、ユーザから見て右側を右方、ユーザから見て上方を上方、ユーザから見て下方を下方と定義する。さらに、複数の表現が可能な各要素について一つ以上の他の表現の例を付すことがあるが、これは他の表現が付されていない要素について異なる表現がされることを否定するものではないし、例示されていない他の表現がされることを制限するものでもない。
図1は、第1の実施の形態に係るポータブルコンピュータ1を示す斜視図である。ポータブルコンピュータ1は、電子機器の一例である。図1に示すように、ポータブルコンピュータ1は、メインユニット11と、ディスプレイユニット12とを備えている。
メインユニット11は、メイン筐体15を有している。メイン筐体15は、筐体の一例であるとともに、音質改善部材の一例である。メイン筐体15は、例えば樹脂によって形成される。なお、メイン筐体15はこれに限らず、吸音を行わない硬質な他の材料によって形成されても良い。
メイン筐体15の上面15aに、タッチパッド17およびキーボード18が設けられている。図1において、キーボード18の複数のキーが省略されている。メインユニット11は、マザーボード、ハードディスクドライブ(HDD)、光ディスクドライブ(ODD)、およびバッテリのような、種々の部品を有している。
ディスプレイユニット12は、ディスプレイ筐体21と、ディスプレイモジュール22とを有している。ディスプレイモジュール22は、例えば液晶ディスプレイである。なお、ディスプレイモジュール22はこれに限らず、有機ELディスプレイのような他のディスプレイであっても良い。ディスプレイ筐体21は、ディスプレイモジュール22を収容している。
ディスプレイ筐体21は、矩形のディスプレイ開口23を有している。ディスプレイ開口23は、ディスプレイ筐体21の前面に設けられている。ディスプレイモジュール22の画像を表示する面が、ディスプレイ開口23から露出されている。
ディスプレイユニット12の端部は、メインユニット11の後端部に、ヒンジによって回動可能に連結されている。ディスプレイユニット12は、メインユニット11の上に重ねられた閉位置と、図1に示すようなメインユニット11の後端部から起立した開位置と、の間で回動する。
メインユニット11のメイン筐体15に、一対の整合部25が設けられている。整合部25は、例えば壁部、板部、バッフルのような、種々の表現がされ得る。整合部25は、メイン筐体15の一部であり、メイン筐体15の上面15aの一部を形成する。
図2は、整合部25を示す斜視図である。図3は、整合部25を示す断面図である。図2に示すように、それぞれの整合部25は、一つのスリット26を有している。本明細書においてスリットとは、長手寸法と短手寸法とを有する孔、および複数のこのような孔が合体して形成された孔である。スリット26は、例えば開口部、長孔、隙間、細隙、溝、凹部、切欠きのような、種々の表現がされ得る。
スリット26は、平行に延びる一対の側縁26aと、一対の端縁26bとを有している。端縁26bは、一方の側縁26aの端部と他方の側縁26aの端部との間に亘って設けられている。端縁26bは、円弧状に形成されているが、例えば一つ以上の直線状の部分によって形成されても良い。スリット26の一対の側縁26aは、メインユニット11の前後方向に延びている。
一対の側縁26aの間の距離は、例えば0.5〜3[mm]である。一対の端縁26bの間の距離は、例えば10〜30[mm]である。言い換えると、スリット26の長手寸法は10〜30[mm]であり、短手寸法は0.5〜3[mm]である。なお、スリット26の長手寸法および短手寸法はこれに限らない。
図2に示すように、メイン筐体15に、一対のスピーカ30が収容されている。スピーカ30は、部品、音声出力部、音響出力装置のような種々の表現がされても良い。一対のスピーカ30は、一対の整合部25に対応した位置に配置されている。
スピーカ30は、振動板31と、周縁部32とを有している。振動板31は、出力部の一例である。振動板31は、例えば振動部、音声出力部、音声発生部のような種々の表現がされても良い。
振動板31は、略円形に形成されている。振動板31は、スピーカ30に設けられたボイスコイルのような種々の部品によって振動する。振動板31によって空気が振動することで、音声が出力される。
振動板31の直径は、例えば10〜30[mm]である。なお、振動板31の直径はこれに限らず、前記範囲より大きくても小さくても良い。スリット26の長手寸法および面積は、振動板31の直径および面積に応じて決められる。
周縁部32は、振動板31を囲む略円形の枠状に形成されている。周縁部32は、開口部33を有している。振動板31は、開口部33の内部において、振動可能に周縁部32に支持されている。振動板31は、開口部33から露出している。
図3に示すように、開口部33が開口する周縁部32の前端部は、整合部25の内面25bに当接している。なお、整合部25の内面25bは、メイン筐体15の内面の一部を形成する。
周縁部32は、例えばメイン筐体15の内部に設けられた部品または接着剤によって、内面25bに固定されている。周縁部32が内面25aに当接しているため、整合部25は、スピーカ30の開口部33を塞いでいる。振動板31は、振動可能に内面25bから離間している。
図2に示すように、スリット26は、振動板31を部分的に露出させる。詳しく述べると、スリット26は、振動板31の中央部の上を通って延びている。スリット26の長手寸法は、振動板31の直径以下である。このため、スリット26の面積は、振動板31の面積よりも小さい。スリット26がこのように配置および設計されることで、振動板31の一部が、スリット26から露出される。振動板31は、ただ一つのスリット26によってのみ露出され、例えば他の孔などによっては露出されない。なお、スリット26の長手寸法が、振動板31の直径より長くても良い。
図3の矢印に示すように、スピーカ30が音声を出力すると、当該音声はスリット26を通ってポータブルコンピュータ1の外部に出力される。この音声は、スリット26においてインピーダンスマッチングがなされる。言い換えると、スリット26は、空気とスピーカ30とのインピーダンスマッチングを行う。これにより、低音域での空振り現象が抑制され、スピーカ30が出力した音声の再生周波数の下限までの再生がなされる。
第1の実施形態のポータブルコンピュータ1によれば、スピーカ30の開口部33を塞ぐ整合部25に、スリット26が設けられている。これにより、スリット26によって、空気とスピーカ30とのインピーダンスマッチングが行われる。したがって、スピーカ30が出力した低音域の音声を良好に再生できる。すなわち、良好な周波数特性、およびスピーカ30の良好な動特性を得ることができ、良好な音質を得ることができる。当該インピーダンスマッチングは、スピーカ30から離間して配置される複数の孔が設けられた板材や、スピーカ30の後部を覆うエンクロージャが不要であるため、ポータブルコンピュータ1の設計に制約を加えたりポータブルコンピュータ1のコストを増加させたりすることを抑制できる。
空気とスピーカ30とのインピーダンスマッチングは、スリット26によって行われる。これにより、例えば複数の孔を設けた場合に比べて、スピーカ30の音声を出力させる部分が目立たなくなり、ポータブルコンピュータ1の美観を向上させられる。
整合部25が、メイン筐体15に設けられている。これにより、メイン筐体15と別個の整合部が不要になる。したがって、低音域の音質を改善する整合部25を設けたとしても、ポータブルコンピュータ1の製造コストの増加を抑制できる。さらに、ポータブルコンピュータ1内部の部品密度の増加を抑制でき、ポータブルコンピュータ1の小型化および薄型化に寄与する。
スピーカ30の振動板31は、ただ一つのスリット26によってのみ露出されている。これにより、インピーダンスマッチングが効率良く行われ、低音域の音質がより良く改善される。
次に、図4を参照して、第2の実施の形態について説明する。なお、以下に開示する少なくとも一つの実施形態において、第1の実施形態のポータブルコンピュータ1と同一の機能を有する構成部分には同一の参照符号を付す。さらに、当該構成部分については、その説明を一部または全て省略することがある。
図4は、第2の実施の形態に係る整合部25を示す斜視図である。図4に示すように、第2の実施形態のスリット26は、十字状に形成されている。すなわち、スリット26は、長手寸法と短手寸法とを有する複数の孔が合体して形成された孔である。
このような第2の実施形態においても、第1の実施形態と同様に、スリット26によって、空気とスピーカ30とのインピーダンスマッチングが行われる。したがって、スピーカ30が出力した低音域の音声を良好に再生できる。
次に、図5を参照して、第3の実施の形態について説明する。図5は、第3の実施の形態に係る整合部25を示す斜視図である。図5に示すように、第3の実施形態のスリット26は、曲線状に形成されている。
このような第3の実施形態においても、第1の実施形態と同様に、スリット26によって、空気とスピーカ30とのインピーダンスマッチングが行われる。したがって、スピーカ30が出力した低音域の音声を良好に再生できる。
次に、図6ないし図8を参照して、第4の実施の形態について説明する。図6は、第4の実施の形態に係るスピーカユニット40を示す斜視図である。図6に示すように、スピーカユニット40は、電子機器の一例であり、例えばポータブルコンピュータ、タブレット、スマートフォン、および携帯音楽プレーヤに接続される、いわゆる外付けスピーカである。
スピーカユニット40は、整合部25と、スピーカ30と、スピーカ筐体41と、接続部42とを備えている。スピーカ筐体41は、箱状に形成されており、整合部25とスピーカ30とを収容している。スピーカ筐体41に、矩形状の前面開口44が設けられている。
接続部42は、例えばイヤホンジャックに接続されるためのケーブルおよびプラグである。接続部42のケーブルは、スピーカ筐体41の上面から延びている。接続部42のケーブルの端部に、イヤホンジャックに挿入されるプラグが設けられている。なお、接続部42はこれに限らず、USBコネクタのような他の接続部分であっても良い。
図7は、第4の実施形態の整合部25およびスピーカ30を示す斜視図である。図7に示すように、第4の実施形態の整合部25は、スピーカ筐体41から独立した部品である。第4の実施形態において、整合部25は、音質改善部材の一例である。
整合部25は、例えば樹脂によって形成される。なお、整合部25はこれに限らず、吸音を行わない硬質な他の材料によって形成されても良い。整合部25は、第1の部材46と、第2の部材47と、一対のスリットストッパ48とを有している。スリットストッパ48は、連結部の一例である。
第1の部材46および第2の部材47は、それぞれ略三角柱状に形成されている。第1の部材46と第2の部材47とは、スリット26を介して並んで配置されている。言い換えると、第1の部材46は、第2の部材47との間にスリット26を形成している。
第1および第2の部材46,47は、整合部25の内面25bを形成している。第1および第2の部材46,47は、それぞれホーン面51を有している。ホーン面51は、内面25bの反対側に位置している。
ホーン面51は、スリット26の側縁26aにそれぞれ接続されている。第1の部材46のホーン面51は、整合部25の内面25bに対して傾斜している。第1の部材46のホーン面51は、第2の部材47から遠ざかるに従って、内面25bから遠ざかる曲面である。
第2の部材47のホーン面51は、整合部25の内面25bに対して傾斜している。第2の部材47のホーン面51は、第1の部材46から遠ざかるに従って、整合部25の内面25bから遠ざかる曲面である。なお、ホーン面51は、平面であっても良い。
第1および第2の部材46,47に設けられた一対のホーン面51によって、ホーン部52が形成される。ホーン部52は、いわゆるショートホーンである。ホーン部52はスリット26に接続されている。言い換えると、スリット26から連続する音の通り道が、ホーン状に形成されている。
一方のスリットストッパ48は、第1の部材46の上端と第2の部材47の上端とを連結する。他方のスリットストッパ48は、第1の部材46の下端と第2の部材47の下端とを連結する。すなわち、スリットストッパ48は、第1の部材46と第2の部材47とを連結する。スリットストッパ48はスリット26の端縁46bを形成する。
スリットストッパ48は、例えば第1および第2の部材46,47にそれぞれ設けられた溝に嵌め込まれることで、第1および第2の部材46,47に固定される。なお、これに限らず、スリットストッパ48は、例えば接着剤によって第1および第2の部材46,47に固定されても良い。
図8は、第4の実施形態と従来技術との音声出力の特性を比較するグラフである。図8のグラフにおいて、縦軸は音圧を表し、横軸は周波数を表している。図8のグラフにおいて実線で表されるグラフG1が第4の実施形態の音声出力であり、破線で表されるグラフG2が従来技術の音声出力である。従来技術の音声出力は、スピーカの振動板から離れた位置に複数の円形の孔が設けられた板材を配置し、当該複数の孔を通って出力された音声について計測したものである。
図8に示すように、第4の実施形態の音声出力G1は、周波数が低い範囲において、従来技術の音声出力G2よりも音圧が高くなる。すなわち、第4の実施形態のスピーカユニット40は、スピーカ30が出力した低音域の音声を良好に再生できる。
なお、図8に示すように、第4の実施形態の音声出力G1が従来技術の音声出力G2よりも音圧が高くなるのは、低音域に限らない。横軸の中心から少し右側の領域に亘って、第4の実施形態の音声出力G1は従来技術の音声出力G2よりも音圧が高くなる。
第4の実施形態のスピーカユニット40によれば、整合部25が、スリット26に接続されたホーン部52を有している。ホーン部52によって、スリット26を通って出力される音声が拡声される。これにより、小口径のスピーカであっても大きな音量を得ることができる。
スリットストッパ48によって、第1の部材46と第2の部材47とが連結されている。これにより、例えばスリットストッパ48を交換することで、スリット26の幅を変更することができる。したがって、スリット26の幅が異なる複数種類の整合部25を用意するような場合であっても、材料費の増加を抑制できる。
次に、図9ないし図11を参照して、第5の実施の形態について説明する。図9は、第5の実施の形態に係るタブレット60を示す斜視図である。タブレット60は、電子機器の一例である。
図9に示すように、タブレット60は、ディスプレイモジュール22と、タブレット筐体61とを有している。タブレット筐体61は、筐体の一例である。タブレット筐体61は、フロントカバー62と、リアカバー63とを有している。
フロントカバー62は、リアカバー63に固定されている。フロントカバー62は、矩形の透光部65を有している。透光部65は、例えば透明な領域であり、ディスプレイモジュール22の画像を表示する面を露出させる。
タブレット筐体61に、一対の出力口71が設けられている。出力口71は、タブレット筐体61の側面に配置され、外部に開口する孔である。なお、出力口71はこれに限らず、タブレット筐体61の他の場所に配置されても良い。
出力口71は、リアカバー63の縁部に設けられた凹部と、フロントカバー62の縁部とによって形成される。なお、出力口71は、例えばリアカバー63に設けられた孔であっても良い。
図10は、出力口71の周辺におけるタブレット60の一部を示す断面図である。図11は、図10のF11−F11線に沿ってタブレット60の一部を示す断面図である。図10に示すように、タブレット筐体61に、一対のスピーカ30と、一対の音道部73とが収容されている。言い換えると、スピーカ30および音道部73は、タブレット筐体61の内部に設けられている。一対のスピーカ30および一対の音道部73は、一対の出力口71に対応して配置されている。
音道部73は、フロントカバー62またはリアカバー63に固定される樹脂製の部品である。音道部73は、第1の端部74と、第2の端部75と、導管部76とを有している。第1の端部74は、出力口71に接続されている。第2の端部75は、半円形の枠状に形成されている。導管部76は、第1の端部74と第2の端部75との間に設けられている。
図11に示すように、導管部76の上端は、フロントカバー62の内面62aに当接している。言い換えると、導管部76は、フロントカバー62によって覆われている。これにより、導管部76は、管状の音の通り道を形成する。図10に示すように、導管部76の幅は、第2の端部75から第1の端部74に向かうに従って広くなる。
図11に示すように、第2の端部75に、凹部78が設けられている。凹部78は、音道部73の厚み方向に窪んでいる。凹部78に、スピーカ30が嵌め込まれている。
スピーカ30の開口部33は、導管部76が延びる方向と直交する方向に向いている。開口部33が開口するスピーカ30の周縁部32の端部は、導管部76の底面76aと略同一平面を形成する。
第2の端部75に、整合部25が嵌め込まれている。言い換えると、第2の端部75に、整合部25が配置されている。第5の実施形態の整合部25は、タブレット筐体61から独立した部品である。
整合部25は、略円形の板状に形成され、スピーカ30を覆っている。整合部25は、スピーカ30とフロントカバー62の内面62aとによって挟持されている。整合部25は、例えば接着剤によってスピーカ30またはフロントカバー62に固定されても良い。また、整合部25は、整合部25の回転を規制する部分を有しても良い。
図10に示すように、スリット26の一方の端部が、導管部76に開口している。言い換えると、スリット26は、導管部76に開口する切欠き状に形成されている。導管部76に開口するスリット26の端部は、出力口71に向いている。
図11に示すように、スピーカ30が出力した音声は、スリット26の開口した部分から、導管部76に出力される。言い換えると、スリット26は、インピーダンスマッチングを行うとともに、音声の通り道となる。当該音声は、第1の端部74、および出力口71を通って、タブレット60の外部に出力される。
第1の端部74に、拡張部79が形成されている。拡張部79は、出力口71に向かってホーン状に拡張した部分である。言い換えると、拡張部79は、導管部76が形成した管状の音の通り道の断面積を、出力口71に向かうに従って拡張する部分である。
第5の実施の形態によれば、スピーカ30の開口部33が音道部73の延びる方向と直交する方向に向くとともに、スリット26が音道部73に開口する。スリット26が音声の通り道を兼ねることで、音圧の損失を抑制してスピーカ30の向きと直交する方向に音声が出力される。このように、スリット26が音道部73に開口することにより、音道部73を用いたとしてもスピーカ30が出力した低音域の音声を良好に再生できる。
音道部73の第1の端部74の拡張部79は、出力口71に向かってホーン状に拡張している。拡張部79がホーン状に拡張することで、スピーカ30が出力した音声の拡声を行うことができる。
次に、図12を参照して、第6の実施の形態について説明する。図12は、第6の実施の形態に係る整合部25およびスピーカ30を分解して示す斜視図である。第6の実施形態のスピーカ30は、ポータブルコンピュータ、タブレット、スマートフォン、携帯音楽プレーヤ、および外付けスピーカのような種々の電子機器に用いられる。
スピーカ30は、振動板31と、周縁部32とを有している。振動板31および周縁部32は、矩形状に形成されている。スピーカ30の振動板31および周縁部32は、第1の実施形態の円形や、第6の実施形態の矩形に限らず、楕円のような他の形状であっても良い。
第6の実施形態において、整合部25は、音質改善部材の一例である。整合部25は、第1の部材81と、第2の部材82とを有している。第1および第2の部材81,82は、それぞれ板状に形成されている。第1および第2の部材81,82は、スピーカ30の開口部33に嵌め込まれている。第1および第2の部材81,82は、例えば接着剤によって、周縁部32に固定されている。
第1および第2の部材81,82は、隙間を介して配置されている。これにより、第1の部材81は、第2の部材82との間にスリット26を形成している。なお、第1および第2の部材81,82にそれぞれ傾斜面を設けることで、第1および第2の部分81,82がホーン状の部分をさらに形成しても良い。
このような第2の実施形態においても、第1の実施形態と同様に、スリット26によって、空気とスピーカ30とのインピーダンスマッチングが行われる。したがって、スピーカ30が出力した低音域の音声を良好に再生できる。
以上述べた少なくとも一つの電子機器によれば、整合部がスピーカの開口部を塞ぐとともに、前記スピーカの出力部を部分的に露出させるスリットを有する。前記スリットにより空気と前記スピーカとのインピーダンスマッチングが行われ、前記スピーカが出力した低音域の音声を良好に再生できる。
本発明のいくつかの実施形態を説明したが、これらの実施形態は、例として提示したものであり、発明の範囲を限定することは意図していない。これら新規な実施形態は、その他の様々な形態で実施されることが可能であり、発明の要旨を逸脱しない範囲で、種々の省略、置き換え、変更を行うことができる。これら実施形態やその変形は、発明の範囲や要旨に含まれるとともに、特許請求の範囲に記載された発明とその均等の範囲に含まれる。
例えば、整合部25において、一つのスピーカ30に対応する複数のスリット26が設けられても良い。スピーカ30から出力された音声は、複数のスリット26によってインピーダンスマッチングが行われる。
1…ポータブルコンピュータ、15…メイン筐体、25…整合部、26…スリット、30…スピーカ、31…振動板、33…開口部、40…スピーカユニット、41…スピーカ筐体、46…第1の部材、47…第2の部材、48…スリットストッパ、52…ホーン部、60…タブレット、61…タブレット筐体、71…出力口、73…音道部、74…第1の端部、75…第2の端部。

Claims (10)

  1. 音声を出力する出力部と、前記出力部を露出させる開口部と、を有するスピーカと、
    前記開口部を塞ぐとともに、前記出力部を部分的に露出させるスリットを有した整合部と、
    を具備した電子機器。
  2. 前記スリットが、互いに平行に延びた一対の側縁を有した請求項1に記載の電子機器。
  3. 前記スピーカを収容し、前記整合部が設けられた筐体をさらに具備した請求項1または2に記載の電子機器。
  4. 前記整合部が前記スリットに接続されたホーン部を有した請求項1または3に記載の電子機器。
  5. 前記出力部は、ただ一つの前記スリットによってのみ露出された請求項1または4に記載の電子機器。
  6. 前記整合部は、第1の部材と、前記第1の部材との間に前記スリットを形成する第2の部材と、前記第1の部材と前記第2の部材とを連結する連結部と、を有した請求項1または2に記載の電子機器。
  7. 前記スピーカを収容し、外部に開口する出力口を有した筐体と、
    前記筐体の内部に設けられ、前記出力口に接続された第1の端部と、前記整合部が配置された第2の端部と、を有した音道部と、
    をさらに具備し、
    前記開口部は、前記音道部が延びる方向と直交する方向に向き、
    前記スリットが前記音道部に開口した請求項1または2に記載の電子機器。
  8. 前記音道部の前記第1の端部が前記出力口に向かってホーン状に拡張した請求項7に記載の電子機器。
  9. 音声を出力する出力部と、前記出力部を露出させる開口部と、を有するスピーカに、前記開口部を塞ぐとともに、前記出力部を部分的に露出させるスリットを有した整合部を取り付け、前記スリットを通して前記出力部から音声を出力させる音質改善方法。
  10. 音声を出力する出力部と、前記出力部を露出させる開口部と、を有するスピーカに取り付けられる音質改善部材であって、
    前記開口部を塞ぐとともに、前記出力部を部分的に露出させるスリットを有した整合部を具備した音質改善部材。
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