JP2014035454A - 画像形成装置 - Google Patents
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Abstract
【課題】感圧接着剤層が形成されている重ね合わせ面に対してトナーを用いて印刷を行い、重ね合わせ面同士を圧着させた後に剥離しても、対向面へのトナーの転移を防止することができる画像形成装置を提供する。
【解決手段】本体制御部が、重ね合わせ面における表層印刷6に対して折り曲げ線8を対称軸する線対称な位置に、表層印刷6の対向面への転移を防止する転移防止用印刷9を施すための転移防止用印刷データを生成する転移防止用印刷データ生成部として機能し、印刷ジョブに基づく表層印刷6と転移防止用印刷データに基づく転移防止用印刷9とを情報担持用シート5の重ね合わせ面に印刷する。
【選択図】図4
【解決手段】本体制御部が、重ね合わせ面における表層印刷6に対して折り曲げ線8を対称軸する線対称な位置に、表層印刷6の対向面への転移を防止する転移防止用印刷9を施すための転移防止用印刷データを生成する転移防止用印刷データ生成部として機能し、印刷ジョブに基づく表層印刷6と転移防止用印刷データに基づく転移防止用印刷9とを情報担持用シート5の重ね合わせ面に印刷する。
【選択図】図4
Description
本発明は、トナーを用いて印刷を行う画像形成装置に関する。
従来、重ね合わせ面に情報を担持する情報担持用シートにおいては、その重ね合わせ面同士が接着するように、重ね合わせ面の全面、部分的あるいは線状に感圧接着剤層が設けられている。感圧接着剤は自着性感圧接着剤とも言われ、感圧接着剤層同士を対接させた状態で強圧をかけて圧着させることにより、互いの高分子の自己拡散や、アンカー効果により密着させるタイプものである。感圧接着剤の接着剤基剤としては、一般的に、天然ゴムラテックス、合成ゴムラテックス、アクリル系エマルジョンといったエマルジョンタイプのものが採用され、特に、接着性や剥離性に優れた天然ゴムラテックスを利用したものが多用されている。また表層の凹凸を利用したアンカー効果により接着性を維持する感圧接着剤としては、天然ゴムラテックスにシリカと澱粉の充填剤を添加したものがある。感圧接着剤層同士の密着は、組成物の種類や加圧の程度により、永久接着性や剥離接着性が具現化される(例えば、特許文献1参照)。
剥離接着性を有する情報担持用シートは、例えば、親展性を有する圧着ハガキシステム等で実用化され、普及している。圧着ハガキシステムの例としては、重ね合わせ面に隠蔽情報が印刷されたハガキを、折り畳み、切り重ね、又は別体同士を重ね合わせたものがある。これらのハガキシステムにおいては、各種の重ね合わせ態様で感圧接着剤層が剥離可能に圧着され、親展性情報が隠蔽された後、郵送され、受取人が重ね合わせ面を再び剥離して隠蔽情報が読取られる。
情報担持用シートの重ね合わせ面への隠蔽情報の印刷を、感圧接着剤層を形成する前に行う場合には、大規模な設備が必要となる。そこで、重ね合わせ面に感圧接着剤層が既に設けられている情報担持用シートを用意し、画像形成装置によって感圧接着剤層の上からトナーを用いて隠蔽情報を印刷した後、後処理装置によって重ね合わせ面同士を圧着させる印刷システムが提案されている。
しかしながら、図10(a)に示すように、天然ゴムラテックス1にシリカ2と澱粉3の充填剤が添加され、アンカー効果により接着性を維持する感圧接着剤層4が重ね合わせ面に設けられた情報担持用シート5に対して、図10(b)に示すように、画像形成装置によってトナーを用いて感圧接着剤層4上に印刷(以下、表層印刷6と称す)を施した場合には、以下のような不具合の発生が懸念される。すなわち、感圧接着剤層4の上に施された表層印刷6は、トナー層となり、図10(c)に示すように、情報担持用シート5の感圧接着剤層4が設けられている重ね合わせ面同士を圧着させた後に、剥離すると、図10(d)に示すように、感圧接着剤層4の上に施された表層印刷6(トナー層)の一部のトナー6aが、対向面の感圧接着剤層4(アンカーとして機能するシリカ2)によって、対向面に転移してしまう。この対向面へのトナー6aの転移は、対向面(非印刷側)では汚れとなると共に、表層印刷6がかすれて、表層印刷6の判読が困難になってしまうという問題点があった。
本発明は、かかる点に鑑みてなされたものであり、その目的とするところは、感圧接着剤層が形成されている重ね合わせ面に対してトナーを用いて印刷を行い、重ね合わせ面同士を圧着させた後に剥離しても、対向面へのトナーの転移を防止することができる画像形成装置を提供することにある。
このような課題を解決するために、本発明の画像形成装置は、感圧接着剤層が形成されている重ね合わせ面を有し、折り曲げ線で折り曲げて重ね合わせ面同士を圧着させる情報担持用シートに対し、印刷ジョブに基づいて前記重ね合わせ面の前記感圧接着剤層上にトナーを用いて表層印刷を行う画像形成装置であって、前記重ね合わせ面における前記表層印刷に対して前記折り曲げ線を対称軸する線対称な位置に、前記表層印刷の対向面への転移を防止する転移防止用印刷を施すための転移防止用印刷データを生成する転移防止用印刷データ生成手段と、前記印刷ジョブに基づく前記表層印刷と前記転移防止用印刷データに基づく前記転移防止用印刷とを前記情報担持用シートの前記重ね合わせ面に印刷する画像形成手段とを具備することを特徴とする。
さらに、本発明の画像形成装置において、前記転移防止用印刷は、前記表層印刷とは異なる色のトナーで印刷されるようにしても良い。
さらに、本発明の画像形成装置において、前記転移防止用印刷は、透明トナーで印刷されるようにしても良い。
さらに、本発明の画像形成装置において、前記転移防止用印刷データ生成手段は、前記転移防止用印刷の対向面への転移を防止する第2の転移防止用印刷を施すための前記転移防止用印刷データを生成させ、前記画像形成手段は、前記転移防止用印刷データに基づく前記第2の転移防止用印刷を前記重ね合わせ面における前記表層印刷の無地領域に印刷するようにしても良い。
また、本発明の印刷システムは、感圧接着剤層が形成されている重ね合わせ面を有する情報担持用シートに対し、印刷ジョブに基づいて前記重ね合わせ面の前記感圧接着剤層上にトナーを用いて表層印刷を行う画像形成装置と、前記情報担持用シートを折り曲げ線で折り曲げて重ね合わせ面同士を圧着させることで圧着シートを作製する後処理装置とからなる印刷システムであって、前記画像形成装置は、前記重ね合わせ面における前記表層印刷に対して前記折り曲げ線を対称軸する線対称な位置に、前記表層印刷の対向面への転移を防止する転移防止用印刷を施すための転移防止用印刷データを生成する転移防止用印刷データ生成手段と、前記印刷ジョブに基づく前記表層印刷と前記転移防止用印刷データに基づく前記転移防止用印刷とを前記情報担持用シートの前記重ね合わせ面に印刷する画像形成手段とを具備することを特徴とする。
さらに、本発明の画像形成装置において、前記転移防止用印刷は、前記表層印刷とは異なる色のトナーで印刷されるようにしても良い。
さらに、本発明の画像形成装置において、前記転移防止用印刷は、透明トナーで印刷されるようにしても良い。
さらに、本発明の画像形成装置において、前記転移防止用印刷データ生成手段は、前記転移防止用印刷の対向面への転移を防止する第2の転移防止用印刷を施すための前記転移防止用印刷データを生成させ、前記画像形成手段は、前記転移防止用印刷データに基づく前記第2の転移防止用印刷を前記重ね合わせ面における前記表層印刷の無地領域に印刷するようにしても良い。
また、本発明の印刷システムは、感圧接着剤層が形成されている重ね合わせ面を有する情報担持用シートに対し、印刷ジョブに基づいて前記重ね合わせ面の前記感圧接着剤層上にトナーを用いて表層印刷を行う画像形成装置と、前記情報担持用シートを折り曲げ線で折り曲げて重ね合わせ面同士を圧着させることで圧着シートを作製する後処理装置とからなる印刷システムであって、前記画像形成装置は、前記重ね合わせ面における前記表層印刷に対して前記折り曲げ線を対称軸する線対称な位置に、前記表層印刷の対向面への転移を防止する転移防止用印刷を施すための転移防止用印刷データを生成する転移防止用印刷データ生成手段と、前記印刷ジョブに基づく前記表層印刷と前記転移防止用印刷データに基づく前記転移防止用印刷とを前記情報担持用シートの前記重ね合わせ面に印刷する画像形成手段とを具備することを特徴とする。
本発明によれば、情報担持用シートが圧着シートとして重ね合わせ面同士が圧着された状態で、表層印刷が転移防止用印刷に当接して、対向面の感圧接着剤層に直接圧着されることがないため、剥離時における対向面へのトナーの転移を防止することができるという効果を奏する。
次に、本発明の実施の形態を、図面を参照して具体的に説明する。
本実施の形態は、図1を参照すると、情報担持用シート5にトナーを用いて印刷を施す画像形成装置10と、画像形成装置10によって印刷が施された情報担持用シート5を折り曲げて圧着する後処理装置とを備えた印刷システムである。
本実施の形態は、図1を参照すると、情報担持用シート5にトナーを用いて印刷を施す画像形成装置10と、画像形成装置10によって印刷が施された情報担持用シート5を折り曲げて圧着する後処理装置とを備えた印刷システムである。
情報担持用シート5は、図2(a)に示すように、情報担持用シート5の重ね合わせ面上に感圧接着剤層4が形成されている。図2(b)に示す情報担持用シート5の重ね合わせ面には、事前印刷7が施されている。この事前印刷7は、感圧接着剤層4の形成前に行われる印刷の総称であり、事前印刷7上に感圧接着剤層4が形成されている。情報担持用シート5を、図2(c)に矢印で示すように、ミシン目加工等が施された折り曲げ線8で折り曲げ、感圧接着剤層4同士を圧着させることで、圧着葉書等の圧着シートが作製される。従って、圧着シートとなった状態では、情報担持用シート5の重ね合わせ面への印刷は、そのままでは視認できない隠蔽情報となり、情報担持用シート5の重ね合わせ面以外の領域への印刷は、視認可能な露出情報となる。以下、情報担持用シート5の重ね合わせ面以外の領域を露出面と称す。なお、本実施の形態では、二つ折りで圧着シートを作成可能な、一方面の全領域が重ね合わせ面で、且つ他方面の全領域が露出面となる情報担持用シート5を用いた例について説明するが、情報担持用シート5としては、Z折りや、W折り等で圧着シートを作成可能なものを用いるようにしても良い。
画像形成装置10は、図1に示すように、異なる4色C(シアン)、M(マゼンダ)、Y(イエロー)、K(ブラック)のカラー印刷データにそれぞれ対応する4つの画像形成部11a、11b、11c及び11dと、透明トナー用の画像形成部11eとが配設され、5色のC(シアン)、M(マゼンダ)、Y(イエロー)、K(ブラック)、透明のトナーを用いて印刷を施すカラープリンターである。なお、本実施の形態の画像形成装置10は、情報担持用シート5に限ることなく、他の記録用紙に印刷を行うことができる。
画像形成部11a、11b、11c、11d及び11eの上部には、中間転写ベルト21が隣接して設けられている。また、中間転写ベルト21の上部には、画像形成部11a、11b、11c及び11dにそれぞれ供給される4色のC(シアン)、M(マゼンダ)、Y(イエロー)、K(ブラック)のトナーがそれぞれ収容されたトナーコンテナ40a、40b、40c及び40dと、画像形成部11eに供給される透明トナーが収容されたトナーコンテナ40eとが設けられている。
画像形成部11a、11b、11c、11d及び11eには、各色の可視像(トナー像)を担持する感光体ドラム12a、12b、12c、12d及び12eがそれぞれ配設されている。感光体ドラム12a、12b、12c、12d及び12eの周囲には、感光体ドラム12a、12b、12c、12d及び12eをそれぞれ帯電させる帯電装置13a、13b、13c、13d及び13eと、感光体ドラム12a、12b、12c、12d及び12eにそれぞれ画像情報を露光する露光ユニット14と、感光体ドラム12a、12b、12c、12d及び12e上にそれぞれトナー像を形成する現像装置15a、15b、15c、15d及び15eと、感光体ドラム12a、12b、12c、12d及び12e上のトナー像をそれぞれ中間転写ベルト21に転写させる一次転写ローラー16a、16b、16c、16d及び16eと、感光体ドラム12a、12b、12c、12d及び12e上に残留した現像剤(トナー)を除去するクリーニング装置17a、17b、17c17d及び17eとが設けられている。
感光体ドラム12a、12b、12c、12d及び12e上に形成されたトナー像は、感光体ドラム12a、12b、12c、12d及び12eに当接しながら移動する中間転写ベルト21上に順次転写される。中間転写ベルト21上に順次転写されたトナー像は、二次転写ローラー18において情報担持用シート5上に一度に転写され、中間転写ベルト21上に残留した現像剤(トナー)は、クリーニング装置20によって除去される。
重ね合わせ面に感圧接着剤層4が形成されている情報担持用シート5は、下部に配置された用紙カセット30内に、重ね合わせ面を上にして収容される。用紙カセット30内に収容された情報担持用シート5は、給紙ローラー31及びレジストローラー32を介して二次転写ローラー18へとシート搬送路33を搬送され、情報担持用シート5の重ね合わせ面にトナー像が転写されて画像が形成される。次に、この情報担持用シート5は、排出トレイ34側の排出ローラー35にニップされた後にスイッチバックされ、反転シート搬送路36を経由してレジストローラー32の上流域に再度搬送され、情報担持用シート5の重ね合わせ面とは反対の露出面にトナー像が転写されて画像が形成される。このようにして両面に画像が形成された情報担持用シート5は、排出ローラー37によって後処理装置50に向けて排出される。
後処理装置50は、上流側シート載置部材51及び下流側シート載置部材52と、ブレード部材53と、圧着ローラー対54とを備えている。画像形成装置10から排出され、後処理装置50に受け入れられた情報担持用シート5は、シート搬入路55を経由して上流側シート載置部材51及び下流側シート載置部材52に載置される。上流側シート載置部材51及び下流側シート載置部材52は、ブレード部材53を境として離間して配置されている。上流側シート載置部材51には押出部材51aが、下流側シート載置部材52には受止部材52aが情報担持用シート5の位置合わせ手段としてそれぞれ設けられている。上流側シート載置部材51及び下流側シート載置部材52に載置された情報担持用シート5は、押出部材51a及び受止部材52aによって、折り曲げ線8がブレード部材53に対向するように位置合わせされる。ブレード部材53は、上流側シート載置部材51及び下流側シート載置部材52に載置された情報担持用シート5に対して垂直な図1に矢印で示す方向に移動可能に構成されており、情報担持用シート5の折り曲げ線8の箇所を圧着ローラー対54のニップに送り込む。これにより、情報担持用シート5は、圧着ローラー対54によって折り曲げ線8で折り曲げられて重ね合わせ面が圧着され、重ね合わせ面が圧着された情報担持用シート5が、圧着シートとして排出トレイ56に排出される。
図3には、図1に示す印刷システムの概略構成を示すブロック図が示されている。
画像形成装置10内には、操作部41と、表示部42と、通信部43と、記憶部44とに接続され、上述の各構成要素(画像形成部11a、11b、11c、11d及び11e、露光ユニット14、定着装置19、中間転写ベルト21等)を制御する本体制御部45が備えられている。また、後処理装置50内には、本体制御部45からの指示に基づいて、情報担持用シート5の位置合わせ手段(上流側シート載置部材51の押出部材51a、下流側シート載置部材52の受止部材52a)、ブレード部材53、圧着ローラー対54の駆動を制御する後処理制御部56が備えられている。
画像形成装置10内には、操作部41と、表示部42と、通信部43と、記憶部44とに接続され、上述の各構成要素(画像形成部11a、11b、11c、11d及び11e、露光ユニット14、定着装置19、中間転写ベルト21等)を制御する本体制御部45が備えられている。また、後処理装置50内には、本体制御部45からの指示に基づいて、情報担持用シート5の位置合わせ手段(上流側シート載置部材51の押出部材51a、下流側シート載置部材52の受止部材52a)、ブレード部材53、圧着ローラー対54の駆動を制御する後処理制御部56が備えられている。
本体制御部45は、CPU(Central Processing Unit)、ROM(Read Only Memory)、RAM(Random Access Memory)等を備えたマイクロコンピューター等の情報処理部である。ROMには画像形成装置10の動作制御を行うための制御プログラムが記憶されている。本体制御部45は、ROMに記憶されている制御プログラムを読み出し、制御プログラムをRAMに展開させることで、操作部41から入力された所定の指示情報や、通信部43によって受信された印刷ジョブに応じて 各構成要素(画像形成部11a、11b、11c及び11d、露光ユニット14、定着装置19、中間転写ベルト21等)を制御して一連の画像形成動作を実現する。
また、本体制御部45は、通信部43によって受信された印刷ジョブに、感圧接着剤層4が形成されている情報担持用シート5の重ね合わせ面への印刷(以下、表層印刷6と称す)が存在すると判断した場合には、表層印刷6に対して折り曲げ線8を対称軸とする線対称な位置に印刷を施すための転移防止用印刷データを生成する転移防止用印刷データ生成部451として機能する。転移防止用印刷データ生成部451によって生成された転移防止用印刷データは、図4(a)に示すように、表層印刷6に対して折り曲げ線8を対称軸する線対称な位置に転移防止用印刷9として印刷が施される。これにより、図4(b)に示すように、情報担持用シート5を折り曲げ線8で折り曲げると、表層印刷6と転移防止用印刷9とが対向した状態で、感圧接着剤層4同士が圧着されることになる。
操作部41は、ユーザーインターフェース手段であり、ユーザーは操作部41を操作して指示を入力することで、画像形成装置10の各種の設定をし、画像形成等の各種機能を実行させる。また、表示部42は、画像形成状況や印刷部数を表示するLCD等の表示手段である。
通信部43は、LAN等のネットワーク46を介して、パーソナルコンピュータ等の周辺機器47との間で各種データを送受信する機能を有し、カラー印刷データ等の画像形成に用いられる画像データを含む印刷ジョブを周辺機器47から受信する。
記憶部44は、半導体メモリやHDD(Hard Disk Drive)等の記憶手段であり、通信部43によって受信した印刷ジョブが蓄積される記憶手段である。
次に、本実施の形態の印刷システムにおける圧着シート作製動作について図5乃至図10を参照して詳細に説明する。
図5を参照すると、通信部43によって情報担持用シート5への印刷ジョブが受信されると(ステップA1)、本体制御部45は、感圧接着剤層4が形成されている情報担持用シート5の重ね合わせ面に印刷する表層印刷6が存在するか否かを判断する(ステップA2)。なお、このステップA2での判断は、本体制御部45が情報担持用シート5における重ね合わせ面の領域を把握しておくことで実現することができ、情報担持用シート5における重ね合わせ面の領域は、印刷ジョブや操作部41から本体制御部45に設定することができる。さらに、表示部42にプレビューを表示させ、操作部41からのユーザー指定によって表層印刷6の存在を判断させるようにしても良い。
図5を参照すると、通信部43によって情報担持用シート5への印刷ジョブが受信されると(ステップA1)、本体制御部45は、感圧接着剤層4が形成されている情報担持用シート5の重ね合わせ面に印刷する表層印刷6が存在するか否かを判断する(ステップA2)。なお、このステップA2での判断は、本体制御部45が情報担持用シート5における重ね合わせ面の領域を把握しておくことで実現することができ、情報担持用シート5における重ね合わせ面の領域は、印刷ジョブや操作部41から本体制御部45に設定することができる。さらに、表示部42にプレビューを表示させ、操作部41からのユーザー指定によって表層印刷6の存在を判断させるようにしても良い。
ステップA2で表層印刷6が存在する場合には、本体制御部45は、転移防止用印刷データ生成部451として機能する。転移防止用印刷データ生成部451は、情報担持用シート5の重ね合わせ面において、表層印刷6に対して折り曲げ線8を対称軸する線対称な位置に転移防止用印刷9を施すための転移防止用印刷データを生成する(ステップA3)。なお、必ずしも全ての表層印刷6に対して転移防止用印刷データを生成する必要はなく、転移防止用印刷データを生成する表層印刷6を、印刷ジョブや操作部41からのユーザー指定によって選択可能に構成しても良い。
次に、本体制御部45は、図4(a)に示すように、印刷ジョブに基づく表層印刷6と、転移防止用印刷データ生成部451によって生成された転移防止用印刷データに基づく転移防止用印刷9とを情報担持用シート5の重ね合わせ面の感圧接着剤層4上に印刷する(ステップA4)。転移防止用印刷9は、感圧接着剤層4の上に施された表層印刷6(トナー層)が対向面に転移することを防止する印刷である。
次に、本体制御部45は、情報担持用シート5を反転させ、印刷ジョブに基づいて情報担持用シート5の露出面に、宛名等の印刷を行った後(ステップA5)、情報担持用シート5を後処理装置50に向けて排出する。
なお、情報担持用シート5の重ね合わせ面に印刷する隠蔽情報が、受取人毎の情報でなく、受取人共通の情報(例えば、店舗移転案内等)である場合には、受取人共通の情報を事前印刷7とすることができる。このような情報担持用シート5を用いる場合には、印刷ジョブは、情報担持用シート5の露出面のみへの印刷となり、ステップA2で表層印刷6が存在しないと判断され、情報担持用シート5の重ね合わせ面への印刷が行われることなく、ステップA5で情報担持用シート5の露出面への印刷が行われる。
次に、後処理装置50の後処理制御部56は、押出部材51a及び受止部材52aによって、情報担持用シート5の折り曲げ線8がブレード部材53に対向するように位置合わせした後、ブレード部材53によって情報担持用シート5を圧着ローラー対54のニップに送り込むことで、情報担持用シート5を折り曲げ線8で折り曲げ、情報担持用シート5の重ね合わせ面同士を圧着させる(ステップA6)。情報担持用シート5の重ね合わせ面には表層印刷6に対して折り曲げ線8を対称軸する線対称な位置に転移防止用印刷9が印刷されている。そのため、情報担持用シート5を折り曲げ線8で折り曲げられると、図6(a)に示すように、表層印刷6と、転移防止用印刷9とが対向した状態で重ね合わせ面同士が圧着される。これにより、重ね合わせ面同士が圧着された状態で、表層印刷6は、図6(b)に示すように、転移防止用印刷9に当接することになり、対向面の感圧接着剤層4に直接圧着されることない。従って、図6(c)に示すように、圧着された重ね合わせ面を剥離しても、感圧接着剤層4の上に施された表層印刷6が対向面に転移することがない。
転移防止用印刷9は、上述のように、重ね合わせ面同士が圧着された状態で、表層印刷6と、対向面の感圧接着剤層4とが直接圧着されることを防止するための印刷である。従って、表層印刷6と対向面の感圧接着剤層4との直接の圧着を完全に防止するためには、図7(a)に示すように、表層印刷6よりも広い領域を有するベタ印刷を転移防止用印刷9として施したり、図7(b)に示すように、表層印刷6を太らせた印刷を転移防止用印刷9として施したりすると好適である。この場合、転移防止用印刷9(トナー層)を形成するトナー載せ量は、0.2mg/cm2以上にすると、表層印刷6と対向面の感圧接着剤層4との圧着を有効に防止することができる。但し、転移防止用印刷9を表層印刷6よりも広い領域に印刷すると、図6(c)に示すように、転移防止用印刷9(トナー層)の一部のトナー9aが、対向面の感圧接着剤層4(アンカーとして機能するシリカ2)によって、表層印刷6側に転移してしまうことが想定される。従って、転移防止用印刷9は、表層印刷6とは異なる色のトナーを用いて行うことが好ましい。特に、転移防止用印刷9に透明トナーを用いると、一部のトナー9aが表層印刷6側に転移しても、表層印刷6に影響を与えることがないため、より好適である。
また、転移防止用印刷データ生成部451において、転移防止用印刷9の転移を防止するための転移防止用印刷データも生成させ、図8(a)に示すように、重ね合わせ面における表層印刷6の無地領域に第2の転移防止用印刷91を印刷するようにしても良い。第2の転移防止用印刷91は、表層印刷6とは異なる色のトナーを用いて行うことが好ましい。この場合には、図9(a)に示すように、表層印刷6及び第2の転移防止用印刷91と、転移防止用印刷9とが対向した状態で重ね合わせ面同士が圧着される。これにより、重ね合わせ面同士が圧着された状態で、転移防止用印刷9は、図9(b)に示すように、表層印刷6及び第2の転移防止用印刷91に当接することになり、対向面の感圧接着剤層4に直接圧着されることない。従って、図9(c)に示すように、圧着された重ね合わせ面を剥離しても、感圧接着剤層4の上に施された表層印刷6が対向面に転移することがないと共に、感圧接着剤層4の上に施された転移防止用印刷9も対向面に転移することがない。
さらに、転移防止用印刷9や第2の転移防止用印刷91は、ベタ印刷に限ることなく、例えば、万線状や、網目状や、ハーフトーンであっても一定の効果が期待できる。なお、図8(b)には、万線状の転移防止用印刷9及び第2の転移防止用印刷91を、重ね合わせると線が交差するように施した例が示されている。このように、万線状や、網目状や、ハーフトーンの転移防止用印刷9や第2の転移防止用印刷91を採用することで、単一色のトナーを用いる印刷であっても対応することができる。
以上説明したように、本実施の形態によれば、本体制御部45が、重ね合わせ面における表層印刷6に対して折り曲げ線8を対称軸する線対称な位置に、表層印刷6の対向面への転移を防止する転移防止用印刷9を施すための転移防止用印刷データを生成する転移防止用印刷データ生成部451として機能し、印刷ジョブに基づく表層印刷6と転移防止用印刷データに基づく転移防止用印刷9とを情報担持用シート5の重ね合わせ面に印刷するように構成されている。この構成により、情報担持用シート5が圧着シートとして重ね合わせ面同士が圧着された状態で、表層印刷6が転移防止用印刷9に当接して、対向面の感圧接着剤層4に直接圧着されることないため、剥離時における対向面へのトナーの転移が防止することができるという効果を奏する。さらに、転移防止用印刷9により表層印刷6が印刷された箇所の接着強度が適度に弱くなり剥離が容易になるという効果も奏する。
さらに、本実施の形態によれば、転移防止用印刷9を表層印刷6とは異なる色のトナーで印刷するように構成すると、転移防止用印刷9の一部のトナー9aが表層印刷6側に転移しても、表層印刷6の視認性が低下することを防止することができる。
さらに、本実施の形態によれば、転移防止用印刷9を透明トナーで印刷するように構成すると、転移防止用印刷9の一部のトナー9aが表層印刷6側に転移しても、表層印刷6に影響を与えることがないという効果を奏する。
さらに、本実施の形態によれば、転移防止用印刷データ生成部451において、転移防止用印刷9の対向面への転移を防止する第2の転移防止用印刷91を施すための転移防止用印刷データを生成させ、転移防止用印刷データに基づく第2の転移防止用印刷91を重ね合わせ面における表層印刷6の無地領域に印刷するように構成されている。この構成により、転移防止用印刷9の表層印刷6側に転移を防止することができるという効果を奏する。
なお、本発明が上記各実施の形態に限定されず、本発明の技術思想の範囲内において、各実施の形態は適宜変更され得ることは明らかである。
1 天然ゴムラテックス
2 シリカ
3 澱粉
4 感圧接着剤層
5 情報担持用シート
6 表層印刷
7 事前印刷
8 折り曲げ線
9 転移防止用印刷
10 画像形成装置
11a、11b、11c、11d、11e 画像形成部
12a、12b、12c、12d、12e 感光体ドラム
13a、13b、13c、13d、13e 帯電装置
14 露光ユニット
15a、15b、15c、15d、15e 現像装置
16a、16b、16c、16d、16e 一次転写ローラー
17a、17b、17c、17d、17e クリーニング装置
18 二次転写ローラー
19 定着装置
20 クリーニング装置
21 中間転写ベルト
30 用紙カセット
31 給紙ローラー
32 レジストローラー
33 シート搬送路
34 排出トレイ
35 排出ローラー
36 反転シート搬送路
37 排出ローラー
40a、40b、40c、40d、40e トナーコンテナ
41 操作部
42 表示部
43 通信部
44 記憶部
45 本体制御部
451 転移防止用印刷データ生成部
46 ネットワーク
47 周辺機器
50 後処理装置
51 上流側シート載置部材
51a 押出部材
52 下流側シート載置部材
52a 受止部材
53 ブレード部材
54 圧着ローラー対
55 シート搬入路
56 後処理制御部
91 第2の転移防止用印刷
2 シリカ
3 澱粉
4 感圧接着剤層
5 情報担持用シート
6 表層印刷
7 事前印刷
8 折り曲げ線
9 転移防止用印刷
10 画像形成装置
11a、11b、11c、11d、11e 画像形成部
12a、12b、12c、12d、12e 感光体ドラム
13a、13b、13c、13d、13e 帯電装置
14 露光ユニット
15a、15b、15c、15d、15e 現像装置
16a、16b、16c、16d、16e 一次転写ローラー
17a、17b、17c、17d、17e クリーニング装置
18 二次転写ローラー
19 定着装置
20 クリーニング装置
21 中間転写ベルト
30 用紙カセット
31 給紙ローラー
32 レジストローラー
33 シート搬送路
34 排出トレイ
35 排出ローラー
36 反転シート搬送路
37 排出ローラー
40a、40b、40c、40d、40e トナーコンテナ
41 操作部
42 表示部
43 通信部
44 記憶部
45 本体制御部
451 転移防止用印刷データ生成部
46 ネットワーク
47 周辺機器
50 後処理装置
51 上流側シート載置部材
51a 押出部材
52 下流側シート載置部材
52a 受止部材
53 ブレード部材
54 圧着ローラー対
55 シート搬入路
56 後処理制御部
91 第2の転移防止用印刷
Claims (5)
- 感圧接着剤層が形成されている重ね合わせ面を有し、折り曲げ線で折り曲げて重ね合わせ面同士を圧着させる情報担持用シートに対し、印刷ジョブに基づいて前記重ね合わせ面の前記感圧接着剤層上にトナーを用いて表層印刷を行う画像形成装置であって、
前記重ね合わせ面における前記表層印刷に対して前記折り曲げ線を対称軸する線対称な位置に、前記表層印刷の対向面への転移を防止する転移防止用印刷を施すための転移防止用印刷データを生成する転移防止用印刷データ生成手段と、
前記印刷ジョブに基づく前記表層印刷と前記転移防止用印刷データに基づく前記転移防止用印刷とを前記情報担持用シートの前記重ね合わせ面に印刷する画像形成手段とを具備することを特徴とする画像形成装置。 - 前記転移防止用印刷は、前記表層印刷とは異なる色のトナーで印刷されることを特徴とする請求項1記載の画像形成装置。
- 前記転移防止用印刷は、透明トナーで印刷されることを特徴とする請求項2記載の画像形成装置。
- 前記転移防止用印刷データ生成手段は、前記転移防止用印刷の対向面への転移を防止する第2の転移防止用印刷を施すための前記転移防止用印刷データを生成させ、
前記画像形成手段は、前記転移防止用印刷データに基づく前記第2の転移防止用印刷を前記重ね合わせ面における前記表層印刷の無地領域に印刷することを特徴とする請求項1乃至3のいずれかに記載の画像形成装置。 - 感圧接着剤層が形成されている重ね合わせ面を有する情報担持用シートに対し、印刷ジョブに基づいて前記重ね合わせ面の前記感圧接着剤層上にトナーを用いて表層印刷を行う画像形成装置と、前記情報担持用シートを折り曲げ線で折り曲げて重ね合わせ面同士を圧着させることで圧着シートを作製する後処理装置とからなる印刷システムであって、
前記画像形成装置は、前記重ね合わせ面における前記表層印刷に対して前記折り曲げ線を対称軸する線対称な位置に、前記表層印刷の対向面への転移を防止する転移防止用印刷を施すための転移防止用印刷データを生成する転移防止用印刷データ生成手段と、
前記印刷ジョブに基づく前記表層印刷と前記転移防止用印刷データに基づく前記転移防止用印刷とを前記情報担持用シートの前記重ね合わせ面に印刷する画像形成手段とを具備することを特徴とする印刷システム。
Priority Applications (1)
Application Number | Priority Date | Filing Date | Title |
---|---|---|---|
JP2012176649A JP2014035454A (ja) | 2012-08-09 | 2012-08-09 | 画像形成装置 |
Applications Claiming Priority (1)
Application Number | Priority Date | Filing Date | Title |
---|---|---|---|
JP2012176649A JP2014035454A (ja) | 2012-08-09 | 2012-08-09 | 画像形成装置 |
Publications (1)
Publication Number | Publication Date |
---|---|
JP2014035454A true JP2014035454A (ja) | 2014-02-24 |
Family
ID=50284470
Family Applications (1)
Application Number | Title | Priority Date | Filing Date |
---|---|---|---|
JP2012176649A Pending JP2014035454A (ja) | 2012-08-09 | 2012-08-09 | 画像形成装置 |
Country Status (1)
Country | Link |
---|---|
JP (1) | JP2014035454A (ja) |
Cited By (3)
Publication number | Priority date | Publication date | Assignee | Title |
---|---|---|---|---|
JP2017211573A (ja) * | 2016-05-27 | 2017-11-30 | 株式会社リコー | 画像形成装置及び画像形成方法 |
US12099321B2 (en) | 2022-09-13 | 2024-09-24 | Canon Kabushiki Kaisha | Image forming system |
US12117754B2 (en) | 2021-08-30 | 2024-10-15 | Canon Kabushiki Kaisha | Image forming system |
-
2012
- 2012-08-09 JP JP2012176649A patent/JP2014035454A/ja active Pending
Cited By (3)
Publication number | Priority date | Publication date | Assignee | Title |
---|---|---|---|---|
JP2017211573A (ja) * | 2016-05-27 | 2017-11-30 | 株式会社リコー | 画像形成装置及び画像形成方法 |
US12117754B2 (en) | 2021-08-30 | 2024-10-15 | Canon Kabushiki Kaisha | Image forming system |
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