JP2014035377A - 波長選択スイッチ - Google Patents

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Abstract

【課題】波長選択スイッチにおいて、光偏向手段にて任意の角度にて反射された光について、位置に関するオフセットをかけずに、角度のオフセットのみかかった入射光として光導波路基板に再結合し、光導波路基板内で光導波路基板への入射角度に応じた任意の入出力導波路に信号光を出力させる。
【解決手段】入力導波路401、出力導波路402、スラブ導波路403、およびアレイ導波路404からなるアレイ導波路格子を含む光導波路基板301と、アレイ導波路から出射した波長多重光信号を波長分離する分光手段304と、レンズと、前記レンズにより集光された前記波長分離された光信号に独立に位相シフトを与え、当該位相シフトが与えられた光信号がレンズおよび分光手段304を介してアレイ導波路に再結合するように反射する光偏向手段306とを備え、入力導波路および出力導波路の各々から信号光を入力したときに、当該信号光の主光線の各々が光導波路基板における同一の位置から出力されることを特徴とする。
【選択図】図3

Description

本発明は、波長選択スイッチに関する。
近年急速な進展を見せる大容量の光通信ネットワーク構築に伴い、波長分割多重(WDM:Wavelength Division Multiplexing)通信技術が注目を集めるとともに設備の普及が進んでいるが、WDMノードにおいては光信号を直接制御せずに、一度電気信号に変換したのちに経路のスイッチングを行う方式が一般的である。しかしながら、上記の方式ではノードにおける処理能力の高負荷化、通信速度律速、高消費電力化が課題として危惧されている。このため、電気スイッチングを介さず光信号のまま経路スイッチングを行うデバイス、すなわち波長選択スイッチ(WSS:Wavelength Selective Switch)等の開発が求められている。
一般的な波長選択スイッチの動作原理は以下の通りである。入力光ファイバから入力されたWDM信号は、コリメータにてコリメート光として空間を伝播し、複数のレンズおよび波長分波するための回折格子を通過したのち、再びレンズを介して集光される。光信号を所望の出力ポートへ切り替えるための光偏向素子が集光位置に配置される。この光偏向素子としてはMEMS(Micro-electro mechanical system)技術によるマイクロミラーアレイ、液晶セルアレイ、DMD(Digital mirror device)、LCOS(Liquid crystal on silicon)などが代表的なものとして挙げられ、これらによって目的とする出力ポートに最適化された角度に各光信号を反射する。反射された各光信号は、レンズを介して回折格子へと入射し波長合波された後、レンズを介して出力ファイバに結合する。
特開2009−258438号公報
Paul F. McManamon et al., "A Review of Phased Array Steering for Narrow-Band Electrooptical Systems," Proceedings of the IEEE, Vol. 97, No. 6, June 2009, 1078-1096.
図1に一般的な構成の波長選択スイッチの概念図を示し、より詳細な波長選択スイッチの動作について説明する。以下では、波長選択スイッチにおいて、WDM信号が回折格子によって波長分波される方向をX軸、X軸に直交する方向であり入出力ファイバアレイ101のファイバが配列された方向をY軸、光信号がファイバから出力される際の進行方向をZ軸と定義する。また、説明のために入出力ファイバアレイ101の本数を5本とし、その中心ファイバを入力ポート、最下部に配置されたファイバを出力ポートとして設定しているが、本数および入出力ファイバの選択に関しては本説明に限定されるものではない。また、入力ファイバから出射された光信号が光偏向素子107までに通過する主光線を太実線で表し、光偏向素子107にて反射された光信号が、出力ファイバに結合までの主光線を太破線で表している。
入出力ファイバアレイ101から空間に出射された光信号は、入出力ファイバアレイ101によって閉じ込められていたビーム径に応じた一定の開口数(NA:Numerical aperture)にて広がりながら伝播する。この光信号は、入出力ファイバアレイ101の各々の光ファイバから出た光信号がそれぞれコリメート光として空間を伝播するように焦点距離および配置位置を調整されたマイクロレンズアレイ102によって、NAを調整され、さらに集光レンズ103のY軸方向における入射位置に応じた角度に変換される。この光信号は、レンズ104を介して再び角度を位置に変換された後に、回折格子105によって、X軸方向に波長分波される。すなわち、光信号は、レンズ104において入射する角度に応じた位置から回折格子105に向けて出射されて、回折格子105において波長分波される。さらに、光信号は、レンズ106を介して光偏向素子107上に集光される。光偏向素子107において、出力ファイバに最適に結合するように角度調整された光信号は、各レンズ、回折格子を逆にたどるように通過し、集光レンズ103に達する。集光レンズ103は、集光レンズ103に入射するビームのY軸方向の高さに比例した角度に変換する機能(入射位置が中心からY軸方向に離れる程、大きな角度が付与されて出射されるように作用し、また入射する角度が大きい程、中心からY軸方向に離れた位置から出射されるように作用する機能)を有しており、この集光レンズ103に入射した光信号は、出力ファイバに向かってZ軸と平行になるように位置および角度を調整され、入出力ファイバアレイ101における、所望の出力ファイバに結合することでスイッチングを行うことができる。本動作は、WDM信号が回折格子105にて波長分波されていることから、光偏向素子107の設定により各波長ごとに所望の出力ポートに振り分けることが可能であり、波長選択的なスイッチングデバイスとして動作する。
こうした一連の素子群の中で、入出力ファイバアレイ101、マイクロレンズアレイ102、集光レンズ103については、非常に小型かつ微細な構造であり、これらの光学素子の作製精度および配置精度は高い技術レベルが要求される。例えば入出力ファイバアレイ101においては、ファイバ端面の状態は出力される光信号のビームプロファイルの乱れに直結し、各ファイバの配置精度は隣接するファイバからの漏れ光が結合することによるポート間クロストークの劣化に直結する。マイクロレンズアレイ102については一般的に極短焦点距離のものが用いられるため、レンズの曲率半径が小さく、高精度な作製技術が求められる。さらにファイバアレイ101およびマイクロレンズアレイ102のアライメントについてはミクロン以下の精度が要求されるため、このような光学系を構築する上では高精度なバルク光学部品による作製コストとアライメントを達成するための高い配置技術と実装負荷が大きな問題となる。集光レンズ103についても、入出力ファイバアレイ101およびマイクロレンズアレイ102と同程度のスケールであるレンズが必要とされるため、集光レンズ103に対しても前記と同様のコスト的負荷、作業的負荷が懸念される。
この点を鑑みて、入出力ファイバアレイ101、マイクロレンズアレイ102を石英系平面光波回路(PLC:Planar Lightwave Circuit)に集積して、前述のコスト的負荷、作業的負荷を軽減させるデバイスが提案されている(例えば、特許文献1参照)。
図2に、入出力ファイバ101、マイクロレンズアレイ102をPLCに集積したWSSの概略構成図を示す。このWSSは、信号光の入出力部がPLC(図2中では光導波路基板210)として構成されている。光導波路基板210は入出力導波路212と、入出力導波路212に接続されたスラブ導波路214と、スラブ導波路214に接続されたアレイ導波路216が含まれており、アレイ導波路216の光路長はそれぞれ等しく設計されている。図2において、入出力導波路212が配列された方向をX軸、光信号が光導波路基板210を進行する方向をZ軸、およびX軸とZ軸に垂直な方向をY軸と定義している。
光導波路基板210における入出力導波路212に結合した信号光は、スラブ導波路214内を基板面内方向に広がりながら進行し、アレイ導波路216の各々に再結合する。このアレイ導波路216は各々の光路長差が0であることから、アレイ導波路216の終端部分、すなわち光導波路基板210の端面においてアレイ導波路216からの光源が光軸に対して垂直な方向に沿って一定の間隔で十分な数が配置されている場合、それぞれから出射した光の位相が等しいため、多光束干渉の結果としてシリンドリカルレンズ220によって光導波路基盤210の基板厚み方向、すなわちY軸方向に関するコリメート光に変換され、空間を伝播する。その後、ビームサイズ変換部240と、分光部250と、集光レンズ260を通過し、光偏向部270に入射する。信号光は光偏向部270にて、光導波路基板210における信号光の入出射端面と水平かつ光導波路基板210に垂直な方向、すなわちX軸方向に関する任意の角度で反射される。
ここで、特許文献1においては、光導波路基板210から出射した光に関するレンズのうち、X軸方向に関してパワーを有するレンズは用いられていない。このため、光偏向部270にて所望のポートにスイッチされるよう反射角度を制御された光信号は、光導波路基板210に対して、上記のとおり光偏向部270による角度のオフセットの他、出射時の位置からX軸方向に関する位置のオフセットがかけられて、再結合をする構成である。このような構造を採用している背景としては、集光レンズの配置数を極力低減させることで光学設計を容易にするとともに、部材数低減によるコスト削減などが主な理由として挙げられる。
しかし、図2の構成では空間光学上の設計が容易になる反面、各種光学素子にて発生する波面の歪み、収差などといったものは全てPLCの設計において補償しなければ十分な特性を得られず、さらにX軸方向に関する位置のオフセットが発生することから光導波路基板210のアレイ導波路216の本数はオフセット量を十分に考慮した本数を配置しておく必要があり、結果として光導波路基板210のX軸方向(光導波路基板における光信号の進行方向に垂直な方向、本明細書において光導波路基板の幅ともいう。)の長さが増大するため、デバイスの低背化にあたっては光導波路基板210の幅が制限要因となる問題が存在していた。
そこで本発明は、このような問題に鑑みてなされたもので、その目的とするところは、入出力導波路とスラブ導波路とアレイ導波路から構成される光導波路基板、光導波路基板における光信号の進行方向に垂直な方向に関するパワーを有する少なくとも1枚の集光レンズ、分光手段、光偏向手段を基本構成要素とし、光偏向手段にて任意の角度にて反射された光について、位置に関するオフセットをかけずに、角度のオフセットのみかかった入射光として光導波路基板に再結合し、光導波路基板内で光導波路基板への入射角度に応じた任意の入出力導波路に信号光を出力させることができる波長選択スイッチを提供することを目的とする。
本発明は、このような目的を達成するために、請求項1に記載の発明は、波長選択スイッチであって、少なくとも1つの入力導波路、少なくとも1つの出力導波路、前記入力導波路および出力導波路と同一の終端部で接続されたスラブ導波路、および前記スラブ導波路に接続されたアレイ導波路からなるアレイ導波路格子を含む光導波路基板と、前記アレイ導波路から出射した波長多重光信号を波長分離する分光手段と、レンズと、前記レンズにより集光された前記波長分離された光信号に独立に位相シフトを与え、当該位相シフトが与えられた光信号が前記レンズおよび前記分光手段を介して前記アレイ導波路に再結合するように反射する光偏向手段とを備え、前記入力導波路および前記出力導波路の各々から信号光を入力したときに、当該信号光の主光線の各々が前記光導波路基板における同一の位置から出力されることを特徴とする。
請求項2に記載の発明は、請求項1に記載の波長選択スイッチであって、前記アレイ導波路は、前記スラブ導波路側の間隔が前記分光手段側の間隔よりも小さく、かつ前記アレイ導波路に前記光偏向手段側から入射する光信号の入射角度θ、空気の屈折率nairおよび前記信号光の波長λを用いて、以下に掲げる式を満たすことを特徴とする特徴とする。
Figure 2014035377
請求項3に記載の発明は、請求項1または2に記載の波長選択スイッチであって、前記スラブ導波路の前記終端部分において、前記入力導波路および前記出力導波路におけるそれぞれの配置距離がすべて同一ではないことを特徴とする。
以上説明したように、本発明によれば、光導波路基板における光信号の進行方向に垂直な方向に関する位置のオフセットが存在しないことから低背化が可能であり、かつPLCの設計方針が単純になり、レイアウトが容易に実現可能となる。
一般的な構成の波長選択スイッチの概念図である。 入出力ファイバ、マイクロレンズアレイをPLCに集積した波長選択スイッチの概略構成図であり、(a)は上面図であり、(b)は側面図である。 本発明の一実施形態にかかる波長選択スイッチの構成図であり、(a)は上面図であり、(b)は側面図である。 本発明の一実施形態にかかる波長選択スイッチの光導波路基板を説明するための図である。 本発明の一実施形態にかかる波長選択スイッチの光導波路基板の特性を示す図である。
以下、図面を参照しながら本発明の実施形態について詳細に説明するが、本発明は本実施形態に限定されるものではない。なお、全図を通して同一の符合は同一または相当部分を示すものとする。
図3は、本発明による波長選択スイッチの実施形態の構成を示す図である。図3(a)は上面図であり、(b)は側面図である。
図3に示すように、本実施形態に関る波長選択スイッチは、光導波路基板301、シリンドリカルレンズ302、レンズ303、回折格子304、レンズ305および光偏向素子306を備える。なお、本実施形態の説明において、光導波路基板301の基板厚さ方向をX軸、光導波路基板301から出射される信号光の光軸方向をZ軸、X軸およびZ軸に垂直な方向(光導波路基板における信号光の進行方向に垂直な方向)をY軸とする。図3において、波長分波するために回折格子304を透過した信号光の主光線は、回折によってX−Z平面内で通常90°程度の角度変換が発生するが、本明細書の中では説明の簡略化のため、信号光の光軸方向を常にZ軸として説明する。
シリンドリカルレンズ302は、X軸に関してパワーを有し信号光に対してX軸方向に作用するが、Y軸には作用しない。シリンドリカルレンズ302は、光導波路基板301から出射される信号光がX軸方向に広がらないように作用する。
レンズ303は、X軸とY軸の両軸に関するパワーを有しており、両軸に対してレンズ作用、すなわち信号光の角度と位置を変換するように作用する。レンズ303は、シリンドリカルレンズ302を透過した信号光に対して、より大きな入射角でレンズ303に入射した信号光が中心位置からより離れた位置から出射するように作用する。また、レンズ303は、回折格子304を透過した信号光に対して、中心位置からより離れた位置に入射した信号光がより大きな出射角度で出射するように作用する。
回折格子304は、レンズ303を透過した信号光を波長毎に分波するように作用する。回折格子304による波長分散軸はX軸方向と一致している。回折格子304を透過した信号光はレンズ305を透過して波長毎に光偏向素子306に集光する。
レンズ305は、レンズ303と同様にX軸とY軸の両軸に関するパワーを有する。レンズ305は、回折格子304を透過した信号光に対して、入射位置に応じた角度で出射して光偏光子306に集光するように作用する。また、レンズ305は、光偏光子により反射された信号光に対して、入射角度に応じた出射位置から回折格子304へ向けて出射するように作用する。
光偏向素子306は、各波長の光信号に対して、所望の出力ポートに最適に結合するような角度で反射するように作用する。光偏向素子306は、MEMS技術によるマイクロミラーアレイ、液晶セルアレイ、DMD、LCOSなどとすることができ、これらによって目的とする出力ポートに最適化された角度で各波長の信号光を反射する。
なお、本実施形態における説明ではレンズ系としてシリンドリカルレンズ302ならびにレンズ303および305をこの順番に用いているが、同様の光学特性を有する構成であれば何枚のレンズを用いても構わず、またどのような配置を用いても問題はない。また回折格子304に関して、入射光と回折光の光路が比較的近い配置となる構成をとった場合は、レンズ303およびレンズ305を同一のレンズとすることも可能である。
図4は、光導波路基板301の詳細を示す。図4に示すように、光導波路基板301は、入力導波路401と、少なくとも一つの出力導波路402と、入力導波路401および出力導波路402が接続されたスラブ導波路403と、スラブ導波路403に接続されたアレイ導波路404とを備える。
ここで、本実施形態においては、入力導波路401は1本、出力導波路402はN本(Nは整数)として説明しているが、光の相反性の原理から、入力導波路401はN本、出力導波路402は1本というような構成で波長選択スイッチを用いても全く問題ない。入力導波路と出力導波路の差分は物理的には存在せず、どの導波路から光を入射させ、どの導波路から出力させるか、という設定のみの違いである点に留意されたい。
入力導波路401および出力導波路402については、各々の導波路から信号光が出射され、スラブ導波路403内を伝播する際の主光線が、スラブ導波路403の終端におけるある一点にて交わるように、入力導波路401および出力導波路402の設置角度が決められる。これは、任意の出力導波路からスラブ導波路403へ入射された信号光の主光線と、入力導波路からスラブ導波路403へ入射された信号光の主光線とが、スラブ導波路403の終端の一点で交わりアレイ導波路404中の同一の導波路を伝搬して光導波路基板301における同一の位置から出力されること、あるいは入力導波路および出力導波路の各々から延長した直線がスラブ導波路403の反対側の端面で一点に交わりアレイ導波路404中の同一の導波路を伝搬して光導波路基板301における同一の位置から出力されるように、入力導波路および出力導波路が作製されているということを意味する。この構造により、光導波路基板301の出射端においてはあらゆる角度からの光が重畳され、Y軸方向における位置のオフセットが発生しなくなるため、光導波路基板301の小型化が可能になる。
本発明の波長選択スイッチの動作は以下のとおりである。まず入力導波路401に入力された信号光(波長多重光信号)は、スラブ導波路403において、X軸方向には閉じ込められたまま、光導波路基板301の面内で広がるように導波路を伝播する。この広がる信号光の波面は伝播距離に応じた曲率を有するため、スラブ導波路403の終端はこの波面の曲率と一致するような形状で構成される。スラブ導波路403の終端には各々の長さが等しいアレイ導波路404が接続されている。ここで、光導波路基板301の端面のうち、アレイ導波路404が接続している端面はY軸と一致している。この構成をとるとき、アレイ導波路404から空間に出力された光信号は、Y軸方向に位相が揃った平面波として出力されるため、Y軸方向に関してコリメートされたビームとして空間を伝播する。ここで、この空間に出力されたビームは光導波路基板301の基板厚さ方向、すなわちX軸方向に関しては大きなNAを有する発散光として振舞うため、X軸方向に関してコリメートするよう、シリンドリカルレンズ302によってビームの発散を抑制することが望ましい。シリンドリカルレンズ302を通過した光信号は、レンズ303を通過し、回折格子304上に集光される。回折格子304で波長ごとに角度分波された各信号光は、さらにレンズ305を通過することで、それぞれの波長ごとに角度位置変換されて光偏向素子306に対して垂直に入射して光偏向素子306上に集光する。信号光はそれぞれ波長ごとに光偏向素子306によって任意の角度にて反射され、再びレンズ305、回折格子304、レンズ303、シリンドリカルレンズ302を介して光導波路基板301に再結合する。ここで、入力ポートから出射されスラブ導波路403を導波した信号光の主光線と、光偏向素子306によって偏向された反射光が光導波路基板301に入射する際の主光線とのなす角をθ、光導波路基板301の端面におけるアレイ導波路404のピッチをd、スラブ導波路403に接続するアレイ導波路404のピッチをd、スラブ導波路403の長さをfslab、入力導波路401とスラブ導波路403の接続点から、出力導波路402とスラブ導波路403の接続点までの距離をd、さらにスラブ導波路403の屈折率をnとすると、スラブ導波路403内において、入力ポート(入力導波路401)から出射された信号光の主光線と、光偏向素子306によって偏向された反射光が光導波路基板301に入射する際の主光線とのなす角をθは以下の式1のように表すことができる。
Figure 2014035377
式1から明らかなとおり、角度θにて光導波路基板301に再結合した光は、入力導波路401とスラブ導波路403の接続点から距離dだけ離れ、かつθの角度を有するようにスラブ導波路403に接続された出力導波路402のみに導かれるため、スイッチング動作が可能となる。
また式1から、光導波路基板301の端面におけるアレイ導波路404のピッチd、およびスラブ導波路403に接続するアレイ導波路404のピッチdの比に応じてθはエンハンスされることが分かる。すなわち、光偏向素子306によって偏向される角度θが小さくても、スラブ導波路403内で大きな角度変化を付けることができ、出力ポート数の向上が実現できる。ただし、ピッチdを広く、ピッチdを狭く設計することで角度エンハンス効果が生じるが、一方でピッチdに依存するFSR(free spectral range)の問題が表れる。アレイ導波路404の終端において、各導波路からの光の干渉条件は以下の式2にて表すことができる。
Figure 2014035377
式中におけるnairは空気の屈折率、mは回折次数、λは信号光の波長を表す。波長λ=1.59μm、屈折率nair=1、ピッチd=10μmとすると、次数m=1のときに取りうる最大のθ、すなわちFSRは9.149deg(±4.574deg)と算出される。従って、これ以上大きなθを設定しても高次回折が発生することになり、所望の出力導波路に信号光が結合しないことが明確である。そこで、前術の角度エンハンス構成を用いる際には、式2における次数m=1として、下記の式3を満たすようにθを設定することが望ましい。
Figure 2014035377
光導波路基板301上に形成した出射角度の精度について、設計したθおよび測定したθの特性例を図5に示す。本特性例においては、入力導波路と出力導波路の総数は10本であり、9番の導波路を入力導波路と設定し、出力導波路にはそれ以外の9本を割り当てた。このときの入力導波路からの出射角を基準とし、角出力導波路に結合する角度の測定値を黒実線にて、同じく設計値を灰破線にて、また両者の差分を黒破線にて示している。この特性例においては、PLCのレイアウトを調整したのみで、全てのポートに対して誤差が0.005deg以内と非常に高精度な光学特性を、アライメントフリーで実現している。同様の特性を図1に示すような入出力ファイバアレイ101、マイクロレンズアレイ102、集光レンズ103の組み合わせで実現するためには、それぞれにμmオーダーのアライメント調整機構の配備、また高い光学素子作製技術が要求されることになり、実現は容易ではない。
また、通常の工程で作製される入出力ファイバアレイ101は、隣接するポート間距離が一定の構造をとる形態が一般的である。これは不規則なポート間距離を有する入出力ファイバアレイ101およびマイクロレンズアレイ102の作製が技術的に困難であることに起因している。しかし、現実にはこのポート間距離は光偏向素子306によって生じる不要な高次回折光の回避、また各出力導波路からの信号強度が一定になるように任意の強度減衰を与えるために設置するダミーの出力導波路等の配置を考慮して、不規則なポート配置を望む場合も多い。
上記のような、不規則なポート配置を必要とする現象の説明は、例えば非特許文献1に記載がある。光偏向素子306として実際に考えられるデバイスには、MEMSミラーアレイや、液晶セルによるものなどが従来よく用いられてきた。近年では周波数リソースの有効活用という観点から検討が進められているフレキシブルグリッド技術に対応可能であり、任意の位相変化を自在に設定できる利点からLCOSと呼ばれる素子が最も有望な光偏向素子として注目を集めている。LCOSは微細な二次元配置されたピクセル群から構成される、液晶をベースとした位相変調セルアレイである。各ピクセルに対して、それぞれ独立した位相変調量を自由に設定できる点を利用して、一次関数的な位相変調を行うことで光信号を偏向させることができる。ここで注意すべき点として、LCOSの位相変調手段としては液晶を用いていることから、あまりにも大きな位相変調量を設定することはできず、一般的にその上限は2π程度とされる。この制限から、LCOSを光偏向素子として用いる場合には、非特許文献1のFig.1のように、2πごとに位相を折り返す設定を行って、マクロ的に見た際の位相の傾きが所望のものになるよう、調整することが一般的に行われている。
ここで、LCOSを用いて2π折り返し位相設定を行った場合には、非特許文献1におけるFig.8に記載されたように、位相が隣接するピクセル同士を平滑化して結ぶように、なだらかな位相変調領域が発生する。これは各ピクセルに配置された電極にて生じる電界が隣接する電極へ相互作用をもたらすことで生じる現象である。この相互作用が本来意図する偏向方向以外へ光を回折させる成分を発生させる、すなわち高次回折光を生じさせる原因である。高次回折光は本来光信号が出射されるべき出力ポート以外へ結合してしまう懸念、すなわちポート間のクロストーク劣化を防ぐ必要がある。このため、不要な高次回折光からの干渉を防ぐため、ポート間距離を一定に保たず、不規則なポート配置を行うことも有効である。
前述のファイバアレイ101およびマイクロレンズアレイ102の組み合わせでは、隣接する各ポート間の角度差について非線形となる、複雑な構造に対応することは困難である。その点、本特性例においては、光導波路基板設計時に出力導波路402のパラメータを変更するのみで、非常に複雑な構造でも追加部材を全く必要とせず実現することが可能という利点も有している。
本実施形態の波長選択スイッチにおけるスイッチング動作は、回折格子304、レンズ305によって光偏向素子306上に各波長の光が異なる位置に集光されていることから、光偏向素子306としては波長ごとに所望の偏向角にて信号光を反射させることができる構造することで波長選択的なポート切り替えが可能となる。このような機能を実現する光偏向素子306の例としては、MEMS技術によるマイクロミラーアレイ、液晶セルアレイ、DMD、LCOSなどが代表的なものとして挙げられる。特にMEMSアレイでは偏向角を大きくとることができるため、出力ポート数の増加が期待できる。またLCOSやDMDなど、多数の微細な画素が二次元的に配列されている偏向素子を用いた際には、素子の設定偏向のみで波長間隔を自在に調整することが可能であり、波長リソースの利用効率向上が可能である。
なお、通常、デバイス内では、波長選択スイッチは立てて用いられるため、光導波路基板210のY軸方向の幅を小さくすること(デバイスの低背化)が課題となる。本実施形態の波長選択スイッチによれば、上述したようにY軸方向の幅を抑制することが可能となり、デバイスの低背化が可能となる。
301 光導波路基板
302 シリンドリカルレンズ
303,305 レンズ
304 回折格子
306 光偏向素子
401 入力導波路
402 出力導波路
403 スラブ導波路
404 アレイ導波路

Claims (3)

  1. 少なくとも1つの入力導波路、少なくとも1つの出力導波路、前記入力導波路および出力導波路と同一の終端部で接続されたスラブ導波路、および前記スラブ導波路に接続されたアレイ導波路からなるアレイ導波路格子を含む光導波路基板と、
    前記アレイ導波路から出射した波長多重光信号を波長分離する分光手段と、
    レンズと、
    前記レンズにより集光された前記波長分離された光信号に独立に位相シフトを与え、当該位相シフトが与えられた光信号が前記レンズおよび前記分光手段を介して前記アレイ導波路に再結合するように反射する光偏向手段と
    を備え、
    前記入力導波路および前記出力導波路の各々から信号光を入力したときに、当該信号光の主光線の各々が前記光導波路基板における同一の位置から出力されることを特徴とする波長選択スイッチ。
  2. 前記アレイ導波路は、
    前記スラブ導波路側の間隔が前記分光手段側の間隔よりも小さく、かつ
    前記アレイ導波路に前記光偏向手段側から入射する光信号の入射角度θ、空気の屈折率nairおよび前記信号光の波長λを用いて、以下に掲げる式
    を満たすことを特徴とする特徴とする請求項1に記載の波長選択スイッチ。
    Figure 2014035377
  3. 前記スラブ導波路の前記終端部分において、前記入力導波路および前記出力導波路におけるそれぞれの配置距離がすべて同一ではないことを特徴とする請求項1または2に記載の波長選択スイッチ。
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