JP2014035121A - 断熱箱体及びこの断熱箱体を備えた冷蔵庫 - Google Patents

断熱箱体及びこの断熱箱体を備えた冷蔵庫 Download PDF

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Abstract

【課題】断熱性能を向上させても、外箱と内箱との間に発泡断熱材を発泡充填する際、背面板と側面板との接合部から発泡断熱材が漏れ出してしまうことを防止できる断熱箱体を得る。
【解決手段】断熱箱体50の外箱51の側面板11の後端部には後方に開口した断面略U字状の係合凹部12が形成されている。外箱51の背面板1は側面板11側に延設されたフランジ5を備え、フランジ5は、係合凹部12に挿入される挿入部3と、係合凹部12から突き出る非挿入部4と、を有している。挿入部3は、階段状に折り曲げられた折り曲げ部3a、折り曲げ部3aよりも非挿入部4側に設けられた基端側板部3b及び折り曲げ部3aよりも先端側に設けられた先端側板部3cで構成されている。挿入部3の基端側板部3bは係合凹部12内において側面部12aと接触し、先端側板部3cは係合凹部12内において側面部12bと接触する。
【選択図】図4

Description

本発明は、断熱箱体及びこの断熱箱体を備えた冷蔵庫に関し、特に外箱を構成する側面板及び天井板と背面板との間から発泡断熱材が漏れることを防止する断熱箱体及びこの断熱箱体を備えた冷蔵庫に関する。
従来の冷蔵庫の外郭は、断熱箱体で構成されている。この断熱箱体は、外箱、内箱、及びこれらの間の空間に充填された発泡断熱材を備えている。また、従来の断熱箱体には、外箱の側面板、天面板、底板及び背面板を別部材で形成し、これらを接合して外箱を形成するものがある。例えば、側面板及び天面板と背面板との接合構造としては、特許文献1に開示されているものがある。
特開2003−343972号公報(図4,6)
図6は、従来の冷蔵庫における側面板と背面板との接合構造を示す断面図である。なお、2点鎖線で示す基板部102の位置が、従来の背面板101の基板部102の位置である。
従来の冷蔵庫は、外箱の側面板111の後端部(背面板101側端部)を内側に複数回折り曲げ、側面板111の後端部に、後方に開口した断面略U字状の係合凹部112を形成している。一方、外箱の背面板101には、基板部102の端部から側面板111側へ、フランジ103が延設されている。そして、側面板111の係合凹部112に背面板101のフランジ103を挿入することにより、側面板111と背面板101は接合される。このとき、側面板111と背面板101とは、2カ所の接触部121,122で接触している。詳しくは、接触部121は、背面板101のフランジ103の先端部が側面板111の係合凹部112内と接触する箇所である。また、接触部122は、背面板101における基板部102とフランジ103の接続部近傍が側面板111の係合凹部112の先端部(係合凹部112の外部)と接触する箇所である。
このような従来の側面板111と背面板101との接合構造を用いた断熱箱体において断熱性能を向上させようとした場合、背面板101を後方に配置して、背面板101の端部に断熱材を充填することが考えられる。このような場合、背面板101の基板部102を後方に移動させて断熱材の充填スペースを設ける必要がある。つまり、図6において、背面板101の基板部102の位置を、2点鎖線で示す位置から実線で示す位置に移動させる必要がある。このため、背面板101のフランジ103に、係合凹部112に挿入されない非挿入部104を例えば側面板111と略平行に形成する必要がある。しかしながら、従来の側面板111と背面板101との接合構造を用いた断熱箱体において前記のような非挿入部104を設けた場合、係合凹部112の外部で背面板101と側面板111とが接触していた接触部122の接触面積が、小さくなってしまう。このため、従来の冷蔵庫において断熱箱体の断熱性能を向上させようとした場合、外箱と内箱との間に発泡断熱材を発泡充填する際、背面板101と側面板111との接合部から発泡断熱材が漏れ出してしまうという問題点があった。
本発明は、上記の問題点を解決するためになされたもので、断熱性能を向上させても、外箱と内箱との間に発泡断熱材を発泡充填する際、背面板と側面板との接合部から発泡断熱材が漏れ出してしまうことを防止できる断熱箱体、及びこの断熱箱体を備えた冷蔵庫を得ることを目的とする。
本発明に係る断熱箱体は、内箱及び外箱を有し、前記内箱と前記外箱との間の空間に少なくとも発泡断熱材が充填された断熱箱体であって、前記外箱の側面板及び天井板の背面板側端部である後端部は、内側に複数回折り曲げられて、該後端部には後方に開口した断面略U字状の係合凹部が形成され、前記外箱の背面板は、前記側面板及び前記天井板側に延設されたフランジを備え、前記フランジは、前記係合凹部に挿入される挿入部と、前記係合凹部から突き出る非挿入部と、を有し、前記挿入部は、階段状に折り曲げられた折り曲げ部、該折り曲げ部よりも前記非挿入部側に設けられた基端側板部、及び、前記折り曲げ部よりも先端側に設けられた先端側板部で構成され、前記挿入部の前記基端側板部及び前記先端側板部のうちの一方は、前記係合凹部内において、前記係合凹部の一方の側面部と接触し、前記挿入部の前記基端側板部及び前記先端側板部のうちの他方は、前記係合凹部内において、前記係合凹部の他方の側面部と接触するものである。
また、本発明に係る冷蔵庫は、本発明に係る断熱箱体を備えたものである。
本発明は、側面板の係合凹部に挿入されない非挿入部を背面板のフランジに設けているので、背面板の端部に断熱材の充填スペースを設けることができる。このため、本発明は、断熱箱体の断熱性能を向上させることができる。この際、本発明は、背面板のフランジの挿入部が側面板の係合凹部内の2カ所で接触しているので、側面板と背面板との接合部において両者の接触面積を十分に確保することができる。このため、本発明は、外箱と内箱との間に発泡断熱材を発泡充填する際、背面板と側面板との接合部から発泡断熱材が漏れ出してしまうことも防止できる。
本発明の実施の形態1に係る冷蔵庫を示す側面断面図である。 本実施の形態1に係る外箱を示す分解斜視図である。 本実施の形態1に係る外箱を示す組立斜視図である。 本実施の形態1に係る側面板と背面板との接続構造を示す断面図であり、図3のZ−Z断面図である。 本発明の実施の形態2に係る冷蔵庫の側面板と背面板との接続構造を示す断面図である。 従来の冷蔵庫における側面板と背面板との接合構造を示す断面図である。
実施の形態1.
図1は、本発明の実施の形態1に係る冷蔵庫を示す側面断面図である。なお、図1の左側が冷蔵庫90の前面側となる。
本実施の形態1に係る冷蔵庫90は、冷蔵庫90の外殻となる断熱箱体50を備えている。この断熱箱体50は、主に断熱箱体50の外周面を形成する外箱51と、主に断熱箱体50の内周面を形成する内箱52と、外箱51の内周側と内箱52の外周側との間の空間に充填された真空断熱材53及び発泡断熱材54(例えば硬質ウレタンフォーム)と、を備えている。このように構成された断熱箱体50は、その内部(つまり内箱52の内周側)が仕切板55によって温度帯が異なるいくつかの貯蔵室(冷蔵室、冷凍室、野菜室及び製氷室等)に区画されている。これら各貯蔵室は前方が開口しており、各貯蔵室の前方の開口部は、扉56で開閉自在に閉塞されている。また、断熱箱体50には、背面側に冷却器57が設けられている。この冷却器57で冷却された冷気は、ダクトを介して各貯蔵室に導入される。
また、本実施の形態1に係る冷蔵庫90は、断熱箱体50の外箱51が次のように構成されている。
図2は、本実施の形態1に係る外箱を示す分解斜視図である。また、図3は、この外箱を示す組立斜視図である。
図2及び図3に示すように、本実施の形態1に係る外箱51は、一体形成された側面板11と天井板30を備えている。そして、一体形成された側面板11及び天井板30に背面板1や図示せぬ底面部等を接合することにより、外箱51は製作される。なお、側面板11と天井板30を別部品として構成しても勿論よい。
ここで、本実施の形態1では、側面板11及び天井板30と背面板1とを次のように接合している。なお、天井板30と背面板1との接合構造は、側面板11と背面板1との接合構造と同様の構成となっている。このため、以下では、側面板11と背面板1との接合構造について説明する。
図4は、本実施の形態1に係る側面板と背面板との接続構造を示す断面図であり、図3のZ−Z断面図である。
側面板11の後端部(背面板1側端部)は、内側に複数回折り曲げられている。これにより、側面板11の後端部には、後方に開口した断面略U字状の係合凹部12が形成されている。一方、背面板1には、基板部2の端部から側面板11側へ、フランジ5が延設されている。また、フランジ5は、係合凹部12に挿入される挿入部3と、係合凹部から突き出る非挿入部4と、で構成されている。なお、本実施の形態1では、側面板11と略平行な平板形状に非挿入部4を形成している。フランジ5に非挿入部4を設けることにより、背面板1の基板部2が後方に移動するので、背面板1の端部(換言すると、側面板11の後方)に真空断熱材53や発泡断熱材54を設けるスペースを確保することができる。このため、断熱箱体50の断熱性能を向上させることができる。
また、背面板1のフランジ5の挿入部3は、階段状に折り曲げられた折り曲げ部3a、折り曲げ部3aよりも非挿入部4側に設けられた基端側板部3b、及び、折り曲げ部3aよりも先端側に設けられた先端側板部3cで構成されている。挿入部3をこのような構成にすることにより、挿入部3は、折り曲げ部3a内の2カ所の接触部21,22で接触することとなる。詳しくは、基端側板部3bは、係合凹部12の側面部12a(内箱52側に設けられた側面部、本発明の内側側面部に相当)の内面部に接触する(接触部22)。また、先端側板部3cは、係合凹部12の側面部12b(側面部12aよりも内箱52から離れた側面部、本発明の外側側面部に相当)の内面部に接触する(接触部22)。そして、これら接触部21,22により、背面板1と側面板11とが接合されている。
上記のように構成された外箱51を用いて断熱箱体50を形成する場合、以下のような工程となる。まず、側面板11及び天井板30の係合凹部12に、背面板1のフランジ5の挿入部3を挿入し、側面板11及び天井板30と背面板1とを接合する。また、これらに、図示せぬ底面部等を取り付け、外箱51を製作する。そして、外箱51及び内箱52の所定の位置に真空断熱材を貼り付け、外箱51と内箱52とを組み合わせる。その後、例えば背面板1に設けられた注入口1a(図3参照)から、外箱51と内箱52との間の空間に発泡断熱材54の原液を注入して発泡させ、外箱51と内箱52との間の空間に発泡断熱材54を充填する。
外箱51と内箱52との間の空間に発泡断熱材54を発泡充填する際、背面板1と側面板11には、発泡断熱材54の膨張に伴う圧力がかかる。詳しくは、係合凹部12の側面部12aと基端側板部3bが接触する接触部22に、側面板11と略垂直で側面板11側に向かう圧力がかかる。このとき、本実施の形態1に係る接合構成は、背面板1のフランジ5の挿入部3が、折り曲げ部3a内の2カ所で当該折り曲げ部3aと接触している。このため、接触部22で挿入部3の基端側板部3bにかかった側面板11方向の圧力は、接触部21においては、挿入部3の先端側板部3cを係合凹部12の側面部12bに押し付ける方向に作用する。したがって、本実施の形態1に係る接合構造は、発泡断熱材54の発泡充填時、側面板11と背面板1との接触面積が大きくなり、両者の接合強度が大きくなる。つまり、本実施の形態1に係る接合構造は、発泡断熱材54の発泡充填時、側面板11と背面板1とがずれない構造となっており、側面板11と背面板1との接合部から発泡断熱材54が漏れることを防止できる。
以上、本実施の形態1のように構成された断熱箱体50及び当該断熱箱体50を備えた冷蔵庫90においては、背面板1のフランジ5に非挿入部4を設けているので、背面板1の端部に真空断熱材53や発泡断熱材54を設けるスペースを確保することができ、断熱箱体50の断熱性能を向上させることができる。また、本実施の形態1のように構成された断熱箱体50及び当該断熱箱体50を備えた冷蔵庫90は、上記のような接合構造で側面板11と背面板1とを接合しているので、背面板1の端部に真空断熱材53や発泡断熱材54を設けるスペースを確保しても、発泡断熱材54を発泡充填する際に側面板11と背面板1との接合部から発泡断熱材54が漏れることを防止できる。
なお、本実施の形態1では、外箱51と内箱52との間の空間に真空断熱材53及び発泡断熱材54の双方を設けた。これにかぎらず、外箱51と内箱52との間の空間に発泡断熱材54のみを設けた断熱箱体及び冷蔵庫においても、本発明を実施することができる。
実施の形態2.
背面板1のフランジ5に設けられた非挿入部4の形状は、実施の形態1で示した形状に限定されるものではない。例えば以下のように非挿入部4を形成してもよい。なお、本実施の形態2に係る冷蔵庫90は、非挿入部4の形状以外、実施の形態1で示した冷蔵庫90と同じ構成である。このため、以下では、本実施の形態2に係る非挿入部4の形状を中心に説明するものとし、本実施の形態2で記載されていない構成は実施の形態1と同様とする。
図5は、本発明の実施の形態2に係る冷蔵庫の側面板と背面板との接続構造を示す断面図である。この図は、図3のZ−Z断面位置での断面図である。
図5に示すように、本実施の形態2では、背面板1のフランジ5に設けられた非挿入部4を、第1の非挿入部4aと第2の非挿入部4bとで構成している。第1の非挿入部4aは、側面板11と略同一面に配置され、略平板形状をしている。第2の非挿入部4bは、第1の非挿入部4aと挿入部3とを連結するものである。この第2の非挿入部4bは、側面板11の係合凹部12の後端部と接触部23において接触している。このように非挿入部4を構成することにより、背面板1の端部において真空断熱材53や発泡断熱材54を設けるスペースを拡大することができ、実施の形態1よりも断熱箱体50の断熱性能をさらに向上させることができる。
また、本実施の形態2のように非挿入部4を構成することにより、実施の形態1と比べ、側面板11と背面板1との接合強度をさらに向上させることもできる。
詳しくは、本実施の形態2では、背面板1のフランジ5の挿入部3の構成及び側面板11の係合凹部12の構成が、実施の形態1と同様になっている。このため、挿入部3と係合凹部12との間の接合強度は、本実施の形態2と実施の形態1とで同様となる。さらに、本実施の形態2では、第2の非挿入部4bと側面板11の係合凹部12の後端部とが接触する接触部23を備えている。このため、側面板11の後端部と背面板1の基板部2との間に膨張してきた発泡断熱材54の圧力は、接触部23において、第2の非挿入部4bを側面板11の係合凹部12の後端部に押し付ける方向に作用する。このため、本実施の形態2のように非挿入部4を構成することにより、接触部23においても側面板11と背面板1との接合強度が向上する。
以上、本実施の形態2のように冷蔵庫90を構成することにより、実施の形態1と比べ、断熱箱体50の断熱性能をさらに向上させることができる。また、本実施の形態2のように冷蔵庫90を構成することにより、実施の形態1と比べ、背面板1と側面板11との接合強度をより向上させることができるので、発泡断熱材54を発泡充填する際に側面板11と背面板1との接合部から発泡断熱材54が漏れることをさらに防止できる。
さらに、本実施の形態2のように非挿入部4を構成することにより、第1の非挿入部4aの前後方向の長さを変更することで、冷蔵庫90の奥行きを変更することができる。このため、側面板11の形状を変えることなく、寸法違いの冷蔵庫90を製作することもできる。
1 背面板、1a 注入口、2 基板部、3 挿入部、3a 折り曲げ部、3b 基端側板部、3c 先端側板部、4 非挿入部、4a 第1の非挿入部、4b 第2の非挿入部、5 フランジ、11 側面板、12 係合凹部、12a 側面部、12b 側面部、21 接触部、22 接触部、23 接触部、30 天井板、50 断熱箱体、51 外箱、52 内箱、53 真空断熱材、54 発泡断熱材、55 仕切板、56 扉、57 冷却器、90 冷蔵庫、101 背面板(従来)、102 基板部(従来)、103 フランジ(従来)、104 非挿入部、111 側面板(従来)、112 係合凹部(従来)、121 接触部(従来)、122 接触部(従来)。

Claims (4)

  1. 内箱及び外箱を有し、前記内箱と前記外箱との間の空間に少なくとも発泡断熱材が充填された断熱箱体であって、
    前記外箱の側面板及び天井板の背面板側端部である後端部は、内側に複数回折り曲げられて、該後端部には後方に開口した断面略U字状の係合凹部が形成され、
    前記外箱の背面板は、前記側面板及び前記天井板側に延設されたフランジを備え、
    前記フランジは、前記係合凹部に挿入される挿入部と、前記係合凹部から突き出る非挿入部と、を有し、
    前記挿入部は、階段状に折り曲げられた折り曲げ部、該折り曲げ部よりも前記非挿入部側に設けられた基端側板部、及び、前記折り曲げ部よりも先端側に設けられた先端側板部で構成され、
    前記挿入部の前記基端側板部及び前記先端側板部のうちの一方は、前記係合凹部内において、前記係合凹部の一方の側面部と接触し、
    前記挿入部の前記基端側板部及び前記先端側板部のうちの他方は、前記係合凹部内において、前記係合凹部の他方の側面部と接触することを特徴とする断熱箱体。
  2. 前記背面板の前記フランジの前記非挿入部は、
    前記側面板及び前記天井板と略同一面に配置される第1の非挿入部と、
    前記第1の非挿入部と前記挿入部とを連結し、前記係合凹部の後端部と接触する第2の非挿入部と、
    を備えたことを特徴とする請求項1に記載の断熱箱体。
  3. 前記挿入部の前記基端側板部は、前記係合凹部の側面部のうち、前記内箱側に設けられた内側側面部に接触し、
    前記挿入部の前記先端側板部は、前記係合凹部の側面部のうち、前記内側側面部よりも前記内箱から離れた側に設けられた外側側面部に接触することを特徴とする請求項1又は請求項2に記載の断熱箱体。
  4. 請求項1〜請求項3のいずれか一項に記載の断熱箱体を備えたことを特徴とする冷蔵庫。
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