JP2014034387A - 車両衝突判定装置 - Google Patents

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Abstract

【課題】車体変形を伴う激し衝突と飛石やハンマリングなどの局所打撃とを判別して、乗員保護性能を向上させる。
【解決手段】車両衝突判定装置は、衝突時に車両に生じる高周波振動と、該高周波振動より低い帯域の低周波振動とを検出する振動検出手段11、12と、低周波振動の一次積分値及び二次積分値を2軸とする衝突判定用2次元マップ上において、プリテンショナー3及びエアバッグ2の起動を必要とする衝突が発生したか否か判定するための2次元的に設定された衝突判定閾値を高周波振動及び低周波振動の検出結果に基づいて可変する衝突判定手段15,17とを備える。
【選択図】図1

Description

本発明は、車両衝突判定装置に関する。
一般的に、車両衝突時に乗員を保護するためのシステムとして、SRS(Supplemental Restraint System)エアバッグシステムが知られている。このSRSエアバッグシステムとは、車両の各部に設置された加速度センサから取得した加速度データを基に、車両衝突の発生を検知してエアバッグ等の乗員保護装置を起動するものである。
以下の特許文献1には、車両中央部に設置されたSRSユニット(SRSエアバッグシステムを統括制御するECU)内に設置されたユニットセンサに加えて、車両前部に設置された複数のフロントクラッシュセンサを備えるSRSエアバッグシステムが開示されている。このシステムでは、ユニットセンサとフロントクラッシュセンサとから得られる加速度データに基づいて、前面衝突(正面衝突、オフセット衝突、斜突を含む)が発生したか否かの判定を行い、その判定結果に応じて乗員保護装置の起動制御を行っている。
また、近年では、音響センサを用いて衝突時の車体変形に起因して発生する衝撃音を検出し、その検出結果を基に衝突判定を行うCISS(Crash Impact Sound Sensing)技術の開発が進んでいる。以下の特許文献2には、バルク音波センサを用いて車両衝突時に車体要素(サイドメンバー)に発生するトランスバーサル方向のバルク音波の振れを検出し、その検出結果を基に衝突判定を行う技術が開示されている。
尚、上述した加速度センサ及び音響センサは、共に振動を検出する振動センサに属するものであるが、検出対象振動の周波数帯域が異なる。一般的に、加速度センサは、周波数帯域0Hz〜500Hzの低周波振動を検出して加速度データとして出力し、音響センサは、周波数帯域5kHz〜20kHz(音響帯域)の高周波振動を検出して音響データとして出力する。
特開平10−287203号公報 特表2001−519268号公報
ところで、上述した特許文献1において、ユニットセンサに加えてフロントクラッシュセンサを用いるのは、車両の衝突モードが、乗員保護装置の起動が必要なモードであるのか、或いは、乗員保護装置の起動が不要なモードであるのかを迅速且つ正確に判定するためである。尚、乗員保護装置の起動が必要な衝突モードは、例えば高速オフセット衝突であり、乗員保護装置の起動が不要な衝突モードは、例えば低速オフセット衝突である。
具体的に、ユニットセンサは前面衝突時の車体変形が小さい車両中央部に設置されているため、衝突発生時点から衝突モードを正確に判別できる程の大きな差がセンサ出力に現れるまで長い時間(約40ms以上)を要する。ここで、乗員保護の観点から、乗員保護装置の起動は衝突発生時点から20〜30msの間であることが理想とされているため、ユニットセンサだけでは要求される乗員保護性能を満足できない。そこで、従来は、前面衝突時の車体変形が大きい車両前部にフロントクラッシュセンサを設けることで、迅速且つ正確な衝突判定を実現している。
フロントクラッシュセンサはシステムコストの上昇を招く要因となっているため、SRSユニットに内蔵されたユニットセンサのみで衝突判定を行うことが理想であるが、上記のようにユニットセンサだけでは要求される乗員保護性能を満足できない。そこで、ユニットセンサとして加速度センサの代わりに音響センサを用いることで、フロントクラッシュセンサを不要とするシステムの構築が試みられている。音響センサから得られる音響データは、車体が変形(損壊)する特徴を捉えやすい傾向があり、衝突モードの判別も容易で、迅速且つ正確な衝突判定の実現に有効であると考えられる。
しかしながら、本出願人による衝突試験の結果、車体に対する飛石やハンマリングなどの局所打撃によって大きな構造音が発生することが確認されており、音響センサから得られる音響データだけで衝突判定を行う場合、車体変形を伴う激し衝突と車体に対する飛石やハンマリングなどの局所打撃とを判別することが困難であるため、衝突判定精度が安定せずに、乗員保護性能の低下につながる恐れがある。
本発明は、上述した事情に鑑みてなされたものであり、車体変形を伴う激し衝突と飛石やハンマリングなどの局所打撃とを判別して、乗員保護性能を向上させることを目的とする。
上記目的を達成するために、本発明では、第1の解決手段として、衝突時に車両に生じる高周波振動と、該高周波振動より低い帯域の低周波振動とを検出する振動検出手段と、低周波振動の一次積分値及び二次積分値を2軸とする衝突判定用2次元マップ上において、プリテンショナー及びエアバッグの起動を必要とする衝突が発生したか否か判定するための2次元的に設定された衝突判定閾値を高周波振動及び低周波振動の検出結果に基づいて可変する衝突判定手段とを備える、
本発明では、第2の解決手段として、上記第1の解決手段において、衝突判定手段は、高周波振動及び低周波振動の検出結果に基づいて衝突判定閾値を高閾値から低閾値に切り替えると共に乗員保護装置であるプリテンショナー及びエアバッグのプリテンショナーのみの起動を必要とする衝突が発生したことを判定するための第1の閾値とプリテンショナー及びエアバッグ両方の起動を必要とする衝突が発生したことを判定するための第2の閾値とを低閾値として設定する、という手段を採用する。
本発明では、第3の解決手段として、上記第1または第2の解決手段において、振動検出手段は、高周波振動として周波数帯域5kHz〜20kHzの振動を検出する第1振動センサと、低周波振動として周波数帯域0Hz〜500Hzの振動を検出する第2振動センサとを備える、という手段を採用する。
本発明では、第4の解決手段として、上記第1または第2の解決手段において、振動検出手段は、高周波振動及び低周波振動を含む広帯域振動を検出するものであり、振動検出手段によって検出された広帯域振動から高周波振動として周波数帯域5kHz〜20kHzの振動を抽出する第1抽出手段と、振動検出手段によって検出された広帯域振動から低周波振動として周波数帯域0Hz〜500Hzの振動を抽出する第2抽出手段とを備える、という手段を採用する。
本発明では、第5の解決手段として、上記第1〜第4のいずれか1つの解決手段において、衝突判定手段は、高周波振動の演算値及び低周波振動の二次積分値を2軸とする閾値切替用2次元マップ上において演算値及び二次積分値が2次元的に設定された切替判定閾値を超える場合に、衝突判定用2次元マップ上において、衝突判定閾値を高閾値から低閾値に切り替える、という手段を採用する。
本発明では、第6の解決手段として、上記第1〜第4のいずれか1つの解決手段において、衝突判定手段は、高周波振動の演算値及び低周波振動の二次積分値を算出し、高周波振動の演算値が第1の切替判定閾値を超え、且つ低周波振動の二次積分値が第2衝突判定閾値を超えた場合に、衝突判定用2次元マップ上において、衝突判定閾値を高閾値から低閾値に切り替える、という手段を採用する。
本発明では、第7の解決手段として、上記第5または第6のいずれか1つの解決手段において、衝突判定手段は、高周波振動の演算値として、高周波振動の絶対値を区間積分することで高周波振動のエネルギー量を算出する、という手段を採用する。
本発明では、第8の解決手段として、上記第5または第6のいずれか1つの解決手段において、衝突判定手段は、高周波振動の演算値として、高周波振動の絶対値のエンベロープを区間積分することで高周波振動のエネルギー量を算出する、という手段を採用する。
車両に生じる高周波振動には、衝突時に車体が変形(損壊)する際に発生する構造音の他、車体変形を伴わない飛石やハンマリングなどの局所打撃による構造音も含まれているため、乗員保護装置の起動が必要な衝突による構造音と、乗員保護装置の起動が不要な局所打撃による構造音とを正確に判別する必要がある。この判別には、車両に生じる低い帯域の低周波振動を利用することができる。この低周波振動は、衝突によって車両に生じる減速度を捉えやすいという特徴がある。衝突が発生した場合には車両に大きな減速度が生じるが、局所打撃が発生した場合には小さな減速度が生じるのみである。つまり、本発明によれば、衝突判定用2次元マップおいて、車両に生じる高周波振動及び低周波振動の検出結果に基づいて衝突判定閾値を可変するので、乗員保護装置の起動を必要とする衝突(車体変形を伴う衝突)と、乗員保護装置の起動が不要な局所打撃とを判別して、乗員保護性能を向上することができる。
本発明の一実施形態のSRSエアバッグシステム及びSRSユニット1の要部構成を示すブロック図である。 本発明の一実施形態のエネルギー算出部13の詳細構成図(a)及び変形例(b)である。 本発明の一実施形態に用いられるS−E2次元マップ(閾値切替用2次元マップ)及びS−V2次元マップ(衝突判定用2次元マップ)を示す図である。
以下、図面を参照して、本発明の一実施形態について説明する。
図1(a)は、本実施形態のSRSエアバッグシステムの構成概略図である。本実施形態におけるSRSエアバッグシステムは、車両100の中央部に設置されたSRSユニット1(車両衝突判定装置)と、車両100の運転席及び助手席にそれぞれ設置されたエアバッグ2及びプリテンショナー3とから構成されている。
SRSユニット1は、内蔵する音響センサ11及び加速度センサ12の出力信号に基づいて、車両100に前面衝突が発生したか否かの判定(衝突判定)を行い、その衝突判定結果に応じてエアバッグ2やプリテンショナー3の起動制御を行うECU(Electronic Control Unit)である。
エアバッグ2は、SRSユニット1からの点火信号に応じて展開し、車両100の前面衝突により乗員が前方に2次衝突することで負う傷害を軽減する乗員保護装置である。
プリテンショナー3は、SRSユニット1からの点火信号に応じて運転席側及び助手席側シートベルトを巻き取り、乗員に対するシートベルトの拘束力を増大させるものである。なお、車両100には、エアバッグ2及びプリテンショナー3の他、サイドエアバッグ等の乗員保護装置も設けられているが、図1(a)では図示を省略している。
図1(b)は、本実施形態におけるSRSユニット1の要部構成を示すブロック図である。図1(b)に示す通り、SRSユニット1は、音響センサ11(第1振動センサ)、加速度センサ12(第2振動センサ)、エネルギー算出部13、二次積分値算出部14、S−Eマップ判定部15、一次積分値算出部16及びS−Vマップ判定部17を備えている。なお、エネルギー算出部13、二次積分値算出部14、S−Eマップ判定部15、一次積分値算出部16及びS−Vマップ判定部17は、本実施形態における衝突判定手段を構成するものである。
音響センサ11は、SRSユニット1に内蔵された振動センサであり、車両100の長さ方向(図中のX軸方向)に生じる音響帯域の高周波振動を検出し、その検出結果を音響データS(t)としてエネルギー算出部13に出力する。具体的に、この音響センサ11は、周波数帯域5kHz〜20kHzの振動(構造音響)を検出する。この音響センサ11から得られる音響データS(t)は、前面衝突によって車両100が変形(損壊)する特徴をよく捉えたものである。
加速度センサ12は、SRSユニット1に内蔵された振動センサであり、車両100の長さ方向(図中のX軸方向)に生じる、上記音響センサ11によって検出される高周波振動より低い帯域の低周波振動を検出し、その検出結果を加速度データG(t)として二次積分値算出部14及び一次積分値算出部16に出力する。具体的に、加速度センサ12は、周波数帯域0Hz〜500Hzの振動を検出する。この加速度センサ12から得られる加速度データは、衝突によって車両100に生じるX軸方向の減速度をよく捉えたものである。
このように、音響センサ11と加速度センサ12との違いは、検出対象振動の周波数帯域が異なるだけであり、どちらも振動センサに属するものである。これらの音響センサ11及び加速度センサ12は、本発明における振動検出手段を構成している。図1(a)に示すように、SRSユニット1において、音響センサ11及び加速度センサ12をそれぞれ別個に設けても良いし、或いは1つのセンサセル内に音響センサ11と加速度センサ12を内蔵するようにしても良い。
エネルギー算出部13は、音響センサ11から入力される音響データS(t)のエネルギー量Eを算出し、その算出したエネルギー量EをS−Eマップ判定部15へ出力する。例えば、エネルギー算出部13は、図2(a)に示すように、絶対値算出部13a及び区間積分部13bを備えている。絶対値算出部13aは、音響センサ11から入力される音響データS(t)の絶対値|S(t)|を算出し、その算出した絶対値|S(t)|を区間積分部13bへ出力する。区間積分部13bは、絶対値算出部13aから入力される絶対値|S(t)|を区間積分することでエネルギー量Eを算出し、その算出したエネルギー量EをS−Eマップ判定部15へ出力する。
本来、音響データのエネルギー量Eは、音響データS(t)の二乗を区間積分すること、つまり、下記(1)式で表されるように、一定時間区間内で{S(t)}を積算することで求めることができるが、本実施形態ではエネルギー量Eの算出処理に掛かる負荷を減らすために、下記(2)式で表されるように、音響データ(S(t))の絶対値|S(t)|を区間積分する(一定時間区間内で積算する)ことにより、近似的にエネルギー量Eを算出する。
E = Σ{S(t)} ・・・(1)
E ≒ Σ|S(t)| ・・・(2)
なお、絶対値算出部13a及び区間積分部13bに加えてエンベロープ出力部13cを設けても良い。このエンベロープ出力部13cは、絶対値算出部13aから入力される音響データの絶対値|S(t)|のエンベロープ|Se(t)|を出力するものである。このようなエンベロープ出力部13cとしては、例えばカットオフ周波数が500Hzに設定されたローパスフィルタを用いることができる。この場合、区間積分部13bは、エンベロープ出力部13cから入力されるエンベロープ|Se(t)|を区間積分することでエネルギー量Eを算出する。
二次積分値算出部14は、加速度センサ12から入力される加速度データG(t)を二次積分(区間積分)することで移動量Sを算出し、その算出結果をS−Eマップ判定部15に出力する。
図3(a)は、S−Eマップ判定部15において用いられるS−E2次元マップ(閾値切替用2次元マップ)を示す図である。
S−Eマップ判定部15は、図3(a)に示すように、音響データのエネルギー量Eを縦軸、移動量Sを横軸とするS−E2次元マップ上において、エネルギー算出部13によって算出されたエネルギー量Eと二次積分値算出部14によって算出された移動量Sとが2次元的に設定された切替判定閾値THを越えたか否か比較し、その比較結果をS−Vマップ判定部17に提供する。具体的には、S−Eマップ判定部15は、比較結果を示すフラグの値を真値(例えば「1」)にセットする。なお、S−Vマップ判定部17は、S−Eマップ判定部15から入力される比較結果に基づいてS−V2次元マップ(図3(b)参照)上の衝突判定閾値を高閾値Nthから低閾値Pth(第1の閾値)、Ath(第2の閾値)に切り替えるが、その詳細については後述する。
上述したS−E2次元マップ上における切替判定閾値THの設定手法は以下の通りである。既に述べたように、音響センサ11から得られる音響データS(t)は、車体が変形(損壊)する特徴を捉えやすい傾向があり、高速オフセット衝突と低速オフセット衝突との判別も容易で、迅速且つ正確な衝突判定の実現に有効である。
なお、移動量Sが大きくなるほど、車両100に発生する構造音響が大きくなるので、仮に横軸方向に延びる切替判定閾値TH(TH1)を一定値とすると、本来ならばS−Vマップ判定部17において高閾値Nthから低閾値Pth、Athへの切り替えが不要な衝突(車体変形が軽微な穏やかな衝突)が発生しているにも拘わらず、切り替えを必要とする衝突(車体変形を伴う激しい衝突)が発生したと誤判定する可能性がある。そこで、このような誤判定を防止するために、図3(a)に示すように、横軸方向に延びる切替判定閾値TH(TH1)は、移動量Sが大きくなるほど高くなるように設定することが望ましい。
一方、音響センサ11から得られる音響データS(t)は、車体変形を伴わない飛石等による局所打撃音を多く含んでいるため、S−Vマップ判定部17において高閾値Nthから低閾値Pth、Athへの切り替えが必要な衝突による衝撃音と、切り替えが不要な局所打撃音とを正確に判別する必要がある。このような衝突による衝撃音と飛石等による局所打撃音との判別には、加速度センサ12から得られる加速度データG(t)を利用することができる。衝突による衝撃音が発生した場合には大きな減速度が生じるが、飛石等による局所打撃音が発生した場合には小さな減速度が生じるのみである。
つまり、図3(a)に示すS−E2次元マップ上において、縦軸方向に延びる切替判定閾値TH(TH2)は、S−Vマップ判定部17において高閾値Nthから低閾値Pth、Athへの切り替えが必要な衝突(車体変形を伴う激しい衝突)と、切り替えが不要な衝突(飛石等による局所打撃)とを判別できるような値に設定されている。尚、飛石等による局所打撃音が大きくなっても、それによる減速度に大きな変化はないため、縦軸方向に延びる切替判定閾値TH(TH2)は、音響データ絶対値|S(t)|に対してほぼ一定値に設定すれば良い。
以上のような手法でS−E2次元マップ上に切替判定閾値THを設定することにより、S−E2次元マップ上には、S−Vマップ判定部17において高閾値Nthから低閾値Pth、Athへの切り替えを行う低閾値設定領域と、切り替えを行わない高閾値設定領域とが形成される。
つまり、図1(b)に示すS−Eマップ判定部15は、エネルギー算出部13にて算出されたエネルギー量Eが切替判定閾値TH(TH1)を超え、且つ二次積分値算出部14にて算出された移動量Sが切替判定閾値TH(TH2)を超えた場合(言い換えれば、エネルギー量Eと移動量Sとの交点が低閾値設定領域に含まれている場合)に、S−Vマップ判定部17において高閾値Nthから低閾値Pth、Athへの切り替えが必要な衝突が発生したと判定する。
一次積分値算出部16は、加速度センサ12から入力される加速度データG(t)を一次積分(区間積分)することで速度Vを算出し、その算出結果をS−Vマップ判定部17に出力する。
図3(b)は、S−Vマップ判定部17において用いられるS−V2次元マップ(衝突判定用2次元マップ)を示す図である。
S−Vマップ判定部17は、図3(b)に示すように、速度Vを縦軸、移動量Sを横軸とするS−V2次元マップ上において、S−Eマップ判定部15におけるエネルギー量E及び移動量Sと切替判定閾値THとの比較結果に基づいて衝突判定閾値を高閾値Nthあるいは低閾値Pth(第1の閾値)、Ath(第2の閾値)に設定し、続いて一次積分値算出部16によって算出された速度Vと二次積分値算出部14によって算出された移動量Sとが2次元的に設定された衝突判定閾値(高閾値Nthあるいは低閾値Pth、Ath)を越えたか否か比較し、その比較結果に基づいて最終的にエアバッグ2やプリテンショナー3の起動を必要とする衝突が発生したか否かを判定し、その衝突判定結果を出力する。
具体的には、S−Vマップ判定部17は、S−Eマップ判定部15においてエネルギー量E及び移動量Sが切替判定閾値THを超えない場合には、S−V2次元マップ上において、衝突判定閾値として高閾値Nthを設定し、続いて速度V及び移動量Sと高閾値Nthとを比較し、速度V及び移動量Sが高閾値Nthを超える場合には、エアバッグ2及びプリテンショナー3の起動を必要とする車両変形の伴う激しい衝突が発生したと判定し、また速度V及び移動量Sが高閾値Nthを超えない場合には、エアバッグ2及びプリテンショナー3の起動を必要としない車両変形が軽微な穏やかな衝突が発生したと判定する。
また、S−Vマップ判定部17は、S−Eマップ判定部15においてエネルギー量E及び移動量Sが切替判定閾値THを超える場合には、S−V2次元マップ上において、衝突判定閾値として高閾値Nthから低閾値Pth、Athに切り替える。つまり、S−Vマップ判定部17は、プリテンショナー3のみの起動を必要とする激しい衝突が発生したことを判定するための低閾値Pthと、プリテンショナー3及びエアバッグ2両方の起動を必要とする激しい衝突が発生したことを判定するための速度Vが低閾値Pth以上の値である低閾値Athとを設定する。そして、S−Vマップ判定部17は、速度V及び移動量Sと低閾値Pthとを比較し、速度V及び移動量Sが低閾値Pthを超えない場合には、プリテンショナー3及びエアバッグ2の起動を必要としない車両変形が軽微な穏やかな衝突が発生したと判定する。
一方、S−Vマップ判定部17は、速度V及び移動量Sが低閾値Pthを超える場合には、速度V及び移動量Sと低閾値Athとを比較し、速度V及び移動量Sが低閾値Athを超えない場合には、プリテンショナー3のみの起動を必要とする衝突が発生したと判定し、また速度V及び移動量Sが低閾値Athを超えた場合には、プリテンショナー3及びエアバッグ2のみの起動を必要とする車両変形を伴う激しい衝突が発生したと判定し、プリテンショナー3及びエアバッグ2両方の起動を必要とする車両変形を伴う激しい衝突が発生したと判定する。
このような本実施形態によれば、プリテンショナー3やエアバッグ2の起動を必要とする衝突(高速オフセット衝突を含む、車体変形を伴う激しい衝突)と、プリテンショナー3及びエアバッグ2の起動が不要な衝突(低速オフセット衝突を含む、車体変形が軽微な穏やかな衝突、及び飛石等による局所打撃)とを、迅速且つ正確に判別できる。また、本実施形態によれば、図3(a)に示したS−E2次元マップをS−V2次元マップの衝突判定閾値の切り替え判定に用いることにより、2次元的な切替判定閾値THの設定が可能となり、切り替え判定精度の向上を図ることができる。また、本実施形態よれば、図3(b)に示したS−V2次元マップを衝突判定に用いることにより、2次元的な衝突判定閾値(高閾値Nthや低閾値Pth、Ath)の設定が可能となり、衝突判定精度の向上(乗員保護性能の向上)を図ることができる。さらに、本実施形態によれば、プリテンショナー3のみの起動を必要とする激しい衝突が発生したことを判定するための低閾値Pthと、プリテンショナー3及びエアバッグ2両方の起動を必要とする激しい衝突が発生したことを判定するための低閾値Athとを設定することによって、きめ細やかな乗員保護を行うことができる。
以上、本発明の実施形態について説明したが、本発明は上記実施形態に限定されることなく、例えば以下のような変形が考えられる。
(1)上記実施形態では、S−Eマップ判定部15を備えるが、このS−Eマップ判定部15の代わりに、第1比較部、第2比較部及びAND部を備えるようにしてもよい。
第1比較部は、エネルギー算出部13からのエネルギー量Eが第1の切替判定閾値を超えたか否かを判定し、その比較判定結果をAND部に出力する。第2比較部は、二次積分値算出部14からの移動量Sが第2の切替判定閾値を超えたか否かを判定し、その比較判定結果をAND部に出力する。AND部は、第1比較部及び第2比較部によって、エネルギー量Eが第1の切替判定閾値を超え、且つ移動量Sが第2の切替判定閾値を超えたと判定された場合には、論理積の演算結果である真値(例えば「1」)をS−Vマップ判定部17に出力し、それ以外の場合には、偽値(例えば「0」)をS−Vマップ判定部17に出力する。
ここで、第1の切替判定閾値は、上述した音響データ絶対値|S(t)|の第1のピークを排除しつつ、第2のピークを用いた衝突判定が可能な値に設定されている。つまり、第1の切替判定閾値は、衝突相手の構造や材料を考慮した第3のピークの最大値よりも大きく、第2のピークの最大値以下の値に設定される。また、第2の切替判定閾値は、S−Vマップ判定部17において高閾値Nthから低閾値Pth、Athへの切り替えが必要な衝突(車体変形を伴う激しい衝突)と、切り替えが不要な衝突(飛石等による局所打撃)とを判別できるような値に設定されている。したがって、S−Vマップ判定部17は、AND部からの入力に基づいてエネルギー量Eが第1の切替判定閾値を超え、且つ移動量Sが第2の切替判定閾値を超えた場合に、高閾値Nthから低閾値Pth、Athへの切り替えを行う。
(2)上記実施形態では、音響センサ11及び加速度センサ12を備えるが、音響センサ11及び加速度センサ12の代わりに振動センサ(振動検出手段)、BPF(バンドパスフィルタ)(第1抽出手段)及びLPF(ローパスフィルタ)(第2抽出手段)を備えるようにしてもよい。
振動センサは、車両100の前後方向に生じる広帯域振動(例えば、周波数帯域0Hz〜30kHzの振動)を検出し、その検出結果を振動データとしてBPF及びLPFに出力する。BPFは、振動センサからの振動データから音響帯域の高周波振動を抽出し、その抽出結果(高周波振動の検出結果)を音響データS(t)としてエネルギー算出部13へ出力する。具体的に、BPFは、振動データから周波数帯域5kHz〜20kHzの振動(構造音響)を抽出する。LPFは、振動センサからの振動データから音響帯域より低い帯域の低周波振動を抽出し、その抽出結果(低周波振動の検出結果)を加速度データG(t)として二次積分値算出部14及び一次積分値算出部16へ出力する。具体的に、LPFは、振動データから周波数帯域0Hz〜500Hzの振動を抽出する。このような構成においても、本実施形態と同様の効果を得ることができる。
(3)上記実施形態では、S−Eマップ判定部15においてエネルギー量E及び移動量Sが切替判定閾値THを超える場合には、S−V2次元マップ上において、衝突判定閾値として高閾値Nthから低閾値Pth、Athに切り替えたが、本発明はこれに限定されない。例えば、2つの低閾値Pth、Athを設定するのではなく、プリテンショナー3及びエアバッグ2両方の起動を必要とする激しい衝突が発生したことを判定するための低閾値Athのみ設定するようにしてもよい。
(4)上記実施形態では、音響帯域の高周波振動として周波数帯域5kHz〜20kHzの振動(構造音響)を検出するとともに、音響帯域より低い帯域の低周波振動として周波数帯域0Hz〜500Hzの振動を検出する場合を例示したが、検出対象振動の周波数帯域はこれに限定されず、車両100の構造や要求される乗員保護性能に応じて適宜設定すれば良い。つまり、高周波振動の周波数帯域は、前面衝突によって車両100が変形(損壊)する特徴(構造音響)を捕捉可能であれば良く、低周波振動の周波数帯域は、前面衝突によって車両100に生じる減速度を捕捉可能であれば良い。
1…SRSユニット(車両衝突判定装置)、2…エアバッグ、3…プリテンショナー、11…音響センサ(第1振動センサ)、12…加速度センサ(第2振動センサ)、13…エネルギー算出部(衝突判定手段)、14…二次積分値算出部(衝突判定手段)、15…S−Eマップ判定部(衝突判定手段)、16…一次積分値算出部(衝突判定手段)、17…S−Vマップ判定部(衝突判定手段)、13a…絶対値算出部、13b…区間積分部、13c…エンベロープ出力部、100…車両

Claims (8)

  1. 衝突時に車両に生じる高周波振動と、該高周波振動より低い帯域の低周波振動とを検出する振動検出手段と、
    前記低周波振動の一次積分値及び二次積分値を2軸とする衝突判定用2次元マップ上において、乗員保護装置の起動を必要とする衝突が発生したか否か判定するための2次元的に設定された衝突判定閾値を前記高周波振動及び前記低周波振動の検出結果に基づいて可変する衝突判定手段と
    を備えることを特徴とする車両衝突判定装置。
  2. 前記衝突判定手段は、前記高周波振動及び前記低周波振動の検出結果に基づいて前記衝突判定閾値を高閾値から低閾値に切り替えると共に乗員保護装置であるプリテンショナー及びエアバッグのプリテンショナーのみの起動を必要とする衝突が発生したことを判定するための第1の閾値とプリテンショナー及びエアバッグ両方の起動を必要とする衝突が発生したことを判定するための第2の閾値とを前記低閾値として設定することを特徴とする請求項1に記載の車両衝突判定装置。
  3. 前記振動検出手段は、
    前記高周波振動として周波数帯域5kHz〜20kHzの振動を検出する第1振動センサと、
    前記低周波振動として周波数帯域0Hz〜500Hzの振動を検出する第2振動センサと
    を備えることを特徴とする請求項1または2に記載の車両衝突判定装置。
  4. 前記振動検出手段は、前記高周波振動及び前記低周波振動を含む広帯域振動を検出するものであり、
    前記振動検出手段によって検出された広帯域振動から前記高周波振動として周波数帯域5kHz〜20kHzの振動を抽出する第1抽出手段と、
    前記振動検出手段によって検出された広帯域振動から前記低周波振動として周波数帯域0Hz〜500Hzの振動を抽出する第2抽出手段と
    を備えることを特徴とする請求項1または2に記載の車両衝突判定装置。
  5. 前記衝突判定手段は、前記高周波振動の演算値及び前記低周波振動の二次積分値を2軸とする閾値切替用2次元マップ上において前記演算値及び前記二次積分値が2次元的に設定された切替判定閾値を超える場合に、前記衝突判定用2次元マップ上において、前記衝突判定閾値を前記高閾値から前記低閾値に切り替えること特徴とする請求項1〜4のいずれか一項に記載の車両衝突判定装置。
  6. 前記衝突判定手段は、前記高周波振動の演算値及び前記低周波振動の二次積分値を算出し、前記高周波振動の演算値が第1の切替判定閾値を超え、且つ前記低周波振動の二次積分値が第2衝突判定閾値を超えた場合に、前記衝突判定用2次元マップ上において、前記衝突判定閾値を前記高閾値から前記低閾値に切り替えること特徴とする請求項1〜4のいずれか一項に記載の車両衝突判定装置。
  7. 前記衝突判定手段は、前記高周波振動の前記演算値として、前記高周波振動の絶対値を区間積分することで前記高周波振動のエネルギー量を算出することを特徴とする請求項5または6に記載の車両衝突判定装置。
  8. 前記衝突判定手段は、前記高周波振動の前記演算値として、前記高周波振動の絶対値のエンベロープを区間積分することで前記高周波振動のエネルギー量を算出することを特徴とする請求項5または6に記載の車両衝突判定装置。


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