JP2014033850A - 医用画像撮影装置及び医用画像撮影方法 - Google Patents

医用画像撮影装置及び医用画像撮影方法 Download PDF

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Abstract

【課題】第2の検出器を用いて画像を収集する際の診断領域への位置合わせを容易に行うことができる医用画像撮影装置を提供する。
【解決手段】第1のX線検出器と、第1のX線検出器よりも小視野で高解像度を有し第1のX線検出器の視野内の固定位置で被検体を透過したX線を検出する第2のX線検出器と、を有する撮影部と、第1のX線検出器を用いて撮影したリアルタイムの第1の画像データをもとに第2のX線検出器の視野領域を示す枠を生成し、第1の画像データの内、枠内の領域の画像データを拡大処理する画像処理部と、第1の画像データ基づく第1の画像に重畳して枠を表示する第1の表示部と、第2のX線検出器を用いて被検体を撮影したときに収集されるであろう画像を、拡大処理した画像を用いて擬似的に表示する第2の表示部とを備える。
【選択図】図3

Description

本発明の実施形態は、第1のX線検出器と第2のX線検出器を有する医用画像撮影装置及び医用画像撮影方法に関する。
従来の医用画像撮影装置(例えばアンギオ装置と呼ばれるX線画像撮影装置)では、被検体Pに対してX線を発生するX線発生部と、被検体を透過したX線を2次元的に検出しX線投影データを生成するX線検出部を備えている。X線発生部とX線検出部は、アーム(1般にCアームと呼ばれる)に支持されており、Cアームを寝台上の被検体の体軸方向に移動、又は被検体の体軸周りに回転することで、被検体を様々な方向から撮影することができる。
また、X線画像撮影装置を使用した検査において、関心領域は狭いが、より高い解像度で意図した領域を明瞭に観察したいという要望もある。この要望を満たすため、通常のX線検出器(第1の検出器)に加えて、小視野ではあるが高解像度の第2のX線検出器(第2の検出器)を組み合わせ、第1、第2の何れか一方の検出器に切り替えて撮影できるようにしたX線画像撮影装置もある。
例えば特許文献1に記載のX線撮影装置では、被検体を透過したX線を検出する広視野の第1のX線検出器と、第1のX線検出器よりも視野が小さく高解像度の第2のX線検出器を備え、第1のX線検出器によって検出した画像に第2のX線検出器で検出した画像をオーバーラップして表示するようにしている。また特許文献1の例では、第2のX線検出器の位置をX方向、Y方向に移動可能にしている。
しかしながら、第2の検出器は視野サイズが狭いために、術者の関心領域を第2の検出器の視野サイズ内に設定するのが困難である。また第2の検出器の位置合わせのために時間がかかり、検査時間の長時間化や、被検者や術者の被曝が増えてしまい、さらなる改善が求められている。また第1のX線検出器と第2のX線検出器では、視野領域や感度が異なることから、X線の照射条件は同一ではないため、撮影条件の設定に時間がかかるという不具合もある。
特開2008−229270号公報
本発明が解決しようとする課題は、第2の検出器を用いて画像を収集する際の診断領域への位置合わせを容易に行うことができる医用画像撮影装置及び医用画像撮影方法を提供することにある。
実施形態に係る医用画像撮影装置は、被検体にX線を曝射するX線発生部と、前記被検体を透過したX線を検出する第1のX線検出器と、前記第1のX線検出器よりも小視野で高解像度を有し前記第1のX線検出器の視野内の固定位置で前記被検体を透過したX線を検出する第2のX線検出器とを有し前記被検体を撮影する撮影部と、前記第1のX線検出器を用いて収集したリアルタイムの第1の画像データをもとに前記第2のX線検出器による視野領域を示す枠画像を生成するとともに、前記第1の画像データの内、前記枠画像で示す領域の画像データを拡大処理する画像処理部と、前記第1の画像データに基づく第1の画像に重畳して前記枠画像を表示する第1の表示部と、前記第2のX線検出器を用いて前記被検体を撮影したときに収集される画像を、前記拡大処理した画像を用いて擬似的に表示する第2の表示部と、を具備する。
一実施形態に係る医用画像撮影装置の構成を示すブロック図。 一実施形態における医用画像撮影装置の全体構造を示す斜視図。 一実施形態における医用画像撮影装置の主要部を示す構成図。 一実施形態における画像撮影の動作を示す説明図。 第2の実施形態における画像撮影の動作を示す説明図。 第3の実施形態におけるX線の照射条件の設定動作を示す説明図。
以下、実施形態に係る医用画像撮影装置について図面を参照して詳細に説明する。尚、各図において同一箇所については同一の符号を付す。
(第1の実施形態)
図1は、一実施形態に係る医用画像撮影装置の構成を示すブロック図である。図1の医用画像撮影装置は、例えば、アンギオ装置と呼ばれるX線画像撮影装置100であり、被検体Pに対してX線を発生するX線発生部10と、被検体Pを透過したX線を2次元的に検出するとともに、検出結果に基づいてX線投影データを生成するX線検出部20を備えている。
X線発生部10は、X線管11とX線絞り器12を有するX線照射部と、高電圧制御部13と高電圧発生器14を備えている。X線管11は、X線を発生する真空管であり、陰極(フィラメント)より放出された電子を高電圧により加速してタングステン陽極に衝突させX線を発生する。高電圧制御部13は、システム制御部33(後述)からの指示信号に従って高電圧発生器14を制御し、X線管11の管電流、管電圧、X線パルス幅、照射周期、撮影区間、照射時間等からなるX線照射条件の制御を行なう。
X線検出部20は、第1のX線検出器211と、第1のX線検出器211から読み出された電荷を電圧に変換する電荷・電圧変換器22と、電荷・電圧変換器22の出力をデジタル信号に変換するA/D変換器23を備え、A/D変換器23からX線投影データを出力する。
またX線検出部20は、第2のX線検出器212を備えている。第2のX線検出器212は、第1のX線検出器211よりも小視野であるが高解像度を有する。また第2のX線検出器212は、第1のX線検出器211に比べてサイズが小さい。また第2のX線検出器212には、この第2のX線検出器212から読み出された電荷を電圧に変換する電荷・電圧変換器と、電荷・電圧変換器の出力をデジタル信号に変換するA/D変換器を備え、A/D変換器からX線投影データを出力するが、便宜上、電荷・電圧変換器とA/D変換器図示は省略している。尚、第1のX線検出器211と第2のX線検出器212としては、一般的にFPD(Flat Panel Detector:平面検出器)が用いられる。
X線発生部10と、X線検出部20はアーム(Cアーム)24に支持されている。Cアーム24は、寝台の天板25に載置した被検体Pの体軸方向に移動可能であり、また被検体Pの体軸周りに回転可能である。尚、X線発生部10とX線検出部20は撮影部26を構成し、Cアーム24を回転することで、撮影部26は被検体Pの周囲を回転し、異なる複数の角度方向から被検体Pを撮影することができる。
またX線画像撮影装置100は、画像データ記憶部31、画像演算部32、システム制御部33、操作部34、及び表示部35を備えている。画像演算部32は、第1のX線検出器211又は第2のX線検出器212によって収集されたX線投影データを処理して画像データを生成する。また生成された画像データに対し、必要に応じて輪郭強調やS/N改善等の画像処理を行なう。生成した画像データは画像データ記憶部31に保存される。画像データ記憶部31に保存された画像データは必要に応じて読みだされ、表示部35に供給されて表示される。
システム制御部33は、CPUと記憶回路(図示せず)、ABC回路331を備え、操作部34から供給された入力情報、設定情報及び選択情報に基づいてバスライン39を介してX線画像撮影装置100の各ユニットを統括的に制御する。
操作部34は術者、医師等のユーザが各種コマンドの入力等を行なうもので、マウス、キーボード、トラックボール、ジョイスティック等の入力デバイスや、表示パネルあるいは各種スイッチ等を備えたインタラクティブなインターフェースを有する。また操作部34は、天板25の移動方向や移動速度の設定、撮像系の回動/移動方向及び回動/移動速度の設定、管電圧や管電流を含むX線照射条件の設定等を行なう。
表示部35は、画像データの表示を行うため、表示データ生成部36、変換部37、モニタ38を備えている。表示データ生成部36は、画像データに対して付帯情報を合成したり、所定の表示フォーマットへの変換を行って表示データを生成する。また変換部37は、表示データに対してD/A(デジタル/アナログ)変換とテレビフォーマット変換を行なって画像信号を生成し、この画像信号を液晶等のモニタ38に表示する。
またX線画像撮影装置100は、移動機構部40を備えている。移動機構部40は、絞り移動制御部41と機構制御部42を有する。絞り移動制御部41は、X線絞り器12における絞り羽根等の移動制御を行ない、機構制御部42は、天板25の移動機構43、撮影系移動機構44、及び検出器移動機構45の移動制御を行う。移動機構部40は、操作部34の操作に応答して動作し、システム制御部33の制御のもとに各部の移動制御を行う。
図2は、X線画像撮影装置100(アンギオ装置)の全体的な構成を示す斜視図である。図2において、X線発生部10とX線検出部20がCアーム24によって対向して支持されている。X線検出部20は、第1の検出器211と第2の検出器212を含む。またCアーム24に対して寝台が配置されており、寝台の天板25には、被検体(図示せず)が載置され、天板25の位置及び高さは天板移動機構43(図1)によって制御される。
Cアーム24は、例えば天井部に設けられたレールに支持され、被検体の頭部(Cranial)から脚部(Caudal)に向かう体軸方向に移動可能である。またCアーム24の回転により撮影部26(X線発生部10とX線検出部20)は、被検体の周囲を体軸回りに回転することができる。また撮影部26をCアーム24に沿ってスライド回転することができる。
X線投影データは、画像演算部32によって処理され、画像データを表示部35に表示する。表示部35は、例えば天井部に取り付けられ、ここでは、3つの表示部351,352,353を有する。また、寝台には、操作部341を取り付けており、操作部341の操作に応答してシステム制御部33は、天板25の高さ、位置の制御、Cアーム24の移動/回転の制御、X線の照射範囲の調整、照射タイミングの制御等を行う。
図3は、第1の実施形態における医用画像撮影装置の主要部を示す構成図である。図3では、X線管11、第1のX線検出器211、第2のX線検出器212、高電圧発生器14、Cアーム24、被検体Pを載置する天板25、操作部341、表示部351〜353及び画像処理部30を示している。画像処理部30は、画像データ記憶部31、画像演算部32及びシステム制御部33を含む。
第2のX線検出器212は、例えばCアーム24に取り付けられる。Cアーム24には取付部材46を設け、第2のX線検出器212は、ヒンジ47を支点にして回転可能に取付部材46に支持されている。したがって、第2のX線検出器212は、ヒンジ47を支点にして回転することで、通常は第1のX線検出器211の視野外の位置(点線で示す)にあり、必要に応じてX線管11と対峙する位置(実線で示す)に移動する。
尚、第2のX線検出器212の取付位置や回転機構は、図示の例に限らず、通常時は第1のX線検出器211の視野外の位置にあり、選択的にX線管11と対峙する位置に移動できる構造であればよい。またX線管11と対峙する位置に移動したあとに位置を微調整できるようにしてもよい。
表示部351には、第1のX線検出器211を用いて収集した画像が表示され、表示部352には、第1のX線検出器211を用いて収集した画像の一部が拡大して表示され、表示部353には、第2のX線検出器212を用いて収集した画像が表示される。
次に、図4を参照して第1の実施形態に係る医用画像撮影装置100による画像撮影の動作を説明する。図4(a)は、第1のX線検出器211を用いて収集したリアルタイム画像51を表示部351に表示した状態を示す。図4(b)は、第1のX線検出器211を用いて収集したリアルタイム画像の一部を拡大した拡大画像52を表示部352に表示した状態を示す。また図4(c)は、第2のX線検出器212を用いて収集した画像53を表示部353に表示した状態を示す。
表示部351のリアルタイム画像51には、第2のX線検出器212がセットされた際の、第2のX線検出器212の視野を示す枠画像54をリアルタイム画像51上に表示する。第2のX線検出器212は、第1のX線検出器211の固定した位置にセットされるため、予め第2のX線検出器212の視野領域を示す枠画像54を画像処理部30(システム制御部33)によって生成し、リアルタイム画像51の上に重ねて表示する。
術者が操作部341を操作して、天板25を移動してパンニング撮影すると、リアルタイム画像51も天板25の移動に伴って変動するが、第2のX線検出器212の視野領域を表す枠画像54の表示位置は固定される。
また表示部352には、リアルタイム画像51の内、枠画像54で示す領域内の画像をデジタル的にズームした拡大画像52を表示する。拡大画像52は、第2のX線検出器212によって収集した画像53と同じ大きさになるように拡大率を設定する。尚、画像の拡大は、リアルタイム画像51を一旦画像データ記憶部31に取り込み、取り込んだ画像データのうち枠画像54で示す領域の画像データを表示部352の表示サイズに応じて拡大処理すればよい。
こうして拡大画像52を観察することにより、第2のX線検出器を用いて被検体を撮影したときに収集される画像(検査対象となる注目部位の画像)を、擬似的に表示部352に表示することができる。即ち、表示部352の拡大画像52は、擬似的に第2検出器212によって収集する画像を表す。通常、第2のX線検出器212の大きさは第1のX線検出器211に比べてかなり小さいため、表示部351に表示された枠画像54内の画像を見ただけでは、注目部位を決定するのは難しいが、拡大して表示することにより、注目部位の設定が容易になる。
したがって、表示部352の画像52と画像51を比較することにより、第2のX線検出器212で撮影する領域を事前に確認することができる。また所望の位置で無かった場合では、天板25を移動し、画像52と51を同時に確認していくことで、第2のX線検出器212の位置を調整したうえで、第2のX線検出器212を用いて収集した画像53を表示部353に表示することができる。第2のX線検出器212による収集画像53は、高解像度であり表示部353一杯に表示されるため表示部352の拡大画像52とほぼ同じ大きさで表示される。
このように、第1の実施形態では、第1のX線検出器211よりも小視野であるが高解像度の第2のX線検出器212を用いてX線画像を収集する際に、第2のX線検出器212の視野領域を示す枠画像54を第1のX線検出器の収集画像51上に重畳して表示する。またこの枠内の画像を拡大表示して、表示部352に表示することにより、第2検出器画212による収集画像を予め擬似化して表示することができ、第2のX線検出器212を用いて画像収集する際の診断領域への位置合わせを、容易に行うことができる。
尚、第2のX線検出器212は、第1のX線検出器211に対して固定位置にセットされるため、第2のX線検出器212の視野内の画像の総ピクセル数と第1のX線検出器211と第2のX線検出器212のピクセルピッチの比から、表示部351上に描く枠画像54の領域を算出することができる。また第1のX線検出器211と第2のX線検出器212のピクセルピッチの比から、表示部351上に描かれた枠画像54の領域の画像データを何倍に拡大するかを演算することができ、表示部352に演算した拡大率による拡大画像52を表示することができる。
(第2の実施形態)
次に第2の実施形態に係る医用画像撮影装置100による画像撮影の動作を説明する。第1の実施形態ではリアルタイム画像51の一部の画像領域を拡大してリアルタイムに拡大して拡大画像52を表示したが、第2の実施形態では、第1のX線検出器211によって事前に収集した画像を基に擬似画像を生成して表示する。
即ち、図5(a)に示すように、第1のX線検出器211によって直前に収集された画像51を表示部351に再生し、第1の実施例と同様に第2検出器212の表示領域を示す枠画像54を表示する。
次に術者が操作部341を操作して天板25を移動(パンニング)すると、その移動距離量が算出される。移動距離量は、機構制御部42によって天板移動機構43を移動させたときの移動量をもとに算出する。算出した移動距離量は、画像処理部30に送られる。画像処理部30では、移動距離を第1のX線検出器211のピクセル数の数値に変換する。
そして、図5(a)に示すように天板25の移動量に応じて、表示部351に表示された枠画像54をピクセル単位で移動する。図5(a)において、画像51は天板25を移動する前の再生画像を示し、枠画像54の中心は線X0とY0の交点にある。一方、天板25を移動してパンニングすると、その移動量に応じて枠画像54の中心が軸X1とY1の交点に移動し、画像処理部30は、移動後の枠画像54’で示す領域内の画像をデジタルズームして拡大画像52を表示部352に表示する。
さらに画像51と拡大画像52を観察し、被験者の注目部位(天板25の位置)の位置を決定した後、第2のX線検出器212をセットする。表示部353には、第2のX線検出器212で収集した画像53が表示される。第2のX線検出器212による収集画像53は、高解像度であり表示部353に一杯に表示されるため表示部352の拡大画像52とほぼ同じ大きさで表示される。即ち、表示部352の拡大画像52は、擬似的に第2検出器212によって収集する画像を表す。
注目部位を決定する際に、常にX線を照射するのでは、被検体Pに対する被曝量が増えるが、第2の実施形態では常にX線を照射する必要がないため、被検体Pへの被曝量を低減することができる。
(第3の実施形態)
次に、図6を参照して第3の実施形態について説明する。第3の実施形態は、第2のX線検出器212による画像収集時のX線の照射条件の設定に関する。
図6(a)に示すように第1のX線検出器211による画像収集では、被検体Pの関心領域(ROI)55は広く、第2のX線検出器212の関心領域(ROI)は狭い。即ち枠画像54で示す範囲が、第2のX線検出器212の関心領域(ROI)となる。このため、第1のX線検出器211を用いて撮影する場合のX線の照射条件を、そのまま第2のX線検出器212用いて撮影する場合の照射条件に適用することはできない。
そこで、第3の実施形態では、先ず、第1検出器211の収集画像の輝度レベルをシステム制御部33に備えたABC回路331によって自動調整する。ABC(Auto Brightness Control)回路331は、透視画像データの中央エリア(ROI55)の輝度レベルを自動的に調整するもので、輝度レベルが最適レベルよりも低い場合にはX線照射量を増加させ、輝度レベルが最適レベルよりも高い場合にはX線照射量を減少するように、X線管11に供給する管電圧、管電流を設定し、被検体Pの診断部位が変化しても最適レベルに制御する。
そして画像処理部30は、ABC回路331によって制御された関心領域55の収集画像のレベル分布と、枠画像54で示す領域の収集画像のレベル分布との分布比を算出する。即ち、第1のX線検出器211の収集画像によるROI55内の画素値分布を計測したあと、第2のX線検出器212の画像収集領域(枠画像54の領域)の画素値分布を計測する。
図6(b)は、第1検出器211の収集画像による画素値分布を示し、図6(c)は、枠画像54で示す領域の画素値分布を示す。次にそれぞれの画素値分布を基に分布比を算出する。例えば図6(b)と図6(c)の画素値分布のなかで頻度の高い部分(S1とS2)の画素値の比を求め、第1のX線検出器211のX線照射条件に、算出した分布比を乗算して、第2のX線検出器212へのX線照射条件を算出する。
また画像処理部30には、第1のX線検出器211と第2のX線検出器212の感度比の情報が記憶されている。感度比は、X線検出器211、212にそれぞれX線を照射したときの出力画像信号レベルの比である。したがって、先に求めた第2のX線検出器212へのX線照射条件に感度比を乗じて第2のX線検出器212に対するX線照射条件を設定する。
尚、画像処理部30は、ABC回路331によって得られる被検体の関心領域の収集画像のレベル分布と、前記枠画像で示す領域の収集画像のレベル分布との分布比を算出する算出部を構成する。また第1のX線検出器を用いて撮影するときのX線照射条件に、分布比を乗じて第2のX線検出器を用いて撮影するときのX線照射条件を設定する設定部を構成する。
こうして、第2のX線検出器212へのX線照射条件を事前に算出することができ、これを初期値として使用することができる。初期値が設定されたあとは、X線管11の管電流、管電圧を必要に応じて微調整すれば済み、第2のX線検出器212を用いた画像収集を容易に行うことができる。
以上述べたように本発明の実施形態によれば、第1のX線検出器よりも高解像度で小視野の第2のX線検出器を用いてX線画像を収集する際に、第2のX線検出器の視野領域枠を第1のX線検出器の収集画像上に表示し、この枠内の画像を拡大表示することにより、第2のX線検出器を用いて画像収集する際の診断領域への位置合わせを、容易に行うことができる。また、第2のX線検出器を用いて撮影する際のX線条件設定を迅速に行うことができる。また被曝量を削減し、検査時間を短縮することができる。
以上、本発明のいくつかの実施形態を述べたが、これらの実施形態は、例として提示したものであり、発明の範囲を限定することは意図していない。これらの実施形態は、その他の様々な形態で実施されることが可能であり、発明の要旨を逸脱しない範囲で、種々の省略、置き換え、変更を行うことができる。これらの実施形態やその変形は、発明の範囲や要旨に含まれると同様に、特許請求の範囲に記載された発明とその均等の範囲に含まれるものである。
100…X線画像撮影装置(アンギオ装置)
10…X線発生部
11…X線管
20…X線検出部
211,212…第1、第2のX線検出器
24…Cアーム
25…天板
26…撮影部
30…画像処理部
31…画像データ記憶部
32…画像演算部
33…システム制御部
34…操作部
353(351,352,353)…表示部
39…バスライン
40…移動機構部
45…検出器移動機構

Claims (9)

  1. 被検体にX線を曝射するX線発生部と、前記被検体を透過したX線を検出する第1のX線検出器と、前記第1のX線検出器よりも小視野で高解像度を有し前記第1のX線検出器の視野内の固定位置で前記被検体を透過したX線を検出する第2のX線検出器とを有し、前記被検体を撮影する撮影部と、
    前記第1のX線検出器を用いて収集したリアルタイムの第1の画像データをもとに前記第2のX線検出器による視野領域を示す枠画像を生成するとともに、前記第1の画像データの内、前記枠画像で示す領域の画像データを拡大処理する画像処理部と、
    前記第1の画像データに基づく第1の画像に重畳して前記枠画像を表示する第1の表示部と、
    前記第2のX線検出器を用いて前記被検体を撮影したときに収集される画像を、前記拡大処理した画像を用いて擬似的に表示する第2の表示部と、
    を具備する医用画像撮影装置。
  2. 前記第2のX線検出器は、前記第1のX線検出器の視野外の位置と、前記第1のX線検出器の視野内であって前記X線管と対峙する固定位置とに選択的に移動可能である請求項1記載の医用画像撮影装置。
  3. 前記第2のX線検出器を用いて前記被検体を撮影したときに収集されるリアルタイムの第2の画像データに基づく第2の画像を表示する第3の表示部を備え、
    前記枠画像が重畳された前記第1の画像と、前記第2の画像を比較可能に、前記第1、第3の表示部を配置した請求項1記載の医用画像撮影装置。
  4. 前記第1のX線検出器を用いて収集された第1の画像データを記憶する記憶部を備え、
    前記被検体を載置する天板と前記撮影部を相対的に移動させて前記第1の検出器を用いてパンニングしたときに、前記画像処理部は、前記パンニングによる移動に合わせて前記記憶部に記憶した前記第1の画像データ上の前記枠画像の領域を移動し、前記第1の画像の内、移動後の枠画像が示す領域の画像データを拡大処理して前記第2の表示部に表示する請求項1記載の医用画像撮影装置。
  5. 前記第1のX線検出器を用いて撮影するときのX線照射条件を制御して、収集画像の輝度レベルを自動調整するABC回路と、
    前記ABC回路によって得られる前記被検体の関心領域の収集画像のレベル分布と、前記枠画像で示す領域の収集画像のレベル分布との分布比を算出する算出部と、
    前記第1のX線検出器を用いて撮影するときのX線照射条件に、前記分布比を乗じて前記第2のX線検出器を用いて撮影するときのX線照射条件を設定する設定部と、を具備する請求項1記載の医用画像撮影装置。
  6. 前記設定部は、前記算出部で算出した前記分布比に、さらに前記第1のX線検出器の検出感度と前記第2のX線検出器の検出感度との感度比を乗じて、前記第2のX線検出器を用いて撮影するときのX線照射条件を設定する請求項5記載の医用画像撮影装置。
  7. 被検体にX線を曝射するX線発生部と、前記被検体を透過したX線を検出する第1のX線検出器と、前記第1のX線検出器よりも小視野で高解像度を有し前記第1のX線検出器の視野内の固定位置で前記被検体を透過したX線を検出する第2のX線検出器とを有し、前記被検体を撮影する撮影部を備え、
    前記第1のX線検出器を用いて収集したリアルタイムの第1の画像データをもとに前記第2のX線検出器による視野領域を示す枠を生成し、
    前記第1の画像データの内、前記枠内の領域の画像データを拡大処理し、
    前記拡大処理した画像を用いて擬似的に表示部に表示して前記第2のX線検出器を配置した際に得られるであろう擬似的な画像を見ながら、前もって前記第2のX線検出器の位置を決める医用画像撮影方法。
  8. 前記第1のX線検出器を用いて収集した第1の画像データを記憶部に記憶し、
    前記被検体を載置する天板と前記撮影部を相対的に移動させて前記第1の検出器を用いてパンニングしたときに、前記パンニングによる移動に合わせて前記記憶部に記憶した前記第1の画像データ上の前記枠画像の領域を移動し、前記第1の画像データの内、移動後の枠画像が示す領域の画像を拡大処理して前記表示部に表示し、前記第2のX線検出器を配置した際に得られるであろう擬似的な画像を見ながら、前もって前記第2のX線検出器の位置を決める請求項7記載の医用画像撮影方法。
  9. 前記第1のX線検出器を用いて撮影するときのX線照射条件をABC回路によって制御して、収集画像の輝度レベルを自動調整し、
    前記ABC回路によって得られる前記被検体の関心領域の収集画像のレベル分布と、前記枠画像で示す領域の収集画像のレベル分布との分布比を算出し、
    前記第1のX線検出器を用いて撮影するときのX線照射条件に、前記分布比を乗じて前記第2のX線検出器を用いて撮影するときのX線照射条件を設定する請求項7記載の医用画像撮影方法。
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