JP2014031845A - ボールねじ装置 - Google Patents

ボールねじ装置 Download PDF

Info

Publication number
JP2014031845A
JP2014031845A JP2012173222A JP2012173222A JP2014031845A JP 2014031845 A JP2014031845 A JP 2014031845A JP 2012173222 A JP2012173222 A JP 2012173222A JP 2012173222 A JP2012173222 A JP 2012173222A JP 2014031845 A JP2014031845 A JP 2014031845A
Authority
JP
Japan
Prior art keywords
seal
screw
screw shaft
grease
ball
Prior art date
Legal status (The legal status is an assumption and is not a legal conclusion. Google has not performed a legal analysis and makes no representation as to the accuracy of the status listed.)
Pending
Application number
JP2012173222A
Other languages
English (en)
Inventor
Kazufumi Yamamoto
和史 山本
Current Assignee (The listed assignees may be inaccurate. Google has not performed a legal analysis and makes no representation or warranty as to the accuracy of the list.)
NSK Ltd
Original Assignee
NSK Ltd
Priority date (The priority date is an assumption and is not a legal conclusion. Google has not performed a legal analysis and makes no representation as to the accuracy of the date listed.)
Filing date
Publication date
Application filed by NSK Ltd filed Critical NSK Ltd
Priority to JP2012173222A priority Critical patent/JP2014031845A/ja
Publication of JP2014031845A publication Critical patent/JP2014031845A/ja
Pending legal-status Critical Current

Links

Images

Landscapes

  • Sealing With Elastic Sealing Lips (AREA)
  • Sealing Devices (AREA)
  • Transmission Devices (AREA)

Abstract

【課題】ボールナット内の余分なグリースをねじ軸の遠心力が作用しにくい位置で外部に取り出す。
【解決手段】ボールねじ装置において、シール3の筒状部32にその軸方向に延びるすり割り34を設けるとともに、前記シール3の内側の面にナット2の内部25と前記すり割り34とを繋ぐグリース用経路36を長さ寸法Eにわたって設けて、内部25のグリースをすり割り34に円滑に導く。
【選択図】 図1

Description

この発明は、すり割り付きのシールを備えたボールねじ装置に関する。
従来のこの種のシールを備えたボールねじ装置としては特許文献1に記載されたものがある。このものは、ねじ軸のねじ溝と係合するシールのねじ溝の山を内周に備えたシールがボールナットの端面に装着されていて、前記ボールナットから軸方向外側に露出する筒状部は、その筒状部の軸方向に延びる複数本のすり割りで周方向に分割されている。このすり割りの長さは、ねじ軸のリードの0.7倍以上にしている。このすり割りは、ねじ軸の直径方向の線に対して、ねじ軸が右ねじのときに筒状部の外側端面から見て時計方向に傾斜しており、またこのすり割りは、同文献1の図7、8の例ではねじ軸の軸線に対して同ねじ軸のリード角を規定するねじ山の接線とは反対の方向に傾斜している。かかるシールの筒状部は外周からガータスプリングで締め付けられて、ねじ軸の外周に密着されている。そこで、このボールねじでは、ねじ軸の回転により相対的にボールナットが軸方向に移動すると、露出されたねじ軸の外周に付着していた異物がすり割りにより形成されたシールのエッジ部で削り取られる。その異物は続いてすり割りにより形成された傾斜面に沿って遠心方向に掻き出されるようになっている。
第3692677号特許掲載公報
上記の従来技術は、他の従来技術も同様であるが、外部からの異物がねじ軸からボールナット内に入り込むのを防止する技術である。そして、すり割りの形状や傾きが前記のように設定されているから、それなりに、異物がボールナット内に入り込むことは抑制されていた。しかしながら、これらの従来技術では、ボールナット内のグリースが漏れ出して、露出したねじ軸の外周に付着したままになることには対処されていないという不具合がある。つまり、露出したねじ軸の外周におけるグリースの層が一定の膜厚を超えると、ねじ軸の高速回転による遠心力によりグリースが飛散して、周囲の機器やボールネジが組み込まれた装置により製造され又は処理される製品を汚染するという不具合がある。
このため、従来技術ではグリースをボールナット内に閉じ込めるために、ガータスプリングなどを用いた接触式シールでボールナット内を密封して対処してきた。しかし、この対処方法でも、ねじ軸外周のグリース膜厚が増大してグリースが飛散することもあり、また、グリースをボールナット内に閉じ込めておくと、ボールナット内へのグリース補給時にボールナット内から古いグリースを排出するための排出穴を設ける必要がある。この排出穴はねじ軸の端部の、通常運転中にはボールナットの往復範囲外にある位置に開設して、運転休止中にボールナットをこの位置まで移動させたうえ、ボールナット内からグリースを排出穴経由で外部に排出するものである。このため、ねじ軸の径が小さいときには充分な径のある排出穴を開設することができないし、またちょう度が295以下の、所謂固いグリースでは前記排出が困難になるからボールナット内に使用するには無理がある。このように、前記従来の技術では、使用するグリースのちょう度や、ねじ軸の径などに制約があるという不具合もある。
そこで、この発明は、ボールナット内の余分なグリースを、露出したねじ軸の外周に一定以上の膜厚で残ることを防止しつつ、ねじ軸の遠心力が作用しにくい位置で外部に円滑に取り出すことにより、前記の不具合を解消することを目的としている。
この発明の第1の態様のボールねじ装置は、外周面に螺旋状のねじ溝を有するねじ軸と、このねじ軸の外側にあり前記ねじ溝に対応する螺旋状のねじ溝を内周面に有して両ねじ溝間に負荷領域を形成するボールナットと、前記負荷領域内に転動可能に装填される多数のボールと、前記ねじ軸の外周を囲み且つ内側に前記ねじ軸のねじ溝に入り込むシールのねじ溝の山を有して前記ボールナットの端部に取り付けられ前記ボールナットの軸方向外側に露出する筒状部を有するシールと、を備えたボールねじ装置において、前記シールの筒状部にその軸方向に延びるすり割りを設けるとともに、前記シールの内側の面にナットの内部と前記すり割りとを繋ぐグリース用経路を備えたことを特徴とする。ここで、ナットの内部とは、ボールナットの内側において、ボールナットの端部に取り付けられたシールよりもナットの軸方向中心側の空間をいう。また、ボールナットの両端にシールが取り付けられている場合には、ボールナットの内側において、両シールのナットへの取り付け座面の間の空間をいう。
このボールねじ装置により、グリース用経路を経てボールナット内部の余分なグリースがシールのすり割りに円滑に案内されるから、このグリースはシールの筒状部外面に円滑に排出される。
また、第2の態様のボールねじ装置は、前記第1の態様において、前記グリース用経路は、前記シールの内側の面に前記ボールナット側の端部から前記すり割りに至るまで座ぐりを施し、この座ぐりを施した部分の内径をシールの谷径よりも大きくして形成したことを特徴とする。このボールねじ装置によれば、グリース用経路の、軸に直角方向の断面が大きいから、グリースの前記移動がさらに円滑になる。また、グリース用経路の外側を規定する形状が円筒形であって構造が簡単であるため成型が容易になる。
また、第3の態様のボールねじ装置は、前記第1又は第2の態様において、前記シールのすり割りを、前記ねじ軸の直径方向の線に対して、前記ねじ軸が右ねじのときに前記筒状部の外側端面から見て半時計方向に、また前記ねじ軸が左ねじのときに前記筒状部の外側端面から見て時計方向に傾斜させたことを特徴とする。このボールねじ装置によれば、すり割りの前記傾斜により形成されたシールのエッジ部により、ねじ軸表面のグリースが掻き取られてすり割りの外方へ案内されるから、グリースが筒状部外面に円滑に排出される。
さらに、第4の態様のボールねじ装置は、前記第1から第3のいずれかの態様において、前記シールのすり割りを、前記ねじ軸の軸線に対して、ねじ軸のねじのリード角を規定するねじ軸の山の接線に沿う方向に傾斜させたことを特徴とする。このボールねじ装置によれば、すり割りを介して筒状部の外側に出るグリース量が、すり割りにおけるボールナット側の位置で多くなり、したがってねじ軸外面に残留したまま想定外にシール外に出るグリース量が少なくなる。
この発明によれば、ボールナットの内部にあったグリースがねじ軸に付着したまま外部に出されようとするときにグリース用経路を介してボールナット内部のグリースが円滑にすり割りに到達し、すり割りを経て筒状部外周に容易に排出される。このため、ボールナット内の余分なグリースが、ねじ軸の遠心力が作用しにくい位置で外部に容易に取り出されるから、周囲に飛散することがない。
実施形態を示すもので、一部を断面した側面図。 図1を軸方向から見た正面図。 図2の一部の拡大図。 すり割りの図3におけるA矢視図。 シールを筒状部の端面側から見た立体モデル図。 シールを外周方向から見た立体モデル図。 図5をY−Y線で切断し、図6のZ方向からの45°斜視図。 グリースが掻き取られる初期の状態を示す図であり、(a)は図2と同様の正面図。(b)は図1と同様の側面図。 掻き取られたグリースがすり割り内から筒状部外周に出てきた状態を示す図であり、(a)は図2と同様の正面図。(b)は図1と同様の側面図。 掻き取られたグリースが筒状部外周に溜まってきた状態を示す図であり、(a)は図2と同様の正面図。(b)は図1と同様の側面図。 掻き取られたグリースが筒状部外周から下方に垂れ落ちた状態を示す図であり、(a)は図2と同様の正面図。(b)は図1と同様の側面図。 グリースの垂れ落ちる範囲を示す図であり、(a)は平面図。(b)は側面図。 グリースの飛散試験結果を示すグラフ。
図1以下には、本発明のボールねじ装置の一実施形態が示されている。このボールねじ装置は、外周面に螺旋状のねじ溝11を有するねじ軸1と、このねじ軸1の外側にあり前記ねじ溝11に対応する螺旋状のねじ溝22を内周面に有して両ねじ溝11、22間に負荷領域を形成するボールナット2と、前記負荷領域内に転動可能に装填される多数のボール6と、前記ねじ軸1の外周を囲み且つ内側に前記ねじ軸1のねじ溝11に入り込むシールのねじ溝の山31を有して前記ボールナット2の端部に取り付けられ前記ボールナット2の軸方向外側に露出する筒状部32を有するシール3とを備えている。
ねじ軸1の隣合うねじ溝11どうしの間には、雄ねじにおけるねじ山に相当するねじ軸の山12が形成され、シール3には前記ねじ軸の山12が入り込むねじ溝の谷35が形成される。
ねじ軸1は、ボールねじ装置が設置される機台5(図11、12)に回転自在に軸支され、且つモータ等の回転駆動源(図示しない)に連結されている。また、ボールナット2には、そのフランジ21を介して、このボールねじ装置により進退駆動される移動テーブル等の移動体(図示しない)が装着され、よって、ねじ軸1の回転によりボールナット2を介して前記移動体を進退駆動するようになっている。また、シール3はそのフランジ33において、ボールナット2の軸方向両端に形成された座ぐり面23、24にそれぞれ個別に取り付けられて着座している。ボールナット2の内側において前記両座ぐり面23、24間の空間でボールナット2の内部25を形成している。この内部25が本発明のボールナットの内部に相当する。
前記ねじ軸1の外面とシール3の内面との間、すなわち、ねじ軸1のねじ溝11とシール3のねじ溝の山31との間、及びねじ軸1のねじ山12とシール3のねじ溝の谷35との間には隙間4が設けられており、この隙間4は0.3mm以下であることが望ましい。この実施形態では、前記隙間4を0.2mmとしている。
またシール3の筒状部32には、その軸方向の外端部から軸方向に延びるすり割り34を設けている。このすり割り34の数は、筒状部32の円周方向に等間隔に6箇所設けられているが、その数は後述の各機能を考慮して他の数とすることも可能である。前記すり割り34は、ねじ軸1の直径方向の線L1に対して、前記ねじ軸1が右ねじのときに前記筒状部32の外側端面から前記ねじ軸1の軸方向に見て半時計方向に角度βを以て傾斜させてある(図2)。図示のねじ軸1は右ねじであり、図2は図1の左側のシール3を図1の左方から見た状態を示している。なお、図1の右側のシール3を図1の右方から見ても図2のシール3と同一に表れる。また、ねじ軸1が左ねじの場合には、すり割り34の前記傾斜角度βは前記右ねじの場合とは逆に、線L1に対して時計方向に傾斜させることになる。
また、前記シール3のすり割り34は、ねじ軸1の軸線Xに対して角度αをもって傾斜させてある。この各度αの方向は、前記軸線Xよりも前記ねじ軸1のねじ山12のつる巻き線の接線L2に沿う方向に傾斜している(図1)。なお前記接線L2と前記軸線Xに直角な面Pとのなす角度がねじのリード角γである。したがって、前記接線L2は、リード角γとの関係で定義すれば、ねじ軸1のねじのリード角γを規定するねじ軸1のねじ山12の接線であるということができる。そこで、前記すり割り34は、前記ねじ軸1の軸線Xに対して、ねじ軸1のねじのリード角γを規定するねじ山12の接線L2に沿う方向に傾斜させたと表現することができる。
また、前記シール3のすり割り34は、前記の角度α、βの各傾斜の方向にいずれも同一の幅寸法で形成されているから、すり割り34の内側の対向する2つの面341、342(図3、4)は相互に平行な面をなしていて、各面341、342も前記角度α、βで傾斜している。そのため、対向する2面(341、342)のうち、軸1の回転方向の側にある面342では、シール3の筒状部32の内面との角度が鋭角になって、ここにエッジ部343を形成している。
さらに、前記シール3の内側の面には、前記ボールナット2の内部25と、シール3のすり割り34とを繋ぐグリース用経路36が形成されている。このグリース用経路36は、ボールナット2の前記内部25をはじめとするボールナット2とねじ軸1との間からシール3のすり割り34にグリースを導くための経路である。このため、グリース用経路36は、前記内部25と少なくともいずれかのすり割り34とを連通させる溝状の経路がシール3の内側の面に形成されていればよい。また、前記内部25と各すり割り34の複数又は全部とを連通させる複数の経路でも勿論よい。
この実施形態においては、グリース用経路36は、シール3の内側の面に座ぐりが施されて形成されている。具体的には、前記ボールナット2の両端の座面23、24に着座する端部から前記すり割り34に至るまでの間でシール3の内側面を円筒状に座ぐっている。この座ぐりにより形成されたグリース用経路36の内径は、シール3の谷径よりも大きくしている。したがって、このグリース用経路36の径方向の厚みは、ねじ軸1の外面とシール3の内面との間の前記隙間4より大きくなっている。
さらに、このグリース用経路36は、前記の通りに各すり割り34に連通するために、シール3のナット2側の端面(ナット2の座面23、24に着座している各端面)から軸方向外側の端面に向けて長さE(図1)にわたって形成されている。一方、すり割り34のナット2側の端部は、シール3のナット2側の前記端面から軸方向外側の端面に向けて長さF(図1)の位置にある。そして前記の両長さE,Fの大きさの関係はE>Fの関係にある。このため、グリース用経路36と各すり割り34とは、ねじ軸1の軸方向における一部が、ねじ軸1の径方向に重複している。かくしてグリース用経路36と各すり割り34とは連通しているから、ナット2の内部25は、前記隙間4より大きいねじ軸1との隙間をもつグリース用経路36を介して各すり割り34に通じていることになる。
ボールネジ装置の運転時には、前記ボールナット2とねじ軸1との間で、ボールナット2の前記内部25にグリースを充填した状態で運転する。このグリースのちょう度は295以下としているが、295を超えるちょう度のものを使用することができるのは勿論である。ここで、例えば、ねじ軸1を図1において左から右方向に見て回転方向Bに左回転させると、ボールナット2は図1において右方向に移動する。このボールナット2の移動は、ボールナット2内部25のグリースを、シール3の筒状部32内面とねじ軸1との間の隙間4から、ねじ軸1表面に一定の膜厚となって残留させながら行なわれる。
ここで、前記グリースは前記内部25からグリース用経路36を経て前記隙間4に至る。グリース用経路36はシール3の内側面に座ぐりを施してシール3の内径をシール3の谷径よりも大にして形成されているため、ねじ軸1との間の隙間が大になっている。そのため、内部25のグリースはすり割り34や隙間4に向けてここを円滑に通過することになる。
このとき、ボールナット2内からねじ軸1表面に付着して外部に出ようとするグリースは、シール3の筒状部32において掻き取られるため、ねじ軸1表面に残るグリースは前記の膜厚を超えることはない。シール3によるグリースの掻き取りについて図3を用いて説明すると次のようになる。すなわち、ねじ軸1表面にあって隙間4の厚みを超える量のグリースは、ねじ軸1の回転により相対的にねじ軸1方向に移動するボールナット2から、その内部25にあったグリースがねじ軸1表面に付着したまま残留して外部に出されようとする。このときに、シール3の筒状部32の、すり割り34によって形成されたシール3のエッジ部343により、前記の外部に出されようとするグリースが掻き取られる。その掻き取られたグリースは、続いてすり割り34により形成された傾斜面242に沿って遠心方向に押し出されて筒状部32の外周にまで至る。
前記のエッジ部343により掻き取られたグリースは、図5〜8に連続して図示するように外部に排出される。図8〜11において、いずれも(a)は図2と同じ方向から見た正面図、(b)は図1と同じ方向から見た側面図であり、図8ではねじ軸1の回転開始直後の状態でありボールナット内のグリースGが漏れ始めている。ここではグリースGはすり割り34内のボールナットに近い側から徐々に押し出される。
続いて、図9では、さらにボールナットがねじ軸1上を図において右方に移動し、ボールナット内のグリースGが押し出されて筒状部32の外面にも溜まり始める。ここではすり割り34のうちボールナット側(フランジ33側)の端部から多く出て、筒状部32の外端部側になるにつれて溜まる量が少なくなる。よって、ねじ軸1上に残留して想定外に外部に出るグリース量が減少する。ボールナット側から見てすり割り34の始まる側からグリースGが多く出るため、すり割り34の前記傾斜角度αが大きくなるほど、グリースGをボールナット側に寄せて外部に出すというすり割り34の効果が大になる。ただし、前記効果を出すためには傾斜角度αは90度未満でなければならない。
図10の状態に至ると、すり割り34から押し出されたグリースG量がシール3の円筒部32外周で円周方向に連なる量となり、自重により筒状部32の下側に移動を始めている。続いて、図11においては、グリースGが自重に耐えられなくなり、機台5上面に落下している。こうして、ボールナット2内の余分なグリースGは外部に排出されるが、その排出されるのは、シール3の筒状部32というグリースGに遠心力が作用しない場所である。このため、グリースGが遠心力により周囲に飛散することがなく、この飛散とは関わりのないねじ軸1の下方に自重で滴るように落下する。したがってグリースGの飛散による弊害は生じない。
こうして、シール3のすり割り34により余分なグリースGが機台5上に落下されるのは、ボールナット2が移動する際にその後側になるシール3からである。したがって図1〜11の場合は、ねじ軸1が図1の左から右を見て左回りしたときに、ボールナット2は図1において右方向に移動し、そのときの後側になる図1において左側のシール3からグリースGが落下するものである。したがって、ねじ軸1が逆方向に回転すると、ボールナット2は図1において左方向に移動し、そのときの後側になる図1の右側のシール3からグリースが同様に落下する。
図12はボールナット2の向きが図11までとは左右逆になっているが、ねじ軸1の正転と逆転が繰り返されてボールナット2がねじ軸1に沿って左右に往復したときにグリースGが機台5上へ落下する状態を示す図である。ここで、機台5に落下するグリースGは自重により落下するだけであって、遠心力などの別の力は作用していないから、機台5上に落下するグリースGの位置は、平面視でボールナット2の軌跡の幅φD内に収まり、これの外側にまで飛散したり落下することは殆どない。
かくして、ボールナット2内に充填されたグリースの余分な量は積極的に外部に出されて自重により落下される。このため、ねじ軸1に付着した余分なグリースが遠心力によって飛散することが抑制され、よって、周辺機器などが飛散したグリースにより汚染されることが抑制される。また、運転開始後の早い時期にボールナット内のグリースが適正量になるため、ボールねじ装置の所定時間の運転ごとに行なわれる給脂時には、ボールナット2内に残存するグリース量は計算通りに殆ど減少していることになる。このため残存する古いグリースを排出する必要性も減少するから、ねじ軸1にグリースの排出穴を設ける必要性も少なくなり、またちょう度の低いグリースを使用することが可能になる。
図13は、この実施形態におけるグリースの飛散試験結果を示すグラフである。ここではねじ軸1を高速回転させてボールナット2を往復運動させることにより、前記特許文献1に記載の従来のシール(一般シール)と本実施形態のシール(発明品)とで飛散グリースの総重量(飛散量)比較を行なった。その結果が図13に示される通りであり、本実施形態のシールは従来のシールに比べてグリース飛散量は1/3以下になっており、さらにサチレートするまでの時間も半減していることが分かる。
なお、前記の実施形態は、ねじ軸1が右ねじの場合を例示して説明したが、ねじ軸1は左ねじであってもよいことは勿論である。この場合には、前記の通りに図2に表れるすり割り34の角度βが図2とは逆になるし、また、図1における接線L2と角度αも図1において軸線X−Xの下側に線対称に表れる。
また前記の実施形態では、グリース用経路36として、シール3の内面の全周を長さ寸法Eにわたって座ぐったが、シール3の内面に長さ寸法Eにわたって溝を切削してもよい。この溝は前記内部25とすり割り34とを繋ぐものであれば1本でもよいし、複数のすり割り34に個別に繋がる複数のものでもよい。これらの場合の溝の底の位置は、グリースが通過する空間を確保するためにシール谷35の位置よりもねじ軸1の軸心から外方にあるものとする。
1 ねじ軸
11 ねじ溝
12 ねじ溝の山
2 ボールナット
22 ねじ溝
23、24 座ぐり面
25 ボールナット内部
3 シール
31 シールのねじ溝の山
32 筒状部
34 すり割り
341 すり割りの面
342 すり割りの面
343 エッジ部
35 シールのねじ溝の谷
36 グリース用経路
4 隙間
6 ボール

Claims (4)

  1. 外周面に螺旋状のねじ溝を有するねじ軸と、このねじ軸の外側にあり前記ねじ溝に対応する螺旋状のねじ溝を内周面に有して両ねじ溝間に負荷領域を形成するボールナットと、前記負荷領域内に転動可能に装填される多数のボールと、前記ねじ軸の外周を囲み且つ内側に前記ねじ軸のねじ溝に入り込むシールのねじ溝の山を有して前記ボールナットの端部に取り付けられ前記ボールナットの軸方向外側に露出する筒状部を有するシールと、を備えたボールねじ装置において、
    前記シールの筒状部にその軸方向に延びるすり割りを設けるとともに、前記シールの内側の面にナットの内部と前記すり割りとを繋ぐグリース用経路を備えたことを特徴とするボールねじ装置。
  2. 前記シールの内側の面に前記ボールナット側の端部から前記すり割りに至るまで座ぐりを施し、この座ぐりを施した部分の内径をシールの谷径よりも大きくして前記グリース用経路を形成したことを特徴とする請求項1に記載のボールねじ装置。
  3. 前記シールのすり割りを、前記ねじ軸の直径方向の線に対して、前記ねじ軸が右ねじのときに前記筒状部の外側端面から見て半時計方向に、また前記ねじ軸が左ねじのときに前記筒状部の外側端面から見て時計方向に傾斜させたことを特徴とする請求項1又は請求項2に記載のボールねじ装置。
  4. 前記シールのすり割りを、前記ねじ軸の軸線に対して、ねじ軸のねじのリード角を規定するねじ軸のねじ山の接線に沿う方向に傾斜させたことを特徴とする請求項1から請求項3のいずれか1項に記載のボールねじ装置。
JP2012173222A 2012-08-03 2012-08-03 ボールねじ装置 Pending JP2014031845A (ja)

Priority Applications (1)

Application Number Priority Date Filing Date Title
JP2012173222A JP2014031845A (ja) 2012-08-03 2012-08-03 ボールねじ装置

Applications Claiming Priority (1)

Application Number Priority Date Filing Date Title
JP2012173222A JP2014031845A (ja) 2012-08-03 2012-08-03 ボールねじ装置

Publications (1)

Publication Number Publication Date
JP2014031845A true JP2014031845A (ja) 2014-02-20

Family

ID=50281837

Family Applications (1)

Application Number Title Priority Date Filing Date
JP2012173222A Pending JP2014031845A (ja) 2012-08-03 2012-08-03 ボールねじ装置

Country Status (1)

Country Link
JP (1) JP2014031845A (ja)

Cited By (1)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
EP3059471A4 (en) * 2013-11-28 2016-12-07 Nsk Ltd BALL SCREW AND SEAL SEAL USED IN SAID SCREW

Citations (4)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
US2757548A (en) * 1954-10-07 1956-08-07 Cleveland Pneumatic Tool Co Screw scraper and wiper
JP2007232051A (ja) * 2006-02-28 2007-09-13 Nsk Ltd ボールねじ装置
JP2007255661A (ja) * 2006-03-24 2007-10-04 Nsk Ltd ボールねじ装置
JP2007309428A (ja) * 2006-05-18 2007-11-29 Shangyin Sci & Technol Co Ltd 隙間調整可能なスキージ

Patent Citations (4)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
US2757548A (en) * 1954-10-07 1956-08-07 Cleveland Pneumatic Tool Co Screw scraper and wiper
JP2007232051A (ja) * 2006-02-28 2007-09-13 Nsk Ltd ボールねじ装置
JP2007255661A (ja) * 2006-03-24 2007-10-04 Nsk Ltd ボールねじ装置
JP2007309428A (ja) * 2006-05-18 2007-11-29 Shangyin Sci & Technol Co Ltd 隙間調整可能なスキージ

Cited By (2)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
EP3059471A4 (en) * 2013-11-28 2016-12-07 Nsk Ltd BALL SCREW AND SEAL SEAL USED IN SAID SCREW
EP3343068A1 (en) * 2013-11-28 2018-07-04 Nsk Ltd. Ball screw and seal used therein

Similar Documents

Publication Publication Date Title
EP3059470B1 (en) Ball screw
US6619148B2 (en) Lubricant supply device and rolling member screw apparatus using same
JP7251581B2 (ja) 保持器、及びこれを備えた転がり軸受
JP6755563B1 (ja) エアノズル
JP5983050B2 (ja) ボールねじ装置
JP2014031845A (ja) ボールねじ装置
JP5830992B2 (ja) ボールねじ
JP6252135B2 (ja) ボールねじ及びそれに用いられるシール
WO2016136997A1 (ja) すべり軸受の製造方法及びすべり軸受
JP6248580B2 (ja) ボールねじ及びそれに用いられるシール
JP2007225033A (ja) ボールねじ
WO2016136995A1 (ja) すべり軸受
CN111609103A (zh) 一种滚珠丝杠副
JP2007127241A (ja) 遊星ローラねじ
JP2018009628A (ja) ボールねじ装置
JP2018189167A (ja) アンギュラ玉軸受
TWI532932B (zh) And a transmission element of a lubricating structure with two spaced annular rolling elements
JP2006009871A (ja) 遊星ローラねじ装置およびその製造方法
JP2018003923A (ja) ボールねじ装置
JP2024089146A (ja) ボールねじ
JPS6014042Y2 (ja) 高速送り用ネジ装置
JP2021131102A (ja) 密封装置及び密封構造
JP2017180605A (ja) ボールねじ及びそれに用いられるシール
JP2009074666A (ja) 歯車装置
TW201621190A (zh) 滾珠螺桿裝置

Legal Events

Date Code Title Description
A621 Written request for application examination

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A621

Effective date: 20150724

A977 Report on retrieval

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A971007

Effective date: 20160418

A131 Notification of reasons for refusal

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A131

Effective date: 20160510

A521 Written amendment

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A523

Effective date: 20160706

A131 Notification of reasons for refusal

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A131

Effective date: 20170117

A02 Decision of refusal

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A02

Effective date: 20170718