JP2014031266A - ブーム伸縮機構 - Google Patents

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Abstract

【課題】縮小用ロープに過大なテンションが作用することで生じる縮小用ロープの許容以上の伸びや破断および縮小用シーブの損傷を未然に防止する。
【解決手段】基部側のブーム2の先端における縮小用ロープ7の取付位置と縮小用ロープ7の基端部との間に縮小用ロープ7に作用する設定値以上のテンションを受けて伸縮することで縮小用ロープ7に作用するテンションを許容範囲内に抑制するダンパー手段12を設ける。また、ロックピン用穴36に対するロックピン35の突入を検知するロックピン突入検知手段を設け、ロックピン35がロックピン用穴36に突入している間、アクチュエータ9による中間位置のブーム3の縮小動作を阻止する。
【選択図】図1

Description

本発明は各種のクレーンや自走式クレーン車等で利用されるブーム伸縮機構の改良に関する。
基部側のブームに先端側のブームを順次内嵌して摺動自在に2段以上設け、隣接する基部側のブームに取り付けられて先端側に向けて伸びる伸長用ロープの方向を折り返して隣接する先端側のブームの基部に取り付けるための伸長用シーブを先端側に備えると共に隣接する基部側のブームの先端に取り付けられて基部側に向けて伸びる縮小用ロープの方向を折り返して隣接する先端側のブームに取り付けるための縮小用シーブを基部側に備えた中間位置のブームを、隣接する基部側のブームに対し、アクチュエータの駆動力で伸縮動作させることによって、この中間位置のブームに隣接する先端側のブームを該中間位置のブームに対して伸縮動作させるようにしたブーム伸縮機構が、既に、特許文献1に開示される三段同時伸縮ブームや特許文献2に開示されるブーム伸縮用ロープの緊張装置として知られている。
これらは何れもクレーン車の旋回胴に取り付けられて起倒する基部側の第一ブームに第二ブームと第三ブームつまり中間位置のブームと先端側のブームを2段に亘って摺動自在に内嵌して構成したものである。
特許文献1に開示される三段同時伸縮ブームは、基部側の第一ブームに取り付けられて先端側に向けて伸びる伸長用ロープの方向を折り返して中間位置の第二ブームに隣接する先端側の第三ブームの基部に取り付けるための伸長用シーブと伸長用ロープ、および、中間位置の第二ブームに隣接する基部側の第一ブームの先端に取り付けられて基部側に向けて伸びる縮小用ロープの方向を折り返して中間位置の第二ブームに隣接する先端側の第一ブームに取り付けるための縮小用シーブと縮小用ロープを共にブームの上面側に配備しているのに対し、特許文献2に開示されるブーム伸縮用ロープの緊張装置は、基部側の第一ブームに取り付けられて先端側に向けて伸びる伸長用ロープの方向を折り返して中間位置の第二ブームに隣接する先端側の第三ブームの基部に取り付けるための伸長用シーブと伸長用ロープをブームの上面側に配備する一方、中間位置の第二ブームに隣接する基部側の第一ブームの先端に取り付けられて基部側に向けて伸びる縮小用ロープの方向を折り返して中間位置の第二ブームに隣接する先端側の第三ブームに取り付けるための縮小用シーブと縮小用ロープをブームの下面側に配備している点で見かけ上の違いはあるが、何れのものも、中間位置の第二ブームの先端側に伸長用シーブを備え且つ中間位置の第二ブームの基部側に縮小用シーブを備えている点、および、アクチュエータとして機能する複動型油圧シリンダの駆動力を利用して基部側の第一ブームに対して中間位置の第二ブームを伸縮動作させ、更に、この伸縮動作と、伸長用シーブに掛け回された伸長用ロープに作用するテンション、および、縮小用シーブに掛け回された縮小用ロープに作用するテンションを利用して中間位置の第二ブームに隣接した先端側の第三ブームを中間位置の第二ブームに対して伸縮動作させるという点で、構成的に等価である。
つまり、何れのものも、基部側の第一ブームに対し、これに隣接する中間位置の第二ブームを伸縮動作させるために1本の複動型油圧シリンダを必要とするが、中間位置の第二ブームに対して此れに隣接する先端側の第三ブームを伸縮させるための格別の油圧シリンダは必要とせず、全体として低コストかつ軽量なブーム伸縮機構を提供できるといった特徴を有する。
特許文献1や特許文献2に開示されるブーム伸縮機構にあっては、ブームの軸方向に沿って基部側の第一ブームと此れに隣接する中間位置の第二ブームの間に作用する懸吊作業中の荷重は第一ブームと第二ブームを接続する複動型油圧シリンダによって直接的に支えられるが、ブームの軸方向に沿って中間位置の第二ブームと此れに隣接する先端側の第三ブームとの間に作用する荷重は伸長用ロープのテンションおよび此れを掛け回した伸長用シーブによって支えられるため、過大な荷重が作用すると、伸長用ロープや伸長用シーブに損傷が生じるといった可能性がある。
特許文献1に開示される三段同時伸縮ブームでは、中間位置の第二ブームと此れに隣接する先端側の第三ブームとの間に作用する懸吊作業中の荷重によって伸長用ロープや伸長用シーブに損傷が生じるのを防止し、且つ、中間位置の第二ブームと此れに隣接する先端側の第三ブームとの間に作用する懸吊作業中の荷重にブームが十分に耐えられるようにするため、先端側の第三ブームの基部に取り付けられたロックピンを中間位置の第二ブームの先端に設けられたロックピン用穴に突入させて伸長状態にある先端側の第三ブームを中間位置の第二ブームに固定するようにしており、これが、この種の問題に対する一般的な解決策となっている。
これに対し、ブームに作用する懸吊荷重は伸長用ロープに作用し、これまで、縮小用ロープに過大なテンションが作用するといった問題は特に考慮されていなかった。
しかし、実際には、アクチュエータとして機能する複動型油圧シリンダが懸吊作業中の荷重で縮小されて中間位置の第二ブームと先端側の第三ブームが伸長状態で一体化したまま後退したり、あるいは、アクチュエータとして機能する複動型油圧シリンダに貯溜された作動油の温度変化に伴う作動油の体積変化,油室への空気の滲入や滲出,ピストンのオーバーシュート等のためにブーム格納の最終段階で縮小状態で内外に重合して一体化した中間位置の第二ブームと先端側の第三ブームが当初に想定した位置を越えて隣接する基部側の第一ブームに突入しようとして縮小用ロープに過大なテンションが作用したり、更には、先端側の第三ブームを中間位置の第二ブームにロックピンで固定したままで行われる誤ったブーム縮小操作等によって縮小用ロープに過大なテンションが作用して縮小用ロープに許容以上の伸びや破断が生じたり縮小用シーブに損傷が生じたりするといった可能性がある。
なお、特許文献2には基部側の第一ブームの先端における縮小用ロープの取付位置と縮小用ロープの基端部との間に油圧シリンダ(8)を設けた構造が開示されているが、この油圧シリンダ(8)は縮小用ロープの弛みを修正するためのものに過ぎず、縮小用ロープや縮小用シーブを保護するといった機能は備えていない。油圧シリンダに代わるスプリングを利用してロープの弛みを修正することは、特許文献3等に開示される通り周知の技術常識となっている。
また、縮小用ロープではないが、伸長用ロープの保護に関わる技術手段として、基部側の第一ブームに取り付けられて先端側に向けて伸びる伸長用ロープの基部と第一ブームにおける伸長用ロープの取付位置との間に張力検出手段を設け、この張力検出手段が所定値以上の張力を検出した時点でソレノイドを作動させてアクチュエータとして機能する複動型油圧シリンダに供給する作動油の圧力を低下させるようにしたものが、特許文献4におけるジブの張出装置として知られている。しかし、このものは電気回路や油圧回路の切り替えによって複動型油圧シリンダの駆動力を低下させて伸長用ロープのテンションを軽減するものであるため、必然的に、電気的・機械的な制御系の遅れや慣性運動による動作遅れを伴う。つまり、伸長用ロープのテンションが急激に増大しても直ちには其のテンションを軽減させることができないといった不都合がある。従って、仮に、この技術を縮小用ロープの保護に転用したとしても、前記と同様の問題、つまり、縮小用ロープのテンションが急激に増大しても直ちには其のテンションを軽減させることができないといった不都合が生じることになる。
また、このような技術を縮小用ロープの保護に転用できるのは、アクチュエータとして機能する複動型油圧シリンダに供給する作動油の圧力を低下させることが可能な状況下、例えば、ピストンのオーバーシュート等のためにブーム格納の最終段階で縮小状態で内外に重合して一体化した中間位置の第二ブームと先端側の第三ブームが当初に想定した位置を越えて隣接する基部側の第一ブームに突入しようとして縮小用ロープに過大なテンションが作用するといった場合だけであり、アクチュエータによって強い荷重を支える必要がある懸吊作業中のアクチュエータの後退に伴う縮小用ロープのテンションの増大には全く対処することができない。
中間位置の第二ブームの先端に取り付けられたロックピンをクレーン車のキャビン等から遠隔操作して先端側の第三ブームの基部に設けられたロックピン用穴に突入させる技術は例えば特許文献5にも開示されるように当該分野における技術常識である。ロックピンやロックピン用穴の取付箇所を逆転することは当業者の通常の創作能力の範囲内での設計変更に過ぎない。
実開平4−49189号公報(第1図) 実開昭45−19550号公報(第1図,第2図) 特開2001−130873号公報(図3,図4) 実開平2−149686号公報(第1図,第2図) 実開昭62−179288公報(第2図)
本発明の目的は、縮小用ロープに過大なテンションが作用することで生じる縮小用ロープの許容以上の伸びや破断および縮小用シーブの損傷を未然に防止することのできるブーム伸縮機構を提供することにある。
本発明のブーム伸縮機構は、基部側のブームに先端側のブームを順次内嵌して摺動自在に2段以上設け、これらのうち、隣接する基部側のブームに取り付けられて先端側に向けて伸びる伸長用ロープの方向を折り返して隣接する先端側のブームの基部に取り付けるための伸長用シーブを先端側に備えると共に隣接する基部側のブームの先端に取り付けられて基部側に向けて伸びる縮小用ロープの方向を折り返して隣接する先端側のブームに取り付けるための縮小用シーブを基部側に備えた中間位置のブームを、隣接する基部側のブームに対し、アクチュエータの駆動力で伸縮動作させることによって、該中間位置のブームに隣接する先端側のブームを該中間位置のブームに対して伸縮動作させるようにしたブーム伸縮機構において、
前記基部側のブームの先端における前記縮小用ロープの取付位置と該縮小用ロープの基端部との間、もしくは、前記隣接する先端側のブームにおける前記縮小用ロープの取付位置と該縮小用ロープの先端部との間のうち少なくとも何れか一方に、
前記縮小用ロープに作用する設定値以上のテンションを受けて伸縮することで前記縮小用ロープに作用するテンションを許容範囲内に抑制するダンパー手段を設けたことを特徴とする構成を有する。
このような構成において、縮小用ロープに設定値以上のテンションが作用すると、基部側のブームの先端における縮小用ロープの取付位置と縮小用ロープの基端部との間、もしくは、隣接する先端側のブームにおける縮小用ロープの取付位置と縮小用ロープの先端部との間、或いは、その両方に設けられたダンパー手段が伸縮して縮小用ロープに作用するテンションを許容範囲内に抑制し、縮小用ロープに過大なテンションが作用することで生じる縮小用ロープの許容以上の伸びや破断および縮小用シーブの損傷を未然に防止する。
特に、縮小用ロープの端部と其の取付位置との間にダンパー手段を介装した構成によれば、縮小用ロープに設定値以上のテンションが作用した段階で直ちにダンパー手段が伸縮を開始するので、縮小用ロープに作用するテンションが許容範囲を超えることはなく、縮小用ロープの許容以上の伸びや破断および縮小用シーブの損傷を確実に防止することができるようになる。
しかも、アクチュエータの駆動力を低下させずに縮小用ロープや縮小用シーブを保護することができるので、懸吊作業中のアクチュエータの後退による縮小用ロープのテンションの増大に伴う縮小用ロープの許容以上の伸びや破断および縮小用シーブの損傷を確実に防止することができる。
また、中間位置のブームに隣接する先端側のブームの基部に取り付けられたロックピンを中間位置のブームの先端に設けられたロックピン用穴に遠隔操作で突入させて伸長状態にある先端側のブームを中間位置のブームに固定するようにしたブーム伸縮機構においては、
ロックピン用穴に対するロックピンの突入を検知するロックピン突入検知手段と、
ロックピン突入検知手段がロックピンの突入状態を検知している間、少なくとも、アクチュエータに中間位置のブームを縮小させる方向の指令が入力されるのを阻止する縮小指令キャンセル手段とを設けた構成とする。
このような構成を適用すると、中間位置のブームに隣接する先端側のブームを中間位置のブームにロックピンで固定した状態で縮小指令キャンセル手段が作動し、中間位置のブームを縮小させる方向の指令それ自体がアクチュエータに入力されなくなる。
中間位置のブームに隣接する先端側のブームを中間位置のブームにロックピンで固定したままブームの縮小操作を行なおうとする行為は明らかな誤操作である。
既に述べた通り、アクチュエータの駆動トルクや速度の切り替え操作(トルク0と速度0を含む)には電気的・機械的な制御系の遅れが伴うが、先端側のブームを中間位置のブームにロックピンで固定したままブームの縮小操作を行なうといった誤操作が行われる時点ではアクチュエータは稼動しておらず、その停止状態を維持するだけで済むので、時間的な遅れは全く問題とならない。
つまり、中間位置のブームを縮小させる方向の指令がアクチュエータに入力されるのを阻止するといった簡単な処理だけで、過大なテンションによる縮小用ロープの許容以上の伸びや破断および縮小用シーブの損傷を確実に防止することができる。
更に、ロックピン用穴が、ロックピンが余裕をもって突入できるだけの長さをブームの長手方向に沿って備えている場合にあっては、
ロックピンにおけるブーム基部側の端面がロックピン用穴におけるブーム基部側の縁部に当接したことを検知する後密着状態検知手段を設け、
ロックピン突入検知手段がロックピンの突入状態を検知し且つ後密着状態検知手段がロックピンにおけるブーム基部側の端面がロックピン用穴におけるブーム基部側の縁部に当接したことを検知している間、前記縮小指令キャンセル手段を作動させる構成とする。
このような構成を適用した場合、ロックピンがロックピン用穴に突入しただけでは縮小指令キャンセル手段は作動せず、ロックピン用穴に突入したロックピンにおけるブーム基部側の端面がロックピン用穴におけるブーム基部側の縁部に当接した時点で初めて縮小指令キャンセル手段が作動することになる。
ロックピン用穴にロックピンを素早く突入させるためにはロックピン用穴にブームの長手方向に沿った余裕を持たせる必要があるが、そうした場合、ロックピン用穴にロックピンが突入した時点で直ちに縮小指令キャンセル手段を作動させてしまうと、ロックピン用穴に突入したロックピンをロックピン用穴に対してブームの長手方向に相対移動させることができなくなり、ロックピン突入時の状況によっては、ロックピン用穴に突入したロックピンにおけるブーム基部側の端面とロックピン用穴におけるブーム基部側の縁部との間に間隙が生じ、このまま懸吊作業を開始するとブームの軸方向に大きな荷重が作用して、中間位置のブームに隣接する先端側のブームを伸長させている伸長用ロープに過大なテンションが作用するといった不都合が生じる場合がある。
そこで、この構成にあっては、ロックピン用穴にロックピンが突入した後もアクチュエータの稼動を許容し、ロックピンにおけるブーム基部側の端面をロックピン用穴におけるブーム基部側の縁部に当接させ、ロックピンとロックピン用穴との嵌合によって先端側のブームが中間位置のブームで確実に支えられるようになってから縮小指令キャンセル手段を作動させて、ブーム縮小方向の誤操作による縮小用ロープの許容以上の伸びや破断および縮小用シーブの損傷を防止するようにしている。
このような構成によれば、ロックピン用穴にロックピンを素早く突入させ、伸長用ロープに過大なテンションを作用させることなく、縮小用ロープの許容以上の伸びや破断および縮小用シーブの損傷を防止することが可能となる。
本発明によれば、縮小用ロープに過大なテンションが作用することで生じる縮小用ロープの許容以上の伸びや破断および縮小用シーブの損傷を未然に防止することができる。
本発明を適用した一実施形態のブーム伸縮機構の構成について簡略化して示した側面図である。 同実施形態のブーム伸縮機構のアクチュエータを駆動する油圧回路の構成について簡略化して示した図である。 同実施形態のブーム伸縮機構が備えるダンパー手段の構造を示した側断面図である。 同実施形態のブーム伸縮機構における基部側のブームにダンパー手段を取り付けた状態を示した参考図である。 同実施形態のブーム伸縮機構における基部側のブームにダンパー手段の一部を構成するリリーフシリンダを取り付ける際の手順について示した参考図である。 同実施形態のブーム伸縮機構における先端側のブームを中間位置のブームに対して伸長させた状態でロックピンとロックピン用穴との係合状態を示した側断面図である。 同実施形態のブーム伸縮機構におけるロックピンおよびロックピン用穴に関連した構成を示した図で、図7(a)はロックピンがロックピン用穴の略中央部に位置した状態を示した部分拡大図、図7(b)はロックピンにおけるブーム基部側の端面がロックピン用穴におけるブーム基部側の縁部に当接した状態を示した部分拡大図、図7(c)はロックピンとロックピン用穴の位置関係を検出する後密着状態検知手段の構成について示した部分拡大図である。
次に、本発明を実施するための形態について図面を参照して具体的に説明する。
図1は本発明を適用した一実施形態のブーム伸縮機構の構成について簡略化して示した側面図、また、図2は同実施形態のブーム伸縮機構のアクチュエータを駆動する油圧回路の構成について簡略化して示した図である。
図1に示されるように、この実施形態のブーム伸縮機構1は、クレーン車の旋回胴に取り付けられて起倒する基部側のブーム2と、基部側のブーム2に内嵌して摺動自在に取り付けられた中間位置のブーム3と、中間位置のブーム3に内嵌して摺動自在に取り付けられた先端側のブーム4を備える。
つまり、このブーム伸縮機構1は、基部側のブーム2に対して相対的に先端側となる中間位置のブーム3および先端側のブーム4を基部側のブーム2に順次内嵌して摺動自在に設けたものである。
これらのうち、基部側のブーム2に隣接する中間位置のブーム3は、隣接する基部側のブーム2の基部に取り付けられて先端側に向けて伸びる伸長用ロープ5の方向を折り返して此の中間位置のブーム3に隣接する先端側のブーム4の基部に取り付けるための伸長用シーブ6を其の先端側に備え、また、隣接する基部側のブーム2の先端に取り付けられて基部側に向けて伸びる縮小用ロープ7の方向を折り返して此の中間位置のブーム3に隣接する先端側のブーム4に取り付けるための縮小用シーブ8を其の基部側に備える。
なお、この実施形態で言う基部側/先端側の区別はブーム長手方向を基準とした方向性であり、先端側は先端側のブーム4が位置する側、また、基部側は基部側のブーム2が位置する側である。
この実施形態におけるアクチュエータはブーム2,3,4の内部に設置された複動型油圧シリンダ9によって構成されており、この複動型油圧シリンダ9のピストンロッドの先端が基部側のブーム2の基部にピン10を介して枢着されると共に、其のシリンダヘッド部分の両側に固設されたトラニオン11が中間位置のブーム3の基部によって枢支され、ボトム側の端部には伸長用シーブ6が回転自在に取り付けられている。
この実施形態では複動型油圧シリンダ9のボトム側の端部の位置が中間位置のブーム3の先端部の位置と一致しているので、複動型油圧シリンダ9のボトム側の端部を利用して中間位置のブーム3の先端部相当位置に伸長用シーブ6を取り付けるようにしているが、伸長用シーブ6は別の方法で中間位置のブーム3の先端部に取り付けても構わない。
このようにして複動型油圧シリンダ9のピストンロッドの先端が基部側のブーム2に固定され、複動型油圧シリンダ9のシリンダヘッド部分がトラニオン11を介して中間位置のブーム3の基部に固定される結果、ブーム2,3,4に対する複動型油圧シリンダ9の姿勢は平行状態のまま変化せず、また、中間位置のブーム3に対する伸長用シーブ6の相対位置も常に一定の位置、つまり、中間位置のブーム3の先端部に伸長用シーブ6が位置する状態に保持される。
複動型油圧シリンダ9を駆動して伸縮させれば、ピストンロッドの先端を基部側のブーム2に枢着しているピン10とシリンダヘッド部分を中間位置のブーム3に枢着しているトラニオン11との間の離間距離が変化するので、当然、中間位置のブーム3が此れに隣接する基部側のブーム2に対して伸縮動作することになる。
また、複動型油圧シリンダ9の伸長動作時すなわち中間位置のブーム3の伸長動作時には、伸長用シーブ6が中間位置のブーム3と一体的に移動し、この伸長用シーブ6が、中間位置のブーム3と隣接した基部側のブーム2に一端を固定され、且つ、其の他端を中間位置のブーム3と隣接した先端側のブーム4の基部に固定された伸長用ロープ5の折り返し部分を、先端側に向けて引くことになる。
隣接する基部側のブーム2に固定された一端を伸長用ロープ5の固定端、また、隣接する先端側のブーム4の基部に固定された他端を伸長用ロープ5の自由端、そして、伸長用シーブ6を動滑車としてみれば分かる通り、基部側のブーム2を基準とした場合、複動型油圧シリンダ9の伸長動作時における基部側のブーム2に対する伸長用ロープ5の他端の移動距離および移動速度すなわち基部側のブーム2に対する先端側のブーム4の移動距離および移動速度は、基部側のブーム2に対する伸長用シーブ6の移動距離および移動速度すなわち基部側のブーム2に対する中間位置のブーム3の移動距離および移動速度の2倍となるが、これは飽くまでも基部側のブーム2を絶対的な基準とした場合のことであって、基部側のブーム2に対する伸長用シーブ6すなわち中間位置のブーム3の相対的な移動距離および移動速度と、伸長用シーブ6すなわち中間位置のブーム3に対する伸長用ロープ5の他端つまり先端側のブーム4の相対的な移動距離および移動速度は相等しい値となる。従って、複動型油圧シリンダ9のピストンロッドをXmm突出させれば中間位置のブーム3が此れに隣接する基部側のブーム2から相対的にXmm突出し、これと完全に同期して、先端側のブーム4が此れに隣接する基部側の中間位置のブーム3から相対的にXmm突出することになる。
これとは逆に、複動型油圧シリンダ9の縮小動作時つまり中間位置のブーム3の縮小動作時には、縮小用シーブ8が中間位置のブーム3と一体的に移動し、この縮小用シーブ8が、中間位置のブーム3と隣接した基部側のブーム2の先端に一端を固定され、且つ、其の他端を中間位置のブーム3と隣接した先端側のブーム4に固定された縮小用ロープ7の折り返し部分を基部側に向けて引くことになる。従って、前記と同様の作用原理により、複動型油圧シリンダ9のピストンロッドをXmm縮小させれば中間位置のブーム3が此れに隣接する基部側のブーム2に対して相対的にXmm突入し、これと完全に同期して、先端側のブーム4が此れに隣接する基部側の中間位置のブーム3に対して相対的にXmm突入することになる。
つまり、アクチュエータとして機能する複動型油圧シリンダ9の駆動力で基部側のブーム2に対して中間位置のブーム3を伸縮動作させれば、この伸縮動作と、伸長用シーブ6に掛け回された伸長用ロープ5に作用するテンション、および、縮小用シーブ8に掛け回された縮小用ロープ7に作用するテンションにより、中間位置のブーム3に隣接した先端側のブーム4を中間位置のブーム3に対して自動的に伸縮動作させることができる。
この実施形態のブーム伸縮機構1においては、特に、基部側のブーム2の先端における縮小用ロープ7の取付位置と縮小用ロープ7の基端部との間に、縮小用ロープ7に作用する設定値以上のテンションを受けて縮小することによって縮小用ロープ7に作用するテンションを許容範囲内に抑制するダンパー手段12が設けられている。
ここで、この実施形態に固有のダンパー手段12の構造について図3〜図5を参照して説明する。
図3は、縮小用ロープ7に作用するテンションを軸方向に受けるリリーフシリンダ13(油圧シリンダの一種)とリリーフシリンダ13が設定値に相当する軸方向の力を受けたときにリリーフシリンダ13のボトム側油室の作動油を外部に逃がすリリーフ弁14とによって主要部を構成される本実施形態のダンパー手段12の構造を示した側断面図、図4は基部側のブーム2にダンパー手段12を取り付けた状態を示した参考図、図5は基部側のブーム2にリリーフシリンダ13を取り付ける際の手順について示した参考図である。
ダンパー手段12は、図3〜図5に示されるように、ピストンロッドを先端側に向けて伸縮方向をブーム長手方向に合わせたリリーフシリンダ13のボトム側端部を基部側のブーム2の上面先端付近に枢着するためのステープル15および枢着ピン16と、
ブーム長手方向の長穴を穿設した2枚の側板17,17を一定の間隔を置いて平行に配置した状態で各側板17,17の下端部を平面視略U字型の切欠を有する基板18の上面に固着して構成したサポートブラケット19と、
サポートブラケット19を構成する基板18の下面に基部側の端部上面を摺接させる略矩形状のスライド板20と、該スライド板20の先端側の端部上面にピストンロッド先端の幅に相当する間隔を置いて固設され其の先端部に孔を穿設された2枚の舌片21,21と、ブーム長手方向に沿ってスライド板20の下面に固設されたロープ取付用スリーブ22によって構成される取付用ブラケット23と、
サポートブラケット19における側板17,17の長穴と取付用ブラケット23における舌片21,21の孔とリリーフシリンダ13におけるピストンロッドの先端の孔を貫通して取付用ブラケット23をリリーフシリンダ13におけるピストンロッドの先端に枢着するための連結ピン24と、
取付用ブラケット23のロープ取付用スリーブ22に基部側から先端側に向けて通された縮小用ロープ7の基端部を突出量の調整が可能な状態でロープ取付用スリーブ22に固定するためのダブルナット25と、
リリーフシリンダ13と、リリーフシリンダ13から側方にオフセットして基部側のブーム2の上面に設置されたリリーフ弁14によって構成され、リリーフシリンダ13には、図2に示されるように、ピストン部を貫通する孔26が設けられている。
基部側のブーム2の上面先端付近にはブーム長手方向に伸びる略矩形状の開口部4aが穿設され、サポートブラケット19は、基板18における略U字型の切欠の位置を開口部4aの外周部に合わせるようにして基部側のブーム2の上面に固着され、また、連結ピン24を介してリリーフシリンダ13のピストンロッド先端に枢着された取付用ブラケット23は、開口部4a内に位置するスライド板20の端部上面をサポートブラケット19の基板18の下面に摺接させるようにして、全体として、ブーム2の上面裏側の位置に取り付けられる。
ダンパー手段12の主要部を構成するリリーフシリンダ13とリリーフ弁14との接続関係は図2に示す通りであり、縮小用ロープ7に作用するテンションを軸方向の圧縮力として受けるリリーフシリンダ13のピストンロッドに設定値に相当する軸方向の力が加わった場合には、リリーフ弁14が作動してリリーフシリンダ13のボトム側油室の作動油を管路27に排出し、リリーフシリンダ13のピストンロッドの縮小によって縮小用ロープ7に作用する過大なテンションを吸収するようになっている。より具体的には、ここでいう設定値とは、縮小用ロープ7にロープ安全率以上の張力が生じたり縮小用シーブ8に損傷が生じたりする際の縮小用ロープ7のテンションから十分なマージンを取って其れよりも低く設定した圧力値であって、縮小用ロープ7のテンションの許容範囲よりも十分に小さな圧力値である。リリーフシリンダ13から排出された作動油は、最終的に、管路27とシャトル弁28、および、管路31と主管路29、もしくは、管路32と主管路30を経由して油圧回路のタンクTに帰還することになる。
管路31,32はアクチュエータとして機能する複動型油圧シリンダ9に排他的に作動油を供給する主管路29,30から分岐した管路であり、複動型油圧シリンダ9を駆動してブームを伸長する際には、その時点で複動型油圧シリンダ9に作動油を供給している主管路29から分岐した管路31がシャトル弁28によって自動的に選択され、前述の管路27とリリーフ弁14をバイパスした管路33を介して、作動油を排出したリリーフシリンダ13のボトム側油室に作動油が送り込まれ、また、複動型油圧シリンダ9を駆動してブームを縮小する際には、その時点で複動型油圧シリンダ9に作動油を供給している主管路30から分岐した管路32がシャトル弁28によって自動的に選択されて、前述の管路27とリリーフ弁14をバイパスした管路33を介して、作動油を排出したリリーフシリンダ13のボトム側油室に作動油が送り込まれるようになっている。
リリーフ弁14をバイパスした管路33は、複動型油圧シリンダ9に供給される作動油を分岐させてダンパー手段12の主要部を構成するリリーフシリンダ13に供給することを目的としてリリーフ弁14と並列して設けられた管路であり、この管路33上には、リリーフシリンダ13のボトム側油室から流出する作動油の流れを阻止するための逆止弁34が設けられている。
更に、この実施形態のブーム伸縮機構1は、中間位置のブーム3に隣接する先端側のブーム4の基部に取り付けられたロックピン35を中間位置のブーム3の先端に設けられたロックピン用穴36に遠隔操作で突入させることによって伸長状態にある先端側のブーム4を中間位置のブーム3に固定する構成を有する。
ロックピン35およびロックピン用穴36に関連した構成を図6〜図7に示す。
図6は先端側のブーム4を中間位置のブーム3に対して伸長させた状態でロックピン35とロックピン用穴36の係合状態を示した側断面図、また、図7(a)はロックピン35がロックピン用穴36の略中央部に位置した状態を示した部分拡大図、図7(b)はロックピン35におけるブーム基部側の端面35aがロックピン用穴36におけるブーム基部側の縁部36aに当接した状態を示した部分拡大図、図7(c)はロックピン35とロックピン用穴36の位置関係を検出するための後密着状態検知手段37の構成について示した部分拡大図である。
図6に示されるように、ロックピン35は、先端側のブーム4の基部の内側に固設されたステー38によってブーム4の外周面と直交する方向に移動自在に保持され、スプリング39によって常に外側に向けて付勢されている。従って、ブーム3側のロックピン用穴36からブーム4側のロックピン35を引き抜いてブーム3に対するブーム4の固定を解除するためには、ロックピン35の基部に接続されたロック解除用シリンダ40を作動させてロックピン35をロックピン用穴36から退避させる必要がある。図6および図2では特に図示しないが、ロック解除用シリンダ40を作動させるための開閉スイッチはブーム伸縮機構1を実装したクレーン車のキャビン内に設置されている。
また、ロックピン35の下端部近傍には、ロックピン35がロックピン用穴36に突入した状態を検知するロックピン突入検知手段の主要部として機能するリミットスイッチ41が設けられている。
リミットスイッチ41は常開型のリミットスイッチであり、ロックピン35がロックピン用穴36に突入してロックピン35と一体的に移動する検知板42が図6に示されるようにしてリミットスイッチ41を押し上げた場合にだけ閉路する。
この実施形態におけるロックピン用穴36は、図7(a)および図7(b)に示される通り、ロックピン35が余裕をもって突入できるだけの長さをブームの長手方向に沿って備えている。
ロックピン35におけるブーム基部側の端面35aがロックピン用穴36におけるブーム基部側の縁部36aに当接したことを検知する後密着状態検知手段37は、図7(c)に示されるように、中間位置のブーム3の先端に取り付けられた第二のリミットスイッチ43と先端側のブーム4の基部に取り付けられたリミットスイッチ用ドッグ44によって構成される。
リミットスイッチ用ドッグ44はブーム長手方向に沿って伸びる楔状の側面を有し、先端側のブーム4の伸長動作が最終段階に入ってロックピン35がロックピン用穴36に基部側から接近した場合、および、先端側のブーム4が適正位置を越えて伸長方向にオーバーシュートした状態から縮小方向に引き戻されてロックピン35がロックピン用穴36に先端側から接近した場合に、この楔状の側面の長手方向の端部が第二のリミットスイッチ43のカムフォロア45に当接する。
第二のリミットスイッチ43は常開型のリミットスイッチであり、第二のリミットスイッチ43が閉路するのは、図7(c)に示されるように、リミットスイッチ用ドッグ44の楔状の側面における頂点を基準として、ブームの長手方向に±α/2の範囲に第二のリミットスイッチ43のカムフォロア45が存在する状況下に限られる。
リミットスイッチ用ドッグ44の楔状の側面に形成された頂点とカムフォロア45との対応関係をロックピン35とロックピン用穴36の位置関係に置き換えると、図7(b)に示されるようにしてロックピン35におけるブーム基部側の端面35aがロックピン用穴36におけるブーム基部側の縁部36aに当接した状態から、図7(a)に示されるようにしてロックピン35におけるブーム基部側の端面35aがロックピン用穴36におけるブーム基部側の縁部36aを基準としてαだけ先端側に離間した状態に至る区間で第二のリミットスイッチ43が閉路することになる。
従って、ロックピン35におけるブーム基部側の端面35aがロックピン用穴36におけるブーム基部側の縁部36aに完全に当接していない状態、例えば、ロックピン35におけるブーム基部側の端面35aがロックピン用穴36におけるブーム基部側の縁部36aからαだけ先端側に離間した状態で第二のリミットスイッチ43が両者の当接を検知するといった可能性があり、この状態を維持したまま懸吊作業を開始すると、懸吊作業に際して加わる荷重によって先端側のブーム4が僅かに縮小して伸長用ロープ5が距離α相当だけ引き伸ばされることになるが、伸長用ロープ5がαだけ伸びるときに伸長用ロープ5に作用するテンションは十分に小さな値であるから、伸長用ロープ5や伸長用シーブ6に悪影響が生じることはない。つまり、αは、ロックピン用穴36に対するロックピン35の遊びによって先端側のブーム4が縮小しても伸長用ロープ5や伸長用シーブ6に悪影響が生じないように予め決められた値である。
また、図2に示されるように、アクチュエータとして機能する複動型油圧シリンダ9を伸縮操作するためにクレーン車のキャビン内に設置された制御弁47には、複動型油圧シリンダ9がブームを縮小させる方向、つまり、油圧ポンプPからの作動油が主管路30に送り込まれる方向に制御弁47が切り替えられたことを検出するための縮小操作検出スイッチ48が設けられている。
縮小操作検出スイッチ48は常開型のスイッチであり、制御弁47がブームを縮小させる方向に操作された場合に限って閉路する。
この実施形態における縮小指令キャンセル手段は、図2に示されるように、複動型油圧シリンダ9のカウンタバランシングバルブ46と制御弁47との間の主管路29,30上に設置された電磁開閉弁49によって構成されている。
この電磁開閉弁49はロックピン突入検知手段として機能するリミットスイッチ41と後密着状態検知手段として機能する第二のリミットスイッチ43と縮小操作検出スイッチ48が共に閉路した場合にだけ作動し、カウンタバランシングバルブ46と制御弁47との間で主管路29,30を閉鎖し、複動型油圧シリンダ9のピストンロッド側油室に作動油が供給されること、つまり、アクチュエータとして機能する複動型油圧シリンダ9に中間位置のブーム3を縮小させる方向の指令が入力されることを阻止する。
なお、図1中の符号50は、収納状態にある先端側のブーム4を中間位置のブーム3に固定するためのロックピン受穴である。
次に、この実施形態のブーム伸縮機構1の全体的な動作について簡単に説明する。
まず、懸吊作業の開始に先駆けて格納状態にあるブームを伸長させる場合には、キャビン内の開閉スイッチを操作してロック解除用シリンダ40を作動させ、ロックピン35を縮小してロックピン35をロックピン受穴50から退避させ、中間位置のブーム3に対する先端側のブーム4の伸長動作を許容してから、従来と同様にキャビン内の制御弁47を図2中で下方に操作して油圧ポンプPからの作動油を主管路29に送り込み、アクチュエータとして機能する複動型油圧シリンダ9の伸長動作を開始させる。
この時点では、ロックピン突入検知手段として機能するリミットスイッチ41,後密着状態検知手段として機能する第二のリミットスイッチ43,縮小操作検出スイッチ48は何れも開路された状態にあるから縮小指令キャンセル手段を構成する電磁開閉弁49は非作動の状態にあり、油圧ポンプPからの作動油は制御弁47,電磁開閉弁49,主管路29,カウンタバランシングバルブ46を経由して複動型油圧シリンダ9のボトム側油室に送り込まれ、複動型油圧シリンダ9の伸長動作が開始されることになる。
複動型油圧シリンダ9の伸長に伴うブーム3,4の伸長動作に関しては既に段落0034で説明した通りである。
また、複動型油圧シリンダ9の伸長動作が行われる状況下では主管路29から分岐した管路31内の圧力が主管路30から分岐した管路32内の圧力よりも高くなるので、管路31,シャトル弁28,管路27,管路33,逆止弁34を介してダンパー手段12として機能するリリーフシリンダ13のボトム側油室に作動油が送り込まれることになる。
従って、縮小用ロープ7に不用意な弛みが生じた状態のままブーム3,4の伸長動作が開始されることはない。これにより、縮小用ロープ7における不用意なバタツキの発生が未然に防止される。
そして、中間位置のブーム3および先端側のブーム4の伸長動作が最終段階に入ると、ブーム4側のロックピン35がブーム3側のロックピン用穴36に基部側から接近し、ブーム3に固設された第二のリミットスイッチ43のカムフォロア45がブーム4の基部に固設されたリミットスイッチ用ドッグ44に先端側から乗り上げる。
理論上、後密着状態検知手段として機能する第二のリミットスイッチ43はブーム4側のロックピン35とブーム3側のロックピン用穴36との相対位置関係が図7(b)の状態になった時点で作動するが、複動型油圧シリンダ9の伸長動作が継続される間は縮小操作検出スイッチ48が開路状態を維持するので、縮小指令キャンセル手段を構成する電磁開閉弁49は作動せず、複動型油圧シリンダ9の伸長動作すなわち先端側のブーム4の伸長動作はそのまま許容される。
また、ロックピン35をロックピン用穴36に上手く突入させることができずに適正位置を越えて先端側のブーム4を伸長方向にオーバーシュートさせてしまった場合には、キャビン内の制御弁47を図2中で上方に操作して油圧ポンプPからの作動油を主管路30を介して複動型油圧シリンダ9のピストンロッド側油室に送り込み、アクチュエータとして機能する複動型油圧シリンダ9に縮小動作を行わせる必要があり、この場合は、ブーム4側のロックピン35がブーム3側のロックピン用穴36に先端側から接近し、ブーム3に固設された第二のリミットスイッチ43のカムフォロア45がブーム4の基部に固設されたリミットスイッチ用ドッグ44に基部側から乗り上げ、理論上、後密着状態検知手段として機能する第二のリミットスイッチ43はブーム4側のロックピン35とブーム3側のロックピン用穴36との相対位置関係が図7(a)の状態になった時点で作動することになる。
このような状況下では、制御弁47を縮小操作に切り替えた時点で既に縮小操作検出スイッチ48が閉路しているので、後密着状態検知手段として機能する第二のリミットスイッチ43と縮小操作検出スイッチ48が同時に閉路することになるが、ロックピン35がロックピン用穴36に突入しない限りロックピン突入検知手段として機能するリミットスイッチ41が開路状態を維持するので、縮小指令キャンセル手段を構成する電磁開閉弁49は作動せず、複動型油圧シリンダ9の縮小動作すなわち先端側のブーム4の縮小動作はそのまま許容されることになる。
複動型油圧シリンダ9の縮小に伴うブーム3,4の縮小動作に関しては既に段落0035で説明した通りである。
従って、中間位置のブーム3に対して先端側のブーム4を伸縮方向に任意に移動させながら頃合を見計らってキャビン内の開閉スイッチを操作し、ロック解除用シリンダ40を非作動の状態にしてスプリング39の付勢力でロックピン35をロックピン用穴36に突入させることができる。
あるいは、中間位置のブーム3および先端側のブーム4の伸長動作が最終段階に入った時点で早めにキャビン内の開閉スイッチを操作してロック解除用シリンダ40を非作動の状態とし、スプリング39の付勢力でロックピン35の先端を中間位置のブーム3の内壁に押し付けるようにしながら中間位置のブーム3に対して先端側のブーム4を伸縮方向に移動させて、ロックピン35をロックピン用穴36に突入させるようにしてもよい。
但し、何れの場合も、ロックピン35がロックピン用穴36に適正な状態で突入するという保証、つまり、ロックピン35におけるブーム基部側の端面35aがロックピン用穴36におけるブーム基部側の縁部36aに当接した後密着の状態で突入するという保証はない。
もし、ここで、ロックピン35におけるブーム先端側の端面がロックピン用穴36におけるブーム先端側の縁部に密着したような状態でロックピン35がロックピン用穴36に突入したとすると、中間位置のブーム3に対して先端側のブーム4が縮小方向に向けて比較的に大きな距離で移動することが可能となるので、懸吊作業中に大きな荷重が作用した場合に、伸長用ロープ5に過大なテンションが作用して伸長用ロープ5や伸長用シーブ6に損傷が生じる可能性がある。
この実施形態にあっては、ロックピン35をロックピン用穴36に突入させてロックピン突入検知手段として機能するリミットスイッチ41と縮小操作検出スイッチ48が共に閉路したとしても、図7(b)に示されるようにしてロックピン35におけるブーム基部側の端面35aがロックピン用穴36におけるブーム基部側の縁部36aに当接した状態から、図7(a)に示されるようにしてロックピン35におけるブーム基部側の端面35aがロックピン用穴36におけるブーム基部側の縁部36aを基準としてαだけ先端側に離間した状態に至る適正な区間にロックピン35が位置しない限り、後密着状態検知手段として機能する第二のリミットスイッチ43が開路状態を維持し、縮小指令キャンセル手段を構成する電磁開閉弁49が非作動の状態に保持されるので、ロックピン35がロックピン用穴36に不適切な状態で突入した場合であっても、引き続き複動型油圧シリンダ9を縮小方向に作動させて先端側のブーム4を縮小させることで、ロックピン35におけるブーム基部側の端面35aがロックピン用穴36におけるブーム基部側の縁部36aに当接する適切な後密着の状態を得ることができる。
従って、懸吊作業中における先端側のブーム4の後退によって伸長用ロープ5に過大なテンションが作用して伸長用ロープ5や伸長用シーブ6が損傷するといった不都合を未然に防止することができる。
また、ブーム3,4の伸長動作を終えてロックピン35とロックピン用穴36で先端側のブーム4を中間位置のブーム3に固定して懸吊作業を行なっている間に大きな荷重が作用してアクチュエータとして機能する複動型油圧シリンダ9が縮小した場合には、中間位置のブーム3に対する先端側のブーム4の縮小が許容されない状態で一体化したブーム3,4が同時に基部側のブーム2に接近することになるので、複動型油圧シリンダ9によって支えきれない荷重の全てが縮小用シーブ8を介して縮小用ロープ7の折り返し部分に作用することになる。
このような場合は、ダンパー手段12として機能するリリーフシリンダ13が縮小用ロープ7に作用するテンションを軸方向の圧縮力として受け、その圧縮力が設定値に達した時点でリリーフ弁14が作動してリリーフシリンダ13のボトム側油室の作動油を管路27に排出し、リリーフシリンダ13のピストンロッドの縮小によって縮小用ロープ7に作用する過大なテンションを吸収する。
リリーフシリンダ13の縮小量には限界があるが、懸吊作業中に生じる複動型油圧シリンダ9の縮小はリリーフシリンダ13の作動油に混入した空気の圧縮や滲出あるいは作動油の温度変化および懸吊作業中の荷重による作動油の体積変化以外にはないので、複動型油圧シリンダ9の縮小に伴う縮小用ロープ7のテンションの増大に対処することが主な目的であれば、その課題はダンパー手段12を構成するリリーフシリンダ13のピストンロッドの縮小によって十分に解決され得る。
しかし、これらとは別に、ブーム3,4の伸長動作を終えてロックピン35とロックピン用穴36で先端側のブーム4を中間位置のブーム3に固定して懸吊作業を行なっている間に誤って制御弁47を操作することでブーム3,4の縮退操作が行われるといったことも有り得る。
この場合、仮に複動型油圧シリンダ9の縮小操作が許容されるとするなら、中間位置のブーム3に対する先端側のブーム4の縮小が許容されない状態で一体化したブーム3,4が同時に基部側のブーム2に接近するといった現象が生じる。この現象は上記と同様の現象であるので、少なくとも、その初期段階にあっては、前記と同様、ダンパー手段12を構成するリリーフシリンダ13のピストンロッドの縮小によって其の問題に対処することが可能である。
しかしながら、もしも複動型油圧シリンダ9の縮小操作の継続が許容されるのであれば、やがてはリリーフシリンダ13のピストンロッドが縮小限界に達し、複動型油圧シリンダ9の縮小力の全てが縮小用シーブ8を介して縮小用ロープ7の折り返し部分に作用するといった重大な問題が発生する。
この実施形態では、少なくとも、ロックピン突入検知手段として機能するリミットスイッチ41,後密着状態検知手段として機能する第二のリミットスイッチ43を設け、また、中間位置のブーム3に対する先端側のブーム4の固定作業はロックピン35をロックピン用穴36に後密着の状態で当接させて終らせることを前提としているので、ロックピン35とロックピン用穴36で先端側のブーム4を中間位置のブーム3に固定して懸吊作業を行なっている間に誤って制御弁47を縮小方向に操作した状況下では必ずロックピン突入検知手段として機能するリミットスイッチ41と後密着状態検知手段として機能する第二のリミットスイッチ43が共に閉路状態となっており、縮小指令キャンセル手段として機能する電磁開閉弁49が作動して複動型油圧シリンダ9のカウンタバランシングバルブ46と制御弁47との間で主管路29,30を閉鎖するので、先端側のブーム4を中間位置のブーム3に固定した状態のままで複動型油圧シリンダ9の縮小操作が許容されるといったことはなく、従って、制御弁47の誤操作によって複動型油圧シリンダ9が縮小することによってリリーフシリンダ13のピストンロッドが縮小限度に達し、更には、複動型油圧シリンダ9の縮小力の全てが縮小用シーブ8を介して縮小用ロープ7の折り返し部分に作用して縮小用ロープ7や縮小用シーブ8に損傷が生じるといった問題は未然に防止される。
実際には、更に、縮小操作検出スイッチ48を設け、先端側のブーム4を中間位置のブーム3に固定した状態における伸長方向の動作を許容するようにしているが、この縮小操作検出スイッチ48は必須の要件ではない。
懸吊作業が終了してブームを格納する際には、まず、キャビン内の開閉スイッチを操作してロック解除用シリンダ40を作動させてロックピン35をロックピン用穴36から退避させ、中間位置のブーム3に対する先端側のブーム4の縮小動作を許容してから、従来と同様にキャビン内の制御弁47を図2中で上方に操作して油圧ポンプPからの作動油を主管路30に送り込み、アクチュエータとして機能する複動型油圧シリンダ9の縮小動作を開始させる。
複動型油圧シリンダ9の縮小に伴うブーム3,4の縮小動作に関しては既に段落0035で説明した通りである。
ロックピン35をロックピン用穴36から退避させた状態ではロックピン突入検知手段として機能するリミットスイッチ41が開路するので、縮小指令キャンセル手段を構成する電磁開閉弁49は非作動の状態に保持される。
従って、従来と同様の操作によってブーム3,4を格納することが可能であり、具体的な格納操作に関しては説明を省略する。
なお、複動型油圧シリンダ9の縮小動作が行われる状況下では主管路30から分岐した管路32内の圧力が主管路29から分岐した管路31内の圧力よりも高くなるので、管路32,シャトル弁28,管路27,管路33,逆止弁34を介してダンパー手段12として機能するリリーフシリンダ13のボトム側油室に送り込まれることになる。
以上に述べた通り、この実施形態によれば、縮小用ロープ7に過大なテンションが作用することで生じる縮小用ロープ7の許容以上の伸びや破断および縮小用シーブ8の損傷、更には、ロックピン35とロックピン用穴36が不適切な位置で係合した状態で懸吊作業中に大きな荷重が作用した場合に伸長用ロープ5に過大なテンションが作用して伸長用ロープ5や伸長用シーブ6に損傷が生じるといった不都合も防止される。
従って、懸吊荷重による複動型油圧シリンダ9の縮小つまりブームの後退に伴って生じる縮小用ロープ7のテンションの増大を考慮した上で此れに耐える為に縮小用ロープ7を太くするといった必要がなくなり、従来型の同種のブーム伸縮機構と比べて縮小用ロープ7を相対的に小径化することが可能となり、しかも、縮小用ロープ7の小径化に伴って縮小用ロープ7の可撓性が増大することから、縮小用シーブ8の小径化も実現され得る。同様に、伸長用ロープ5に作用する過大なテンションを考慮して伸長用ロープ5を太くするといった必要もなくなり、従来型の同種のブーム伸縮機構と比べて伸長用ロープ5を相対的に小径化することが可能となるため、伸長用シーブ6の小径化も実現され得る。よって、縮小用ロープ7の小径化、更には、縮小用ロープ7の小径化に合わせた縮小用シーブ8の小径化、および、伸長用ロープ5の小径化、更には、伸長用ロープ5の小径化に合わせた伸長用シーブ6の小径化が可能となり、ブーム全体の小型軽量化、および、軽量化に相当する分の吊り上げ荷重の増加が可能である。
しかも、複動型油圧シリンダ9の伸長動作が行われる場合には主管路29から分岐した管路31内の圧力が主管路30から分岐した管路32内の圧力よりも高くなって管路31,シャトル弁28,管路27,管路33,逆止弁34を介してダンパー手段12として機能するリリーフシリンダ13のボトム側油室に作動油が送り込まれる一方(段落0059参照)、複動型油圧シリンダ9の縮小動作が行われる場合には主管路30から分岐した管路32内の圧力が主管路29から分岐した管路31内の圧力よりも高くなって管路32,シャトル弁28,管路27,管路33,逆止弁34を介してダンパー手段12として機能するリリーフシリンダ13のボトム側油室に送り込まれるようになっているので(段落0066参照)、リリーフシリンダ13のピストンロッドが一旦縮小しても、これを自動的に伸長させて原位置に復帰させることができる。従って、縮小用ロープ7に過大なテンションが作用した場合には、何時でも、リリーフシリンダ13のピストンロッドを縮小させて縮小用ロープ7に作用するテンションを許容範囲内に抑制することができるようになる。
ここでは、一実施形態として、縮小用ロープ7に作用するテンションを軸方向の圧縮力として受ける場合のリリーフシリンダ13の取り付け構造について説明したが、リリーフシリンダ13の取り付け方向は、縮小用ロープ7に作用するテンションを軸方向の引張力として受けるものであっても構わない。その場合は、リリーフシリンダ13のピストンロッド側油室にリリーフ弁14を接続することになる。
また、基部側のブーム2の先端における縮小用ロープ7の取付位置と縮小用ロープ7の基端部との間にリリーフシリンダ13を設置する代わりに、先端側のブーム4における縮小用ロープ7の取付位置と縮小用ロープ7の先端部の間に、縮小用ロープ7に作用するテンションを軸方向の圧縮力として受けるかたち、あるいは、縮小用ロープ7に作用するテンションを軸方向の引張力として受けるかたちでリリーフシリンダ13を設置することも可能である。
更に、ブーム伸縮機構1は基部側のブーム2に先端側のブーム3,4を順次内嵌して取り付けたものに限らず、3段式,4段式,・・・のものであってもよい。
つまり、最も基部側に位置するブーム2と此れに隣接した先端側のブーム3との間の伸縮操作をアクチュエータ9で直接的に行い、ブーム2とブーム3との間の伸縮動作と伸長用ロープ5,縮小用ロープ7を利用して其れ以降の段のブームの伸縮操作を行なうものであれば、ベースとなるブーム伸縮機構1自体の構成は問わない。
以上に開示した実施形態の一部または全部は、以下の付記に示す記載によって適切に表現され得るが、発明を実施するための形態や発明の技術思想は、これらのものに制限されるものではない。
〔付記1〕
基部側のブーム(2)に先端側のブーム(3,4)を順次内嵌して摺動自在に2段以上設け、これらのうち、隣接する基部側のブーム(2)に取り付けられて先端側に向けて伸びる伸長用ロープ(5)の方向を折り返して隣接する先端側のブーム(4)の基部に取り付けるための伸長用シーブ(6)を先端側に備えると共に隣接する基部側のブーム(2)の先端に取り付けられて基部側に向けて伸びる縮小用ロープ(7)の方向を折り返して隣接する先端側のブーム(4)に取り付けるための縮小用シーブ(8)を基部側に備えた中間位置のブーム(3)を、隣接する基部側のブーム(2)に対し、アクチュエータ(9)の駆動力で伸縮動作させることによって、該中間位置のブーム(3)に隣接する先端側のブーム(4)を該中間位置のブーム(3)に対して伸縮動作させるようにしたブーム伸縮機構(1)において、
前記基部側のブーム(2)の先端における前記縮小用ロープ(7)の取付位置と該縮小用ロープ(7)の基端部との間、もしくは、前記隣接する先端側のブーム(4)における前記縮小用ロープ(7)の取付位置と該縮小用ロープ(7)の先端部との間のうち少なくとも何れか一方に、
前記縮小用ロープ(7)に作用する設定値以上のテンションを受けて伸縮することで前記縮小用ロープ(7)に作用するテンションを許容範囲内に抑制するダンパー手段(12)を設けたことを特徴とするブーム伸縮機構(1)。
この構成は、専ら、先端側のブーム(4)を中間位置のブーム(3)に固定して懸吊作業を行なっている間に大きな荷重が作用して中間位置のブーム(3)と先端側のブーム(4)が伸長状態で一体化したままアクチュエータ(9)を押し戻して基部側のブーム(2)に接近した場合に発生する縮小用ロープ(7)のテンションの増大や、先端側のブーム(4)と中間位置のブーム(3)の格納に際しアクチュエータ(9)にオーバーシュート等が生じ、格納の最終段階で縮小状態で内外に重合して一体化した中間位置のブーム(3)と先端側のブーム(4)が当初に想定した位置を越えて基部側のブーム(2)に突入しようとした場合に発生する縮小用ロープ(7)のテンションの増大に対処することを目的としたものであるが、先端側のブーム(4)を中間位置のブーム(3)に固定して懸吊作業を行なっている間に誤操作を行ってアクチュエータ(9)を縮小方向に積極的に作動させた場合にあっても、その初期段階で生じる縮小用ロープ(7)のテンションの増大に対処することが可能である。
また、アクチュエータ(9)としては油圧シリンダの他にもボールナット&スクリューおよび其の駆動源となるサーボモータ等が利用可能であり、ダンパー手段(12)としてはスプリングやガス式のアキュムレータを使用することも可能である。
先端側のブーム(4)を中間位置のブーム(3)に固定して懸吊作業を行なっている間に誤操作を行ってアクチュエータ(9)を縮小方向に積極的に作動させた場合に生じる縮小用ロープ(7)のテンションの増大を考慮しない状況下では、ロックピン用穴(36)に対するロックピン(35)の突入を検知するロックピン突入検知手段(41)、ロックピン(35)におけるブーム基部側の端面(35a)がロックピン用穴(36)におけるブーム基部側の縁部(36a)に当接したことを検知する後密着状態検知手段(37)、ロックピン突入検知手段(41)がロックピン(35)の突入状態を検知し且つ後密着状態検知手段(37)がロックピン(35)におけるブーム基部側の端面(35a)がロックピン用穴(36)におけるブーム基部側の縁部(36a)に当接したことを検知している間、アクチュエータ(9)に中間位置のブーム(3)を縮小させる方向の指令が入力されるのを阻止する縮小指令キャンセル手段(49)は必要ない。
〔付記2〕
前記アクチュエータ(9)が複動型油圧シリンダ(9)によって構成されると共に、前記ダンパー手段(12)は、前記縮小用ロープ(7)に作用するテンションを軸方向に受ける油圧シリンダ(13)と該油圧シリンダ(13)が前記設定値に相当する軸方向の力を受けたときに該油圧シリンダ(13)内部の作動油を外部に逃がすリリーフ弁(14)とによって構成されていることを特徴とする付記1記載のブーム伸縮機構(1)。
〔付記3〕
前記ダンパー手段(12)を構成する油圧シリンダ(13)が、ピストン部を貫通する孔(26)を備えたリリーフシリンダ(13)によって構成されていることを特徴とする付記2記載のブーム伸縮機構(1)。
〔付記4〕
前記ダンパー手段(12)を構成する油圧シリンダ(13)には、前記複動型油圧シリンダ(9)に供給される作動油を分岐させて前記逃がされた作動油に代わる作動油を前記ダンパー手段(12)を構成する油圧シリンダ(13)に送り込む管路(33)が、前記リリーフ弁(14)に並列して設けられ、該管路(33)上には前記ダンパー手段(12)を構成する油圧シリンダ(13)から流出する作動油の流れを阻止する逆止弁(34)が設けられていることを特徴とする付記2または付記3のうち何れか一項に記載のブーム伸縮機構(1)。
〔付記5〕
基部側のブーム(2)に先端側のブーム(3,4)を順次内嵌して摺動自在に2段以上設け、これらのうち、隣接する基部側のブーム(2)に取り付けられて先端側に向けて伸びる伸長用ロープ(5)の方向を折り返して隣接する先端側のブーム(4)の基部に取り付けるための伸長用シーブ(6)を先端側に備えると共に隣接する基部側のブーム(2)の先端に取り付けられて基部側に向けて伸びる縮小用ロープ(7)の方向を折り返して隣接する先端側のブーム(4)に取り付けるための縮小用シーブ(8)を基部側に備えた中間位置のブーム(3)を、隣接する基部側のブーム(2)に対し、アクチュエータ(9)の駆動力で伸縮動作させることによって、該中間位置のブーム(3)に隣接する先端側のブーム(4)を該中間位置のブーム(3)に対して伸縮動作させ、更に、
前記隣接する先端側のブーム(4)の基部に取り付けられたロックピン(35)を前記中間位置のブーム(3)の先端に設けられたロックピン用穴(36)に遠隔操作で突入させて伸長状態にある前記先端側のブーム(4)を前記中間位置のブーム(3)に固定するようにしたブーム伸縮機構(1)において、
前記ロックピン用穴(36)に対するロックピン(35)の突入を検知するロックピン突入検知手段(41)と、
前記ロックピン突入検知手段(41)が前記ロックピン(35)の突入状態を検知している間、少なくとも、前記アクチュエータ(9)に中間位置のブーム(3)を縮小させる方向の指令が入力されるのを阻止する縮小指令キャンセル手段(49)とを備えたことを特徴とするブーム伸縮機構(1)。
この構成は、専ら、先端側のブーム(4)を中間位置のブーム(3)に固定して懸吊作業を行なっている間に誤操作を行ってアクチュエータ(9)を縮小方向に積極的に作動させた場合に生じる縮小用ロープ(7)のテンションの増大に対処することを目的としたものである。
アクチュエータ(9)としては油圧シリンダの他にもボールナット&スクリューおよび其の駆動源となるサーボモータ等が利用可能である。
先端側のブーム(4)を中間位置のブーム(3)に固定して懸吊作業を行なっている間に大きな荷重が作用して中間位置のブーム(3)と先端側のブーム(4)が伸長状態で一体化したままアクチュエータ(9)を押し戻して基部側のブーム(2)に接近した場合に発生する縮小用ロープ(7)のテンションの増大や、先端側のブーム(4)と中間位置のブーム(3)の格納に際しアクチュエータ(9)にオーバーシュート等が生じ、格納の最終段階で縮小状態で内外に重合して一体化した中間位置のブーム(3)と先端側のブーム(4)が当初に想定した位置を越えて基部側のブーム(2)に突入しようとした場合に発生する縮小用ロープ(7)のテンションの増大を考慮しない状況下では、縮小用ロープ(7)に作用する設定値以上のテンションを受けて伸縮することで前記縮小用ロープ(7)に作用するテンションを許容範囲内に抑制するダンパー手段(12)は必要ない。
〔付記6〕
前記ロックピン用穴(36)が、前記ロックピン(35)が余裕をもって突入できるだけの長さをブームの長手方向に沿って備えると共に、
前記ロックピン(35)におけるブーム基部側の端面(35a)が前記ロックピン用穴(36)におけるブーム基部側の縁部(36a)に当接したことを検知する後密着状態検知手段(37)を設け、
前記縮小指令キャンセル手段(49)は、前記ロックピン突入検知手段(41)が前記ロックピン(35)の突入状態を検知し且つ前記後密着状態検知手段(37)が前記ロックピン(35)におけるブーム基部側の端面(35a)が前記ロックピン用穴(36)におけるブーム基部側の縁部(36a)に当接したことを検知している間、前記アクチュエータ(9)に中間位置のブーム(3)を縮小させる方向の指令が入力されるのを阻止するように構成されていることを特徴とする付記5記載のブーム伸縮機構(1)。
この構成は、専ら、先端側のブーム(4)を中間位置のブーム(3)に固定して懸吊作業を行なっている間に誤操作を行ってアクチュエータ(9)を縮小方向に積極的に作動させた場合に生じる縮小用ロープ(7)のテンションの増大に対処することを目的としたものであり、更には、段取作業においてロックピン用穴(36)にロックピン(35)を素早く突入させること、および、ロックピン(35)の突入を容易化するためにロックピン用穴(36)に余裕を与えても、ロックピン(35)をロックピン用穴(36)に適切に後密着させて、中間位置のブーム(3)に対する先端側のブーム(4)の後退に伴う伸長用ロープ(5)のテンションの増大を防止できるようにすることを目的とする。
アクチュエータ(9)としては油圧シリンダの他にもボールナット&スクリューおよび其の駆動源となるサーボモータ等が利用可能である。
ロックピン(35)の突入を容易化するための余裕をロックピン用穴(36)に与えない場合には、ロックピン(35)の突入を持ってロックピン(35)とロックピン用穴(36)との位置関係が適正化されるので、ロックピン(35)におけるブーム基部側の端面(35a)がロックピン用穴(36)におけるブーム基部側の縁部(36a)に当接したことを検知する後密着状態検知手段(37)は必要ない。
〔付記7〕
前記アクチュエータ(9)が複動型油圧シリンダ(9)によって構成されると共に、前記ロックピン突入検知手段(41)は前記ロックピン用穴(36)にロックピン(35)が突入した状態で閉路するリミットスイッチ(41)によって構成され、前記縮小指令キャンセル手段(49)は、前記リミットスイッチ(41)が閉路する間、前記複動型油圧シリンダ(9)への作動油の供給を阻止する電磁弁(49)によって構成されていることを特徴とする付記5記載のブーム伸縮機構(1)。
〔付記8〕
前記アクチュエータ(9)が複動型油圧シリンダ(9)によって構成されると共に、前記ロックピン突入検知手段(41)は前記ロックピン用穴(36)にロックピン(35)が突入した状態で閉路するリミットスイッチ(41)によって構成され、前記後密着状態検知手段(37)は前記隣接する先端側のブーム(4)の基部と前記中間位置のブーム(3)の先端のうち何れか一方の側に取り付けられた第二のリミットスイッチ(43)と前記ロックピン(35)におけるブーム基部側の端面(35a)が前記ロックピン用穴(36)におけるブーム基部側の縁部(36a)に当接した状態で前記第二のリミットスイッチ(43)を閉路させるように他方の側に取り付けられたリミットスイッチ用ドッグ(44)とによって構成され、前記縮小指令キャンセル手段(49)は、前記リミットスイッチ(41)と前記第二のリミットスイッチ(43)が共に閉路する間、前記複動型油圧シリンダ(9)への作動油の供給を阻止する電磁弁(49)によって構成されていることを特徴とする付記6記載のブーム伸縮機構(1)。
〔付記9〕
基部側のブーム(2)に先端側のブーム(3,4)を順次内嵌して摺動自在に2段以上設け、これらのうち、隣接する基部側のブーム(2)に取り付けられて先端側に向けて伸びる伸長用ロープ(5)の方向を折り返して隣接する先端側のブーム(4)の基部に取り付けるための伸長用シーブ(6)を先端側に備えると共に隣接する基部側のブーム(2)の先端に取り付けられて基部側に向けて伸びる縮小用ロープ(8)の方向を折り返して隣接する先端側のブーム(4)に取り付けるための縮小用シーブ(8)を基部側に備えた中間位置のブーム(3)を、隣接する基部側のブーム(2)に対し、アクチュエータ(9)の駆動力で伸縮動作させることによって、該中間位置のブーム(3)に隣接する先端側のブーム(4)を該中間位置のブーム(3)に対して伸縮動作させ、更に、
前記隣接する先端側のブーム(4)の基部に取り付けられたロックピン(35)を前記中間位置のブーム(3)の先端に設けられたロックピン用穴(36)に遠隔操作で突入させて伸長状態にある前記先端側のブーム(4)を前記中間位置のブーム(3)に固定するようにしたブーム伸縮機構(1)において、
前記基部側のブーム(2)の先端における前記縮小用ロープ(7)の取付位置と該縮小用ロープ(7)の基端部との間、もしくは、前記隣接する先端側のブーム(4)における前記縮小用ロープ(7)の取付位置と該縮小用ロープ(7)の先端部との間のうち少なくとも何れか一方に、
前記縮小用ロープ(7)に作用する設定値以上のテンションを受けて伸縮することで前記縮小用ロープ(7)に作用するテンションを許容範囲内に抑制するダンパー手段(12)を設けると共に、
前記ロックピン用穴(36)に対するロックピン(35)の突入を検知するロックピン突入検知手段(41)と、
前記ロックピン突入検知手段(41)が前記ロックピン(35)の突入状態を検知している間、少なくとも、前記アクチュエータ(9)に中間位置のブーム(3)を縮小させる方向の指令が入力されるのを阻止する縮小指令キャンセル手段(49)とを備えたことを特徴とするブーム伸縮機構(1)。
この構成は、先端側のブーム(4)を中間位置のブーム(3)に固定して懸吊作業を行なっている間に大きな荷重が作用して中間位置のブーム(3)と先端側のブーム(4)が伸長状態で一体化したままアクチュエータ(9)を押し戻して基部側のブーム(2)に接近した場合に発生する縮小用ロープ(7)のテンションの増大や、先端側のブーム(4)と中間位置のブーム(3)の格納に際しアクチュエータ(9)にオーバーシュート等が生じ、格納の最終段階で縮小状態で内外に重合して一体化した中間位置のブーム(3)と先端側のブーム(4)が当初に想定した位置を越えて基部側のブーム(2)に突入しようとした場合に発生する縮小用ロープ(7)のテンションの増大、および、先端側のブーム(4)を中間位置のブーム(3)に固定して懸吊作業を行なっている間に誤操作を行ってアクチュエータ(9)を縮小方向に積極的に作動させた場合に生じる縮小用ロープ(7)のテンションの増大に対処することを目的としたものである。
アクチュエータ(9)としては油圧シリンダの他にもボールナット&スクリューおよび其の駆動源となるサーボモータ等が利用可能である。
〔付記10〕
前記ロックピン用穴(36)が、前記ロックピン(35)が余裕をもって突入できるだけの長さをブームの長手方向に沿って備えると共に、
前記ロックピン(36)におけるブーム基部側の端面(35a)が前記ロックピン用穴(36)におけるブーム基部側の縁部(36a)に当接したことを検知する後密着状態検知手段(37)を設け、
前記縮小指令キャンセル手段(49)は、前記ロックピン突入検知手段(41)が前記ロックピン(35)の突入状態を検知し且つ前記後密着状態検知手段(37)が前記ロックピン(35)におけるブーム基部側の端面(35a)が前記ロックピン用穴(36)におけるブーム基部側の縁部(36a)に当接したことを検知している間、少なくとも、前記アクチュエータ(9)に中間位置のブーム(3)を縮小させる方向の指令が入力されるのを阻止するように構成されていることを特徴とする付記9記載のブーム伸縮機構(1)。
この構成は、先端側のブーム(4)を中間位置のブーム(3)に固定して懸吊作業を行なっている間に大きな荷重が作用して中間位置のブーム(3)と先端側のブーム(4)が伸長状態で一体化したままアクチュエータ(9)を押し戻して基部側のブーム(2)に接近した場合に発生する縮小用ロープ(7)のテンションの増大や、先端側のブーム(4)と中間位置のブーム(3)の格納に際しアクチュエータ(9)にオーバーシュート等が生じ、格納の最終段階で縮小状態で内外に重合して一体化した中間位置のブーム(3)と先端側のブーム(4)が当初に想定した位置を越えて基部側のブーム(2)に突入しようとした場合に発生する縮小用ロープ(7)のテンションの増大、および、先端側のブーム(4)を中間位置のブーム(3)に固定して懸吊作業を行なっている間に誤操作を行ってアクチュエータ(9)を縮小方向に積極的に作動させた場合に生じる縮小用ロープ(7)のテンションの増大に対処することに加え、更に、段取作業においてロックピン用穴(36)にロックピン(35)を素早く突入させること、および、ロックピン(35)の突入を容易化するためにロックピン用穴(36)に余裕を与えても、ロックピン(35)をロックピン用穴(36)に適切に後密着させて、中間位置のブーム(3)に対する先端側のブーム(4)の後退に伴う伸長用ロープ(5)のテンションの増大を防止できるようにすることを目的としたものである。
アクチュエータ(9)としては油圧シリンダの他にもボールナット&スクリューおよび其の駆動源となるサーボモータ等が利用可能である。
1 ブーム伸縮機構
2 基部側のブーム
3 中間位置のブーム
4 先端側のブーム
4a 開口部
5 伸長用ロープ
6 伸長用シーブ
7 縮小用ロープ
8 縮小用シーブ
9 複動型油圧シリンダ(アクチュエータ)
10 ピン
11 トラニオン
12 ダンパー手段
13 リリーフシリンダ
14 リリーフ弁
15 ステープル
16 枢着ピン
17 側板
18 基板
19 サポートブラケット
20 スライド板
21 舌片
22 ロープ取付用スリーブ
23 取付用ブラケット
24 連結ピン
25 ダブルナット
26 孔
27 管路
28 シャトル弁
29,30 主管路
31,32 管路
33 管路(複動型油圧シリンダに供給される作動油を分岐させる管路)
34 逆止弁
35 ロックピン
35a ロックピンにおけるブーム基部側の端面
36 ロックピン用穴
36a ロックピン用穴におけるブーム基部側の縁部
37 後密着状態検知手段
38 ステー
39 スプリング
40 ロック解除用シリンダ
41 リミットスイッチ(ロックピン突入検知手段)
42 検知板
43 第二のリミットスイッチ(後密着状態検知手段の一部)
44 リミットスイッチ用ドッグ(後密着状態検知手段の他部)
45 カムフォロア
46 カウンタバランシングバルブ
47 制御弁
48 縮小操作検出スイッチ
49 電磁開閉弁(縮小指令キャンセル手段)
50 ロックピン受穴
T タンク
P 油圧ポンプ

Claims (3)

  1. 基部側のブームに先端側のブームを順次内嵌して摺動自在に2段以上設け、これらのうち、隣接する基部側のブームに取り付けられて先端側に向けて伸びる伸長用ロープの方向を折り返して隣接する先端側のブームの基部に取り付けるための伸長用シーブを先端側に備えると共に隣接する基部側のブームの先端に取り付けられて基部側に向けて伸びる縮小用ロープの方向を折り返して隣接する先端側のブームに取り付けるための縮小用シーブを基部側に備えた中間位置のブームを、隣接する基部側のブームに対し、アクチュエータの駆動力で伸縮動作させることによって、該中間位置のブームに隣接する先端側のブームを該中間位置のブームに対して伸縮動作させるようにしたブーム伸縮機構において、
    前記基部側のブームの先端における前記縮小用ロープの取付位置と該縮小用ロープの基端部との間、もしくは、前記隣接する先端側のブームにおける前記縮小用ロープの取付位置と該縮小用ロープの先端部との間のうち少なくとも何れか一方に、
    前記縮小用ロープに作用する設定値以上のテンションを受けて伸縮することで前記縮小用ロープに作用するテンションを許容範囲内に抑制するダンパー手段を設けたことを特徴とするブーム伸縮機構。
  2. 基部側のブームに先端側のブームを順次内嵌して摺動自在に2段以上設け、これらのうち、隣接する基部側のブームに取り付けられて先端側に向けて伸びる伸長用ロープの方向を折り返して隣接する先端側のブームの基部に取り付けるための伸長用シーブを先端側に備えると共に隣接する基部側のブームの先端に取り付けられて基部側に向けて伸びる縮小用ロープの方向を折り返して隣接する先端側のブームに取り付けるための縮小用シーブを基部側に備えた中間位置のブームを、隣接する基部側のブームに対し、アクチュエータの駆動力で伸縮動作させることによって、該中間位置のブームに隣接する先端側のブームを該中間位置のブームに対して伸縮動作させ、更に、
    前記隣接する先端側のブームの基部に取り付けられたロックピンを前記中間位置のブームの先端に設けられたロックピン用穴に遠隔操作で突入させて伸長状態にある前記先端側のブームを前記中間位置のブームに固定するようにしたブーム伸縮機構において、
    前記ロックピン用穴に対するロックピンの突入を検知するロックピン突入検知手段と、
    前記ロックピン突入検知手段が前記ロックピンの突入状態を検知している間、少なくとも、前記アクチュエータに中間位置のブームを縮小させる方向の指令が入力されるのを阻止する縮小指令キャンセル手段とを備えたことを特徴とするブーム伸縮機構。
  3. 前記ロックピン用穴が、前記ロックピンが余裕をもって突入できるだけの長さをブームの長手方向に沿って備えると共に、
    前記ロックピンにおけるブーム基部側の端面が前記ロックピン用穴におけるブーム基部側の縁部に当接したことを検知する後密着状態検知手段を設け、
    前記縮小指令キャンセル手段は、前記ロックピン突入検知手段が前記ロックピンの突入状態を検知し且つ前記後密着状態検知手段が前記ロックピンにおけるブーム基部側の端面が前記ロックピン用穴におけるブーム基部側の縁部に当接したことを検知している間、前記アクチュエータに中間位置のブームを縮小させる方向の指令が入力されるのを阻止するように構成されていることを特徴とする請求項2記載のブーム伸縮機構。
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