JP2014030891A - チップホルダ - Google Patents

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Abstract

【課題】シャンク部とヘッド部との接合作業を効率的に行うことができるとともに、接合作業後におけるヘッド部の機械的強度の低下を防止して機械的性質に優れたチップホルダを提供する。
【解決手段】チップホルダ100は、切削加工機に着脱自在に保持される超硬合金製のシャンク部101と切削チップ120を着脱自在に保持するタングステン合金製のヘッド部110とで構成されている。シャンク部101とヘッド部110とは、凸状のV字状に形成された凸状接合部103と凹状のV字状に形成された凹状接合部115とをそれぞれ介してロウ付けによって接合されている。凸状接合部103は、先端部がヘッド部110におけるチップポケット112の直近まで配置されているとともに、チップ支持部111に支持される切削チップ120に作用する主分力Fに平行に延びて形成されている。
【選択図】 図1

Description

本発明は、被加工物を切削する切削チップを着脱自在に保持して被加工物を切削加工する切削加工機に対して着脱自在に保持されるチップホルダに関する。
従来から、金属材料を切削加工する旋盤加工機やフライス加工機などの切削加工機においては、被加工物を切削する切削チップを保持するためにチップホルダが用いられている。チップホルダは、主として、切削加工機に着脱自在に保持される棒状のシャンク部と切削チップを着脱自在に保持するヘッド部とで構成されている。例えば、下記特許文献1には、超硬合金製のシャンク部と鋼製のヘッド部とがロウ付けによって接合されたチップホルダが開示されている。
特開平08−1425号公報
しかしながら、上記特許文献1に示されたチップホルダにおいては、超硬合金製のシャンク部と鋼製のヘッド部とがロウ付けによって接合されているため、ロウ付け作業に時間が掛かるとともにロウ付け後のヘッド部の機械的強度が低下するという問題がある。すなわち、従来のチップホルダにおいては、シャンク部とヘッド部とが異種材料で構成されているためロウ付け後の割れやクラックを防止するため長時間に及ぶ徐冷工程が必要になるとともにこの徐冷工程によって鋼材からなるヘッド部の硬度が低下して機械的性質が低下するという問題ある。
本発明は上記問題に対処するためなされたもので、その目的は、シャンク部とヘッド部との接合作業を効率的に行うことができるとともに、接合作業後におけるヘッド部の機械的強度の低下を防止して機械的性質に優れたチップホルダを提供することにある。
上記目的を達成するため、本発明の特徴は、被加工物に対して切削加工を行う切削加工機に着脱自在に保持される棒状のシャンク部と、被加工物を切削する切削チップを着脱自在に保持するヘッド部とを備え、シャンク部とヘッド部とが互に接合されて構成されたチップホルダにおいて、シャンク部は、超硬合金で形成されており、ヘッド部は、タングステンまたは同タングステンを主成分とするタングステン合金で形成されていることにある。
このように構成した本発明の特徴によれば、チップホルダは、切削加工機に保持されるシャンク部が超硬合金で構成されるとともにヘッド部がタングステンまたはタングステンを主成分とするタングステン合金で構成されている。この場合、超硬合金は、炭化タングステン(WC)を主成分として焼結した合金である。すなわち、チップホルダは、シャンク部とヘッド部とが互に同種、または実質的に同種と言える材料でそれぞれ構成されて接合されている。このため、本発明に係るチップホルダにおいては、シャンク部とヘッド部とをロウ付けは元より、TIG溶接、MIG溶接、電子ビーム溶接、レーザビーム溶接、抵抗溶接、摩擦圧接法または拡散接合法などの各種接合法によって接合することができるとともに、これらの各接合法における接合工程後において必ずしも徐冷を行う必要はない。これにより、チップホルダは、シャンク部とヘッド部との接合工程における精度および効率を向上させることができるとともに、接合工程後のヘッド部の強度低下を防止することができる。また、本発明に係るチップホルダにおいては、シャンク部とヘッド部とが互に同種の材料で構成されているため、シャンク部とヘッド部とをロウ付けによって接合する場合においても異種材料間でロウ付けを行う場合に比べて極めて容易にロウの成分調整を行うことができる。また、さらに、チップホルダは、ヘッド部が一般的な鋼材よりも機械的強度が高いタングステンで構成されているため、被加工物の切削加工中におけるビビリ振動の発生を抑えて加工精度を向上させることができるとともに、切削加工による損傷および劣化を抑えて耐久性を向上させることができる。この場合、本発明者の実証実験によれば、本発明に係るチップホルダにおいては、ヘッド部を従来の鋼材で構成した場合に比べて約5〜10倍の耐摩耗性維持時間を確認した。
また、本発明の他の特徴は、前記チップホルダにおいて、シャンク部は、ヘッド部との接合部分の一部が同ヘッド部側に凸状に張り出す凸状接合部を有し、ヘッド部は、シャンク部との接合部分に凸状接合部に対応する凹状に窪む凹状接合部を有することにある。
このように構成した本発明の他の特徴によれば、チップホルダは、シャンク部におけるヘッド部との接合部の一部が同ヘッド部側に張り出す凸状接合部を有して構成されている。これにより、チップホルダは、シャンク部とヘッド部との接合部分の接触面積を増加させて接合力を向上させることができるとともに、ヘッド部における凹状接合部内に超硬合金製のシャンク部が入り込んでヘッド部の機械的強度を向上させることができる。
また、本発明の他の特徴は、前記チップホルダにおいて、シャンク部における凸状接合部は、先端部が、ヘッド部に保持される切削チップの重心から20mm以内の範囲まで延びて形成されていることにある。
このように構成した本発明の他の特徴によれば、チップホルダは、シャンク部における凸状接合部の先端部がヘッド部に保持される切削チップの重心から20mm以内の範囲まで延びて形成されている。これにより、チップホルダは、切削加工を行う切削チップの近傍まで超硬合金製のシャンク部を配置することができ、切削加工中におけるビビリ振動の発生を効果的に抑制することができる。
また、本発明の他の特徴は、前記チップホルダにおいて、シャンク部における凸状接合部は、被加工物に対する切削加工時に切削チップに作用する切削抵抗のうちの主分力に対して平行に形成されていることにある。
このように構成した本発明の他の特徴によれば、チップホルダは、被加工物に対する前記切削加工時に前記切削チップに作用する切削抵抗のうちの主分力に対してシャンク部における凸状接合部が平行に形成されている。すなわち、チップホルダには、被加工物の切削加工に主分力、送り分力および背分力が合成された切削抵抗が作用する。この場合、切削抵抗を構成する主分力は、送り分力および背分力よりも遥かに大きな力である。したがって、チップホルダは、超硬合金で構成されたシャンク部における凸状接合部を前記主分力に平行に延びるように形成することによって剛性を向上させることができる。
また、本発明の他の特徴は、前記チップホルダにおいて、シャンク部における凸状接合部は、先端部に向かって先細りする形状に形成されており、ヘッド部は、シャンク部における凸状接合部の両側にシャンク部の軸線方向に沿って延びる切削屑排出路を備えることにある。
このように構成した本発明の他の特徴によれば、チップホルダは、シャンク部における凸状接合部が先端部に向かって先細りする形状に形成されているとともに、ヘッド部におけるシャンク部の凸状接合部の両側にシャンク部の軸線方向に沿って延びる切削屑排出路が形成されている。これにより、チップホルダは、被加工物の切削加工時における切削屑の効果的に排出することができ切削性を向上させることができるとともにチップホルダにおける切削チップ周辺部の切削屑による損傷を防止することができる。
また、本発明の他の特徴は、前記チップホルダにおいて、被加工物に対して行う切削加工は、ボーリング加工であることにある。
このように構成した本発明の他の特徴によれば、チップホルダは、被加工物のボーリング加工に用いられる。この場合、被加工物へのボーリング加工は被加工物に孔加工を行うものであり孔の深さに応じてチップホルダにおけるシャンク部が長くなるため、切削加工中におけるビビリ振動による加工精度への影響を受け易い。したがって、本発明に係るチップホルダによれば、被加工物への切削加工中におけるビビリ振動を効果的に抑制することができるため、ボーリング加工には好適である。
本発明の一実施形態に係るチップホルダの全体構成を概略的に示す平面図である。 図1に示すチップホルダの全体構成を概略的に示す正面図である。 図1に示すチップホルダの切削加工状態を模式的に示す一部破断平面図である。 図2に示すチップホルダの切削加工状態を模式的に示す一部破断正面図である。 (A)〜(D)は、図1に示すチップホルダの製造過程を模式的に示す説明図である。
以下、本発明に係るチップホルダの一実施形態について図面を参照しながら説明する。図1は、本発明に係るチップホルダ100の全体構成の概略を示す平面図である。また、図2は、図1に示すチップホルダ100の全体構成の概略を示す正面図である。なお、本明細書において参照する各図は、本発明の理解を容易にするために一部の構成要素を誇張して表わすなど模式的に表している。このため、各構成要素間の寸法や比率などは異なっていることがある。このチップホルダ100は、被加工物を切削する切削チップ120を保持して図示しない旋盤加工機やフライス加工機などの切削加工機に取り付けられるものである。
(チップホルダ100の構成)
チップホルダ100は、シャンク部101を備えている。シャンク部101は、図示しない切削加工機におけるホルダチャックに着脱自在に保持される部分であり、超硬合金を棒状に形成して構成されている。より具体的には、シャンク部101は、略丸棒体で構成されるとともに、この丸棒体における外表面上に軸方向に沿って互い対向して平行に延びる2つの平面部102が形成されて構成されている。これら2つの平面部102は、チップホルダ100を切削加工機におけるホルダチャックに安定的に保持させるために平らに形成された部分である。
このシャンク部101における一方(図示左側)の端部には、凸状接合部103が形成されている。凸状接合部103は、シャンク部101を後述するヘッド部110に接合するための部分であり、平面視においてシャンク部101の中心部に向かって凸状に張り出すとともに先端部が先細りした略V字状に形成されている。本実施形態においては、凸状接合部103の先端部は、約60°の角度で尖って形成されている。この凸状接合部103には、ヘッド部110が接合されている。
ヘッド部110は、被加工物を切削する切削チップ120を着脱自在に保持する部分であり、タングステン合金によって構成されている。より具体的には、ヘッド部110は、主として、板状に形成されたチップ支持部111とシャンク部101の凸状接合部103に接合される凹状接合部115とで構成されている。これらのうち、チップ支持部111は、切削チップ120を着脱自在に保持する部分であり、平面部を有する板状体の先端部にチップポケット112が形成されて構成されている。
チップポケット112は、切削チップ120が着脱自在に嵌め込まれる部分であり、切削チップ120をガタなく嵌めることができる形状、すなわち、切削チップ120の形状に対応した形状で凹状に窪んで形成されている。この場合、チップポケット112は、切削チップ120における切削に使用される刃がチップ支持部111の端部から突出する形状に形成されるとともに、切削チップ120の厚さと略同一の深さに形成されている。本実施形態においては、チップポケット112は、切削チップ120の形状に対応して平面視で略三角形状に形成されている。また、このチップポケット112には、奥側部分に切削チップ120における出隅部分との干渉を避けるための逃げ部113が形成されているとともに、切削チップ120が載置される底部に切削チップ120をネジで固定するための雌ネジ114が形成されている。
凹状接合部115は、ヘッド部110をシャンク部101の凸状接合部103に接合するための部分であり、平面視においてヘッド部110の中心部に向かって凹状の内幅が狭まる略V字状に形成されている。本実施形態においては、凹状接合部115の最深部は、凸状接合部103と同様に、約60°の角度で尖って形成されている。この場合、凹状接合部115における最深部は、チップポケット112に保持される切削チップ120の重心から可能な限り近い位置に形成されている。本実施形態においては、凹状接合部115における最深部は、チップポケット112に保持される切削チップ120の重心から直線距離で約12mmの位置に形成されている。
この凹状接合部115は、図3および図4に示すように、チップホルダ100を用いて被加工物WKを切削加工する場合において、切削チップ120に作用する切削抵抗のうちの主分力Fに対してシャンク部101の凸状接合部103が平行となる向きに形成されている。この場合、切削チップ120に作用する主分力Fとは、切削チップ120が相対回転する被加工物WKを切削する際に被加工物WKと切削チップ120との接触点(切削部分)において回転方向に対する接線方向に作用する力であり、切削チップ120の送り方向線上に作用する送り分力Fおよび切削チップ120の切り込み深さ方向線上に作用する背分力Fとともに切削抵抗を構成する分力の一つであるとともに、これらの各分力のうちの最大分力である。
ヘッド部110におけるチップ支持部111と凹状接合部115との間の部分には、凹状接合部115の両側に沿って切削屑排出路116がそれぞれ形成されている。各切削屑排出路116は、切削チップ120による被加工物WKの切削加工によって生じた切削屑をヘッド部110上から積極的に除去するための通路であり、チップポケット112から凹状接合部115の両側に沿って曲面状に切り欠かれて形成されている。
切削チップ120は、被加工物WKを切削する切れ刃を有するチップ状の工具である。本実施形態においては、切削チップ120は、平面視で略正三角形に形成されており各頂点部に切れ刃がそれぞれ形成されて構成されている。すなわち、本実施形態においては、切削チップ120は、所謂スローアウェイチップで構成されている。なお、図1および図2においては、切削チップ120をそれぞれ二点鎖線で示している。
(チップホルダ100の製造)
次に、このように構成したチップホルダ100の製造方法について説明する。まず、作業者は、図5(A)に示すように、シャンク部101の外径と同一または略同一の外径を有する超硬合金製の丸棒体MTとヘッド部110の外径より大きな外径を有するタングステン製の丸棒体MTとをそれぞれ用意する。
次に、作業者は、図5(B)に示すように、丸棒体MTおよび丸棒体MTの各一方の端部に凸状接合部103および凹状接合部115をそれぞれ成形する。この場合、作業者は、図示しない研削装置を用いて丸棒体MTおよび丸棒体MTの各一方の端部を研削加工することにより凸状接合部103および凹状接合部115をそれぞれ成形する。
次に、作業者は、図5(C)に示すように、丸棒体MTと丸棒体MTとを互いに接合する。具体的には、作業者は、丸棒体MTに形成した凸状接合部103と丸棒体MTに形成した凹状接合部115とを互いに嵌め合った後、この嵌め合い部分を銀ロウ付けによって接合する。この場合、作業者は、ロウ付けして一体化した丸棒体MTと丸棒体MTとを時間を掛けて徐々に冷却する徐冷を行ってもよいが、空冷、油冷または水冷などにより急冷することもできる。これは、シャンク部101となる丸棒体MTとヘッド部110となる丸棒体MTとが共に同種の材料、すなわち、タングステンを主成分として構成されているため、ロウ付け工程における歪、隙間およびクラックなどの発生を抑えることができるためである。
次に、作業者は、図5(D)に示すように、丸棒体MTに対してチップポケット112を含むチップ支持部111および切削屑排出路116をそれぞれ成形するとともに丸棒体の外形を整えてヘッド部110を形成する。具体的には、作業者は、丸棒体MTに対してフライス加工および旋盤加工を行うことによってヘッド部110を成形する。この場合、作業者は、互に嵌り合う凸状接合部103および凹状接合部115の稜線がチップ支持部112に支持される切削チップ120に作用する主分力Fに平行になるようにチップ支持部112を成形する。これにより、凸状接合部103を切削チップ120に作用する主分力Fに平行に形成された状態でチップホルダ100を形成することができる。
次に、作業者は、仕上げ加工を行う。具体的には、作業者は、研削加工によって丸棒体MTおよびヘッド部110の外形をそれぞれ整えるとともに平面部102を形成してシャンク部101およびヘッド部110をそれぞれ仕上げる。また、作業者は、必要に応じてシャンク部101およびヘッド部110にブラスト加工やコーティング加工を施してチップホルダ100の外観の意匠性および耐摩耗性などの耐久性を向上させるための各種後処理を行うことができる。
(チップホルダ100の作動)
次に、このように構成したチップホルダ100の作動について説明する。まず、作業者は、チップホルダ100と切削チップ120とをそれぞれ用意する。次に、作業者は、切削チップ120をチップホルダ100におけるヘッド部110のチップポケット112内に嵌めてネジで固定する。次に、作業者は、切削チップ120が保持されたチップホルダ100を図示しない切削加工機におけるホルダチャックに保持させる。これにより、作業者は、チップホルダ100に保持された切削チップ120を用いて被加工物WKの切削加工を行うことができる。
具体的には、作業者は、切削加工機に被加工物WKをセットした後、切削加工機における操作盤を操作することによって被加工物WKに切削チップ120を接触させながら両者を互いに相対変位させることにより被加工物WKの切削加工を行う。この切削加工機による被加工物WKの切削加工時においては、チップホルダ100は被加工物WKを切削する切削チップ130を保持し続ける。この場合、チップホルダ100は、シャンク部101が超硬合金によって構成されるとともに、この超硬合金がヘッド部110におけるチップポケット112の直近まで配置されているため、被加工物WKの切削加工時におけるビビリ振動の発生を抑えて精度よく切削加工を行うことができる。また、この場合、シャンク部101における凸状接合部103は、先端部がチップ支持部111に支持される切削チップ120に作用する主分力Fに平行に延びて形成されている。これにより、チップホルダ100は、被加工物WKの切削加工によって主分力Fが作用する切削チップ120を高い剛性で精度よく支持することができる。
また、チップホルダ100は、ヘッド部110におけるチップ支持部111と凹状接合部115との間の部分に切削屑排出路116が形成されているため、被加工物WKの切削によって生じた切削屑をヘッド部110上から迅速に除去することができる。この場合、特に、被加工物WKに対して孔部の内面を切削加工、すなわち、ボーリング加工を行う場合においては、孔部内から切削屑が排出され難いため、切削屑排出路116を形成しておくことによってボーリング加工の精度を向上させることができる。また、この場合、チップホルダ100は、ヘッド部110がタングステン合金によって構成されているため、切削屑の接触や衝突による摩耗や破損などの損傷を抑えることができる。この場合、本発明者の実証実験によれば、本発明に係るチップホルダ100においては、ヘッド部110を従来の鋼材で構成した場合に比べて約5〜10倍の耐摩耗性維持時間を確認した。
一方、被加工物WKの切削加工を終える場合には、作業者は、切削加工機の作動を停止させた後、ホルダチャックからチップホルダ100を取り外す。次いで、作業者は、切削チップ130の切れ刃やその周辺の摩耗が著しい場合には切削チップ130における他の切れ刃に向きを変更または切削チップ130自体を新規の切削チップ130に取り換えることができる。
上記作動説明からも理解できるように、上記実施形態によれば、チップホルダ100は、切削加工機に保持されるシャンク部101が超硬合金で構成されるとともにヘッド部110がタングステン合金で構成されている。すなわち、チップホルダ100は、シャンク部101とヘッド部110とが互に同種の材料でそれぞれ構成されて接合されている。このため、本発明に係るチップホルダ100においては、シャンク部101とヘッド部110とをロウ付けする際において接合工程後において必ずしも徐冷を行う必要はない。これにより、チップホルダ100は、シャンク部101とヘッド部110との接合工程における精度および効率を向上させることができるとともに、接合工程後のヘッド部110の強度低下を防止することができる。また、本発明に係るチップホルダ100においては、シャンク部101とヘッド部110とが互に同種の材料で構成されているため、シャンク部101とヘッド部110とをロウ付けによって接合する場合においても異種材料間でロウ付けを行う場合に比べて極めて容易にロウの成分調整を行うことができる。また、さらに、チップホルダ100は、ヘッド部110が一般的な鋼材よりも機械的強度が高いタングステン合金で構成されているため、被加工物WKの切削加工中におけるビビリ振動の発生を抑えて加工精度を向上させることができるとともに、切削加工による損傷および劣化を抑えて耐久性を向上させることができる。
さらに、本発明の実施にあたっては、上記実施形態に限定されるものではなく、本発明の目的を逸脱しない限りにおいて種々の変更が可能である。
例えば、上記実施形態においては、チップホルダ100は、ヘッド部110がタングステン合金で構成されている。しかし、チップホルダ100におけるヘッド部110は、タングステンを主成分とする材料で構成されていれば、必ずしも上記実施形態に限定されるものではない。この場合、タングステンを主成分とする材料とは、ヘッド部110を構成する材料に含まれる構成成分の中でタングステンが占める割合が最も高いことを意味する。したがって、チップホルダ100におけるヘッド部110は、タングステン合金で構成されていてもよいが、タングステンのみで構成されていてもよいことを意味するものである。
また、上記実施形態においては、チップホルダ100は、シャンク部101とヘッド部110との接合部分である凸状接合部103および凹状接合部115を略V字状に構成した。しかし、凸状接合部103および凹状接合部115は、シャンク部101とヘッド部110とを接合できる形状であればよい。この場合、凸状接合部103および凹状接合部115は、V字状の他に、U字状またはW字状に形成することにより接合面積を広く確保できるためシャンク部101とヘッド部110とを強固に接合することができる。
また、凸状接合部103の先端部の向き、換言すれば、凸状接合部103の稜線の向きは、チップ支持部111に支持される切削チップ120に作用する主分力Fに平行に形成されている。これにより、チップホルダ100は、被加工物WKの切削加工によって主分力Fが作用する切削チップ120を高い剛性で精度よく支持することができる。この場合、凸状接合部103の先端部の向きは、切削チップ120に作用する主分力Fに沿って延びていればよいため、主分力Fに対して多少傾斜していてもよいものである。本発明者の実証実験によれば、凸状接合部103の先端部の向きは主分力Fに対して約45°までの角度で形成されることが好適であることを見出した。
なお、シャンク部101およびヘッド部110は、必ずしも、凸状接合部103および凹状接合部115によって接合される必要はなく、シャンク部101およびヘッド部110における各先端部を単純な平面状に形成してロウ付け等で接合することもできる。すなわち、シャンク部101およびヘッド部110において、凸状接合部103および凹状接合部115を省略することができる。
また、シャンク部101とヘッド部110とは、必ずしもロウ付けによって接合される必要はなく、ロウ付け以外の接合方法、例えば、TIG溶接、MIG溶接、電子ビーム溶接、レーザビーム溶接、抵抗溶接、摩擦圧接法または拡散接合法などの各種接合法によって接合することができる。
また、上記実施形態においては、凸状接合部103の先端部は、チップ支持部111に支持される切削チップ120の重心から約12mmの位置に配置した。これにより、被加工物WKの切削加工時におけるチップ支持部111に支持される切削チップ120ビビリ振動を効果的に抑制することができる。しかし、凸状接合部103の先端部は、必ずしも上記実施形態に限定されるものではなく、切削チップ120の重心位置から12mm以上離れた位置に配置するようにしてもよい。但し、本発明者の実証実験によれば、凸状接合部103の先端部は、チップ支持部111に支持される切削チップ120の重心から約20mmの範囲内に配置することによって効果的にビビリ振動を抑制できることを確認した。
また、上記実施形態においては、チップホルダ100は、ヘッド部110におけるチップ支持部111と凹状接合部115との間の部分に切削屑排出路116が形成されているため、被加工物WKの切削によって生じた切削屑をヘッド部110上から迅速に除去することができる。しかし、チップホルダ100は、必ずしも切削屑排出路116を設ける必要はない。例えば、チップホルダ100を被加工物WKの外形状の切削加工に用いる場合や切削加工部分に切削油を供給しながら加工を行う場合など切削屑の排出性が確保されている場合においては切削屑排出路116を省略することができる。一方、チップホルダ100を被加工物WKの内形状(例えば、ボーリング加工)などの切削屑の排出性が低い部分を加工する場合においては、切削屑排出路116を形成しておくことによって切削屑の排出性を著しく向上させることができる。
WK…被加工物、MT…丸棒体、MT…丸棒体、F…主分力、F…送り分力、F…背分力、
100…チップホルダ、101…シャンク部、102…平面部、103…凸状接合部、
110…ヘッド部、111…チップ支持部、112…チップポケット、113…逃げ部、114…雌ネジ、115…凹状接合部、116…切削屑排出路。

Claims (6)

  1. 被加工物に対して切削加工を行う切削加工機に着脱自在に保持される棒状のシャンク部と、
    前記被加工物を切削する切削チップを着脱自在に保持するヘッド部とを備え、
    前記シャンク部と前記ヘッド部とが互に接合されて構成されたチップホルダにおいて、
    前記シャンク部は、超硬合金で形成されており、
    前記ヘッド部は、タングステンまたは同タングステンを主成分とするタングステン合金で形成されていることを特徴とするチップホルダ。
  2. 請求項1に記載したチップホルダにおいて、
    前記シャンク部は、
    前記ヘッド部との接合部分の一部が同ヘッド部側に凸状に張り出す凸状接合部を有し、
    前記ヘッド部は、
    前記シャンク部との接合部分に前記凸状接合部に対応する凹状に窪む凹状接合部を有することを特徴とするチップホルダ。
  3. 請求項2に記載したチップホルダにおいて、
    前記シャンク部における前記凸状接合部は、
    先端部が、前記ヘッド部に保持される前記切削チップの重心から20mm以内の範囲まで延びて形成されていることを特徴とするチップホルダ。
  4. 請求項2または請求項3に記載したチップホルダにおいて、
    前記シャンク部における前記凸状接合部は、
    前記被加工物に対する前記切削加工時に前記切削チップに作用する切削抵抗のうちの主分力に対して平行に形成されていることを特徴とするチップホルダ。
  5. 請求項1ないし請求項4のうちのいずれか1つに記載したチップホルダにおいて、
    前記シャンク部における前記凸状接合部は、
    前記先端部に向かって先細りする形状に形成されており、
    前記ヘッド部は、
    前記シャンク部における前記凸状接合部の両側に前記シャンク部の軸線方向に沿って延びる切削屑排出路を備えることを特徴とするチップホルダ。
  6. 請求項1ないし請求項5のうちのいずれか1つに記載したチップホルダにおいて、
    前記被加工物に対して行う前記切削加工は、ボーリング加工であることを特徴とするチップホルダ。

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