JP2014030659A - 内視鏡及び内視鏡装置並びに内視鏡システム - Google Patents
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Abstract
【課題】所望の方向に容易に進路変更が可能な極細型の内視鏡及び内視鏡装置並びに内視鏡システムを提供する。
【解決手段】第1関節環17,第2関節環18、第3関節環19を連結部36,37により連結し、屈曲部16を構成する。連結部36,37を、第2関節環18の筒芯CL2から径方向に偏心させた位置に設ける。屈曲部16を可撓チューブ21により覆う。可撓チューブ21を延ばした状態で先端硬性部15の基端に可撓チューブ21の先端を固着する。可撓チューブ21の復元力により、屈曲部16に筒芯方向に圧縮力を作用させる。ガイドシース4から屈曲部16が突出すると、ガイドシース4による直管状の保持が開放され、連結部36,37のところで屈曲部16が曲がる。先端硬性部15が異なる方向に向くことにより、気管支の分岐部での先端硬性部15の挿入を確実に行うことができる。
【選択図】図7
【解決手段】第1関節環17,第2関節環18、第3関節環19を連結部36,37により連結し、屈曲部16を構成する。連結部36,37を、第2関節環18の筒芯CL2から径方向に偏心させた位置に設ける。屈曲部16を可撓チューブ21により覆う。可撓チューブ21を延ばした状態で先端硬性部15の基端に可撓チューブ21の先端を固着する。可撓チューブ21の復元力により、屈曲部16に筒芯方向に圧縮力を作用させる。ガイドシース4から屈曲部16が突出すると、ガイドシース4による直管状の保持が開放され、連結部36,37のところで屈曲部16が曲がる。先端硬性部15が異なる方向に向くことにより、気管支の分岐部での先端硬性部15の挿入を確実に行うことができる。
【選択図】図7
Description
本発明は、外径に制限のある極細型の内視鏡及び内視鏡装置並びに内視鏡システムに関する。
近年、3次元画像を用いた診断が広く行われるようになっている。例えば、X線CT(Computed Tomography)装置等により患者の断層像を撮像し、体内の3次元画像データを得て、この3次元画像データを用いて目標部位の診断等が行われる。
CT装置では、患者を体軸方向に連続送りしながら、X線照射と、この照射されたX線が体内を通過し、一部が体内で吸収されて減衰したX線の検出とを行い、体内の3次元領域について螺旋状に連続スキャン(ヘリカルスキャン:helical scan)する。そして、連続した多数の断層2次元画像から、3次元画像を作成している。
診断に用いられる3次元画像の1つに、肺の気管支の3次元画像がある。気管支の3次元画像は、例えば肺癌等が疑われる異常部の位置を3次元的に把握するのに利用される。そして、異常部を生検によって確認するために、例えば、カテーテルを挿入して組織のサンプルを採取している。この場合には、X線透視下で、先端にX線不透過の金属マーカを有するカテーテルを挿入し、半ば手探り状態で患部に到達する。しかし、透視の白黒二次元画像で正しい場所に到達させることは困難であり、場合によっては、異なった場所の組織を採取してしまい、再度カテーテルを挿入しなければならないなど、被検者にも術者にも負担が大きいものとなっている。
また、気管支のような多段階の分岐を有する体内の管路では、異常部の所在が気管支の末端に近いとき、内視鏡の先端を短時間で正しく目的部位に到達させることが難しい。このために、例えば特許文献1に開示されているように、体内の3次元領域の画像データに基づいて管路の3次元画像を作成し、3次元画像上で管路に沿って目的点までの経路を求め、経路に沿った管路の仮想内視鏡画像を画像データに基づいて作成し、仮想内視鏡画像を表示することで、気管支内視鏡を目的部位にナビゲーションする挿入支援装置が提案されている。
特許文献2には、光ファイバとこれを被覆する屈曲可撓性に富む被覆とからなる光ファイバセンサの先端部を予め所望の曲げ半径で屈曲しておき、この屈曲型光ファイバセンサを直状管内に挿入して、光ファイバセンサを直状管内で進退させることにより、直状管から出た光ファイバセンサの屈曲角度を任意に設定可能にする構成が提案されている。このような構成により、複数の関節環をピン結合により揺動自在に連結し、ワイヤ操作により先端部を湾曲させる先端部構造にした内視鏡に比べて、関節環の連結構造が不要になり、細径化を図ることができる。
しかしながら、特許文献2に開示されているような極細の光ファイバセンサを用いた内視鏡と、特許文献1に開示されている内視鏡挿入支援装置を用いて、挿入のナビゲーションを行い、分岐部で目的とする管路に向けて進路変更しようとしても、所望の屈曲角度や回転角度が得られないという問題がある。特に、直径に制限のある極細内視鏡では、挿入部先端を回転させようと手元側で挿入部を回転させても、そのトルクが挿入部先端に伝達されることがなく、先端を思う方向に回転させることができない。このため、内視鏡を引き込んだ後に再度進めて戻したりして、進路変更を行う必要から、迅速に目的部位に内視鏡先端を到達させることができないという問題がある。
本発明は、上記課題を鑑みてなされたものであり、所望の方向に容易に進路変更が可能な極細型の内視鏡及び内視鏡装置並びに内視鏡システムを提供することを目的とする。
上記目的を達成するために本発明の内視鏡では、先端に配される先端硬性部、先端硬性部に取り付けられる観察ユニット、先端硬性部の基端側に連結される可撓チューブ、先端硬性部の基端側で可撓チューブの内側に配される複数の円筒状の関節環、関節環の筒芯から径方向に偏心させた位置で隣接する関節環を互いに揺動自在に連結する連結部、連結部により連結される複数の関節環をその筒芯方向に圧縮するように付勢する付勢部材を有する挿入部と、この挿入部の基端に取り付けられる手元操作部とを備えることを特徴とする。
なお、関節環は2個以上であり、これら関節環を連結する連結部は、互いの偏心方向がそれぞれ異なることが好ましい。また、連結部の偏心方向を関節環の筒芯回りに等ピッチとすることが好ましい。
付勢部材をエラストマ製の可撓チューブから構成し、可撓チューブを基端側に引っ張ることによる反発力によって圧縮方向へ付勢することが好ましい。この場合には、コイルバネ等の付勢部材を別個設ける必要がなく、被覆カバーとして必要な可撓チューブを用いることにより、構成が簡単になり、内視鏡の極細化に寄与することができる。また、挿入部は、基端側の前記関節環を筒芯回りに回転させる回転機構を有することが好ましい。この場合には、複数の関節環と連結部とによる屈曲作用の上、屈曲した挿入部先端を回転させせることができ、より能率良く先端硬性部を目的とする部位に進めることができる。
関節環は、先端から順に配される第1関節環、第2関節環、第3関節環であり、連結部は、第1関節部と第2関節部とを連結する第1連結部、第2関節部と第3関節部とを連結する第2連結部であり、これら第1連結部と第2連結部は、筒芯に対する偏心方向が逆とすることが好ましい。この場合には第1連結部で第2連結部とにより二つの屈曲角度を実現することができ、内視鏡先端部の進路をより確実に決定することができる。また、第1連結部の揺動角度を10°以上30°以下とし、第2連結部の揺動角度を第1連結部の揺動角度のほぼ2倍とすることが好ましい。これにより、一方と、この一方とは反対側の他方へと、内視鏡先端部を案内することができるようになり、分岐部などにおげく進入操作をより確実に行うことができる。
回転機構は、基端の関節環の筒芯に対し斜めにこの関節環に形成される傾斜溝と、この傾斜溝に係合する係合部を有するワイヤとを有することが好ましい。この場合には、基端関節環を確実に回転することができる。また、傾斜溝は基端の関節環の周方向で90°以上360°以下の角度で形成されていることが好ましい。また、回転機構は、基端側関節環を周方向に牽引するワイヤと、このワイヤの牽引方向を基端側関節環の周方向から筒芯方向に変換する方向変換部とを有することが好ましい。さらには、回転機構は、基端側関節環に、基端側周縁に沿って一体に設けられたラックギアと、ラックギアと噛合する伝達ギアと、伝達ギアの軸に巻き掛けられてこの伝達ギヤを回転させるワイヤとを有することが好ましい。また、手元操作部は、ワイヤを変位させて回転機構に駆動を伝える操作部材を有することが好ましい。
観察ユニットは、可撓チューブの先端に固定される先端筒部と、先端筒部に取り付けられる観察光学系及びイメージガイドとを有し、可撓チューブの外径が2.0mm以下であることが好ましい。観察光学系とイメージガイドを用いることにより、現状では小型化に限界のある撮像ユニットを用いたものに比べて、内視鏡の極細化に寄与することができる。また、可撓チューブの外径を2.0mm以下とすることにより、ガイドシースを含めた全体の外径が2.4mm以下とすることができ、気管支内視鏡として末梢に近い部分まで挿入部先端を到達させることができる。
本発明の内視鏡装置は、上記の内視鏡と、挿入部が先端から出没自在に挿通されるガイドシースとを備え、ガイドシースは、このガイドシースの先端から、挿入部の第3関節環の先端側部分が突出する長さに形成されていることが好ましい。この場合には、ガイドシースの先端から第1関節環を出した状態では内視鏡先端部が第1方向に向いた状態となり、ガイドシースの先端から第2関節環を出した状態では、第1方向とは異なる第2方向に向いた状態となり、いずれか一方の状態を選択して内視鏡先端部を挿入することにより、任意の方向に確実に内視鏡先端を進行させることが容易に行える。
ガイドシースは、先端部にX線不透過の金属製マーカを有することが好ましい。この場合には、X線透視下で金属マーカの位置を検出しながら、挿入部先端を目標部位に到達させることもできる。また、ガイドシースに挿通され、このガイドシースの先端から出没自在にされる処置具を備えることが好ましい。
本発明の内視鏡システムは、上記記載の内視鏡装置と、観察対象の3次元の画像データに基づき観察対象の管腔の仮想内視鏡画像を生成する仮想画像生成手段と、観察対象の管腔が分岐する分岐部における複数の仮想内視鏡画像を表示させる画像表示手段とを有する挿入支援装置とを備えることを特徴とする。
本発明によれば、複数の円筒状の関節環を連結部で連結して揺動自在に構成し、この連結部により連結される複数の関節環をその筒芯方向で圧縮方向へ付勢部材により付勢したので、通常では付勢手段による圧縮で屈曲状態が維持される。また、ガイドシース内に収納された状態では、ガイドシースによって屈曲が矯正された直線状態で収納される。この屈曲状態と直線状態との状態変更と、回転機構による基端の関節環を筒芯回りでの回転とにより、任意の方向に内視鏡先端を進行させることができる。しかも、関節環を複数本のワイヤにより遠隔操作で湾曲させるものと異なり、複数本のアングルワイヤが不要になり、内視鏡の外径を小さくすることができる。
図1に示すように、本発明の内視鏡システム2は、内視鏡本体3、ガイドシース4を有する内視鏡装置5と、挿入支援装置6とを備える。内視鏡本体3は、挿入部7及び手元操作部8を有する。
図2に示すように、内視鏡本体3は、ガイドシース4の内部に挿入部7が収納された状態で、例えば観察対象である患者9の体内の管腔である気管支10に挿入され、気管支10内を観察可能にする。
図1に示すように、内視鏡装置5は、処置具11を備えている。気管支10内の目的部位10A(図2参照)近傍まで挿入部7及びガイドシース4を挿入した後は、ガイドシース4から挿入部7を引き抜いて、処置具11をガイドシース4の内部に挿入させる。処置具11は、例えば先端部に生体組織を採取可能なカップ11Aを有する生検鉗子であり、ガイドシース4に挿通され、ガイドシース4の先端から出没自在にされる。
図3に示すように、内視鏡システム2は、内視鏡装置5とは別の内視鏡装置12と組み合わせて使用することもある。内視鏡装置12は、CCDなどの撮像手段を内蔵する先端部13A、及び関節環を連結させた構造の湾曲部13Bを設けた挿入部13と、挿入部13の基端に連設された手元操作部14と、挿入部13及び手元操作部14の内部に設けられた処置具挿通チャンネル(図示せず)とを備える従来の内視鏡であり、手元操作部14には、処置具入口14Aを有し、先端部13Aには、処置具導出口13Cを有している。内視鏡装置12の挿入部13は、気管支10の細い管路に挿入できず、気管支10の末端に近い目的部位10Aに到達できないことがある。この場合、処置具入口14Aから本発明の極細型の内視鏡装置5を内視鏡装置12の処置具挿通チャンネルへ挿通させ、処置具導出口13Cからガイドシース4及び挿入部7を突出させる。これにより、ガイドシース4及び挿入部7は、内視鏡装置12の挿入部13よりも外径が細く、挿入部13よりも細い管路まで挿入させることができる。
図5に示すように、挿入部7は、先端硬性部15、屈曲部16、可撓チューブ21を有する。この挿入部7は、ガイドシース4内に挿通され、ガイドシース4の先端から先端硬性部15や屈曲部16の一部が出没自在にされる。挿入部7の先端には、先端硬性部15が位置する。先端硬性部15は、硬性の合成樹脂製または金属製の円筒体から形成されており、先端が先細りのテーパ面15Dになっている。先端硬性部15内には、観察光学系22、ライトガイド23、イメージガイド24が収納される。このため、先端硬性部15の内周面は、先端から順に内径が異なる第1内周面15A、第2内周面15B、第3内周面15Cが形成されている。これら観察光学系22、ライトガイド23、イメージガイド24により、観察ユニットが構成される。
観察光学系22は、先端から順に第1レンズ25、絞り26、第2レンズ27、第3レンズ28が配されて構成されている。このうち、絞り26、第2レンズ27、第3レンズ28がレンズ鏡筒29に収納される。
先端硬性部15の第1内周面15Aは、第1レンズ保持部として機能し、外周面近くまで形成されている。この第1内周面15Aには観察光学系22の第1レンズ25が固着される。第2内周面15Bは、第1内周面15Aの内径よりも小さい内径を有し、レンズ鏡筒29の脱落防止用の係止段部として機能する。第3内周面15Cは、第1内周面15Aの内径よりも小さく、且つ第2内周面15Bの内径よりも大きい内径を有する。
図4に示すように、第2内周面15B及び第3内周面15Cは、一部分が切り欠かれ、その切り欠き部分がライトガイド導入溝30として機能する。ライトガイド導入溝30は、円周方向に90°ピッチで4個形成されている。このライトガイド導入溝30には、ライトガイド23の先端部23Aが挿入される。ライトガイド23は、光ファイバを束ねた光ファイババンドルから構成されており、先端部23Aが4分割されている。ライトガイド23の基端には、光源31(図1参照)が設けられている。光源31からの照明光は、ライトガイド23の先端から射出され、第1レンズ25の周縁部近くを透過して、患者の体内を照明する。なお、光源31としては、例えば、コネクタを介して内視鏡本体3と接続される外部の光源装置に設けられた光源が好ましく、あるいは内視鏡本体3に内蔵された光源でもよい。
先端硬性部15の第3内周面15Cで、各ライトガイド導入溝30の間には、レンズ鏡筒保持部32が内側に突出して形成されている。図5に示すように、このレンズ鏡筒保持部32によって、観察光学系22のレンズ鏡筒29が保持される。なお、符号33はイメージガイド24の先端部カバー、符号34はイメージガイド24の保護チューブ、符号35はライトガイド23の保護チューブである。なお、図4においては、図面の煩雑化を防ぐため、保護チューブ34,35の図示を省略している。
図5に示すように、先端部カバー33は、例えば硬性の合成樹脂製または金属製の円筒体から形成され、イメージガイド24の先端部に固着され、レンズ鏡筒29の内部に挿入されている。先端部カバー33とともにレンズ鏡筒29の内部に挿入されたイメージガイド24は、中心軸が観察光学系22の光軸と同一軸上、且つ先端面が第3レンズ28に近接する位置に固定されている。これにより、先端硬性部15、観察光学系22及びイメージガイド24が観察ユニットとして一体化される。
図6に示すように、先端硬性部15の外周面は、先端からテーパ面15D、外周面15E、可撓チューブ21の取付段部15Fに区分けされている。また、先端硬性部15の基端面15Gからは、レンズ鏡筒保持部32が筒芯方向に突出している。このレンズ鏡筒保持部32には、図5に示すように、ライトガイド23の保護チューブ35が固着される。
図4に示すように、屈曲部16は、第1関節環17、第2関節環18、第3関節環19を第1連結部36、第2連結部37により揺動自在に連結して構成されている。各関節環17〜19は、硬質合成樹脂製または金属製の円筒体である。第1関節環17の先端面は、先端硬性部15の基端面15Gに当接している。なお、第1関節環17は先端硬性部15には固着されることはなく、屈曲部16は先端硬性部15に対して回転自在になっている。
図7(A)に示すように、第1連結部36と第2連結部37は、第2関節環18の筒芯CL2から径方向に偏心長さL1で偏心させた位置に形成されており、これら連結部36,37は、筒芯CL2に対する偏心方向が逆になっている。
図4に示すように、連結部36,37は1対の連結片36A,36B、37A,37Bを有する。一方の連結片36A,37Aは揺動孔を有し、他方の連結片36B,37Bは揺動軸を有する。揺動孔に揺動軸が入り込むことにより、これら関節環17〜19が連結部36,37によって、揺動自在に連結される。そして、図7に示すように、偏心した側へは揺動することはなく、または揺動角度が僅かであり、偏心した側とは反対の反偏心側への揺動角度θ1は、第1連結部36では例えば10°以上30°以下になるように、当接端面17A,18Aを斜めに切断してある。
第2連結部37の揺動角度θ2は、第1連結部36の揺動角度θ1の2倍(θ2=2×θ1)に設定されており、例えば20°以上60°以下である。本実施形態では、θ1は15°、θ2は30°である。
第1連結部36と第2連結部37とは、偏心方向が逆になっているので、図7(B)に示すように、第1関節環17の当接端面17Aと第2関節環18の当接端面18Aとが密着するように揺動すると、第2関節環18の筒芯CL2に対して第1関節環17の筒芯CL1がθ1、例えば15°の傾斜角度で傾く。同様にして、図7(C)に示すように、第2関節環18の当接端面18Bと第3関節環19の当接端面19Aとが密着するように揺動すると、第3関節環19の筒芯CL3に対して第2関節環18の筒芯CL2の傾斜角度θ3は30°になる。従って、第3関節環19の筒芯CL3に対する第1関節環17の筒芯CL1の傾斜角度θは−15°(角度は、基準線に対して反時計方向を正とし、時計方向を負としている)となる。
第1関節環17と第3関節環19とは第2関節環18に比べて筒芯方向に長く形成されている。第1関節環17を長く形成することにより、第1連結部36の揺動角度が例えば10°〜30°程度と小さい場合でも、第1関節環17の先端と第2関節環18の筒芯CL2との距離が、第1関節環17の長さ分だけ長くなり、方向変換特性を上げることができる。また、第3関節環19は、後に説明する回転機構38のカム溝42を形成する分だけ、第2関節環18よりも長くなっている。
図1に示すように、第3関節環19の基端側には、支持環20が取り付けられる。図8に示すように、支持環20は、支持部20Aと固定部20Bとを有する段付き軸から構成されている。支持部20Aは、第3関節環19の内周面に嵌まり、この第3関節環19を回転自在に保持する。固定部20Bの基端には、挿入部7の軟性チューブ56(図7参照)の先端が固着される。
図5に示すように、先端硬性部15から屈曲部16、支持環20(図4参照)、軟性チューブ56(図7参照)を覆うように、エラストマ製のゴム状弾性力を有する可撓チューブ21が取り付けられる。可撓チューブ21の基端は手元操作部8(図1参照)に固定される。可撓チューブ21の先端は、先端硬性部15の取付段部15Fに固着される。可撓チューブ21の取付段部15Fへの固着は、可撓チューブ21を先端側に引っ張った状態で行われる。これにより、屈曲部16には可撓チューブ21の弾発復元力により筒芯方向に圧縮する力が作用する。したがって、外力を受けない状態では、図7(C)に示すように、各関節環17〜19の筒芯CL1〜CL3が交差した屈曲状態になり、先端硬性部15はガイドシース4の筒芯に対して、θ3の傾斜角度で屈曲する。
図7(B)に示すように、ガイドシース4に挿入部7が入れられた状態で、第2関節環18がガイドシース4の開口に位置すると、ガイドシース4の剛性によって第2関節環18と第3関節環19は屈曲状態が矯正されて真っ直ぐな状態になる。しかし、この状態では、第1連結部36がθ1で屈曲した状態になる。
図7(A)に示すように、更に挿入部7がガイドシース4内に引き込まれ、第1関節環17がガイドシース4の開口に位置すると、ガイドシース4の剛性によって、第1関節環17と第2関節環18は屈曲状態が矯正されて真っ直ぐな状態になる。
以上のように、ガイドシース4に対して挿入部7の先端部突出長さを図7(A)〜(C)のように変更することにより、挿入部先端を屈曲させて、先端硬性部15を例えば下側に15°の角度で傾斜させたり、上側に15°の角度で傾斜させたりすることができる。
次に、図8及び図9を参照して、屈曲部16の回転機構38について説明する。回転機構38は、第3関節環19に形成されるカム溝42と、支持環20に設けられるスライダ43、カムフォロワ(係合部)44、ワイヤ52、コイルバネ53と、手元操作部に設けられるレバー54とを有する。
支持環20の支持部20Aの外周面には、筒芯方向に長い溝20Cが形成してある。この溝20C内には、スライダ43が筒芯に平行な方向で移動自在に取り付けられている。スライダ43にはカムフォロワ44が取り付けられている。また、スライダ43にはワイヤ52の先端が固着されている。また、ワイヤ52にはコイルバネ53が縮めて入れられており、コイルバネ53の基端は溝20Cの基端面20Dに当接している。これにより、スライダ43は支持環20の先端に向けてコイルバネ53により付勢される。
第3関節環19の外周面には、カム溝42が形成してある。図9は、カム溝42が形成された第3関節環19の外周面を展開した平面図である。カム溝42は、先端側直進溝42A、基端側傾斜溝42B、基端側直進溝42C、先端側傾斜溝42Dを有する。これらの溝42A〜42Dは、カムフォロワ44が通過可能な幅で形成されている。これらの溝42A〜42Dが連結したパターンが、全周面に4パターン形成されている。したがって、一つのパターンをカムフォロワが通過することにより、第3関節環は90°回転する。そして、4パターンのカム溝42A〜42Dをカムフォロワが通過することにより、第3関節環は1回転する。なお、カム溝42A〜42Dが第3関節環19の周方向に連続しているため、第3関節環19がカム溝42A〜42Dにより分離されることがないように、適宜位置にて溝42A〜42Dを横切るブリッジ(図示せず)が形成してあり、両者がこのブリッジにより連結されている。ブリッジは、カムフォロワの通過に支障のない位置に形成されている。なお、ブリッジを設ける代わりに、有底溝から各カム溝を形成してもよい。
図8に示すように、ワイヤ52は支持環20の挿通孔20E、軟性チューブ(図7参照)の内部を通り、手元操作部8(図1参照)内のレバー54に取り付けられている。レバー54はアングルノブ45の取付軸45Aに取り付けられている。そして、アングルノブ45を回動させることにより、レバー54を介してワイヤ52を一定のストロークで往復させることができる。
図1に示すように、ガイドシース4は、直管状に形成され、内視鏡本体3の挿入部7が挿通される挿通管48と、挿通管48の先端部分に直列に接続された先端筒部49と、挿通管48及び先端筒部49に埋め込まれる金属マーカ50と、挿通管48の基端部分に直列に接続された把持部51とを備える。挿通管48は、例えばポリウレタン樹脂等の可撓性を有し、且つ挿入部7よりも高い剛性を有する材料から形成されている。先端筒部49は、挿通管48と同様の樹脂等から形成され、且つ挿通管48と同じ内径及び外径にされている。
先端筒部49の基端部、及び挿通管48の先端部には、金属マーカ50の厚み分凹となる段差部が形成されている。金属マーカ50は、X線不透視の金属を円筒状に形成してなり、挿通管48及び先端筒部49と同一外径とし、先端筒部49の基端部、挿通管48の先端部の段差部分に外嵌される。これにより、金属マーカ50は、挿通管48、先端筒部49に対して外周面が連続するように埋め込まれる。把持部51は、金属やABS樹脂等の硬質な材料によって筒状に形成されており、その内径は、挿通管48の外径と略等しい。把持部51は、挿通管48の基端部分に外嵌されている。
ガイドシース4は、この先端筒部49の先端から、挿入部7の屈曲部16が突出する長さを有する。そして、挿入部7の全長から先端硬性部15と屈曲部16の長さを引いた寸法に形成されている。これにより挿入部7をガイドシース4に押し込む操作をしたとき、ガイドシース4の先端から屈曲部16を出すことができる。
図7(A)に示す状態から手元操作部8をガイドシース4の先端側へ押し込むようにして、ガイドシース4の先端筒部49から屈曲部16の第1関節環17を出すと、屈曲部16の第1関節環17がガイドシース4の先端から押し出される。この押し出しによって、ガイドシース4による直管状の保持がなくなり、第1連結部36が揺動して、第1関節環17は下方に曲がる。さらに、ガイドシース4から挿入部7を押し出すと、第2関節環18がガイドシース4の先端から押し出される。この押し出しによって、第2連結部37が揺動して、第2関節環18は上方に曲がる。
本実施形態の挿入部7の外径、すなわち、先端硬性部15と、可撓チューブ21の外径は、2.0mm以下であることが好ましい。ガイドシース4は、内径が挿入部7の外径と同一または若干の隙間を持ち、外径が2.4mm以下とすることが好ましい。
手元操作部8は、屈曲動作のために操作されるアングルノブ45と、接眼部46とを有する。図8に示すように、アングルノブ45の取付軸45Aには、レバー54が固定されている。レバー54の端部にはワイヤ52の一端が連結されている。アングルノブ45を回動させると、レバー54が揺動し、ワイヤ52を往復させる。このワイヤ52の往復により、スライダ43が移動し、カムフォロワ44を介して第3関節環19が回転する。これにより、屈曲部16が回転し、先端硬性部15の向きを変えることができる。
接眼部46には、イメージガイド24の基端部が固定されているとともに、接眼光学系(図示せず)が収納されている。接眼光学系は、光軸がイメージガイド24の中心軸と同一軸上に配設されている。観察光学系22によって取り込まれた管腔内の像がイメージガイド24の基端から出射され、その像は接眼光学系を通して拡大される。また、挿入部7には、手元操作部8側の端部にゴム部材などの軟性部材から形成される折れ止め部材47が外嵌されている。
図1に示すように、挿入支援装置6は、CT画像データ格納部61と、仮想内視鏡画像( Virtual Bronchus Scope 画像:以下、「VBS画像」ともいう。)を生成するVBS画像生成部62と、VBS画像格納部63と、挿入経路設定部64と、画像処理部65と、画像表示部66とを備える。CT画像データ格納部61は、観察対象である患者9のX線断層像を撮像する図示しない公知のCT装置で生成された、例えば、DICOM(Digital Imaging and Communication in Medicine)形式の3次元のCT画像データを格納する。VBS画像生成部62は、3次元のCT画像データから、VBS画像を生成する。挿入経路設定部64は、3次元のCT画像データから挿入部7を気管支10の目標部位へ挿入するための挿入経路を設定する。画像処理部65は、挿入経路を設定するための挿入経路設定画面と、VBS画像、及び複数のサムネイルVBS画像などを含む後述する挿入支援画面とを生成する。画像表示部66は、画像処理部65で生成された画面をモニタ67に表示させる。
次に、図10〜図12を用いて、挿入ナビゲーション機能を有する内視鏡システム2について簡単に説明する。図10は挿入経路設定画面の一例を示す図であり、図11は挿入支援画面の一例を示す図である。なお、本発明の内視鏡システムは、必ずしも挿入ナビゲーション機能を有している必要はない。また、挿入経路設定画面を表示させて挿入経路の設定を行ったり、画面または画像を切り換えたりする場合は、例えば図示しない入力装置の入力操作によって行われる。
図10に示すように、挿入ナビゲーションを行うときには、まず、モニタ67には、例えば、患者9に関する情報68Aと、内視鏡装置5の挿入経路Rを表示する画像68Bと、および詳細は図示しないVBS画像68C等とを含む挿入経路設定画面68が表示される。画像68Bには、3次元のCT画像データから生成された患者9の気管支画像70に重畳して、挿入経路設定部64が設定した、目的部位70Aまでの内視鏡装置5の挿入経路Rが表示されている。
内視鏡の挿入操作が開始されるときは、入力装置により挿入支援画面69に切り換えられる。図11に示すように、挿入支援画面69は、VBS画像を表示するVBS画像表示エリア69Aと、目標部位までの挿入経路の全ての分岐部におけるVBS画像を縮小して分岐サムネイルVBS画像として表示する分岐サムネイルVBS画像エリア69B等とを含む。
図11では、4箇所の分岐部を経て目的部位に到達する場合の挿入支援画面69を示している。すなわち、VBS画像表示エリア69Aには挿入経路の最初の分岐部のVBS画像71が表示され、分岐サムネイルVBS画像としては、挿入経路上の4箇所の分岐部におけるそれぞれの分岐サムネイルVBS画像72A〜72Dが表示される。そして、VBS画像71には挿入経路1に沿って進むための経路穴に目印73が重畳して表示されている。
術者は、内視鏡装置5の接眼部46を覗いて実際の分岐部の観察像を確認する。図12は、内視鏡装置5による観察像の一例を示す。なお、図12では、実線の円で囲まれた範囲が観察像74を示し、点線部分は観察像74の周辺部分を示している。図12(A)は、挿入部7を患者9の気管支10に挿入し、最初の分岐部に到達したときの観察像74を示す。そして、VBS画像71と実際の観察像74とを比較した後、VBS画像71内の目印73が指示する経路穴に対応する実際の経路穴75に観察像を合わせるように挿入部7の先端硬性部15の向きを変更する。
上述したように、ガイドシース4の先端から挿入部7の屈曲部16を出すことによって屈曲部16を屈曲させるとともに、アングルノブ45を操作して屈曲部16を回転させることによって先端硬性部15の屈曲している向きが変わる。これにより、先端硬性部15を所望の向きに簡単に変更することができる。
図12(B)に示すように、目印73が指示する経路穴に対応する経路穴75に観察像74を合わせた状態でガイドシース4と一緒に挿入部7を挿入することで、挿入経路に沿った経路穴75に挿入部7及びガイドシース4の先端部を送り込むことができる。
術者が、最初の分岐部において目印73が指示する挿入経路に沿った経路穴75に挿入部7及びガイドシース4を挿入した後、挿入支援画面69のVBS画像71は、2番目の分岐部のVBS画像に切り換えられる。そして最初の分岐部のときと同様に、目印73が指示する経路穴に対応する実際の経路穴に観察像を合わせるように、内視鏡装置5を操作する。このようにして、術者は、それぞれの分岐部において挿入部7及びガイドシース4を挿入すべき経路穴を誤ることなく、目的部位70Aの近傍の分岐部まで挿入部7及びガイドシース4を挿入することができる。
上述したように、挿入部7及びガイドシース4の外径が小さい極細の内視鏡装置5を用いているため、従来よりも気管支10の内径の小さい分岐部、すなわち気管支10の末梢に近い部分まで挿入部7及びガイドシース4を挿入可能であり、目的部位70Aのさらに近傍まで挿入部7及びガイドシース4を到達させることができる。そして、目的部位70Aの近傍まで挿入部7及びガイドシース4を挿入した後は、ガイドシース4から挿入部7を引き抜いて、代わりに処置具11をガイドシース4の内部に挿入させる。これにより、目的部位70Aの近傍まで処置具11を到達させ、組織のサンプルを採取するなどの処置を行うことができる。
ガイドシース4には、X線不透過の金属マーカ50が先端部に埋め込まれているため、挿入ナビゲーション機能を用いて気管支10の目的部位70Aの近傍までガイドシース4を挿入させているとき、X線透視下で金属マーカ50の位置を確認することにより、ガイドシース4及び挿入部7先端を目的部位に到達させることもできる。挿入ナビゲーション機能を用いて気管支10の目的部位70Aの近傍までガイドシース4を挿入させた後、X線透視下で処置を行うことで、金属マーカと金属製の処置具11の位置を確認しながら処置具11を挿入させることができるため、さらに確実に処置を行うこともできる。
図8に示すように、屈曲部16を回転させる回転機構38は、カム溝42とカムフォロワ44との係合によって第3関節環19を確実に回転させることができる。これにより、屈曲部16の屈曲する向きを可変させて経路穴75に観察像の位置を合わせるとき、アングルノブ45の操作量が多過ぎて、経路穴75の位置から観察像がずれてしまった場合でも、もう一度同じ方向に約1回転させることで観察像の位置を合わせることができる。したがって、先端硬性部15の向きの変更をさらに簡単にすることができる。
図9に示すように、上記第1実施形態では、カム溝42を第3関節環19の円周方向に連続させてエンドレスの回転を可能にしたが、これに代えて、図13に示す別の実施形態のように、第3関節環19には傾斜したカム溝80を一つのみ形成し、このカム溝80にカムフォロワ81を係合させて、第3関節環19を所定角度、例えば90°以上360°以下で回転させてもよい。なお、以下の各実施形態において、第1実施形態と同一構成部材には同一符号を付して、重複した説明を省略している。
この実施形態では、支持環82の先端側にプーリ83またはガイド部材を設けて、無端ワイヤ84を支持環82内に戻している。この無端ワイヤ84は、アングルノブ45のプーリ85に巻き掛けられている。プーリ85には、無端ワイヤ84が半巻き、または1巻き、更には複数巻きで巻きかけられている。無端ワイヤ84には、スライダ86に固定されている。スライダ86は、ガイド溝87により移動自在に保持されている。したがって、アングルノブ45を回動させることにより、無端ワイヤ84の変位によって、スライダ86をガイド溝87内で往復させることができる。スライダ86にはカムフォロワ81が取り付けられている。カムフォロワ81とカム溝80との係合により、スライダ86の筒芯方向の往復運動が第3関節環19の回転運動に変更される。カム溝80、カムフォロワ81、支持環82、無端ワイヤ84、プーリ85等によって回転機構88が構成される。
本実施形態の場合には、先端硬性部15をカム溝80の周方向長さ分だけしか回転させることができないものの、構成が簡単になる利点があり、より一層の細径化が可能になる。なお、一定範囲を超えて先端硬性部15を回転させたい場合には、ガイドシース4と挿入部7を一緒に少し引き戻して、戻した位置にてガイドシース4から挿入7の先端が突出するようにした状態で、または引き戻した状態で、再度挿入することにより、前回の挿入操作とは少し異なる挿入操作となり、挿入部7の先端の向きを修正することができる。これにより、回転機構88による1回の回転操作では回転角度が少ない場合でも、目標とする気管支に先端硬性部15を突入させることができる。
図14及び図15に示す回転機構90は、第3関節環19を無端ワイヤ91の周方向への巻き付けによって回転させるものである。このため、第3関節環19にはワイヤ91の巻き付け部92を設け、これにワイヤ91を、例えば2.5巻きしている。巻き付け部92からワイヤ91が外れてしまうことがないように、支持環93にはワイヤガイド溝93Aが形成されている。また、手元操作部8にはアングルノブ45に連携されたプーリ85にワイヤ91が掛け巡らされている。そして、アングルノブ45を回動操作することにより、ワイヤガイド溝93Aを通って巻き付け部92にワイヤ91が巻きつくため、ワイヤ91の牽引操作を第3関節環19の回転操作に変換することができる。
図16に示す回転機構94は、第3関節環19へのワイヤ91の巻き付けに代えて、ワイヤ巻き付け部92にワイヤ係止ピン95を突出させ、このワイヤ係止ピン95にワイヤ取付部96を有するワイヤ97を係止させている。そして、ワイヤ97をプーリ85により動かして、ワイヤ係止ピン95を周方向に引くことにより、第3関節環19が所望の方向に回転する。
図17に示す回転機構100は、第3関節環19の基端側にラックギヤ101を周方向に形成し、これにかみ合うピニオン(伝達ギヤ)102を支持環103に回転自在に取り付けている。ピニオン102と同軸で下部にはプーリ104が取り付けられている。またプーリ104と手元操作部8のプーリ85とに無端ワイヤ105が掛け巡らされている。この回転機構100では、ワイヤ105をプーリ85により動かして、ピニオン102を回転させ、このピニオン102にかみ合うラックギヤ101が回転することにより、第3関節環19が所望の方向に回転する。
なお、上記各実施形態では第1連結部36,第2連結部37は筒芯に対する偏心方向を180°逆方向にしているが、これに限定されることなく、第1連結部36の偏心方向に対して第2連結部37の偏心方向が異なっていればよい。ただし、互いの偏心方向のなす交差角度が180°に近いほど、異なる方向に大きく曲げることができるため好ましい。
上記実施形態では、第1〜第3関節環17〜19と第1,第2連結部36,37とを用いて、2方向へ屈曲させているが、これに代えて、第1及び第2関節環17,19と第1連結部36とを用いて、1方向へのみ屈曲させる構成としてもよい。この場合には、屈曲させた後に、各種タイプの回転機構38,88,90,94,100を用いて、屈曲させた先端部を回転させることにより、所望の方向に先端硬性部を向けることができる。
図18,図19は、回転機構を備えておらず、屈曲部110のみによって挿入部先端の向きを変える実施形態を示している。本実施形態では、例えば第1〜第7関節環111〜117とこれらを連結する第1〜第6連結部121〜126とガイドシース4とを用いて、6方向へ挿入部7の先端を向けることができる。図19に示すように、第1〜第6連結部121〜126は、筒芯に対して偏心した位置に形成されている。そして、第1〜第6連結部121〜126は、隣接するもの同士は例えば揺動軸の交差角度が例えば60°ずつ回転している。したがって、各関節環111〜117がガイドシース4の先端から順に出てくると、螺旋状に突出するようになり、先端がガイドシース4の回りで回転し、その向きを変更することができる。これにより、簡単な構成で、挿入部の先端の向きを変更することができ、進路決定操作を容易に行うことができる。なお、この実施形態にも、上記の各種タイプの回転機構38,88,90,94,100を設けて、屈曲部110の曲げによる向きの変更と、回転機構38,88,90,94,100の回転による向きの変更とを行ってもよい。なお、用いる関節環111〜117や連結部121〜126の個数は適宜変更してよい。
この実施形態では、ガイドシース4からの屈曲部110の突出量の操作のみで、先端の向きを変更することができる。したがって、気管支の分岐部で回転操作を行うことなく、先端の向きを変更することができ、回転機構が不要になる分だけ構成が簡単になり、より一層細径化を図ることができる。
なお、上記実施形態では、可撓チューブを基端側に引っ張ることによる反発力によって、複数の関節環を筒芯方向に圧縮させて、通常状態で屈曲を維持させるようにしているが、可撓チューブによる圧縮に代えて、または加えて、コイルバネやトグルバネやその他の付勢部材を用いて、複数の関節環を筒芯方向に圧縮させてもよい。
また、観察ユニットを観察光学系及びイメージガイドから構成して可撓チューブの外径が2.0mm以下になるように構成したが、極小サイズの撮像ユニットにより可撓チューブの外径が2.0mm以下になるように構成したものであってもよい。
上記各実施形態では、ガイドシース4に挿通され、ガイドシース4の先端から出没される処置具11としてカップ型の生検鉗子を例に上げているが、これに限らず、クリップ型の鉗子、高周波ナイフ、スネアワイヤ、注射器など他の処置具でもよい。また、上記各実施形態では、気管に挿入する内視鏡を例に挙げて説明を行ったが、例えば大腸に挿入される大腸内視鏡等の各種医療用内視鏡や、工業用途などの他の用途に使用される内視鏡などにも本発明を適用することができる。
2 内視鏡システム
3 内視鏡本体
4 ガイドシース
5 内視鏡装置
6 挿入支援装置
7 挿入部
11 処置具
15 先端硬性部
16,110 屈曲部
17〜19,111〜117 関節環
21 可撓チューブ
22 観察光学系
23 ライトガイド
24 イメージガイド
38,88,90,94,100 回転機構
45 アングルノブ
52,84,91,97,105 ワイヤ
42,80 カム溝
44,81 カムフォロワ
20,82,93,103 支持環
3 内視鏡本体
4 ガイドシース
5 内視鏡装置
6 挿入支援装置
7 挿入部
11 処置具
15 先端硬性部
16,110 屈曲部
17〜19,111〜117 関節環
21 可撓チューブ
22 観察光学系
23 ライトガイド
24 イメージガイド
38,88,90,94,100 回転機構
45 アングルノブ
52,84,91,97,105 ワイヤ
42,80 カム溝
44,81 カムフォロワ
20,82,93,103 支持環
Claims (17)
- 先端に配される先端硬性部、前記先端硬性部に取り付けられる観察ユニット、前記先端硬性部の基端側に連結される可撓チューブ、前記先端硬性部の基端側で前記可撓チューブの内側に配される複数の円筒状の関節環、前記関節環の筒芯から径方向に偏心させた位置で隣接する前記関節環を互いに揺動自在に連結する連結部、前記連結部により連結される複数の関節環をその筒芯方向に圧縮するように付勢する付勢部材を有する挿入部と、
前記挿入部の基端に取り付けられる手元操作部とを備えることを特徴とする内視鏡。 - 前記関節環は2個以上であり、これら関節環を連結する連結部は、互いの偏心方向がそれぞれ異なることを特徴とする請求項1記載の内視鏡。
- 前記連結部の偏心方向を関節環の筒芯回りに等ピッチとすることを特徴とする請求項2記載の内視鏡。
- 前記付勢部材をエラストマ製の前記可撓チューブから構成し、前記可撓チューブを基端側に引っ張ることによる反発力によって複数の関節環を筒芯方向に圧縮することを特徴とする請求項1から3いずれか1項記載の内視鏡。
- 前記挿入部は、基端側の前記関節環を筒芯回りに回転させる回転機構を有することを特徴とする請求項1から4いずれか1項記載の内視鏡。
- 前記関節環は、先端から順に配される第1関節環、第2関節環、第3関節環であり、前記連結部は、前記第1関節部と前記第2関節部とを連結する第1連結部、前記第2関節部と前記第3関節部とを連結する第2連結部であり、これら第1連結部と第2連結部は、筒芯に対する偏心方向が逆であることを特徴とする請求項5記載の内視鏡。
- 前記第1連結部の揺動角度は10°以上30°以下であり、前記第2連結部の揺動角度は前記第1連結部の揺動角度のほぼ2倍であることを特徴とする請求項6記載の内視鏡。
- 前記回転機構は、基端の関節環の筒芯に対し斜めにこの関節環に形成される傾斜溝と、この傾斜溝に係合する係合部を持つワイヤとを有することを特徴とする請求項5から7いずれか1項記載の内視鏡。
- 前記傾斜溝は基端の関節環の周方向で90°以上360°以下の角度で形成されていることを特徴とする請求項8記載の内視鏡。
- 前記回転機構は、前記基端側の前記関節環を周方向に牽引するワイヤと、前記ワイヤの牽引方向を前記基端側の前記関節環の周方向から筒芯方向に変換する方向変換部とを有すること特徴とする請求項5から7いずれか1項記載の内視鏡。
- 前記回転機構は、前記基端側関節環に、基端側周縁に沿って一体に設けられたラックギアと、前記ラックギアと噛合する伝達ギアと、前記伝達ギアの軸に巻き掛けられてこの伝達ギヤを回転させるワイヤとを有することを特徴とする請求項5から7いずれか1項記載の内視鏡。
- 前記手元操作部は、前記ワイヤを変位させて前記回転機構に駆動を伝える操作部材を有することを特徴とする請求項8から11いずれか1項記載の内視鏡。
- 前記観察ユニットは観察光学系及びイメージガイドを有し、前記可撓チューブの外径が2.0mm以下であることを特徴とする請求項1から12いずれか1項記載の内視鏡。
- 請求項1から13いずれか1項記載の内視鏡と、前記挿入部が先端から出没自在に挿通されるガイドシースとを備え、
前記ガイドシースは、このガイドシースの先端から、前記挿入部の基端側関節環の先端側部分が突出する長さに形成されていることを特徴とする内視鏡装置。 - 前記ガイドシースは、先端部にX線不透過の金属製マーカを有することを特徴とする請求項14記載の内視鏡装置。
- 前記ガイドシースに挿通され、前記ガイドシースの先端から出没自在にされる処置具を備えたことを特徴とする請求項14または15記載の内視鏡装置。
- 請求項14から16のいずれか1項記載の内視鏡装置と、
観察対象の3次元の画像データに基づき前記観察対象の管腔の仮想内視鏡画像を生成する仮想画像生成手段、前記観察対象の管腔が分岐する分岐部における複数の仮想内視鏡画像を表示させる画像表示手段を有する挿入支援装置とを備えることを特徴とする内視鏡システム。
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