JP2014030643A - 調理容器およびこれを用いた炊飯器 - Google Patents

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Abstract

【課題】簡便な構造で加熱むらを抑える。
【解決手段】調理容器30は、外部から加熱される底面部31と、一端側に底面部31が他端側に開口部が形成されており、被加熱物Sを収容する中空部を有する胴部32と、底面部31の外面側に設けられており、底面部31に熱伝導率の異なる複数の領域を形成する断熱部材40とを備えている。
【選択図】図2A

Description

本発明は、米や水等の被加熱物を収容する調理容器およびこれを用いた炊飯器に関するものである。
従来の炊飯器において、調理容器からの放熱を抑制して炊飯効率を向上させもしくは省エネルギーを向上させる炊飯器が提案されている(たとえば特許文献1、2参照)。特許文献1には、内鍋の外面にシリコンゴム等の弾性部材からなる熱伝導性の悪い材料が一様に配置された内鍋が開示されている。特許文献2には、外面の全面もしくは一部にシリコン系樹脂等からなる磁力透過性の放熱抑止層が設けられており、高周波の磁力線により発熱する磁性材からなる内鍋が開示されている。
また、炊飯時における内鍋内の加熱むら・炊き上がりむらを防止するために、種々の手法が提案されている(たとえば特許文献3、4参照)。特許文献3には、内鍋の底面から側面に向かって渦状に延びる複数の凹溝が形成された炊飯器が開示されている。また、特許文献4には、内鍋の底面部を加熱する加熱コイルが複数配置されており、複数の加熱コイルの加熱出力を順次可変にすることにより、加熱むら・炊き上がりむらを防止することが開示されている。
特開2003−325323号公報 特開2009−219737号公報 特開平11−267013号公報 特許第3149538号
しかし、特許文献1、2に示すように、内鍋の底面部全体が断熱部材で覆われている場合、内鍋内には大きな対流しか起きないため加熱むらが生じやすく、炊き上がりむらが生じてしまうという問題がある。一方、特許文献3、4に示すように、釜の形状を変更した場合には、加工コストが増加するとともに内鍋内部のコーティングが剥れやすくなるという問題がある。また、特許文献4に示すような複数の加熱コイルを使用して通電制御するためには、製造コストが増加してしまうという問題がある。
本発明は、上記のような課題を解決するためになされたものであり、簡便な構造で加熱むらを抑えることができる調理容器およびこれを用いた炊飯器を提供することを目的とするものである。
本発明に係る調理容器は、外部から加熱される底面部と、底面部から上部に延びて筒状に形成された、被加熱物を収容する中空部を有する胴部と、底面部の外面側に設けられており、底面部に熱伝導率の異なる複数の領域を形成する断熱部材とを備えたことを特徴とするものである。
本発明に係る調理容器によれば、熱伝導率制限部材により熱伝導率の異なる領域が形成された底面部が加熱されたときに局所的な温度差を積極的に生じさせて、沸騰する際に小さな対流の発生を促進させることにより、調理容器の内部全体として被加熱物への加熱むらを少なくすることができる。
本発明の炊飯器の実施形態1を示す断面図である。 本発明の調理容器の実施形態1を示す斜視模式図である。 本発明の調理容器の実施形態1を示す側面模式図である。 本発明の調理容器の実施形態1を示す底面模式図である。 図2Cの調理容器の底面部と加熱手段との位置関係を示す底面模式図である。 図1の加熱手段が調理容器の底面部を加熱した際の熱伝導制限領域および熱伝導領域の時間経過に対する温度変化を示すグラフである。 図1の調理容器内の被加熱物の対流の様子を示す模式図である。 従来の炊飯器が調理容器を加熱した際の様子を示す模式図である。 従来の炊飯器が調理容器を加熱した際の様子を示す模式図である。 本発明の調理容器の実施形態2を示す斜視模式図である。 本発明の調理容器の実施形態2を示す側面模式図である。 本発明の調理容器の実施形態2を示す底面模式図である。 本発明の調理容器の実施形態3を示す斜視模式図である。 本発明の調理容器の実施形態3を示す側面模式図である。 本発明の調理容器の実施形態3を示す底面模式図である。 図9の調理容器において加熱手段に熱伝導領域のみが対向された様子を示す模式図である。 図9の調理容器において加熱手段に熱伝導制限領域のみが対向された様子を示す模式図である。
実施形態1.
図1は本発明の炊飯器の実施形態1を示す断面図であり、図1を参照して炊飯器1について説明する。図1の炊飯器1は、本体10および蓋体20を備えており、蓋体20は本体10の上部にヒンジ軸3およびヒンジバネ4により開閉可能に取り付けられている。そして、ユーザが蓋ボタン5を押すことにより、ヒンジバネ4の付勢力により蓋体20がヒンジ軸3を軸に開くようになっている。
本体10には調理容器30を収容するための収容部2aが設けられており、収容部2aに調理容器(内釜)2が着脱可能に収容される。収容部2aの開口縁部には調理容器30を保持するための調理容器保持部2bが形成されており、調理容器30は収容部2aに収容された際、調理容器保持部2bに支持される。
収容部2aの底面には加熱手段11および底面温度検出手段12が設けられている。加熱手段11は調理容器30の底面部に対向する位置に設けられており、たとえばリング状の3つの加熱コイル11a、11b、11cを有している。各加熱コイル11a〜11cは収容部2aに収容された調理容器30を誘導加熱することにより、調理容器30に収容された米等の被加熱物Sを加熱するものである。
底面温度検出手段12は、収容部2aの略中央に配置されており、調理容器30の底面部31に当接して調理容器30の底面温度を検出して制御部13に送る。制御部13は炊飯運転の制御を行うものであって、炊飯物の米に水を吸収させる予熱工程、米を沸騰させる炊飯工程、及び蒸らし工程の各工程に応じて、底面温度検出手段12、内部温度検出手段23の検出温度を通して加熱手段11の通電を制御する。
蓋体20は、蓋パッキン(シール材)6、液晶表示部21、操作部22、内部温度検出手段23、蓋ヒータ25を備えている。環状の蓋パッキン(シール材)6は蓋体20の本体側に設けられており、シリコンゴム等からなっている。そして、蓋パッキン6が調理容器30のフランジ部33に当接して調理容器の開口部を密閉している。
液晶表示部21は、蓋体20の上面に設けられており、炊飯メニューや炊飯運転実行中の工程などを表示する。なお、液晶表示部21の動作は本体10側の制御部13により制御されている。操作部22はユーザが炊飯器1を操作するためのボタン等からなり、操作部22からの入力に従い制御部13が各種制御を行う。内部温度検出手段23は、被加熱物Sの温度を直接検出し内部温度として制御部13に出力するものであって、たとえば赤外線センサや内部の空気温度を検出するサーミスタ等からなっている。蓋ヒータ25は、炊飯・保温時に発生する蒸気により内蓋に結露することを避けるために、内蓋を加熱するものである。
また、蓋体20には、吹きこぼれ液を回収するとともに回収した吹きこぼれ液を調理容器30内に戻すカートリッジ24が着脱可能に配置されている。そして、炊飯工程でお米を加熱することにより発生するうまみ成分(以下おねばとする)を含んだ蒸気がカートリッジ24内に入り込んだ際に、カートリッジ24がおねばと蒸気に分離して、おねばを調理容器30内へ戻すとともに、蒸気を蒸気排出口26から排出する。
図2A〜図2Cは本発明の調理容器の実施形態1を示す模式図である。図2A〜図2Cの調理容器30は、たとえばアルミニウム合金とアルミニウムとを交互に積層するとともにその最外面にステンレス材が積層された構造を有している。なお、調理容器30が炭素素材を焼成したものであってもよいし、その他公知の技術を用いることができる。
調理容器30は底面部31、胴部32、フランジ部33、断熱部材40を備えている。なお、底面部31と胴部32とフランジ部33とは一体成形されている。底面部31は、外部の加熱手段11から加熱されるものであって略円形状に形成されている。胴部32は、底面部31の縁部から曲面加工された曲面部31aを介して上部に延びて筒状に形成されている。そして、胴部32は被加熱物を収容する中空部を有しているとともに、上部には開口が形成されている。そして、この開口から被加熱物Sが胴部32内に収容され、底面部31から加熱手段11により加熱されることにより、被加熱物Sが加熱処理される。
フランジ部33は胴部32の開口縁部に形成されており、本体10に収納された際には調理容器30はフランジ部33で調理容器保持部2bにおいて吊下げ支持されることになる。また、フランジ部33は本体10から調理容器30を取り出す際には手持ち部分になる。フランジ部33の外周側に円周に沿ってたとえばシリコンゴム等からなる弾性部材34が取り付けられている。そして、調理容器30が本体10に収容された際、弾性部材34により本体10と調理容器30とが密着することにより、本体10と調理容器30との隙間から外気の流入を遮断した密閉空間が形成される。これにより、本体10の収容部2aと調理容器30の外面側との間の空気層において外気による空気の対流が発生するのを抑制し、空気層の温度を維持して熱効率を高めることができる。また、弾性部材34の厚さを厚くすることにより、本体10から加熱された調理容器30を取り出す際、ユーザが調理容器30を取り扱うことが容易にすることができる。
断熱部材40は底面部31の外面側に設けられており、たとえばシリコンゴムなどの樹脂等の断熱性・潜熱性を有する材料からなっている。図3A〜図3Cにおいては、断熱部材40は、底面部31から胴部32の一部の領域にわたり設けられている。なお、断熱部材40は、底面部31および胴部32に対し接着されていてもよいし、着脱可能に取り付けられたものであってもよい。たとえば断熱部材40は、調理容器30に対し焼付成形等して調理容器30とは別に成形した後にシリコン系接着剤等を用いて底面部31および胴部32に対し接着させてもよい。このとき、予め底面部31の外面が研磨材等により表面を粗く加工(下処理)された状態にしておき、その上にシリコンゴムを付着させることにより断熱部材40が形成されるようにしてもよい。あるいは、断熱部材40と調理容器30とが接着しておらず、断熱部材40が調理容器30の底面部31の外形と略同一の形状に成形されることにより、底面部31に対し着脱可能に嵌め込むものであってもよい。
断熱部材40は、底面部31に熱伝導率の異なる複数の領域が形成するものである。具体的には、断熱部材40は、加熱手段11から底面部31への熱伝導を制限する熱伝導制限領域41と、熱伝導制限領域41よりも熱伝導率の高い複数の熱伝導領域42とを底面部31に形成する。なお、断熱部材40の底面部31の略中央に当たる領域には、底面温度検出手段12が直接底面部31に接触して温度を測定できるように、穴43が形成されている。
また、断熱部材40がシリコンゴムである場合、熱伝導制限領域41ではたとえば厚さが1mm以上になるように形成されている。これにより、断熱部材40が加熱手段11から底面部31への加熱を遮断する断熱性を発揮するとともに、底面部31から外部への放熱を防止する蓄熱性を保持することができる。なお、断熱部材40としてシリコンゴムを用いた場合についての厚さを例示したものであり、他の樹脂を用いた場合には当該使用する樹脂の熱伝導特性に合わせて適宜厚さを決定すればよい。
一方、各熱伝導領域42は上記シリコンゴムを打ち抜く等により形成された貫通孔からなっている。なお、熱伝導領域42は熱伝導制限領域41よりも熱伝導率が高ければよく、蒸気貫通孔の場合に限らず、たとえば熱伝導制限領域41の厚さよりも薄く溝状に形成されたものであってもよいし、熱伝導制限領域41と熱伝導領域42とがそれぞれ異なる材料からなっているものであってもよい。
ここで、複数の熱伝導領域42は所定のパターンを形成している。具体的には、各熱伝導領域42はそれぞれ直線状に延びる所定の幅を有するように形成されている。そして、複数の熱伝導領域42が底面部31の中心から放射状に配列されたパターンを形成している。
図3は底面部31と加熱手段11との位置関係を示す底面模式図である。図3に示すように、加熱手段11は円環状(リング状)に複数形成されているため、上述した放射状に配列された熱伝導領域42内には加熱手段11に対向する領域と対向しない領域とが存在することになる。同様に、熱伝導制限領域41内おいても加熱手段11に対向する領域と対向しない領域とが存在することになる。言い換えれば、熱伝導制限領域41および熱伝導領域42により底面部31には異なる温度の領域が複数形成されたことになる。
図4は加熱手段11が調理容器30の底面部31を加熱した際の熱伝導制限領域41および熱伝導領域42の時間経過に対する温度変化を示すグラフ、図5は調理容器30内の被加熱物Sの対流の様子を示す模式図であり、図1から図5を参照して炊飯器1の加熱動作について説明する。まず、加熱手段11の作動により調理容器30の外層のステンレスが誘導加熱により発熱する。加熱開始当初(たとえば予熱工程)では、調理容器30で発生した熱が断熱部材40に奪われるため、熱伝導制限領域41の温度上昇が遅くなり、底面部31の熱伝導領域42は熱伝導制限領域41に比べて温度上昇が早い。このため、熱伝導制限領域41と熱伝導領域42との温度差による部分的な細かい対流が発生する(図5参照)。
一方、断熱部材40が十分温まった状態では、断熱部材40の蓄熱効果により、熱伝導制限領域41の覆われた部分の温度は熱伝導領域42に比べて高くなる(図4参照)。このため、加熱初期とは逆に、加熱手段11に対向する面の熱伝導制限領域41側の沸騰が早くなる。つまり、ある程度加熱が進んだ状態(たとえば沸騰工程)であっても加熱初期と同様に、熱伝導制限領域41と熱伝導領域42との温度差による部分的な細かい対流が発生する(図5参照)。
このように、加熱手段11に対向する底面部31に、熱伝導率の異なる領域を形成する断熱部材40を設けることにより、調理容器30の温度分布に局所的な温度差を生じさせて細かい対流を発生させることができるため、調理容器30内の全体の被加熱物Sの温度が均一化され、炊飯時の炊きムラを解消することができる。
すなわち、従来のように調理容器の内面に特定の形状に加工する等した場合、加工コストが増加し、調理容器内部のコーティングが剥れやすくなる問題がある。また、加熱コイルの構造を変更しもしくは通電制御を変更するためには、複数の加熱コイルを使用するために製造コストが増加してしまうという問題がある。
また、従来のように、図6に示すような沸騰時の対流は弾性部材等を設けない場合もしくは図7に示すような底面部に均一な弾性部材が設けられている場合、内側壁から中央へ向かう一定方向に偏ったものになる。つまり、底面部31が均一に加熱されて底面部31の熱が胴部32に伝導して胴部32の温度が上昇し、調理容器30内の被加熱物S(米や水等)は調理容器30の胴部32に沿って上昇していく。すると、調理容器30内において胴部32に沿って上昇しその後に中心部に向かうような被加熱物Sの大きな対流のみが発生することになる。このため、温度むら・加熱むらが生じやすいという問題がある。
特に、予熱工程においては約60℃程度の温度に保つことによって酵素の働きを活性化させ、でんぷんを糖に変化させている。このため、部分的に温度が上昇してしまうと米の糊化が始まってしまい、ご飯の炊きむらが発生してしまうという問題がある。同様に、沸騰工程においても調理容器30の中央部分の加熱が不足するという問題がある。
一方、図3A〜図3Cに示すように、断熱部材40を用いて底面部31に異なる熱伝導率の領域41、42を形成することにより、局所的な対流を発生させて調理容器30内全体として簡便な構造で加熱むらを抑制することができる(図5参照)。また、調理容器30が炭素素材からなる場合、断熱部材40および弾性部材34を設けることにより落下衝撃等の外部からの衝撃を吸収し割れにくくすることができる。
実施形態2.
図8A〜図8Cは本発明の調理容器の実施形態2を示す模式図であり、図8A〜図8Cを参照して調理容器130について説明する。なお、図8A〜図8Cの調理容器130において図3A〜図3Cの調理容器30と同一の構成を有する部位には同一の符号を付してその説明を省略する。図8A〜図8Cの調理容器130が図3A〜図3Cと異なる点は、熱伝導領域のパターン形状である。
具体的には、断熱部材140の各熱伝導領域142はそれぞれ帯状の湾曲した形状を有しており、複数の熱伝導領域142は底面部31を中心として渦状に配置されている。なお、各熱伝導領域142はそれぞれ貫通孔からなるものであってもよいし、断熱部材140の凹部により形成されたものであってもよい。
この場合であっても、加熱手段11は円環状(リング状)に複数形成されているため、上述した放射状に配列された熱伝導領域142内には加熱手段11に対向する領域と対向しない領域とが存在することになる。熱伝導制限領域141内においても加熱手段11に対向する領域と対向しない領域とが存在することになる。言い換えれば、上述した断熱部材40と同様、熱伝導制限領域141および熱伝導領域142により底面部31に異なる温度の領域が複数形成されたことになる。
上記実施形態2に示す調理容器130であっても、上述したように、調理容器130の温度分布に局所的な温度差を生じさせて細かい対流を発生させることができるため、調理容器130内の全体の被加熱物Sの温度が均一化され、炊飯時の炊きムラを解消することができる。
実施形態3.
図9A〜図9Cは本発明の調理容器の実施形態3を示す模式図であり、図9A〜図9Cを参照して調理容器230について説明する。なお、図9A〜図9Cの調理容器230において図3A〜図3Cの調理容器30と同一の構成を有する部位には同一の符号を付してその説明を省略する。図9A〜図9Cの調理容器230が図3A〜図3Cと異なる点は、断熱部材のパターン形状である。
具体的には、断熱部材240にはそれぞれリング状(円環状)の複数の熱伝導制限領域241および複数の熱伝導領域242が形成されている。ここで、予めリング状に形成した断熱部材240を底面部31に接着等することにより、底面部31に熱伝導制限領域241および複数の熱伝導領域242を形成してもよいし、断熱部材240に厚さが異なる複数の領域を形成することにより、熱伝導制限領域241および熱伝導領域242を形成してもよい。
このような断熱部材240であっても、調理容器30の温度分布に局所的な温度差を生じさせて細かい対流を発生させることができるため、調理容器30内の全体の被加熱物Sの温度が均一化され、炊飯時の炊きムラを解消することができる。
特に、図10に示すように、加熱手段11が熱伝導制限領域241にのみ対向するように、断熱部材240に熱伝導制限領域241を形成するようにしてもよい。上述の通り、加熱初期においては、熱伝導領域242の方が熱伝導制限領域241よりも温度上昇が大きいため(図4参照)、予熱工程での温度むらをさらに改善することができる。
あるいは、図11に示すように、加熱手段11が熱伝導領域242にのみ対向するように、断熱部材240に熱伝導領域242を形成するようにしてもよい。上述の通り、加熱時間がある程度経過した際には、熱伝導制限領域241の方が熱伝導領域242よりも温度上昇が大きいため(図4参照)、調理容器230内の温度を沸騰工程での対流をさらに激しくすることができる。
本発明の実施形態は上記実施形態に限定されない。たとえば上記各実施形態において、熱伝導領域42、142、242がいずれも帯状に形成されている場合について例示しているが、これに限られず、たとえば円形、楕円形、多角形等のスポット状の熱伝導領域が複数形成されたものであってもよい。
さらに、熱伝導制限領域41、141、241と熱伝導領域42、142、242との2種類の熱伝導率の領域が形成されている場合について例示して言えるが、断熱部材40の厚さを各領域毎に変えさらには貫通孔を形成することにより、3種類以上の熱伝導率の異なる複数の領域が形成されたものであってもよい。
また、底面部31から胴部32の一部の領域にかけて断熱部材40が形成されている場合について例示しているが、断熱部材40は、底面部31の領域に少なくとも設けられていれば、その他のいずれの領域まで設けられていても構わない。たとえば胴部32からフランジ部33までの全領域にわたり断熱部材40が設けられていてもよい。
ただし、この胴部加熱手段が輻射熱により調理容器30を加熱するものである場合、胴部32における胴部加熱手段に対向する領域には断熱部材40が設けられていないことが好ましい。これは、輻射熱を利用する胴部加熱手段である場合、断熱部材40を介さずに直接胴部32を加熱することができるようにするためである。これにより、異なる熱伝導率を有する加熱手段11、胴部加熱手段および蓋部加熱手段のそれぞれから全面加熱を行うことにより、加熱むらをさらに低減させることができる。
1 炊飯器、2a 収容部、2b 調理容器保持部、3 ヒンジ軸、4 ヒンジバネ、5 蓋ボタン、6 蓋パッキン、10 本体、11 加熱手段、11a−11c 加熱コイル、12 底面温度検出手段、13 制御部、20 蓋体、21 液晶表示部、22 内部温度検出手段、23 蓋ヒータ、24 カートリッジ、25 蓋ヒータ、26 蒸気排出口、30、130、230 調理容器、31 底面部、31a 曲面部、32 胴部、33 フランジ部、34 弾性部材、40、140、240 断熱部材、41、141、241 熱伝導制限領域、42、142、242 熱伝導領域、43 穴、S 被加熱物。

Claims (12)

  1. 外部から加熱される底面部と、
    前記底面部から上部に延びて筒状に形成された、被加熱物を収容する中空部を有する胴部と、
    前記底面部の外面側に設けられており、前記底面部に熱伝導率の異なる複数の領域を形成する断熱部材と
    を備えたことを特徴とする調理容器。
  2. 前記断熱部材が、外部からの熱が前記底面部へ伝導することを制限する熱伝導制限領域と、前記熱伝導制限領域よりも熱伝導率の高い複数の熱伝導領域とを前記底面部に形成することを特徴とする請求項1に記載の調理容器。
  3. 前記断熱部材が、前記底面部の中心から放射状に延びる前記熱伝導制限領域のパターンを前記底面部に形成するものであることを特徴とする請求項2に記載の調理容器。
  4. 前記断熱部材が、前記底面部の中心から渦状に延びる前記熱伝導制限領域のパターンを前記底面部に形成するものであることを特徴とする請求項2に記載の調理容器。
  5. 前記断熱部材には円環状の複数の前記熱伝導領域および複数の前記熱伝導制限領域を前記底面部に形成するものであることを特徴とする請求項2に記載の調理容器。
  6. 前記底面部における加熱手段に対向する領域には前記熱伝導領域のみが形成されていることを特徴とする請求項2から請求項5のいずれか1項に記載の調理容器。
  7. 前記底面部における加熱手段に対向する領域には前記熱伝導制限領域のみが形成されていることを特徴とする請求項2から請求項5のいずれか1項に記載の調理容器。
  8. 前記断熱部材が、熱伝導率の異なる複数の領域毎に厚さが異なることを特徴とする請求項1から請求項7のいずれか1項に記載の調理容器。
  9. 前記断熱部材が、最も熱伝導率の高い領域となる部分に貫通孔を有するものであることを特徴とする請求項1から請求項8のいずれか1項に記載の調理容器。
  10. 前記断熱部材が前記底面部に対し着脱可能に取り付けられていることを特徴とする請求項1から9のいずれか1項に記載の調理容器。
  11. 前記胴部の開口縁部にフランジ部が形成されており、
    前記フランジ部の前記外面側に弾性部材が取り付けられていることを特徴とする請求項1から請求項10のいずれか1項に記載の調理容器。
  12. 請求項1から請求項11のいずれか1項記載の調理容器と、
    前記調理容器を着脱自在に収納する本体と、
    前記本体に開閉自在に取り付けられ、前記調理容器を密閉状態で覆う蓋体と、
    前記調理容器の底面部を加熱する加熱手段と
    を備えたことを特徴とする炊飯器。
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