JP2014030598A - 膜状結合組織体形成用基材及びこれを用いた膜状結合組織体の生産方法 - Google Patents

膜状結合組織体形成用基材及びこれを用いた膜状結合組織体の生産方法 Download PDF

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Abstract

【課題】所望の厚さの膜状の結合組織体を形成することができ、しかも、結合組織体の両面を所望の表面状態に形成することのできる膜状結合組織体形成用基材の提供。
【解決手段】結合組織を形成する二面の結合組織形成面3を互いに対向させる。膜状結合組織体形成用基材1を生体組織材料の存在する環境に配置する。結合組織形成面3に膜状の結合組織体を形成する。膜状の結合組織体の両面が結合組織形成面3に合って形成される。結合組織形成面3の間隔を適宜設定する。所望の厚さの膜状結合組織体が形成される。結合組織形成面3を平滑面に形成する。結合組織体の両面が平滑面になどの所望の表面状態に形成される。
【選択図】 図1

Description

本発明は、人工の膜状結合組織体を形成するための膜状結合組織体形成用基材及びこれを用いた膜状結合組織体の生産方法に関するものである。
病気や事故で失われた細胞、組織、器官を、人工素材や細胞により再び蘇らせる再生医療の研究が数多くなされている。
通常、身体には自己防衛機能があり、体内の浅い位置にトゲ等の異物が侵入した場合には、これを体外へ押し出そうとする。また、体内の深い位置に異物が侵入した場合には、その周りに繊維芽細胞が徐々に集まって、主に繊維芽細胞とコラーゲンからなる結合組織体のカプセルを形成して異物を覆うことにより、体内において異物を隔離することが知られている。この後者の自己防衛反応を利用して生細胞から生体由来組織を形成する技術として、生体内に異物としての基材を埋入して結合組織体を形成する技術が複数報告されている(特許文献1〜3参照)。
このような手法で結合組織体を形成する場合、生体内に埋入する異物としての基材の形状や大きさを適宜設定することにより、所望の形状や大きさの結合組織体を形成することができる。
特開2007−312821号公報 特開2008−237896号公報 特開2010−094476号公報
ところが、生体内に埋入した基材の周囲に結合組織体を形成する場合、基材の形状や大きさを適宜設定して、その周囲に所望の形状や大きさの結合組織体を形成することはできるものの、結合組織体を所望の厚さに形成することはできない。また、基材の平滑性などの表面状態を適宜設定することにより、結合組織体のうちの基材側の面を所望の表面状態に形成することはできるものの、基材と反対側の面を所望の表面状態に形成することはできない。
本発明は、所望の厚さの膜状の結合組織体を形成することができ、しかも、結合組織体の両面を所望の表面状態に形成することのできる膜状結合組織体形成用基材及びこれを用いた膜状結合組織体の生産方法の提供を目的とする。
上記目的を達成するために、本発明に係る膜状結合組織体形成用基材は、生体組織材料の存在する環境に配置して基材表面に膜状の結合組織体を形成可能なものであり、膜状の結合組織体の両面を基材表面に合わせて形成するよう、結合組織を形成する二面の結合組織形成面を互いに対向させて設けたものである。
上記構成によれば、二面の結合組織形成面を互いに対向させるので、その間隔を適宜設定して、所望の厚さの膜状結合組織体を形成することができる。しかも、膜状結合組織体の両面を基材表面に合わせて形成するので、結合組織形成面を平滑面に形成して結合組織体の両面を平滑面に形成するなど、結合組織体の両面を所望の表面状態に形成することができる。
さらに、対向する二面の結合組織形成面の間に結合組織体を形成するので、一面の結合組織形成面の外側に結合組織体を形成する場合よりも、結合組織体のうちの結合組織形成面から最も離れた部位までの距離を短くすることができ、厚くかつ密度の均一な結合組織体を形成することができる。
ここで、「生体組織材料」とは、所望の生体由来組織を形成するうえで必要な物質のことであり、例えば、線維芽細胞、平滑筋細胞、内皮細胞、幹細胞、ES細胞、iPS細胞等の動物細胞、各種たんぱく質類(コラーゲン、エラスチン)、ヒアルロン酸等の糖類、その他、細胞成長因子、サイトカイン等の生体内に存在する各種の生理活性物質が挙げられる。この「生体組織材料」には、ヒト、イヌ、ウシ、ブタ、ヤギ、ヒツジ等の哺乳類動物、鳥類、魚類、その他の動物に由来するもの、又はこれと同等の人工材料が含まれる。
また、「生体組織材料の存在する環境下」とは、動物(ヒト、イヌ、ウシ、ブタ、ヤギ、ヒツジ等の哺乳類動物、鳥類、魚類、その他の動物)の生体内(例えば、四肢部、腰部、背部又は腹部などの皮下、もしくは腹腔内への埋入)、又は、動物の生体外において、生体組織材料を含有する人工環境のことをいう。
本発明の膜状結合組織体形成用基材は、二面の結合組織形成面を互いに対向させて設けたものであれば、その結合組織形成面の形状や基材全体の構造などは特に限定されるものではなく、形成しようとする結合組織体の形状に応じて種々のものを採用することができる。
例えば、板状の結合組織体を形成するための膜状結合組織体形成用基材としては、結合組織形成面を有する複数枚の板状基材を互いに間隔をあけて設け、複数枚の板状基材を互いに分解可能としたものを例示できる。
この構成によれば、結合組織形成面を有する複数枚の板状基材を互いに間隔をあけて設けるので、板状基材の間の隙間に板状の結合組織体を形成することができ、しかも、複数枚の板状基材を分解して、板状基材の間に形成した結合組織体を容易に取り出すことができる。
また、筒状の結合組織体を形成するための膜状結合組織体形成用基材としては、結合組織形成面を有する中心基材及び筒状基材を設け、中心基材の周囲を筒状基材で間隔をあけて取り囲むと共に、中心基材及び筒状基材を互いに分解可能としたものを例示できる。
この構成によれば、筒状基材が中心基材の周囲を取り囲むので、中心基材と筒状基材との隙間に筒状の結合組織体を形成することができ、しかも、中心基材及び筒状基材を分解して、両基材の間に形成した結合組織体を容易に取り出すことができる。
また、膜状結合組織体形成用基材に結合組織の形成を促進する手段を設けることにより、結合組織体の力学的性質や成分を良好にし、比較的に短時間で良質の膜状結合組織体を形成するようにしてもよい。具体的には、膜状結合組織体形成用基材に、結合組織の形成を促進可能なLEDを設けた構成や、結合組織の形成を促進可能な薬剤を収容して徐々に放出する薬剤収容部を形成した構成を例示できる。
また、本発明は、上記の膜状結合組織体形成用基材を用いて、膜状結合組織体を生産する方法を提供する。すなわち、本発明に係る膜状結合組織体の生産方法は、膜状結合組織体形成用基材を生体組織材料の存在する環境下におく設置工程と、膜状結合組織体形成用基材の周囲に結合組織を形成しつつ、互いに対向する結合組織形成面の間に結合組織を形成する形成工程と、環境下から結合組織で被覆された膜状結合組織体形成用基材を取り出す取り出し工程と、膜状結合組織体形成用基材から結合組織形成面の間の結合組織を剥離して膜状結合組織体として取り出す分離工程と、を備える。さらに、分離工程においては、膜状結合組織体形成用基材の周囲の結合組織を除去した後、膜状結合組織体形成用基材を分解して膜状結合組織体を取り出す。
この構成によれば、上記の膜状結合組織体形成用基材の構成を採用することによる効果と同じ効果を得ることができる。なお、本発明において、移植対象者に対して、自家移植、同種移植、異種移植のいずれでもよいが、拒絶反応を避ける観点からなるべく自家移植か同種移植が好ましい。また、異種移植の場合には、拒絶反応を避けるため公知の脱細胞化処理などの免疫源除去処理を施すのが好ましい。
さらに、設置工程において、互いに対向する結合組織体形成面の間に結合組織の形成を促進する生体組織材料を収容しておくようにしてもよい。ここで、結合組織の形成を促進する生体組織材料は、例えば、血液、脂肪、コラーゲン、ゼラチン、及びこれらに増殖因子などを含ませたものなどである。
この構成によれば、結合組織体形成面の間に結合組織の形成を促進する生体組織材料を収容しておくので、結合組織が成長しながら結合組織体形成面の間の空間に徐々に侵入していくのを待つよりも、組織形成に要する時間を短くすると共に、組織形成をより確実にすることができる。
また、本発明は、基材表面に形成された膜状結合組織体であって、膜の両面が基材表面に合わせて形成された膜状結合組織体を提供する。
この構成によれば、上記の基材や生産方法を用いて生産した膜状結合組織体と同様、所望の厚さ、十分な厚さ、均一な密度に設定することができ、かつ、膜の両面を平滑面にするなど、所望の表面状態に設定することができる。なお、この膜状結合組織体は、表層を覆うあるいは膜状で機能する平面状の膜状組織、又は、筒状の膜状組織として用いるものであり、心膜や硬膜、皮膚、弁膜、角膜、血管、消化管、気管など、どのようなものであってもよい。
上記のとおり、本発明によると、二面の結合組織形成面を互いに対向させ、膜状の結合組織体をその両面を基材表面に合わせて形成するので、結合組織形成面の間隔を適宜設定することにより、所望の厚さ、両面が平滑面などの所望の表面状態、十分な厚さ、かつ均一な密度の結合組織体を形成することができる。
本発明に係る膜状結合組織体形成用基材の斜視図 膜状結合組織体を示す写真で、(a)は板状基材の間隔が0.5mm、(b)は板状基材の間隔が1.0mm、(c)は板状基材の間隔が1.5mm、(d)は板状基材の間隔が2.0mmの膜状結合組織体形成用基材を用いて形成した膜状結合組織体を示す 膜状結合組織体の切断面を示す写真で、(a)は板状基材の間隔が0.5mm、(b)は板状基材の間隔が1.0mm、(c)は板状基材の間隔が1.5mm、(d)は板状基材の間隔が2.0mmの膜状結合組織体形成用基材を用いて形成した膜状結合組織体を示す 筒状の結合組織体を形成する膜状結合組織体形成用基材の斜視図
以下、本発明に係る膜状結合組織体形成用基材及びこれを用いた膜状結合組織体の生産方法を実施するための形態について、図面を用いて説明する。
図1に示すように、膜状結合組織体形成用基材1は、生体組織材料の存在する環境に配置して、人工の心膜や硬膜、皮膚、弁膜、角膜などとして用いる膜状の結合組織体を基材表面に形成するためのものであり、2枚の板状基材2a、2bを互いに間隔をあけて設けてなり、膜状結合組織体の両面を基材表面に合わせて形成するよう、2枚の板状基材2a、2bの互いに対向する二面が結合組織を形成する結合組織形成面3とされる。
板状基材2a、2bは、わずかに湾曲した同一形状の長方形板とされ、互いに中央部の板厚方向に平行移動した位置関係に配置されて、四隅の結合部4を介して互いに分解可能に一体化されている。結合部4は、小径の円柱状とされ、その長さを適宜設定することにより、結合組織形成面3の間隔である板状基材2a、2bの純間隔aが設定され、さらに、この結合部4を切断することにより、板状基材2a、2bを互いに分解可能とする。
板状基材2a、2bの形状、大きさ及び純間隔aは、膜状結合組織体の形成しようとする形状、大きさ及び厚さに対応させて設定され、さらに、結合組織形成面3の表面状態は、膜状結合組織体の形成しようとする平滑性などの表面状態に応じて設定される。なお、板状基材は、複数枚であれば、2枚に限らず3枚以上であってもよく、3枚以上の場合、中間部の板状基材は、その両面に結合組織形成面3を形成すればよい。
膜状結合組織体形成用基材1を構成する素材は、特に限定されるものではないが、生体に埋入することによる変形を防止できる程度の強度(硬度)、化学的安定性、及び、滅菌などの負荷に対する耐性を有し、さらに、生体を刺激する溶出物が全くないか少ないという条件を満たす樹脂が好ましく、シリコーン樹脂やアクリル樹脂を例示できる。
次に、上記のような膜状結合組織体形成用基材1を用いて膜状結合組織体を生産する方法について説明する。
この生産方法は、膜状結合組織体形成用基材1を生体組織材料の存在する環境下におく「設置工程」と、膜状結合組織体形成用基材1の周囲に結合組織を形成しつつ、互いに対向する結合組織形成面3の間に結合組織を形成する「形成工程」と、環境下から結合組織で被覆された膜状結合組織体形成用基材1を取り出す「取り出し工程」と、膜状結合組織体形成用基材1から結合組織形成面3の間の結合組織を剥離して膜状結合組織体として取り出す「分離工程」とからなる。
<設置工程>
膜状結合組織体形成用基材1の互いに対向する結合組織体形成面3の間に、血液、脂肪、コラーゲン、ゼラチン、及びこれらに増殖因子などを含ませたものなど、結合組織の形成を促進する生体組織材料を収容しておき、この膜状結合組織体形成用基材1を生体組織材料の存在する環境下へ置く。生体組織材料の存在する環境下とは、動物の生体内(例えば、皮下や腹腔内への埋入)、又は、動物の生体外において生体組織材料が浮遊する溶液中等の人工環境内が挙げられる。生体組織材料としては、ヒト、イヌ、ウシ、ブタ、ヤギ、ウサギ、ヒツジなどの他の哺乳類動物由来のものや、鳥類、魚類、その他の動物由来のもの、又は人工材料を用いることもできる。
膜状結合組織体形成用基材1を動物に埋入する場合には、十分な麻酔下で最小限の切開術で行い、埋入後は傷口を縫合する。膜状結合組織体形成用基材1の埋入部位としては例えば、膜状結合組織体形成用基材1を受け入れる容積を有する腹腔内、あるいは四肢部、肩部又は背部、腹部などの皮下が好ましい。また、膜状結合組織体形成用基材1を生体組織材料の存在する環境下へ置く場合には、種々の培養条件を整えてクリーンな環境下で公知の方法に従って細胞培養を行えばよい。
<形成工程>
設置工程の後、所定時間が経過することにより、膜状結合組織体形成用基材1の周囲に膜状の結合組織が形成され、さらに、結合組織が成長して板状基材2a、2bの結合組織形成面3の間に侵入するように形成される。結合組織は、繊維芽細胞とコラーゲンなどの細胞外マトリックスで構成され、板状基材2a、2bの純間隔aに対応する厚さに形成される。
また、設置工程で、結合組織体形成面3の間に結合組織の形成を促進する生体組織材料を収容しておくので、結合組織が成長しながら結合組織体形成面3の間の空間に徐々に侵入していくのを待つよりも、組織形成に要する時間が短くなると共に、より確実に組織形成がされる。
<取り出し工程>
所定時間の形成工程を経て、結合組織が十分に形成された後、膜状結合組織体形成用基材1を生体組織材料の存在する環境下から取り出す取り出し工程を行う。生体組織材料の存在する環境下から取り出された膜状結合組織体形成用基材1は、全体を結合組織による膜で覆われている。
<分離工程>
膜状結合組織体形成用基材1の周囲の結合組織を除去して、四隅の結合部4を切断し、膜状結合組織体形成用基材1を2枚の板状基材2a、2bに分解して膜状結合組織体を剥がして取り出す。この膜状結合組織体は、板状基材2a、2bの結合組織形成面3の曲面形状、大きさ、純間隔a及び平滑性に対応する形状、大きさ、厚さ及び表面状態で、良質かつ均一な密度に形成されている。
生産された膜状結合組織体を異種移植する場合には、移植後の拒絶反応を防ぐため、脱細胞処理、脱水処理、固定処理などの免疫源除去処理を施すのが好ましい。脱細胞処理としては、超音波処理や界面活性剤処理、コラゲナーゼなどの酵素処理によって細胞外マトリックスを溶出させて洗浄する等の方法があり、脱水処理の方法としては、メタノール、エタノール、イソプロピルアルコール等の水溶性有機溶媒で洗浄する方法があり、固定処理する方法としては、グルタアルデヒドやホルムアルデヒドなどのアルデヒド化合物で処理する方法がある。
次に、上記の膜状結合組織体形成用基材1及び生産方法を用いて生産した膜状結合組織体について説明する。
まず、4種類の膜状結合組織体形成用基材1を体重10kgのビーグル犬の背部皮下に埋入し、そのビーグル犬を通常の飼育条件で1ヶ月飼育した後、結合組織で覆われた膜状結合組織体形成用基材1を摘出した。膜状結合組織体形成用基材1は、滅菌したアクリル製で、板状基材2a、2bの純間隔aが0.5mm、1.0mm、1.5mm、2.0mmの4種類である。
皮下で形成された結合組織は主として、線維芽細胞とコラーゲンから構成され、カプセル化して膜状結合組織体形成用基材1の周囲を覆うと共に、結合組織体形成面3の間に侵入して膜状結合組織体を構成していた。また、結合組織の膜で覆われた膜状結合組織体形成用基材1は、皮下組織より容易に摘出することができた。
次いで、膜状結合組織体形成用基材1の周囲の結合組織を剥がして取り除き、板状基材2a、2bを分離して、内部の膜状結合組織体を取り出した。なお、板状基材2a、2bの結合組織体形成面3と膜状結合組織体とは全く接着しておらず、両者は損傷無く容易に分離することができた。
図2に、各基材で形成して取り出した膜状結合組織体の外観写真を示し、図3に、その切断面の写真を示す。膜状結合組織体の厚さは、これを形成した板状基材2a、2bの純間隔aが0.5mmの場合に0.44±0.05mm、純間隔aが1.0mmの場合に0.81±0.12mm、純間隔aが1.5mmの場合に1.30±0.15mm、純間隔aが2.0mmの場合に1.60±0.20mmであり、板状基材2a、2bの純間隔aと同程度の厚さであった。
また、全ての膜状結合組織体について、膜状結合組織体の両面とも結合組織体形成面3と同様の平滑状態であり、厚さ方向の全部位に渡ってほぼ均一な密度であった。
このように、板状基材2a、2bの結合組織体形成面3の間に膜状結合組織体を形成することにより、所望の形状、大きさ、厚さ、表面状態の膜状結合組織体を得ることができ、しかも、膜状結合組織体の密度を厚さ方向の全範囲に渡ってほぼ均一にできることがわかる。
なお、本発明は、上記の実施の形態に限定されるものではなく、本発明の範囲内において、適宜変更を加えることができる。例えば、膜状結合組織体形成用基材1は、板状基材2a、2bの四隅に結合部4を設けて、結合組織が侵入する開口を四辺に設けた構造であるが、このように、四辺の全てに開口を設けたものに限らず、四辺のうちの少なくとも一辺に開口を設けたものであればよい。
また、板状基材2a、2bで構成した膜状結合組織体形成用基材1に代えて、図4に示すように、筒状の膜状結合組織体を形成する膜状結合組織体形成用基材5を採用することもできる。
膜状結合組織体形成用基材5は、結合組織形成面3を有する中心基材6及び筒状基材7を設け、中心基材6の周囲を筒状基材7が間隔aをあけて取り囲むと共に、中心基材6及び筒状基材7を互いに分解可能としたものである。なお、結合組織を侵入させるには0.1mm以上の隙間があればよく、中心基材6及び筒状基材7の端部の隙間から結合組織を侵入させることができる。
また、結合組織の形成を促進可能なLEDを設けたり、結合組織の形成を促進可能な薬剤を収容して徐々に放出する薬剤収容部を形成したりして、結合組織を形成するのに要する時間を短くすると共に、力学的性質や成分の良好な結合組織を得るようにしてもよい。
1 膜状結合組織体形成用基材
2a、2b 板状基材
3 結合組織形成面
4 結合部
5 膜状結合組織体形成用基材
6 中心基材
7 筒状基材
a 純間隔

Claims (8)

  1. 生体組織材料の存在する環境に配置して基材表面に膜状の結合組織体を形成可能な基材であって、前記膜状の結合組織体の両面を基材表面に合わせて形成するよう、結合組織を形成する二面の結合組織形成面が互いに対向して設けられたことを特徴とする膜状結合組織体形成用基材。
  2. 前記結合組織形成面を有する複数枚の板状基材が互いに間隔をあけて設けられ、前記複数枚の板状基材が互いに分解可能とされたことを特徴とする請求項1に記載の膜状結合組織体形成用基材。
  3. 前記結合組織形成面を有する中心基材及び筒状基材が設けられ、前記中心基材の周囲を筒状基材が間隔をあけて取り囲むと共に、中心基材及び筒状基材が互いに分解可能とされたことを特徴とする請求項1に記載の膜状結合組織体形成用基材。
  4. 結合組織の形成を促進可能なLEDが設けられたことを特徴とする請求項1、2又は3に記載の膜状結合組織体形成用基材。
  5. 結合組織の形成を促進可能な薬剤を収容して徐々に放出する薬剤収容部が形成されたことを特徴とする請求項1、2又は3に記載の膜状結合組織体形成用基材。
  6. 請求項1〜5のいずれかに記載の膜状結合組織体形成用基材を生体組織材料の存在する環境下におく設置工程と、前記膜状結合組織体形成用基材の周囲に結合組織を形成しつつ、互いに対向する結合組織形成面の間に結合組織を形成する形成工程と、前記環境下から結合組織で被覆された前記膜状結合組織体形成用基材を取り出す取り出し工程と、前記膜状結合組織体形成用基材から前記結合組織形成面の間の結合組織を剥離して膜状結合組織体として取り出す分離工程と、を備え、
    前記分離工程は、膜状結合組織体形成用基材の周囲の結合組織を除去した後、膜状結合組織体形成用基材を分解して膜状結合組織体を取り出すことを特徴とする膜状結合組織体の生産方法。
  7. 前記設置工程において、互いに対向する結合組織体形成面の間に結合組織の形成を促進する生体組織材料を収容しておくことを特徴とする請求項6に記載の膜状結合組織体の生産方法。
  8. 基材表面に形成された膜状結合組織体であって、膜の両面が前記基材表面に合わせて形成されたことを特徴とする膜状結合組織体。
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