JP2012135406A - 生体由来組織形成基材、これを用いた生体由来組織の生産方法及び生体由来組織 - Google Patents

生体由来組織形成基材、これを用いた生体由来組織の生産方法及び生体由来組織 Download PDF

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Abstract

【課題】比較的短期間で厚みのある生体由来組織を形成するための基材、これを用いた生体由来組織の生産方法及び生体由来組織を提供する。
【解決手段】生体組織材料の存在する環境下におくことにより、その表面に膜状の組織体2を形成し、組織体2を剥離して生体由来組織3を形成するための基材1であって、外周面が組織体2の形成面となる柱状構造体6と、柱状構造体6の外面から半径外方向に間隔をあけて併設された補助構造体7と、を備えることを特徴とする生体由来組織形成用基材1である。
【選択図】図1

Description

本発明は、欠損組織の代替となる生体由来組織を形成するための基材、これを用いた生体由来組織の生産方法及び生体由来組織に関する。
病気や事故で失われた細胞、組織、器官を、人工素材や細胞により再び蘇らせる再生医療の研究が数多くなされている。通常、身体には自己防衛機能があり、体内の浅い位置にトゲ等の異物が侵入した場合には体外へ押し出そうとするが、体内の深い位置に異物が侵入した場合にはその周りに繊維芽細胞が集まってきて、主に繊維芽細胞とコラーゲンからなる結合組織体のカプセルを形成し異物を覆うことにより、体内において隔離することが知られている。このような後者の自己防衛反応を利用して、生体内において生細胞を用いた管状の生体由来組織を形成する方法が複数報告されている(特許文献1〜3参照)。
特許文献1(特開2007−312821)には、棒状構造体の表面に螺旋状溝を形成し、この棒状構造体を生体内に埋入することにより、棒状構造体の表面に膜状の結合組織体を形成し、結合組織体の機械的強度を増加させる点が開示されている。
特許文献2(特開2008−237896)には、棒状構造部材の外周に沿って外郭部材を螺旋形に形成し、これを生体に埋入して、棒状構造部材の外縁に結合組織体を形成する点が開示されている。結合組織体が外郭部材と棒状構造部材の表面との間に侵入し、結合組織体の内面形状が棒状構造部材の表面と同様の平滑面に形成される。結合組織体が、外郭部材を包埋する厚さに形成される。
特許文献3(特開2010−094476)には、棒状構造部材の表面に外郭部材を形成し、これを結合組織形成用基材とする点が開示されている。この基材を生体内に埋入することにより、基材表面に膜状の組織体を形成する。その際、外郭部材の材料として、生体適合性に優れるが組織体やその構成成分に侵襲されにくい材料を使用することにより、外郭部材は組織体と癒着し結合組織体の機械的強度が増加されるとともに外郭部材の内面に組織体やその構成成分が露出しない人工血管が得られる。
特許文献4(特開2006−314601)には、管状の結合組織体が周囲に形成される主材およびその表面から外向きに延在する副材を有して成る結合組織体形成基材が開示されている。主材の周囲に形成される結合組織管に、副材の周囲に形成される結合組織シートを重ね合わせることによって、短期間で厚さが増した結合組織管状体を形成することができる。
特開2007−312821号公報 特開2008−237896号公報 特開2010−094476号公報 特開2006−314601号公報
特許文献1〜3のような埋入した構造体表面のカプセル化を利用する方法では、人工物を含まない組織体を作成することができる。得られる組織体の厚みは生体皮下への埋入期間によって徐々に増していく。約1ヶ月間の埋入期間で約0.3mm程度の厚みの組織体となるが、厚さ0.3mmでは組織体だけで自立することは難しく、生体組織との吻合操作が困難である。また、厚さが薄いために大きな人工臓器、例えば、中大口径の人工血管として利用するには、機械的な強度が不足している。したがって、十分な厚みのある組織体に成長するには約3カ月の期間が必要であり、長期化してしまう。
また、特許文献4では、副材周囲の組織シートを主材周囲の結合組織管に重ね合わせることにより厚みを厚くすることができるが、積層させた組織体を一体化する必要がある。そのためには、再度生体内に埋入して、組織体間を結合する必要がある。このため、結合組織体の形成に時間がかかり、また、埋入・摘出術を2回行う必要があり、生体への負荷がかかる。
本発明は、上記に鑑み、比較的短期間で厚みのある生体由来組織を形成するための基材、これを用いた生体由来組織の生産方法及び生体由来組織を提供することを目的とする。
本発明は、生体組織材料の存在する環境下におくことにより、その表面に膜状の組織体を形成し、組織体を剥離して生体由来組織を形成するための基材に関するものであって、外周面が組織体の形成面となる柱状構造体と、柱状構造体の外面から半径外方向に間隔をあけて併設された補助構造体と、を備えることを特徴とするものである。
このような生体由来組織形成用基材を、生体組織材料の存在する環境下に所定期間おいた後(設置工程)、環境下から組織体で被覆された生体由来組織形成用基材を取り出し(取り出し工程)、組織体から生体由来組織形成用基材を取り去る(分離工程)ことにより、生体組織を形成することができる。
組織体は、柱状構造体の外周面に形成されると共に、補助構造体の外周面にも形成され、さらに柱状構造体と補助構造体との間の隙間を埋めるように組織体が形成される。このように、補助構造体を足場とすることにより、柱状構造体の外周面に形成される管状の内層組織体と、柱状構造体の外面から半径外方向に間隔をあけて併設された補助構造体の外周面に形成される外層組織体とが一体的に形成された厚みのある生体由来組織を形成することができる。結果的に、柱状構造体の周囲に厚みのある生体由来組織を形成することができる。
また、補助構造体を抜き出した後の小孔が組織体内に形成される。すなわち、柱状構造体の周囲に形成される管状の組織体に、柱状構造体による内腔よりも小径の小孔が形成された生体由来組織となる。この小孔を薬剤や細胞の充填管や栄養分補給通路として利用することも可能である。
柱状構造体は、その外周面に組織体を形成する中核となるものであり、円柱状のものを基本とするが、その他、目的の生体由来組織の構造に応じて角柱状や板状などその構成を変更可能である。また、必要に応じて、血管の弁葉等の構造を形成するための突出物を柱状構造体の表面に設けてもよい。
補助構造体は、柱状構造体の外面から半径方向に間隔をあけて併設されたものであれば、棒状、板状など採用でき、その形状は特に限定されるものではない。なお、柱状構造体と補助構造体との間に組織体が流入できるように、補助構造体は組織体流入用の隙間や開口を備えている必要がある。
また、補助構造体を柱状構造体から切断又は分解等によって分離する際に、柱状構造体に対して補助構造体を柱状構造体の軸方向に抜き出し可能な構成とするのが好ましい。この軸方向への抜き出しの際には、補助構造体を柱状構造体に対してそのまま直線状に抜き出してもよいし、補助構造体を軸回転させながら抜き出してもよい。この構成によると、分離工程において、周囲に形成される組織体から柱状構造体及び補助構造体を抜き出す際に、それぞれの抜き出し方向が柱状構造体の軸方向となって同一となるので、組織体の破壊を小さく抑えることができる。具体的には、補助構造体は柱状構造体の周囲に配される補助柱材を備え、1つの補助柱材全体が柱状構造体の軸を中心として同一距離地点上に傾斜して配されるか、または、1つの補助柱材全体が柱状構造体の軸方向と平行に配されるようにすればよい。補助柱材の形状は棒状、板状など採用でき、特に限定されるものではない。
前者の補助柱材を傾斜して設ける構成の場合は、1つの補助柱材全体が柱状構造体の軸を中心として同一距離地点上に配されているため、補助構造体を補助柱材の傾斜に応じて軸回転させながら引き抜けば、補助構造体を柱状構造体の軸方向に抜き出すことができる。その具体的構成としては、例えば、補助柱材を柱状構造体の周囲を螺旋状に旋回して配する構成や、それよりも緩やかに傾斜した補助柱材を設ける構成が挙げられる。
また、後者の補助柱材を柱状構造体の軸方向と平行に配して設ける構成の場合は、補助構造体を軸回転させずにそのまま直線状に引き抜けば、補助構造体の軸方向に抜き出すことができる。
補助柱材は、1つでもよいし、または柱状構造体の周方向にわたって複数設ける構成としてもよい。柱状構造体の周囲にわたって設ければ、これを足場として柱状構造体の周囲全体に厚みのある組織体を形成することができるので好ましい。また、柱状構造体と補助柱材との間を埋める組織体が流入できるように、隣接する補助柱材の間隔をあけて設けるのが好ましい。なお、傾斜した補助柱材を複数設ける構成の場合、各補助柱材の傾斜角度を同一角度としていれば、柱状構造体の軸からの距離は各補助柱材間で同一であっても異なっていてもよい。また、柱状構造体の軸方向と平行に配した補助柱材を複数設ける構成の場合についても、柱状構造体の軸方向と平行でありさえすれば、柱状構造体の軸からの距離は各補助柱材間で同一であっても異なっていてもよい。補助構造体を柱状構造体の軸方向に抜き出すことができる。
補助構造体を柱状構造体と一体的な構成とし、分離工程において両者間を物理的に切断するなどして柱状構造体から分離するようにしてもよいが、補助構造体を柱状構造体に着脱自在に設ける構成としてもよい。着脱自在な構成とすれば基材の破壊を伴わないので繰り返し再利用することができ経済的である。補助構造体を柱状構造体に着脱自在に設ける構成としては、例えば、補助柱材の端部を支持する支持体を設け、支持体を柱状構造体の端部に軸方向に係脱自在に設ける構成とすればよい。なお、軸方向からも柱状構造体と補助柱材との間に組織体が流入できるように、支持体を格子状に形成するなどして、流入用の孔を設けるのが好ましい。
補助構造体を第1の補助構造体と第2の補助構造体とから構成し、柱状構造体の一端に第1の補助構造体を設け、他端に第2の補助構造体を設けるようにしてもよい。補助構造体を柱状構造体の両端に設けることにより、一端側のみに設けるよりも補助構造体の足場としての強度が増す。
また、補助構造体が複数の棒状の補助柱材を備えている場合、第1の補助構造体の補助柱材の先端と第2の補助構造体の補助柱材の先端とが、柱状構造体の周方向において交互に噛み合うように配置してもよい。すなわち、第1の補助構造体の補助柱材の先端と、第2補助構造体の補助柱材の先端とを付き合わせた場合、その間に隙間(つなぎ目)を生じるため組織体の強度が弱くなる可能性があるが、第1の補助構造体の補助柱材の先端と第2の補助構造体の補助柱材の先端とを、柱状構造体の周方向において交互に噛み合うように配置することにより、つなぎ目を軸方向において分散させることができ、組織体の弱い部分を分散させることができる。
また、補助構造体は、柱状構造体の半径外方向に1重で設けてもよいが、2重又は3重以上に設けるようにしてもよい。各柱状構造体を足場として、組織体の厚みをより一層増すことができる。
以上のように形成された組織体は、膜状組織、弁状組織又は管状組織を含む結合組織となる。膜状組織としては、心膜、硬膜、角膜、皮膚、心膜等が挙げられ、表層を覆うあるいは膜状で機能する平面状の組織である。弁状組織としては、心臓弁、静脈弁等が挙げられる。管状組織としては、血管、リンパ管、気管、胆管、腸管、尿道管、尿管、卵管等が挙げられる。
基材の素材は限定されるものではなくアクリル樹脂などの素材を用いてもよいが、基材の少なくとも表面がシリコーン樹脂等の弾性体であるのが好ましい。弾性体の表面には生体組織による膜が厚く形成されるため、安定した生体組織を形成することができる。
基材の表面粗さ(Ra)は、50μm以下とするのが好ましい。表面粗さ(Ra)を50μm以下とすることにより、基材の周囲に形成される組織体の厚みをより厚く形成することができる。表面粗さ(Ra)が0.1μmと、鏡面に近い基材であっても、その周囲に厚みの大きい組織体を形成することができる。なお、平均粗さ(Ra)とは、「算術平均粗さ」のことであり、JIS B 0601−1994「表面粗さ−定義」に規定されている「算術平均粗さ(Ra)」を示す。
また、本発明において、「生体組織材料」とは、所望の生体由来組織を形成するうえで必要な物質のことであり、例えば、線維芽細胞、平滑筋細胞、内皮細胞、幹細胞、ES細胞、iPS細胞等の動物細胞、各種たんぱく質類(コラーゲン、エラスチン)、ヒアルロン酸等の糖類、その他、細胞成長因子、サイトカイン等の生体内に存在する各種の生理活性物質が挙げられる。
また、本発明において、「生体組織材料」には、ヒト、イヌ、ウシ、ブタ、ヤギ、ヒツジ等の哺乳類動物、鳥類、魚類、その他の動物に由来するもの、又はこれと同等の人工材料が含まれる。また、移植対象者に対して、自家移植、同種移植、異種移植のいずれでもよいが、拒絶反応を避ける観点からなるべく自家移植か同種移植が好ましい。また、異種移植の場合には、拒絶反応を避けるため公知の脱細胞化処理などの免疫源除去処理を施すのが好ましい。
また、「生体組織材料の存在する環境下」とは、動物(ヒト、イヌ、ウシ、ブタ、ヤギ、ヒツジ等の哺乳類動物、鳥類、魚類、その他の動物)の生体内(例えば、四肢部、腰部、背部又は腹部などの皮下、もしくは腹腔内への埋入)、又は、動物の生体外において、生体組織材料を含有する人工環境内を表す。また、動物へ埋入の方法をとる場合には低侵襲な方法で行うことと、動物愛護の精神を尊重し、十分な麻酔下で最小限の切開術で行うことが好ましい。
本発明の生体由来組織形成用基材によれば、柱状構造体の外周面に組織体が形成されると共に、補助構造体を足場として補助構造体の外周面から、柱状構造体と補助構造体との間の隙間を埋めるように組織体が形成されるため、比較的短期間のうちに柱状構造体の周りに厚みのある生体由来組織を形成することができる。
本発明の第1の実施形態にかかる生体由来組織形成用基材の斜視図である。 本発明の第1の実施形態にかかる生体由来組織形成用基材の組み立て工程を示す図である。 本発明の第1の実施形態にかかる生体由来組織形成用基材が組織体で被覆された状態の縦断面図である。 図3のA−A断面図である。 本発明の第1の実施形態にかかる生体由来組織形成用基材を用いて生産された生体由来組織の一部切断斜視図である。 図5のB−B断面図である。 本発明の第1の実施形態にかかる生体由来組織形成用基材を用いて生産された生体由来組織の主要部を示す端面図であって、(a)は弁が開いた状態、(b)は弁が閉じた状態を示す。 本発明の第2の実施形態にかかる生体由来組織形成用基材の斜視図である。 本発明の第3の実施形態にかかる生体由来組織形成用基材の斜視図である。 本発明の第3の実施形態にかかる生体由来組織形成用基材の組み立て工程を示す図である。 本発明の第3の実施形態にかかる生体由来組織形成用基材の膨出体の正面図である。 本発明の第3の実施形態にかかる生体由来組織形成用基材の膨出体の背面図である。 本発明の第3の実施形態にかかる生体由来組織形成用基材の膨出体の平面図である。 本発明の第3の実施形態にかかる生体由来組織形成用基材の膨出体の底面図である。 本発明の第3の実施形態にかかる生体由来組織形成用基材の膨出体の左側面図である。 本発明の第3の実施形態にかかる生体由来組織形成用基材の膨出体のC−C断面図である。 本発明の第3の実施形態にかかる生体由来組織形成用基材が組織体で被覆された状態の縦断面図である。 図17のD−D断面図である。 本発明の第4の実施形態にかかる生体由来組織形成用基材の斜視図である。 本発明の第4の実施形態にかかる生体由来組織形成用基材の組み立て工程を示す図である。 本発明の第4の実施形態にかかる生体由来組織形成用基材が組織体で被覆された状態の縦断面図である。 図21のE−E断面図である。 本発明の第5実施形態にかかる生体由来組織形成用基材の斜視図である。 本発明の第5の実施形態にかかる生体由来組織形成用基材の組み立て工程を示す図である。 本発明の第5の実施形態にかかる生体由来組織形成用基材が組織体で被覆された状態の縦断面図である。 図25のF−F断面図である。 本発明の第6の実施形態にかかる生体由来組織形成用基材の斜視図である。 本発明の第6の実施形態にかかる生体由来組織形成用基材の組み立て工程を示す図である。 本発明の第6の実施形態にかかる生体由来組織形成用基材が組織体で被覆された状態の縦断面図である。 図29のG−G断面図である。 本発明の第7の実施形態にかかる生体由来組織形成用基材の斜視図である。 図31のH−H断面図である。 図32のI−I断面図である。 本発明の第8の実施形態にかかる生体由来組織形成用基材の斜視図である。 図34のJ−J断面図である。 図35のK−K断面図である。 本発明の第9の実施形態にかかる生体由来組織形成用基材の斜視図である。 図37のL−L断面図である。 図38のM−M断面図である。 本発明の第10の実施形態にかかる生体由来組織形成用基材の斜視図である。 図40のN−N断面図である。 図41のO−O断面図である。 実施例1において、本発明の第3の実施形態にかかる生体由来組織形成用基材を示す写真である。 実施例1において、本発明の第3の実施形態にかかる生体由来組織形成用基材(a)と、組織体で被覆された生体由来組織形成用基材(b)を示す写真である。 実施例1において、本発明の第3の実施形態にかかる生体由来組織形成用基材の要部を拡大した写真である。 実施例1において、組織体で被覆された生体由来組織形成用基材の要部を拡大した写真である。 実施例1における分離工程において、組織体から生体由来組織形成用基材を取り出す様子を示す写真である。 実施例1の生体由来組織を裏返した状態を示す写真である。 実施例1の生体由来組織(a)と、比較例1の生体由来組織(b)を示す写真である。 実施例1の生体由来組織をホルマリン固定した断面を示す写真である。 比較例1の生体由来組織をホルマリン固定した断面を示す写真である。 実施例2において、組織体で被覆された生体由来組織形成用基材の端部を示す写真である。 実施例2の生体由来組織を示す写真である。 実施例2の生体由来組織をヘマトキシリン・エオシン染色により染色した断面図を示す写真である。
以下、本発明の実施の形態を図面に基づいて説明する。本発明の生体由来組織形成用基材1は、生体組織材料の存在する環境下におくことにより、その表面に膜状の組織体2を形成し、組織体2を剥離して生体由来組織3を形成するための基材である。
なお、第1の実施形態〜第6の実施形態においては、生体由来組織3として膨大部4を有する弁付き人工血管3の生産工程について説明し、第7の実施形態〜第10の実施形態においては、生体由来組織3として人工血管の生産工程について説明するが、本発明の生体由来組織3は、弁付き人工血管3のような弁状組織(又は管状組織)や、人工血管のような管状組織だけでなく、膜状組織等のその他の組織としても利用可能である。本生体由来組織3を膜状組織として利用する場合には、管状構造の組織体2をそのままつぶすようにして利用してもよいし、管の長さ方向に切り開いて利用してもよい。
[第1の実施形態]
図1〜図7を参照して、本発明に係る生体由来組織形成用基材1の第1の実施形態を説明する。なお、図6において、2点鎖線は弁葉5が閉じた状態を示す仮想線である。また、血流方向を矢印Pで示す。
生体由来組織形成用基材1は、図1〜図3に示すように、外周面が組織体2の形成面となる柱状構造体6と、柱状構造体6の外面から半径外方向に間隔をあけて併設された補助構造体7と、補助構造体7を柱状構造体6に着脱自在に連結する連結手段8とから構成される。
柱状構造体6は、血管3の血流方向上流側部分である上流側管状部9を形成する第1柱状体10と、血管3の血流方向下流側部分である下流側管状部11を形成する第2柱状体12と、上流側管状部9と下流側管状部11の間にあって血管壁が半径外方向に膨出する膨大部4、及びその内部において半径方向内側に突出して血流方向に開閉可能な弁葉5を形成するための複数の膨出体13と、第1柱状体10と第2柱状体12を一体的に固定する固定手段14を備える。
生体由来組織形成用基材1の材料は、生体に埋入した際に大きく変形することが無い強度(硬度)を有しており、化学的安定性があり、滅菌などの負荷に耐性があり、生体を刺激する溶出物が無いまたは少ない樹脂が好ましく、例えばシリコーン樹脂、アクリル樹脂等が挙げられるがこれに限定されるものではない。なお、弾性の高いシリコーン樹脂等の弾性体を用いると、その表面に形成される組織体2の厚みが厚くなる傾向がある。したがって、生体由来組織形成用基材1の全て、または、少なくともその表面をシリコーン樹脂等の弾性体から構成するのが好ましい。
また、生体由来組織形成用基材1の表面粗さ(Ra)は、0.1〜50μmとされる。生体由来組織形成用基材1の表面粗さ(Ra)を50μm以下とすれば、その基材1表面に形成される組織体2の厚みが十分に厚いものとなり好ましい。組織体2の厚みが厚ければ、形成される血管3の自立性が高まり、生体内の血管との吻合操作が行いやすい。本実施形態においては、基材1の表面粗さ(Ra)を20μmとした。
第1柱状体10はシリコーン樹脂製、第2柱状体12はアクリル樹脂製の円柱状に形成され、それぞれ外径20mm、全長約30mmとされる。第1柱状体10及び第2柱状体12は、その外周面が人工血管3の管状部の内腔面を形成する。したがって、第1柱状体10及び第2柱状体12の外径により血管3の太さが決定されるため、目的の太さによってその直径を変更可能である。
また、固定手段14として、第1柱状体10の端部に軸方向に突出して設けられた嵌合部15と、第2柱状体12の内側に設けられた被嵌合部16とが設けられ、第1柱状体10の嵌合部15を第2柱状体12の被嵌合部16に嵌合することにより、第1柱状体10と第2柱状体12とが着脱自在に連結される。嵌合部15の外壁面には半径外方向に隆起するリブ17が形成されており、このリブ17が被嵌合部16の内壁面に形成された溝(図示せず)に嵌まることにより、第1柱状体10及び第2柱状体12の周方向へのずれを防止できる。
第1柱状体10の上流側端面及び第2柱状体12の下流側端面(それぞれの嵌合側とは反対側の端面)には、それぞれ軸方向に伸びる連結軸18が立設される。この連結軸18は、補助構造体7との連結手段8の一部を構成する。
第2柱状体12の上流側端部の外壁面には、膨出体13が第2柱状体12と一体的に設けられる。膨出体13は、アクリル樹脂製であり、弁葉5の数に合わせて本実施形態においては3つ設けられる。膨出体13は、花のがく(萼)状に第2柱状体12の上流側端部から半径外方向及び上流側(第1柱状体10側)に突出して設けられる。
膨出体13は、図3に示すように、第1柱状体10及び第2柱状体12の側方へ膨出するような湾曲面を有しており、この湾曲した外周面が膨大部4の内腔面を形作る膨大部形成面19となる。膨出体13は、図2に示すように、その上流側縁がU字状に湾曲して形成される。3つの膨出体13は、図3に示すように、周方向にわたって連続するように設けられる。
また、図3に示すように、膨出体13の下部(上流側)が薄肉となるようにその内面側に段落ち形成されると共に、第1柱状体10の下流側端部には、第2柱状体12の膨出体13の形に合わせて窪んだ弁葉凹部20が形成される。図3及び図4に示すように、この段落ち部分21と第1柱状体10の弁葉凹部20との間に設けられた隙間が弁葉形成部22となる。この弁葉形成部22を埋めるように形成された組織体2は、図7(a)、(b)に示すように半径外内方向へ往復動することにより、弁葉5として機能することができる。
また、段落ち部分21の上縁(下流側縁)21aは、弁葉5の下流側縁(先端形状)を形作る。その段落ち部分21の下流側縁21aは弁葉下流側へ向かって尖った形状に形成され、弁葉5の先端も尖った角形状となる。
また、弁葉形成部22の半径方向の厚みは、0.3〜1.0mm、より好ましくは0.
3〜0.8mmとするのが好ましい。生体における弁葉5の厚みは約0.2mmであるが、弁付き人工血管3の弁葉5を生体と同じ0.2mmとすると、体内へ移植した後、安定するまでの間血流によって弁葉5が薄くなって破けてしまい、弁としての機能を損なってしまうおそれがある。そこで、弁葉形成部22の厚み、すなわち弁葉5の厚みを0.3〜1.0mm、より好ましくは0.3〜0.8mmとすれば、移植後に弁葉5が薄くなっても最終的に約0.2mmで落ち着くので、弁の働きを持続させることができる。
弁葉5は、膨出体13の下縁(上流側縁)と第1柱状体10との隙間22から侵入する組織体2によって形成されるが、厚みのある丈夫な弁葉5をより短期間に形成するために、膨出体13に半径方向に貫通した侵入孔23が形成される。侵入孔23によって、膨出体13の半径方向外側面と弁葉形成部22とを連通させることができるので、組織体2を弁葉形成部22側に侵入させやすくなる。侵入孔23の数は単数でもよいが、複数形成した方が組織体2を弁葉形成部22へ侵入させやすいので好ましい。なお、侵入孔23を設けた場合は、基材1の表面に形成された組織体2から膨出体13を抜き出す際には、侵入孔23の少なくとも片側で組織体2を切断する必要がある。また、侵入孔23の口径は0.5〜1.0mmとすることが望ましい。0.5mmよりも小さいと細胞の侵入が困難となり、1.0mmよりも大きいと組織体2を切断するのが困難になるためである。
また、図4に示すように、弁葉形成部22(すなわち、膨出体13の内面と、これに対応する第1柱状体10の弁葉凹部20との間の形状)は円弧状に形成される。弁葉5を半径外内方向へ往復動させやすい。
補助構造体7は、第1の補助構造体24と第2の補助構造体25を備え、各補助構造体7は、互いに向き合うようにして柱状構造体6の両端に着脱自在に設けられる。各補助構造体7はシリコーン樹脂製とされる。各補助構造体7は、柱状構造体6の周囲に配される補助柱材26と、補助柱材26を支持する支持体27とからなる。
支持体27は、第1柱状体10及び第2柱状体12よりも大径の略円柱状に形成され、その中心に軸方向に連結孔28が形成される。この連結孔28と、前述の第1柱状体10及び第2柱状体12の連結軸18とが連結手段8を構成する。連結軸18を連結孔28に無理嵌め等により固定することにより、補助構造体7を柱状構造体6の端部に軸方向に係脱自在に連結することができる。
補助柱材26は、棒状に形成され、柱状構造体6の外面から半径外方向に間隔をあけた位置で一端が支持体27に固定される。本実施形態においては、柱状構造体6の外面から約0.5〜1.0mmあけて補助柱材26が設けられるが、これに限定されるものではない。また、補助柱材26の太さは、0.5mm〜2.0mm、好ましくは0.8mm〜1.2mm程度とされるが、この範囲に限定されるものではなく状況に応じて変更可能である。補助柱材26は、常に柱状構造体6の軸を中心として同一距離地点上(同一半径上)に位置しながら、柱状構造体6の周囲を螺旋状に旋回するようにして設けられる。螺旋の傾斜角度は常に一定に保たれる。補助柱材26の螺旋構造の隙間から、補助柱材26と柱状構造体6との間に組織体2を流入させることができる。
以上のとおり、柱状構造体6の一端に第1の補助構造体24が設けられ、他端に第2の補助構造体25が設けられると共に、第1の補助構造体24及び第2の補助構造体25の補助柱材26によって、柱状構造体6の外周面が軸方向の両端側から螺旋状に覆われた生体由来組織形成用基材1が構成される。
上記のような生体由来組織形成用基材1を、生体組織材料の存在する環境下に所定期間おいた後(設置工程)、環境下から組織体2で被覆された生体由来組織形成用基材を取り出し(取り出し工程)、組織体2から生体由来組織形成用基材を取り去る(分離工程)ことにより、生体組織を形成することができる。
図4及び図6に示すように、組織体2は、柱状構造体6の外周面に形成されると共に、補助構造体7の外周面に形成され、さらに柱状構造体6と補助構造体7との間の隙間を埋めるように組織体2が形成される。このように、補助構造体7を足場とすることにより、柱状構造体6の外周面に形成される管状の内層組織体2aと、柱状構造体6の外面から半径外方向に間隔をあけて併設された補助構造体7の外周面に形成される外層組織体2bとが一体的に形成された生体由来組織3を形成することができる。柱状構造体6の周りに厚みのある生体由来組織3を形成することができる。また、補助柱材26を抜き出した後の小孔46が血管壁に複数形成される。この小孔46を薬剤や細胞の充填管や栄養分補給通路として利用することができる。
なお、分離工程では、全体を組織体2による膜に覆われた生体由来組織形成用基材1の両端の生体組織を取り除いた後、まず一方の補助構造体7を柱状構造体6から分離して、それを組織体2から抜き出す。このとき、補助構造体7の支持体27を持ち、補助柱材26の螺旋形状に沿って軸回転させながら補助構造体7を組織体2の内腔から抜き出すと、補助構造体7を柱状構造体6の軸方向に抜き出すことができるので、組織体2を壊さないですむ。同様にして、他方の補助構造体7も抜き出すことができる。その後、第1柱状体10及び第2柱状体12を上下に分解して、それぞれを組織体2の内腔の上下端から抜き出す。このようにして、図5及び図6に示すように、生体組織から構成される弁付き人工血管3を生産することができる。剥離された組織体2の内面は、基材1の表面に接しているので平滑になる。
弁付き人工血管3は、膨出体13の外周面の膨大部形成面19によって、半径外方向に向かってこぶ状に膨出した膨大部4が形成される。そして、膨大部4の内部において上流側部分に、ポケット状の構造が形成されることにより、そのポケット片が弁葉5となる。3枚の弁葉5が膨らんでその下流側(開放側)の端部が互いに近づいた状態が弁の閉じた状態であり(図6の仮想線部分、図7(b))、3枚の弁葉5がしぼんでその下流側の端部が互いに離れていき、膨大部4の壁面に近づいた状態が弁の全開した状態(図6の実線部分、図7(a))となる。
なお、本発明は上記実施形態に限定されるものではなく、本発明の範囲内で上記実施形態に多くの修正及び変更を加え得ることは勿論である。例えば、膨出体13を第1柱状体10又は第2柱状体12の中間位置に形成して、膨出体13と第1柱状体10又は第2柱状体12との間で弁葉5を形成するようにしてもよい。
〔第2の実施形態〕
図8を参照して、本発明に係る生体由来組織形成用基材1の第2の実施形態を説明する。第1の実施形態においては補助柱材26を螺旋状に設けたが、第2の実施形態においては、複数の補助柱材26を緩やかに傾斜させて設けた点に特徴があり、その他の構成は第1の実施形態と同様となっている。
補助柱材26は棒状に形成され、柱状構造体6の周方向にわたって複数設けられると共に、全ての補助柱材26が柱状構造体6の軸を中心とした同一距離地点上において傾斜して設けられる。各補助柱材26の傾斜角度は同一とされる。また、各補助柱材26は間隔を開けて設けられており、この隙間から柱状構造体6と補助柱材26との間を埋める組織体2を流入させることができる。
このような構成により、分離工程において、両端側の組織体2を取り除いて、補助構造体7の支持体27を持ち、補助柱材26の傾斜角度に沿って軸回転させながら補助構造体7を組織体2から抜き出すことができる。補助構造体7を柱状構造体6の軸方向に抜き出すことができるので、組織体2を壊すことなく分離工程を行うことができる。
また、上記基材を用いれば、柱状構造体6の外周面に形成される管状の内層組織体2aと、補助構造体7の外周面に形成される外層組織体2bとが一体的に形成された生体由来組織3を形成することができる。柱状構造体6の周りに厚みのある生体由来組織3を形成することができる。
〔第3の実施形態〕
図9〜図18を参照して、本発明に係る生体由来組織形成用基材1の第3の実施形態を説明する。第3の実施形態の生体由来組織形成用基材1は、外周面が組織体2の形成面となる柱状構造体6と、柱状構造体6の外面から半径外方向に間隔をあけて併設された補助構造体7と、補助構造体7を柱状構造体6に着脱自在に連結する連結手段8とから構成される点では、第1の実施形態と同じであるが、それぞれの具体的形状が異なる。第1の実施形態と共通の部分については説明を省略する。
柱状構造体6は、図10及び図17に示すように、血管3の血流方向上流側部分である上流側管状部9を形成する第1柱状体10と、血管3の血流方向下流側部分である下流側管状部11を形成する第2柱状体12と、上流側管状部9と下流側管状部11の間にあって血管壁が半径外方向に膨出する膨大部4、及びその内部において半径方向内側に突出して血流方向に開閉可能な弁葉5を形成するための複数の膨出体13と、膨出体13を第1柱状体10および第2柱状体12に着脱自在に係止する係止手段29とを備える。
生体由来組織形成用基材1の材料は、第1の実施形態と同様に、生体に埋入した際に大きく変形することが無い強度(硬度)を有しており、化学的安定性があり、滅菌などの負荷に耐性があり、生体を刺激する溶出物が無いまたは少ない樹脂が好ましく、例えばシリコーン樹脂、アクリル樹脂等が挙げられるがこれに限定されるものではない。なお、弾性の高いシリコーン樹脂等の弾性体を用いると、その表面に形成される組織体2の厚みが厚くなる傾向がある。したがって、生体由来組織形成用基材1の全て、または、少なくとも組織体2と接触する第1柱状体10、第2柱状体12及び膨出体13の表面をシリコーン樹脂等の弾性体から構成するのが好ましい。また、生体由来組織形成用基材1の表面粗さ(Ra)も、第1の実施形態と同様に20μmとした。
第1柱状体10は、シリコーン樹脂製、第2柱状体12は、アクリル樹脂製の円柱状に形成され、それぞれ外径20mm、全長約30mmとされる。また、第1柱状体10及び第2柱状体12の各中心部分には、直径10mm程度の貫通孔30が形成される。第1柱状体10及び第2柱状体12は、半径外方向に突出する部材がなく、その外周面が人工血管3の管状部の内腔面を形成する。第1柱状体10及び第2柱状体12の表面には軸方向に延びる浅い細溝31が複数形成されている。細溝31により組織体2を引き抜くときに空気が入るため、抜きやすくなる。なお、第1柱状体10及び第2柱状体12の外径により血管3の太さが決定されるため、目的の太さによってその直径を変更可能である。
第1柱状体10及び第2柱状体12は、それぞれの合わせ面側の端面に、軸方向に凹んだ凹部32a、32bが複数形成される。凹部32a、32bは、弁葉5の数に合わせて本実施形態においては3つずつ形成され、第1柱状体10及び第2柱状体12の間で対応する位置に形成される。また、凹部32a、32bは、半径内方向側が幅広に形成された係止溝36を有する。
膨出体13は、アクリル樹脂製であり、図11〜図16に示すように、膨出体本体33と、膨出体本体33から半径方向内側に張り出した係止部34とから構成される。膨出体13は、弁葉5の数に合わせて本実施形態においては3つ設けられる。係止部34は、膨出体本体33よりも半径内側方向に飛び出すようにして張り出しており、これが第1柱状体10の凹部32aと第2柱状体12の凹部32bとを重ね合わせた部分に係止されることにより、膨出体本体33が第1柱状体10及び第2柱状体12の表面から飛び出した状態となる。
係止部34は、図10に示すように、第1柱状体10の凹部32aと第2柱状体12の凹部32bとを重ね合わせた部分の形状と相補的な形状に形成される。したがって、膨出体13が第1柱状体10及び第2柱状体12に対して周方向及び軸方向に位置ずれするのを規制する。また、係止部34は、その半径内側の先端がフランジ状に拡大した幅広部35を備えており、この幅広部35が凹部32a、32bの係止溝36に嵌まることにより、膨出体13が第1柱状体10及び第2柱状体12に対して半径方向に位置ずれするのを規制する。
膨出体本体33は、図17に示すように、第1柱状体10及び第2柱状体12の側方へ膨出するような湾曲面を有しており、この湾曲した外周面が膨大部4の内腔面を形作る膨大部形成面19となる。膨出体本体33は、図11及び図12に示すように、その上流側縁がU字状に湾曲して形成される。3つの膨出体本体33は、図10に示すように、周方向にわたって連続するように設けられる。また、膨出体本体33は、係止部34の下縁(上流側縁)よりも上側(血流方向下流側)の部位33aは、第1柱状体10及び第2柱状体12と密着可能とされる。この構造によって、第1柱状体10と第2柱状体12との間の隙間を覆い隠すことができ、隙間への組織体2の余分な侵入を防止できる。なお、膨出体本体33で第1柱状体10と第2柱状体12との境界を周方向にわたって覆うようにしてもよい。この構造によると、第1柱状体10及び第2柱状体12の隙間を全て覆い隠すことができる。
また、図12、図16及び図17に示すように、膨出体本体33の上側の部位33aは第1柱状体10及び第2柱状体12と密着しているが、その下部(上流側)が薄肉となるように段落ちしており、この段落ち部分21と第1柱状体10との間に設けられた隙間が弁葉形成部22となる。この弁葉形成部22に形成された組織体2は半径外内方向へ往復動することにより、弁葉5として機能することができる。
また、図12に示すように、段落ち部分21の下流側縁21aは、弁葉5の下流側縁(先端形状)を形作る。その段落ち部分21の下流側縁21aは弁葉下流側へ向かって尖った形状に形成されているため、弁葉5の先端も尖った角形状となる。弁葉形成部22の半径方向の厚みは、0.3〜1.0mm、より好ましくは0.3〜0.8mmとするのが好
ましい。
弁葉5は、膨出体本体33の下縁(上流側縁)と第1柱状体10との隙間22から侵入する組織体2によって形成される。また、弁葉形成部22(すなわち、膨出体本体33の内面と、これに対応する第1柱状体10の表面の形状)は円弧状に形成される。弁葉5を半径外内方向へ往復動させやすい。
係止手段29は、上記第1柱状体10及び第2柱状体12の軸方向端面に形成され軸方向に凹んだ凹部32a、32bと、上記膨出体13の係止部34とから構成され、図10に示すように、係止部34を第1柱状体10の凹部32aと第2柱状体12の凹部32bとを重ね合わせた部分に収納しながら、第1柱状体10及び第2柱状体12で軸方向上下から挟みこんで係止することにより、膨出体13を第1柱状体10および第2柱状体12に着脱自在に係止する。なお、係止手段29の構成は、膨出体13が第1柱状体10及び第2柱状体12に対して半径方向、周方向及び軸方向のいずれの方向にも位置ずれするのを規制する構造であれば、上記形態に限定されるものではない。
補助構造体7は、図10に示すように、第1の補助構造体24と第2の補助構造体25を備え、各補助構造体7は、互いに向き合うようにして柱状構造体6の両端に着脱自在に設けられる。各補助構造体7はシリコーン樹脂製とされる。各補助構造体7は、柱状構造体6の周囲に配される補助柱材26と、補助柱材26の端部を支持する支持体27とからなる。
支持体27は、第1柱状体10及び第2柱状体12よりも大径の略円柱状に形成される。第1の補助構造体24の支持体27の内壁面には軸方向に棒状の貫通軸37が立設される。また、第2柱状体12の支持体27の中心には支持体貫通孔38が軸方向に形成される。第2柱状体12の支持体27には、半径方向に係止孔39が形成され、係止孔39により支持体貫通孔38と外部が連通する。
補助柱材26は、棒状に形成され、柱状構造体6の外面から半径外方向に間隔をあけた状態で一端が支持体27に固定され、柱状構造体6の軸方向と平行に伸びるように配される。本実施形態においては、柱状構造体6の外面から約0.5〜1.0mmあけて補助柱材26が設けられるが、これに限定されるものではない。また、補助柱材26の太さは、0.5mm〜2.0mm、好ましくは0.8mm〜1.2mm程度とされるが、この範囲に限定されるものではなく必要に応じて変更可能である。また、補助柱材26が柱状構造体6の周方向にわたって複数設けられ、その先端は膨出体本体33の縁まで伸びる。この構成により柱状構造体6の膨出体以外の外周面が補助柱材26により覆われる。また、各補助柱材26は間隔を開けて設けられており、この隙間から柱状構造体6と補助柱材26との間を埋める組織体2を流入させることができる。
連結手段8は、補助構造体7を柱状構造体6に着脱自在に連結すると共に、第1柱状体10、第2柱状体12及び膨出体13を一体的に固定する役割を担う。連結手段8は、第1柱状体10及び第2柱状体12の中心を軸方向に貫通するように形成された上記の貫通孔30と、支持体27の中心に形成された上記支持体貫通孔38と、貫通孔30及び支持体貫通孔38を挿通する上記貫通軸37とから構成される。
貫通軸37は、アクリル樹脂製であり、図10及び図17に示すように、第1柱状体10及び第2柱状体12の貫通孔30、並びに支持体27の支持体貫通孔38と相補的に形成され、その先端側に貫通軸37の固定をロックするロック部40を備える。
ロック部40は、貫通軸37の先端側に形成されたロック孔41と、上述の第2柱状体12の係止孔39と、これらのロック孔41及び係止孔39に貫通可能な挿入体42とから構成される。貫通軸37を第1柱状体10及び第2柱状体12の貫通孔30及び第2の補助構造体25の支持体貫通孔38に通した後、第2の補助構造体25の支持体27の係止孔39及びロック孔41に挿入体42を挿入することにより、挿入体42及び支持体27で第1柱状体10、第2柱状体12及び膨出体13とを挟み込んで一体的に固定すると共に、補助構造体7を柱状構造体6に着脱自在に連結することができる。このように、連結手段8にて、第1柱状体10、第2柱状体12及び膨出体13を完全に固定することにより、それぞれの合わせ面や、貫通孔30内に組織体2が形成されないですむ。補助構造体7を柱状構造体6の端部に軸方向に係脱自在に連結することができる。
以上の構成により、柱状構造体6の一端に第1の補助構造体24が設けられ、他端に第2の補助構造体25が設けられる。第1の補助構造体24及び第2の補助構造体25の補助柱材26によって、膨出体以外の柱状構造体6の外周面を覆う。
なお、上記のような生体由来組織形成用基材1を用いて弁付き人工血管3を生産する方法において、分離工程では、全体を組織体2による膜に覆われている生体由来組織形成用基材1の両端側の生体組織を取り除き、ロック孔41及び係止孔39から挿入体42を引き抜いてロック部40によるロック状態を解除する。そして、第2の補助構造体25を貫通軸37から分離して抜き出した後、第1の補助構造体24の貫通軸37を第1柱状体10及び第2柱状体12の貫通孔30から抜き出す。このとき、第1の補助構造体24及び第2の補助構造体25をそのまま柱状構造体6に対して軸方向に抜き出すことができるので、組織体2を壊さないですむ。その後、第1柱状体10及び第2柱状体12を膨出体13から軸方向上下に分解して、それぞれを組織体2の内腔の上下端から抜き出す。次に、3つの膨出体13を抜き出す。膨出体13は、弁葉形成部22と膨大部4との間のポケットに収納されている状態となっている。この膨出体13を下流側へ抜き出すことにより、生体組織から構成される弁付き人工血管3を生産することができる。
また、上記基材を用いれば、柱状構造体6の外周面に形成される管状の内層組織体2aと、補助構造体7の外周面に形成される外層組織体2bとが一体的に形成された生体由来組織3を形成することができる。柱状構造体6の周りに厚みのある生体由来組織3を形成することができる。
〔第4の実施形態〕
図19〜図22を参照して、本発明に係る生体由来組織形成用基材1の第4の実施形態を説明する。第3の実施形態においては補助柱材26を1層構造で設けたが、第4の実施形態においては、柱状構造体6の半径方向に対して補助柱材26を2層構造で設けた点に特徴があり、その他の構成は第3の実施形態と同様となっている。
すなわち、図21及び図22に示すように、補助柱材26が内側の層26aと外側の層26bの2層構造で設けられる。なお、補助柱材26を3層以上設ける構成としてもよい。このように、補助柱材26を複数層で設けることにより、組織体2の厚みをより大きくすることができる。
また、上記基材を用いれば、柱状構造体6の外周面に形成される管状の内層組織体2aと、内側の層の補助柱材26aと外側の層の補助柱材26bとの間に形成される第2内層層組織体2cと、外側の層の補助柱材26bの外周面に形成される外層組織体2bとが一体的に形成された生体由来組織3を形成することができる。柱状構造体6の周りに厚みのある生体由来組織3を形成することができる。
〔第5の実施形態〕
図23〜図26を参照して、本発明に係る生体由来組織形成用基材1の第5の実施形態を説明する。第3の実施形態においては補助柱材26を膨出体13の縁まで延長させたが、第5の実施形態においては、それよりも短くした点に特徴があり、その他の構成は第3の実施形態と同様となっている。
すなわち、補助柱材26を膨出体13の外面を覆わない位置において、同一長さに統一している。このように、必要に応じて所望の部分のみ組織体2を厚くするようにしてもよい。
また、上記基材を用いれば、補助柱材26を設けた部分において、柱状構造体6の外周面に形成される管状の内層組織体2aと、補助構造体7の外周面に形成される外層組織体2bとが一体的に形成された生体由来組織3を形成することができる。柱状構造体6の周りに厚みのある生体由来組織3を形成することができる。
〔第6の実施形態〕
図27〜図30を参照して、本発明に係る生体由来組織形成用基材1の第6の実施形態を説明する。第3の実施形態においては補助柱材26を1重で設けると共に膨出体の縁まで延長させたが、第6の実施形態においては、柱状構造体6の半径方向に対して補助柱材26を2重で設けると共に、柱状構造体6の全面を補助柱材26で覆った点に特徴があり、その他の構成は第3の実施形態と同様となっている。
すなわち、図29及び図30に示すように、補助柱材26が内側の層26aと外側の層26bの2層構造で設けられる。なお、補助柱材26を3層以上設ける構成としてもよい。このように、補助柱材26を複数層で設けることにより、組織体2の厚みをより大きくすることができる。また、膨出体の周囲まで補助柱材26を延長しているので、膨出体の周囲の組織体2も厚く形成することができる。
また、第1の補助構造体24の補助柱材26の長さは、柱状構造体6の周方向に対して、長い補助柱材26と短い補助柱材26とが交互になるように配置される。また、同様に、第2の補助構造体25の補助柱材26の長さも、柱状構造体6の周方向に対して、長い補助柱材26と短い補助柱材26とが交互になるように配置される。そして、さらに、第1の補助構造体24の補助柱材26と、第2の補助構造体25の補助柱材26とが、柱状構造体の周方向において交互に噛み合うように配置される。すなわち、第1の補助構造体24の長い補助柱材26が配置された部分には、第2の補助構造体25の短い補助柱材26が対応し、第1の補助構造体24の短い補助柱材26が配置された部分には、第2の補助構造体25の長い補助柱材26が対応するように配置される。したがって、第1の補助構造体24の補助柱材26の先端と、第2補助構造体25の補助柱材26の先端との間のつなぎ目を軸方向において分散させることができ、組織体の弱い部分を分散させることができる。
また、上記基材を用いれば、柱状構造体6の外周面に形成される管状の内層組織体2aと、内側の層26aの補助構造体7と外側の層26bの補助構造体7との間に形成される第2内層層組織体2cと、外側の層26bの補助構造体7の外周面に形成される外層組織体2bとが一体的に形成された生体由来組織3を、柱状構造体6の周囲全体にわたって形成することができる。柱状構造体6の周りに厚みのある生体由来組織3を形成することができる。
〔第7の実施形態〕
図31〜図33を参照して、本発明に係る生体由来組織形成用基材1の第7の実施形態を説明する。第3の実施形態においては連結手段8によって補助構造体7を柱状構造体6に着脱自在に設けたが、連結手段8を設けずに補助構造体7と柱状構造体6とを一体的に形成してもよい。
すなわち、図31〜図33に示すように、第7の実施形態の生体由来組織形成用基材1は、外周面が組織体2の形成面となる柱状構造体6と、柱状構造体6の外面から半径外方向に間隔をあけて併設された補助構造体7とから構成される。
生体由来組織形成用基材1の材料は、第1の実施形態と同様に、生体に埋入した際に大きく変形することが無い強度(硬度)を有しており、化学的安定性があり、滅菌などの負荷に耐性があり、生体を刺激する溶出物が無いまたは少ない樹脂が好ましく、例えばシリコーン樹脂、アクリル樹脂等が挙げられるがこれに限定されるものではない。なお、弾性の高いシリコーン樹脂等の弾性体を用いると、その表面に形成される組織体2の厚みが厚くなる傾向がある。したがって、生体由来組織形成用基材1の全て、または、少なくとも組織体2と接触する柱状構造体6及び補助構造体7の表面をシリコーン樹脂等の弾性体から構成するのが好ましい。また、生体由来組織形成用基材1の表面粗さ(Ra)も、第1の実施形態と同様に、0.1〜50μmとされ、本実施形態においては、基材1の表面粗さ(Ra)を20μmとした。
柱状構造体6は、シリコーン樹脂製の円柱状に形成され、外径3mm、全長約30mmとされる。柱状構造体6は、半径外方向に突出する部材がなく、その外周面が人工血管3の管状部の内腔面を形成する。なお、第1柱状体10及び第2柱状体12の外径により血管3の太さが決定されるため、目的の太さによってその直径を変更可能である。
補助構造体7は、柱状構造体6の周囲に配される補助柱材26と、補助柱材26の端部を支持する支持体27とからなる。
支持体27は、柱状構造体6よりも大径のリング状に形成され、リング状の内壁面から複数本の連結体45が延設される。この連結体45が柱状構造体6と接続されることにより、支持体27が柱状構造体6の両端に固定される。このように、支持体27はリング状に形成されているので、これと柱状構造体6との間の隙間から、柱状構造体6と補助柱材26との間に組織体2を流入させることができる。なお、支持体27の形状はこれに限定されるものではなく、柱状構造体6の両端に固定されると共に補助柱材26を支持できる構造であればよい。
補助柱材26は、柱状構造体6の外面から半径外方向に間隔をあけた状態で両端が上流側及び下流側の支持体27に固定される。補助柱材26は、柱状構造体6の軸方向と平行に伸びるように配される。補助柱材26は棒状で、その断面形状は内面及び外面が湾曲した略台形に形成される。補助柱材26の半径方向の厚みは、0.5mm〜2.0mm、好ましくは0.8mm〜1.2mm程度とされるが、この範囲に限定されるものではなく必要に応じて変更可能である。このような補助柱材26が支持体27のリング形状に沿って複数並んで配置されることにより、柱状構造体6の周方向にわたって複数設けられる。各補助柱材26は間隔を開けて設けられており、この隙間から柱状構造体6と補助柱材26との間を埋める組織体2を流入させることができる。
上記のような生体由来組織形成用基材1を用いて弁付き人工血管3を生産する方法において、分離工程では、全体を組織体2による膜に覆われている生体由来組織形成用基材1の一端側を輪切りして除去する。そして、他端側の組織体2を取り除いた後、他端側の支持体27をもって補助柱材26及び柱状構造体6を組織体2から抜き出す。このとき、支持体27を持ち、そのまま柱状構造体6の軸方向に抜き出すことができるので、組織体2を壊さないですむ。このようにして、生体組織から構成される人工血管3を生産することができる。
また、上記基材を用いれば、柱状構造体6の外周面に形成される管状の内層組織体と、補助構造体7の外周面に形成される外層組織体とが一体的に形成された生体由来組織3を形成することができる。柱状構造体6の周りに厚みのある生体由来組織3を形成することができる。
〔第8の実施形態〕
図34〜図36を参照して、本発明に係る生体由来組織形成用基材1の第8の実施形態を説明する。第8の実施形態は、第7の実施形態の補助柱材26の構造を変形したものであり、その他の構成は同じであるため説明を省略する。
すなわち、図34〜図36に示すように、第8の実施形態の生体由来組織形成用基材1の補助柱材26は柱状構造体6の外面から半径外方向に間隔をあけた状態で両端が上流側及び下流側の支持体27に固定される。補助柱材26の半径方向の幅は、0.5mm〜2.0mm、好ましくは0.8mm〜1.2mm程度とされるが、この範囲に限定されるものではなく必要に応じて変更可能である。補助柱材26は、柱状構造体6の軸方向と平行に伸びるように配される。補助柱材26は板状に形成され、このような補助柱材26が支持体27のリング形状に沿って同一方向に傾斜させながら複数並んで配置されることにより、柱状構造体6の周方向にわたって複数設けられる。各補助柱材26は間隔を開けて設けられており、この隙間から柱状構造体6と補助柱材26との間を埋める組織体2を流入させることができる。
また、上記基材を用いれば、柱状構造体6の外周面に形成される管状の内層組織体と、補助構造体7の外周面に形成される外層組織体とが一体的に形成された生体由来組織3を形成することができる。柱状構造体6の周りに厚みのある生体由来組織3を形成することができる。
〔第9の実施形態〕
図37〜図39を参照して、本発明に係る生体由来組織形成用基材1の第9の実施形態を説明する。第9の実施形態は第7の実施形態の補助柱材26の構造を変形したものであり、その他の構成は同じであるため説明を省略する。
すなわち、図37〜図39に示すように、第9の実施形態の生体由来組織形成用基材1の補助柱材26は柱状構造体6の外面から半径外方向に間隔をあけた状態で両端が上流側及び下流側の支持体27に固定される。補助柱材26は、柱状構造体6の軸方向と平行に伸びるように配される。補助柱材26は湾曲した板状に形成され、このような補助柱材26が支持体27のリング形状に沿って渦巻き状に傾斜させながら複数並んで配置されることにより、柱状構造体6の周方向にわたって複数設けられる。各補助柱材26は間隔を開けて設けられており、この隙間から柱状構造体6と補助柱材26との間を埋める組織体2を流入させることができる。
また、上記基材を用いれば、柱状構造体6の外周面に形成される管状の内層組織体と、補助構造体7の外周面に形成される外層組織体とが一体的に形成された生体由来組織3を形成することができる。柱状構造体6の周りに厚みのある生体由来組織3を形成することができる。
〔第10の実施形態〕
図40〜図42を参照して、本発明に係る生体由来組織形成用基材1の第10の実施形態を説明する。第10の実施形態は、第7の実施形態の補助柱材26の構造を変形したものであり、その他の構成は同じであるため説明を省略する。
すなわち、図41〜図42に示すように、第10の実施形態の生体由来組織形成用基材1の補助柱材26は柱状構造体6の外面から半径外方向に間隔をあけた状態で両端が上流側及び下流側の支持体27に固定される。補助柱材26は、柱状構造体6の軸方向と平行に伸びるように配される。補助柱材26は断面形状がおたまじゃくし状に形成され、このような補助柱材26が支持体27のリング形状に沿って渦巻き状に傾斜させながら複数並んで配置されることにより、全体として断面形状が花のような形を形成する。このような補助柱材26が柱状構造体6の周方向にわたって複数設けられる。各補助柱材26は間隔を開けて設けられており、この隙間から柱状構造体6と補助柱材26との間を埋める組織体2を流入させることができる。
また、上記基材を用いれば、柱状構造体6の外周面に形成される管状の内層組織体と、補助構造体7の外周面に形成される外層組織体とが一体的に形成された生体由来組織3を形成することができる。柱状構造体6の周りに厚みのある生体由来組織3を形成することができる。
上記のような生体由来組織形成用基材1を用いて弁付き人工血管3を生産する方法について説明する。本実施例においては、上記第3の実施形態で説明した生体由来組織形成用基材を用いて説明する。
生産方法は、生体組織材料の存在する環境下におく「設置工程」と、環境下から組織体2で被覆された生体由来組織形成用基材1を取り出す「取り出し工程」と、組織体2から生体由来組織形成用基材1を取り去る「分離工程」とからなる。
<設置工程>
まず、図43及び図44(a)に示すような第3の実施形態の生体由来組織形成用基材1を生体組織材料の存在する環境下へ置く。生体組織材料の存在する環境下とは、動物の生体内(例えば、皮下や腹腔内への埋入)、又は、動物の生体外において生体組織材料が浮遊する溶液中等の人工環境内が挙げられる。生体組織材料としては、ヒト、イヌ、ウシ、ブタ、ヤギ、ウサギ、ヒツジなどの他の哺乳類動物由来のものや、鳥類、魚類、その他の動物由来のもの、又は人工材料を用いることもできる。
生体由来組織形成用基材1を動物に埋入する場合には、十分な麻酔下で最小限の切開術で行い、埋入後は傷口を縫合する。生体由来組織形成用基材1の埋入部位としては例えば、結合組織形成用基材1を受け入れる容積を有する腹腔内、あるいは四肢部、賢部又は背部、腹部などの皮下が好ましい。また、埋入には低侵襲な方法で行うことと動物愛護の精神を尊重し、十分な麻酔下で最小限の切開術で行うことが好ましい。
また、生体由来組織形成用基材1を生体組織材料の存在する環境下へ置く場合には、種々の培養条件を整えてクリーンな環境下で公知の方法に従って細胞培養を行えばよい。
本実施例においては、ヤギを用いて、十分な麻酔下で最小限の切開術で生体由来組織形成用基材を背部皮下に埋入した後、傷口を縫合した。
<取り出し工程>
所定時間(本実施例では1カ月)の間、設置工程に置いた後、生体由来組織形成用基材1を生体組織材料の存在する環境下から取り出す取り出し工程を行う。生体組織材料の存在する環境下から取り出された生体由来組織形成用基材1は、図44(b)に示すように全体を生体組織による膜に覆われている。組織体2は、繊維芽細胞とコラーゲンなどの細胞外マトリックスで構成され、組織体2は生体由来組織形成用基材1の外周表面に癒着しているが、柱状構造体6の内側には侵入していない。図45は第3の実施形態にかかる生体由来組織形成用基材の要部を拡大した写真であり、また、図46は組織体2で被覆された生体由来組織形成用基材の要部を拡大した写真である。このように、組織体2の中に毛細血管のようなものが形成されていると推測される。
<分離工程>
分離工程において、両端側の生体組織を取り除き、第2の補助構造体25の支持体27の係止孔39及び貫通軸37の先端側に形成されたロック孔41から挿入体42を引き抜いて、ロック部40によるロック状態を解除する。そして、図47に示すように、第2の補助構造体25を第1柱状体10の貫通軸37から分離して組織体2から抜き出す。また、組織体2の他端側からも第1の補助構造体24を抜き出す。このとき、補助構造体7をそのまま柱状構造体6に対して軸方向に抜き出すことができるので、管状の組織体2を壊さないですむ。
そして、第1柱状体10及び第2柱状体12を膨出体13から軸方向上下に分解して、それぞれを組織体2の内腔の上下端から抜き出す。次に、3つの膨出体13を抜き出す。膨出体13は、弁葉形成部22と膨大部4との間のポケットに収納されている状態となっている。この膨出体13を下流側へ抜き出すことにより、図48、図49(a)、及び図50に示すように、生体組織から構成される弁付き人工血管3を生産することができる。剥離された組織体2の内面は、基材1の表面に接しているので平滑になる。このように基材を分解して簡単に取り出すことができるので、組織体2を傷つけないですむ。
また、生産された弁付き人工血管3は、柱状構造体6の外周面に形成される管状の内層組織体2aと、柱状構造体6の外面から半径外方向に間隔をあけて併設された補助構造体7の外周面に形成される外層組織体2bとが一体的に形成された生体由来組織3を形成することができ、柱状構造体6の周りに厚みのある生体由来組織3を形成することができる。
また、補助柱材26を抜いた後の小孔46が血管壁に複数形成される。この小孔46を、薬剤の充填管として利用することができる。例えば、生物の血管は内皮細胞や平滑筋細胞から構成されるが、本発明の基材1により形成される生体由来組織はほぼ全て繊維芽細胞から構成される。そこで、目的の生体組織に近づけることが必要である。小孔46に目的の生体組織を形成する薬剤を入れた状態で生体由来組織3を体内へ移植すると、小孔46内の薬剤が周囲の組織体に浸み出し、周辺組織に作用して、目的の生体組織へ再構成することができる。薬剤の種類としては、目的の生体組織の形成を促進させるものを用いればよく、たとえば、目的の生体組織が血管の場合には内皮細胞増殖促進剤(血管新生因子HFG、VEGF、bFGFなど)が挙げられるが、これに限定されるものではない。
また、目的の生体組織に近づけるための別の方法として、小孔46を細胞の充填管、貯蔵庫としても使用することができる。すなわち、小孔46の中に目的の生体組織を構成する細胞(血管の場合は内皮細胞や平滑筋細胞)を充填することにより、体内へ移植後に目的の生体組織への再構築を早め、生着させることが期待できる。
さらにまた、小孔46には、何も充填せずに単に空洞として利用することもできる。体内へ移植後に栄養分の補給通路となって、生着に有利となる。すなわち、生体由来組織が移植後に生存するためには栄養が必要となる。一般に培養によって作られた生体由来組織は厚さが数100μm程度の厚さが限界であり、それよりも厚くなると栄養が行き届かずに内部の組織が壊死してしまうおそれがあるが、本発明の生体由来組織3は小孔46を備えているので、これが生体由来組織3の内部への栄養の補給路となり、厚みのある組織でも生着しやすくなると考えられる。
また、生産された弁付き人工血管3は、膨出体13の外周面の膨大部形成面19によって、半径外方向に向かってこぶ状に膨出した膨大部4が形成される。そして、膨大部4の内部において上流側部分に、ポケット状の構造が形成されることにより、そのポケット片が弁葉5となる。3枚の弁葉5が膨らんでその下流側(開放側)の端部が互いに近づいた状態が弁の閉じた状態であり、3枚の弁葉5がしぼんでその下流側の端部が互いに離れていき、膨大部4の壁面に近づいた状態が弁の全開した状態となる。このように、弁葉形成部22で1つの完成した弁葉5を形成することができるので、切断作業を行わずとも弁葉5を完成することができる。
このように形成された弁付き人工血管3は、大動脈洞(バルサルバ洞)、肺動脈洞、頚動脈洞、上錐体動脈洞、横静脈洞、下垂体静脈洞等の膨大部4及び弁を有する血管に適用可能である。
なお、生産された生体由来組織形成用基材1を異種移植する場合には、移植後の拒絶反応を防ぐため、脱細胞処理、脱水処理、固定処理などの免疫源除去処理を施すのが好ましい。脱細胞処理としては、超音波処理や界面活性剤処理、コラゲナーゼなどの酵素処理によって細胞外マトリックスを溶出させて洗浄する等の方法があり、脱水処理の方法としては、メタノール、エタノール、イソプロピルアルコール等の水溶性有機溶媒で洗浄する方法があり、固定処理する方法としては、グルタアルデヒドやホルムアルデヒドなどのアルデヒド化合物で処理する方法がある。
上記第7の実施形態で説明した生体由来組織形成用基材を用いて人工血管3を生産する方法について説明する。実施例1と同様に、生体組織材料の存在する環境下におく「設置工程」と、環境下から組織体2で被覆された生体由来組織形成用基材1を取り出す「取り出し工程」と、組織体2から生体由来組織形成用基材1を取り去る「分離工程」とからなる生産方法を経て、人工血管が生産される。
分離工程では、全体を組織体2による膜に覆われている生体由来組織形成用基材1の一端を輪切りし、一端側の支持体27部分を物理的に分離して抜き出す。このときの断面を図52に示す。そして、他端側の組織体2を取り除いた後、他端側の支持体27をもって補助柱材26及び柱状構造体6を組織体2から抜き出す。このとき、支持体27を持ち、そのまま柱状構造体6の軸方向に抜き出すことができるので、組織体2を壊さないですむ。このようにして、図53に示すように、生体組織から構成される人工血管3を生産することができる。図54は、実施例2の人工血管の断面をヘマトキシリン・エオシン染色した写真であるが、この写真から明らかなように、柱状構造体6の外周面に形成される管状の内層組織体2aと、柱状構造体6の外面から半径外方向に間隔をあけて併設された補助構造体7の外周面に形成される外層組織体2bとが一体的に形成された厚みのある生体由来組織3となっていることがわかる。
比較例1
本比較例においては、上記第3の実施形態で説明した生体由来組織形成用基材のうち、補助構造体7及び連結手段8を取り除いて柱状構造体6のみとしたものを比較例1として用い、それ以外は上記実施例1と同じ条件で弁付き人工血管3を生産した。比較例1の生体由来組織形成用基材を用いて生産された弁付き人工血管3を図49(b)及び図51に示す。
図49(b)及び図51から明らかなように、比較例1の生体由来組織3は厚みが小さい。これに対し、図49(a)及び図50に示すように、実施例1の生体由来組織3は厚みの大きい組織体2に成長していることがわかる。
P 血流方向
1 生体由来組織形成用基材
2 組織体
2a 内層組織体
2b 外層組織体
2c 第2内層層組織体
3 生体由来組織(人工血管)
4 膨大部
5 弁葉
6 柱状構造体
7 補助構造体
8 連結手段
9 上流側管状部
10 第1柱状体
11 下流側管状部
12 第2柱状体
13 膨出体
14 固定手段
15 嵌合部
16 被嵌合部
17 リブ
18 連結軸
19 膨大部形成面
20 弁葉凹部
21 段落ち部分
22 弁葉形成部
23 侵入孔
24 第1の補助構造体
25 第2の補助構造体
26 補助柱材
27 支持体
28 連結孔
30 貫通孔
31 細溝
32a、32b 凹部
33 膨出体本体
34 係止部
35 幅広部
36 係止溝
37 貫通軸
38 支持体貫通孔
40 ロック部
41 ロック孔
42 挿入体
45 連結体
46 小孔

Claims (10)

  1. 生体組織材料の存在する環境下におくことにより、その表面に膜状の組織体を形成し、該組織体を剥離して生体由来組織を形成するための基材であって、
    外周面が前記組織体の形成面となる柱状構造体と、該柱状構造体の外面から半径外方向に間隔をあけて併設された補助構造体と、を備えることを特徴とする生体由来組織形成用基材。
  2. 前記補助構造体は前記柱状構造体の周囲に配される補助柱材を備え、該補助柱材は前記柱状構造体の軸を中心として同一距離地点上に傾斜して配されるか、または、前記柱状構造体の軸方向と平行に配されることにより、前記柱状構造体に対して補助構造体を柱状構造体の軸方向に抜き出し可能とされたことを特徴とする請求項1に記載の生体由来組織形成用基材。
  3. 前記補助柱材が前記柱状構造体の周方向にわたって複数設けられたことを特徴とする請求項1または2に記載の生体由来組織形成用基材。
  4. 前記補助構造体は、前記柱状構造体に着脱自在に設けられたことを特徴とする請求項2又は3に記載の生体由来組織形成用基材。
  5. 前記補助構造体は、前記補助柱材の端部を支持する支持体を備え、該支持体が前記柱状構造体の端部に軸方向に係脱自在に設けられたことを特徴とする請求項4に記載の生体由来組織形成用基材。
  6. 第1の補助構造体と第2の補助構造体を備え、前記柱状構造体の一端に前記第1の補助構造体が設けられ、他端に前記第2の補助構造体が設けられたことを特徴とする請求項1〜5のいずれかに記載の生体由来組織形成用基材。
  7. 前記補助構造体は複数の棒状の補助柱材を備え、前記第1の補助構造体の補助柱材の先端と前記第2の補助構造体の補助柱材の先端とが、前記柱状構造体の周方向において交互に噛み合うように配置されたことを特徴とする請求項6に記載の生体由来組織形成用基材。
  8. 前記補助構造体は、前記柱状構造体の半径外方向に2重又は3重以上に設けられたことを特徴とする請求項1〜7のいずれかに記載の生体由来組織形成用基材。
  9. 請求項1〜8のいずれかに記載の生体由来組織形成用基材を、生体組織材料の存在する環境下におく設置工程と、前記環境下から組織体で被覆された生体由来組織形成用基材を取り出す取り出し工程と、前記組織体から前記生体由来組織形成用基材を取り去る分離工程とからなり、
    前記分離工程は、前記組織体から前記補助構造体を前記柱状構造体の軸方向に取り出した後、前記柱状構造体を取り出すことを特徴とする生体由来組織の生産方法。
  10. 柱状構造体の外周面に形成される管状の内層組織体と、前記柱状構造体の外面から半径外方向に間隔をあけて併設された補助構造体の外周面に形成される外層組織体とが一体的に形成されたことを特徴とする生体由来組織。
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