JP2014030579A - ゴルフクラブヘッド - Google Patents

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Abstract

【課題】スイートエリアの拡大を図り打球の飛距離を向上する。
【解決手段】ゴルフクラブヘッド10のフェース裏面12Bには、中央厚肉部30A、第1の中肉部30B、第2の中肉部30C、第1の薄肉部30D、第1の厚さ移行部32A、第2の厚さ移行部32B、第3の厚さ移行部32Cが設けられている。ゴルフクラブヘッド10を、基準面に対して予め定められたライ角およびロフト角通りに設置した基準状態で、基準面と直交する方向でフェース面12Aに投影させた中央厚肉部Aの輪郭の高さの1/2の位置を通る基準面と平行な直線で中央厚肉部Aを上部と下部とに分割したとき、上部の面積A2と下部の面積A1との比率A1/A2が定められた範囲となるように中央厚肉部30Aを形成する。中央厚肉部30Aの厚さTA>第2中肉部30Cの厚さTC>第1中肉部30Bの厚さTB>第1薄肉部30Dの厚さTDとした。
【選択図】図10

Description

本発明はゴルフクラブヘッドに関する。
ゴルフクラブヘッドのフェース部の肉厚を規定することにより、飛距離の改善などを図るようにしたものが種々提案されている。
例えば、特許文献1には、ゴルフクラブヘッドのフェース部の中央部を大きい厚さの中央厚肉部とし、中央厚肉部の周囲に、中央厚肉部よりも小さい厚さの中肉部、中肉部よりも小さい厚さの薄肉部、厚肉リブなどを設けることで、ミスショット時の反発性の低下の抑制を図るようにしたゴルフクラブヘッドが提案されている。
特許第4365871号
ところで、ゴルフクラブヘッドにおいては、打球の飛距離を向上することが重要であり、したがって、フェース面のスイートスポットから外れた打点でゴルフボールを打撃しても、スイートスポットで打撃した場合とほぼ同等の飛距離(例えば、ボールの最大初速の99%程度)を得ることができる領域、いわゆるスイートエリアを拡大することが重要である。
ボールの最大初速を確保するためにはゴルフボールを打撃した際のフェース部のたわみ量が一定量以上確保されることが必要である。これは、フェース部のたわみ量が小さいとゴルフボールの変形量が過大となってエネルギーロスが増えるためである。
したがって、スイートエリアを拡大するためには、フェース部のたわみ量が一定量以上確保されるたわみ領域を広く確保することが必要である。
すなわち、たわみエリア(最大たわみ点と同程度にたわむエリア)が拡大すると、高初速エリア(実打時ボール初速の高いエリア)が拡大でき、スイートエリアを拡大することができるのである。
また、フェース部のたわみ領域の設定に際しては、実際にゴルファがゴルフクラブをスウィングしてゴルフボールを打撃したときの打点がより多く分布しているフェース部の部分を考慮することがスイートエリアを拡大する上でより効果的であると考えられる。
このような観点からすると、上記従来技術では、スイートエリアの拡大を図る上で従来技術には改善の余地がある。
本発明は、このような事情に鑑みてなされたものであり、その目的は、スイートエリアの拡大を図り打球の飛距離を向上することができるゴルフクラブヘッドを提供することにある。
上記目的を達成するために、本発明は、上下の高さを有して左右に延在するフェース部と、前記フェース部の上部から後方に延在するクラウン部と、前記フェース部の下部と前記クラウン部の下部とを接続するソール部とを備え、それらフェース部とクラウン部とソール部とで囲まれた内部が中空部となっているゴルフクラブヘッドであって、前記中空部側に位置する前記フェース部のフェース裏面は、中央領域に設けられた中央厚肉部と、前記中央厚肉部の外側の周囲に沿って配置された第1の中肉部と、前記第1の中肉部の外側の周囲に沿って配置された第2の中肉部と、前記第2の中肉部の外側の周囲に沿って配置された第1の薄肉部と、前記中央厚肉部と前記第1の中肉部との間に配置され前記中央厚肉部から前記第1の中肉部に向かって厚さが滑らかに変化する第1の厚さ移行部と、前記第1の中肉部と前記第2の中肉部との間に配置され前記第1の中肉部から前記第2の中肉部に向かって厚さが滑らかに変化する第2の厚さ移行部と、前記第2の中肉部と前記第1の薄肉部との間に配置され前記第2の中肉部から前記第1の薄肉部に向かって厚さが滑らかに変化する第3の厚さ移行部とを備え、前記ゴルフクラブヘッドを、基準面に対して予め定められたライ角およびロフト角通りに設置した基準状態で、前記基準面と直交する方向で前記フェース面に投影させた前記中央厚肉部の輪郭の高さの1/2の位置を通る前記基準面と平行な直線で中央厚肉部を上部と下部とに分割したとき、上部の面積A2と下部の面積A1との比率A1/A2が1.2≦A1/A2≦3.3であり、より好ましくは1.2≦A1/A2≦2.8であり、さらに好ましくは1.2≦A1/A2≦2.3であり、前記中央厚肉部の厚さをTA、前記第1の中肉部Bの厚さをTB、前記第2の中肉部Cの厚さをTC、前記第1の薄肉部Dの厚さをTDとしたとき、各部の厚さが以下の式(1)を満たすことを特徴とするゴルフクラブヘッド。
TA>TC>TB>TD ……(1)
本発明によれば、フェース面に投影させた中央厚肉部の輪郭の高さhの1/2の位置を通る基準面と平行な直線で中央厚肉部を上部と下部とに分割したとき、上部の面積A2と下部の面積A1との比率A1/A2が1.2≦A1/A2≦3.3であり、より好ましくは1.2≦A1/A2≦2.8であり、さらに好ましくは1.2≦A1/A2≦2.3であるようにしたので、フェース部のたわみ量を大きく確保しつつ、たわみ量が確保されるたわみ領域をフェース面の中心点よりもクラウン部側寄りになるにしたがってより広く確保する上で有利となる。
また、中央厚肉部の厚さTA>第1の中肉部の厚さTBとしたので、第1の中肉部がたわみ易くなることは無論のこと、中央厚肉部の厚さTA>第2の中肉部の厚さTC>第1の中肉部の厚さTB>第1の薄肉部の厚さTDとしたので、中央厚肉部と第1の中肉部と第2の中肉部を含む部分を支持する第1の薄肉部がたわみ易くなることから、フェース部のたわみ量を大きく確保する上で有利となる。
この結果、スイートエリアの拡大を図り打球の飛距離を向上する上で有利となる。
11000人のゴルファが中空のウッド型ゴルフクラブヘッドを用いてゴルフボールを打撃したときの打点の分布を示す図である。 ゴルフクラブヘッド10のフェース面12A上における図1の打点の頻度分布度合いを示す図である。 ゴルフクラブヘッド10のフェース部12の厚肉部2、薄肉部4の形状、配置と、フェース部12のたわみ量と、ボール初速との関係を示す説明図である。 厚肉部2の形状を三角形と矩形とにした場合のそれぞれにおけるフェース部12のたわみ量の分布を示す説明図である。 (A)、(B)は矩形形状と三角形状とを説明する図である。 (A1)〜(A3)、(B1)、(B2)はフェース部12のモデルを用いてゴルフボールを打撃したときの変形状態を説明する図である。 (A)〜(G)は、厚肉部2と薄肉部4との面積比を変化させると共に、厚肉部2を様々な形状で形成したフェース部12のモデルの正面図である。 図7(A)〜(G)の各フェース部12でゴルフボールを打撃したときのたわみ領域の面積と、厚肉部2の面積S2/薄肉部4の面積S1で規定される面積比S2/S1との関係を示す線図である。 図7(A)〜(G)の各フェース部12でゴルフボールを打撃したときのたわみ領域の面積と、フェース部12の周波数との関係を示す線図である。 実施の形態におけるゴルフクラブヘッド10をフェース面12Aの前方からフェース裏面12Bを透視した正面図である。 図10のBB線断面図である。 フェース面12Aの中心点Pcの規定方法を示す第1の説明図である。 フェース面12Aの中心点Pcの規定方法を示す第2の説明図である。 フェース面12Aの中心点Pcの規定方法を示す第3の説明図である。 フェース面12Aの中心点Pcの規定方法を示す第4の説明図である。 重心位置G0と重心点Gとの関係を示すゴルフクラブヘッド10の断面図である。 フェース面12Aの輪郭線Iの定義を説明するゴルフクラブヘッド10の正面図である。 フェース面12Aの輪郭線Iの定義を説明するゴルフクラブヘッド10の断面図である。 フェース面12Aの中心点Pcの定義を説明するゴルフクラブヘッド10の正面図である。 中央厚肉部30Aの形状を規定する説明図である。 (A)〜(F)は中央厚肉部30Aの形状の具体例を示す説明図である。 ゴルフクラブヘッド10を取り付けたゴルフクラブ測定器100の斜視図である。 フェース部12の各部とたわみ量との関係を説明する図である。 実験例1、4、7〜24におけるゴルフクラブヘッド10をフェース面12Aの前方からフェース裏面12Bを透視した正面図である。 実験例3におけるゴルフクラブヘッド10をフェース面12Aの前方からフェース裏面12Bを透視した正面図である。 実験例5におけるゴルフクラブヘッド10をフェース面12Aの前方からフェース裏面12Bを透視した正面図である。 実験例6におけるゴルフクラブヘッド10をフェース面12Aの前方からフェース裏面12Bを透視した正面図である。 実験例25におけるゴルフクラブヘッド10をフェース面12Aの前方からフェース裏面12Bを透視した正面図である。 実験例26におけるゴルフクラブヘッド10をフェース面12Aの前方からフェース裏面12Bを透視した正面図である。 実験例27におけるゴルフクラブヘッド10をフェース面12Aの前方からフェース裏面12Bを透視した正面図である。 実験例28におけるゴルフクラブヘッド10をフェース面12Aの前方からフェース裏面12Bを透視した正面図である。 フェース面12A上に設定された45箇所の打点の説明図である。 実験例1〜12の評価結果を示す第1の図である。 実験例1、13〜20の評価結果を示す第2の図である。 実験例1、21〜28の評価結果を示す第3の図である。
(実施の形態)
本発明の実施の形態について説明する前に、ゴルフクラブヘッドのフェース部の打点の分布の計測結果、フェース部の厚肉部および薄肉部の配置とたわみ量との関係について説明する。
図1は11000人のゴルファが中空のウッド型ゴルフクラブヘッドを用いてゴルフボールを打撃したときの打点の分布を示す図である。
図1において横軸はトウヒール方向の位置を示し、縦軸はクラウンソール方向の位置を示しており、単位はmmである。また、横軸と縦軸との交点がフェース面の中心である。
図1において、黒点は打点を示し、横軸の上方で縦軸の中央の右側に位置する白い矩形は打点の分布の平均値を示す。
図2はゴルフクラブヘッド10のフェース面12A上における図1の打点の頻度分布度合いを示す図である。
図2において領域a1は全体の打点の27.4%が分布し、領域a1+a2は全体の打点の67.7%が分布し、領域a1+a2+a3は全体の打点の76.2%が分布している。
図1、図2から以下のことが明らかである。
1)トウヒール方向の打点のばらつきがクラウンソール方向の打点のばらつきよりも大きい。
2)フェース面12Aの中心よりも下方の部分に比較してフェース面12Aの中心よりも上方(クラウン方向)の部分に打点がより多く分布している。
したがって、実際の打点の分布を考慮すると、フェース面12Aの中心よりも上部で大きくたわむ領域が広いことがスイートエリアを広く確保する上で有利であるといえる。
図3はフェース部12の厚肉部2、薄肉部4の形状、配置と、フェース部12のたわみ量と、ボール初速との関係を示す説明図であり、フェース部12の厚肉部2、薄肉部4を単純化したモデルを用いて解析してたわみ量とボール初速とを求めている。
図3(A1)はフェース部12を正円形状とし、フェース裏面12Bの中央に三角形(正三角形)の厚肉部2、その周囲に薄肉部4を設けたフェース部12をフェース裏面12B側から見た図、図3(A2)はその側面図である。
図3(B1)はフェース部12を正円形状とし、フェース裏面12Bの中央に矩形(正方形)の厚肉部2、その周囲に薄肉部4を設けたフェース部12をフェース裏面12B側から見た図、図3(B2)はその側面図である。
両者ともフェース面12Aに投影させた厚肉部2の面積は同一であり、フェース面12Aからの厚肉部2の厚さtは4mm、フェース面12Aからの薄肉部4の厚さtは2mmである。
図3(A3)、(B3)はそれぞれのフェース部12のトウヒール方向(フェース面12Aの中心を通る)におけるたわみ分布を示し、図3(A4)、(B4)はそれぞれのフェース部12のトウヒール方向(フェース面12Aの中心を通る)で打撃した場合のゴルフボールの初速の分布を示す。
図3からわかるように、一定以上のたわみ量が確保されるフェース部12の面積は、厚肉部2を三角形とした場合の方が広く、したがって、一定以上のボール初速が確保されるフェース部12の面積は厚肉部2を三角形とした場合の方が広くなる。
上述したように、厚肉部2の形状が三角形であり、かつ、厚肉部2の周囲に薄肉部4が形成されていると、たわみ量を大きく確保でき、スイートエリアを大きく確保する上で有利となる理由としては以下の2つの理由が考えられる。
第1の理由は、三角形は面形状を保持する上で有利な形状であるため、厚肉部2の形状が三角形状であると、厚肉部2の面形状を保持した状態でフェース部12がたわみやすくなることである。
第2の理由としては、厚肉部2の面積に比較して厚肉部2の周囲に形成された薄肉部4の面積が確保されることによってフェース部12がたわみやすくなることである。
そして、これら第1の理由および第2の理由の相乗効果により、たわみ量を大きく確保でき、スイートエリアを大きく確保する上で有利となるのである。
以下、第1の理由、第2の理由のそれぞれについてより詳細に説明する。
(1)第1の理由(三角形は面形状を保持する上で有利な形状である)
図5(A)、(B)に示すように、一般的に矩形に比較して三角形は形が崩れにくい。
例えば、同一長さの3本の棒を可動するジョイントでつないだ三角形の模型と、同一長さの4本の棒を可動するジョイントでつないだ正方形の模型とを比較すると、前者は力を加えても変形しないのに対して、後者は容易に形状が変形する。
また、同一長さの6本の棒を可動するジョイントでつないだ正四面体の模型と、同一長さの12本の棒を可動するジョイントでつないだ立方体の模型とを比較すると、前者は力を加えても変形しないのに対して、後者は容易に形状が変形する。
要するに、三角形を含む平面あるいは立体は形状が安定しているといえる。
また、三角形の3つの頂点は必ず同一平面上に位置することから、三点支持によって構造の安定化を図ることが知られており、このような構造として、四脚を有する消波ブロック(テトラポッド(登録商標))や三角形をつくるように部材を連結して構成されたトラス構造が例示される。
図6(A1)は、前述した図4(A1)と同様に円板状の薄肉部4に三角形状の厚肉部2を形成したフェース部12のモデルを示している。
図6(A2)は、このモデルによってゴルフボールを打撃したときの厚肉部2の変形状態を示す説明図、(A3)はモデル全体の変形状態を示す説明図である。
図6(B1)は、前述した図4(B1)と同様に円板状の薄肉部4に矩形状の厚肉部2を形成したフェース部12のモデルを示している。
図6(B2)は、このモデルによってゴルフボールを打撃したときの厚肉部2の変形状態を示す説明図である。
図6(A1)〜(A3)に示すように、三角形の厚肉部2は、1点が変形しても面を保持しやすく、型崩れしにくいことがわかる。
これに対して、図6(B1)、(B2)に示すように、矩形の厚肉部2は、1点が変形すると面を保持しにくく、型くずれしやすいことがわかる。矩形の他、五角形以上の多角形や円形についても矩形と同様に1点が変形すると面を保持しにくく、型くずれしやすいことは同様である。
(2)第2の理由(厚肉部2の周囲に形成された薄肉部4の面積が確保されることによってフェース部12がたわみやすくなる)
図4は、ゴルフボールを打撃したときに生じるたわみ領域を示す図である。図3と同様に厚肉部2の形状を三角形と矩形とにした場合のそれぞれにおけるフェース部12のたわみ量の分布を示す説明図であり、フェース部12の厚肉部2、薄肉部4を単純化したモデルを用いて解析してたわみ量の分布を求めている。
なお、三角形と矩形の厚肉部2の面積は同一であり、厚肉部2および薄肉部4の厚さも図3の場合と同様である。解析条件は、厚肉部2の肉厚は4mm、薄肉部4の肉厚は2mm、輪郭節点は全て拘束という条件である。解析方法としては、FEM衝突解析である。他に固有値解析でも同様な解析結果を求めることができる。固有値解析で求めた「たわみ領域」とは、フェース部12の1次共振周波数でフェース部12を変形させたときの最大たわみ点のたわみ量を100%としたときに、95%のたわみ量を確保できるエリアのことを示す。
図4(A1)は図3(A1)と同様にフェース部12を正円形状とし、フェース裏面12Bの中央に三角形(正三角形)の厚肉部2を設けたものであり、図4(A2)はそのフェース部12のたわみ量の分布を複数の等高線で示している。ここで、等高線は、同一のたわみ量を結ぶ線であり、フェース部12の中央ほどたわみ量が大きく、周辺ほどたわみ量が小さい。
図4(B1)は図3(B1)と同様にフェース部12を正円形状とし、フェース裏面12Bの中央に矩形(正方形)の厚肉部2を設けたものであり、図4(B2)はそのフェース部12のたわみ量の分布を複数の等高線で示している。
図4(A1)、(A2)からわかるように、厚肉部2を三角形とし、かつ、その3つの頂点のうち1つの頂点をクラウン側に位置させ、残りの2つの頂点をソール側に位置させると、フェース部12のたわみ量の分布は、クラウンソール方向のクラウン方向に至るほどトウヒール方向のたわみ量が大きく確保される形状を呈し、言い換えると、ほぼ逆三角形状を呈している。
また、図4(B1)、(B2)からわかるように、厚肉部2を矩形とすると、フェース部12のたわみ量の分布は、ほぼ正円状を呈している。
また、同一のたわみ量を確保する面積は、厚肉部2を三角形としたフェース部12の方がより大きい。
このような結果から、厚肉部2を三角形とし、かつ、その3つの頂点のうち1つの頂点をクラウン側に位置させ、残りの2つの頂点をソール側に位置させると共に、厚肉部2の周囲に薄肉部4を配置すると、フェース面12Aの中心よりも上部で大きくたわむ領域を打点分布に対応させて広く確保することができ、スイートエリアを広く確保する上で有利となることが期待できる。
なお、図4(A1)、(B1)では、厚肉部2の三角形および矩形の頂点が薄肉部4の正円に接していない場合について説明したが、もちろん厚肉部2の三角形および矩形の頂点が薄肉部4の正円に接している場合も、上記と同様のことがいえる。
さらに、厚肉部が三角と四角の場合以外も含めて説明する。
図7(A)〜(G)は、厚肉部2と薄肉部4との面積比を変化させると共に、厚肉部2を様々な形状で形成したフェース部12のモデルの正面図である。
図7(A)は三角形状、(B)は正五角形状、(C)はビーム形状、(D)は正方形状、(E)はハート形状、(F)は星型形状(五角星形状)、(G)は正六角形状である。
図7(C)を除く各厚肉部2は、その形状の頂点が円形の薄肉部4の外周上に位置している。図7(C)の厚肉部2は円形の薄肉部4の直径に沿って延在し厚肉部2の両端が薄肉部4の外周上に位置している。
図8は、図7(A)〜(G)の各フェース部12で図4と同様の解析を行った結果を示し、たわみ領域の面積と、厚肉部2の面積S2/薄肉部4の面積S1で規定される面積比S2/S1との関係を示す線図である。図中、直線はたわみ領域の面積と面積比S2/S1との関係を示す近似式を示す。
面積比S2/S1が小さいほど薄肉部4の面積が大きいことを示し、面積比S2/S1が小さいほど薄肉部4の面積が小さいことを示す。
図9は、図7(A)〜(G)の各フェース部12で図4と同様の解析を行った結果を示し、たわみ領域の面積と、フェース部12の周波数との関係を示す線図である。図中、直線はたわみ領域の面積と周波数の関係を示す近似式を示す。
解析条件は、厚肉部2の肉厚は4mm、薄肉部4の肉厚は2mm、輪郭節点は全て拘束という条件であり、ゴルフクラブヘッドでゴルフボールを打撃したときと同様に解析を行った。
図8に示すように、面積比S2/S1が小さいほど(薄肉部4の面積が広いほど)たわみ領域が広く、面積比S2/S1が大きいほど(薄肉部4の面積が狭いほど)たわみ領域が狭くなる。
また、図9に示すように、周波数が低いほどたわみ領域が広く、周波数が高いほどたわみ領域が狭くなる。
また、一般に、周波数が低いほど剛性が低く、したがって最大たわみ量が大きくなり、反発係数が高くなる。
周波数が高いほど剛性が高く、したがって最大たわみ量が小さくなり、反発係数が低くなることは、周知の事実である。
また、ゴルフクラブヘッドに要求される条件として以下の点を考慮する必要がある。
1)フェース部12の反発係数がゴルフルールによって定められている0.83未満であること。これは、最大たわみ量が制限されることを意味する。(フェース形状によってたわみ量は異なる)
2)耐久性が確保されること。
以上のことから、薄肉部4のエリアが広いほど、たわみ領域が大きくなりフェース部12の1次共振振動の周波数が低下する傾向となる。周波数が低すぎるとフェース最大たわみ量が大きくなりすぎ、反発係数0.83以上となり、ゴルフルールに不適合となり、また、剛性が低いため耐久強度も低下することが懸念される。
また、薄肉部4のエリアが狭いほど、たわみ領域が小さくなり、フェース部12の1次共振振動の周波数が上昇する傾向となる。周波数が高すぎると、フェース最大たわみ量が小さくなりすぎる不都合が生じる。その結果、ルール上限の反発係数0.83を大きく下回り、最大飛距離を大きくロスしてしまう。
したがって、面積比S2/S1を適切な範囲とすることで、たわみ領域を十分に確保しつつ、反発係数が0.83未満であり、かつ、0.83上限限界近辺を確保し、飛距離を最大にし、しかも、耐久性を確保するために最も適していることがわかった。
なお、実際のゴルフクラブヘッド10のフェース部12における面積比S2/S1の適切な範囲は、後述するように、フェース面12Aに投影させた中央厚肉部30Aの面積がフェース面12Aの面積の2%以上7%以下である。
したがって、フェース部12に三角形状の厚肉部2を形成し、かつ、面積比S2/S1を適切な範囲とすることで、ゴルフクラブヘッドに要求される条件を満足しつつスイートエリアの拡大を図り打球の飛距離を向上する上で有利になると考えられる。
上述した理由1、理由2に関する解析結果、知見によって、図3、図4で説明したように、厚肉部2を三角形とし、厚肉部2の周囲に薄肉部4を配置することが、スイートエリアを広く確保する上で有利となることが明らかになったものと考える。
本発明は、上述したような解析結果、知見に基づいてなされたものである。
次に本発明の実施の形態について説明する。
図10は、ゴルフクラブヘッド10をフェース面12Aの前方から見た正面図、図11は図10のBB線断面図である。
図10に示すように、ゴルフクラブヘッド10は、フェース部12と、クラウン部14と、ソール部16と、サイド部18とを備え、それらフェース部12とクラウン部14とソール部16とサイド部18の内部が中空部とされた中空構造を呈している。
フェース部12は、上下の高さを有して左右に延在し、図11に示すように、フェース部12は、中空部と反対に位置しゴルフボールを打撃するフェース面12Aと、中空部側に位置するフェース裏面12Bとを有している。フェース面12A側から見て、フェース面12Aの輪郭とフェース裏面12Bの輪郭34はほぼ合致している。
クラウン部14は、フェース部12の上部から後方に延在する。
ソール部16は、フェース部12の下部とクラウン部14の下部とを接続する。
サイド部18は、クラウン部14およびソール部16を接続する。
また、クラウン部14には、フェース面12A側でかつヒール22寄りの位置にシャフト24に接続するホーゼル26が設けられている。
また、フェース面12Aを正面から見てゴルフクラブヘッド10のヒール20と反対側がトウ20である。
ゴルフクラブヘッド10の体積は、アドレスのしやすさ、スウィングのしやすさなどを考慮すると、380cm以上470cm以下が好ましい。
ゴルフクラブヘッド10の全重量は、スウィングのしやすさ、打球の飛距離などを考慮すると、180g以上220g以下が好ましい。
本実施の形態では、ゴルフクラブヘッド10は、金属材料からなるフェース部と、金属材料からなるヘッド本体(クラウン部、ソール部、サイド部)とを溶接した2ピース構造であるが、3ピース構造、あるいは、4ピース構造など従来公知の様々な構造が採用可能である。
フェース部は、熱間鍛造、プレスなど、従来公知の方法によって製造される。
ヘッド本体は、鋳造など、従来公知の方法によって製造される。
フェース部およびヘッド本体を構成する金属材料としては、ステンレス合金、マレージング鋼、チタン、チタン合金、マグネシウム合金、アルミニウム合金など従来公知の様々な金属材料が採用可能である。
本実施の形態では、図10、図11に示すように、フェース裏面12Bには、中央厚肉部30Aと、第1の中肉部30Bと、第2の中肉部30Cと、第1の薄肉部30Dと、第2の薄肉部30Eと、第1の厚さ移行部32Aと、第2の厚さ移行部32Bと、第3の厚さ移行部32Cと、第4の厚さ移行部32Dとが設けられている。
なお、図10は、フェース面12Aに投影させた各部30A〜30E、32A〜32Dの輪郭が描かれている。
中央厚肉部30Aは、フェース裏面12Bの中央領域に設けられており、フェース面12Aに投影させた中央厚肉部Aの輪郭の内側にフェース面12Aの中心点Pcが位置している。中心点Pcについては後述する。
フェース裏面12Bの中央領域は、フェース部12が中空部に対向するフェース裏面12Bの輪郭34の幾何学的中心(図心)を含む領域であり、フェース裏面12Bの輪郭34よりも小さい面積の領域である。
ここで、フェース裏面12Bの輪郭34は、フェース裏面12Bと、クラウン部14が中空部に対向する内面、ソール部16が中空部に対向する内面、サイド部28が中空部に対向する内面との間の境界線である。
なお、フェース裏面12Bと各内面とが円弧を介して接続される場合、フェース裏面12Bの輪郭34は、ヘッド10断面における当該円弧の長さの中間点で規定される。
また、フェース裏面12Bの全面積は、小さすぎると反発性が低下し、大きすぎるとフェース部12の重量が重くなりすぎて重心深度が浅くなることから、反発性と重心深度を確保するため、36cm以上47cm以下が好ましい。
フェース面12Aの中心点Pcは、フェース面12Aの幾何学的中心であり、中心点Pcの規定方法としては以下に例示する第1の規定方法、第2の規定方法を含め従来公知のさまざまな方法が採用可能である。
[A]フェース面12Aの中心点Pcの第1の規定方法:
フェース面12Aと他のゴルフクラブヘッド10の部分との境目が明確である場合、言い換えると、フェース面12Aの周縁が稜線によって特定される場合における中心点の規定方法である。この場合はフェース面12Aが明瞭に定義されることになる。
図12乃至図15はフェース面12Aの中心点Pcの規定方法を示す説明図である。
(1)まず、図12に示すように、ライ角およびフェース角が規定値となるように基準面上にゴルフクラブヘッド10を載置する。このときのゴルフクラブヘッド10の状態を基準状態とする。なお、ライ角およびフェース角の設定値は、例えば製品カタログに記載された値である。
(2)次にクラウン部14及びソール部16を結ぶ方向における仮中心点c0を求める。
すなわち、図12に示すように、トウ20およびヒール22を結ぶ地面と平行な線(以下水平線という)の概略中心点と交差する垂線f0を引く。
この垂線f0とフェース面12Aの上縁とが交差するa0点と、垂線f0とフェース面12Aの下縁とが交差するb0点の中点を仮中心点c0とする。
(3)次に図13に示すように仮中心点c0を通る水平線g0を引く。
(4)次に図14に示すように水平線g0とフェース面12Aのトウ20側の縁とが交差するd0点と、水平線g0とフェース面12Aのヒール22側の縁とが交差するe0点の中点を仮中心点c1とする。
(5)次に図15に示すように仮中心点c1を通る垂線f1を引き、この垂線f1とフェース面12Aの上縁とが交差するa1点と、垂線f1とフェース面12Aの下縁とが交差するb1点の中点を仮中心点c2とする。
ここで、仮中心点c1とc2とが合致したならばその点をフェース面12Aの中心点Pcとして規定する。
仮中心点c1とc2が合致しなければ、(2)乃至(5)の手順を繰り返す。
なお、フェース面12Aは曲面を呈しているため、水平線g0の中点、垂線f0、f1の中点を求める場合の水平線g0の長さ、垂線f0、f1の長さはフェース面12Aの曲面に沿った長さを用いるものとする。
そして、フェースセンターラインCLは、中心点Pcを通りかつトウ−ヒール方向と直交する方向に延在する直線で定義される。
[B]フェース面12Aの中心点Pcの第2の規定方法:
次に、フェース面12Aの周縁と他のゴルフクラブヘッド10の部分との間が曲面で接続されておりフェース面12Aが明瞭に定義できない場合の中心点Pcの定義を説明する。
図16に示すように、ゴルフクラブヘッド10は中空であり、符号G0はゴルフクラブヘッド10の重心位置を示し、符号Lpは重心位置G0と重心点Gとを結ぶ直線であり、言い換えると、直線Lpは重心位置G0を通るフェース面12Aの垂線である。
ここで、図17に示すように、重心位置G0と重心点Gとを結ぶ直線Lpを含む多数の平面H1、H2、H3、…、Hnを考える。
ゴルフクラブヘッド10を各平面H1、H2、H3、…、Hnに沿って破断したときの断面において、図18に示されるように、ゴルフクラブヘッド10の外面の曲率半径r0を測定する。
曲率半径r0の測定に際して、フェース面12A上のフェースライン、パンチマーク等が無いものとして扱う。
曲率半径r0は、フェース面12Aの中心点Pcから外方向(図18における上方向、下方向)に向かって連続的に測定される。
そして、測定において曲率半径r0が最初に所定の値以下となる部分をフェース面12Aの周縁を表わす輪郭線Iとして定義する。所定の値は例えば200mmである。
多数の平面H1、H2、H3、…、Hnに基づいて決定された輪郭線Iによって囲まれた領域が、図17、図18に示すように、フェース面12Aとして定義される。
次に、図19に示すように、ライ角およびフェース角が規定値となるように水平な地面上にゴルフクラブヘッド10を載置する。
直線LTは、フェース面12Aのトウ側点PTを通過して鉛直方向に延在する。
直線LHは、フェース面12Aのヒール側点PHを通過して鉛直方向に延在する。
直線LCは、直線LTおよび直線LHと平行である。直線LCと直線LTとの距離は、直線LCと直線LHとの距離と等しい。
符号Puは、フェース面12Aの上側点を示し、符号Pdはフェース面12Aの下側点である。上側点Puおよび下側点Pdは、いずれも直線LCと輪郭線Iとの交点である。
中心点Pcは、上側点Puと下側点Pdとを結ぶ線分の中点で定義される。
フェースセンターラインCLは、中心点Pcを通りかつトウ−ヒール方向と直交する方向に延在する直線であり、直線LCがフェースセンターラインCLとなる。
図10、図20に示すように、中央厚肉部30Aの形状は、以下のように規定される。
ゴルフクラブヘッド10を、後述するように規定される基準面に対して予め定められたライ角およびロフト角通りに設置した基準状態で、図20に示すように、基準面と直交する方向でフェース面12Aに投影させた中央厚肉部30Aの輪郭の高さの1/2の位置を通る基準面と平行な直線Lsで中央厚肉部30Aを上部と下部とに分割したとき、上部の面積A2と下部の面積A1との比率A1/A2が1.2≦A1/A2≦3.3であり、より好ましくは1.2≦A1/A2≦2.8であり、さらに好ましくは1.2≦A1/A2≦2.3であるように中央厚肉部30Aの形状が規定される。
このように規定された中央厚肉部30Aの形状は、例えば、角部を丸めた三角形状を呈すると共に、三角形を構成する各辺が外側に凸状の曲線となっている。しかしながら、中央厚肉部30Aの形状は上記の規定を満足していればよいのであり、三角形の角部が鋭角であったり、あるいは、三角形の各辺が内側に凸状の曲線を呈したり、あるいは、各辺が局所的に湾曲するなど任意である。
なお、三角形状の角部を丸める場合、R1〜R10mm程度が好ましい。
図21(A)〜(F)は中央厚肉部30Aの形状の具体例を示す説明図である。
本例では、中央厚肉部30Aは角部をR5程度に丸めた三角形状を呈しており、(A)〜(F)の何れにおいても、比率A1/A2は、1.2≦A1/A2≦2.3を満たしている。
図21(A)は、三角形が正三角形状を呈し、三角形の各辺が直線状を呈している。比率A1/A2は2.23である。
図21(B)は、(A)と同様に正三角形状を呈しているが、三角形のうちソール部16側の底辺が直線状を呈し、残りの2辺が外側に凸状の曲線を呈している点が異なっている。比率A1/A2は2.13である。
図21(C)は、(A)と同様に正三角形状を呈しているが、底辺が直線状を呈し、残りの2辺が内側に凸状の曲線を呈している。比率A1/A2は2.23である。
図21(D)は、三角形がソール部16側の底辺を除く2辺が等しい長さの二等辺三角形状を呈し、三角形の各辺が直線状を呈している。比率A1/A2は2.23である。
図21(E)は、(D)と同様に二等辺三角形状を呈しているが、底辺が直線状を呈し、残りの2辺が外側に凸状の曲線を呈している。比率A1/A2は2.03である。
図21(F)は、(D)と同様に二等辺三角形状を呈しているが、底辺が直線状を呈し、残りの2辺が内側に凸状の曲線を呈している。比率A1/A2は2.23である。
また、ゴルフクラブヘッド10を基準状態に設置する際の基準面は、後述するゴルフクラブ測定器100(図22)を用いることで規定される。
また、フェース面12Aに投影させた中央厚肉部30Aの面積をフェース面12Aの面積の2%以上7%以下とした。
中央厚肉部30Aの面積が上記範囲内であると、高初速エリアおよび耐久性能を確保する上で有利となる。
中央厚肉部30Aの面積が上記範囲を下回ると、耐久性能を確保する効果が小さくなる。
中央厚肉部30Aの面積が上記範囲を上回ると、高初速エリアを確保する効果が小さくなる。
ここで、ゴルフクラブヘッド10を基準状態に設置する際の基準面について説明する。
図22に示すように、ゴルフクラブ測定器100は、ゴルフクラブシャフト24を保持するシャフト保持部102と、シャフト保持部102が取付けられたライ角度調整部104と、ライ角度調整部104と一体に設けられた測定台106と、測定台106上に前後方向に移動自在に載置されたフェース角度調整具108とを備えている。
このゴルフクラブ測定器100では、ゴルフクラブシャフト24をシャフト保持部102によって保持するとともに、ライ角度調整部104によってシャフト保持部102の角度を調整することにより、ゴルフクラブが測定台106の基準面106Aに対してライ角度通りのアドレスポジションに設置されるようにゴルフクラブシャフト24の角度を調整する。
次に、ゴルフクラブヘッド10のソール部16を基準面106Aに接触させるとともに、フェース角度調整具108の先端部108Aにフェース面12Aを密着させることにより、先端部108Aに対するフェース角度が0°になるようにゴルフクラブシャフト24をシャフト保持部102のチャック部102Aで固定する。
この状態における基準面106Aがゴルフクラブヘッド10の基準状態を規定する基準面となる。
図10に示すように、第1の中肉部30Bは、中央厚肉部30Aの外側の周囲に沿って配置されている。より詳細には、中央厚肉部30Aのクラウン部14側の部分を除いた周囲に沿って配置されている。
フェース面12Aに投影させた第1の中肉部30Bの面積は、フェース面12Aの面積の8%以上13%以下である。
第1の中肉部30Bの面積が上記範囲内であると、高初速エリアおよび耐久性能を確保する上で有利となる。
第1の中肉部30Bの面積が上記範囲を下回ると、高初速エリアを確保する効果が小さくなる。
第1の中肉部30Bの面積が上記範囲を上回ると、耐久性能を確保する効果が小さくなる。
第2の中肉部30Cは、第1の中肉部30Bの外側の周囲に沿って配置されている。
本実施の形態では、第2の中肉部30Cは、第1の中肉部30Bの外側の周囲全周に沿って環状に配置されている。
第1の薄肉部30Dは、第2の中肉部30Cの外側の周囲に沿って配置されている。より詳細には、第1の薄肉部30Dは、第2の中肉部30Cとクラウン部14との間でトウヒール方向に延在する上部30D1と、第2の中肉部30Cのトウ20側の部分でクラウンソール方向に延在するトウ20側の側部30D2と、第2の中肉部30Cのヒール22側の部分でクラウンソール方向に延在するヒール22側の側部30D3とを有している。
第2の薄肉部30Eは、第1の薄肉部30Dの外側の周囲に沿って配置されている。より詳細には、第2の薄肉部30Eは、第1の薄肉部30Dのトウ20側の側部30D2の外側でクラウンソール方向に延在するトウ20側の側部30E1と、第1の薄肉部30Dのヒール22側の側部30D3の外側でクラウンソール方向に延在するヒール22側の側部30E2とを有している。
第1の厚さ移行部32Aは、中央厚肉部30Aと第1の中肉部30Bとの間に配置され、中央厚肉部30Aから前記第1の中肉部30Bに向かって厚さが滑らかに変化する部分となっている。
本実施の形態では、第1の厚さ移行部32Aは、クラウン部14側の中央厚肉部30Aの部分を除いた残りの中央厚肉部30Aの部分と、第1の中肉部30Bとの間に配置されている。
第1の厚さ移行部32Aを設けることで、中央厚肉部30Aと第1の中肉部30Bとの間に大きな剛性の違いが生じることを抑制でき、応力集中を緩和することで耐久性を確保する上で有利となる。
第2の厚さ移行部32Bは、第1の中肉部30Bと第2の中肉部30Cとの間に配置されており、第1の中肉部30Bから第2の中肉部30Cに向かって厚さが滑らかに変化する部分となっている。
第2の厚さ移行部32Bを設けることで、第1の中肉部30Bと第2の中肉部30Cとの間に大きな剛性の違いが生じることを抑制でき、応力集中を緩和することで耐久性を確保する上で有利となる。
本実施の形態では、第1の中肉部30Bは、中央厚肉部30Aのクラウン部14側の部分を除いた外側の周囲に沿って配置され、第2の中肉部30Cは中央厚肉部30Aの外側の周囲全周に沿って延在しており、第1の厚さ移行部32Aは、中央厚肉部30Aの周囲全周に沿って延在している。
そのため、第2の厚さ移行部32Bは、第1の中肉部30Bが配置されない中央厚肉部30Aのクラウン部14側の部分では、第1の厚さ移行部32Aと第2の中肉部30Cとの間に位置して第1の厚さ移行部32Aから第2の中肉部30Cに向かって厚さが滑らかに変化している。
また本実施の形態では、第2の中肉部30Cは、クラウン部14側の部分30C1が、残りの部分30C2よりも厚肉に形成され、厚肉に形成された第2の中肉部30Cの部分30C1のトウ20側とヒール22側に、クラウンソール方向に延在し第2の厚さ移行部32Bと第3の厚さ移行部32Cとを接続する第5の厚さ移行部30C3がそれぞれ設けられている。
第5の厚さ移行部30C3は、第2の中肉部30Cの厚肉に形成された部分30C1と残りの部分30C2との間で厚さが滑らかに変化している。
したがって、第2の中肉部30Cの厚肉に形成された部分30C1がクラウンソール方向において作用する応力を受け止める補強リブとして作用するため、耐久性を確保する上で有利となっている。
また、第5の厚さ移行部30C3を設けることで、厚肉に形成された部分30C1と残りの部分30C2との間に大きな剛性の違いが生じることを抑制でき、応力集中を緩和することで耐久性を確保する上で有利となる。
なお、本実施の形態では、第2の中肉部30Cに厚肉に形成された部分30C1と、それよりも厚さが小さい残りの部分30C2とを設けた場合について説明したが、第2の中肉部30Cの厚さは均一としてもよい。
第3の厚さ移行部32Cは、第2の中肉部30Cと第1の薄肉部30Dとの間に配置されており、第2の中肉部30Cから第1の薄肉部30Dに向かって厚さが滑らかに変化する部分となっている。
本実施の形態では、第3の厚さ移行部32Cのソール16側の箇所はフェース裏面12Bの下縁に沿って延在しており、この部分には第1の薄肉部30Dが設けられていないため、この部分を除いた箇所で第2の中肉部30Cから第1の薄肉部30Dに向かって厚さが滑らかに変化している。なお、フェース裏面12Bの下縁に沿って延在する第3の厚さ移行部32Cの部分は、均一の厚さではなく、第2の中肉部30Cに接続されその厚さがソール16側に至るにつれて次第に小さくなるように変化している。
第3の厚さ移行部32Cを設けることで、第2の中肉部30Cと第1の薄肉部30Dとの間に大きな剛性の違いが生じることを抑制でき、応力集中を緩和することで耐久性を確保する上で有利となる。
第4の厚さ移行部32Dは、第1の薄肉部30Dと第2の薄肉部30Eとの間に配置されており、第1の薄肉部30Dから第2の薄肉部30Eに向かって厚さが滑らかに変化する部分となっている。
本実施の形態では、第4の厚さ移行部32Dは、第1の薄肉部30Dのトウ20寄りのトウ20側の側部30D2と第2の薄肉部30Eのトウ20寄りのトウ20側の側部30E1との間に位置するトウ20側部分32D1と、第1の薄肉部30Dのヒール22寄りのヒール22側の側部30D3と第2の薄肉部30Eのヒール22寄りのヒール22側の側部30E2との間に位置するヒール22側部分32D2とを有している。
第4の厚さ移行部32Dを設けることで、第1の薄肉部30Dと第2の薄肉部30Eとの間に大きな剛性の違いが生じることを抑制でき、応力集中を緩和することで耐久性を確保する上で有利となる。
そして、フェース面12Aからの中央厚肉部30Aの厚さをTA、フェース面12Aからの第1の中肉部30Bの厚さをTB、フェース面12Aからの第2の中肉部30Cの厚さをTC、フェース面12Aからの第1の薄肉部30Dの厚さをTD、フェース面12Aからの第2の薄肉部30Eの厚さをTEとしたとき、各部の厚さが以下の式(1)、式(2)を満たすようにした。
TA>TC>TB>TD……(1)
TD>TE……(2)
さらに、中央厚肉部30Aの厚さTAを4.0mm以上6.0mm以下とし、第1の中肉部30Bの厚さTBを2.5mm以上3.5mm以下とし、第2の中肉部30Cの厚さTCを2.5mm以上3.5mm以下とし、第1の薄肉部30Dの厚さTDを2.0mm以上2.5mm以下とし、第2の薄肉部30Eの厚さTEを1.8mm以上2.5mm以下とした。
なお、本実施の形態では、第2の中肉部30Cを構成する第1の部分30C1、第2の部分30C2、厚さ移行部30C3は、それぞれフェース面12Aからの厚さが異なっている。この場合、式(2)における厚さTCは、第1の部分30C1の厚さ、第2の部分30C2の厚さの双方を含むものとする。
中央厚肉部30Aの厚さTA、第1の中肉部30Bの厚さTB、第2の中肉部30Cの厚さTC、第1の薄肉部30Dの厚さTD、第2の薄肉部30Eの厚さTEが上記範囲内であると、高初速エリアおよび耐久性能を確保する上で有利となる。
各厚さTA、TB、TC、TD、TEが上記範囲を下回ると、耐久性能を確保する効果が小さくなる。
各厚さTA、TB、TC、TD、TEが上記範囲を上回ると、高初速エリアを確保する効果が小さくなる。
さらに、本実施の形態では、第1の厚さ移行部32Aのソール部16寄りでトウ20側とヒール22側の箇所からそれぞれソール方向に延在して第2の厚さ移行部32Bに接続され、かつ、第1の厚さ移行部32Aと第2の厚さ移行部32Bと第1の中肉部30Aとに対して厚さが滑らかに変化する接続部36が形成されている。
接続部36は、第1の厚さ移行部32Aのソール部16寄りの箇所でトウヒール方向に間隔をおいて2つ設けられている。
したがって、接続部36は、中央厚肉部30Aおよび第1の厚さ移行部32Aを保持する補強リブとして機能するため、ゴルフボールを打撃したときにフェース部12にかかる応力を接続部が受け止めることで耐久性を確保する上で有利となる。
また、フェース部12は、トウヒール方向の寸法よりもクラウンソール方向の寸法が短いため、ゴルフボールを打撃した際にフェース部12に作用する応力は、トウヒール方向よりもクラウンソール方向においてより大きくなる。
また、補強リブとして機能する接続部36がクラウンソール方向に沿って延在することにより、クラウンソール方向において作用する応力をより効果的に受け止めることができ、耐久性を確保する上でより有利となっている。
また、接続部36は、第1の厚さ移行部32Aと第2の厚さ移行部32Bと第1の中肉部30Bとの間で厚さが滑らかに変化しているので、第1の厚さ移行部32Aと第2の厚さ移行部32Bと第1の中肉部30Bとの間に大きな剛性の違いが生じることを抑制でき、応力集中を緩和することで耐久性を確保する上で有利となる。
本実施の形態では、接続部36が2つ設けられている場合について説明したが、接続部36は1つであっても、3つ以上であってもよい。
以上説明したように本実施の形態のゴルフクラブヘッド10は、フェース面12Aに投影させた中央厚肉部30Aの輪郭の高さhの1/2の位置を通る基準面と平行な直線Lsで中央厚肉部30Aを上部と下部とに分割したとき、上部の面積A2と下部の面積A1との比率A1/A2が1.2≦A1/A2≦3.3であり、より好ましくは1.2≦A1/A2≦2.8であり、さらに好ましくは1.2≦A1/A2≦2.3であるようにしたので、フェース部12のたわみ量を大きく確保しつつ、たわみ量が確保されるたわみ領域をフェース面12Aの中心点Pcよりもクラウン部14側寄りになるにしたがってより広く確保する上で有利となる。
また、図23に示すように、領域Z1で示すように、中央厚肉部30Aの外側の周囲に沿って第1の中肉部30Bが設けられているので、中央厚肉部30Aが第1の中肉部30Bで支持される。ここで、中央厚肉部30Aの厚さTA>第1の中肉部30Bの厚さTBとしたので、第1の中肉部30Bが三角形状を保持したままたわみ易くなることから、フェース部12のたわみ量を大きく確保する上で有利となる。
さらに、第1の中肉部30Bの外側の周囲に沿って第2の中肉部30Cが設けられ、この第2の中肉部30Cの外側の周囲に沿って第1の薄肉部30Dが設けられている。
したがって、中央厚肉部30Aと第1の中肉部30Bと第2の中肉部30Cを含む領域Z2で示す部分が第1の薄肉部30Dで支持される。
より具体的には、第1の中肉部30Bの外側の周囲に沿って第2の中肉部30Cが設けられ、さらに、第1厚さ移行部32Aと第2の中肉部30Cの部分30C2とを結合する接続部36が設けられているので、中央厚肉部30A、第1の厚さ移行部32A、第1の中肉部30B、接続部36、第2の厚さ移行部32B、第2の中肉部30Cが一体構造のようになり、形状保持構造となっている。
しかも、各部の厚さをTA>TC>TB>TDとしたので、中央厚肉部30Aと第1の中肉部30Bと第2の中肉部30Cを含む部分を支持する第1の薄肉部30Dがたわみ易くなることから、第2の中肉部30Cとその内側全部を含む領域Z2で示す部分が形状保持したままたわみやすくなり、フェース部12のたわみ量を大きく確保する上でより有利となる。
この結果、スイートエリアの拡大を図り打球の飛距離を向上する上で有利となる。
また、本実施の形態では、第1の薄肉部30Dの外側の周囲に沿って第2の薄肉部30Eを設けたので、中央厚肉部30Aと第1の中肉部30Bと第2の中肉部30Cと第1の薄肉部30Dとを含む部分が第2の薄肉部30Eで支持される。
ここで、各部の厚さをTD>TEとしたので、領域Z3で示すように、中央厚肉部30Aと第1の中肉部30Bと第2の中肉部30Cと第1の薄肉部30Dとを含む部分を支持する第2の薄肉部30Eがたわみ易くなることから、フェース部12のたわみ量を大きく確保する上でより有利となり、スイートエリアの拡大を図り打球の飛距離を向上する上でより一層有利となる。
なお、本実施の形態では、第1の薄肉部30Dの周囲に第2の薄肉部30Eを設けた場合について説明したが、第2の薄肉部30Eを省略してもよい。言い換えると、第1の薄肉部30Dの厚さTD=第2の薄肉部30Eの厚さTEとし、第4の厚さ移行部32Dを無くしてもよい。
しかしながら、本実施の形態のように第2の薄肉部30Eを設けると、たわみ量を大きく確保でき、スイートエリアの拡大を図り打球の飛距離を向上する上で有利となる。
以下、本発明の実験例について説明する。
なお、以下の実験例の説明では、上記の実施の形態と同一の箇所、部材に同一の符号を付しその説明を省略する。
図33〜図35は、本発明に係るゴルフクラブヘッド10の実験結果を示す図である。
試料となるゴルフクラブヘッド10を各実験例毎に作成し、1本のゴルフクラブヘッド10について以下の試験を行った。
1)高初速エリア(スイートエリア)
図32に示すように、フェース面12Aの中心点Pcを中心に、トウヒール方向およびクラウンソール方向に等間隔をおいた45箇所を打点として設定した。
専用のスイングロボットを用いて45の打点でゴルフクラブをスイングし、計測器によってゴルフボールの初速を計測した。ヘッドスピードは40m/sとした。
45打点の初速のデータを補間し、ゴルフボールの最大初速の98%以上となるフェース面12Aの高初速エリアの面積を指数化した。なお、フェースセンター打点Pcより上打点(クラウン部14側)でのデータと、下打点(ソール部16側)でのデータは、ゴルファーの実使用打点位置に合わせて、上打点(クラウン部14側)でのデータの重み付けを重くした。
高初速エリアのデータは、実験例4のゴルフクラブヘッド10の測定結果を100とした指数で示した。指数が大きいほど評価が良いことを示す。
2)耐久性能
固定したゴルフクラブヘッド10のフェース面12Aにエアキャノンにてゴルフボールを繰り返して当て、フェース部12の変形や破損が生じるまでに要した打撃回数を計測し、打撃回数を指数化した。ボールスピードは50m/sとした。
この場合、実験例4のゴルフクラブヘッド10の測定結果を100とした指数で示した。指数が大きいほど評価が良いことを示す。
3)合計点
高初速エリアの指数と耐久性能の指数とを合計したものを合計点とした。
次に、各実験例1〜28のフェース裏面12Bの形状について説明する。
なお、実験例1〜3、9〜28は本発明の範囲内であり、実験例4〜8は本発明の範囲外である。
1)実験例1、4、7〜24は、図24に示す形状であり、上述した実施の形態(実験例2に対応)との相違点は、第2の中肉部30Cが均一の厚さで形成されており、図10の肉厚の部分30C1、残りの部分30C2、第5の厚さ移行部30C3に相当する部分が無い点である。
したがって、実験例1、4、7〜24における第2の中肉部30Cの厚さは、図33〜図35において厚さTCで表す。
2)実験例2は、図10に示す形状であり、上述した実施の形態に対応するものである。
なお、図33において、実験例2における図10の肉厚の部分30C1の厚さは、TCmaxで表し、残りの部分30C2の厚さは、TCで表す。
3)実験例3は、図25に示す形状であり、実験例1(図24)との相違点は、第2の薄肉部30E、第4の厚さ移行部32Dが無い点である。
4)実験例5は、図26に示す形状であり、実験例1(図24)との相違点は、中央厚肉部30Aの形状が逆三角形を呈し、式(1)を満たしていない点である。
5)実験例6は、図27に示す形状であり、実験例1(図24)との相違点は、中央厚肉部30Aの形状が円状を呈し、式(1)を満たしていない点である。
6)実験例7〜実験例12は、図24(実験例1)と同一形状であり、実験例1との相違点は、中央厚肉部30Aの上部の面積A2と下部の面積A1との比率A1/A2を異ならせた点である。
7)実験例25は、図28に示す形状であり、実験例1(図24)との相違点は、第2の中肉部30Cがクラウン部14に沿って延在するクラウン部側部分3002と、ソール部16に沿って延在するソール部側部分3004とに分断されている点である。
8)実験例26は、図29に示す形状であり、実験例1(図24)との相違点は、第2の中肉部30Cがクラウン部14に沿って延在するクラウン部側部分3002のみで形成されている点である。
9)実験例27は、図30に示す形状であり、実験例1(図24)との相違点は、2つの接続部36に代えて、第1の厚さ移行部32Aと第2の厚さ移行部32Bとを1つの接続部36で接続した点である。
10)実験例28は、図31に示す形状であり、実験例1(図24)との相違点は、接続部36を有さない点である。
実験例1〜3、9〜28は、以下の規定1)、2)を満たすものであり、本発明に相当するものである。
さらに、実験例1、2、9〜28は、規定3)も満たしている。
実験例3は、第2の薄肉部30Eを有さないため、規定3)は満たしていない。
規定1)中央厚肉部30Aの上部の面積A2と下部の面積A1との比率A1/A2が、1.2≦A1/A2≦3.3を満たしている。
規定2)各部30A〜30Dの厚さTA〜TDが式(1)を満たす。
TA>TC>TB>TD……(1)
規定3)第1の薄肉部30Dの厚さTD、第2の薄肉部30Eの厚さTEが式(2)を満たす。
TD>TE……(2)
なお、実験例4は、TC=2.6<TB=3.0であり、上記規定2)の式(1)を満たさないものであり、本発明の範囲外のものである。
実験例5〜8は、中央厚肉部30Aの上部の面積A2と下部の面積A1との比率A1/A2が、1.2≦A1/A2≦3.3を満たしておらず、上記規定1)を満たさないものであり、本発明の範囲外のものである。
図33〜図35に示すように、本発明の範囲内の実験例1〜3、9〜28は、指数の合計点が210点〜285点であるのに対し、本発明の範囲外の実験例4〜8は、指数の合計点が190点〜200点であり、本発明の規定を満たすことが、高初速エリア、耐久性能において有利となっていることがわかる。
特に、本発明の範囲内の実験例1〜3、9〜28の高初速エリアが90点〜160点であるのに対して、本発明の範囲外の実験例4〜8の高初速エリアは80点〜110点であり、本発明は高初速エリアを確保する上で有利であることが明らかである。
次に、本発明の範囲内の実験例1(図24)、実験例2(図10)、実験例3(図25)について説明する。
実験例1〜3は、上記規定に加えて、以下の規定4)、5)を満たしている。
規定4)中央厚肉部30Aの厚さTAを4.0mm以上6.0mm以下とし、第1の中肉部30Bの厚さTBを2.5mm以上3.5mm以下とし、第2の中肉部30Cの厚さTCを2.5mm以上3.5mm以下とし、第1の薄肉部30Dの厚さTDを2.0mm以上2.5mm以下とした。
規定5)中央厚肉部30Aのフェース面積比率が8%以上13%以下であり、かつ、第1の中肉部30Bのフェース面積比率が8%以上13%以下である。
実験例1、2はさらに、以下の規定6)を満たしている。
規定6)第2の薄肉部30Eの厚さTEを1.8mm以上2.5mm以下とし、TD>TEとした。
実験例2は、第2の中肉部30Cが第1の部分30C1、第2の部分30C2、厚さ移行部30C3で構成され、かつ、第2の薄肉部30Eを有しているため、耐久性能と高初速エリアとの双方を確保しており、合計点が285点と実験例1〜3のうちで最も高い。
実験例1、3は、第2の中肉部30Cが均一厚さであるため、耐久性能と高初速エリアとの双方を確保しているが、耐久性能の効果が実験例2よりも若干小さく、合計点がそれぞれ280点、275点となっている。
なお、実験例1は、第2の薄肉部30Eを有し、実験例3は、第2の薄肉部30Eを有さない。したがって、実験例1は、第2の薄肉部30Eがたわみ易くなることから、高初速エリアが150点であり、実験例3の147点に対して高初速エリアを確保する効果がより優れている。
次に、本発明の範囲内の実験例9〜12について説明する。
実験例9〜12は、上記規定1)〜6)の全てを満たしている。
実験例9は、中央厚肉部30Aの上部の面積A2と下部の面積A1との比率A1/A2が1.2≦A1/A2≦2.3の下限値1.2である。
実験例10は、比率A1/A2が1.2≦A1/A2≦2.3の上限値2.3である。
実験例11は、比率A1/A2が1.2≦A1/A2≦2.8の上限値2.8である。
実験例12は、比率A1/A2が1.2≦A1/A2≦3.3の上限値3.3である。
なお、実験例1は、比率A1/A2が1.2≦A1/A2≦2.3を満たす1.38である。
実験例1の高速エリアが150点、耐久性能が130点、合計点が280点、実験例9の高速エリアが125点、耐久性能が145点、合計点が270点、実験例10の高速エリアが130点、耐久性能が140点、合計点が270点、実験例11の高速エリアが135点、耐久性能が127点、合計点が262点、実験例12の高速エリアが145点、耐久性能が120点、合計点が265点となっている。
したがって、高速エリアを確保する効果は、比率A1/A2が大きくなるほど効果が大きく、比率A1/A2が小さくなるほど効果が小さくなることがわかる。
また、耐久性能は、比率A1/A2が大きくなるほど効果が小さく、比率A1/A2が小さくなるほど効果が大きくなることがわかる。
したがって、比率A1/A2については、高速エリアと耐久性能とがトレードオフの関係にあることがわかる。言い換えると、比率A1/A2の値が、1.2≦A1/A2≦3.3、1.2≦A1/A2≦2.8、1.2≦A1/A2≦2.3の順で高速エリアと耐久性能との双方をバランス良く確保する上で有利となる。
次に、本発明の範囲外である実験例4について説明する。
実験例4は、TC=2.6<TB=3.0であり、上記規定2)の式(1)を満たさない。
したがって、高速エリアが100点、耐久性能は100点、合計点が200点であり、高速エリアおよび耐久性能の双方を確保する上で不利である。
次に、本発明の範囲外である実験例5、6、7、8について説明する。
実験例5は、比率A1/A2が1.2≦A1/A2≦3.3の下限値1.2を下回る0.72である。中央厚肉部30Aの形状が逆三角形である。
したがって、耐久性能は110点であるが、高速エリアが85点であり、高速エリアを確保する効果が悪い。
実験例6は、比率A1/A2が1.2≦A1/A2≦3.3の下限値1.2を下回る1.00である。中央厚肉部30Aの形状が円形である。
したがって、耐久性能は110点であるが、高速エリアが80点であり、高速エリアを確保する効果が悪い。
実験例7は、比率A1/A2が1.2≦A1/A2≦3.3の下限値1.2を下回る1.1である。中央厚肉部30Aの形状が円形に近い。
したがって、耐久性能は110点であるが、高速エリアが85点であり、高速エリアを確保する効果が悪い。耐久性能は110点であり、耐久性能の効果も悪い。
実験例8は、比率A1/A2が1.2≦A1/A2≦3.3の上限値3.3を上回る3.4である。中央厚肉部30Aの形状が二等辺三角形状であり、クラウン部14側の頂点の角度が鋭角となっている。
したがって、高速エリアは110点であるが、中央厚肉部30Aの鋭角である頂点部分に応力集中が生じることから耐久性能が84点と悪い。
実験例5〜8の結果から、比率A1/A2が1.2≦A1/A2≦3.3を下回ると高速エリアを確保する効果が悪く、また、比率A1/A2が1.2≦A1/A2≦3.3を上回ると耐久性能が悪化することがわかる。
次に、本発明の範囲内の実験例13〜20について説明する。
実験例13〜20は、上記規定1)〜規定3)、規定5)を満たしている。
実験例17〜20は、さらに規定4)、規定6)を満たしている。
実験例13〜16は、規定6)は満たすが、規定4)を満たしていない。
規定1)〜規定6)の全てを満たす実験例17〜20は、高初速エリアが110点〜150点、耐久性能が110点〜160点、合計点が260点〜270点である。
厚さTA、TBが規定4)を下回る実験例13は、高初速エリアは120点、耐久性能90点であり、耐久性能を確保する効果が小さい。
各厚さTA、TB、TCが規定4)を上回る実験例14は、高初速エリアは90点、耐久性能は120点であり、高初速エリアを確保する効果が小さい。
各厚さTD=1.9mmが規定4)の2.0mm以上2.5mm以下を下回る実験例15は、高初速エリアは125点、耐久性能90点であり、耐久性能を確保する効果が小さい。
各厚さTD=2.6mmが規定4)の2.0mm以上2.5mm以下を上回る実験例16は、高初速エリアは95点、耐久性能120点であり、高初速エリアを確保する効果が小さい。
したがって、規定1)〜規定3)、規定5)に加えて、規定4)、規定6)を満たすことが高初速エリアおよび耐久性能の双方を確保する上で有利であることがわかる。
次に、本発明の範囲内である実験例21〜24について説明する。
実験例21〜24は、上記規定1)〜6)のうち規定5)の範囲を下回りあるいは上回っている。
中央厚肉部30Aのフェース面積比率が1%であり、2%以上7%以下の範囲を下回る実験例21は、高初速エリアは125点であるが、耐久性能が95点であり、耐久性能を確保する効果が小さい。
中央厚肉部30Aのフェース面積比率が8%であり、2%以上7%以下の範囲を上回る実験例22は、耐久性能が125点であるが、高初速エリアは100点であり、高初速エリアを確保する効果が小さい。
第1の中肉部30Bのフェース面積比率が7%であり、8%以上13%以下の範囲を下回る実験例23は、耐久性能が120点であるが、高初速エリアは105点であり、高初速エリアを確保する効果が小さい。
第1の中肉部30Bのフェース面積比率が8%以上13%以下の範囲を上回る実験例24は、高初速エリアは125点であるが、耐久性能が97点であり、耐久性能を確保する効果が小さい。
したがって、規定5)を満たすことが高初速エリアおよび耐久性能の双方を確保する上で有利であることがわかる。
次に、本発明の範囲内の実験例25(図28)、実験例26(図29)について説明する。
実験例25、26は、上記規定1)〜6)を満たすものである。
実験例25は、図28に示すように、第2の中肉部30Cは、クラウン部14側においてトウヒール方向に延在するクラウン部側部分3002と、ソール部16側においてトウヒール方向に延在するソール側部分3004とを有し、それら第2の中肉部30Cの部分の間は分断されている。
したがって、第2の厚さ移行部32Bは、第1の中肉部30Bとそれら第2の中肉部30Cのクラウン部側部分3002、ソール側部分3004との間に位置している。
また、第3の厚さ移行部32Cは、中央厚肉部30Aの外側の周囲全周に沿って延在しており、クラウン部14側においてトウヒール方向に延在する第3の厚さ移行部32Cの部分は、第2の中肉部30Cのクラウン部側部分3002から第1の薄肉部30Dに向かって厚さが滑らかに変化している。
また、ソール部16側においてトウヒール方向に延在する第3の厚さ移行部32Cの部分は、第2の中肉部30Cに接続されてその厚さがソール16側に至るにつれて次第に小さくなるように変化している。
また、第2の中肉部30Cのクラウン部側部分3002とソール側部分3004との間の分断された部分は、第2の厚さ移行部32Bと第3の厚さ移行部32Cとが接続されており、この部分は、第1の中肉部30Bから第1の薄肉部30Dに向かって厚さが滑らかに変化している。
さらに、第2の中肉部30Cのクラウン部側部分3002の延在方向の両端は、クラウン部側部分3002から第3の厚さ移行部32Cに向かって厚さが滑らかに変化する厚さ移行部3010となっている。
また、第2の中肉部30Cのソール側部分3004の延在方向の両端は、ソール側部分3004から第3の厚さ移行部32Cに向かって厚さが滑らかに変化する厚さ移行部3012となっている。
実験例26は、図29に示すように、第2の中肉部30Cは、クラウン部14側においてトウヒール方向に延在するクラウン部側部分3002を有している。
したがって、第2の厚さ移行部32Bは、第1の中肉部30Bと第2の中肉部30Cのクラウン部側部分との間のみに位置している。
また、第3の厚さ移行部32Cは、中央厚肉部30Aの外側の周囲全周に沿って延在しており、クラウン部14側においてトウヒール方向に延在する第3の厚さ移行部32Cの部分は、第2の中肉部30Cのクラウン部側部分3002から第1の薄肉部30Dに向かって厚さが滑らかに変化している。
また、第3の厚さ移行部32Cのソール部16側でトウ20側の部分とヒール22側の部分とは、第1の中肉部30Bから第1の薄肉部30Dに向かって厚さが滑らかに変化している。
また、第3の厚さ移行部32Cのソール部16側でトウ20側の部分とヒール22側の部分を除いた箇所は、第1の中肉部30Bに接続されてその厚さがソール16側に至るにつれて次第に小さくなるように変化している。
さらに、第2の中肉部30Cのクラウン部側部分3002の延在方向の両端は、クラウン部側部分3002から第3の厚さ移行部32Cに向かって厚さが滑らかに変化する厚さ移行部3010となっている。
すなわち、実験例1(図24)では第2の中肉部30Cが中央厚肉部30Aの周囲全周にわたって環状に延在しているのに対して、実験例25、26は、第2の中肉部30Cが中央厚肉部30Aの周囲の限られた部分に延在している。
実験例1の高速エリアが150点、耐久性能が130点、合計点が280点であり、実験例25の高速エリアが125点、耐久性能が110点、合計点が235点であり、実験例26の高速エリアが120点、耐久性能が108点、合計点が228点であり、実験例1、25、26の順で高初速エリアの効果が低下している。
したがって、第2の中肉部30Cは中央厚肉部30Aの周囲全周にわたって設ける方が高初速エリアを確保する上でより有利であることがわかる。
次に、本発明の範囲内の実験例27、28について説明する。
実験例27、28は、上記規定1)〜6)を満たすものである。
実験例27は、図30に示すように、第1の厚さ移行部32Aと第2の厚さ移行部32Bとを1つの接続部36で接続した点が実験例1と異なっている。
実験例28は、図31に示すように、接続部36を有さない点が実験例1と異なっている。
すなわち、実験例1が2つの接続部36を有しているのに対して、実験例27は1つの接続部36を有し、実験例28は接続部36を有さない。
実験例1の高速エリアが150点、耐久性能が130点、合計点が280点であり、実験例27の高速エリアが140点、耐久性能が120点、合計点が260点であり、実験例28の高速エリアが133点、耐久性能が112点、合計点が245点であり、実験例1、27、28の順で高初速エリアおよび耐久性能の効果が低下している。
したがって、接続部36を設ける方が高初速エリアおよび耐久性能を確保する上で有利であり、2つの接続部36を設ける方が1つの接続部36を設けるよりも高初速エリアおよび耐久性能を確保する上でより有利であることがわかる。
10……ゴルフクラブヘッド、12……フェース部、12A……フェース面、12B……フェース裏面、14……クラウン部、16……ソール部、20……トウ、22……ヒール、30A……中央厚肉部、30B……第1の中肉部、30C……第2の中肉部、30D……第1の薄肉部、30E……第2の薄肉部、32A……第1の厚さ移行部、32B……第2の厚さ移行部、32C……第3の厚さ移行部、32D……第4の厚さ移行部、36……接続部、30C1……第2の中肉部30Cの厚肉に形成された部分、30C2……第2の中肉部30Cの残りの部分、30C3……第5の厚さ移行部、TA……中央厚肉部30Aの厚さ、TB……第1の中肉部30Bの厚さ、TC……第2の中肉部30Cの厚さ、TD……第1の薄肉部30Dの厚さ、TE……第2の薄肉部30Eの厚さ。
上記目的を達成するために、本発明は、上下の高さを有して左右に延在するフェース部と、前記フェース部の上部から後方に延在するクラウン部と、前記フェース部の下部と前記クラウン部の下部とを接続するソール部とを備え、それらフェース部とクラウン部とソール部とで囲まれた内部が中空部となっているゴルフクラブヘッドであって、前記中空部側に位置する前記フェース部のフェース裏面は、中央領域に設けられた中央厚肉部と、前記中央厚肉部の外側の周囲に沿って配置された第1の中肉部と、前記第1の中肉部の外側の周囲に沿って配置された第2の中肉部と、前記第2の中肉部の外側の周囲に沿って配置された第1の薄肉部と、前記中央厚肉部と前記第1の中肉部との間に配置され前記中央厚肉部から前記第1の中肉部に向かって厚さが滑らかに変化する第1の厚さ移行部と、前記第1の中肉部と前記第2の中肉部との間に配置され前記第1の中肉部から前記第2の中肉部に向かって厚さが滑らかに変化する第2の厚さ移行部と、前記第2の中肉部と前記第1の薄肉部との間に配置され前記第2の中肉部から前記第1の薄肉部に向かって厚さが滑らかに変化する第3の厚さ移行部とを備え、前記ゴルフクラブヘッドを、基準面に対して予め定められたライ角およびロフト角通りに設置した基準状態で、前記基準面と直交する方向で前記フェース面に投影させた前記中央厚肉部の輪郭の高さの1/2の位置を通る前記基準面と平行な直線で中央厚肉部を上部と下部とに分割したとき、上部の面積A2と下部の面積A1との比率A1/A2が1.2≦A1/A2≦3.3であり、前記中央厚肉部の厚さをTA、前記第1の中肉部Bの厚さをTB、前記第2の中肉部Cの厚さをTC、前記第1の薄肉部Dの厚さをTDとしたとき、各部の厚さが以下の式(1)を満たすことを特徴とするゴルフクラブヘッド。
TA>TC>TB>TD ……(1)
本発明によれば、フェース面に投影させた中央厚肉部の輪郭の高さhの1/2の位置を通る基準面と平行な直線で中央厚肉部を上部と下部とに分割したとき、上部の面積A2と下部の面積A1との比率A1/A2が1.2≦A1/A2≦3.3であるようにしたので、フェース部のたわみ量を大きく確保しつつ、たわみ量が確保されるたわみ領域をフェース面の中心点よりもクラウン部側寄りになるにしたがってより広く確保する上で有利となる。
また、中央厚肉部の厚さTA>第1の中肉部の厚さTBとしたので、第1の中肉部がたわみ易くなることは無論のこと、中央厚肉部の厚さTA>第2の中肉部の厚さTC>第1の中肉部の厚さTB>第1の薄肉部の厚さTDとしたので、中央厚肉部と第1の中肉部と第2の中肉部を含む部分を支持する第1の薄肉部がたわみ易くなることから、フェース部のたわみ量を大きく確保する上で有利となる。
この結果、スイートエリアの拡大を図り打球の飛距離を向上する上で有利となる。

Claims (9)

  1. 上下の高さを有して左右に延在するフェース部と、前記フェース部の上部から後方に延在するクラウン部と、前記フェース部の下部と前記クラウン部の下部とを接続するソール部とを備え、それらフェース部とクラウン部とソール部とで囲まれた内部が中空部となっているゴルフクラブヘッドであって、
    前記中空部側に位置する前記フェース部のフェース裏面は、
    中央領域に設けられた中央厚肉部と、
    前記中央厚肉部の外側の周囲に沿って配置された第1の中肉部と、
    前記第1の中肉部の外側の周囲に沿って配置された第2の中肉部と、
    前記第2の中肉部の外側の周囲に沿って配置された第1の薄肉部と、
    前記中央厚肉部と前記第1の中肉部との間に配置され前記中央厚肉部から前記第1の中肉部に向かって厚さが滑らかに変化する第1の厚さ移行部と、
    前記第1の中肉部と前記第2の中肉部との間に配置され前記第1の中肉部から前記第2の中肉部に向かって厚さが滑らかに変化する第2の厚さ移行部と、
    前記第2の中肉部と前記第1の薄肉部との間に配置され前記第2の中肉部から前記第1の薄肉部に向かって厚さが滑らかに変化する第3の厚さ移行部とを備え、
    前記ゴルフクラブヘッドを、基準面に対して予め定められたライ角およびロフト角通りに設置した基準状態で、前記基準面と直交する方向で前記フェース面に投影させた前記中央厚肉部の輪郭の高さの1/2の位置を通る前記基準面と平行な直線で中央厚肉部を上部と下部とに分割したとき、上部の面積A2と下部の面積A1との比率A1/A2が1.2≦A1/A2≦3.3であり、より好ましくは1.2≦A1/A2≦2.8であり、さらに好ましくは1.2≦A1/A2≦2.3であり、
    前記中央厚肉部の厚さをTA、前記第1の中肉部Bの厚さをTB、前記第2の中肉部Cの厚さをTC、前記第1の薄肉部Dの厚さをTDとしたとき、各部の厚さが以下の式(1)を満たすことを特徴とするゴルフクラブヘッド。
    TA>TC>TB>TD ……(1)
  2. TAは4.0mm以上6.0mm以下、
    TBは2.5mm以上3.5mm以下、
    TCは2.5mm以上3.5mm以下、
    TDは2.0mm以上2.5mm以下である、
    ことを特徴とする請求項1記載のゴルフクラブヘッド。
  3. 前記中空部と反対に位置する前記フェース部の面をフェース面としたとき、
    前記フェース面に投影させた前記中央厚肉部の面積は、前記フェース面の面積の2%以上7%以下であり、
    前記フェース面に投影させた前記第1の中肉部の面積は、前記フェース面の面積の8%以上13%以下である、
    ことを特徴とする請求項1または2記載のゴルフクラブヘッド。
  4. 前記第1の薄肉部の外側の周囲に沿って配置された第2の薄肉部と、
    前記第1の薄肉部と前記第2の薄肉部との間に配置され前記第1の薄肉部から前記第2の薄肉部に向かって厚さが滑らかに変化する第4の厚さ移行部とを備え、
    前記第2の薄肉部の厚さをTEとしたとき、
    前記第1の薄肉部の厚さTDと前記第2の薄肉部の厚さTEが以下の式(2)を満たすことを特徴とする請求項1〜3に何れか1項記載のゴルフクラブヘッド。
    TD>TE……(2)
  5. 前記第2の薄肉部の厚さTEは1.8mm以上2.5mm以下である、
    ことを特徴とする請求項4記載のゴルフクラブヘッド。
  6. 前記第1の厚さ移行部の前記ソール部寄りの箇所からソール方向に延在して前記第2の厚さ移行部に接続され、かつ、前記第1の厚さ移行部と前記第2の厚さ移行部と前記第1の中肉部Bとに対して厚さが滑らかに変化する接続部が形成されている、
    ことを特徴とする請求項1〜5に何れか1項記載のゴルフクラブヘッド。
  7. 前記第1の厚さ移行部の前記ソール部寄りでトウ側とヒール側の箇所からそれぞれソール方向に延在して前記第2の厚さ移行部に接続され、かつ、前記第1の厚さ移行部と前記第2の厚さ移行部と前記第1の中肉部Bとに対して厚さが滑らかに変化する接続部が形成されている、
    ことを特徴とする請求項1〜5に何れか1項記載のゴルフクラブヘッド。
  8. 前記第1の中肉部は、前記中央厚肉部の前記クラウン部側の部分を除いた外側の周囲に沿って配置され、
    前記第2の中肉部は前記中央厚肉部の外側の周囲全周に沿って延在しており、
    前記第1の厚さ移行部は、中央厚肉部の周囲全周に沿って延在しており、
    前記第2の厚さ移行部は、前記第1の中肉部が配置されない前記中央厚肉部の前記クラウン部側の部分では、前記第1の厚さ移行部と前記第2の中肉部との間に位置して前記第1の厚さ移行部から前記第2の中肉部に向かって厚さが滑らかに変化している、
    ことを特徴とする請求項1〜7に何れか1項記載のゴルフクラブヘッド。
  9. 前記第2の中肉部は、前記クラウン部側の部分が、残りの部分よりも厚肉に形成され、
    前記厚肉に形成された前記第2の中肉部の前記クラウン部側の部分のトウ側とヒール側に、クラウンソール方向に延在し前記第2の厚さ移行部と前記第3の厚さ移行部とを接続する第5の厚さ移行部が設けられ、
    前記第5の厚さ移行部は、前記第2の中肉部の前記厚肉に形成された部分と前記残りの部分との間で厚さが滑らかに変化している、
    ことを特徴とする請求項8記載のゴルフクラブヘッド。
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