JP2014030535A - 物品の殺菌方法 - Google Patents

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Abstract

【課題】物品の殺菌方法を提供すること。
【解決手段】物品を殺菌する際に、分子状次亜塩素酸を主とした塩素化学種を含有する水を洗浄槽内で40℃以上65℃以下に加熱し、1min以上30min以下、物品を浸漬する。また、前記物品を浸漬する際に、前記分子状次亜塩素酸を主とした塩素化学種を含有する水を連続的に前記洗浄槽に注加することができ、さらに、前記分子状次亜塩素酸を主とした塩素化学種を含有する水を満たした前記洗浄槽に前記物品を浸漬した後、低温で殺菌活性を有する塩素化学種を含有した水で冷却することができる。
【選択図】図1

Description

本発明は、物品の殺菌方法に関し、より詳細には、分子状次亜塩素酸を主とした塩素化学種を含有する水を用いた物品の殺菌方法に関する。
物品を殺菌するための従来法として、65℃以上の加熱による方法や薬剤を用いる方法が知られている。65℃以上の加熱による殺菌方法は、物品への影響やエネルギーコストの他、不適切な取扱いにより作業者が熱傷を負う危険性や、耐熱性のある細菌芽胞などの微生物に対しては十分な効果が得られないといった問題があった。
一方、薬剤による殺菌方法は、安全性や効果の面から使用できる物品に制限がある、物品に望まない影響を与えてしまう、物品の表面だけへの効果に終わってしまう、物品の表面が撥水性の物質や細毛または微細な凹凸で覆われている場合に、十分な効果が得られない、処理後に濯ぎなどの薬剤を取り除く行程が必要になるといった問題があり、優れた殺菌方法であるとは言えなかった。
ところで、近年、有効塩素を含有したpH5.0〜6.5のいわゆる微酸性電解水が注目を集めている。例えば、国際公開第2011/158279号パンフレット、特許第4712915号(特願2011−504069)(特許文献1)には、微酸性電解水の製造装置およびそのために使用することができる電解槽が記載されている。なお、本明細書において、用語「微酸性電解水」とは、食品添加物対応、2002年6月10日、官報 第3378号に規定されるように、pH:5.0〜6.5、有効塩素濃度:10〜30mg/Lの範囲の水溶液を意味する。
図2は、特許文献1に記載された微酸性電解水を製造するための電解装置200の概略図である。この図を用いて、微酸性電解水の製造方法について説明する。電解装置200は、電解槽210を備えており、制御装置232により制御が行われている。希釈水は、希釈水流路228に設置された電磁弁220、フロースイッチ221、定流量弁222、チェック弁223を経由して、電解槽210内に設けられた希釈水流路に導入される。
希塩酸は、希塩酸ポンプ225により希塩酸タンク224から所定量吸引されて電解槽210の下部に配設された貯留部へと供給され、圧力および流速が安定化された後、電解槽210の電極スタック212内へと導入される。電極スタック212には、直流電源231から直流電流が印加されており、電極スタック212を成す平板電極の間に流入した希塩酸を電解する。直流電源231から電解槽210への給電電線上には、電流センサー230が設置されており、常時電流値が監視されている。
電解槽210で電解され生成した被電解液は、電解槽210の上部の開口から希釈水流路に排出され、希釈水と混合され、流路229に排出される。流出された被電解液は、流路上に設置されたスタティックミキサー227を通過してさらに均一混合され、微酸性電解水として排出される。
上記のように製造される微酸性電解水は、含塩素組成物の電解により生成された、分子状次亜塩素酸を酸化性生成物として含有しているため、高い酸化能力を有している。この高い酸化能力は、殺菌、除菌、脱臭、脱色、手洗い用、洗顔用などの高機能水として利用されている。
国際公開第2011/158279号パンフレット
本発明は、物品の殺菌工程に分子状次亜塩素酸を主とした塩素化学種を含有する水を使用することによって、安全で汎用性があり、低コストで効果的な物品の殺菌方法を提供することを目的とする。
本発明者は、鋭意検討を重ねた結果、物品を殺菌するために、40℃以上65℃以下に加熱した分子状次亜塩素酸を主とした塩素化学種を含有する水に物品を浸漬することによって、高熱による殺菌や、薬剤による殺菌の問題点を改善できることを見出し、本発明に至ったのである。
すなわち、本発明では、物品を殺菌する際に、分子状次亜塩素酸を主とした塩素化学種を含有する水を40℃以上65℃以下に加熱し、物品を浸漬する。
本発明により、分子状次亜塩素酸を主とした塩素化学種を含有する水に浸漬された物品は、常圧での熱処理や殺菌剤で効果のない細菌芽胞や表面下の汚染物についても短時間で殺菌されており、高温加熱や薬品による処理が行われていないため、例えば食品であれば、組織の損傷を防ぎ、低コストで安全に殺菌することが可能となる。また、お絞り、シーツ、ガーゼ、タオルなどのリネン製品であれば、殺菌の他、漂白や脱臭の効果を得ることも可能となる。
物品の殺菌洗浄工程のフローチャート100。 微酸性電解水を製造するための電解装置200の概略図。
以下、本発明を実施形態をもって説明するが、本発明は、後述する実施形態に限定されるものではない。図1は、浸漬水となる分子状次亜塩素酸を主とした塩素化学種を含有する水として、微酸性電解水を用いた物品の殺菌洗浄工程のフローチャートである。殺菌洗浄工程は、主に3工程によって行われる。第1工程では、希塩酸を無隔膜電解槽で電気分解し、微酸性電解水を生成する。この際、微酸性電解水研究所社製の微酸性電解水製造装置を使用することができる。
第2工程では、洗浄槽内に微酸性電解水を注入し、所定温度まで加温する。微酸性電解水の温度は、殺菌対象である物品に応じて最適に決定することができる。例えば、熱に弱いイチゴやレタスなどは、40〜50℃程度で処理を行うことにより、熱による組織の損傷をさけることができ、イモ類のように熱の影響を受けにくいものは50〜65℃で処理を行うことにより、効果的な殺菌を行うことが可能である。また、おしぼり、シーツ、ガーゼ、タオルなどの食品以外のものについては、40〜65℃の広範囲で処理を行うことができ、60〜65℃の範囲で処理を行うことによって、より短時間での殺菌が可能である。
第3工程では、加温された微酸性電解水中に物品を浸漬する。浸漬時間は、物品の表面下への効果を得るためには1〜30minが望ましい。なお、30min以上の浸漬については、画期的な効果の向上は望めず、コストや物品への影響といった面でも、優れた方法であるとは言えない。また、微酸性電解水に対して、殺菌対象物の量が多い場合は、第3工程中で微酸性電解水を連続的に注加し、有効塩素濃度の低下を防ぐのが望ましい。この際、予め加温した微酸性電解水を注加してもよく、洗浄槽内の微酸性電解水を加温して温度を保持しても良い。
なお、第3工程後、急冷が必要な際は、再汚染を防ぐため、低温で殺菌活性を有する塩素化学種を含有した水を用いて冷却することが可能である。また、分子状次亜塩素酸を主とした塩素化学種を含有する水としては、微酸性電解水のみならず、強酸性次亜塩素酸水、次亜塩素酸ナトリウム溶液、次亜塩素酸ナトリウム溶液を酸溶液でpH4以上7以下に中和した溶液を用いることが可能である。
以上、本発明を実施形態をもって説明してきたが、以下、本発明について、実施例をもってより具体的に説明する。なお、本発明は後述する実施例に限定されるものではない。
図1のフローチャートに示した殺菌方法の効果の検証のため、ショウガ、レタス、イチゴ、バナナ、ニラ、ナガイモ、キュウリ、おしぼり、およびデンプンを用いて微生物検査を行った。以下、順に結果を示す。
(1)ショウガ
ショウガは、収穫後2ヶ月間貯蔵したものを使用し、事前処理として、水洗いを行って土を落とした後、余分な茎を折った。浸漬水は、微酸性電解水研究所社製のHOCL0.36tを用いて生成し、有効塩素濃度24ppm、pH6.0に調整した微酸性電解水を使用した。生成された微酸性電解水を洗浄槽へ注入し、50℃に加温した。そこへ事前処理後のショウガを投入し、15min浸漬したものを試料A(実施例1)、また、微酸性電解水の代わりに水道水に浸漬したことを除いて、同様に処理したショウガを試料B(比較例1)とした。
微生物検査は、以下の手順で行った。試料Aおよび試料Bは、滅菌済みの破砕機(大阪ケミカル社製、フォースミル)でペースト状に破砕された後、無菌の不織布で濾過され、その濾過液を微生物検査の試料とした。これらの濾過液をシート培地(JNC社製、サニ太くん)へ滴下し、一般生菌については35℃で48時間、大腸菌群については35℃で24時間培養し、一般生菌数および大腸菌群数を測定した。結果を以下の表1に示す。なお、表中の無処理とは、事前処理後のショウガをそのままペースト状に破砕、濾過し、微生物検査の試料としたものである。
表1に示す通り、微酸性電解水で処理を行った試料Aは、無処理のショウガに比べ、一般生菌数が約300分の1、大腸菌群数が約6000分の1に減菌されたのに対し、水道水で処理を行った試料Bは、一般生菌数が約3分の1、大腸菌群数が約10分の1の減菌に留まった。なお、試料Aおよび試料Bともに、50℃の加温処理による、味、匂い、歯応えの変化は見られなかった。
次に、浸漬水として、次亜塩素酸ナトリウム溶液を塩酸で中和し、有効塩素濃度46ppm、pH6.6に調整した溶液を50℃に加温し、事前処理を行ったショウガを15min浸漬したものを試料C(実施例2)とした。また、次亜塩素酸ナトリウム溶液を塩酸で中和した溶液の代わりに水道水を用いたことを除いて、同様に処理したショウガを試料D(比較例2)とした。微生物検査は、試料Aおよび試料Bと同様に行い、無処理のショウガと比較を行った。結果を以下の表2に示す。
表2に示す通り、次亜塩素酸ナトリウム溶液を塩酸で中和した溶液で処理を行った試料Cは、微酸性電解水で処理を行った試料Aと比べると効果は劣るものの、無処理のショウガと比べ、一般生菌数が約30分の1、大腸菌群数が約600分の1という結果であり、水道水で処理を行った試料Dよりもはるかに効果があることが示された。
さらに、浸漬水として、有効塩素濃度24ppm、pH6.0に調整した微酸性電解水を63℃に加温し、事前処理を行ったショウガを15min浸漬したものを試料E(実施例3)とした。また、微酸性電解水の代わりに水道水を用いたことを除いて、同様に処理したショウガを試料F(比較例3)とした。微生物検査は、試料Aおよび試料Bと同様に行い、無処理のショウガと比較を行った。結果を以下の表3に示す。
表3に示す通り、50℃の微酸性電解水での処理に比べ、63℃の微酸性電解水での処理は、さらに高い殺菌効果があることが示された。しかしながら、味、歯応えは、50℃の微酸性電解水での処理に比べてわずかに劣るものであった。
(2)レタス
試料となるレタスは、市販のものを用い、浸漬水は、有効塩素濃度21ppm、pH6.2に調整した微酸性電解水を用いた。この浸漬水を洗浄槽中で45℃に加温し、15min浸漬したレタスを試料G(実施例4)とした。また、微酸性電解水の代わりに水道水を用いたことを除いて、同様に処理したレタスを試料H(比較例4)とした。微生物検査は、ショウガと同様に行い、結果を以下の表4に示す。なお、表中の無処理とは、市販のレタスをそのまま微生物検査の対象としたものである。
表4に示す通り、一般生菌、大腸菌群ともに、水道水で処理を行った試料Hは、無処理のレタスに比べ、約3分の2程度の減菌に留まったが、微酸性電解水で処理を行った試料Gは、一般生菌については約80分の1、大腸菌群については無菌状態にまで減菌されることが示された。また、45℃の加温処理による、外観、歯応えの変化は見られなかった。
(3)イチゴ
試料となるイチゴは、市販のへた付きのものを用い、浸漬水は、有効塩素濃度24ppm、pH6.1に調整した微酸性電解水を用いた。この浸漬水を洗浄槽中で45℃に加温し、15min浸漬したイチゴを試料I(実施例5)とした。また、微酸性電解水の代わりに水道水を用いたことを除いて、同様に処理したイチゴを試料J(比較例5)とした。微生物検査は、破砕の際に果汁の粘度を下げるため、果肉と同量の減菌生理食塩水を加えた他は、ショウガと同様に行った。結果を以下の表5に示す。なお、表中の無処理とは、へた付きのイチゴに減菌生理食塩水を加えて、微生物検査の対象としたものである。
表5に示す通り、無処理のものと比べ、微酸性電解水で処理を行った試料Iは、一般生菌は約500分の1、大腸菌群については無菌状態にまで減菌されており、水道水で処理を行った試料Jと比べても、実施例に十分な殺菌効果があることが示された。また、45℃の加温処理による、外観、歯応え等の変化は見られなかった。
(4)バナナ
試料となるバナナは、市販の皮付きのものを用い、浸漬水は、有効塩素濃度24ppm、pH6.1に調整した微酸性電解水を用いた。この浸漬水を洗浄槽中で45℃に加温し、15min浸漬したバナナを試料K(実施例6)とした。また、微酸性電解水の代わりに水道水を用いたことを除いて、同様に処理したバナナを試料L(比較例6)とした。微生物検査は、シート培地(JNC社製、サニ太くん)に減菌生理食塩水を1mL浸潤させ、バナナの皮の表面に押し当てた後、一般生菌については35℃で48時間、大腸菌群については35℃で24時間培養し、一定表面積あたりの菌数を測定した。微生物検査は2回行い、表6の各項目に1回目および2回目の結果を、カンマを挟んで示している。なお、表中の無処理とは、市販の皮付きのバナナをそのまま微生物検査の対象としたものである。
表6に示す通り、微酸性電解水で処理を行った試料Kは、1回目、2回目の検査ともに、一般生菌および大腸菌群が無菌状態まで減菌されており、水道水で処理を行った試料Lと比べても、実施例に十分な殺菌効果があることが示された。
(5)ニラ
ニラは、市販のものを長さ2cmにカットして全体を混合した後、一定量を秤取して試料として用いた。浸漬水は、有効塩素濃度24ppm、pH6.1に調整した微酸性電解水を用い、洗浄槽中で45℃に加温し、15min浸漬したニラを試料M(実施例7)とした。また、微酸性電解水の代わりに水道水を用いたことを除いて、同様に処理したニラを試料N(比較例7)とした。微生物検査は、イチゴと同様に行い、結果を以下の表7に示す。なお、表中の無処理とは、2cmにカットして一定量を秤取したニラに減菌生理食塩水を加えて破砕し、微生物検査の対象としたものである。
表7に示す通り、無処理のものと比べ、微酸性電解水で処理を行った試料Mは、一般生菌は約50分の1、大腸菌群は約100分の1に減菌され、水道水で処理を行った試料Nと比べても、実施例に十分な殺菌効果があることが示された。また、45℃の加温処理による、外観の変化は見られなかった。
(6)ナガイモ
ナガイモは、ほとんどの微生物が表皮付近に偏在すると予想されるため、市販のナガイモの表皮をヒゲ根付きのまま約1mmの厚さに剥皮し、幅1cm、長さ3cmにカットして全体を混合し、一定量を秤取したものを試料とした。浸漬水は、有効塩素濃度24ppm、pH6.1に調整した微酸性電解水を用い、洗浄槽中で45℃に加温し、15min浸漬したナガイモを試料O(実施例8)とした。また、微酸性電解水の代わりに水道水を用いたことを除いて、同様に処理したナガイモを試料P(比較例8)とした。微生物検査は、イチゴと同様に減菌生理食塩水を加えて行った。結果を以下の表8に示す。なお、表中の無処理とは、表皮をカットして一定量を秤取したナガイモに減菌生理食塩水を加えて破砕し、微生物検査の対象としたものである。
表8に示す通り、無処理のものと比べ、微酸性電解水で処理を行った試料Oは、一般生菌は約60分の1、大腸菌群については無菌状態にまで減菌されており、水道水で処理を行った試料Pと比べても、実施例に十分な殺菌効果があることが示された。また、45℃の加温処理による、歯応えの変化は見られなかった。
(7)キュウリ
キュウリは、ナガイモ同様、ほとんどの微生物が表皮付近に偏在すると予想されるため、市販のキュウリの表皮をイボ付きのまま約1mmの厚さに剥皮し、幅1cm、長さ3cmにカットして全体を混合し、一定量を秤取したものを試料とした。浸漬水は、有効塩素濃度24ppm、pH6.1に調整した微酸性電解水を用い、洗浄槽中で45℃に加温し、15min浸漬したキュウリを試料Q(実施例9)とした。また、微酸性電解水の代わりに水道水を用いたことを除いて、同様に処理したキュウリを試料R(比較例9)とした。微生物検査は、イチゴと同様に減菌生理食塩水を加えて行った。結果を以下の表9に示す。なお、表中の無処理とは、表皮をカットして一定量を秤取したキュウリに減菌生理食塩水を加えて破砕し、微生物検査の対象としたものである。
表9に示す通り、無処理のものと比べ、微酸性電解水で処理を行った試料Qは、一般生菌は約70分の1、大腸菌群は約20分の1に減菌され、水道水で処理を行った試料Rと比べても、実施例に十分な殺菌効果があることが示された。また、45℃の加温処理による、歯応えの変化は見られなかった。
(8)おしぼり
おしぼりは、使用済みのものを5cm四方にカットして試料とした。浸漬水は、有効塩素濃度25ppm、pH5.8に調整した微酸性電解水および有効塩素濃度100ppm、pH8.7に調整した次亜塩素酸ナトリウム溶液を用い、それぞれ洗浄槽中で50℃に加温し、15min浸漬したおしぼりを試料S(実施例10)および試料T(実施例11)とした。
微生物検査は、以下の手順で行った。試料Sおよび試料Tは、それぞれ滅菌済みの破砕機へ入れ、残留有効塩素を中和させるために、予備試験で予め把握しておいた量の滅菌チオ硫酸ナトリウム溶液を添加し、さらに、添加水の合計が20mLになるよう滅菌生理食塩水を加えて激しく攪拌した。攪拌後の液をシート培地へ滴下し、所定時間培養し、一般生菌数および大腸菌群数を測定した。結果を以下の表10に示す。なお、表中の無処理とは、5cm四方にカットしたおしぼりを滅菌生理食塩水のみを添加して攪拌し、微生物検査の対象としたものである。
表10に示す通り、微酸性電解水で処理を行った試料Sは、一般生菌、大腸菌群ともに無菌状態にまで減菌されることが示された。また、次亜塩素酸ナトリウム溶液で処理を行った試料Tについても、大腸菌群については無菌状態となり、実施例10および11ともに十分な殺菌効果があることが示された。
(9)デンプン
デンプンは、市販のジャガイモデンプン粉を用い、浸積水は、有効塩素濃度28ppm、pH6.1に調整した微酸性電解水および有効塩素濃度100ppm、pH8.6に調整した次亜塩素酸ナトリウム溶液を用いた。これらの浸漬水をそれぞれ洗浄槽中で45℃に加温してデンプン粉を30min浸漬し、沈殿後の上澄みを捨てて得られた湿潤デンプンをそれぞれ試料U(実施例12)、試料V(実施例13)とした。湿潤デンプンの固形分率は53%であった。微生物検査は、ショウガと同様に行い、結果を以下の表11に示す。
表11に示す通り、微酸性電解水で処理を行った試料Uは、一般生菌については約1500分の1、大腸菌群については無菌状態にまで減菌されることが示された。また、次亜塩素酸ナトリウム溶液で処理を行った試料Vは、一般生菌については約70分の1、大腸菌群については約130分の1にまで減菌され、実施例12および13ともに十分な殺菌効果があることが示された。
以上、説明したように、本発明によれば、40℃以上65℃以下に加熱した分子状次亜塩素酸を主とした塩素化学種を含有する水に物品を浸漬することによって、高熱での処理や薬剤による処理が必要なく、安全で汎用性があり、低コストで効果的な物品の殺菌方法が提供される。
200‥電解装置、210‥電解槽、212‥電極スタック、220‥電磁弁、221‥フロースイッチ、222‥定流量弁、223‥チェック弁、224‥希塩酸タンク、225‥希塩酸ポンプ、227‥スタティックミキサー、228‥希釈水流路、229‥流路、230‥電流センサー、231‥直流電源、232‥制御装置

Claims (5)

  1. 物品を、40℃以上65℃以下に加熱した分子状次亜塩素酸を主とした塩素化学種を含有する水を満たした水槽に、1min以上30min以下浸漬する、物品の殺菌方法。
  2. 前記物品を浸漬する際に、前記分子状次亜塩素酸を主とした塩素化学種を含有する水を連続的に前記水槽に注加する、請求項1に記載の物品の殺菌方法。
  3. 前記分子状次亜塩素酸を主とした塩素化学種を含有する水を満たした前記水槽に前記物品を浸漬した後、低温で殺菌活性を有する塩素化学種を含有した水で冷却する、請求項1または2に記載の物品の殺菌方法。
  4. 前記分子状次亜塩素酸を主とした塩素化学種を含有する水は、希塩酸を無隔膜電解槽で電解し、電解液を希釈することによって得られる、pH5.0〜6.5の次亜塩素酸水である、請求項1〜3のいずれか1項に記載の物品の殺菌方法。
  5. 前記分子状次亜塩素酸を主とした塩素化学種を含有する水は、強酸性次亜塩素酸水、次亜塩素酸ナトリウム溶液、または次亜塩素酸ナトリウム溶液を酸溶液でpH4以上7以下に中和した溶液である、請求項1〜3のいずれか1項に記載の物品の殺菌方法。
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