JP2014030380A - 澱粉質ゲル化剤およびゲル状食品 - Google Patents

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順子 土屋
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Abstract

【課題】老化耐性を有し、粘りが少なく、歯切れの良い食感のゲル組成物が得られる澱粉質ゲル化剤および澱粉質ゲル状食品。
【解決手段】(A)未加工豆類澱粉、および(B)(1)膨潤度が5.0〜9.9mLである馬鈴薯澱粉、タピオカ澱粉もしくはワキシコーンスターチ;および、(2)膨潤度が5.0〜10.0mLであるサゴ澱粉もしくは甘藷澱粉、からなる群から選ばれる1種または2種以上の澱粉を含み、その質量比が(A):(B)=1:1〜23:1である澱粉質ゲル化剤、およびその質量比が(A):(B)=1:1〜23:1であり、(A)と(B)の合計が食品全体の6〜10質量%である澱粉質ゲル状食品。
【選択図】なし

Description

本発明は老化耐性を有し、粘りが少なく、歯切れの良い食感のゲル組成物が得られる澱粉質ゲル化剤および澱粉質ゲル状食品に関する。
従来、澱粉はゲル化剤、ペースト化材として多岐の用途に渡り使用されてきた。中でも緑豆、エンドウなどから精製される豆類澱粉は強度の高いゲルを形成することが知られていた(非特許文献1)。近年、物流の変化により食品分野においては、冷蔵、冷凍流通が広まったため、ゲル化剤として使用される澱粉にも老化耐性が求められるようになったが、豆類澱粉はアミロース含量が他の澱粉に比べて高いため老化しやすいという欠点を持っていた。この欠点を補うため、豆澱粉誘導体を用いた冷蔵保存性のあるわらびもち(特許文献1)が提案された。これはわらび餅用としては餅の白濁防止や軟らかさの維持に役立つものであったが、澱粉濃度が15〜20質量%で使用されるものであり、粘り・もち感が強く歯切れのよい食感が得られなかった。
また、澱粉を食品に応用する例として、タピオカ澱粉、馬鈴薯澱粉、ワキシコーンスターチを原料とする澱粉誘導体を含む冷凍耐性のある豆腐及びその製造方法(特許文献2)、冷凍、チルド、冷蔵しても品質が劣化しないペースト状またはゲル状食品(特許文献3)、タピオカ澱粉、馬鈴薯澱粉、穀類澱粉を原料とした加工澱粉類をゲル化材として含むデザート又はたれ食品類(特許文献4)、架橋タピオカと未架橋タピオカの混合物からなる冷凍、冷蔵保存しても老化の少ない和菓子用原料(特許文献5)について開示されている。
豆類澱粉を使用した例としては、緑豆澱粉及び/又はエンドウ豆澱粉を澱粉質原料中10〜40重量%含有するフラワーペースト(特許文献6)が挙げられる。
これらはいずれも、ゲルの安定性があるものは粘り・もち感が強かったり、ペースト状であり、ゲル化能が強いものは、冷蔵、冷凍保存した場合、老化により離水が多かったり、食感がスポンジ状のスカスカしたものになってしまっていた。
澱粉質ゲル化剤以外のゲル化剤は、例えば、ゼラチンをはじめとする動物性ゲル化剤、寒天、カラギーナンに代表される植物性ゲル化剤が知られている。一般的に寒天、カラギーナンは冷凍解凍すると離水が多く、ボソボソした食感になってしまう。この問題を解決するために、寒天、カラギーナン、コンニャク粉等ゲル化剤にタピオカ澱粉、馬鈴薯澱粉、ワキシーコーンスターチの誘導体を混合することにより冷凍安定性をつけられることが開示されている(特許文献7、8)。ただ、これらのゲル化剤では老化耐性を付与することはできたものの、寒天、カラギーナンなどは比較的高価なゲル化剤であるためコスト面で問題があった。また、澱粉を混合しているとは言え、澱粉自体をゲル化剤として用いるものではなかったため澱粉質が有する独特の食感を再現できなかった。
ゼラチンは冷凍・冷蔵時の離水が起こりにくい特徴があるが比較的低温で溶けるため用途が限定されることがあった。そしてゼラチンもまた、澱粉質が有する独特の食感を再現できなかった。
特開平3−30646号公報 特開平9−215479号公報 特許第4523668号公報 特開2006−042727号公報 特開平8−205793号公報 特開平9−154492号公報 特開平9−51765号公報 特開平6−237709号公報
澱粉科学の事典・392頁、朝倉書店、不破英次他編集、2003年初版
本発明の目的は、老化耐性を有し、粘りが少なく歯切れの良い澱粉質ゲル組成物が得られる澱粉質ゲル化剤および澱粉質ゲル状食品を提供することである。
食品用加工澱粉であるヒドロキシプロピル澱粉や酢酸澱粉は未加工澱粉に比べて老化耐性に優れることが知られており、食品の求める食感に応じてさらにリン酸架橋を組み合わせることで様々な製品が上市されている。そこで発明者らは、上記課題に対して豆類澱粉を加工することにより、澱粉ゲルの老化を示す代表的な現象であるゲルからの離水を抑制しようと考えた。しかし、豆類澱粉を加工すると、ゲルからの離水は減少するが、豆類澱粉質ゲルの特徴である粘りが少なく歯切れの良い食感が失われてしまうことが明らかとなった。そこで、さらに鋭意研究を重ねた結果、発明者らは豆類澱粉をゲル化剤の主成分として使用し、ゲルの老化を抑制する作用を持つ特定の澱粉を副成分として用いることで老化耐性がある澱粉質ゲルを調製できることを見出した。これに加えて、特定の糖質を混合すると、さらに冷凍耐性が向上した澱粉質ゲルを調製できることを発見し、本発明を完成した。
すなわち、本発明に係る澱粉質ゲル化剤は、(A)未加工豆類澱粉、および(B)(1)膨潤度が5.0〜9.9mLである馬鈴薯澱粉、タピオカ澱粉もしくはワキシコーンスターチ;および、(2)膨潤度が5.0〜10.0mLであるサゴ澱粉もしくは甘藷澱粉、からなる群から選ばれる1種または2種以上の澱粉を含み、その質量比が(A):(B)=1:1〜23:1であることを特徴とする澱粉質ゲル化剤であり、
(A)、(B)に加えて(C)マルトース、トレハロース、スクロース、ラクトース、ソルビトール、キシリトール、エリスリトール、マルトトリオース、グリコシルスクロース含有糖、DEが13以上の酵素デキストリンから選ばれる1種または2種以上の糖を含み、その質量比が(A):(B)=1:1〜23:1であり、(A)と(B)の合計100質量部に対する(C)の含有量が100〜500質量部であることを特徴とする澱粉質ゲル化剤である。
さらには、(A)未加工豆類澱粉、および(1)膨潤度が5.0〜9.9mLである馬鈴薯澱粉、タピオカ澱粉もしくはワキシコーンスターチ;および、(2)膨潤度が5.0〜10.0mLであるサゴ澱粉もしくは甘藷澱粉、からなる群から選ばれる1種または2種以上の澱粉を含み、その質量比が(A):(B)=1:1〜23:1であり、(A)と(B)の合計が食品全体の6〜10質量%であることを特徴とする澱粉質ゲル状食品であり、
(A)、(B)に加えて(C)マルトース、トレハロース、スクロース、ラクトース、ソルビトール、キシリトール、エリスリトール、マルトトリオース、グリコシルスクロース含有糖、DEが13以上の酵素デキストリンから選ばれる1種または2種以上の糖を含み、その質量比が(A):(B)=1:1〜23:1であり、(A)と(B)の合計100質量部に対する(C)の含有量が100〜500質量部であり、(A)と(B)の合計が食品全体の6〜10質量%であることを特徴とする澱粉質ゲル状食品である。
ここで、本願明細書において○○〜△△という表記は、○○以上、△△以下を意味する。
本発明のゲル化剤を用いて調製したゲル状組成物は老化耐性があり、ゲル化後に粘りが少ないという特徴を有する。また、本発明の澱粉質ゲル状食品は老化耐性があり、ゲル化後に粘りが少なく歯切れの良い食感となる。
本発明の澱粉質ゲル化剤は、主成分である主澱粉および副成分である副澱粉と必要に応じて加えられる糖および/またはその他の素材から構成される。また、本発明の澱粉質ゲル状食品は、主澱粉および副澱粉と必要に応じて加えられる糖および/またはその他の食品素材で構成される。
本発明で主澱粉として使用できるのは、マメ科植物の種子で澱粉を多く含むものから精製された豆類澱粉であって未加工のものである。マメ科植物の種子とは例えば、エンドウ、ヒラマメ(レンズマメ)、インゲンマメ、ヒヨコマメ、ウズラマメ、ソラマメ、シワマメ、緑豆、キマメ、アズキ、ササゲ、ベニバナインゲン等が挙げられる。
未加工豆類澱粉はエンドウ澱粉および/または緑豆澱粉であることが好ましく、単独で、または両者を任意の割合で混合して使用することができる。なお、本発明において「未加工豆類澱粉」には、マメ科の植物の種子から精製された澱粉に加えて、これらの澱粉を食品用澱粉とするために、澱粉の構造や性質を変化させない程度に殺菌・漂白処理したものも含まれる。殺菌方法の例として、マイクロ波処理、エチレンガス処理、ガンマ線処理、加熱処理、次亜塩素酸塩処理、酸処理などが挙げられる。漂白方法の例として、次亜塩素酸ナトリウム、次亜塩素酸カルシウム、過酸化水素、亜硫酸ナトリウムによる処理などが挙げられる。殺菌方法、漂白方法ともに例示した処理に限らず、澱粉の構造や性質を変化させない範囲でいずれの処理も採用できる。
本発明で副澱粉として使用できるのは、(1)膨潤度が5.0〜9.9mLである馬鈴薯澱粉、タピオカ澱粉もしくはワキシコーンスターチ;および、(2)膨潤度が5.0〜10.0mLであるサゴ澱粉、甘藷澱粉からなる群から選ばれる1種または2種以上の澱粉である。副澱粉の膨潤度が前記範囲外であったり、原料が異なると求める物性のゲルが得られない。副澱粉は、膨潤度が上記範囲である限り、未加工澱粉であっても、加工澱粉であってもよく、単独で、または2種以上の澱粉を組み合わせて使用することができる。加工澱粉の加工方法の例としては、エーテル化処理、エステル化処理、酸化処理、次亜塩素酸塩処理、酸処理、アルカリ処理、酵素処理などの化学的処理を施したものや、乾熱処理、湿熱処理などの物理的処理を施したものが挙げられる。これらは、例えば「でん粉製品の知識」(幸書房、高橋禮治、1996年初版)に記載されているような常法に従って製造でき、その製法は当業者に周知である。
馬鈴薯澱粉、タピオカ澱粉、ワキシコーンスターチの未加工澱粉単独では膨潤度が9.9mLを超えるため、未加工澱粉を単独で用いる場合はサゴ澱粉、甘藷澱粉が好ましい。一方、馬鈴薯澱粉、タピオカ澱粉、ワキシコーンスターチの加工澱粉の場合は膨潤度を5.0〜9.9mLとするために膨潤抑制処理することが好ましい。「膨潤抑制澱粉」とは、澱粉粒子が水中で加熱されたときの膨潤を抑制した澱粉をいい、その処理方法は特に限定されない。公知の方法には化学的架橋処理とそれ以外の物理的処理が挙げられ、具体例として、化学的架橋処理された澱粉としては、リン酸架橋澱粉、アセチル化アジピン酸架橋澱粉、エピクロロヒドリン架橋澱粉などがある。一方、物理的処理澱粉としては、湿熱処理、乾熱処理、温水処理、次亜塩素酸塩処理澱粉などが知られている。湿熱処理とは加熱しても糊化しない程度の水分量の澱粉を密閉容器中で加熱する方法である。乾熱処理は、澱粉のpHをアルカリ性にした後、水分が少ない条件で澱粉が分解しないように加熱する方法である。温水処理は、澱粉懸濁液を糊化開始温度に近い温度で、糊化させることなく保持する方法である。次亜塩素酸塩処理は、澱粉懸濁液をpH8.0〜12.0に調整した後、少量(澱粉に対して有効塩素量で0.01〜0.5質量%)の次亜塩素酸ナトリウムや次亜塩素酸カルシウムを添加する方法である。次亜塩素酸ナトリウムや次亜塩素酸カルシウムは殺菌処理や漂白処理にも用いられるが、膨潤抑制処理の試薬として用いる場合は澱粉の構造や性質を変化させる点で殺菌処理や漂白処理とは異なる処理である。
本発明における「膨潤度」とは、澱粉を水の存在下で加熱した際の粒子の膨潤の程度を表した値であり、下記の手順によって測定される。膨潤度Sは0mL<S≦10mLの範囲であり、小さな値であるほど澱粉の膨潤が抑制されていることを示す。
膨潤度の測定方法:試料を乾燥澱粉質量150mg精秤し、試験管に移す。その中へ後述する試験用液15mLを正確に加え、よく振とう分散させ、直ちに沸騰水浴中に入れて加熱する。5分間加熱後、室温まで急冷し、再度よく振とうして均一化する。この溶液を10mLメスシリンダーに10mL移し、20℃で18時間静置して、その沈降した量(mL)を測定した値である。
試験用液の調製方法:塩化亜鉛300g,塩化アンモニウム780g,イオン交換水1875gを加温溶解後、溶液を冷却し、19ボーメ(15℃)に合わせる。この液10mLを採取し、ブロムフェノールブルー液を2滴加える。0.1N−HClで滴定し、呈色が紫から黄色に変わる点を終点として塩酸度(塩酸度=HClのファクター×滴定に要したmL数)を求める。塩酸度が3.9±0.1になるようにアンモニア水、塩酸を用いて調整する。調整後、再度塩酸度を確認して、ろ過して試験用液とする。
本発明の澱粉質ゲル化剤における主澱粉と副澱粉の比率は主澱粉:副澱粉=1:1〜23:1であることが好ましい。1:1よりも副澱粉の比率が高いとゲル化しなかったり、「粘りがなく、歯切れの良い食感」が得られない。一方、23:1よりも主澱粉の比率が高いと十分な老化耐性が得られない。
本発明において「糖」とは単糖類、二糖類、三糖類、オリゴ糖、糖アルコール、デキストリンを含む表現である。本発明において好適に使用される糖はマルトース、トレハロース、スクロース、ラクトース、ソルビトール、キシリトール、エリスリトール、マルトトリオース、グリコシルスクロース含有糖、DEが13以上の酵素デキストリンから選ばれる1種または2種以上の糖で、より好ましくはマルトース、トレハロース、スクロース、ラクトース、ソルビトール、キシリトールである。
なお、グリコシルスクロース含有糖の例として、株式会社林原商事が販売するカップリングシュガー(登録商標)、カップリングシュガーSが挙げられる。
酵素デキストリンとは、澱粉を酵素分解処理して得られるデキストリンで、その分解の程度はデキストロース当量(以下、DEという)で示される。本発明に使用できる酵素デキストリンはDEが13以上である。本発明において、デキストリンのDEはフェーリング・レーマンショール法によって算出した。
前記糖は主澱粉と副澱粉の合計100質量部に対して100〜500質量部であることが好ましい。100質量部未満だと糖を添加する効果が乏しく、500質量部を超えると澱粉が十分に糊化できなくなるため、ゲル化力、保水力が不足する。
本発明のゲル化剤には、ゲル化剤に一般的に用いられるその他の素材も併せて使用することができる。具体的には、ゼラチン、寒天、カラギーナン、キサンタンガム、ローカストビーンガム、グアガム、コンニャクマンナン、アルギン酸、タラガム、カードラン、ペクチン、タマリンドガム、およびその他の増粘多糖類が挙げられる。ゲル状食品を調製する際には食品として一般的に用いられる食品素材も併せて使用することができる。具体的には本発明以外の澱粉、調味料、ソース、香料、着色料、その他のゲル化剤などが挙げられる。
本発明における「ゲル」とは、ペースト状ではなく固体状のものとして食感を感じることができ、手で触ってもつぶれない程度の強度があるものを示す。ゲル化が不十分であると粘りのないペースト状に感じられたり、逆に粘りの強い糊状に感じられることがある。このような状態は、ゲルを食した人に不快な粘りや歯切れの悪さを感じさせ、ゲル状食品にとって好ましくない。本発明の「ゲル」の食感を表わすより具体的表現として、レオメーターでゲルの圧縮強度試験をするときに降伏値を持つことが挙げられる。
以下、実施例により本発明をさらに詳しく説明するが、本発明の範囲は、以下の実施例に限定されるものではない。これ以降「質量%」を単に「%」と、「質量部」を単に「部」と表記する。
本発明の目的である老化耐性を有し粘りの少ない澱粉質ゲルの食感を得るために、主澱粉に豆類澱粉を、副澱粉に各種澱粉(未加工澱粉および加工澱粉)を用いて好ましい組み合わせを検討した。ゲル試験の方法を以下に示す。一般的に、澱粉の老化は冷蔵よりも冷凍解凍した場合により進行すると考えられているため、<ゲル試験/冷蔵>と<ゲル試験/冷凍>の2種類の試験を行った。
<ゲル試験/冷蔵>
(ゲルの調製方法)
所定量の主澱粉と必要に応じて副澱粉、糖を所定の割合で混合してゲル化剤とし、所定量の水を加えた澱粉スラリーを調製した。このスラリーを沸騰水浴中あるいは100℃付近のオイルバス中で撹拌しながら85℃に到達するまで加熱した後、撹拌を停止してさらに10分間加熱を続けた。加熱後、室温まで冷却した澱粉糊を4℃にて24時間冷蔵保存した後、20℃で1時間静置して試験に供した。
(ゲルの評価方法)
「ゲルの状態」は外観を目視で確認した後、ゲルを2cm×2cm×1.2cm(縦×横×高さ)の立方体に切断し、レオメーター(CR500DX、サン科学製)で30mm径円柱プランジャーを用いてゲルの高さの83.3%まで圧縮させたときの、降伏値の有無を確認した。
「ゲルの食感」は冷蔵保存後の澱粉ゲルをスプーンですくい食して評価した。
「冷蔵後の離水」は冷蔵保存後の離水量を目視で判定した。
<ゲル試験/冷凍>
(ゲルの調製方法)
所定量の主澱粉と必要に応じて副澱粉、糖を所定の割合で混合してゲル化剤とし、所定量の水を加えた澱粉スラリーを調製した。このスラリーを沸騰水浴中あるいは100℃のオイルバス中で撹拌しながら85℃に到達するまで加熱した後、撹拌を停止してさらに10分間加熱を続けた。加熱後、室温まで冷却した澱粉糊を−18℃にて24時間冷凍保存し、30℃の恒温槽に4時間放置し解凍した後、20℃で1時間静置して試験に供した。
(ゲルの評価方法)
「ゲルの状態」は外観を目視で確認した後、ゲルを2cm×2cm×1.2cm(縦×横×高さ)の立方体に切断し、レオメーター(CR500DX、サン科学製)で30mm径円柱プランジャーを用いてゲルの高さの83.3%まで圧縮させたときの、降伏値の有無を確認した。
「ゲルの食感」は冷凍解凍後の澱粉ゲルをスプーンですくい食して評価した。
「冷凍解凍後の離水」は冷凍保存後に解凍したときの離水量を目視で判定した。
ここで、各評価項目の基準について表1に示した。ゲルの状態とゲルの食感についてはゲル化するかしないかにかかわらず、すべての試料で行った。離水試験は、ゲルの状態試験で降伏値を示し「ゲル」と判定された試料のみ行った。
Figure 2014030380
<主澱粉の調製>
マメ科の植物の種子から精製された澱粉に加えて、これらの澱粉を食品用澱粉とするために、澱粉の構造や性質を変化させない程度に殺菌処理・漂白処理したものを調製した。また、比較対照として用いるためにリン酸架橋エンドウ澱粉、アセチル化エンドウ澱粉、ヒドロキシプロピル化エンドウ澱粉を調製した。各澱粉の加工方法を以下に示す。
<殺菌処理>
水130部にエンドウ澱粉100部を懸濁させたスラリーを用意し、酢酸を5部加えて30℃にて1時間殺菌処理した後、中和、水洗、脱水、乾燥した。得られた澱粉を殺菌処理エンドウ澱粉とした。
<漂白処理>
水130部にエンドウ澱粉100部を懸濁させたスラリーを用意し、中性付近のpHで次亜塩素酸ナトリウムを0.1部加えて30℃にて3時間漂白処理した後、消塩、中和、水洗、脱水、乾燥した。得られた澱粉を漂白処理エンドウ澱粉とした。
<リン酸架橋エンドウ澱粉>
水130部に、食塩1部、水酸化ナトリウム0.5部を溶解し、撹拌下、エンドウ澱粉100部を懸濁させたスラリーを用意し、トリメタリン酸ナトリウムを0.1部加えて30℃にて5時間反応した後、中和、水洗、脱水、乾燥した。得られた澱粉の膨潤度は4.0mLであり、これをリン酸架橋エンドウ澱粉とした。
<アセチル化(Ac化)エンドウ澱粉>
水130部に、エンドウ澱粉100部を懸濁させたスラリーを用意し、3%水酸化ナトリウム水溶液でpH8.2〜8.5にコントロールした。ここに酢酸ビニルモノマーを3部加えて、30℃にて1時間反応した後、中和、水洗、脱水、乾燥した。得られた澱粉のAc基は1.1%であり、これをAc化エンドウ澱粉とした。
<ヒドロキシプロピル化(HP化)エンドウ澱粉>
水130部に、硫酸ナトリウム30部、水酸化ナトリウム1部を加え溶解し、撹拌下、原料澱粉100部を添加して調製したスラリーを用意し、プロピレンオキサイドを6部加えて、40℃にて16時間反応した後、中和、水洗、脱水、乾燥した。置換基はヒドロキシプロポキシル基(HPO基)として測定し、得られた澱粉のHPO基は3.9%であり、これをHP化エンドウ澱粉とした。
<副澱粉の調製>
副澱粉としての適性を確認するために、種々の原料澱粉を用いて加工澱粉を調製した。いずれの加工澱粉も当業者に知られた常法に従って製造した。得られた加工澱粉の原料澱粉の種類、加工方法、置換基の量、膨潤度を表4に示し、以下に各加工澱粉の調製手順の一例を示す。実際の加工澱粉の試作に当たっては、原料澱粉の違いや反応の程度(官能基の置換量、膨潤度の大小)によって薬品の添加量や反応温度、反応時間は適宜変更した。
<リン酸架橋澱粉>
水130部に、食塩1部、水酸化ナトリウム0.5部を溶解し、撹拌下、原料澱粉100部を懸濁させたスラリーを用意し、トリメタリン酸ナトリウムを求める膨潤度に応じて適量加えて30℃にて5時間反応した後、中和、水洗、脱水、乾燥した。
<アセチル化(Ac化)澱粉>
水130部に、原料澱粉100部を懸濁させたスラリーを用意し、3%水酸化ナトリウム水溶液でpH8.2〜8.5にコントロールした。ここに求めるアセチル基の置換度に応じて酢酸ビニルモノマーを適量加えて、30℃にて1時間反応した後、中和、水洗、脱水、乾燥した。
<ヒドロキシプロピル化(HP化)澱粉>
水130部に、硫酸ナトリウム30部、水酸化ナトリウム1部を加え溶解し、撹拌下、原料澱粉100部を添加して調製したスラリーを用意し、プロピレンオキサイドを求める置換度に応じて適量加えて、40℃にて16時間反応した。その後、中和、水洗、脱水、乾燥した。
<アセチル化アジピン酸架橋澱粉>
無水酢酸100部にアジピン酸4部を加えて70℃に加温して溶解させ、アジピン酸架橋試薬を調製した。水130部に、原料澱粉100部を懸濁させたスラリーを用意し、3%水酸化ナトリウム水溶液でpH8.2〜8.5にコントロールした。ここに上記アジピン酸架橋試薬および無水酢酸を求める膨潤度・置換度に応じて適量加え、30℃にて1時間反応した後、中和、水洗、脱水、乾燥した。
<酸処理澱粉>
水140部に62.5%硫酸2部を加え、撹拌下、原料澱粉100部を懸濁させたスラリーを用意し、40℃にて2時間反応した。その後、中和、水洗、脱水、乾燥した。
<次亜塩素酸ナトリウム処理澱粉>
水140部に水酸化ナトリウム0.5部を加えて溶解し、撹拌下、原料澱粉100部を懸濁させたスラリーを用意し、次亜塩素酸ナトリウム0.5部を加え、30℃にて3時間反応した。その後、中和、消塩、水洗、脱水、乾燥した。
<湿熱処理>
原料澱粉100部に水20部を加えてよく混合し、水分約30%に調整した澱粉を密閉容器に入れ、加熱温度70℃にて2時間から8時間の間で求める膨潤度になるまで加熱した。その後、澱粉を容器から取り出し、乾燥した。
<温水処理>
水130部に、原料澱粉100部を懸濁させたスラリーを用意し、澱粉が糊化しないように50℃に調整し、10時間から30時間の間で求める膨潤度になるまで加温した。その後、水洗、脱水、乾燥した。
〔試験例1〕
<馬鈴薯澱粉を副澱粉とした場合>
エンドウ澱粉および/または緑豆澱粉と副澱粉として各種馬鈴薯澱粉を用いて澱粉質ゲル化剤を調製し、濃度6%の場合の<ゲル試験/冷蔵>を行った。副澱粉として用いた馬鈴薯澱粉の加工方法、官能基の置換量、膨潤度を表2に、評価結果を表3に示す。これ以降、加工方法のアセチル化処理はAcと、ヒドロキシプロピル化処理はHPと表記する。また、ヒドロキシプロピル化澱粉の置換基はヒドロキシプロポキシル基(HPO基)として測定した。
Figure 2014030380
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主澱粉のみを用いた比較例1、5、6はいずれも冷蔵後にゲルからの離水が見られた。主澱粉と副澱粉を用いた場合は、副澱粉である馬鈴薯澱粉の膨潤度が5.0〜9.9mLである実施例1〜6は老化耐性があり、粘りがなく歯切れの良い食感となるゲルが得られた。
〔試験例2〕
<タピオカ澱粉を副澱粉とした場合>
エンドウ澱粉と副澱粉として各種タピオカ澱粉を用いて澱粉質ゲル化剤を調製し、濃度6%の場合の<ゲル試験/冷蔵>を行った。副澱粉として用いたタピオカ澱粉の加工方法、官能基の置換量、膨潤度を表4に、評価結果を表5に示す。
Figure 2014030380
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副澱粉として用いるタピオカ澱粉の膨潤度が5.0〜9.9mLである実施例7〜12は老化耐性があり、歯切れの良い食感となるゲルが得られた。
〔試験例3〕
<甘藷澱粉を副澱粉とした場合>
エンドウ澱粉と副澱粉として各種甘藷澱粉を用いて澱粉質ゲル化剤を調製し、濃度6%の場合の<ゲル試験/冷蔵>を行った。副澱粉として用いた甘藷澱粉の加工方法、膨潤度を表6に、評価結果を表7に示す。
Figure 2014030380
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副澱粉として用いる甘藷澱粉の膨潤度が5.0〜10.0mLである実施例13、14は老化耐性があり、歯切れの良い食感となるゲルが得られた。
〔試験例4〕
<サゴ澱粉を副澱粉とした場合>
エンドウ澱粉と副澱粉として各種サゴ澱粉を用いて澱粉質ゲル化剤を調製し、濃度6%の場合の<ゲル試験/冷蔵>を行った。副澱粉として用いたサゴ澱粉の加工方法、膨潤度を表8に、評価結果を表9に示す。
Figure 2014030380
Figure 2014030380
副澱粉として用いるサゴ澱粉の膨潤度が5.0〜10.0mLである場合に老化耐性があり、歯切れの良い食感となるゲルが得られた。
〔試験例5〕
<ワキシコーンスターチを副澱粉とした場合>
エンドウ澱粉と副澱粉として各種ワキシコーンスターチを用いて澱粉質ゲル化剤を調製し、濃度6%の場合の<ゲル試験/冷蔵>を行った。副澱粉として用いたワキシコーンスターチの加工方法、官能基の置換量、膨潤度を表10に、評価結果を表11に示した。
Figure 2014030380
Figure 2014030380
副澱粉として用いるワキシコーンスターチの膨潤度が5.0〜9.9mLである実施例17〜21は老化耐性があり、歯切れの良い食感となるゲルが得られた。
〔試験例6〕
<副澱粉を組み合わせて使用する場合>
エンドウ澱粉とS−3、S−15、S−19を表12に示す混合比率で組み合わせた副澱粉を用い、主澱粉:副澱粉=2:1の比率で混合した澱粉質ゲル化剤を調製し、濃度6%の場合の<ゲル試験/冷蔵>を行った。副澱粉の混合比率を表12に、評価結果を表13に示す。
Figure 2014030380
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それぞれの澱粉が適した膨潤度である場合は、副澱粉として複数の澱粉を組み合わせても老化耐性があり、歯切れの良い食感となるゲルが得られた。
〔試験例7〕
<その他の澱粉を副澱粉とした場合>
エンドウ澱粉と副澱粉として各種澱粉を用いて主澱粉:副澱粉=2:1の比率で混合した澱粉質ゲル化剤を調製し、濃度6%の場合の<ゲル試験/冷蔵>を行った。副澱粉として用いた澱粉の加工方法、官能基の置換量、膨潤度を表14に、評価結果を表15示した。
Figure 2014030380
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馬鈴薯澱粉、タピオカ澱粉、甘藷澱粉、サゴ澱粉、ワキシコーンスターチ以外の澱粉を副澱粉とした場合は原料、膨潤度にかかわらずすべての試料で老化耐性に優れたゲルは得られなかった。
以上より、副澱粉として用いる原料澱粉は馬鈴薯澱粉、タピオカ澱粉、甘藷澱粉、サゴ澱粉、ワキシコーンスターチであり、その由来原料ごとに好ましい膨潤度が異なることが明らかとなった。副澱粉として加工澱粉を使用する場合は適した膨潤度に調整する必要があり、未加工澱粉を使用する場合はサゴ澱粉または甘藷澱粉が好ましいことが分かった。
〔試験例8〕
<主澱粉と副澱粉の比率>
次に、主澱粉と副澱粉の好ましい比率の範囲を検討した。主澱粉としてエンドウ澱粉を、副澱粉としてS−3を用い、主澱粉のみおよび主澱粉:副澱粉=0.5:1〜47:1の範囲で比率を変えて澱粉質ゲル化剤を調製した。<ゲル試験/冷蔵>の方法に従って試験を行い、結果を表16に示した。主澱粉と副澱粉の合計の濃度は6%とした。
Figure 2014030380
主澱粉と副澱粉の比率を様々に変えた場合、降伏値を持ち、かつ良好な食感や老化耐性を有するゲルが得られる範囲は主澱粉:副澱粉=1:1〜23:1であり、より好ましい範囲は1:1〜5:1であった。
〔試験例9〕
主澱粉としてエンドウ澱粉、漂白処理エンドウ澱粉、殺菌処理エンドウ澱粉、リン酸架橋エンドウ澱粉、HP化エンドウ澱粉、またはAc化エンドウ澱粉を、副澱粉としてS−3を用い、主澱粉:副澱粉=2:1の比率で混合した澱粉質ゲル化剤を調製し、濃度6%の場合の<ゲル試験/冷蔵>を行い、結果を表17に示した。
Figure 2014030380
主澱粉を殺菌処理エンドウ澱粉、漂白処理エンドウ澱粉としてもエンドウ澱粉と同様の良好な結果が得られたが、リン酸架橋エンドウ澱粉、HP化エンドウ澱粉、Ac化エンドウ澱粉を主澱粉とすると求めるゲルの食感にならなかった。
試験例1〜9の結果から、粘りがなく歯切れの良い食感であり冷蔵時の離水を抑えた澱粉質ゲル化剤および澱粉質ゲル状食品を得ることができた。しかし、これらの澱粉質ゲル化剤を用いて<ゲル試験/冷凍>をした場合には解凍時に離水が生じた。そこで、冷凍解凍時の離水を抑制すべく、澱粉質ゲル化剤にさらに各種糖を配合した場合の老化耐性について検討した。
〔試験例10〕
<糖を含む場合>
主澱粉としてエンドウ澱粉を、副澱粉としてS−3を用い、主澱粉:副澱粉=2:1、主澱粉と副澱粉の合計100質量部に対して各種糖を300質量部加えて澱粉質ゲル化剤を調製し、<ゲル試験/冷凍>に従って試験を行った。主澱粉と副澱粉の合計の濃度は6%とした。用いた糖のうち、グリコシルスクロース含有糖と酵素デキストリンの説明を表18に、ゲル試験の結果を表19に示した。
Figure 2014030380
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主澱粉、副澱粉に加えてさらに糖を含むゲル化剤では、糖としてマルトース、トレハロース、スクロース、ラクトース、ソルビトール、キシリトール、エリスリトール、マルトトリオース、グリコシルスクロース含有糖、DEが13以上の酵素デキストリンを使用した実施例33〜45および、糖を2種組み合わせた実施例46、47は目的の澱粉質ゲルとなった。上記以外の糖を用いた比較例32〜35は良好なゲルが得られなかった。糖の種類としてより好ましいのはマルトース、トレハロース、スクロース、ラクトース、ソルビトール、キシリトールであった。
〔試験例11〕
<澱粉質に対する糖の量>
主澱粉と副澱粉の合計に対する糖の好ましい比率の範囲を決めるために、主澱粉:副澱粉=2:1、澱粉質100質量部に対して各種糖(糖アルコール、デキストリンを含む)を50〜800質量部加えて澱粉質ゲル化剤を調製し、<ゲル試験/冷凍>の方法に従って試験を行った結果を表20に示した。主澱粉としてエンドウ澱粉、副澱粉としてS−3、糖としてマルトースを用い、主澱粉と副澱粉の合計の濃度は6%とした。
Figure 2014030380
澱粉質100部に対して糖が100〜500部である実施例33および48〜50は老化耐性を有する良好なゲルが得られた。糖が100部未満であると老化耐性が劣るため解凍時の離水が激しくなり、500部を超えると澱粉の膨潤が抑制されて十分に糊化せず、そのためにしっかりとしたゲルになることが出来ずにペースト状の食感になった。
〔試験例12〕
<主澱粉と副澱粉の比率>
糖を使用した場合の主澱粉と副澱粉の好ましい比率の範囲を決めるべく、主澱粉:副澱粉=0.5:1〜47:1の範囲で比率を変え、<ゲル試験/冷凍>の方法に従って試験を行い、結果を表21に示した。主澱粉としてエンドウ澱粉、副澱粉としてS−3、糖にはマルトースを用い、マルトースは澱粉質100部に対して300部加え、主澱粉と副澱粉の合計の濃度は6%とした。
Figure 2014030380
糖を配合し、主澱粉と副澱粉の比率を様々に変えた場合、降伏値を持ち、かつ良好な食感や老化耐性を有するゲルが得られる範囲は主澱粉:副澱粉=1:1〜23:1であり、より好ましい範囲は1:1〜11:1であった。
〔試験例13〕
糖としてマルトースを使用し、主澱粉と副澱粉の比率を変えた場合の澱粉質濃度の範囲を検討した。主澱粉:副澱粉=1:1、2:1、11:1とし、澱粉質100部に対するマルトース量を300部として、主澱粉と副澱粉の合計の濃度を5〜20%まで変え<ゲル試験/冷凍>の方法に従って試験し、結果を表22に示した。ただし、20%は粘度が高すぎて撹拌が不可能であり、ゲルの調製ができなかったため結果から除いた。主澱粉としてエンドウ澱粉を、副澱粉としてS−3を用いた。
Figure 2014030380
〔試験例14〕
<玉子豆腐風食品への応用>
表23に示す材料を鍋に入れ、木べらで混ぜながら沸騰するまで強火で加熱した。さらに中火で5分間加熱した後、容器に移し冷却し、冷蔵試験を行った。試験項目、試験方法は<ゲル試験/冷蔵>と同様にした。結果を表24に示した。
Figure 2014030380
Figure 2014030380
本発明の澱粉質ゲル状食品は冷蔵しても良好な食感を維持し、離水も少ないものとなった。
〔試験例15〕
<オレンジゼリーへの応用>
表25に示す材料を鍋に入れ、木べらで混ぜながら沸騰するまで強火で加熱した。さらに中火で5分間加熱した後、容器に移して冷却し、凍結解凍試験を行った。試験項目、試験方法は<ゲル試験/冷凍>と同様にした。結果を表26に示した。
Figure 2014030380
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本発明の澱粉質ゲル状食品は冷凍解凍後も良好な食感を維持し、離水もほとんど見られなかった。

Claims (4)

  1. (A)未加工豆類澱粉、および
    (B)(1)膨潤度が5.0〜9.9mLである馬鈴薯澱粉、タピオカ澱粉もしくはワキシコーンスターチ;および、(2)膨潤度が5.0〜10.0mLであるサゴ澱粉もしくは甘藷澱粉、からなる群から選ばれる1種または2種以上の澱粉
    を含み、その質量比が(A):(B)=1:1〜23:1であることを特徴とする澱粉質ゲル化剤。
  2. (A)未加工豆類澱粉、
    (B)(1)膨潤度が5.0〜9.9mLである馬鈴薯澱粉、タピオカ澱粉もしくはワキシコーンスターチ;および、(2)膨潤度が5.0〜10.0mLであるサゴ澱粉もしくは甘藷澱粉、からなる群から選ばれる1種または2種以上の澱粉、および
    (C)マルトース、トレハロース、スクロース、ラクトース、ソルビトール、キシリトール、エリスリトール、マルトトリオース、グリコシルスクロース含有糖、DEが13以上の酵素デキストリンから選ばれる1種または2種以上の糖
    を含み、その質量比が(A):(B)=1:1〜23:1であり、(A)と(B)の合計100質量部に対する(C)の含有量が100〜500質量部であることを特徴とする澱粉質ゲル化剤。
  3. (A)未加工豆類澱粉、および
    (B)(1)膨潤度が5.0〜9.9mLである馬鈴薯澱粉、タピオカ澱粉もしくはワキシコーンスターチ;および、(2)膨潤度が5.0〜10.0mLであるサゴ澱粉もしくは甘藷澱粉、からなる群から選ばれる1種または2種以上の澱粉
    を含み、その質量比が(A):(B)=1:1〜23:1であり、(A)と(B)の合計が食品全体の6〜10質量%であることを特徴とする澱粉質ゲル状食品。
  4. (A)未加工豆類澱粉、
    (B)(1)膨潤度が5.0〜9.9mLである馬鈴薯澱粉、タピオカ澱粉もしくはワキシコーンスターチ;および、(2)膨潤度が5.0〜10.0mLであるサゴ澱粉もしくは甘藷澱粉、からなる群から選ばれる1種または2種以上の澱粉、および
    (C)マルトース、トレハロース、スクロース、ラクトース、ソルビトール、キシリトール、エリスリトール、マルトトリオース、グリコシルスクロース含有糖、DEが13以上の酵素デキストリンから選ばれる1種または2種以上の糖
    を含み、その質量比が(A):(B)=1:1〜23:1であり、(A)と(B)の合計100質量部に対する(C)の含有量が100〜500質量部であり、(A)と(B)の合計が食品全体の6〜10質量%であることを特徴とする澱粉質ゲル状食品。
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