JP2014029257A - 冷媒回路装置 - Google Patents

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健 松原
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Abstract

【課題】2段圧縮2段膨張冷凍サイクルを行う冷媒回路において、吐出圧力に関わらず冷凍効率を良好なものとすることができる冷媒回路装置を提供する。
【解決手段】2段圧縮2段膨張冷凍サイクルを行う冷媒回路1aを構成する放熱器13から第1膨張弁14に至る冷媒配管2の途中から分岐し、中間熱交換器18から第2圧縮機12に至る冷媒配管2に合流する態様で設けられたバイパス配管30と、このバイパス配管30に設けられた第2電磁弁42と、バイパス配管30を通過する高圧冷媒を中間圧冷媒に減圧して断熱膨張させる第3膨張弁31と、放熱器13で放熱した高圧冷媒と第3膨張弁31で断熱膨張させた中間圧冷媒とを熱交換させる第1熱交換器と、低周温時と判断された場合に第2電磁弁42を閉成させる一方、高周温時と判断された場合に第2電磁弁42を開成させるコントローラを備えたものである。
【選択図】図1

Description

本発明は、冷媒回路装置に関し、より詳細には、2段圧縮2段膨張冷凍サイクルを行う冷媒回路を備えた冷媒回路装置に関するものである。
従来、2段圧縮2段膨張冷凍サイクルを行う冷媒回路を備えた冷媒回路装置として、第1圧縮機、中間熱交換器、第2圧縮機、放熱器、第1膨張弁、気液分離器、第2膨張弁及び蒸発器を冷媒配管にて順次接続して構成され、内部に冷媒に二酸化炭素等の冷媒が封入された冷媒回路を備えたものが知られている。
第1圧縮機は、蒸発器で蒸発した低圧冷媒を吸引して圧縮し、中間圧冷媒として吐出するものである。中間熱交換器は、第1圧縮機から吐出された中間圧冷媒を周囲空気と熱交換させて放熱させるものである。第2圧縮機は、中間熱交換器で放熱した中間圧冷媒を吸引して圧縮し、高圧冷媒として吐出するものである。
放熱器は、第2圧縮機から吐出された高圧冷媒を周囲空気と熱交換させて放熱させるものである。第1膨張弁は、放熱器で放熱した高圧冷媒を中間圧冷媒に減圧して断熱膨張させるものである。
気液分離器は、第1膨張弁で断熱膨張された中間圧冷媒を導入して気相冷媒と液相冷媒とに分離させるものである。この気液分離器は、一端が自身に接続され、他端が中間熱交換器と第2圧縮機とを接続する冷媒配管に接続された気相冷媒配管を通じて、気相冷媒を送出するものである。すなわち、気液分離器は、分離させた気相冷媒を中間熱交換器で放熱した中間圧冷媒に合流させるよう送出するものである。
第2膨張弁は気液分離器で分離された液相冷媒を低圧冷媒に減圧して断熱膨張させるものである。蒸発器は、第2膨張弁で断熱膨張された低圧冷媒を導入して周囲空気と熱交換させて蒸発させるものである。
このような冷媒回路において、第1圧縮機で圧縮されて吐出された中間圧冷媒が中間熱交換器で放熱して第2圧縮機に吸引され、この第2圧縮機で圧縮された高圧冷媒として吐出される。吐出された高圧冷媒は、放熱器に至り、この放熱器の流路を通過中に周囲空気と熱交換して放熱する。放熱器で放熱した冷媒は、第1膨張弁で減圧されることで断熱膨張して中間圧冷媒として気液分離器に至り、この気液分離器において気相冷媒と液相冷媒とに分離される。気相冷媒は、気相冷媒配管を通じて第2圧縮機に吸引される一方、液相冷媒は、第2膨張弁で減圧されることで断熱膨張して低圧冷媒として蒸発器に至る。この蒸発器に至った低圧冷媒は、蒸発器の流路を通過中に周囲空気と熱交換して蒸発し、その後に第1圧縮機に吸引されることで、上述したように循環を繰り返すことになる。
かかる冷媒回路装置によれば、放熱器で放熱した高圧冷媒を第1膨張弁で一旦中間圧に減圧させているので、中間圧冷媒を気液分離器により気相及び液相の各飽和状態に分離させることができ、冷凍効果を増大させることができる(例えば、特許文献1参照)。尚、特許文献1に示されているのは、暖房運転を行う場合に2段圧縮2段膨張冷凍サイクルを行うものであり、冷媒回路の構成機器の役割が異なるが、冷凍サイクルとしてはここで説明したものと実質的に同一である。
特開2007−147227号公報
ところで、上述したような冷媒回路装置では、冷媒回路の周囲温度が高い高周温時となる場合には、放熱器の出口における冷媒温度が上昇してしまうことになり、これにより第1膨張弁の出口における冷媒温度及び冷媒圧力も上昇してしまい、結果的に冷凍効果が減少して冷凍効率の低下を招来していた。
本発明は、上記実情に鑑みて、2段圧縮2段膨張冷凍サイクルを行う冷媒回路において、周囲温度に関わらず冷凍効率を良好なものとすることができる冷媒回路装置を提供することを目的とする。
上記目的を達成するために、本発明の請求項1に係る冷媒回路装置は、蒸発器で蒸発した低圧冷媒を吸引して圧縮し、中間圧冷媒として吐出する第1圧縮機と、前記第1圧縮機から吐出され、かつ中間熱交換器で放熱した中間圧冷媒を吸引して圧縮し、高圧冷媒として吐出する第2圧縮機と、前記第2圧縮機から吐出された高圧冷媒を放熱させる放熱器と、前記放熱器で放熱した高圧冷媒を中間圧冷媒に減圧して断熱膨張させる第1膨張機構と、前記第1膨張機構で断熱膨張させた中間圧冷媒を気相冷媒と液相冷媒とに分離させ、かつ気相冷媒を前記中間熱交換器で放熱した中間圧冷媒に合流させるよう送出する気液分離器と、前記気液分離器で分離された液相冷媒を低圧冷媒に減圧することで断熱膨張させ、かつ前記蒸発器に送出する第2膨張機構とを冷媒配管で接続することで2段圧縮2段膨張冷凍サイクルを行う冷媒回路を備えた冷媒回路装置において、前記放熱器から前記第1膨張機構に至る冷媒配管の途中から分岐し、前記中間熱交換器から前記第2圧縮機に至る冷媒配管に合流する態様で設けられたバイパス配管と、前記バイパス配管に設けられ、閉成する場合には該バイパス配管における冷媒の通過を規制する一方、開成する場合には該バイパス配管における冷媒の通過を許容するバイパスバルブと、前記バイパス配管を通過する高圧冷媒を中間圧冷媒に減圧して断熱膨張させる第3膨張機構と、前記放熱器で放熱した高圧冷媒と、前記第3膨張機構で断熱膨張させた中間圧冷媒とを熱交換させる高中間圧熱交換器と、検知された温度が予め設定された温度閾値以下となることにより低周温時と判断された場合には、前記バイパスバルブを閉成させる一方、検知された温度が前記温度閾値を超えることにより高周温時と判断された場合には、前記バイパスバルブを開成させる制御手段とを備えたことを特徴とする。
また、本発明の請求項2に係る冷媒回路装置は、蒸発器で蒸発した低圧冷媒を吸引して圧縮し、中間圧冷媒として吐出する第1圧縮機と、前記第1圧縮機から吐出され、かつ中間熱交換器で放熱した中間圧冷媒を吸引して圧縮し、高圧冷媒として吐出する第2圧縮機と、前記第2圧縮機から吐出された高圧冷媒を放熱させる放熱器と、前記放熱器で放熱した高圧冷媒を中間圧冷媒に減圧して断熱膨張させる第1膨張機構と、前記第1膨張機構で断熱膨張させた中間圧冷媒を気相冷媒と液相冷媒とに分離させ、かつ気相冷媒を前記中間熱交換器で放熱した中間圧冷媒に合流させるよう送出する気液分離器と、前記気液分離器で分離された液相冷媒を低圧冷媒に減圧することで断熱膨張させ、かつ前記蒸発器に送出する第2膨張機構とを冷媒配管で接続することで2段圧縮2段膨張冷凍サイクルを行う冷媒回路を備えた冷媒回路装置において、前記放熱器から前記第1膨張機構に至る冷媒配管の途中から分岐し、前記中間熱交換器から前記第2圧縮機に至る冷媒配管に合流する態様で設けられたバイパス配管と、前記バイパス配管に設けられ、閉成する場合には該バイパス配管における冷媒の通過を規制する一方、開成する場合には該バイパス配管における冷媒の通過を許容するバイパスバルブと、前記バイパス配管を通過する高圧冷媒を中間圧冷媒に減圧して断熱膨張させる第3膨張機構と、前記放熱器で放熱した高圧冷媒と、前記第3膨張機構で断熱膨張させた中間圧冷媒とを熱交換させる高中間圧熱交換器と、前記第2圧縮機の吐出圧力が予め設定された圧力閾値以下となることにより低周温時と判断された場合には、前記バイパスバルブを閉成させる一方、前記第2圧縮機の吐出圧力が前記圧力閾値を超えることにより高周温時と判断された場合には、前記バイパスバルブを開成させる制御手段とを備えたことを特徴とする。
また、本発明の請求項3に係る冷媒回路装置は、上述した請求項1又は請求項2において、前記制御手段は、予め設定された日付情報に従って所定のタイムスケジュールにて低周温時であるか否かを判断することを特徴とする。
また、本発明の請求項4に係る冷媒回路装置は、上述した請求項1〜3のいずれか1つにおいて、前記気液分離器で分離させた液相冷媒と、前記蒸発器で蒸発した低圧冷媒とを熱交換させる低中間圧熱交換器を備えたことを特徴とする。
また、本発明の請求項5に係る冷媒回路装置は、上述した請求項1〜4のいずれか1つにおいて、前記制御手段は、前記第3膨張機構で減圧された中間圧冷媒の温度が前記第2圧縮機に吸引される中間圧冷媒の温度よりも低くなるよう該第3膨張機構の開度を調整し、かつ前記第1膨張機構の開度が前記第3膨張機構よりも大きくなるよう調整することを特徴とする。
また、本発明の請求項6に係る冷媒回路装置は、上述した請求項1〜5のいずれか1つにおいて、前記冷媒は、二酸化炭素であることを特徴とする。
本発明の冷媒回路装置においては、制御手段が、検知された温度が温度閾値以下となることにより低周温時と判断された場合にはバイパスバルブを閉成させるので、放熱器で放熱した高圧冷媒を第1膨張機構で一旦中間圧に減圧させることで冷凍効率を向上させることができる。その一方、検知された温度が温度閾値を超えることにより高周温時と判断された場合にはバイパスバルブを開成させるので、高中間圧熱交換器により第1膨張機構で減圧される前の高圧冷媒の温度を低下させ、かつ温度を低下させた高圧冷媒を第1膨張機構で一旦中間圧に減圧させることで、冷凍効率を向上させている。従って、本発明の冷媒回路装置によれば、周囲温度に応じて冷凍効率が最も高くなる循環流路を選択することができ、これにより2段圧縮2段膨張冷凍サイクルを行う冷媒回路において、周囲温度に関わらず冷凍効率を良好なものとすることができるという効果を奏する。
また、本発明の冷媒回路装置においては、制御手段が、第2圧縮機の吐出圧力が圧力閾値以下となることにより低周温時と判断された場合にはバイパスバルブを閉成させるので、放熱器で放熱した高圧冷媒を第1膨張機構で一旦中間圧に減圧させることで冷凍効率を向上させることができる。その一方、第2圧縮機の吐出圧力が圧力閾値を超えることにより高周温時と判断された場合にはバイパスバルブを開成させるので、高中間圧熱交換器により第1膨張機構で減圧される前の高圧冷媒の温度を低下させ、かつ温度を低下させた高圧冷媒を第1膨張機構で一旦中間圧に減圧させることで、冷凍効率を向上させている。従って、本発明の冷媒回路装置によれば、周囲温度に応じて冷凍効率が最も高くなる循環流路を選択することができ、これにより2段圧縮2段膨張冷凍サイクルを行う冷媒回路において、周囲温度に関わらず冷凍効率を良好なものとすることができるという効果を奏する。
図1は、本発明の実施の形態1である冷媒回路装置を構成する冷媒回路の概略図である。 図2は、本実施の形態1である冷媒回路装置の特徴的な制御系を示すブロック図である。 図3は、図2に示したコントローラが実施する冷媒回路制御処理の処理内容について示すフローチャートである。 図4は、図1に示した冷媒回路における冷媒の循環流路を示す概略図である。 図5は、図1に示した冷媒回路における冷媒の循環流路を示す概略図である。 図6は、本発明の実施の形態2である冷媒回路装置を構成する冷媒回路の概略図である。 図7は、本実施の形態2である冷媒回路装置の特徴的な制御系を示すブロック図である。 図8は、図7に示したコントローラが実施する冷媒回路制御処理の処理内容について示すフローチャートである。 図9は、図6に示した冷媒回路における冷媒の循環流路を示す概略図である。 図10は、図6に示した冷媒回路における冷媒の循環流路を示す概略図である。 図11は、本発明の実施の形態3である冷媒回路装置を構成する冷媒回路の概略図である。 図12は、本実施の形態3である冷媒回路装置の特徴的な制御系を示すブロック図である。 図13は、図12に示したコントローラが実施する冷媒回路制御処理の処理内容について示すフローチャートである。 図14は、図11に示した冷媒回路における冷媒の循環流路を示す概略図である。 図15は、図11に示した冷媒回路における冷媒の循環流路を示す概略図である。 図16は、本発明の実施の形態4である冷媒回路装置を構成する冷媒回路の概略図である。 図17は、本実施の形態4である冷媒回路装置の特徴的な制御系を示すブロック図である。 図18は、図17に示したコントローラが実施する冷媒回路制御処理の処理内容について示すフローチャートである。 図19は、図16に示した冷媒回路における冷媒の循環流路を示す概略図である。 図20は、図16に示した冷媒回路における冷媒の循環流路を示す概略図である。 図21は、本発明の実施の形態4である冷媒回路装置を構成する冷媒回路の変形例の概略図である。
以下に添付図面を参照して、本発明に係る冷媒回路装置の好適な実施の形態について詳細に説明する。
<実施の形態1>
図1は、本発明の実施の形態1である冷媒回路装置を構成する冷媒回路の概略図である。ここで例示する冷媒回路1aは、例えば二酸化炭素を冷媒として封入したもので、第1圧縮機11、第2圧縮機12、放熱器13、第1膨張弁14、気液分離器15、第2膨張弁16及び蒸発器17を冷媒配管2にて順次接続して構成されたものである。
第1圧縮機11は、蒸発器17で蒸発した低圧冷媒を吸引して圧縮し、中間圧冷媒として吐出するものである。第2圧縮機12は、第1圧縮機11で圧縮され、かつ中間熱交換器18で放熱した中間圧冷媒を吸引して圧縮し、高圧冷媒として吐出するものである。中間熱交換器18は、第1圧縮機11と第2圧縮機12との間であって放熱器13に隣接する態様で設けられており、自身の流路を通過する冷媒(中間圧冷媒)と周囲空気とを熱交換させて中間圧冷媒に放熱させるものである。
本実施の形態1である冷媒回路装置の冷媒回路1aにおいては、第1圧縮機11と中間熱交換器18との間の冷媒配管2には第1オイルセパレータ19が設けられている。第1オイルセパレータ19は、第1圧縮機11で圧縮されて吐出された中間圧冷媒と、この中間圧冷媒とともに吐出されるオイルとの混合物である油混合冷媒を冷媒(中間圧冷媒)とオイルとに遠心分離させるものである。そして、遠心分離された冷媒は、中間熱交換器18に送出される一方、遠心分離されたオイルは、オイル戻り配管20を通じて第1圧縮機11に送出される。ここでオイル戻り配管20の途中にはオイルを減圧させるためのキャピラリーチューブ21が設けられている。
放熱器13は、第2圧縮機12から吐出されて自身の流路を通過する高圧冷媒と周囲空気とを熱交換させて高圧冷媒を放熱させるものである。本実施の形態1である冷媒回路装置の冷媒回路1aにおいては、第2圧縮機12と放熱器13との間の冷媒配管2には第2オイルセパレータ22が設けられている。第2オイルセパレータ22は、第2圧縮機12で圧縮されて吐出された高圧冷媒と、この高圧冷媒とともに吐出されるオイルとの混合物である油混合冷媒を冷媒(高圧冷媒)とオイルとに遠心分離させるものである。そして、遠心分離された冷媒は、放熱器13に送出される一方、遠心分離されたオイルは、オイル戻り配管23を通じて第2圧縮機12に送出される。ここでオイル戻り配管23の途中にはオイルを減圧させるためのキャピラリーチューブ24が設けられている。
第1膨張弁14は、例えば電子膨張弁等により構成されるもので、後述するコントローラ50により開度が調整されるものである。この第1膨張弁14は、放熱器13で放熱した高圧冷媒を中間圧冷媒に減圧して断熱膨張させるものである。
気液分離器15は、第1膨張弁14で断熱膨張させた中間圧冷媒を導入して気相冷媒と液相冷媒とに分離させるものである。この気液分離器15は、一端が自身に接続され、他端が中間熱交換器18と第2圧縮機12とを接続する冷媒配管2に接続された気相冷媒配管25を通じて、気相冷媒を送出するものである。すなわち、気液分離器15は、分離させた気相冷媒を中間熱交換器18で放熱した中間圧冷媒に合流させるよう送出するものである。かかる気相冷媒配管25の途中には逆止弁26が設けられている。
第2膨張弁16は、例えば電子膨張弁等により構成されるもので、コントローラ50により開度が調整されるものである。この第2膨張弁16は、気液分離器15で分離された液相冷媒(中間圧冷媒)を低圧冷媒に減圧して断熱膨張させるものである。
蒸発器17は、第2膨張弁16で断熱膨張されて自身の流路を通過する低圧冷媒と周囲空気とを熱交換させて低圧冷媒を蒸発させるものである。
このような冷媒回路1aには、上記構成の他、バイパス配管30、第3膨張弁31、第1熱交換器(高中間圧熱交換器)32及び第2熱交換器(低中間圧熱交換器)33が設けられている。
バイパス配管30は、放熱器13から第1膨張弁14に至る冷媒配管2の途中に一端が接続され、気相冷媒配管25の途中(逆止弁26よりも第2圧縮機12側の途中)に他端が接続されている。より詳細には、バイパス配管30は、放熱器13から第1膨張弁14に至る冷媒配管2の途中から分岐し、中間熱交換器18から第2圧縮機12に至る冷媒配管2に合流する態様で設けられている。
第3膨張弁31は、上記第1膨張弁14及び第2膨張弁16と同様に例えば電子膨張弁等により構成されるもので、コントローラ50により開度が調整されるものである。この第3膨張弁31は、バイパス配管30の途中に設けられており、このバイパス配管30を通過する冷媒(高圧冷媒)を中間圧冷媒に減圧して断熱膨張させるものである。
第1熱交換器32は、高圧流路321と第1中間圧流路322とが互いに熱交換可能に設けられた熱交換器である。高圧流路321は、放熱器13から第1膨張弁14に至る冷媒配管2を構成するものであり、第1中間圧流路322は、第3膨張弁31より下流側のバイパス配管30を構成するものである。つまり、第1熱交換器32は、放熱器13で放熱した高圧冷媒と、第3膨張弁31で断熱膨張させた中間圧冷媒とを熱交換させるものである。
第2熱交換器33は、第2中間圧流路331と低圧流路332とが互いに熱交換可能に設けられた熱交換器である。第2中間圧流路331は、気液分離器15から第2膨張弁16に至る冷媒配管2を構成するものであり、低圧流路332は、蒸発器17より第1圧縮機11に至る冷媒配管2を構成するものである。つまり、第2熱交換器33は、気液分離器15で分離させた液相冷媒(中間圧冷媒)と、蒸発器17で蒸発した低圧冷媒とを熱交換させるものである。
図2は、本実施の形態1である冷媒回路装置の特徴的な制御系を示すブロック図である。この図2に示すように、冷媒回路装置は、温度センサS1、第1電磁弁41、第2電磁弁(バイパスバルブ)42、第3電磁弁43、コントローラ(制御手段)50を備えている。
温度センサS1は、冷媒回路1aの周囲温度を検知する温度検知手段である。この温度センサS1にて検知された周囲温度は、温度信号としてコントローラ50に与えられる。
第1電磁弁41は、放熱器13と第1膨張弁14との間の冷媒配管2において、バイパス配管30との分岐点より下流側であって第1熱交換器32よりも上流側となる個所に配設されている。この第1電磁弁41は、コントローラ50により開閉するものであって、開成状態では該冷媒配管2における冷媒(高圧冷媒)の通過を許容する一方、閉成状態では該冷媒配管2における冷媒(高圧冷媒)の通過を規制するものである。
第2電磁弁42は、バイパス配管30において、放熱器13から第1膨張弁14に至る冷媒配管2との分岐点より下流側であって第3膨張弁31よりも上流側となる個所に配設されている。この第2電磁弁42は、コントローラ50により開閉するものであって、開成状態では該バイパス配管30における冷媒の通過を許容する一方、閉成状態では該バイパス配管30における冷媒の通過を規制するものである。
第3電磁弁43は、気相冷媒配管25において、気液分離器15より下流側であって逆止弁26よりも上流側となる個所に配設されている。この第3電磁弁43は、コントローラ50により開閉するものであって、開成状態では該気相冷媒配管25における気相冷媒(中間圧冷媒)の通過を許容する一方、閉成状態では該気相冷媒配管25における気相冷媒(中間圧冷媒)の通過を規制するものである。
コントローラ50は、メモリ60に記憶されたプログラムやデータに従って第1電磁弁41〜第3電磁弁43の開閉、並びに第1膨張弁14〜第3膨張弁31の開度を制御するものであり、入力処理部501、判定部502、電磁弁駆動処理部503及び膨張弁駆動処理部504を備えている。尚、図示のコントローラ50は、圧縮機の駆動を制御する制御要素等とは別個に構成されているが、本発明においては、かかる制御要素等と同一の制御部を構成しても構わない。
メモリ60は、上記プログラムやデータの他に、基準温度情報及び開度情報を記憶している。基準温度情報は、冷媒回路1aの周囲温度の高低を判断するための閾値となる基準温度(温度閾値)を含むものである。この基準温度は単純に任意に決められるものではなく、後述するような冷媒回路1aにおける冷媒の各循環流路のうち最も冷凍効率の高い循環流路の切り換わる温度を実験的に求めて採用されたものである。
開度情報は、第1膨張弁14〜第3膨張弁31の開度に関する情報である。この開度情報は、第1圧縮機11及び第2圧縮機12の負荷均等化、並びに第2圧縮機12の入力低減の効果が最も効率よくなる冷媒の中間圧について予め実験的に求められた開度データテーブルであり、特に、第3膨張弁31の開度については該第3膨張弁31で減圧された中間圧冷媒の温度が第2圧縮機12に吸引される中間圧冷媒の温度よりも低くなるような開度データが含まれており、更に第2膨張弁16の開度については、第3膨張弁31よりも大きくなる開度データが含まれている。尚、本実施の形態1では、開度情報は、開度データテーブルであったが、本発明においては、周囲温度や圧力等のパラメータに対し実験的に得られた関係式により各膨張弁の開度が決められるようにしても構わない。
入力処理部501は、温度センサS1から与えられる温度信号を入力するものである。判定部502は、メモリ60より基準温度情報を読み出して、この基準温度情報に含まれる基準温度と、入力処理部501を通じて入力された温度信号(検知温度)とを比較して、冷媒回路1aの周囲温度の高低、つまり低周温時であるか高周温時であるかについて判定するものである。
電磁弁駆動処理部503は、第1電磁弁41〜第3電磁弁43のそれぞれに開指令若しくは閉指令を与えて、第1電磁弁41〜第3電磁弁43を開閉させるものである。膨張弁駆動処理部504は、メモリ60より開度情報を読み出して第1膨張弁14〜第3膨張弁31の開度を所定の大きさに調整するものである。
図3は、図2に示したコントローラが実施する冷媒回路制御処理の処理内容について示すフローチャートである。この冷媒回路制御処理は、コントローラ50がメモリ60に内蔵されたカレンダー等の日付情報に従って例えば一日におけるある時間帯のような所定のタイムスケジュールにより実施されるものである。かかる冷媒回路制御処理について説明しながら、冷媒回路装置における冷媒の循環についても説明する。
冷媒回路制御処理においてコントローラ50は、入力処理部501を通じて温度センサS1から温度信号を入力した場合(ステップS101:Yes)、すなわち温度センサS1が冷媒回路1aの周囲温度を検知した場合、判定部502を通じてメモリ60より基準温度情報を読み出し、周囲温度(検知温度)が基準温度情報に含まれる基準温度以下であるか否かを判定する(ステップS102,ステップS103)。
周囲温度が基準温度以下である場合(ステップS103:Yes)、すなわち低周温時である場合、コントローラ50は、電磁弁駆動処理部503を通じて第1電磁弁41及び第3電磁弁43を開成させるとともに第2電磁弁42を閉成させ(ステップS104,ステップS105)、その後に手順をリターンさせて今回の処理を終了する。
かかるステップS104及びステップS105を実施することにより上記冷媒回路装置の冷媒回路1aでは、冷媒が次のように循環する。尚、第1膨張弁14〜第3膨張弁31の開度は、コントローラ50の膨張弁駆動処理部504によりそれぞれが所望の開度に調整されているものとする。
図4に示すように、第1圧縮機11で圧縮されて吐出された中間圧冷媒が第1オイルセパレータ19でオイルが分離された後、中間熱交換器18で放熱して第2圧縮機12に吸引される。この第2圧縮機12に吸引された中間圧冷媒は、圧縮されて高圧冷媒として吐出される。吐出された高圧冷媒は、第2オイルセパレータ22でオイルが分離された後、放熱器13に至り、この放熱器13の流路を通過中に周囲空気と熱交換して放熱する。放熱器13で放熱した高圧冷媒は、第1熱交換器32の高圧流路321を通過して第1膨張弁14で減圧されることで断熱膨張して中間圧冷媒として気液分離器15に至り、この気液分離器15において気相冷媒と液相冷媒とに分離される。気相冷媒は、気相冷媒配管25を通じて第2圧縮機12に吸引される一方、液相冷媒は、第2熱交換器33の第2中間圧流路331を通過して第2膨張弁16で減圧されることで断熱膨張して低圧冷媒として蒸発器17に至る。この蒸発器17に至った低圧冷媒は、蒸発器17の流路を通過中に周囲空気と熱交換して蒸発し、その後に第2熱交換器33の低圧流路332を通過して第1圧縮機11に吸引されることで、冷媒は冷媒回路1aを循環する。
これによれば、放熱器13で放熱した高圧冷媒を第1膨張弁14で一旦中間圧に減圧させているので、中間圧冷媒を気液分離器15により気相及び液相の各飽和状態に分離させることで冷凍効果を増大させることができ、しかも第2熱交換器33において第2中間圧流路331を通過する冷媒(中間圧冷媒)と、低圧流路332を通過する冷媒(低圧冷媒)とを熱交換させるので、第2膨張弁16で減圧される前の中間圧冷媒の温度を低下させることで冷凍効果を更に増大させることができる。この結果、冷凍効率を向上させることができる。尚、第2熱交換器33での熱交換により第1圧縮機11に吸引される低圧冷媒の温度は上昇してしまうために第1圧縮機11の負荷が増大するが、冷凍効果の増大の影響が大きいために、全体として冷凍効率を向上させることができる。
ところで、温度センサS1により検知される周囲温度が基準温度に徐々に近づいてくると、すなわち周囲温度が徐々に上昇してくると、上記冷媒の循環流路では、放熱器13の出口における高圧冷媒の温度が上昇してしまうことになり、これにより第1膨張弁14の出口における中間圧冷媒の温度及び圧力も上昇してしまい、冷凍効率の低下を招来する。
一方、周囲温度が基準温度を上回る場合(ステップS103:No)、すなわち高周温時である場合、コントローラ50は、電磁弁駆動処理部503を通じて第1電磁弁41〜第3電磁弁43を開成させ(ステップS106)、その後に手順をリターンさせて今回の処理を終了する。
かかるステップS106を実施することにより上記冷媒回路装置の冷媒回路1aでは、冷媒が次のように循環する。尚、第1膨張弁14〜第3膨張弁31の開度は、コントローラ50の膨張弁駆動処理部504によりそれぞれが所望の開度に調整されているものとする。
図5に示すように、第1圧縮機11で圧縮されて吐出された中間圧冷媒が第1オイルセパレータ19でオイルが分離された後、中間熱交換器18で放熱して第2圧縮機12に吸引される。この第2圧縮機12に吸引された中間圧冷媒は、圧縮されて高圧冷媒として吐出される。吐出された高圧冷媒は、第2オイルセパレータ22でオイルが分離された後、放熱器13に至り、この放熱器13の流路を通過中に周囲空気と熱交換して放熱する。
放熱器13で放熱した高圧冷媒は途中で2つに分岐して、一方の高圧冷媒は、第1熱交換器32の高圧流路321を通過して第1膨張弁14で減圧されることで断熱膨張して中間圧冷媒として気液分離器15に至り、この気液分離器15において気相冷媒と液相冷媒とに分離される。分離された気相冷媒は、気相冷媒配管25を通じて第2圧縮機12に吸引される。
ところで、上記放熱器13で放熱して2つに分岐した他方の高圧冷媒は、バイパス配管30を通過して第3膨張弁31で減圧されることで断熱膨張して中間圧冷媒として第1熱交換器32の第1中間圧流路322を通過する。この第1中間圧流路322を通過した中間圧冷媒は、その後に気相冷媒配管25を通過する気相冷媒に合流し、更に中間熱交換器18を通過した中間圧冷媒と合流して第2圧縮機12に吸引される。
上記気液分離器15により分離された液相冷媒は、第2熱交換器33の第2中間圧流路331を通過して第2膨張弁16で減圧されることで断熱膨張して低圧冷媒として蒸発器17に至る。この蒸発器17に至った低圧冷媒は、蒸発器17の流路を通過中に周囲空気と熱交換して蒸発し、その後に第2熱交換器33の低圧流路332を通過して第1圧縮機11に吸引されることで、冷媒は冷媒回路1aを循環する。
これによれば、第1熱交換器32において高圧流路321を通過する冷媒(高圧冷媒)と、第1中間圧流路322を通過する冷媒(中間圧冷媒)とを熱交換させるので、高周温時においても第1膨張弁14で減圧される前の高圧冷媒の温度を低下させることができる。そして、このようにして温度を低下させた高圧冷媒を第1膨張弁14で一旦中間圧に減圧させているので、中間圧冷媒を気液分離器15により気相及び液相の各飽和状態に分離させることで冷凍効果を増大させることができ、しかも第2熱交換器33において第2中間圧流路331を通過する冷媒(中間圧冷媒)と、低圧流路332を通過する冷媒(低圧冷媒)とを熱交換させるので、第2膨張弁16で減圧される前の中間圧冷媒の温度を低下させることで冷凍効果を更に増大させることができる。この結果、冷凍効率を向上させることができる。
ところで、温度センサS1により検知される周囲温度が基準温度に徐々に近づいてくると、すなわち周囲温度が徐々に低下してくると、第1熱交換器32における高圧冷媒の冷却効果が徐々に薄れていき、特に周囲温度が基準温度以下となる低周温時では、第1熱交換器32の第1中間圧流路322を通過する中間圧冷媒が蒸発温度以下とならず、結果的に図4に示す循環流路の冷凍効率の方が高くなる。
以上説明したように、本実施の形態1である冷媒回路装置では、温度センサS1により検知される周囲温度が基準温度以下となる低周温時の場合には放熱器13で放熱した高圧冷媒を第1膨張弁14で一旦中間圧に減圧させることで冷凍効率を向上させる一方、温度センサS1により検知される周囲温度が基準温度を上回る高周温時の場合には、第1熱交換器32により第1膨張弁14で減圧される前の高圧冷媒の温度を低下させ、かつ温度を低下させた高圧冷媒を第1膨張弁14で一旦中間圧に減圧させることで、冷凍効率を向上させている。
このように本実施の形態1である冷媒回路装置によれば、周囲温度に応じて冷凍効率が最も高くなる循環流路を選択することができ、これにより2段圧縮2段膨張冷凍サイクルを行う冷媒回路1aにおいて、周囲温度に関わらず冷凍効率を良好なものとすることができる。
また、上記冷媒回路装置によれば、第2熱交換器33において第2中間圧流路331を通過する冷媒(中間圧冷媒)と、低圧流路332を通過する冷媒(低圧冷媒)とを熱交換させるので、第2膨張弁16で減圧される前の中間圧冷媒の温度を低下させることで冷凍効果を更に増大させることができる。
更に、上記冷媒回路装置によれば、コントローラ50が第3膨張弁31で減圧された中間圧冷媒の温度が第2圧縮機12に吸引される中間圧冷媒の温度よりも低くなるよう該第3膨張弁31の開度を調整するので、第2圧縮機12の入口における冷媒過熱度を零より大きくすることができ、しかも第1膨張弁14の開度が第3膨張弁31よりも大きくなるよう調整するので、冷媒配管2の冷媒流量を確保して冷凍能力が低下することを抑制し、かつ第2圧縮機12が液相の冷媒を吸引してしまう、いわゆる液バックの発生を防止することができる。
<実施の形態2>
図6は、本発明の実施の形態2である冷媒回路装置を構成する冷媒回路の概略図である。尚、上述した実施の形態1と同一の構成を有するものには同一の符号を付して説明する。
ここで例示する冷媒回路1bは、例えば二酸化炭素を冷媒として封入したもので、第1圧縮機11、第2圧縮機12、放熱器13、第1膨張弁14、気液分離器15、第2膨張弁16及び蒸発器17を冷媒配管2にて順次接続して構成されたものである。
第1圧縮機11は、蒸発器17で蒸発した低圧冷媒を吸引して圧縮し、中間圧冷媒として吐出するものである。第2圧縮機12は、第1圧縮機11で圧縮され、かつ中間熱交換器18で放熱した中間圧冷媒を吸引して圧縮し、高圧冷媒として吐出するものである。中間熱交換器18は、第1圧縮機11と第2圧縮機12との間であって放熱器13に隣接する態様で設けられており、自身の流路を通過する冷媒(中間圧冷媒)と周囲空気とを熱交換させて中間圧冷媒に放熱させるものである。
本実施の形態2である冷媒回路装置の冷媒回路1bにおいては、第1圧縮機11と中間熱交換器18との間の冷媒配管2には第1オイルセパレータ19が設けられている。第1オイルセパレータ19は、第1圧縮機11で圧縮されて吐出された中間圧冷媒と、この中間圧冷媒とともに吐出されるオイルとの混合物である油混合冷媒を冷媒(中間圧冷媒)とオイルとに遠心分離させるものである。そして、遠心分離された冷媒は、中間熱交換器18に送出される一方、遠心分離されたオイルは、オイル戻り配管20を通じて第1圧縮機11に送出される。ここでオイル戻り配管20の途中にはオイルを減圧させるためのキャピラリーチューブ21が設けられている。
放熱器13は、第2圧縮機12から吐出されて自身の流路を通過する高圧冷媒と周囲空気とを熱交換させて高圧冷媒を放熱させるものである。本実施の形態2である冷媒回路装置の冷媒回路1bにおいては、第2圧縮機12と放熱器13との間の冷媒配管2には第2オイルセパレータ22が設けられている。第2オイルセパレータ22は、第2圧縮機12で圧縮されて吐出された高圧冷媒と、この高圧冷媒とともに吐出されるオイルとの混合物である油混合冷媒を冷媒(高圧冷媒)とオイルとに遠心分離させるものである。そして、遠心分離された冷媒は、放熱器13に送出される一方、遠心分離されたオイルは、オイル戻り配管23を通じて第2圧縮機12に送出される。ここでオイル戻り配管23の途中にはオイルを減圧させるためのキャピラリーチューブ24が設けられている。
第1膨張弁14は、例えば電子膨張弁等により構成されるもので、後述するコントローラ51により開度が調整されるものである。この第1膨張弁14は、放熱器13で放熱した高圧冷媒を中間圧冷媒に減圧して断熱膨張させるものである。
気液分離器15は、第1膨張弁14で断熱膨張させた中間圧冷媒を導入して気相冷媒と液相冷媒とに分離させるものである。この気液分離器15は、一端が自身に接続され、他端が中間熱交換器18と第2圧縮機12とを接続する冷媒配管2に接続された気相冷媒配管25を通じて、気相冷媒を送出するものである。すなわち、気液分離器15は、分離させた気相冷媒を中間熱交換器18で放熱した中間圧冷媒に合流させるよう送出するものである。かかる気相冷媒配管25の途中には逆止弁26が設けられている。
第2膨張弁16は、例えば電子膨張弁等により構成されるもので、コントローラ51により開度が調整されるものである。この第2膨張弁16は、気液分離器15で分離された液相冷媒(中間圧冷媒)を低圧冷媒に減圧して断熱膨張させるものである。
蒸発器17は、第2膨張弁16で断熱膨張されて自身の流路を通過する低圧冷媒と周囲空気とを熱交換させて低圧冷媒を蒸発させるものである。
このような冷媒回路1bには、上記構成の他、バイパス配管30、第3膨張弁31、第1熱交換器(高中間圧熱交換器)32及び第2熱交換器(低中間圧熱交換器)33が設けられている。
バイパス配管30は、放熱器13から第1膨張弁14に至る冷媒配管2の途中に一端が接続され、気相冷媒配管25の途中(逆止弁26よりも第2圧縮機12側の途中)に他端が接続されている。より詳細には、バイパス配管30は、放熱器13から第1膨張弁14に至る冷媒配管2の途中から分岐し、中間熱交換器18から第2圧縮機12に至る冷媒配管2に合流する態様で設けられている。
第3膨張弁31は、上記第1膨張弁14及び第2膨張弁16と同様に例えば電子膨張弁等により構成されるもので、コントローラ51により開度が調整されるものである。この第3膨張弁31は、バイパス配管30の途中に設けられており、このバイパス配管30を通過する冷媒(高圧冷媒)を中間圧冷媒に減圧して断熱膨張させるものである。
第1熱交換器32は、高圧流路321と第1中間圧流路322とが互いに熱交換可能に設けられた熱交換器である。高圧流路321は、放熱器13から第1膨張弁14に至る冷媒配管2を構成するものであり、第1中間圧流路322は、第3膨張弁31より下流側のバイパス配管30を構成するものである。つまり、第1熱交換器32は、放熱器13で放熱した高圧冷媒と、第3膨張弁31で断熱膨張させた中間圧冷媒とを熱交換させるものである。
第2熱交換器33は、第2中間圧流路331と低圧流路332とが互いに熱交換可能に設けられた熱交換器である。第2中間圧流路331は、気液分離器15から第2膨張弁16に至る冷媒配管2を構成するものであり、低圧流路332は、蒸発器17より第1圧縮機11に至る冷媒配管2を構成するものである。つまり、第2熱交換器33は、気液分離器15で分離させた液相冷媒(中間圧冷媒)と、蒸発器17で蒸発した低圧冷媒とを熱交換させるものである。
図7は、本実施の形態2である冷媒回路装置の特徴的な制御系を示すブロック図である。この図7に示すように、冷媒回路装置は、温度センサS2、第1電磁弁41、第2電磁弁(バイパスバルブ)42、第3電磁弁43、コントローラ(制御手段)51を備えている。
温度センサS2は、放熱器13の空気吸込口近傍、より詳細には、放熱器13を収納する収納容器(図示せず)の内部であって、放熱器13の周囲を通過する空気を吸い込むための開口近傍に配設されており、放熱器13の周囲を通過する空気の温度を検知する温度検知手段である。この温度センサS2にて検知された通過空気温度は、温度信号としてコントローラ51に与えられる。
第1電磁弁41は、放熱器13と第1膨張弁14との間の冷媒配管2において、バイパス配管30との分岐点より下流側であって第1熱交換器32よりも上流側となる個所に配設されている。この第1電磁弁41は、コントローラ51により開閉するものであって、開成状態では該冷媒配管2における冷媒(高圧冷媒)の通過を許容する一方、閉成状態では該冷媒配管2における冷媒(高圧冷媒)の通過を規制するものである。
第2電磁弁42は、バイパス配管30において、放熱器13から第1膨張弁14に至る冷媒配管2との分岐点より下流側であって第3膨張弁31よりも上流側となる個所に配設されている。この第2電磁弁42は、コントローラ51により開閉するものであって、開成状態では該バイパス配管30における冷媒の通過を許容する一方、閉成状態では該バイパス配管30における冷媒の通過を規制するものである。
第3電磁弁43は、気相冷媒配管25において、気液分離器15より下流側であって逆止弁26よりも上流側となる個所に配設されている。この第3電磁弁43は、コントローラ51により開閉するものであって、開成状態では該気相冷媒配管25における気相冷媒(中間圧冷媒)の通過を許容する一方、閉成状態では該気相冷媒配管25における気相冷媒(中間圧冷媒)の通過を規制するものである。
コントローラ51は、メモリ61に記憶されたプログラムやデータに従って第1電磁弁41〜第3電磁弁43の開閉、並びに第1膨張弁14〜第3膨張弁31の開度を制御するものであり、入力処理部511、判定部512、電磁弁駆動処理部513及び膨張弁駆動処理部514を備えている。尚、図示のコントローラ51は、圧縮機の駆動を制御する制御要素等とは別個に構成されているが、本発明においては、かかる制御要素等と同一の制御部を構成しても構わない。
メモリ61は、上記プログラムやデータの他に、基準温度情報及び開度情報を記憶している。基準温度情報は、放熱器13の周囲を通過する空気の温度の高低を判断するための閾値となる基準温度(温度閾値)を含むものである。この基準温度は単純に任意に決められるものではなく、後述するような冷媒回路1bにおける冷媒の各循環流路のうち最も冷凍効率の高い循環流路の切り換わる温度を実験的に求めて採用されたものである。
開度情報は、第1膨張弁14〜第3膨張弁31の開度に関する情報である。この開度情報は、第1圧縮機11及び第2圧縮機12の負荷均等化、並びに第2圧縮機12の入力低減の効果が最も効率よくなる冷媒の中間圧について予め実験的に求められた開度データテーブルであり、特に、第3膨張弁31の開度については該第3膨張弁31で減圧された中間圧冷媒の温度が第2圧縮機12に吸引される中間圧冷媒の温度よりも低くなるような開度データが含まれており、更に第2膨張弁16の開度については、第3膨張弁31よりも大きくなる開度データが含まれている。尚、本実施の形態2では、開度情報は、開度データテーブルであったが、本発明においては、通過空気温度や圧力等のパラメータに対し実験的に得られた関係式により各膨張弁の開度が決められるようにしても構わない。
入力処理部511は、温度センサS2から与えられる温度信号を入力するものである。判定部512は、メモリ61より基準温度情報を読み出して、この基準温度情報に含まれる基準温度と、入力処理部511を通じて入力された温度信号(検知温度)とを比較して、放熱器13への通過空気温度の高低、つまり低周温時であるか高周温時であるかについて判定するものである。
電磁弁駆動処理部513は、第1電磁弁41〜第3電磁弁43のそれぞれに開指令若しくは閉指令を与えて、第1電磁弁41〜第3電磁弁43を開閉させるものである。膨張弁駆動処理部514は、メモリ61より開度情報を読み出して第1膨張弁14〜第3膨張弁31の開度を所定の大きさに調整するものである。
図8は、図7に示したコントローラが実施する冷媒回路制御処理の処理内容について示すフローチャートである。この冷媒回路制御処理は、コントローラ51がメモリ61に内蔵されたカレンダー等の日付情報に従って例えば一日におけるある時間帯のような所定のタイムスケジュールにより実施されるものである。かかる冷媒回路制御処理について説明しながら、冷媒回路装置における冷媒の循環についても説明する。
冷媒回路制御処理においてコントローラ51は、入力処理部511を通じて温度センサS2から温度信号を入力した場合(ステップS201:Yes)、すなわち温度センサS2が放熱器13への通過空気温度を検知した場合、判定部512を通じてメモリ61より基準温度情報を読み出し、通過空気温度(検知温度)が基準温度情報に含まれる基準温度以下であるか否かを判定する(ステップS202,ステップS203)。
通過空気温度が基準温度以下である場合(ステップS203:Yes)、すなわち低周温時である場合、コントローラ51は、電磁弁駆動処理部513を通じて第1電磁弁41及び第3電磁弁43を開成させるとともに第2電磁弁42を閉成させ(ステップS204,ステップS205)、その後に手順をリターンさせて今回の処理を終了する。
かかるステップS204及びステップS205を実施することにより上記冷媒回路装置の冷媒回路1bでは、冷媒が次のように循環する。尚、第1膨張弁14〜第3膨張弁31の開度は、コントローラ51の膨張弁駆動処理部514によりそれぞれが所望の開度に調整されているものとする。
図9に示すように、第1圧縮機11で圧縮されて吐出された中間圧冷媒が第1オイルセパレータ19でオイルが分離された後、中間熱交換器18で放熱して第2圧縮機12に吸引される。この第2圧縮機12に吸引された中間圧冷媒は、圧縮されて高圧冷媒として吐出される。吐出された高圧冷媒は、第2オイルセパレータ22でオイルが分離された後、放熱器13に至り、この放熱器13の流路を通過中に周囲空気と熱交換して放熱する。放熱器13で放熱した高圧冷媒は、第1熱交換器32の高圧流路321を通過して第1膨張弁14で減圧されることで断熱膨張して中間圧冷媒として気液分離器15に至り、この気液分離器15において気相冷媒と液相冷媒とに分離される。気相冷媒は、気相冷媒配管25を通じて第2圧縮機12に吸引される一方、液相冷媒は、第2熱交換器33の第2中間圧流路331を通過して第2膨張弁16で減圧されることで断熱膨張して低圧冷媒として蒸発器17に至る。この蒸発器17に至った低圧冷媒は、蒸発器17の流路を通過中に周囲空気と熱交換して蒸発し、その後に第2熱交換器33の低圧流路332を通過して第1圧縮機11に吸引されることで、冷媒は冷媒回路1bを循環する。
これによれば、放熱器13で放熱した高圧冷媒を第1膨張弁14で一旦中間圧に減圧させているので、中間圧冷媒を気液分離器15により気相及び液相の各飽和状態に分離させることで冷凍効果を増大させることができ、しかも第2熱交換器33において第2中間圧流路331を通過する冷媒(中間圧冷媒)と、低圧流路332を通過する冷媒(低圧冷媒)とを熱交換させるので、第2膨張弁16で減圧される前の中間圧冷媒の温度を低下させることで冷凍効果を更に増大させることができる。この結果、冷凍効率を向上させることができる。尚、第2熱交換器33での熱交換により第1圧縮機11に吸引される低圧冷媒の温度は上昇してしまうために第1圧縮機11の負荷が増大するが、冷凍効果の増大の影響が大きいために、全体として冷凍効率を向上させることができる。
ところで、温度センサS2により検知される通過空気温度が基準温度に徐々に近づいてくると、すなわち通過空気温度が徐々に上昇してくると、上記冷媒の循環流路では、放熱器13の出口における高圧冷媒の温度が上昇してしまうことになり、これにより第1膨張弁14の出口における中間圧冷媒の温度及び圧力も上昇してしまい、冷凍効率の低下を招来する。
一方、通過空気温度が基準温度を上回る場合(ステップS203:No)、すなわち高周温時である場合、コントローラ51は、電磁弁駆動処理部513を通じて第1電磁弁41〜第3電磁弁43を開成させ(ステップS206)、その後に手順をリターンさせて今回の処理を終了する。
かかるステップS206を実施することにより上記冷媒回路装置の冷媒回路1bでは、冷媒が次のように循環する。尚、第1膨張弁14〜第3膨張弁31の開度は、コントローラ51の膨張弁駆動処理部514によりそれぞれが所望の開度に調整されているものとする。
図10に示すように、第1圧縮機11で圧縮されて吐出された中間圧冷媒が第1オイルセパレータ19でオイルが分離された後、中間熱交換器18で放熱して第2圧縮機12に吸引される。この第2圧縮機12に吸引された中間圧冷媒は、圧縮されて高圧冷媒として吐出される。吐出された高圧冷媒は、第2オイルセパレータ22でオイルが分離された後、放熱器13に至り、この放熱器13の流路を通過中に周囲空気と熱交換して放熱する。
放熱器13で放熱した高圧冷媒は途中で2つに分岐して、一方の高圧冷媒は、第1熱交換器32の高圧流路321を通過して第1膨張弁14で減圧されることで断熱膨張して中間圧冷媒として気液分離器15に至り、この気液分離器15において気相冷媒と液相冷媒とに分離される。分離された気相冷媒は、気相冷媒配管25を通じて第2圧縮機12に吸引される。
ところで、上記放熱器13で放熱して2つに分岐した他方の高圧冷媒は、バイパス配管30を通過して第3膨張弁31で減圧されることで断熱膨張して中間圧冷媒として第1熱交換器32の第1中間圧流路322を通過する。この第1中間圧流路322を通過した中間圧冷媒は、その後に気相冷媒配管25を通過する気相冷媒に合流し、更に中間熱交換器18を通過した中間圧冷媒と合流して第2圧縮機12に吸引される。
上記気液分離器15により分離された液相冷媒は、第2熱交換器33の第2中間圧流路331を通過して第2膨張弁16で減圧されることで断熱膨張して低圧冷媒として蒸発器17に至る。この蒸発器17に至った低圧冷媒は、蒸発器17の流路を通過中に周囲空気と熱交換して蒸発し、その後に第2熱交換器33の低圧流路332を通過して第1圧縮機11に吸引されることで、冷媒は冷媒回路1bを循環する。
これによれば、第1熱交換器32において高圧流路321を通過する冷媒(高圧冷媒)と、第1中間圧流路322を通過する冷媒(中間圧冷媒)とを熱交換させるので、高周温時においても第1膨張弁14で減圧される前の高圧冷媒の温度を低下させることができる。そして、このようにして温度を低下させた高圧冷媒を第1膨張弁14で一旦中間圧に減圧させているので、中間圧冷媒を気液分離器15により気相及び液相の各飽和状態に分離させることで冷凍効果を増大させることができ、しかも第2熱交換器33において第2中間圧流路331を通過する冷媒(中間圧冷媒)と、低圧流路332を通過する冷媒(低圧冷媒)とを熱交換させるので、第2膨張弁16で減圧される前の中間圧冷媒の温度を低下させることで冷凍効果を更に増大させることができる。この結果、冷凍効率を向上させることができる。
ところで、温度センサS2により検知される通過空気温度が基準温度に徐々に近づいてくると、すなわち通過空気温度が徐々に低下してくると、第1熱交換器32における高圧冷媒の冷却効果が徐々に薄れていき、特に通過空気温度が基準温度以下となる低周温時では、第1熱交換器32の第1中間圧流路322を通過する中間圧冷媒が蒸発温度以下とならず、結果的に図9に示す循環流路の冷凍効率の方が高くなる。
以上説明したように、本実施の形態2である冷媒回路装置では、温度センサS2により検知される通過空気温度が基準温度以下となる低周温時の場合には放熱器13で放熱した高圧冷媒を第1膨張弁14で一旦中間圧に減圧させることで冷凍効率を向上させる一方、温度センサS2により検知される通過空気温度が基準温度を上回る高周温時の場合には、第1熱交換器32により第1膨張弁14で減圧される前の高圧冷媒の温度を低下させ、かつ温度を低下させた高圧冷媒を第1膨張弁14で一旦中間圧に減圧させることで、冷凍効率を向上させている。
このように本実施の形態2である冷媒回路装置によれば、通過空気温度に応じて冷凍効率が最も高くなる循環流路を選択することができ、これにより2段圧縮2段膨張冷凍サイクルを行う冷媒回路1bにおいて、周囲温度に関わらず冷凍効率を良好なものとすることができる。
また、上記冷媒回路装置によれば、第2熱交換器33において第2中間圧流路331を通過する冷媒(中間圧冷媒)と、低圧流路332を通過する冷媒(低圧冷媒)とを熱交換させるので、第2膨張弁16で減圧される前の中間圧冷媒の温度を低下させることで冷凍効果を更に増大させることができる。
更に、上記冷媒回路装置によれば、コントローラ51が第3膨張弁31で減圧された中間圧冷媒の温度が第2圧縮機12に吸引される中間圧冷媒の温度よりも低くなるよう該第3膨張弁31の開度を調整するので、第2圧縮機12の入口における冷媒過熱度を零より大きくすることができ、しかも第1膨張弁14の開度が第3膨張弁31よりも大きくなるよう調整するので、冷媒配管2の冷媒流量を確保して冷凍能力が低下することを抑制し、かつ第2圧縮機12が液相の冷媒を吸引してしまう、いわゆる液バックの発生を防止することができる。
<実施の形態3>
図11は、本発明の実施の形態3である冷媒回路装置を構成する冷媒回路の概略図である。尚、上述した実施の形態1及び2と同一の構成を有するものには同一の符号を付して説明する。
ここで例示する冷媒回路1cは、例えば二酸化炭素を冷媒として封入したもので、第1圧縮機11、第2圧縮機12、放熱器13、第1膨張弁14、気液分離器15、第2膨張弁16及び蒸発器17を冷媒配管2にて順次接続して構成されたものである。
第1圧縮機11は、蒸発器17で蒸発した低圧冷媒を吸引して圧縮し、中間圧冷媒として吐出するものである。第2圧縮機12は、第1圧縮機11で圧縮され、かつ中間熱交換器18で放熱した中間圧冷媒を吸引して圧縮し、高圧冷媒として吐出するものである。中間熱交換器18は、第1圧縮機11と第2圧縮機12との間であって放熱器13に隣接する態様で設けられており、自身の流路を通過する冷媒(中間圧冷媒)と周囲空気とを熱交換させて中間圧冷媒に放熱させるものである。
本実施の形態3である冷媒回路装置の冷媒回路1cにおいては、第1圧縮機11と中間熱交換器18との間の冷媒配管2には第1オイルセパレータ19が設けられている。第1オイルセパレータ19は、第1圧縮機11で圧縮されて吐出された中間圧冷媒と、この中間圧冷媒とともに吐出されるオイルとの混合物である油混合冷媒を冷媒(中間圧冷媒)とオイルとに遠心分離させるものである。そして、遠心分離された冷媒は、中間熱交換器18に送出される一方、遠心分離されたオイルは、オイル戻り配管20を通じて第1圧縮機11に送出される。ここでオイル戻り配管20の途中にはオイルを減圧させるためのキャピラリーチューブ21が設けられている。
放熱器13は、第2圧縮機12から吐出されて自身の流路を通過する高圧冷媒と周囲空気とを熱交換させて高圧冷媒を放熱させるものである。本実施の形態3である冷媒回路装置の冷媒回路1cにおいては、第2圧縮機12と放熱器13との間の冷媒配管2には第2オイルセパレータ22が設けられている。第2オイルセパレータ22は、第2圧縮機12で圧縮されて吐出された高圧冷媒と、この高圧冷媒とともに吐出されるオイルとの混合物である油混合冷媒を冷媒(高圧冷媒)とオイルとに遠心分離させるものである。そして、遠心分離された冷媒は、放熱器13に送出される一方、遠心分離されたオイルは、オイル戻り配管23を通じて第2圧縮機12に送出される。ここでオイル戻り配管23の途中にはオイルを減圧させるためのキャピラリーチューブ24が設けられている。
第1膨張弁14は、例えば電子膨張弁等により構成されるもので、後述するコントローラ52により開度が調整されるものである。この第1膨張弁14は、放熱器13で放熱した高圧冷媒を中間圧冷媒に減圧して断熱膨張させるものである。
気液分離器15は、第1膨張弁14で断熱膨張させた中間圧冷媒を導入して気相冷媒と液相冷媒とに分離させるものである。この気液分離器15は、一端が自身に接続され、他端が中間熱交換器18と第2圧縮機12とを接続する冷媒配管2に接続された気相冷媒配管25を通じて、気相冷媒を送出するものである。すなわち、気液分離器15は、分離させた気相冷媒を中間熱交換器18で放熱した中間圧冷媒に合流させるよう送出するものである。かかる気相冷媒配管25の途中には逆止弁26が設けられている。
第2膨張弁16は、例えば電子膨張弁等により構成されるもので、コントローラ52により開度が調整されるものである。この第2膨張弁16は、気液分離器15で分離された液相冷媒(中間圧冷媒)を低圧冷媒に減圧して断熱膨張させるものである。
蒸発器17は、第2膨張弁16で断熱膨張されて自身の流路を通過する低圧冷媒と周囲空気とを熱交換させて低圧冷媒を蒸発させるものである。
このような冷媒回路1cには、上記構成の他、バイパス配管30、第3膨張弁31、第1熱交換器(高中間圧熱交換器)32及び第2熱交換器(低中間圧熱交換器)33が設けられている。
バイパス配管30は、放熱器13から第1膨張弁14に至る冷媒配管2の途中に一端が接続され、気相冷媒配管25の途中(逆止弁26よりも第2圧縮機12側の途中)に他端が接続されている。より詳細には、バイパス配管30は、放熱器13から第1膨張弁14に至る冷媒配管2の途中から分岐し、中間熱交換器18から第2圧縮機12に至る冷媒配管2に合流する態様で設けられている。
第3膨張弁31は、上記第1膨張弁14及び第2膨張弁16と同様に例えば電子膨張弁等により構成されるもので、コントローラ52により開度が調整されるものである。この第3膨張弁31は、バイパス配管30の途中に設けられており、このバイパス配管30を通過する冷媒(高圧冷媒)を中間圧冷媒に減圧して断熱膨張させるものである。
第1熱交換器32は、高圧流路321と第1中間圧流路322とが互いに熱交換可能に設けられた熱交換器である。高圧流路321は、放熱器13から第1膨張弁14に至る冷媒配管2を構成するものであり、第1中間圧流路322は、第3膨張弁31より下流側のバイパス配管30を構成するものである。つまり、第1熱交換器32は、放熱器13で放熱した高圧冷媒と、第3膨張弁31で断熱膨張させた中間圧冷媒とを熱交換させるものである。
第2熱交換器33は、第2中間圧流路331と低圧流路332とが互いに熱交換可能に設けられた熱交換器である。第2中間圧流路331は、気液分離器15から第2膨張弁16に至る冷媒配管2を構成するものであり、低圧流路332は、蒸発器17より第1圧縮機11に至る冷媒配管2を構成するものである。つまり、第2熱交換器33は、気液分離器15で分離させた液相冷媒(中間圧冷媒)と、蒸発器17で蒸発した低圧冷媒とを熱交換させるものである。
図12は、本実施の形態3である冷媒回路装置の特徴的な制御系を示すブロック図である。この図12に示すように、冷媒回路装置は、温度センサS3、第1電磁弁41、第2電磁弁(バイパスバルブ)42、第3電磁弁43、コントローラ(制御手段)52を備えている。
温度センサS3は、放熱器13の出口側の冷媒配管2の表面に配設されており、放熱器13で放熱した冷媒の温度を検知する温度検知手段である。この温度センサS3にて検知された放熱冷媒温度は、温度信号としてコントローラ52に与えられる。
第1電磁弁41は、放熱器13と第1膨張弁14との間の冷媒配管2において、バイパス配管30との分岐点より下流側であって第1熱交換器32よりも上流側となる個所に配設されている。この第1電磁弁41は、コントローラ52により開閉するものであって、開成状態では該冷媒配管2における冷媒(高圧冷媒)の通過を許容する一方、閉成状態では該冷媒配管2における冷媒(高圧冷媒)の通過を規制するものである。
第2電磁弁42は、バイパス配管30において、放熱器13から第1膨張弁14に至る冷媒配管2との分岐点より下流側であって第3膨張弁31よりも上流側となる個所に配設されている。この第2電磁弁42は、コントローラ52により開閉するものであって、開成状態では該バイパス配管30における冷媒の通過を許容する一方、閉成状態では該バイパス配管30における冷媒の通過を規制するものである。
第3電磁弁43は、気相冷媒配管25において、気液分離器15より下流側であって逆止弁26よりも上流側となる個所に配設されている。この第3電磁弁43は、コントローラ52により開閉するものであって、開成状態では該気相冷媒配管25における気相冷媒(中間圧冷媒)の通過を許容する一方、閉成状態では該気相冷媒配管25における気相冷媒(中間圧冷媒)の通過を規制するものである。
コントローラ52は、メモリ62に記憶されたプログラムやデータに従って第1電磁弁41〜第3電磁弁43の開閉、並びに第1膨張弁14〜第3膨張弁31の開度を制御するものであり、入力処理部521、判定部522、電磁弁駆動処理部523及び膨張弁駆動処理部524を備えている。尚、図示のコントローラ52は、圧縮機の駆動を制御する制御要素等とは別個に構成されているが、本発明においては、かかる制御要素等と同一の制御部を構成しても構わない。
メモリ62は、上記プログラムやデータの他に、基準温度情報及び開度情報を記憶している。基準温度情報は、放熱器13で放熱した冷媒の温度の高低を判断するための閾値となる基準温度(温度閾値)を含むものである。この基準温度は単純に任意に決められるものではなく、後述するような冷媒回路1cにおける冷媒の各循環流路のうち最も冷凍効率の高い循環流路の切り換わる温度を実験的に求めて採用されたものである。
開度情報は、第1膨張弁14〜第3膨張弁31の開度に関する情報である。この開度情報は、第1圧縮機11及び第2圧縮機12の負荷均等化、並びに第2圧縮機12の入力低減の効果が最も効率よくなる冷媒の中間圧について予め実験的に求められた開度データテーブルであり、特に、第3膨張弁31の開度については該第3膨張弁31で減圧された中間圧冷媒の温度が第2圧縮機12に吸引される中間圧冷媒の温度よりも低くなるような開度データが含まれており、更に第2膨張弁16の開度については、第3膨張弁31よりも大きくなる開度データが含まれている。尚、本実施の形態3では、開度情報は、開度データテーブルであったが、本発明においては、放熱冷媒温度や圧力等のパラメータに対し実験的に得られた関係式により各膨張弁の開度が決められるようにしても構わない。
入力処理部521は、温度センサS3から与えられる温度信号を入力するものである。判定部522は、メモリ62より基準温度情報を読み出して、この基準温度情報に含まれる基準温度と、入力処理部521を通じて入力された温度信号(検知温度)とを比較して、放熱器13への放熱冷媒温度の高低、つまり低周温時であるか高周温時であるかについて判定するものである。
電磁弁駆動処理部523は、第1電磁弁41〜第3電磁弁43のそれぞれに開指令若しくは閉指令を与えて、第1電磁弁41〜第3電磁弁43を開閉させるものである。膨張弁駆動処理部524は、メモリ62より開度情報を読み出して第1膨張弁14〜第3膨張弁31の開度を所定の大きさに調整するものである。
図13は、図12に示したコントローラが実施する冷媒回路制御処理の処理内容について示すフローチャートである。この冷媒回路制御処理は、コントローラ52がメモリ62に内蔵されたカレンダー等の日付情報に従って例えば一日におけるある時間帯のような所定のタイムスケジュールにより実施されるものである。かかる冷媒回路制御処理について説明しながら、冷媒回路装置における冷媒の循環についても説明する。
冷媒回路制御処理においてコントローラ52は、入力処理部521を通じて温度センサS3から温度信号を入力した場合(ステップS301:Yes)、すなわち温度センサS3が放熱器13で放熱した冷媒の温度を検知した場合、判定部522を通じてメモリ62より基準温度情報を読み出し、放熱冷媒温度(検知温度)が基準温度情報に含まれる基準温度以下であるか否かを判定する(ステップS302,ステップS303)。
放熱冷媒温度が基準温度以下である場合(ステップS303:Yes)、すなわち低周温時である場合、コントローラ52は、電磁弁駆動処理部523を通じて第1電磁弁41及び第3電磁弁43を開成させるとともに第2電磁弁42を閉成させ(ステップS304,ステップS305)、その後に手順をリターンさせて今回の処理を終了する。
かかるステップS304及びステップS305を実施することにより上記冷媒回路装置の冷媒回路1cでは、冷媒が次のように循環する。尚、第1膨張弁14〜第3膨張弁31の開度は、コントローラ52の膨張弁駆動処理部524によりそれぞれが所望の開度に調整されているものとする。
図14に示すように、第1圧縮機11で圧縮されて吐出された中間圧冷媒が第1オイルセパレータ19でオイルが分離された後、中間熱交換器18で放熱して第2圧縮機12に吸引される。この第2圧縮機12に吸引された中間圧冷媒は、圧縮されて高圧冷媒として吐出される。吐出された高圧冷媒は、第2オイルセパレータ22でオイルが分離された後、放熱器13に至り、この放熱器13の流路を通過中に周囲空気と熱交換して放熱する。放熱器13で放熱した高圧冷媒は、第1熱交換器32の高圧流路321を通過して第1膨張弁14で減圧されることで断熱膨張して中間圧冷媒として気液分離器15に至り、この気液分離器15において気相冷媒と液相冷媒とに分離される。気相冷媒は、気相冷媒配管25を通じて第2圧縮機12に吸引される一方、液相冷媒は、第2熱交換器33の第2中間圧流路331を通過して第2膨張弁16で減圧されることで断熱膨張して低圧冷媒として蒸発器17に至る。この蒸発器17に至った低圧冷媒は、蒸発器17の流路を通過中に周囲空気と熱交換して蒸発し、その後に第2熱交換器33の低圧流路332を通過して第1圧縮機11に吸引されることで、冷媒は冷媒回路1cを循環する。
これによれば、放熱器13で放熱した高圧冷媒を第1膨張弁14で一旦中間圧に減圧させているので、中間圧冷媒を気液分離器15により気相及び液相の各飽和状態に分離させることで冷凍効果を増大させることができ、しかも第2熱交換器33において第2中間圧流路331を通過する冷媒(中間圧冷媒)と、低圧流路332を通過する冷媒(低圧冷媒)とを熱交換させるので、第2膨張弁16で減圧される前の中間圧冷媒の温度を低下させることで冷凍効果を更に増大させることができる。この結果、冷凍効率を向上させることができる。尚、第2熱交換器33での熱交換により第1圧縮機11に吸引される低圧冷媒の温度は上昇してしまうために第1圧縮機11の負荷が増大するが、冷凍効果の増大の影響が大きいために、全体として冷凍効率を向上させることができる。
ところで、温度センサS3により検知される放熱冷媒温度が基準温度に徐々に近づいてくると、すなわち放熱冷媒温度が徐々に上昇してくると、上記冷媒の循環流路では、放熱器13の出口における高圧冷媒の温度が上昇してしまうことになり、これにより第1膨張弁14の出口における中間圧冷媒の温度及び圧力も上昇してしまい、冷凍効率の低下を招来する。
一方、放熱冷媒温度が基準温度を上回る場合(ステップS303:No)、すなわち高周温時である場合、コントローラ52は、電磁弁駆動処理部523を通じて第1電磁弁41〜第3電磁弁43を開成させ(ステップS306)、その後に手順をリターンさせて今回の処理を終了する。
かかるステップS306を実施することにより上記冷媒回路装置の冷媒回路1cでは、冷媒が次のように循環する。尚、第1膨張弁14〜第3膨張弁31の開度は、コントローラ52の膨張弁駆動処理部524によりそれぞれが所望の開度に調整されているものとする。
図15に示すように、第1圧縮機11で圧縮されて吐出された中間圧冷媒が第1オイルセパレータ19でオイルが分離された後、中間熱交換器18で放熱して第2圧縮機12に吸引される。この第2圧縮機12に吸引された中間圧冷媒は、圧縮されて高圧冷媒として吐出される。吐出された高圧冷媒は、第2オイルセパレータ22でオイルが分離された後、放熱器13に至り、この放熱器13の流路を通過中に周囲空気と熱交換して放熱する。
放熱器13で放熱した高圧冷媒は途中で2つに分岐して、一方の高圧冷媒は、第1熱交換器32の高圧流路321を通過して第1膨張弁14で減圧されることで断熱膨張して中間圧冷媒として気液分離器15に至り、この気液分離器15において気相冷媒と液相冷媒とに分離される。分離された気相冷媒は、気相冷媒配管25を通じて第2圧縮機12に吸引される。
ところで、上記放熱器13で放熱して2つに分岐した他方の高圧冷媒は、バイパス配管30を通過して第3膨張弁31で減圧されることで断熱膨張して中間圧冷媒として第1熱交換器32の第1中間圧流路322を通過する。この第1中間圧流路322を通過した中間圧冷媒は、その後に気相冷媒配管25を通過する気相冷媒に合流し、更に中間熱交換器18を通過した中間圧冷媒と合流して第2圧縮機12に吸引される。
上記気液分離器15により分離された液相冷媒は、第2熱交換器33の第2中間圧流路331を通過して第2膨張弁16で減圧されることで断熱膨張して低圧冷媒として蒸発器17に至る。この蒸発器17に至った低圧冷媒は、蒸発器17の流路を通過中に周囲空気と熱交換して蒸発し、その後に第2熱交換器33の低圧流路332を通過して第1圧縮機11に吸引されることで、冷媒は冷媒回路1cを循環する。
これによれば、第1熱交換器32において高圧流路321を通過する冷媒(高圧冷媒)と、第1中間圧流路322を通過する冷媒(中間圧冷媒)とを熱交換させるので、高周温時においても第1膨張弁14で減圧される前の高圧冷媒の温度を低下させることができる。そして、このようにして温度を低下させた高圧冷媒を第1膨張弁14で一旦中間圧に減圧させているので、中間圧冷媒を気液分離器15により気相及び液相の各飽和状態に分離させることで冷凍効果を増大させることができ、しかも第2熱交換器33において第2中間圧流路331を通過する冷媒(中間圧冷媒)と、低圧流路332を通過する冷媒(低圧冷媒)とを熱交換させるので、第2膨張弁16で減圧される前の中間圧冷媒の温度を低下させることで冷凍効果を更に増大させることができる。この結果、冷凍効率を向上させることができる。
ところで、温度センサS3により検知される放熱冷媒温度が基準温度に徐々に近づいてくると、すなわち放熱冷媒温度が徐々に低下してくると、第1熱交換器32における高圧冷媒の冷却効果が徐々に薄れていき、特に放熱冷媒温度が基準温度以下となる低周温時では、第1熱交換器32の第1中間圧流路322を通過する中間圧冷媒が蒸発温度以下とならず、結果的に図14に示す循環流路の冷凍効率の方が高くなる。
以上説明したように、本実施の形態3である冷媒回路装置では、温度センサS3により検知される放熱冷媒温度が基準温度以下となる低周温時の場合には放熱器13で放熱した高圧冷媒を第1膨張弁14で一旦中間圧に減圧させることで冷凍効率を向上させる一方、温度センサS3により検知される放熱冷媒温度が基準温度を上回る高周温時の場合には、第1熱交換器32により第1膨張弁14で減圧される前の高圧冷媒の温度を低下させ、かつ温度を低下させた高圧冷媒を第1膨張弁14で一旦中間圧に減圧させることで、冷凍効率を向上させている。
このように本実施の形態3である冷媒回路装置によれば、放熱冷媒温度に応じて冷凍効率が最も高くなる循環流路を選択することができ、これにより2段圧縮2段膨張冷凍サイクルを行う冷媒回路1cにおいて、周囲温度に関わらず冷凍効率を良好なものとすることができる。
また、上記冷媒回路装置によれば、第2熱交換器33において第2中間圧流路331を通過する冷媒(中間圧冷媒)と、低圧流路332を通過する冷媒(低圧冷媒)とを熱交換させるので、第2膨張弁16で減圧される前の中間圧冷媒の温度を低下させることで冷凍効果を更に増大させることができる。
更に、上記冷媒回路装置によれば、コントローラ52が第3膨張弁31で減圧された中間圧冷媒の温度が第2圧縮機12に吸引される中間圧冷媒の温度よりも低くなるよう該第3膨張弁31の開度を調整するので、第2圧縮機12の入口における冷媒過熱度を零より大きくすることができ、しかも第1膨張弁14の開度が第3膨張弁31よりも大きくなるよう調整するので、冷媒配管2の冷媒流量を確保して冷凍能力が低下することを抑制し、かつ第2圧縮機12が液相の冷媒を吸引してしまう、いわゆる液バックの発生を防止することができる。
<実施の形態4>
図16は、本発明の実施の形態4である冷媒回路装置を構成する冷媒回路の概略図である。尚、上述した実施の形態1〜3と同一の構成を有するものには同一の符号を付して説明する。
ここで例示する冷媒回路1dは、例えば二酸化炭素を冷媒として封入したもので、第1圧縮機11、第2圧縮機12、放熱器13、第1膨張弁14、気液分離器15、第2膨張弁16及び蒸発器17を冷媒配管2にて順次接続して構成されたものである。
第1圧縮機11は、蒸発器17で蒸発した低圧冷媒を吸引して圧縮し、中間圧冷媒として吐出するものである。第2圧縮機12は、第1圧縮機11で圧縮され、かつ中間熱交換器18で放熱した中間圧冷媒を吸引して圧縮し、高圧冷媒として吐出するものである。中間熱交換器18は、第1圧縮機11と第2圧縮機12との間であって放熱器13に隣接する態様で設けられており、自身の流路を通過する冷媒(中間圧冷媒)と周囲空気とを熱交換させて中間圧冷媒に放熱させるものである。
本実施の形態4である冷媒回路装置の冷媒回路1dにおいては、第1圧縮機11と中間熱交換器18との間の冷媒配管2には第1オイルセパレータ19が設けられている。第1オイルセパレータ19は、第1圧縮機11で圧縮されて吐出された中間圧冷媒と、この中間圧冷媒とともに吐出されるオイルとの混合物である油混合冷媒を冷媒(中間圧冷媒)とオイルとに遠心分離させるものである。そして、遠心分離された冷媒は、中間熱交換器18に送出される一方、遠心分離されたオイルは、オイル戻り配管20を通じて第1圧縮機11に送出される。ここでオイル戻り配管20の途中にはオイルを減圧させるためのキャピラリーチューブ21が設けられている。
放熱器13は、第2圧縮機12から吐出されて自身の流路を通過する高圧冷媒と周囲空気とを熱交換させて高圧冷媒を放熱させるものである。本実施の形態4である冷媒回路装置の冷媒回路1dにおいては、第2圧縮機12と放熱器13との間の冷媒配管2には第2オイルセパレータ22が設けられている。第2オイルセパレータ22は、第2圧縮機12で圧縮されて吐出された高圧冷媒と、この高圧冷媒とともに吐出されるオイルとの混合物である油混合冷媒を冷媒(高圧冷媒)とオイルとに遠心分離させるものである。そして、遠心分離された冷媒は、放熱器13に送出される一方、遠心分離されたオイルは、オイル戻り配管23を通じて第2圧縮機12に送出される。ここでオイル戻り配管23の途中にはオイルを減圧させるためのキャピラリーチューブ24が設けられている。
第1膨張弁14は、例えば電子膨張弁等により構成されるもので、後述するコントローラ53により開度が調整されるものである。この第1膨張弁14は、放熱器13で放熱した高圧冷媒を中間圧冷媒に減圧して断熱膨張させるものである。
気液分離器15は、第1膨張弁14で断熱膨張させた中間圧冷媒を導入して気相冷媒と液相冷媒とに分離させるものである。この気液分離器15は、一端が自身に接続され、他端が中間熱交換器18と第2圧縮機12とを接続する冷媒配管2に接続された気相冷媒配管25を通じて、気相冷媒を送出するものである。すなわち、気液分離器15は、分離させた気相冷媒を中間熱交換器18で放熱した中間圧冷媒に合流させるよう送出するものである。かかる気相冷媒配管25の途中には逆止弁26が設けられている。
第2膨張弁16は、例えば電子膨張弁等により構成されるもので、コントローラ53により開度が調整されるものである。この第2膨張弁16は、気液分離器15で分離された液相冷媒(中間圧冷媒)を低圧冷媒に減圧して断熱膨張させるものである。
蒸発器17は、第2膨張弁16で断熱膨張されて自身の流路を通過する低圧冷媒と周囲空気とを熱交換させて低圧冷媒を蒸発させるものである。
このような冷媒回路1dには、上記構成の他、バイパス配管30、第3膨張弁31、第1熱交換器(高中間圧熱交換器)32及び第2熱交換器(低中間圧熱交換器)33が設けられている。
バイパス配管30は、放熱器13から第1膨張弁14に至る冷媒配管2の途中に一端が接続され、気相冷媒配管25の途中(逆止弁26よりも第2圧縮機12側の途中)に他端が接続されている。より詳細には、バイパス配管30は、放熱器13から第1膨張弁14に至る冷媒配管2の途中から分岐し、中間熱交換器18から第2圧縮機12に至る冷媒配管2に合流する態様で設けられている。
第3膨張弁31は、上記第1膨張弁14及び第2膨張弁16と同様に例えば電子膨張弁等により構成されるもので、コントローラ53により開度が調整されるものである。この第3膨張弁31は、バイパス配管30の途中に設けられており、このバイパス配管30を通過する冷媒(高圧冷媒)を中間圧冷媒に減圧して断熱膨張させるものである。
第1熱交換器32は、高圧流路321と第1中間圧流路322とが互いに熱交換可能に設けられた熱交換器である。高圧流路321は、放熱器13から第1膨張弁14に至る冷媒配管2を構成するものであり、第1中間圧流路322は、第3膨張弁31より下流側のバイパス配管30を構成するものである。つまり、第1熱交換器32は、放熱器13で放熱した高圧冷媒と、第3膨張弁31で断熱膨張させた中間圧冷媒とを熱交換させるものである。
第2熱交換器33は、第2中間圧流路331と低圧流路332とが互いに熱交換可能に設けられた熱交換器である。第2中間圧流路331は、気液分離器15から第2膨張弁16に至る冷媒配管2を構成するものであり、低圧流路332は、蒸発器17より第1圧縮機11に至る冷媒配管2を構成するものである。つまり、第2熱交換器33は、気液分離器15で分離させた液相冷媒(中間圧冷媒)と、蒸発器17で蒸発した低圧冷媒とを熱交換させるものである。
図17は、本実施の形態4である冷媒回路装置の特徴的な制御系を示すブロック図である。この図17に示すように、冷媒回路装置は、圧力センサS4、第1電磁弁41、第2電磁弁(バイパスバルブ)42、第3電磁弁43、コントローラ(制御手段)53を備えている。
圧力センサS4は、第2圧縮機12の吐出圧力を検知する圧力検知手段である。この圧力センサS4にて検知された吐出圧力は、圧力信号としてコントローラ53に与えられる。
第1電磁弁41は、放熱器13と第1膨張弁14との間の冷媒配管2において、バイパス配管30との分岐点より下流側であって第1熱交換器32よりも上流側となる個所に配設されている。この第1電磁弁41は、コントローラ53により開閉するものであって、開成状態では該冷媒配管2における冷媒(高圧冷媒)の通過を許容する一方、閉成状態では該冷媒配管2における冷媒(高圧冷媒)の通過を規制するものである。
第2電磁弁42は、バイパス配管30において、放熱器13から第1膨張弁14に至る冷媒配管2との分岐点より下流側であって第3膨張弁31よりも上流側となる個所に配設されている。この第2電磁弁42は、コントローラ53により開閉するものであって、開成状態では該バイパス配管30における冷媒の通過を許容する一方、閉成状態では該バイパス配管30における冷媒の通過を規制するものである。
第3電磁弁43は、気相冷媒配管25において、気液分離器15より下流側であって逆止弁26よりも上流側となる個所に配設されている。この第3電磁弁43は、コントローラ53により開閉するものであって、開成状態では該気相冷媒配管25における気相冷媒(中間圧冷媒)の通過を許容する一方、閉成状態では該気相冷媒配管25における気相冷媒(中間圧冷媒)の通過を規制するものである。
コントローラ53は、メモリ63に記憶されたプログラムやデータに従って第1電磁弁41〜第3電磁弁43の開閉、並びに第1膨張弁14〜第3膨張弁31の開度を制御するものであり、入力処理部531、判定部532、電磁弁駆動処理部533及び膨張弁駆動処理部534を備えている。尚、図示のコントローラ53は、圧縮機の駆動を制御する制御要素等とは別個に構成されているが、本発明においては、かかる制御要素等と同一の制御部を構成しても構わない。
メモリ63は、上記プログラムやデータの他に、基準圧力情報及び開度情報を記憶している。基準圧力情報は、第2圧縮機12の吐出圧力の高低を判断するための閾値となる基準圧力値(圧力閾値)を含むものである。この基準圧力値は単純に任意に決められるものではなく、後述するような冷媒回路1dにおける冷媒の各循環流路のうち最も冷凍効率の高い循環流路の切り換わる圧力値を実験的に求めて採用されたものである。
開度情報は、第1膨張弁14〜第3膨張弁31の開度に関する情報である。この開度情報は、第1圧縮機11及び第2圧縮機12の負荷均等化、並びに第2圧縮機12の入力低減の効果が最も効率よくなる冷媒の中間圧について予め実験的に求められた開度データテーブルであり、特に、第3膨張弁31の開度については該第3膨張弁31で減圧された中間圧冷媒の温度が第2圧縮機12に吸引される中間圧冷媒の温度よりも低くなるような開度データが含まれており、更に第2膨張弁16の開度については、第3膨張弁31よりも大きくなる開度データが含まれている。尚、本実施の形態4では、開度情報は、開度データテーブルであったが、本発明においては、吐出圧力等のパラメータに対し実験的に得られた関係式により各膨張弁の開度が決められるようにしても構わない。
入力処理部531は、圧力センサS4から与えられる圧力信号を入力するものである。判定部532は、メモリ63より基準圧力情報を読み出して、この基準圧力情報に含まれる基準圧力値と、入力処理部531を通じて入力された圧力信号(検知圧力値)とを比較して、第2圧縮機12の吐出圧力の高低、つまり低周温時であるか高周温時であるかについて判定するものである。
電磁弁駆動処理部533は、第1電磁弁41〜第3電磁弁43のそれぞれに開指令若しくは閉指令を与えて、第1電磁弁41〜第3電磁弁43を開閉させるものである。膨張弁駆動処理部534は、メモリ63より開度情報を読み出して第1膨張弁14〜第3膨張弁31の開度を所定の大きさに調整するものである。
図18は、図17に示したコントローラが実施する冷媒回路制御処理の処理内容について示すフローチャートである。この冷媒回路制御処理は、コントローラ53がメモリ63に内蔵されたカレンダー等の日付情報に従って例えば一日におけるある時間帯のような所定のタイムスケジュールにより実施されるものである。かかる冷媒回路制御処理について説明しながら、冷媒回路装置における冷媒の循環についても説明する。
冷媒回路制御処理においてコントローラ53は、入力処理部531を通じて圧力センサS4から圧力信号を入力した場合(ステップS401:Yes)、すなわち圧力センサS4が第2圧縮機12の吐出圧力を検知した場合、判定部532を通じてメモリ63より基準圧力情報を読み出し、吐出圧力値が基準圧力情報に含まれる基準圧力値以下であるか否かを判定する(ステップS402,ステップS403)。
吐出圧力値が基準圧力値以下である場合(ステップS403:Yes)、すなわち低周温時である場合、コントローラ53は、電磁弁駆動処理部533を通じて第1電磁弁41及び第3電磁弁43を開成させるとともに第2電磁弁42を閉成させ(ステップS404,ステップS405)、その後に手順をリターンさせて今回の処理を終了する。
かかるステップS404及びステップS405を実施することにより上記冷媒回路装置の冷媒回路1dでは、冷媒が次のように循環する。尚、第1膨張弁14〜第3膨張弁31の開度は、コントローラ53の膨張弁駆動処理部534によりそれぞれが所望の開度に調整されているものとする。
図19に示すように、第1圧縮機11で圧縮されて吐出された中間圧冷媒が第1オイルセパレータ19でオイルが分離された後、中間熱交換器18で放熱して第2圧縮機12に吸引される。この第2圧縮機12に吸引された中間圧冷媒は、圧縮されて高圧冷媒として吐出される。吐出された高圧冷媒は、第2オイルセパレータ22でオイルが分離された後、放熱器13に至り、この放熱器13の流路を通過中に周囲空気と熱交換して放熱する。放熱器13で放熱した高圧冷媒は、第1熱交換器32の高圧流路321を通過して第1膨張弁14で減圧されることで断熱膨張して中間圧冷媒として気液分離器15に至り、この気液分離器15において気相冷媒と液相冷媒とに分離される。気相冷媒は、気相冷媒配管25を通じて第2圧縮機12に吸引される一方、液相冷媒は、第2熱交換器33の第2中間圧流路331を通過して第2膨張弁16で減圧されることで断熱膨張して低圧冷媒として蒸発器17に至る。この蒸発器17に至った低圧冷媒は、蒸発器17の流路を通過中に周囲空気と熱交換して蒸発し、その後に第2熱交換器33の低圧流路332を通過して第1圧縮機11に吸引されることで、冷媒は冷媒回路1dを循環する。
これによれば、放熱器13で放熱した高圧冷媒を第1膨張弁14で一旦中間圧に減圧させているので、中間圧冷媒を気液分離器15により気相及び液相の各飽和状態に分離させることで冷凍効果を増大させることができ、しかも第2熱交換器33において第2中間圧流路331を通過する冷媒(中間圧冷媒)と、低圧流路332を通過する冷媒(低圧冷媒)とを熱交換させるので、第2膨張弁16で減圧される前の中間圧冷媒の温度を低下させることで冷凍効果を更に増大させることができる。この結果、冷凍効率を向上させることができる。尚、第2熱交換器33での熱交換により第1圧縮機11に吸引される低圧冷媒の温度は上昇してしまうために第1圧縮機11の負荷が増大するが、冷凍効果の増大の影響が大きいために、全体として冷凍効率を向上させることができる。
ところで、圧力センサS4により検知される吐出圧力の値が基準圧力値に徐々に近づいてくると、すなわち吐出圧力値が徐々に上昇してくると、上記冷媒の循環流路では、放熱器13の出口における高圧冷媒の温度が上昇してしまうことになり、これにより第1膨張弁14の出口における中間圧冷媒の温度及び圧力も上昇してしまい、冷凍効率の低下を招来する。
一方、吐出圧力値が基準圧力値を上回る場合(ステップS403:No)、すなわち高周温時である場合、コントローラ53は、電磁弁駆動処理部533を通じて第1電磁弁41〜第3電磁弁43を開成させ(ステップS406)、その後に手順をリターンさせて今回の処理を終了する。
かかるステップS406を実施することにより上記冷媒回路装置の冷媒回路1dでは、冷媒が次のように循環する。尚、第1膨張弁14〜第3膨張弁31の開度は、コントローラ53の膨張弁駆動処理部534によりそれぞれが所望の開度に調整されているものとする。
図20に示すように、第1圧縮機11で圧縮されて吐出された中間圧冷媒が第1オイルセパレータ19でオイルが分離された後、中間熱交換器18で放熱して第2圧縮機12に吸引される。この第2圧縮機12に吸引された中間圧冷媒は、圧縮されて高圧冷媒として吐出される。吐出された高圧冷媒は、第2オイルセパレータ22でオイルが分離された後、放熱器13に至り、この放熱器13の流路を通過中に周囲空気と熱交換して放熱する。
放熱器13で放熱した高圧冷媒は途中で2つに分岐して、一方の高圧冷媒は、第1熱交換器32の高圧流路321を通過して第1膨張弁14で減圧されることで断熱膨張して中間圧冷媒として気液分離器15に至り、この気液分離器15において気相冷媒と液相冷媒とに分離される。分離された気相冷媒は、気相冷媒配管25を通じて第2圧縮機12に吸引される。
ところで、上記放熱器13で放熱して2つに分岐した他方の高圧冷媒は、バイパス配管30を通過して第3膨張弁31で減圧されることで断熱膨張して中間圧冷媒として第1熱交換器32の第1中間圧流路322を通過する。この第1中間圧流路322を通過した中間圧冷媒は、その後に気相冷媒配管25を通過する気相冷媒に合流し、更に中間熱交換器18を通過した中間圧冷媒と合流して第2圧縮機12に吸引される。
上記気液分離器15により分離された液相冷媒は、第2熱交換器33の第2中間圧流路331を通過して第2膨張弁16で減圧されることで断熱膨張して低圧冷媒として蒸発器17に至る。この蒸発器17に至った低圧冷媒は、蒸発器17の流路を通過中に周囲空気と熱交換して蒸発し、その後に第2熱交換器33の低圧流路332を通過して第1圧縮機11に吸引されることで、冷媒は冷媒回路1dを循環する。
これによれば、第1熱交換器32において高圧流路321を通過する冷媒(高圧冷媒)と、第1中間圧流路322を通過する冷媒(中間圧冷媒)とを熱交換させるので、高周温時においても第1膨張弁14で減圧される前の高圧冷媒の温度を低下させることができる。そして、このようにして温度を低下させた高圧冷媒を第1膨張弁14で一旦中間圧に減圧させているので、中間圧冷媒を気液分離器15により気相及び液相の各飽和状態に分離させることで冷凍効果を増大させることができ、しかも第2熱交換器33において第2中間圧流路331を通過する冷媒(中間圧冷媒)と、低圧流路332を通過する冷媒(低圧冷媒)とを熱交換させるので、第2膨張弁16で減圧される前の中間圧冷媒の温度を低下させることで冷凍効果を更に増大させることができる。この結果、冷凍効率を向上させることができる。
ところで、圧力センサS4により検知される吐出圧力の値が基準圧力値に徐々に近づいてくると、すなわち吐出圧力値が徐々に低下してくると、第1熱交換器32における高圧冷媒の冷却効果が徐々に薄れていき、特に吐出圧力値が基準圧力値以下となる低周温時では、第1熱交換器32の第1中間圧流路322を通過する中間圧冷媒が蒸発温度以下とならず、結果的に図19に示す循環流路の冷凍効率の方が高くなる。
以上説明したように、本実施の形態4である冷媒回路装置では、圧力センサS4により検知される第2圧縮機の吐出圧力が基準圧力値以下となる低周温時の場合には放熱器13で放熱した高圧冷媒を第1膨張弁14で一旦中間圧に減圧させることで冷凍効率を向上させる一方、圧力センサS4により検知される第2圧縮機12の吐出圧力が基準圧力値を上回る高周温時の場合には、第1熱交換器32により第1膨張弁14で減圧される前の高圧冷媒の温度を低下させ、かつ温度を低下させた高圧冷媒を第1膨張弁14で一旦中間圧に減圧させることで、冷凍効率を向上させている。
このように本実施の形態4である冷媒回路装置によれば、第2圧縮機12の吐出圧力に応じて冷凍効率が最も高くなる循環流路を選択することができ、これにより2段圧縮2段膨張冷凍サイクルを行う冷媒回路1dにおいて、周囲温度に関わらず冷凍効率を良好なものとすることができる。
また、上記冷媒回路装置によれば、第2熱交換器33において第2中間圧流路331を通過する冷媒(中間圧冷媒)と、低圧流路332を通過する冷媒(低圧冷媒)とを熱交換させるので、第2膨張弁16で減圧される前の中間圧冷媒の温度を低下させることで冷凍効果を更に増大させることができる。
更に、上記冷媒回路装置によれば、コントローラ53が第3膨張弁31で減圧された中間圧冷媒の温度が第2圧縮機12に吸引される中間圧冷媒の温度よりも低くなるよう該第3膨張弁31の開度を調整するので、第2圧縮機12の入口における冷媒過熱度を零より大きくすることができ、しかも第1膨張弁14の開度が第3膨張弁31よりも大きくなるよう調整するので、冷媒配管2の冷媒流量を確保して冷凍能力が低下することを抑制し、かつ第2圧縮機12が液相の冷媒を吸引してしまう、いわゆる液バックの発生を防止することができる。
以上、本発明の好適な実施の形態について説明したが、本発明はこれに限定されるものではなく種々の変更を行うことができる。
上述した実施の形態1〜4では、第2熱交換器(低中間圧熱交換器)33が設けられていたが、本発明においては、かかる低中間圧熱交換器は必須の構成要素ではないため設けられていなくても構わない。
上述した実施の形態2では、温度センサS2は、放熱器13の空気吸込口近傍、より詳細には、放熱器13を収納する収納容器の内部であって、放熱器13の周囲を通過する空気を吸い込むための開口近傍に配設されていたが、本発明においては、温度センサは、放熱器13の周囲を通過する空気の温度を検知できる位置であればどの位置に配設されていても良い。
上述した実施の形態4では、圧力センサS4は、第2圧縮機12の出口側の冷媒配管2での冷媒圧力を検知することで、第2圧縮機12の吐出圧力を検知するようにしていたが、本発明においては、図21に示すように、放熱器13の出口側の冷媒配管2での冷媒圧力を検知することで、第2圧縮機12の吐出圧力を検知するようにしても良い。
1a 冷媒回路
1b 冷媒回路
1c 冷媒回路
1d 冷媒回路
2 冷媒配管
11 第1圧縮機
12 第2圧縮機
13 放熱器
14 第1膨張弁
15 気液分離器
16 第2膨張弁
17 蒸発器
18 中間熱交換器
19 第1オイルセパレータ
20 オイル戻り配管
21 キャピラリーチューブ
22 第2オイルセパレータ
23 オイル戻り配管
24 キャピラリーチューブ
25 気相冷媒配管
26 逆止弁
30 バイパス配管
31 第3膨張弁
32 第1熱交換器(高中間圧熱交換器)
321 高圧流路
322 第1中間圧流路
33 第2熱交換器(低中間圧熱交換器)
331 第2中間圧流路
332 低圧流路
41 第1電磁弁
42 第2電磁弁(バイパスバルブ)
43 第3電磁弁
50 コントローラ(制御手段)
501 入力処理部
502 判定部
503 電磁弁駆動処理部
504 膨張弁駆動処理部
51 コントローラ(制御手段)
511 入力処理部
512 判定部
513 電磁弁駆動処理部
514 膨張弁駆動処理部
52 コントローラ(制御手段)
521 入力処理部
522 判定部
523 電磁弁駆動処理部
524 膨張弁駆動処理部
53 コントローラ(制御手段)
531 入力処理部
532 判定部
533 電磁弁駆動処理部
534 膨張弁駆動処理部
60 メモリ
61 メモリ
62 メモリ
63 メモリ
S1 温度センサ
S2 温度センサ
S3 温度センサ
S4 圧力センサ

Claims (6)

  1. 蒸発器で蒸発した低圧冷媒を吸引して圧縮し、中間圧冷媒として吐出する第1圧縮機と、
    前記第1圧縮機から吐出され、かつ中間熱交換器で放熱した中間圧冷媒を吸引して圧縮し、高圧冷媒として吐出する第2圧縮機と、
    前記第2圧縮機から吐出された高圧冷媒を放熱させる放熱器と、
    前記放熱器で放熱した高圧冷媒を中間圧冷媒に減圧して断熱膨張させる第1膨張機構と、
    前記第1膨張機構で断熱膨張させた中間圧冷媒を気相冷媒と液相冷媒とに分離させ、かつ気相冷媒を前記中間熱交換器で放熱した中間圧冷媒に合流させるよう送出する気液分離器と、
    前記気液分離器で分離された液相冷媒を低圧冷媒に減圧することで断熱膨張させ、かつ前記蒸発器に送出する第2膨張機構と
    を冷媒配管で接続することで2段圧縮2段膨張冷凍サイクルを行う冷媒回路を備えた冷媒回路装置において、
    前記放熱器から前記第1膨張機構に至る冷媒配管の途中から分岐し、前記中間熱交換器から前記第2圧縮機に至る冷媒配管に合流する態様で設けられたバイパス配管と、
    前記バイパス配管に設けられ、閉成する場合には該バイパス配管における冷媒の通過を規制する一方、開成する場合には該バイパス配管における冷媒の通過を許容するバイパスバルブと、
    前記バイパス配管を通過する高圧冷媒を中間圧冷媒に減圧して断熱膨張させる第3膨張機構と、
    前記放熱器で放熱した高圧冷媒と、前記第3膨張機構で断熱膨張させた中間圧冷媒とを熱交換させる高中間圧熱交換器と、
    検知された温度が予め設定された温度閾値以下となることにより低周温時と判断された場合には、前記バイパスバルブを閉成させる一方、検知された温度が前記温度閾値を超えることにより高周温時と判断された場合には、前記バイパスバルブを開成させる制御手段と
    を備えたことを特徴とする冷媒回路装置。
  2. 蒸発器で蒸発した低圧冷媒を吸引して圧縮し、中間圧冷媒として吐出する第1圧縮機と、
    前記第1圧縮機から吐出され、かつ中間熱交換器で放熱した中間圧冷媒を吸引して圧縮し、高圧冷媒として吐出する第2圧縮機と、
    前記第2圧縮機から吐出された高圧冷媒を放熱させる放熱器と、
    前記放熱器で放熱した高圧冷媒を中間圧冷媒に減圧して断熱膨張させる第1膨張機構と、
    前記第1膨張機構で断熱膨張させた中間圧冷媒を気相冷媒と液相冷媒とに分離させ、かつ気相冷媒を前記中間熱交換器で放熱した中間圧冷媒に合流させるよう送出する気液分離器と、
    前記気液分離器で分離された液相冷媒を低圧冷媒に減圧することで断熱膨張させ、かつ前記蒸発器に送出する第2膨張機構と
    を冷媒配管で接続することで2段圧縮2段膨張冷凍サイクルを行う冷媒回路を備えた冷媒回路装置において、
    前記放熱器から前記第1膨張機構に至る冷媒配管の途中から分岐し、前記中間熱交換器から前記第2圧縮機に至る冷媒配管に合流する態様で設けられたバイパス配管と、
    前記バイパス配管に設けられ、閉成する場合には該バイパス配管における冷媒の通過を規制する一方、開成する場合には該バイパス配管における冷媒の通過を許容するバイパスバルブと、
    前記バイパス配管を通過する高圧冷媒を中間圧冷媒に減圧して断熱膨張させる第3膨張機構と、
    前記放熱器で放熱した高圧冷媒と、前記第3膨張機構で断熱膨張させた中間圧冷媒とを熱交換させる高中間圧熱交換器と、
    前記第2圧縮機の吐出圧力が予め設定された圧力閾値以下となることにより低周温時と判断された場合には、前記バイパスバルブを閉成させる一方、前記第2圧縮機の吐出圧力が前記圧力閾値を超えることにより高周温時と判断された場合には、前記バイパスバルブを開成させる制御手段と
    を備えたことを特徴とする冷媒回路装置。
  3. 前記制御手段は、予め設定された日付情報に従って所定のタイムスケジュールにて低周温時であるか否かを判断することを特徴とする請求項1又は請求項2に記載の冷媒回路装置。
  4. 前記気液分離器で分離させた液相冷媒と、前記蒸発器で蒸発した低圧冷媒とを熱交換させる低中間圧熱交換器を備えたことを特徴とする請求項1〜3のいずれか1つに記載の冷媒回路装置。
  5. 前記制御手段は、前記第3膨張機構で減圧された中間圧冷媒の温度が前記第2圧縮機に吸引される中間圧冷媒の温度よりも低くなるよう該第3膨張機構の開度を調整し、かつ前記第1膨張機構の開度が前記第3膨張機構よりも大きくなるよう調整することを特徴とする請求項1〜4のいずれか1つに記載の冷媒回路装置。
  6. 前記冷媒は、二酸化炭素であることを特徴とする請求項1〜5のいずれか1つに記載の冷媒回路装置。
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