JP2014029066A - 津波避難浮体と建造方法 - Google Patents

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Abstract

【課題】津波や台風高潮が発生しても浸水することのない津波避難浮体及びその建造方法を提供する。
【解決手段】鉄筋コンクリート製基礎の上に船体浮体を乗せ置き、基礎の上に置かれた浮体から複数条のチェンを延長し鉄筋コンクリート基礎と一体の複数の錨に連結する。浮体船体内に前記複数条のチェンに対応したウィンドラス30を設け、上記チェンを繰り出し、および巻き取り制御して船体浮体を操縦し、海上の浮遊損壊建築物およびビル等の固定障害物から隔離するようチェン操作で操縦移動し、津波が終了したときに浮体は元の基礎の上に着座するように構成した津波避難浮体を提供すると共に、基礎にジャッキリフトを挿入するメンテ通路を形成し、メンテ通路内ジャッキリフトを同期して昇降し浮体底部の表面処理を施工するように構成した。
【選択図】図17

Description

この発明は大地震による大津波や台風高潮又は集中豪雨による洪水等の水害から、人身人命及び貴重な財産を守護し、人が安全に居住する津波避難浮体とその建造方法に関する。
平成16年12月26日マレーシア沖に発生した海底大地震により、インド洋沿岸諸国海岸地域に大津波による大水害が発生し、情報の伝達が遅れたこともあり過去未曾有の十数万人の死者が出た。
在来海岸地域に津波被害に対する避難設備は無く、小山や高層建築物の上階部に避難する以外に方法は無かった。
平成23年3月11日午後2時マグニチュード9に達する大地震と大津波が、三陸沿岸地帯に発生し近年日本国内で発生した津波に比較して比べものにならぬ極めて巨大な大災害が日本列島を直撃した。
如何に早く小山や高層建築物に逃避することが、被害を少なく食い止める方法ではある。
しかし小山や高層建築物が無い平野部の多い田園地帯や、又あっても時間距離が離れて速やかな避難の困難な臨海地帯は極めて多い。
津波発生の情報伝達通信手段の構築と共に、津波に遭遇した場合の避難する手段として数十メートルの丘陵地や3階以上のビルを避難場所としているが、多くの避難所で車でなければ10分以内に避難出来ないと言う問題が指摘されている。
本発明はこの度の日本海大震災の津波のように第一波の波高が極めて高く、速度も毎秒10m以上という高速で建築物や構築物に対し、破壊力が大きい津波に対応出来る避難用建築物を提供するものである
また年間数度も来襲する台風高潮や集中豪雨による河川氾濫の被害も、低地に居住する人達は高潮浸水や氾濫冠水により例年莫大な損害を蒙っている。
我が国においては東日本大災害の次は、東海地震や東南海地震や南海地震が発生する可能性が高いことから、鉄骨構造十数メートルのタワー型避難台の提案がビル建設よりも安価なので再度注目されてきている。
特開2004−339920 しかしながら老若男女多数の人たちが短時間の内に階段を使って、十数メートル高所の避難台に登ることが出来るかどうかの疑問もあり、又津波の高さがタワーの高さ十数メートル以内であるかどうかの保証も無いので未だ普及の段階には至っていない。
本発明は避難に際して十数メートもの高所に登ることなく、平地に設備した避難建築物に入るだけで難を逃れることが出来る津波避難浮体を提供することを課題とする。
平成23年に発生したこの度の日本海大震災の津波は第一波が極めて高くまた速度も早いものであったが、これらの高速の津波の第一波の衝撃を緩和し津波避難建築物浮体の損壊を防止する装置を提供することを課題とする。
また本発明の津波に対する建築物の使用頻度は極めてゼロに近く、津波避難建築物として使用することは極めて稀であるので、常時は地域のコミニティセンター等の集会場や避難用以外に多目的に使用出来る建築物を提供することを課題とする。
また本発明津波対策として使用する建築物は、十数メートル以上たとえば百メートル以上の如何なる高水位の津波にも、人命救助に対応出来る津波避難浮体を提供することを課
題とする。
また本発明津波対策として使用する台船型浮体建築物は、大津波に遭遇して避難者を積載したまま津波海水に翻弄されるが津波終了の最後には、安全に元の据え付け場所近傍に
着水および着陸し避難者の安全が守られることを課題とする。
また更に津波はおろかたびたび襲来する高潮水害や集中豪雨による河川氾濫冠水にも、浸水冠水の危険がない一般建築物や居住用住宅を提供することを課題とする。
また更に本発明は、特に小高い丘や山の無い田園地帯で地域に3階以上の建築物が無く小高い丘陵地まで走るには車で数分以上かかる場所がある。
これらの地域は行政や地域の相談役が避難場所を指定決定するにも全く方法がなく困却しているのが現状であるが、本発明はこれらの地域に人命救助に対応出来る津波避難浮体を提供することを課題とする。
陸上に建設する建築物であるが浸水時は水上に浮かぶ船舶となり、説明が理解しやすいように以下甲板等の船舶用語も使用する。
津波や台風及び河川氾濫等の高潮水難に対し、建築物の浸水を防止する浮体構造の台船型建築物で浮体上に人が居住するように構成し、以下1の条件を具備したことを特徴とする津波避難浮体。
1, 浮体は鉄筋コンクリートにより強固に構築された基礎の上に置かれると共に、浮体は基礎と一体の錨と複数条のチェンによって連結されている。
前項記載の津波対応浮体建築物において、チェンはウィンドラスによって巻き取りおよび繰り出しされるよう構成されている。
前項記載のウィンドラスはトルクモーターによって駆動され、チェンに所定の張力(A)がかかった場合にチェンは繰り出され所定の張力以下(B)となった場合は巻き取り運転されるように構成した。
前項の津波対応浮体建築物において、基礎の上に置かれた浮体船首の前方に接近し、津波高潮の襲来する方向に向けて基礎と一体の小型の堤防壁を構築し、高速津波を遮蔽するように構成した。
前項の津波対応浮体建築物において、メンテ通路内に3台以上のジャッキリフトを挿入し、そのジャッキリフトを同期して駆動昇降させ浮体底部の表面処理作業することを特徴とする津波対応浮体建築物の建造方法。
1,津波高潮の襲来する方向に向けて船体船首部を向けた浮体は、コンクリート基礎の上に置かれる。
2,基礎の上に置かれた浮体船首の前方に接近し、波高潮の襲来する方向に向けて基礎と一体の小型の堤防壁を構築し、高速津波を遮蔽するように構成した。
3,浮体と基礎とを連結する可撓性連結索によって、浮体に基礎と一体の錨を連結し津波水流により浮体が基礎から遊離することを防止した。
また次に上記津波避難浮体において、基礎上面にメンテ通路を形成しメンテ通路内に3台以上のジャッキリフトを挿入し、そのジャッキリフトを同期して昇降させ浮体底部の表面処理作業することを特徴とする津波避難浮体の建造方法である。
津波や台風及び河川氾濫等の水難に対し人身人命及び動産を守る避難用浮体の装備であって、水難情報により上記浮体上に避難者が乗船して避難する様に構成する。
また台風高潮や河川氾濫等で冠水する頻度の高い水難に対応し、浸水することがない安
全な一般建築物や居住用住宅空間を提案する津波避難浮体を提供する。
本発明は必要な建設場所にコンクリートにより強固な基礎(4)を構築し、その上へ台船構造の浮体である建築物を単に載せ置いたものである。
基礎(4)の上に置かれた浮体船首の前方に接近し津波高潮の襲来する方向に向けて、基礎と一体の小型の堤防壁(12)を構築し浮体船首部を高速津波から遮蔽するように構成した。
その浮体には浮体の底部から突出するアンカーポール(2)を設け、基礎(4)にはそのアンカーポールが挿入される様に上部表面にアンカー穴を穿孔するか突起を設けた連結部材(3)が設けてある。
連結部材(3)はアンカーポール(2)先端部が挿入される穴状の形状でなくても、図11に示すようにアンカーポール(2)がパイプ形状ならばそのパイプの中へ挿入される棒状のものでも良い。
津波や台風高潮又は集中豪雨による河川堤防氾濫等の高水位が発生し、水位が浮体(1)の喫水線(31)以上になれば浮体は浮上する方向に水面から浮力を受ける。
水面の上昇と共に浮体(1)は浮上するが、浮体から下方に突出したアンカーポールと基礎(4)の連結部材(3)の側壁部が接触固定され、浮体は潮流に水平方向の力を受けるが流されることなく鉛直真上方向に浮上する。
台風高潮の場合は低気圧によって海水面が吸い上げられるので高潮と言っても満潮時の水位が高くなるだけであるが、大型の津波は波高の高い第一波が高速で押し寄せるので堤防を破壊するだけの運動のエネルギーを保持していることがある。
本発明はこの津波の第一波によって避難場所を提供する浮体(1)への衝撃を緩和し、浮体を保護すると共に乗船者を守護するために浮体の直前基礎上に小型の防波堤防を設けたものである。
大津波は第一波が陸上部に到来して水位が上昇すると共に、陸上部奥地に向けて秒速10m以上の高速で建て家を押し倒しながら道路上の自動車等大型の浮遊物も引き去り破壊する。
津波の高さが高い程水量が多く陸上部奥地まで到達するが、津波水量が減少し始めると元の海に大量の海水と共に、急激な引き潮となり陸上部の破壊した器物・建築材・を海へ引き去り、また次に第二第三の高潮が到来することが多い。
また第一よりも第二第三の津波の波高が高い場合もあり得る。
高潮の高さがアンカーポール(2)の長さ以内であれば、浮体は流されることなく水位と共にアンカーポールに案内されて上下動するのみで、水位が下がればまた元の位置に浮体(1)は安置される。
水位が更に上昇し浮体が浮上しアンカーポール上端部が鞘管(23)から抜け出ると、アンカーポール(2)と連結部材(3)で構成されるアンカー装置がアンカー作用しなくなり、浮体は潮流や氾濫水にフリーで流される状態となる。
浮体(1)はアンカーポール(2)から離れて一旦はフリーとなるが、浮体船首部のウインドラス(30)からチェン等の可撓性連結索によって基礎(4)と一体の錨(20)に連結されている。
従って浮体(1)は自由に津波流に流されず、チェンがウインドラス(30)から伸ばされている寸法までは津波の流れにより浮遊するが、チェンが伸びきるとチェン寸法に制約されて浮体(1)の流れは停止する。
浮体は錨(20)に固定されたチェンに引かれた状態で固定されるが、津波水深が深くすなわち高くなるとそれは浮体をより高く浮上させることとなり一端が錨に固定されたチェンは浮体を引きつけ緊張する。
そのため浮体はチェンに引かれて若干沈降し、大きな浮力を持つ浮体の吃水線が上昇する。吃水線が上昇すると言うことは浮体の浸水部分の容積が大きくなると言うことで、浮
力が大となりチエンは更に強く緊張する。
チェンの長さを加減出来るのはウインドラス(30)であるが、津波水位が上昇するに従って船上の作業者がウインドラス(30)を操作してチェンを繰り出して伸ばし、浮体(1)の水平度を保つ様にウインドラス(30)を操作する。
水深が増加している間は津波は陸上に向いて流れており、チェンはますます緊張してチェンを繰り出して弛めねばならないが、水深が浅くなり始めると引き潮が始まった証拠である。
水深が降下するに従ってチェンが緩み海上方向へ浮体は流されるので、ウインドラス(30)を巻き上げてチェンを引き締める。
チェンの張り具合は津波の到来する高速の流れに浮体が引かれる場合は流速に比例し、津波水流により水深が増加し浮体が高く浮上してチェンが緊張するものは浮体容積が大きく浮力の大きさに比例する。
津波水流が引き始めると津波高さが降下し始めチェンの張り具合が緩んでくると、浮体は引き潮水流に乗って沖合に流されるので速やかにチェンを引き締めねばならない。
水深が下がると共にチェンを巻き上げ、浮体が流される前にチェンで浮体を錨近傍まで引きつけておくことが出来れば、現実には難しいが浮体は津波が終了すれば元の基礎の位置に据え付けることも可能である。
しかし実際には大津波には不測の事態が発生することが多く、海岸線には漁港があり多くの小型大型漁船および養殖イカダ等が係留されている。
陸上部にはあらゆる形態の陸上建築物が高速の大型津波によって破壊され、道路上の車両ともあらゆる形状の障害物が津波水流によって流されている。
浮体は上記障害物を避けて元の基礎近傍まで案内しなければならないので、本発明者は浮体の構造と機能について思考し新たなアイディアに到達した。
それは浮体を一般船舶の様に浮体船体を駆動する推進装置を備えるもので、その推進装置により浮体と周辺水面の環境に応じ浮体を移動させ安全な基礎の上に案内させるものである。
推進装置1,強固に構築した基礎と一体の錨と浮体に装備した動力ウインドラス(30)によって、浮体の状態を観察しながらウインドラス(30)の駆動運転をすることである。
推進装置2,船体内に水中の海水を吸入し船体の舷側部から噴出させるサイドスラスタを設け、それにより船体を水平方向に駆動推進させる様に構成した。
推進装置3,船上に油圧又は電動の長尺のロッドが伸長するロッドプッシャを装備し、鉄筋コンクリート等の強固な建築物に自船船体が衝突し破壊されるのを防止するため、その建築物をロッドプッシャにより押しだし、自船の位置を変更する推進装置として使用する。
上記推進装置を使用して洋上の障害物から自船浮体を守り続け、引き潮になれば速やかにチェンとウインドラス(30)による引き締めで自船浮体を推進駆動し、元の基礎の上へ案内させることが可能である。
チェンを伸ばしたまま津波水位が降下し終了すれば、浮体(1)は津波の来襲した洋上に浮上したまま残されることもありうる。
本発明は潮流による水平方向移動を防止する方法に於いて、小型の津波や台風高潮の場合はアンカーポール(2)と鞘管(23)とポール穴による方法で、浮体(1)を上下動のみで水平移動させず全く元の位置に正確に着座させることが可能である。
浮体にウインドラス(30)を備え浮体から長尺のチェンを伸ばし基礎と一体の強固な錨に連結し、浮体をチェンの操作によって推進させる方法は、津波の流速や水深の変化に対応し繰り出しと巻き取りを繰り返し、浮体を元の据え付け位置に案内することが出来る

図15は各推進装置の電気制御盤の配線系統図で、もちろん油圧作動でもよく油圧の方が船舶で使用する場合効果的なものが多いので、電動油圧とすることによりリモートコントロール作業に至便である。。
エンジン駆動の発電機(33)から給電されNO1乃至NO4のチェンホイル(39)は船体四隅に設けられ、チェンの張り具合によって4機同時にも各個別にも、正転チェン巻き込みおよび逆転チェン繰り出しが出来る。
図13には浮体船内に図15記載の外部水面の喫水センサ(42)で船底部からフイルタ(43)を介して外部海水を取り出し、鉛直方向に延長した管の中のフロート(41)をセンサにより検出する構成である。
上記喫水センサを船首部および船尾部の左右合計4カ所装備し、その水面を観察してウインドラス(30)を操作する。すなわち全体の水面レベルが上昇するとウインドラス(30)を同時に繰り出し、右舷前方が降下すればそのウインドラス(30)を弛めて浮上させるように操作する。
またウインドラス(30)の駆動モートルにトルクモートルを採用すれば、一定のトルクでチェンを巻き取り、巻き取りに異常な力を要する場合はモートルは一時停止し、またその力が解除されるとふたたび自動的に巻き上げることも可能である。
浮体操船作業者は津波の浸水高や潮流のスピードおよび浮体周辺の障害物の有無によって適正な操作を実行する。
図14にはギア−ドモートルによる駆動モートル(37)よってチェンホイル(39)が駆動され、チェンは摺動抵抗の少ない船内から船外に貫通されるチェンマウス(47)を介して延長され強固な錨(20)に連結されている。
このギア−ドモートルは大きな減速比が得られるウオームギアのついたウオーム減速機では無く、平歯車のみの多段減速機が好ましく理想的である。それはウオームギア減速では一段減速で大きな減速比を得られるが、巻き取ったチェンを引き出す外力がかかった場合ロックされて引き出しが出来ない場合があるからである。
それはこのウインドラス(30)のチェンは巻き取りおよび繰り出し運転が盛んに繰り返され、トルクモートルを使って巻き取ったチェンは巻き取り運転中に障害物に引っかかり、チェンが急に強く引き出されることがあるからである。
チェンを繰り出したあと直ちに巻き戻すなどウインドラス(30)としては極めて過酷な使用条件となるものである。
すなわちモートルが正転中に急にチェンが引かれて逆転方向に荷がかかり、モートルは正転するトルクがかかりながら外部からの力により強制的に逆転し、その力が弱まるとふたたび正転してチェンを巻き取る運転が出来る。またこの運転も荷が軽ければモートルの回転速度が早くなるのが理想的である。
図15において発電機(33)から各種推進器に給電されている状況をしめす。
チェン駆動機器は船外基礎に強固に固定された錨(20)にチェン(21)の一端が連結され、船体の船首部二カ所および船尾部二カ所に船外から船内に連通する図17および図18に示すアンカーマウス(62)を介してチェンを引き入れる。
チェンは駆動モートル(37)(トルクモートル)によって駆動される高減速モートルで、駆動軸に設けられたチェンホイル(39)によって巻き取り駆動されチェンボックス(38)に収納される。
図15下端部のロッドプッシャ(48)は油圧又は電動の長尺ロッド伸縮装置で、図18の矢印の如く先端部ブレード(51)で特に強固なビルが浮体に衝突しそうな時にロッドプッシャ先端のブレードでビルを押し、その推力で浮体をビルの反対方向に押し出す。
図15左下はサイドスラスタ(40)の給電図で二台のサイドスラスタを左右に配置し
ているならば、左右いずれかのサイドスラスタを駆動して船体を駆動推進する。
サイドスラスタは図17および図18に示すように水中に開口する海水の噴出口(53)が船首船尾部左右と共に、船首部に船体後進用のサイドスラスタおよび図示しないが船尾部に前進用のものがあれば、チェンによる操作が多少遅れても操船は楽に可能である。
4台のチェン駆動装置は浮体の船首部および船尾部の左右両舷側の喫水によって、ウインドラス(30)巻き取りおよび繰り出しを繰り返すが、その判断は船体四隅の喫水であるがその喫水センサ(42)は制御盤に連結され自動運転させることも可能である。
図16に船体横断面図を示し浮体内にはサイドスラスタ(49)が配置され、船底外の海水を吸入して舷側部に噴出し船体を横方向に駆動するものである。
図16船体の上部デッキ上にはロッドプッシャ(48)が据え付けられており、長尺のロッドは左右上下にスイング回転し図では左端のブレード(51)で、伸長するロッドにより図示しないが障害物を押し出している。
図14は浮体(1)と錨(20)をウインドラス(30)を介して連結する方法は、水深が高い場合に浮体(1)を基礎(4)に近い場所に浮遊させ安全を保つことに有利である。
従って浮体(1)は破壊力のある津波先端部の高速流から堤防壁(12)により守護し、浮体(1)と錨(20)が連結されたチェン等の可撓性連結索により浮体(1)は基礎(4)近傍に浮上浮遊し、津波が終了すれば浮体(1)上の人命は救われる可能性が極めて高い。
また次に本発明の津波避難浮体(10)は陸上建築物であり、造船所の様な大型設備を使えない市街地での現地工事で大型の浮体を建造しなければならない宿命がある。
そのため簡単に移動可能な小型設備で、巨大な浮体や建築物を建造する為に特別な施工手段の開発が必要であった。
本発明は移動可能な小型ジャッキリフト(8)を基礎(4)に設けたメンテ通路(6)内に挿入し三台以上のジャッキリフトを同期して昇降させることにより浮体底部の外側からの表面処理をする建造方法と修理補修方法を開発した。
最近提案されている前述の津波の避難装置は、高さ十数メートルの鉄骨構造のタワーで頂上部に十メートル四方程度の手摺り付きの避難台と昇降用階段を設けたものである。
津波情報を受けて速やかに100人以上の多数の人たちが、十数メートルもの階段を上ることは、非常に困難を伴うものであり相当な時間を要する。
本発明の津波避難浮体(10)は浮体(1)が浮上するための条件即ちアルキメデスの定理により、水面上に浮上した船体は船体底部の喫水線以下の容積の水の重さに等しい浮力を受ける。
津波避難浮体(10)に使用する台船型浮体は、構造上の特徴で甲板とほぼ等しい船底部面積があり、必要な浮力を得るために喫水が浅く極めて高さの低い平板状船体構造で充足する。
従って浮体上に避難する場合浮体の高さが極めて低く、浮体の前後左右側面にも昇降通路が配置可能で、階段昇降する場合に多数の人が並列して同時に乗り込むことが可能である。
更にこの避難用浮体(1)の使用頻度は数十年ないし百年に一度あるかないかの程度であり、このためには津波や台風高潮の避難のためだけでなく、常時は避難以外の用途に使用出来る多目的設備であることが望ましく土地と設備の有効利用が計られる。
海底の陥没や隆起による地形変動は、上部の海水を一挙に持ち上げ洋上に数キロないし数十キロの海水塊が隆起し津波が発生する。
津波は大陸棚に近づくと波高が高くなり、また津波進行方向に左右の岬と内湾があると
岬に反射した波が重なり合い、異常に高い津波となり堤防を乗り越えて市街地に流入する大津波になれば大災害が発生する。
本発明の思考への発想は先ず「津波や高潮とは陸上が一時的に海になることです。
海ならば船というのは昔から決まっていました。その船を陸上につくり海になったときに、海を乗り切ると言う発想アイデアです。」
本発明は高速の津波が浮体(1)の船首部分に衝突するが、その前に船首の直前に強固な防波堤をつくり高速第一波を左右に遮蔽することにより、その船首部分への衝撃を緩和するものである。
津波避難に使用する場合、浮体(1)すなわち船体の船首部分は津波の来襲する方向に向かって据え付けられており、船首部分は前方に向かって垂直断面積が次第に小さくなる流線形状に建造されているので波切りが良く、津波など高速流を受けてもその抵抗は少なく船首部分は上方に浮上する。
また浮体(1)は浮体と一体の鞘管(23)の中に挿入されたアンカーポール(2)と、基礎(4)と一体の連結部材(3)によって浮体が潮流に流されるのを規制しているので、浮体はアンカーポールに案内されて鉛直上方に浮上しても、潮流に流されることはない。
急激な海水水位が上昇すると共に海から陸上方向に早い流速での潮流が発生しても、浮体(1)と地上とを連結するチエン(21)等の可撓性連結索によって強固に連結されその先端に基礎の鉄筋と一体になっている錨(20)に連結されているので、浮体は固定され潮流に流されることはない。
津波等の高潮水害では海から陸上部へ流れ込んだ水は、次に急激な引き潮となって陸上部から海へ流下する。この場合も浮体(1)は上記アンカー装置によって水平方向への移動が阻止されて、水面の降下と共に浮体(1)自体が鉛直下方へ降下して洋上に流されることなく元の位置に元の状態で復帰され甲板上の人身が守られる。
津波の水面が極めて高くアンカーポール(2)上端が浮体(1)と一体の鞘管(23)から外れた場合は、浮体はフリーとなって海水の移動と共に津波流に流されるが、浮体(1)船首部両舷側から錨とチェン又はワイヤーにより地上と強固に連結されているため、錨に引かれて浮体は固定され津波に破壊された浮遊物のように翻弄されることは無く津波避難浮体(10)は損壊されることなく船上の避難者は救われる。
本発明の方法特許は特に台船型浮体の建設現場での建造方法に関するものであり、台船はこれまですべて大型クレーンやレール型船台または浮きドック等の造船所での建造であった。
本発明は内陸の陸上建築物で造船所の様な大型つり上げクレーン設備はなく、工事が完了すれば次々と建設現場が変わる建築工事であるため造船所での台船建造方法技術が通用せず、新たな施工方法を創作しなければならなかった。

以下本発明の実施例を図面に基づいて説明する。ただし、以下に示す実施例は、本発明の技術思想を具体化するための一態様を例示するものであって、本発明は実施例のものだけに特定しない。
図1は本発明津波避難浮体(10)の主要な各部を構成配置した鳥瞰図である。 図3ないし図4はやや小型の津波避難浮体(10)で図3は側面図、図4は平面図である。
図示しないがいずれも多数の鉄筋による配筋がなされたコンクリート製基礎(4)の上に浮体(1)が載置されており浮体甲板部上に居住区ハウジング(7)が一体的に連結さ
れている。
浮体(1)の左右舷側部には鉛直方向に鞘管(23)が浮体と一体的に結合されており、その鞘管の中にアンカーポール(2)が挿入されておりその下端部は基礎(4)に設けられた連結部材であるポール穴(11)に挿入されている。
基礎(4)は浮体の直前にコンクリート製の堤防壁(12)が基礎の上に、図示しないが基礎と一体的に鉄筋等で強固に連結されている。
また基礎の下には図3に示すようにパイル(13)が打ち込まれ、基礎が地中と強固に連結されている。
基礎は上面に3条の上方に開口した導水路(16)がその長さ方向に平行に設けられ、図では堤防壁(12)の前方から堤防壁の下を通って浮体の後部まで連通している。
浮体(1)の船首部甲板上には強固なチェン(21)を連結したウインドラス(30)(30)が設けられ、巻き取ったチェンは直ぐ横に配置したチェン函(15)に収納される。チェンの他端部には図示しないが基礎(4)と鉄筋により強固に配筋された錨(20)が連結されている。
また図3ないし図4には浮体(1)上甲板に乗り降りするための階段(25)が船尾部にかけられている。
アンカーポールの上端にはフランジ型のストッパ(32)が連結されており、このストッパは浮体が浮上し水深がアンカーポール上端までまで上昇すると鞘管(23)に当接しアンカーポールを引き上げる作用をする。
浮体はアンカーポールをポール穴から生き抜いてアンカーポールをつり下げた状態で浮体は自由に浮上するが、浮体の重心が多少とも下がるので安定した浮上状態となる。
図2は図1にて説明した津波避難台船に津波第一波が上陸して堤防壁(12)に衝突した瞬間を示す鳥瞰図である。
浮体(1)の正面に堤防壁(12)を配置してあるので、進行する津波の正面の波のみ堤防壁(12)に衝突して高速波が遮蔽され船首部への衝撃が緩和される。
図5に於いて津波は小矢印に示すように堤防壁(12)手前の導水路(16)開口部から流入し、浮体(1)後部へ進行しふたたび上方へ溢出する。
時間の経過と共に増水し浮体(1)の吃水線(31)に達すれば浮体は浮上が始まる。
浮体は左右舷側部に鞘管(23)が鉛直方向に一体的に連結されており、その中に鋼管又はコンクリート柱製のアンカーポール(2)が挿入され、アンカーポール下端部は基礎(4)に穿設されたポール穴等の連結部材(3)に連結されている。
従って浮体(1)は津波の流速により津波下流側に流される大きな力を受けるが、基礎(4)と一体のアンカーポール(2)と浮体と一体の鞘管(23)の間で接触固定され浮体は鉛直上方にのみ浮上する。
また浮体は船首側前方に堤防壁(12)があるので、津波高速流は堤防壁にその流れが遮断抵抗され浮体(1)の下流側への流れが若干弱くなる。
図5ないし図6に示すように水深の増加と共に浮体(1)は浮上し、浮体の鞘管(23)とアンカーポール(2)は摺動しながら浮体の浮上は進行する。
しかし浮体はアンカーポールに案内されて鉛直上方に浮上するが、アンカーポール上端と鞘管(23)が外れると浮体は津波流に流され始める。
浮体船首部甲板上にはウインドラス(30)が装備され、ウインドラス(30)はチェン又はワイヤーにより基礎(4)と一体の錨(20)に強固に連結されているため、錨(20)に引かれて浮体(1)は流されることなく固定される。
津波の水深が深くなりチェンが強く引かれるようになると浮体船首部が沈むような形になり、チェンに強すぎる張力が係るのでウインドラス(30)を運転してチェンを適当に緩めるのが良い。
また津波の水深が浅くなり浮体(1)が降下してくれば、ウインドラス(30)を巻き上げてチェンを締め浮体を基礎(4)に近づけるのが良い。
上記のように常に浮体の水深をはかりチェンに適当な張力をかけて浮体を基礎(4)に近い位置に係留固定させておけば、浮体の浮上場所が一定位置に決まり乗船した避難者の安心と安全がはかられる。
図7ないし図8は浮体(1)のメンテナンスに関するもので図8平面図に対応して図7の側面図を示す。
ジャッキリフト(8)は縮小した状態で右端のメンテ通路(6)上方から下へおろし、堤防壁(12)の下をくぐらせ、図では左へ移動して浮体(1)の底面にバランスを計算して3台以上、図8では6台を据え置き同期してジャッキリフト(8)を伸長して浮体(1)を持ち上げる。
メンテ通路(6)は先ほど津波高潮来襲時には津波海水の通路として導水路(16)として説明したもので、導水路を利用してメンテナンス時にはジャッキリフト(8)を移動するメンテ通路(6)として利用する。
浮体(1)は鋼製の場合は30年ないし50年に一度は底面の錆を落とし、塗り替え等の整備をしなければならない。
図8では3条のメンテ通路(6)の間の基礎(4)は、台座(5)と称しその上に浮体(1)を乗せるので浮体重量の耐荷重を備える。
浮体底面の整備は一部のジャッキリフトを追加して支え、その隣のジャッキリフト(8)を縮小して取り外し錆おとしおよび再塗装する。
浮体の大きさは一辺が数十メートルないし百メートル以上数百トンのものも、多数のジャッキリフトを同期して運転すれば製作および整備が可能である。
図9および図10に示す津波避難浮体(10)は、浮体船尾にも船首と同様なウインドラス(30)およびチェン函(15)とチエン下端部に基礎と一体の錨(20)を設けたものでありアンカーポールは鞘管(23)に挿入せず省略してある。
前後および左右の四本のチエンによって適度なチエン長さを保つようウインドラス(30)による適当な張力を保てば、左右2本のチエンの場合より浮体(1)は正確に津波流に流されることなく基礎(4)の上方近傍に浮上し、津波終了時に元の基礎の上に着座させることが可
能である。
図12は浮体の船首部に左右2カ所および船尾部に左右2箇所のチェン巻き上げウインドラス(30)を4カ所設けると共に、大津波により浮体は大きく浮上し全てのチェンに両矢印の如く大きな張力が架かっている状態を示す平面図である。
4カ所のウインドラス(30)近傍には図示しないが吃水センサ(42)が設けられ、その吃水センサの値を見て作業者はウインドラス(30)を運転されるように構成する。
船首部左舷側の吃水線が上がるとそれはその船首部左舷側のチェンに大きな張力が架かったことであり、そのチェンのウインドラス(30)を繰り出し緩めねばならない。逆にその吃水線が下がると浮体は左舷側船首のチェンが緩み船体が浮上した証拠でありウインドラス(30)を巻き込みチェンを引き込まねばならない。
図13は浮体内にセットされた浮体の吃水センサ(42)の原理を示す配置図であり、船底からフイルタを介して海水を鉛直管(56)に取り込み鉛直管内の水面レベルの上限値および下限値を近接センサ等により検出するものである。
ウインドラス(30)の運転はそのウインドラス(30)に近接する吃水センサが下限値以下の値の間はウインドラス(30)を巻き上げ、下限値から上限値の間は運転を停止して上限値以上に達すればウインドラス(30)を繰り出しチェンをゆるめる運転をする。
上記運転は例えば左舷船首部の吃水センサ(42)が下限以下の場合はその吃水センサ(42)に該当するウインドラス(30)のチェンが弛み、浮体左舷船首部が浮上している状況でありそのウインドラス(30)のチェンを巻き上げ引き締めることにより浮体左舷船首部吃水は水平となる。
図14は浮体内に装備されたウインドラス(30)とチェンが錨(20)に連結される動力系統を示す配置図で、駆動モートルにギア減速装置を直結しウインドラス(30)用チェンホイル(39)を駆動し、船体舷側板をチェンマウス(47)により貫通し基礎と一体の錨(20)に連通しており、チェン他端はチェンホイルおよびチェンカバ(57)を介してチェン筺に収納されている状況をしめす。
駆動モートルは油圧又は電動で電動では交流又は直流モートルがその特性を利用して種々使用可能である。
津波が襲来していない平常時は外部からの売電を船内照明等で使用しているが、津波襲来と共に浮体が津波によって流されるので売電は当然切断される。それと共に直ちにエンジン駆動の発電機を起動して、船体浮体の全ての必要電源として使用するのが一般的な利用方法である。
また最近開発された電気自動車等に使用されている効率的な蓄電池を利用し、平常時に売電により充電しておき蓄電池の放電によりウインドラス(30)を駆動するなどの方法は、直流トルクモートルとして使用することが適している。
図12は津波が襲来し浮体が浮上した平面図で、この状態で浮体が浮上すると共に図14のウインドラス(30)巻き上げ駆動系統で、駆動モートルを一定の設定されたトルクで駆動出来るトルクモートルを使用した場合に、障害物がチェンに絡むなどの障害が発生しなければトルクモートルを常時巻き上げ運転して浮体を正常な状態に保つ運転が自動的に可能である。
それは例えば右舷船尾のウインドラス(30)のチェンが緩んだ場合は駆動モートルの負荷が軽くなるので自動的にウインドラス(30)が正転してチェンを巻き取り、逆にチェンが締まり大きな張力が架かった場合は自動的にウインドラス(30)が逆転してチェンが繰り出される運転となる。
すなわち前後左右4台のウインドラス(30)のチエンに、それぞれ設定された加重トン数で巻き取るように構成することが可能である。
従って津波の水位が増加中は浮体は浮上し続け、チェンの張力が増加しチェンは繰り出される。乗船中の管理作業者は水深の増加および減少と浮体の流される方向に何の障害物があるかについて常に勉強しておき、浮体を操船する方向や水深について各種推進器を適正に使用して浮体を守り元の位置に着座確保するようしなければならない。
津波の水位が降下し始め海から陸上に向かっていた津波が逆流して陸から海に向かうようになると、当然チェンは緩み直ちに自動的にウインドラス(30)によって巻き取られチェン筺に収納される。
巨大津波の極めて大きな第一波が来襲した場合、津波の流速と共に磯波の様な急激な波高が来襲する場合がある。
浮上速度の大きな波には浮体には浮上の急な加速度がかかり、ウインドラス(30)にはチェンで引き出されて高速な逆転繰り出し回転となる。
この場合トルクモートルの出力が小さく高減速比のギアードモートルを使用している場合は、駆動系統に極めて大きなトルクがかかり減速機が損傷するかチェンが切断しやすくなる。
それを防止するためにはウインドラス(30)はかなり大型のトルクモートルと低減速比の多段平ギアを使用し、ウインドラス(30)の出力軸の回転数を上げなければならない。
図14のチェン駆動用チェンホイル(39)にカバを設けてあるのは、上記大津波の急加速度がチェンにかかりチェンが通常よりも遙かに高速となり、チェンホイル(39)から飛び出すのを防止するためである。
トルクモートルを駆動してチェン巻き取りに常に適当な一定の張力をかけているので、少しでも張力が下がればウインドラス(30)で巻き取り、直ちに浮体を基礎の近傍位置に自動的に誘導することが可能である。
そしてトルクモートルの出力が大きく減速比の小さな駆動源を使用すれば、チェン巻き取り正回転の速度も速く、浮体に架かるチェンの張力が下がると共にウインドラス(30)は直ちに巻き取り元の基礎上に浮体を誘導することが可能となる。
津波来襲と共に浮体は約何メートル流されて鉛直上方に何メートル浮上するかは浮体の設置場所の地形によって概略推定は可能であり、その数字から必要なアンカーチェンの長さが推定可能であり常時はチェン筺に収納されている。
またアンカーチェンはウインドラス(30)の駆動モートルの出力および駆動トルクが大で、チェンに何トンの荷重で高速度で巻き取り出来るかにより必要な長さが推定可能であり、その数字が大きい程ウインドラス(30)の能力が大で必要なチェン長さは短くて充足可能である。
但し当然ながら津波の規模が大きく波高が高く内陸部に深く遠くまで侵入する津波ほど必要なチェン長さが大きくなり、最大何メートルの高さの津波まで対応可能とするかによってチェンの長さが決定される。
チェンの長さが不足する大型津波が来襲した場合は浮体はアンカーチェンから外れ、津波の流れるままに翻弄される。
しかし浮体は一般の船舶などの船形と相違し、甲板の面積とほぼ等しい船底面積がある台船であり一枚の板の如き平板であり、津波は台風などの波の様に上下の波高リップルがないので左右に揺れたり転覆することはない。
津波が終了すれば洋上に浮上したままになるか又は地上であれば、高いビルの上に乗らないよう浮体上から竿やアンカーロープなどで操作すれば、やがて地上に水平に着座し浮体の損傷が防止されて乗船した人の安全が守られる確率は高い。
本発明は津波災害に対する避難設備であり、東日本大震災を経験したわれわれ日本人は近い将来南海地震や東南海地震東海地震が発生することが予測されており極めて関心の高いテーマである。
また台風による高潮水害は殆ど毎年各地で発生しており、この高潮水害に対応する手段としても本発明は有効である。
技術的に完成した装備を提供することにより、建設業界及び造船業界にも産業上大きな需要の可能性がある。
何よりも日本海大震災によって多くの日本人が津波による水死という肉親者の悲しい不幸に遭遇しました。それは安全な避難所へ逃げるにも津波来襲までの時間が極めて短く、高齢者や年少者が避難する時間がなかったことも数多くありました。
本津波避難浮体がある程度普及しておれば、長距離逃げる必要はなく楽に確実に安全な避難ができた筈であります。
本発明津波避難浮体(10)の構成と主要器物の配置についての鳥瞰図。 本発明津波避難浮体(10)の構成と、津波の第一波が来襲時の鳥瞰図。 平常時の津波避難浮体(10)の側面図。 同上平面図。 津波高潮浸水時の各段階での浮体(1)浮上を示す側面図。 同上正面からの側面図。 浮体の建造および修理の際にジャッキアップする側面図。 同上平面図。 浮体(1)と基礎と一体の錨(20)をチェン(21)によって連結した安全装置を、浮体の左右両舷および船首・船尾部に合計4カ所設けた実施例側面図。 同上平面図。 アンカーポール(2)とポール穴(11)などの連結部材が連結状態の側面図。 基礎(4)の中に鉄筋(14)を配置しアンカーポールに連結する連結部材(3)を鉄筋に連結し上からアンカポールを挿入した側面図。 大津波が来襲し浮体は浮上し4本のチェンがすべて緊張している状況をしめす平面図。 浮体隅部の垂直断面図で船底部の海水を導入してその水面レベルを測定するレベルセンサの側面図。 駆動モートル(37)によってチェンホイル(57)を駆動しチェン(21)を巻き取り次に繰り出す状況をしめす側面図。 浮体を推進駆動する各種推進装置の電気又は油圧の操作系統図を示す。 浮体の横断面図で船内にはサイドスラスタ(49)の側面図。上部にはロッドプッシャ(48)が障害物を押し出す状況をしめす側面図。 大津波によって浮体はアンカポールも外れて高く浮上し操船不能の漁船(53)や廃屋(60)が近かづいて、人命を救助した後サイドスラスタ(49)を駆動して矢印の如く浮体を図では下方向に駆動する平面図。 大津波によって浮体はアンカポールも外れて高く浮上し、左舷サイドに鉄筋コンクリートの丈夫なビルが近づいておりロッドプッシャ(48)により自船をビルから遠ざける操作をしようとする鳥瞰図。
1…浮体
2…アンカーポール
3…連結部材
4…基礎
5…台座
6…メンテ通路
7…ハウジング
8…ジャッキリフト
9…波除け
10…津波避難浮体
11…ポール穴
12…堤防壁
13…パイル
14…鉄筋
15…チェン函
16…導水路
17…台座
18…底面
19…昇降ボックス
20…錨
21…チェン
22…駆動装置
23…鞘管
24…手摺り
25…昇降路
26…水面線
27…津波
28…甲板
29…船首部
30…ウインドラス
31…喫水線
32…ストッパ
33…発電機(エンジン駆動)
34…配電盤
35…開閉器
36…制御盤
37…駆動モートル
38…チェンボックス
39…チェンホイル
40…サイドスラスタ
41…フロート
42…喫水センサ
43…フイルタ
44…船底板
45…上限値
46…下限値
47…チェンマウス
48…ロッドプッシャ
49…サイドスラスタ
50…噴出口
51…ブレード
52…ロッド
53…漁船
54…吃水センサ
55…船底板
56…鉛直管
57…チェンカバ
58…アンカマウス
59…漁船
60…廃屋
61…ビル

63…チェンホイル

Claims (5)

  1. 津波や台風及び河川氾濫等の高潮水難に対し、建築物の浸水を防止する浮体構造の台船型建築物で浮体上に人が居住するように構成し、浮体は鉄筋コンクリートにより強固に構築された鉄筋コンクリート基礎の上に置かれると共に、浮体は前記基礎と一体の鉄筋コンクリートに連結された1個以上の錨と1個以上のチェンによって連結されていることを特徴とする津波対応浮体建築物。
  2. チェンはウィンドラスによって巻き取りおよび繰り出しされるよう構成されている請求項1記載の津波対応浮体建築物。
  3. ウィンドラスはトルクモーターによって駆動され、チェンに所定の張力(A)がかかった場合にチェンは繰り出され所定の張力以下(B)となった場合は巻き取り運転されるように構成した請求項2記載の津波対応浮体建築物。
  4. 津波対応浮体建築物において、基礎の上に置かれた浮体船首の前方に接近し、津波高潮の襲来する方向に向けて基礎と一体の小型の堤防壁を構築し、高速津波を遮蔽するように構成した請求項1、請求項2、請求項3記載のいずれか一つの津波対応浮体建築物。
  5. 請求項1、請求項2、請求項3、請求項4記載のいずれか一つの津波対応浮体建築物において、メンテ通路内に3台以上のジャッキリフトを挿入し、そのジャッキリフトを同期して駆動昇降させ浮体底部の表面処理作業することを特徴とする津波対応浮体建築物の建造方法。
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