JP2012233330A - 津波対応浮体建築物と建造方法 - Google Patents

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Abstract

【課題】津波や台風高潮が発生しても浸水することのない津波対応浮体建築物及びその建造方法を提供する。
【解決手段】津波が襲来する方向に船首部29を向けて鉄筋コンクリート製基礎の上に船体浮体を置き、基礎の上に置かれた浮体船首の前方に接近し、津波高潮の襲来する方向に向けて基礎と一体の小型の堤防壁12を構築し、破壊力ある高速津波を遮蔽するように構成した。また浮体と基礎とを連結するウインチ30と可撓性チエイン21等の連結索によって、浮体に基礎と一体の錨20を連結し津波水流により浮体が基礎から遊離することを防止し、津波が終了したときに浮体は基礎の上に着座するように構成した津波対応浮体建築物10を提供すると共に、基礎にジャッキリフトを挿入するメンテ通路を形成しメンテ通路内ジャッキリフトを同期して昇降し浮体底部の表面処理を施工するように構成した。
【選択図】図1

Description

この発明は大地震による大津波や台風高潮又は集中豪雨による洪水等の水害から、人身人命及び貴重な財産を守護し、人が安全に居住する津波対応浮体建築物とその建造方法に関する。
平成16年12月26日マレーシア沖に発生した海底大地震により、インド洋沿岸諸国海岸地域に大津波による大水害が発生し、情報の伝達が遅れたこともあり過去未曾有の十数万人の死者が出た。
在来海岸地域に津波被害に対する避難設備は無く、小山や高層建築物の上階部に避難する以外に方法は無かった。
平成23年3月11日午後2時マグニチュード9に達する大地震と大津波が、三陸沿岸地帯に発生し近年日本国内で発生した津波に比較して比べものにならぬ極めて巨大な大災害が日本列島を直撃した。
如何に早く小山や高層建築物に逃避することが、被害を少なく食い止める方法ではある。
しかし小山や高層建築物が無い平野部の多い田園地帯や、又あっても時間距離が離れて速やかな避難の困難な臨海地帯は極めて多い。
津波発生の情報伝達通信手段の構築と共に、津波に遭遇した場合の避難する手段として数十メートルの丘陵地や3階以上のビルを避難場所としているが、多くの避難所で車でなければ10分以内に避難出来ないと言う問題が指摘されている。
本発明はこの度の日本海大震災の津波のように第一波の波高が極めて高く、速度も毎秒10m以上という高速で建築物や構築物に対し、破壊力が大きい津波に対応出来る避難用建築物を提供するものである
また年間数度も来襲する台風高潮や集中豪雨による河川氾濫の被害も、低地に居住する人達は高潮浸水や氾濫冠水により例年莫大な損害を蒙っている。
我が国においては東日本大災害の次は、東海地震や東南海地震や南海地震が発生する可能性が高いことから、鉄骨構造十数メートルのタワー型避難台の提案がビル建設よりも安価なので再度注目されてきている。
特開2004−339920 しかしながら老若男女多数の人たちが短時間の内に階段を使って、十数メートル高所の避難台に登ることが出来るかどうかの疑問もあり、又津波の高さがタワーの高さ十数メートル以内であるかどうかの保証も無いので未だ普及の段階には至っていない。
本発明は避難に際して十数メートもの高所に登ることなく、平地に設備した避難建築物に入るだけで難を逃れることが出来る津波対応浮体建築物(10)を提供することを課題とする。
平成23年に発生したこの度の日本海大震災の津波は第一波が極めて高くまた速度も早いものであったが、これらの高速の津波の第一波の衝撃を緩和し津波避難建築物浮体の損壊を防止する装置を提供することを課題とする。
また本発明の津波に対する建築物の使用頻度は極めてゼロに近く、津波避難建築物として使用することは極めて稀であるので、避難用以外に多目的に使用出来る建築物を提供することを課題とする。
また本発明津波対策として使用する建築物は、十数メートル以上たとえば百メートル以上の如何なる高水位の津波にも、人命救助に対応出来る津波対応浮体建築物を提供することを課題とする。
また更に津波はおろかたびたび襲来する高潮水害や河川氾濫冠水にも、浸水冠水の危険がない一般建築物や居住用住宅を提供することを課題とする。
また更に本発明は、特に小高い丘や山の無い田園地帯で地域に3階以上の建築物が無く小高い丘陵地まで走るには車で数分以上かかる場所がある。
これらの地域は行政や相談役が避難場所を指定決定するにも全く方法がなく困却しているのが現状であるが、本発明はこれらの地域に人命救助に対応出来る津波対応浮体建築物(10)を提供することを課題とする。
津波や台風及び河川氾濫等の高潮水難に対し、建築物の浸水を防止する浮体構造の台船型建築物で浮体上に人が居住するように構成し、以下1ないし3の条件を具備したことを特徴とする津波対応浮体建築物。
1,津波高潮の襲来する方向に向けて船体船首部を向けた浮体は、コンクリート基礎の上に置かれる。
2,基礎の上に置かれた浮体船首の前方に接近し、津波高潮の襲来する方向に向けて基礎と一体の小型の堤防壁を構築し、高速津波を遮蔽するように構成した。
3,浮体と基礎とを連結する可撓性連結索によって、浮体に基礎と一体の錨を連結し津波水流により浮体が基礎から遊離することを防止した。
また次に上記津波対応浮体建築物において、基礎上面にメンテ通路を形成しメンテ通路内に3台以上のジャッキリフトを挿入し、そのジャッキリフトを同期して昇降させ浮体底部の表面処理作業することを特徴とする津波対応浮体建築物の建造方法である。
津波や台風及び河川氾濫等の水難に対し人身人命及び動産を守る避難用浮体の装備であって、水難情報により上記浮体上に避難者が乗船して避難する様に構成する。
また台風高潮や河川氾濫等で冠水する頻度の高い水難に対応し、浸水することがない安全な一般建築物や居住用住宅空間を提案する津波対応浮体建築物を提供する。
本発明は必要な建設場所にコンクリートにより強固な基礎(4)を構築し、その上へ台船構造の浮体である建築物を単に載せ置いたものである。
基礎(4)の上に置かれた浮体船首の前方に接近し津波高潮の襲来する方向に向けて、基礎と一体の小型の堤防壁(12)を構築し浮体船首部を高速津波から遮蔽するように構成した。
その浮体には浮体の底部から突出するアンカーポール(2)を設け、基礎(4)にはそのアンカーポールが挿入される様に上部表面にアンカー穴を穿孔するか突起を設けた連結部材(3)が設けてある。
連結部材(3)はアンカーポール(2)先端部が挿入される穴状の形状でなくても、図11に示すようにアンカーポール(2)がパイプ形状ならばそのパイプの中へ挿入される棒状のものでも良い。
津波や台風高潮又は集中豪雨による河川堤防氾濫等の高水位が発生し、水位が浮体(1)の喫水線以上になれば浮体は浮上する方向に水面から浮力を受ける。
水面の上昇と共に浮体(1)は浮上するが、浮体から下方に突出したアンカーポールと基礎(4)の連結部材(3)の側壁部が接触固定され、浮体は潮流に水平方向の力を受けるが流されることなく鉛直真上方向に浮上する。
台風高潮の場合は低気圧によって海水面が吸い上げられるので高潮と言っても満潮時の水位が高くなるだけであるが、大型の津波は波高の高い第一波が高速で押し寄せるので堤防を破壊するだけの運動のエネルギーを保持していることがある。
本発明はこの津波の第一波によって避難場所を提供する浮体(1)への衝撃を緩和し、浮体を保護するとと共に乗船者を守護するために浮体の直前に小型の防波堤防を設けたものである。
津波は第一波が到来して水位が上昇し、次に急激な引き潮となり陸上部の破壊した器物・建築材・自動車等を海へ引き去り、また次に第二第三の高潮が到来することが多い。また第一よりも第二第三の津波の波高が高い場合もある。
高潮の高さがアンカーポール(2)の長さ以内であれば、浮体は流されることなく水位と共に上下動するのみで、水位が下がればまた元の位置に浮体(1)は安置される。
水位が更に上昇し浮体が浮上しアンカーポール上端部が鞘管(23)から抜け出ると、アンカーポール(2)と連結部材(3)で構成されるアンカー装置がアンカー作用しなくなり、浮体は潮流や氾濫水にフリーで流される状態となる。
浮体(1)はアンカーポール(2)から離れて一旦はフリーとなるが、浮体船首部のウインチからチェイン等の可撓性連結索によって基礎(4)と一体の錨(20)に連結されている。
従って浮体(1)は自由に津波流に流されず、チェインがウインチから伸ばされている寸法までは津波から流されて浮上するが、チェインが伸びきるとチエイン寸法に制約されて浮体(1)は多少左右に振られてルーズながら固定される。
浮体は錨(20)に固定されたチエインに引かれた状態で、若干左右に振られながら、
津波流に浮上して固定され津波の水位が降下すれば浮体(1)は地上に降下着座する。
チェインの長さを加減出来るのはウインチであるが、津波水位が上昇するに従ってチェインを伸ばし浮体(1)の水平度を保つ様にウインチを操作する。
また水深が降下するに従ってウインチを巻き上げてチエインを引き締めることにより、浮体(1)を基礎(4)に近い位置に移動させ完全に津波終了時に元の位置に着座させることも出来る。
チェインを伸ばしたまま津波水位が降下し終了すれば、浮体(1)は津波の来襲した洋上に浮上したまま残されることもありうる。
本発明は潮流による水平方向移動を防止する方法に於いて、高潮の高さが低い場合はアンカーポール(2)と鞘管(23)による方法で浮体(1)は全く元の位置に正確に着座させることが可能である。
浮体(1)と錨(20)をウインチを介して連結する方法は、水深が極めて高い場合に浮体(1)を基礎(4)に近い場所に浮遊させ安全を保つことに有利である。
従って浮体(1)は破壊力のある津波先端部の高速流から堤防壁(12)により守護し、浮体(1)と錨(20)が連結されたチェイン等の可撓性連結索により浮体(1)は基礎(4)近傍に浮上し、津波が終了すれば浮体(1)上の人命は救われる可能性が極めて高い。
また次に本発明の津波対応浮体建築物(10)は陸上建築物であり、造船所の様な大型設備を使えない市街地での現地工事で大型の浮体を建造しなければならない宿命がある。
そのため簡単に移動可能な小型設備で、巨大な浮体や建築物を建造する為に特別な施工手段の開発が必要であった。
本発明は移動可能な小型ジャッキリフト(8)を基礎(4)に設けたメンテ通路(6)内に挿入し三台以上のジャッキリフトを同期して昇降させることにより浮体底部の外側からの表面処理をする建造方法と修理補修方法を開発した。
最近提案されている前述の津波の避難装置は、高さ十数メートルの鉄骨構造のタワーで頂上部に十メートル四方程度の手摺り付きの避難台と昇降用階段を設けたものである。
津波情報を受けて速やかに100人以上の多数の人たちが、十数メートルもの階段を上ることは、非常に困難を伴うものであり相当な時間を要する。
本発明の津波対応浮体建築物(10)は浮体(1)が浮上するための条件即ちアルキメデスの定理により、水面上に浮上した船体は船体底部の喫水線以下の容積の水の重さに等しい浮力を受ける。
(陸上に建設する建築物であるが浸水時は水上に浮かぶ船舶となり、説明が理解しやすいように以下甲板等の船舶用語も使用する。)
津波対応浮体建築物(10)に使用する台船型浮体は、構造上の特徴で甲板とほぼ等しい船底部面積があり、必要な浮力を得るために喫水が浅く極めて高さの低い平板状船体構造で充足する。
従って浮体上に避難する場合浮体の高さが極めて低く、浮体の前後左右側面にも昇降通路が配置可能で、階段昇降する場合に多数の人が並列して同時に乗り込むことが可能である。
更にこの避難用浮体(1)の使用頻度は数十年ないし百年に一度あるかないかの程度であり、このためには津波や台風高潮の避難のためだけでなく、常時は避難以外の用途に使用出来る多目的設備であることが望ましく土地と設備の有効利用が計られる。
海底の陥没や隆起による地形変動は、上部の海水を一挙に持ち上げ洋上に数キロないし数十キロの海水塊が隆起し津波が発生する。
津波は大陸棚に近づくと波高が高くなり、また津波進行方向に左右の岬と内湾があると岬に反射した波が重なり合い、異常に高い津波となり堤防を乗り越えて市街地に流入する大津波になれば大災害が発生する。
本発明の思考への発想は先ず「津波や高潮とは陸上が一時的に海になることです。
海ならば船というのは昔から決まっていました。その船を陸上につくり海になったときに、海を乗り切ると言う発想アイデアです。」
本発明は高速の津波が浮体(1)の船首部分に衝突するが、その前に船首の直前に強固な防波堤をつくり高速第一波を左右に遮蔽することにより、その船首部分への衝撃を緩和するものである。
津波避難に使用する場合、浮体(1)すなわち船体の船首部分は津波の来襲する方向に向かって据え付けられており、船首部分は前方に向かって垂直断面積が次第に小さくなる流線形状に建造されているので波切りが良く、津波など高速流を受けてもその抵抗は少なく船首部分は上方に浮上する。
急激な海水水位が上昇すると共に海から陸上方向に早い流速での潮流が発生しても、浮体(1)と地上とを連結するチエン等の可撓性連結索によって強固に連結されているので、浮体は固定され潮流に流されることはない。
また浮体(1)は浮体と一体の鞘管(23)の中に挿入されたアンカーポール(2)と、基礎(4)と一体の連結部材(3)によって浮体が潮流に流されるのを規制しているので、浮体は鉛直上方に浮上しても流されることはない。
津波等の高潮水害では海から陸上部へ流れ込んだ水は、次に急激な引き潮となって陸上部から海へ流下する。この場合も浮体(1)は上記アンカー装置によって水平方向への移動が阻止されて、水面の降下と共に浮体(1)自体が鉛直下方へ降下して洋上に流されることなく元の位置に元の状態で復帰され甲板上の人身が守られる。
津波の水面が極めて高くアンカーポール(2)上端が浮体(1)と一体の鞘管(23)から外れた場合は、浮体はフリーとなって海水の移動と共に津波流に流されるが、浮体(1)船首部両舷側から錨とチェン又はワイヤーにより地上と強固に連結されているため、錨に引かれて浮体は固定され津波に破壊された浮遊物のように翻弄されることは無く津波対応浮体建築物(10)は損壊されることなく船上の避難者は救われる。
本発明の方法特許は特に台船型浮体の建設現場での建造方法に関するものであり、台船はこれまですべて大型クレーンやレール型船台または浮きドック等の造船所での建造であった。
本発明は内陸の陸上建築物で造船所の様な大型つり上げクレーン設備はなく、工事が完了すれば次々と建設現場が変わる建築工事であるため造船所での台船建造方法技術が通用せず、新たな施工方法を創作しなければならなかった。

以下本発明の実施例を図面に基づいて説明する。ただし、以下に示す実施例は、本発明の技術思想を具体化するための一態様を例示するものであって、本発明は実施例のものだけに特定しない。
図1は本発明津波対応浮体建築物(10)の主要な各部を構成配置した鳥瞰図である。 図3ないし図4はやや小型の津波対応浮体建築物(10)で図3は側面図、図4は平面図である。
いずれもコンクリート製基礎(4)の上に浮体(1)が載置されており浮体甲板部上に居住区ハウジング(7)が一体的に連結されている。
浮体(1)の左右舷側部には鉛直方向に鞘管(23)が浮体と一体的に結合されており、その鞘管の中にアンカーポール(2)が挿入されておりその下端部は基礎(4)に設けられた連結部材(3)であるポール穴(11)に挿入されている。
基礎(4)は浮体の直前にコンクリート製の堤防壁(12)が基礎の上に、図示しないが基礎と一体的に鉄筋等で強固に連結されている。
また基礎の下には図3に示すようにパイル(13)が打ち込まれ、基礎が地中と強固に連結されている。
基礎は上面に3条の上方に開口した導水路(16)がその長さ方向に平行に設けられ、図では堤防壁(12)の前方から堤防壁の下を通って浮体の後部まで連通している。
浮体(1)の船首部甲板上には強固なチェン(21)を連結したウインチ(30)が設けられ、巻き取ったチェンは直ぐ横に配置したチェン函(15)に収納される。チェンの他端部には図示しないが基礎(4)と鉄筋により強固に配筋された錨(20)が連結されている。
また図3ないし図4には浮体(1)上甲板に乗り降りするための階段が船尾部にかけられている。
アンカーポールの上端にはフランジ型のストッパ(32)が連結されており、このストッパは浮体が浮上し水深がアンカーポール上端までまで上昇すると鞘管(23)に当接しアンカーポールを引き上げる作用をする。
浮体はアンカーポールをポール穴から生き抜いてアンカーポールをつり下げた状態で浮体は自由に浮上するが、浮体の重心が多少とも下がるので安定した浮上状態となる。
図2は図1にて説明した津波避難台船に津波第一波が上陸して堤防壁(12)に衝突した瞬間を示す鳥瞰図である。
浮体(1)の正面に堤防壁(12)を配置してあるので、進行する津波の正面の波のみ堤防壁(12)に衝突して高速波が遮蔽され船首部への衝撃が緩和される。
図5に於いて津波は小矢印に示すように堤防壁(12)手前の導水路(16)開口部から流入し、浮体(1)後部へ進行しふたたび上方へ溢出する。
時間の経過と共に増水し浮体(1)の吃水線に達すれば浮体は浮上が始まる。
浮体は左右舷側部に鞘管(23)が鉛直方向に一体的に連結されており、その中に鋼管又はコンクリート柱製のアンカーポール(2)が挿入され、アンカーポール下端部は基礎(4)に穿設されたポール穴等の連結部材(3)に連結されている。
従って浮体(1)は津波の流速により津波下流側に流される大きな力を受けるが、基礎(4)と一体のアンカーポール(2)と浮体と一体の鞘管(23)の間で接触固定され浮体は鉛直上方に浮上する。
また浮体は船首側前方に堤防壁(12)があるので、津波高速流は堤防壁にその流れが遮断抵抗され浮体(1)の下流側への流れが若干弱くなる。
図5ないし図6に示すように水深の増加と共に浮体(1)は浮上し、浮体の鞘管(23)とアンカーポール(2)は摺動しながら浮体の浮上は進行する。
しかし浮体はアンカーポールに案内されて鉛直上方に浮上するが、アンカーポール上端と鞘管(23)が外れると浮体は津波流に流され始める。
浮体船首部甲板上にはウインチが装備され、ウインチはチェン又はワイヤーにより基礎(4)と一体の錨(20)に強固に連結されているため、錨(20)に引かれて浮体(1)は流されることなく固定される。
津波の水深が深くなりチェインが強く引かれるようになると浮体船首部が沈むような形になり、チェインに強すぎる張力が係るのでウインチを運転してチェインを適当に緩めるのが良い。
また津波の水深が浅くなり浮体(1)が降下してくれば、ウインチを巻き上げてチェインを締め浮体を基礎(4)に近づけるのが良い。
上記のように常に浮体の水深をはかりチェインに適当な張力をかけて浮体を基礎(4)に近い位置に固定させておけば、浮体の浮上場所が一定位置に決まり乗船した避難者の安心と安全がはかられる。
図7ないし図8は浮体(1)のメンテナンスに関するもので図8平面図に対応して図7の側面図を示す。
ジャッキリフト(8)は縮小した状態で右端のメンテ通路(6)上方から下へおろし、堤防壁(12)の下をくぐらせ図では左へ移動して浮体(1)の底面にバランスを計算して3台以上、図8では6台を据え置き同期してジャッキリフト(8)を伸長して浮体(1)を持ち上げる。
メンテ通路(6)は先ほど津波高潮来襲時には津波海水の通路として導水路(16)として説明したもので、導水路を利用してメンテナンス時にはジャッキリフト(8)を移動するメンテ通路(6)として利用する。
浮体(1)は鋼製の場合は30年ないし50年に一度は底面を塗り替え等の整備をしなければならない。
図8では3条のメンテ通路(6)の間の基礎(4)は、台座(5)と称しその上に浮体(1)を乗せるので浮体重量の耐荷重を備える。
浮体底面の整備は一部のジャッキリフトを追加して支え、その隣のジャッキリフト(8)を縮小して取り外し錆おとしおよび再塗装する。
浮体の大きさは一辺が数十メートルないし百メートル以上数百トンのものも、多数のジャッキリフトを同期して運転すれば製作および整備が可能である。
図9および図10に示す津波対応浮体建築物(10)は、浮体船尾にも船首と同様なウインチおよびチェイン函(15)とチエン下端部に基礎と一体の錨(20)を設けたものでありアンカーポールは鞘管(23)に挿入せず省略してある。
前後および左右の四本のチエンによって適度なチエン長さを保つようウインチによる適当な張力を保てば、左右2本のチエンの場合より浮体(1)は正確に津波流に流されることなく基礎(4)の上方近傍に浮上し、津波終了時に元の基礎の上に着座させることが可能である。
本発明は津波災害に対する避難設備であり、日本海大震災を経験したわれわれ日本人は近い将来南海地震や東南海地震が発生することが予測されており極めて関心の高いテーマである。
また台風による高潮水害は殆ど毎年各地で発生しており、この高潮水害に対応する手段としても本発明は有効である。
技術的に完成した装備を提供することにより、建設業界及び造船業界にも産業上大きな需要の可能性がある。
何よりも日本海大震災によって多くの日本人が津波による水死という肉親者の悲しい不幸に遭遇しました。それは安全な避難所へ逃げるにも津波来襲までの時間が極めて短く、高齢者や年少者が避難する時間がなかったことも数多くありました。
本津波対応浮体建築物がある程度普及しておれば、長距離逃げる必要はなく楽に確実に安全な避難ができた筈であります。
本発明津波対応浮体建築物(10)の構成と主要器物の配置についての鳥瞰図。 本発明津波対応浮体建築物(10)の構成と、津波の第一波が来襲時の鳥瞰図。 平常時の津波対応浮体建築物(10)の側面図。 同上平面図。 津波高潮浸水時の各段階での浮体(1)浮上を示す側面図。 同上正面からの側面図。 浮体の建造および修理の際にジャッキアップする側面図。 同上平面図。 浮体(1)と基礎と一体の錨(20)をチェイン(21)によって連結した安全装置を、浮体の左右両舷および船首・船尾部に合計4カ所設けた実施例側面図。 同上平面図。 アンカーポール(2)とポール穴(11)などの連結部材が連結状態の側面図。
1…浮体
2…アンカーポール
3…連結部材
4…基礎
5…台座
6…メンテ通路
7…ハウジング
8…ジャッキリフト
9…波除け
10…津波対応浮体建築物
11…ポール穴
12…堤防壁
13…パイル
14…鉄筋
15…チェイン函
16…導水路
17…台座
18…底面
19…昇降ボックス
20…錨
21…チエイン
22…駆動装置
23…鞘管
24…手摺り
25…昇降路
26…水面線
27…津波
28…甲板
29…船首部
30…ウインチ
31…喫水線
32…ストッパ

Claims (2)

  1. 津波や台風及び河川氾濫等の高潮水難に対し、建築物の浸水を防止する浮体構造の台船型建築物で浮体上に人が居住するように構成し、以下1ないし3の条件を具備したことを特徴とする津波対応浮体建築物。
    1,津波高潮の襲来する方向に向けて船体船首部を向けた浮体は、コンクリート基礎の上に置かれる。
    2、基礎の上に置かれた浮体船首の前方に接近し、津波高潮の襲来する方向に向けて基礎と一体の小型の堤防壁を構築し、高速津波を遮蔽するように構成した。
    3,浮体と基礎とを連結する連結索によって、浮体に基礎と一体の錨を連結し津波水流により浮体が基礎から遊離することを防止した。
  2. 請求項1の浸水対応浮体建築物において、メンテ通路内に3台以上のジャッキリフトを挿入し、そのジャッキリフトを同期して昇降させ浮体底部の表面処理作業することを特徴とする浸水対応浮体建築物の建造方法。

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* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
JP2015193373A (ja) * 2014-03-27 2015-11-05 株式会社光レジン工業 複数ハッチ略箱型シェルター
JP7403750B2 (ja) 2020-08-05 2023-12-25 株式会社高橋監理 自動アンカーボルト位置誘導装置

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