JP2015180794A - 津波避難構造体 - Google Patents

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Abstract

【課題】津波が発生したときに確実に避難施設として機能できるようにする。【解決手段】地盤に固定された基礎(2)と、前記基礎(2)の上面に固定された単数または複数のプレストレストコンクリートでなるガイド柱(5、21)と、前記ガイド柱(5、21)によって水平方向の移動が拘束され、その内部に空隙部(3b)が設けられたプレストレストコンクリートでなる函体(3、23)とを備え、津波の出水時に前記函体(3、23)が前記空隙部(3b)の浮力により前記ガイド柱(5、21)に沿って浮上するようにする。【選択図】図1

Description

本発明は、津波避難構造体に関し、特に大規模な津波が発生した場合に安全な緊急避難先を提供する津波避難構造体に関するものである。
過去、2011年3月11日の東日本大震災を経験して以来、津波浸水想定区域内にある津波避難を目的とする津波避難タワーと呼ばれる建築物以外の工作物が提案され、各地で建設され始めている。
これらの津波避難タワーは、何れも単なる固定式の高層デッキであり、当該高層デッキよりも高い津波が襲来した場合には当初意図した役割を果たすことはできない。一方、非常に高い位置にデッキを配置すれば緊急避難に時間を要し、シェルターとしての役割を果たさないだけではなく、地震時の安全性や高コストの問題も懸念される。
このような点を考慮し、津波の来る可能性のある海岸の土地に設けられた津波避難施設(例えば、特許文献1参照)が提案されている。この津波避難施設は、鉛直な円筒状の防護壁と、この防護壁内に設けられ、海水の浮力によりこの防護壁に沿って上昇移動する浮体と、この浮体に設けられた人が乗る搭乗部とを備えている。
特開2013−199741号公報
ところで上述した津波避難施設においては、防護壁にガイドされながら浮体が上昇する際、浮体が防護壁に引っ掛かった場合には当該防護壁の剛性が大きいために浮上が困難となって避難施設としての機能を果たさないこと、および当該防護壁が過大で高コストとなるという問題があった。
本発明は上記の例のような従来の問題に鑑みなされたものであり、その目的は、津波が発生したときに確実に避難施設として機能し得る津波避難構造体を提供することにある。
この目的を達するために、本発明は、地盤に固定された基礎(2)と、前記基礎(2)の上面に固定された単数または複数のプレストレストコンクリートでなるガイド柱(5、21)と、前記ガイド柱(5、21)が挿通する貫通孔(3a、23a)によって水平方向の移動が拘束され、その内部に空隙部(3b)が設けられたプレストレストコンクリートでなる函体(3、23)とを備え、津波の出水時に前記函体(3、23)が前記空隙部(3b)の浮力により前記ガイド柱(5、21)に沿って浮上するようにする。
本発明において、前記函体は、前記ガイド柱が挿通する貫通孔を有し、当該ガイド柱が前記貫通孔に挿通されることによって当該函体の水平方向の移動が拘束されるようにする。
本発明において、前記函体の周囲に配置された前記ガイド柱によって当該函体の水平方向の移動が拘束されるようにする。
本発明において、前記函体(3、23)は、その上面に避難者を避難させるための所定高さのプレストレストコンクリートでなる避難デッキ台(4、24)が固定されているようにする。
本発明において、前記函体(3、23)は、津波による水位が低下するにしたがって、前記ガイド柱(5、21)に沿って水面とともに下降した後、元の位置に着底するようにする。
本発明において、前記ガイド柱(5、21)は、鉛直方向にプレストレストコンクリート構造とするためのケーブル(5a)が緊張状態で取り付けられているようにする。
本発明において、前記ガイド柱(21)は、引き出し収納可能な2段構造であるようにする。
本発明において、前記函体(3、23)の前記貫通孔(3a、23a)には、当該貫通孔(3a、23a)の端部にR形状の面取部(3r、23r)が形成されているようにする。
本発明において、前記函体(3、23)の周囲には、プレストレストコンクリートでなる断面三角形状のノーズ(31)が形成され、当該ノーズ(31)の斜面(31a)が下方に向けられているようにする。
本発明において、前記ガイド柱(5)は、前記基礎(2)の上面に4本固定され、前記ガイド柱(5)の内側領域に矩形状でなる前記函体(3)が配置され、前記4本のガイド柱(5)の頂部と、前記函体(3)のほぼ四隅部との間がロープ状の連結手段(41乃至44)により弛みのない状態で連結されているようにする。
本発明によれば、津波の出水時に強靭なプレストレストコンクリートでなる函体(3、23)が空隙部(3b)の浮力により強靭で柔軟なプレストレストコンクリートでなるガイド柱(5、21)に沿って浮上するようにしたことにより、津波発生時の漂流物の衝突による函体(3、23)およびガイド柱(5、21)の損壊を防止し、ガイド柱(5、21)に沿って引っ掛かりなく函体(3、23)が浮上するので、かくして、津波が発生したときに確実に避難施設として機能することができる。
本発明によれば、函体(3、23)の上面に避難者を避難させるための所定高さのプレストレストコンクリートでなる避難デッキ台(4、24)が固定されているため、水面に浮上している函体(3、23)よりも更に高い避難デッキ台(4、24)の上面に避難者を避難させることができるので、波にさらわれたり、波の飛沫を浴びる等の事態を回避することができる。
本発明によれば、函体(3、23)の前記貫通孔(3a、23a)の端部にR形状の面取部(3r、23r)が形成されているため、函体(3、23)がガイド柱(5、21)に沿って円滑に上下に移動することができる。
本発明によれば、函体(3、23)の周囲には、プレストレストコンクリートでなる断面三角形状のノーズ(31)が形成され、当該ノーズ(31)の斜面(31a)が下方に向けられているため、当該函体(3、23)が津波の出水時に当該ノーズ(31)の斜面(31a)を介して迅速に浮上することができるとともに、漂流物の衝突の影響を緩和することができる。
本発明によれば、4本のガイド柱(5)の頂部と、函体(3)のほぼ四隅部との間でロープ状の連結手段(41乃至44)により弛みのない状態で連結されているので、海水により函体(3)が浮上する際でも、4本のガイド柱(5)の内側の領域から函体(4)がはみ出すことなく、ガイド柱(5)に沿って浮上し、海水が引くと元の位置に函体(3)が戻ることができる。
第1の実施の形態に係る津波避難構造体の全体構造を示す側面図である。 第1の実施の形態に係る津波避難構造体の上面構造を示す上面図である。 第1の実施の形態に係る浮上函体の貫通孔の構造を示す断面図である。 第1の実施の形態に係る浮上函体の側面構造を示す断面図である。 浮上函体の構造を示す断面図である。 津波によって浮上函体および避難デッキ台が途中の段階まで浮上した状態を示す側面図である。 津波によって浮上函体および避難デッキ台が最上段まで浮上した状態を示す側面図である。 第2の実施の形態に係る津波避難構造体の全体構造を示す図7におけるZ−Z線拡大断面図である。 第2の実施の形態に係るフーティング基礎の上面構造を示す図5におけるX−X線拡大断面図である。 第2の実施の形態に係る浮上函体の上面構造を示す上面図である。 第3の実施の形態に係る津波避難構造体の全体構造を示す側面図である。 第3の実施の形態に係る津波避難構造体の上面構造を示す上面図である。 第3の実施の形態に係る津波避難構造体における浮上函体の水平方向の移動距離の説明に供する側面図である。 他の実施の形態に係る浮上函体の構成(1)を示す上面図である。 他の実施の形態に係る浮上函体の構成(2)を示す上面図である。
以下、本発明の実施の形態について説明する。
(1)第1の実施の形態
<津波避難構造体の構成>
図1乃至図3に示すように、津波避難構造体1は、津波が発生したときの海水中の浮力により浮上函体3および避難デッキ台4を浮上させることにより当該避難デッキ台4の上面に設けられたデッキ4aに避難している避難者を確実に救済するものである。
津波避難構造体1は、地盤Gに埋め込まれた状態で固定されたフーティング基礎2と、当該フーティング基礎2の4隅に上方へ向かって鉛直状に固定されたガイド柱5と、当該ガイド柱5を介して図中上下方向へ移動自在の浮上函体3と、当該浮上函体3の上面に固定された避難デッキ台4とによって構成されている。
フーティング基礎2は、上部構造物である浮上函体3および避難デッキ4の荷重を直接地盤Gに伝える基礎であり、海岸近傍の陸上の地盤に固定される。
このフーティング基礎2の上面の4隅に固定されたガイド柱5は、中実断面構造のコンクリートであり、浮遊することのないように強固にフーティング基礎2に固定されている。具体的にガイド柱5は、例えば直径1.5m、高さ15mを有し、PC鋼材でなるケーブル(JIS 19S15.2B)5aが内ケーブル方式により6本緊張された状態で鉛直方向に配置された中実構造のプレストレストコンクリートである。これによりガイド柱5は、津波の流水圧、波圧、および浮上函体3に対する漂流物の衝撃力に耐えることができる。なお、ガイド柱5の構成としては、これに限るものではなく、PC鋼材でなるケーブル5aが外ケーブル方式により6本緊張された状態で鉛直方向に配置された中空構造のプレストレストコンクリートであってもよい。
浮上函体3は、例えば米国シアトルにおける浮き橋、港湾の浮き桟橋、ポンツーンなど水位の変動に追随して上下移動可能な既存の構造を参照したものであり、それ自身の浮力により水に対して浮くように構成されている。
この浮上函体3(図2)は、フーティング基礎2の4本のガイド柱5と対応する位置に、当該ガイド柱5の直径(1.5m)よりも1.2倍の直径(1.8m)となる4個の貫通孔3aが形成されているとともに、図3に示すように貫通孔3aの端部に半径約30cm程度のR形状の面取部3rが形成されている
これによりフーティング基礎2のガイド柱5が浮上函体3の貫通孔3aに挿通された状態から、浮上函体3がガイド柱5に沿って引っ掛かりが生じることなく上昇または下降する。
浮上函体3は、その寸法が例えば幅(W)20m、長さ(L)20m、高さ(h)3mの箱型構造の函体である。この浮上函体3の側面には、避難者が当該コンクリート函体3の上面に乗るための簡易的な階段または梯子(図示せず)が設けられている。
浮上函体3は、内ケーブル方式または外ケーブル方式によりPC鋼材でなるケーブル(JIS 19S15.2B)が複数本緊張された状態で配置されたプレストレストコンクリートである。これにより浮上函体3は、高耐久性および強靭性を確保する。
浮上函体3は、図4に示すように、その周囲には、プレストレストコンクリートでなる断面三角形状のノーズ31が形成され、当該ノーズ31の斜面31aが下方に向けられている。これにより、津波の出水時、当該ノーズ31の斜面31aを介して迅速に浮上することができるとともに、漂流物の衝突の影響を緩和することができる。なお、浮上函体3は、ノーズ31と一体形成されていてもよい。
また浮上函体3は、図5に示すように、外壁の厚さ(t1)15cm、上下床板の厚さ(t2)15cm、隔壁の厚さ(t3)10cmとすれば、当該浮上函体3の内部に形成される複数の空隙部3bにより当該浮上函体3の比重を0.4以下にすることができる。なお浮上函体3に設定すべき比重としては、確実に浮力の効果を発揮できるように0.5以下とすればよい。
ここで浮上函体3の質量を400[Mg]すなわち400トンとすれば、平均体重70kgの人間が当該浮上函体3に避難デッキ台4を介して仮に100人程度乗った場合でも、その合計の質量は7[Mg]であり、これが浮力に与える影響は殆ど無いと考えられる。但し、人間以外の種々の積載物を載せる場合には、人間および積載物の合計質量が浮力に影響を与えない程度に人数および積載物の質量を決定する必要がある。
浮上函体3の上に固定される避難デッキ台4は、その寸法が幅(W)15m、長さ(L)12m、高さ(h)3mの軽量のプレストレストコンクリートでなる避難用の軽量デッキ台でなり、その上面のデッキ4aには救命ボート、救命胴衣等が配備されている。この避難デッキ台4の側面にも、避難者が当該避難デッキ台4のデッキ4aに乗るための簡易的な階段または梯子(図示せず)が設けられている。なお、この避難デッキ台4のデッキ4aの下方空間には平常時にも複合的に活用できるようコンビニエンスストアなどの店舗が設置されても良い。
さらに、図2に示されたように、この津波避難構造体1のフーティング基礎2の周囲には、津波が発生したときに流されてくる船舶等の漂流物との衝突を回避するためのプレストレストコンクリートでなる防衝柱10が配置されている。ここで、津波の流速が速いのは、津波の侵入時と、引き潮の終了時であると考えられるため、防衝柱10の高さは想定される津波の高さの1/3程度とすれば良い。
<津波避難構造体の動作>
このような構成の津波避難構造体1は、津波の発生していない状態では、図1に示されたように、フーティング基礎2の上面に浮上函体3および避難デッキ台4が置かれた状態にあり、津波警報が発令されると、避難者は浮上函体3上の避難デッキ台4の上面に階段や梯子を使って避難する。
その後、津波の発生により海水が到来すると、図6および図7に示すように、浮上函体3がその浮力により4本のガイド柱5に沿って水平方向の移動が規制されながら海水の水面の上昇に合わせて図中上方の鉛直方向へ浮上するので、当該浮上函体3の上面に固定された避難デッキ台4が水面よりも遥かに高い位置に存在することになる。
すなわち浮上函体3の上面に避難デッキ台4が固定されている分だけ、当該避難デッキ台4が水面よりも遥かに高い位置に存在するため、津波時の大きい波浪によって避難者がさらわれたり、波の飛沫に避難者がさらされるという事態を回避し、避難者の安全を確保するとともに、避難施設として確実に機能するのである。
ここで津波の速さは、毎時700km以上にもなるが、これは津波の波動としての伝搬速度であって海水そのものの速さではない。津波の侵入時と引き潮時に海水の流速が速くなるが、海水の水位が上昇すると高い水位の流速は遅くなる。したがって、浮上函体3が浮上し、ある程度以上の高さ位置にあるときには、海水の流速が速くないので当該浮上函体3の受ける流水圧はそれほど大きくない。このため、ガイド柱5の高い部分に対しても、高い水位の流速が遅いので、当該ガイド柱5が損傷する恐れは少ないのである。
また、津波による漂流物が到来したときであっても、プレストレストコンクリート製の強固な防衝柱10によって保護される。仮に防衝柱10の間を通って漂流物が津波避難構造体1に接近したときでも、強固なプレストレストコンクリートでなるガイド柱5に規制された強固なプレストレストコンクリートでなる浮上函体3のノーズ31に衝突するだけなので、浮上函体3の損傷が回避されるとともに、その上の避難デッキ台4に漂流物が直接衝突することを回避することができる。
このようにガイド柱5および浮上函体3がプレストレストコンクリートで構成されているため、漂流物の衝突によって容易に損傷することを未然に回避することができ、かくして避難デッキ台4の避難者を確実に保護することができる。
津波による水位が低下すると、ガイド柱5に沿って浮上函体3が海水の水面とともに下降した後、元のフーティング基礎2の上面に対して着底する。これにより、避難者は安全に避難デッキ台4および浮上函体3から階段や梯子を使って降りることができる。
しかしながら、水位が低下することなく更に水位が上昇すると、浮上函体3がガイド柱5から外れ、当該浮上函体3および避難デッキ台4が海水上に浮き上がり、船のように漂うことになる。すなわち、想定された高さ以上の津波に対しても浮上函体3および避難デッキ台4が避難施設として確実に機能するとともに備え付けの救命ボートや救命具を用いて救命を計ることができる。
(2)第2の実施の形態
<津波避難構造体の構成>
図1との対応部分に同一符号を付した図8乃至図10に示すように、第2の実施の形態における津波避難構造体20は、津波が発生したときの海水中の浮力により浮上函体23および避難デッキ台24を浮上させることにより当該避難デッキ台24の上面に設けられたデッキ24aに避難している避難者を確実に救済するものである。
津波避難構造体20は、地盤Gに埋め込まれた状態で固定されたフーティング基礎2と、当該フーティング基礎2の中央から上方に向かって鉛直状に固定されるとともに、副ガイド柱22を収納孔21aに引き出し収納可能に収納した2段スライド構造のガイド柱21と、当該副ガイド柱22およびガイド柱21を介して図中上下方向へ移動自在に支持された浮上函体23と、当該浮上函体23の上面に固定された避難デッキ台24とによって構成されている。
ガイド柱21は浮遊することのないように強固にフーティング基礎2の上面に固定されている。ガイド柱21は、例えば幅(W)4m、長さ(L)4mの正方形断面を有する断面角柱状でなり、その内部に副ガイド柱22を引き出し収納可能に収納する収納孔21aが設けられた中空構造である。ガイド柱21の収納孔21aには、副ガイド柱22スライド式に引き出し可能な状態で収納されている。
ガイド柱21は、その高さ(H)20mであり、PC鋼材でなるケーブル(JIS 19S15.2B)が内ケーブル方式により20本緊張された状態で配置されたプレストレストコンクリートである。これによりガイド柱21は、津波の流水圧、波圧、および浮上函体23に対する漂流物の衝撃力に耐えることができる。
ガイド柱21の収納孔21aに引き出し収納可能に挿通された例えば幅(W)2m、長さ(L)2mの正方形断面を有する断面角柱状の副ガイド柱22には、その軸上端部に係合部25が固定されている。したがって浮上函体23が浮上したとき係合部25によって副ガイド柱22から抜け出てしまうことが防止されている。副ガイド柱22は、その高さ(H)20m強であり、当該副ガイド柱22の下端から浮上函体23の上面までの高さが20mとなっている。これにより、ガイド柱21および副ガイド柱22の双方では、フーティング基礎2の上面から浮上函体23の上面までが最大高さ40mとなる。
浮上函体23は、その寸法が例えば幅(W)20m、長さ(L)20m、高さ(h)3mの箱型構造の函体である。この浮上函体23の側面には、避難者が当該コンクリート函体23の上面に乗るための簡易的な階段または梯子(図示せず)が設けられている。
浮上函体23は、内ケーブル方式または外ケーブル方式によりPC鋼材でなるケーブル(JIS 19S15.2B)が複数本緊張された状態で配置されたプレストレストコンクリートである。これにより浮上函体23は、高耐久性および強靭性を確保する。
浮上函体23は、第1の実施の形態における浮上函体3と同様に(図4)、その周囲には、プレストレストコンクリートでなる断面三角形状のノーズが形成され、当該ノーズの斜面が下方に向けられている。これにより、津波の出水時、当該ノーズの斜面を介して迅速に浮上することができるとともに、漂流物の衝突の影響を緩和することができる。なお、浮上函体23は、ノーズと一体形成されていてもよい。
また浮上函体23には、ほぼ中央に、ガイド柱21の断面角柱状の幅(W)および長さ(L)の1.2倍の幅(W)および長さ(L)を有する角柱型の貫通孔23aが形成されているとともに、図3に示されたように貫通孔23aの端部に半径約30cm程度のR形状の面取部23rが形成されている。
これによりフーティング基礎2のガイド柱21に浮上函体23の貫通孔23aが挿通された状態から、浮上函体23がガイド柱21に沿って引っ掛かりが生じることなく上昇または下降する。
この浮上函体23は、その内部に第1の実施の形態における浮上函体3と同様の複数の空隙部が形成されている。これにより浮上函体23は、比重を0.4以下にすることができる。
津波の発生していない状態では、浮上函体23が貫通孔23aおよびガイド柱21を介して下降した状態、すなわちフーティング基礎2の上面に浮上函体23の下端面23bが当接された状態に位置付けられる。このとき、副ガイド柱22はガイド柱21の収納孔21aに収納された状態となる。
津波の発生により海水が到達すると、浮上函体3の水平方向の移動が貫通孔23aおよびガイド柱21を介して規制された状態で当該ガイド柱21に沿って上方へ浮上する。
さらに海水の量が増えると、浮上函体23がガイド柱21から外れて浮上するが、浮上函体23の上端面に係合部25を介して副ガイド柱22が係止されるため、浮上函体23の浮上に伴い副ガイド柱22がガイド柱21の収納孔21aに沿って矢印U方向へ移動する。
さらに海水の量が増えると、副ガイド柱22の係合部25に係止された浮上函体23が海水の水面の上昇とともに浮上するが、当該浮上函体23が副ガイド柱22と一体となったままガイド柱21の収納孔21aから抜け出ることになる。
浮上函体23の上に固定される避難デッキ台24は、その寸法が幅(W)18m、長さ(L)15m、高さ(h)3mの軽量のプレストレストコンクリートでなる避難用の軽量デッキ台であり、その上面のデッキ24aには救命ボート、救命胴衣等が配備されている。この避難デッキ台24の側面にも、避難者が当該避難デッキ台24のデッキ24aに乗るための簡易的な階段または梯子(図示せず)が設けられている。なお、この避難デッキ台24のデッキ24aの下方空間には平常時に複合的に活用できるようコンビニエンスストアなどの店舗が設置されても良い。
また避難デッキ台24は、その中央に角柱状の貫通孔24bが形成されている。これにより、浮上函体23および避難デッキ台24がガイド柱21に沿ってフーティング基礎2の上面に載置されるとき、当該ガイド柱21が浮上函体23および避難デッキ台24の貫通孔24bを貫通した状態となる。
なお、津波避難構造体20のフーティング基礎2の周囲にも、第1の実施の形態と同様、津波が発生したときに流されてくる船舶等の漂流物との衝突を回避するためのプレストレストコンクリート製の防衝柱(図示せず)が配置されている。
<津波避難構造体の動作>
このような構成の津波避難構造体20は、津波の発生していない状態では、図8に示されたように、フーティング基礎2の上面に浮上函体23の下端面23bが当接された状態にあり、津波警報が発令されると、避難者は浮上函体23および避難デッキ台24の階段または梯子を使って当該避難デッキ台24のデッキ24aに避難する。
その後、津波の発生により海水が到来すると、浮上函体23の浮力により当該浮上函体23と一体化された避難デッキ台24がガイド柱21によって水平方向の移動が規制されながら海水の水面の上昇に合わせて図中上方の鉛直方向へ浮上するので、当該浮上函体23の上面に載置された避難デッキ台24が水面よりも遥かに高い位置に存在することになる。
すなわち浮上函体23の上面に避難デッキ台24が固定されている分だけ、当該避難デッキ台24が水面よりも遥かに高い位置に存在するため、津波時の大きい波浪によって避難者がさらわれたり、波の飛沫に避難者がさらされるという事態を回避し、避難者の安全を確保するとともに、避難施設として確実に機能するのである。
このとき津波による漂流物が到来したときであっても、プレストレストコンクリート製の強固な防衝柱によって保護される。仮に防衝柱の間を通って浮遊物が津波避難構造体20に接近したときでも、強固なプレストレストコンクリートでなるガイド柱21に規制された強固なプレストレストコンクリートでなる浮上函体23に衝突するだけなので、その上の避難デッキ台24に浮遊物が直接衝突することを回避することができる。
このようにガイド柱21および浮上函体23がプレストレストコンクリートで構成されているため、漂流物の衝突によって容易に損傷することを未然に回避することができ、かくして避難デッキ台24の避難者を確実に保護することができる。
津波による水位が低下すると、ガイド柱21に沿って浮上函体23が海水の水面とともに下降した後、元のフーティング基礎2の上面に対して着底する。これにより、避難者は安全に避難デッキ台24および浮上函体23から階段または梯子を使って降りることができる。
しかしながら、水位が低下することなく更に水位が上昇すると、浮上函体23がガイド柱21から抜け出てしまい、浮上函体23および避難デッキ台24が副ガイド柱22とともに海水上に浮上し、船のように漂うことになる。すなわち、想定された高さ以上の津波に対しても浮上函体23および避難デッキ台24が避難施設として確実に機能する。
(3)第3の実施の形態
<津波避難構造体の構成>
図1および図2との対応部分に同一符号を付した図11乃至図13に示すように、津波避難構造体30は、津波が発生したときの海水の浮力により浮上函体3および避難デッキ台4を浮上させることにより当該避難デッキ台4の上面に設けられたデッキ4aに避難している避難者を確実に救済するものである。
津波避難構造体30は、地盤Gに埋め込まれた状態で固定されたフーティング基礎2と、当該フーティング基礎2の4隅に上方へ向かって鉛直状に固定されたガイド柱5と、当該ガイド柱5に沿って図中上下方向へ移動自在の浮上函体3と、当該ガイド柱5の頂部と浮上函体3の下面のほぼ四隅付近との間で結ばれた金属、合成繊維、天然繊維、あるいはこれらの複合されたロープ、ケーブル、チェーン等からなる連結手段41乃至44と、当該浮上函体3の上面に固定された避難デッキ台4とによって構成されている。なお、ガイド柱5の変形の抑制と強度の確保のために、ガイド柱5に配置された連結手段41乃至44の外側方向(平面上で当該連結手段41乃至44のほぼ180度回転した方向)に当該ガイド柱5から控えのケーブルを配置して地盤Gあるいはフーティング基礎2と連結してもよい。また、同様の目的で4本のガイド柱5の頂部を水平な部材で互いに連結した枠状のフレーム構造としてもよい。
フーティング基礎2は、上部構造物である浮上函体3に作用する荷重を地盤Gに伝える基礎であり、海岸近傍の陸上の地盤Gに固定される。このフーティング基礎2は、2つに分割されていても良いし、4本のガイド柱5にそれぞれ対応して4つに分割されていてもよい。なお、地盤Gは平地から例えば5m程度の高さに築造された地盤とする。
このフーティング基礎2の上面の4隅に固定された4本のガイド柱5は、中実断面構造のコンクリートであり、浮遊することのないように強固にフーティング基礎2に固定されている。具体的にガイド柱5は、例えば直径1.5m、高さ(h1)20mを有し、PC鋼材でなるケーブル(JIS 19S15.2B)5aが内ケーブル方式により6本緊張された状態で鉛直方向に配置された中実構造のプレストレストコンクリートである。
これによりガイド柱5は、津波の流水圧、波圧、および浮上函体3に対する漂流物の衝撃力に耐えることができる。なお、ガイド柱5の構成としては、これに限るものではなく、PC鋼材でなるケーブル5aが外ケーブル方式により6本緊張された状態で鉛直方向に配置された中空構造のプレストレストコンクリートであってもよい。
浮上函体3は、例えば米国シアトルにおける浮き橋、港湾の浮き桟橋、ポンツーンなど水位の変動に追随して上下移動可能な既存の構造を参照したものであり、それ自身の浮力により水に対して浮くように構成されている。
この浮上函体3は、フーティング基礎2の4本のガイド柱5よりも内側の範囲に載置されている。浮上函体3は、図1および図2に示したように、その寸法が例えば幅(W)20m、長さ(L)20m、高さ(h)3mの平面視矩形の箱型構造の函体である。なお、浮上函体3は、矩形でなくてもよく、平面視多角形、円形、楕円形等でもよい。この浮上函体3の側面には、避難者が当該コンクリート函体3の上面に乗るための簡易的な階段または梯子(図示せず)が設けられている。
浮上函体3は、内ケーブル方式または外ケーブル方式によりPC鋼材でなるケーブル(JIS 19S15.2B)が複数本緊張された状態で配置されたプレストレストコンクリートである。これにより浮上函体3は、高耐久性および強靭性を確保する。
浮上函体3についても、図4に示したように、その周囲には、プレストレストコンクリートでなる断面三角形状のノーズ31が形成され、当該ノーズ31の斜面31aが下方に向けられている。これにより、津波の出水時、当該ノーズ31の斜面31aを介して迅速に浮上することができるとともに、漂流物の衝突の影響を緩和することができる。なお、浮上函体3は、ノーズ31と一体形成されていてもよい。
また浮上函体3は、図5に示したように、外壁の厚さ(t1)15cm、上下床板の厚さ(t2)15cm、隔壁の厚さ(t3)10cmとすれば、当該浮上函体3の内部に形成される複数の空隙部3bにより当該浮上函体3の比重を0.4以下にすることができる。なお浮上函体3に設定すべき比重としては、確実に浮力の効果を発揮できるように0.5以下とすればよい。
浮上函体3の上に固定される避難デッキ台4は、図1および図2に示したように、その寸法が幅(W)15m、長さ(L)12m、高さ(h)3mの軽量のプレストレストコンクリートでなる避難用の軽量デッキ台でなり、その上面のデッキ4aには救命ボート、救命胴衣等が配備されている。この避難デッキ台4の側面にも、避難者が当該避難デッキ台4のデッキ4aに乗るための簡易的な階段または梯子(図示せず)が設けられている。なお、この避難デッキ台4のデッキ4aの下方空間には平常時にも複合的に活用できるようコンビニエンスストアなどの店舗が設置されても良い。
さらに、図11および図12には示されていないが、図2に示したように、この津波避難構造体30のフーティング基礎2の周囲には、津波が発生したときに流されてくる船舶等の漂流物との衝突を回避するためのプレストレストコンクリートでなる防衝柱10が配置されている。ここで、津波の流速が速いのは、津波の侵入時と、引き潮の終了時であると考えられるため、防衝柱10の高さは想定される津波の高さの1/3程度とすれば良い。
ところで、ガイド柱5の頂部あるいはそれよりも下方となる位置には連結手段41乃至44の一端が結び付けられるとともに、当該連結手段41乃至44の他端が浮上函体3の下面のほぼ四隅に結び付けられている。連結手段41乃至44の他端は、浮上函体3の下面のほぼ四隅に結び付けられるだけではなく、浮上函体3のほぼ四隅付近の側面に結び付けられていてもよく、或いは浮上函体3の上面のほぼ四隅付近に結び付けられていてもよい。なお、これら連結手段41乃至44は全て同じ長さであり、弛みの無い状態で4本のガイド柱5に対して結び付けられている。
図13に示すように、図中向かって左側のガイド柱5の頂部と浮上函体3の下面との間に結び付けられた連結手段41、42とフーティング基礎2の上面とのなす角度α1、および、図中向かって右側のガイド柱5の頂部と浮上函体3の下面との間を結び付けられた連結手段43、44とフーティング基礎2の上面とのなす角度α2については最大で60度以下になることが必要とされる。
その理由について以下説明する。ガイド柱5から浮上函体3までの距離をQ1、フーティング基礎2の上面からガイド柱5の頂部までの距離をQ3、ガイド柱5の頂部と浮上函体3の下面との間を結び付けられた連結手段41、42の長さ(距離)をQ2とした場合、角度α1が60度であるとすると、Q1:Q2:Q3=1:2:√3の関係が成立する。
そうすると、浮上函体3が津波による海水の浮力により浮上して連結手段41、42がフーティング基礎2の上面と水平状態になったときが浮上函体3の水平方向への移動距離が最も長くなった状態である。
この場合、浮上函体3は全体としてガイド柱5からQ1だけ離れた位置にあった状態から、ガイド柱5からQ2だけ離れた位置に移動することになるが、その移動距離はQ2−Q1=Q1であり、Q1の長さに等しいことが分かる。浮上函体3は当初連結手段43、44により当該浮上函体3からガイド柱5までの距離Q1だけ離れた位置に載置されており、浮上函体3の移動距離Q1と等しいため、浮上函体5がガイド柱5に衝突することはないのである。
かくして、ガイド柱5の頂部と浮上函体3の下面との間に結び付けられた連結手段41、42とフーティング基礎2の上面とのなす角度α1、および、連結手段43、44とフーティング基礎2の上面とのなす角度α2については、最大で60度以下でなければならない。
<津波避難構造体の動作>
このような構成の津波避難構造体30は、津波の発生していない状態では、図13に示されたように、フーティング基礎2の上面に浮上函体3および避難デッキ台4が置かれた状態にあり、津波警報が発令されると、避難者は浮上函体3上の避難デッキ台4の上面に階段や梯子を使って避難する。
その後、津波の発生により海水が到来すると、図13、図11に示すような順番で、浮上函体3がその浮力により4本のガイド柱5に連結手段41乃至44を介して沿うとともに、水平方向の移動が当該連結手段41乃至44により規制されながら海水の水面の上昇に合わせて図中上方へ浮上していく(図13)。
そして浮上函体3が海水の水面の上昇に合わせて浮上していき、やがて連結手段41乃至44が弛みの無い状態になると、浮上函体3がフーティング基礎2の上面に載置されていたときの載置位置と対向する上方空間の位置で停止される(図11)。このときの浮上函体3の高さは、ガイド柱5の頂部までの高さH1(20m)と同じ高さH2(20m)が加算された高さH(40m)となる。
なお、このとき浮上函体3の上面に避難デッキ台4が固定されている分だけ、当該避難デッキ台4が水面よりも遥かに高い位置に存在するため、津波時の大きい波浪によって避難者がさらわれたり、波の飛沫に避難者がさらされるという事態を回避し、避難者の安全を確保するとともに、避難施設として確実に機能するのである。
津波による水位が低下すると、ガイド柱5に結び付けられた連結手段41乃至44により当該ガイド柱5に沿って浮上函体3が海水の水面とともに下降した後、フーティング基礎2の上面における元の載置位置に対して着底する。これにより、避難者は安全に避難デッキ台4および浮上函体3から階段や梯子を使って降りることができる。
(4)他の実施の形態
なお、上述した第1および第2の実施の形態においては、プレストレストコンクリートでなる浮上函体3、23を用いるようにした場合について述べたが、本発明はこれに限らず、鉄筋コンクリート構造、プレキャストコンクリート構造、軽量コンクリート、鋼構造、FRP構造あるいはこれらを複合した複合構造の中空または中実の断面を有する浮上函体を用いるようにしても良い。
また、上述した第1乃至第3の実施の形態においては、プレストレストコンクリートでなるガイド柱5、21を用いるようにした場合について述べたが、本発明はこれに限らず、鉄筋コンクリート構造、プレキャストコンクリート構造、鋼構造、鋼構造、FRP構造、あるいはこれらを複合した複合構造の中空または中実の断面を有するガイド柱5、21を用いるようにしても良い。
さらに、上述した第1乃至第3の実施の形態においては、プレストレストコンクリートでなる避難デッキ台4、24を用いるようにした場合について述べたが、本発明はこれに限らず、鉄筋コンクリート構造、プレキャストコンクリート構造、軽量コンクリート、鋼構造、FRP構造、木構造あるいはこれらを複合した複合構造の中空または中実の断面を有する避難デッキ台4、24を用いるようにしても良い。
さらに、上述した第1の実施の形態においては、フーティング基礎2の4本のガイド柱5と対応する位置に4個の貫通孔3aが設けられた浮上函体3を用いるようにした場合について述べた。しかしながら、本発明はこれに限らず、図14に示すようにフーティング基礎2の上面の各辺の中央部に4本のガイド柱5を固定し、その内側を4本のガイド柱5に沿って上昇または下降する、貫通孔の設けられていない浮上函体3を用いるようにしても良い。
さらに、図15に示すように、フーティング基礎2の上面の4隅にそれぞれ2本のガイド柱5(合計8本)を固定し、その内側を8本のガイド柱5に沿って上昇または下降する、貫通孔の設けられていない浮上函体3を用いるようにしても良い。このようにガイド柱5の本数は任意であってよい。
さらに、上述した第1および第3の実施の形態においては4本のガイド柱5、上述した第2の実施の形態においては1本のガイド柱21を用いるようにした場合について述べたが、本発明はこれに限らず、任意の本数のガイド柱5、21を用いるようにしてもよい。
さらに、上述した第3の実施の形態においては、ガイド柱5の頂部と浮上函体3の下面のほぼ四隅との間に連結手段41乃至44が結び付けられることにより連結されるようにした場合について述べた。しかしながら、本発明はこれに限らず、ガイド柱5の頂部と浮上函体3の下面のほぼ四隅との間に連結手段41乃至44を一体に固定したり、連結手段41乃至44の一端および他端にフックを取り付け、ガイド柱5の頂部および浮上函体3の下面のほぼ四隅には輪状の係合部を設け、当該フックと係合部との係合により連結されるようにしてもよい。
1、20…津波避難構造体、2…フーティング基礎、3、23…浮上函体(函体)、3r、23r…面取部、3b…空隙部、4、24…避難デッキ台、5、21…ガイド柱、5a…ケーブル、10…防衝柱、22…副ガイド柱、25…係合部、31…ノーズ、41〜44…連結手段。

Claims (10)

  1. 地盤に固定された基礎と、
    前記基礎の上面に固定された単数または複数のプレストレストコンクリートでなるガイド柱と、
    前記ガイド柱によって水平方向の移動が拘束され、その内部に空隙部が設けられたプレストレストコンクリートでなる函体と
    を備え、
    津波の出水時に前記函体が前記空隙部の浮力により前記ガイド柱に沿って浮上する
    ことを特徴とする津波避難構造体。
  2. 前記函体は、前記ガイド柱が挿通する貫通孔を有し、当該ガイド柱が前記貫通孔に挿通されることによって当該函体の水平方向の移動が拘束される
    ことを特徴とする請求項1に記載の津波避難構造体。
  3. 前記函体の周囲に配置された前記ガイド柱によって当該函体の水平方向の移動が拘束される
    ことを特徴とする請求項1に記載の津波避難構造体。
  4. 前記函体は、その上面に避難者を避難させるための所定高さのプレストレストコンクリートでなる避難デッキ台が固定されている
    ことを特徴とする請求項1に記載の津波避難構造体。
  5. 前記函体は、津波による水位が低下するにしたがって、前記ガイド柱に沿って水面とともに下降した後、元の位置に着底する
    ことを特徴とする請求項4に記載の津波避難構造体。
  6. 前記ガイド柱は、鉛直方向にプレストレストコンクリート構造とするためのケーブルが緊張状態で取り付けられている
    ことを特徴とする請求項4に記載の津波避難構造体。
  7. 前記ガイド柱は、引き出し収納可能な2段構造である
    ことを特徴とする請求項1に記載の津波避難構造体。
  8. 前記函体の前記貫通孔には、当該貫通孔の端部にR形状の面取部が形成されている
    ことを特徴とする請求項2に記載の津波避難構造体。
  9. 前記函体の周囲には、プレストレストコンクリートでなる断面三角形状のノーズが形成され、当該ノーズの斜面が下方に向けられている
    ことを特徴とする請求項1に記載の津波避難構造体。
  10. 前記ガイド柱は、前記基礎の上面に4本固定され、
    前記ガイド柱の内側領域に矩形状でなる前記函体が配置され、
    前記4本のガイド柱の頂部と、前記函体のほぼ四隅部との間がロープ状の連結手段により弛みのない状態で連結されている
    ことを特徴とする請求項1に記載の津波避難構造体。
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