JP2014027139A - 太陽電池モジュール用端子ボックスおよび太陽電池モジュール並びに太陽電池モジュールの製造方法 - Google Patents
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Abstract
【課題】端子ボックスを透光性絶縁基板の外縁部に配設する工程に要する時間の短縮化を図りながらも、端子ボックスの支持強度の向上を図る。
【解決手段】透光性絶縁基板11上に発電部が設けられ、この発電部を封止シート2,3によって被覆した太陽電池モジュールに対し、保持部7aおよび取り付け部7bを有するボックス支持部材7を利用し、このボックス支持部材7の保持部7aを封止材2,3の間に保持させ、ラミネート工程において封止材2,3を一体化させることで、この封止材2,3の間に保持部7aを埋設した状態でボックス支持部材7を支持する。このボックス支持部材7の取り付け部7bに端子ボックス本体6を取り付けることで、前記透光性絶縁基板11,4の外縁部に端子ボックスを配設する。
【選択図】図7
【解決手段】透光性絶縁基板11上に発電部が設けられ、この発電部を封止シート2,3によって被覆した太陽電池モジュールに対し、保持部7aおよび取り付け部7bを有するボックス支持部材7を利用し、このボックス支持部材7の保持部7aを封止材2,3の間に保持させ、ラミネート工程において封止材2,3を一体化させることで、この封止材2,3の間に保持部7aを埋設した状態でボックス支持部材7を支持する。このボックス支持部材7の取り付け部7bに端子ボックス本体6を取り付けることで、前記透光性絶縁基板11,4の外縁部に端子ボックスを配設する。
【選択図】図7
Description
本発明は、太陽電池モジュール用端子ボックス、および、その端子ボックスを備えた太陽電池モジュール、並びに、その太陽電池モジュールの製造方法に係る。
従来より太陽電池モジュールとして、例えば特許文献1に開示されているように、矩形状のガラス基板等で成る透光性絶縁基板上に複数の太陽電池セルからなる発電部(集積型太陽電池デバイス)を形成し、この発電部をほぼ全面に亘って樹脂製封止材によって被覆した構造のものが知られている。
この特許文献1に記載のものでは、矩形状の発電部の両端にそれぞれバスバーが直線状に設けられており、一方のバスバーの長手方向の中央部に正極リード線の一端部が接続され、他方のバスバーの長手方向の中央部に負極リード線の一端部が接続されている。そして、これらのリード線は相対向するように発電部の中央に向かって延びた後に、L字状に立ち上がって端子ボックスに接続されている。つまり、端子ボックスは太陽電池モジュールの裏側のほぼ中央部に配設されている。
また、従来より、2枚の板ガラスの間に太陽電池セルアレイと透光性樹脂のラミネートフィルムとを挟み込んだ、いわゆる合わせガラス構造の太陽電池モジュールも知られている。このような構造の太陽電池モジュールは、光の透過率を比較的高くすることができるので、いわゆる採光型として建物の窓などに使用することが期待されている。
その一例として特許文献2に記載の太陽電池モジュールでは、表裏の板ガラスの間に挟み込むスペーサ部材をモジュール全体の周縁部を取り囲む枠状として、この枠状スペーサ部材に端子ボックスを取り付けている。そして、複数のラミネートフィルムの間から取り出したリード線の接続端を、端子ボックスの端子に接続する構造としている。
ところで、特許文献1の従来例のようにガラス基板上に発電部を形成した太陽電池モジュールにおいても、この発電部を被覆する樹脂製封止材の上にさらにガラス基板を重ねて、特許文献2の従来例のように2枚のガラス基板によって発電部などを挟み込む構造とすることがある。この場合、枠状スペーサ部材は省略して、2枚のガラス基板の端縁に直接、端子ボックスを取り付けることが考えられる。
この場合、通常、端子ボックスの材料としてはPPS(ポリフェニルサルファイド)やPPE(ポリフェニレンエーテル)、PET(ポリエチレンテレフタレート)などのエンジニアリングプラスチックが用いられているため端子ボックスをガラス基板に接着するための手段が必要になる。例えばシリコーン接着剤などを用いて端子ボックスをガラス基板に接着することが考えられる。
しかし、この場合、接着剤の硬化に要する時間がかなり長くなってしまうことに起因する生産性の観点から実用性に欠けることになる。
また、特許文献1にも記載されているように建物の窓などに使用される太陽電池モジュールには大型化が求められており、これに伴い重量もかなり増加することになる。この場合に、接着剤によって端子ボックスをガラス基板に接着した構成であると、大型の重量物である太陽電池モジュールを施工現場で持ち運ぼうとする際に、作業者が端子ボックスに手を掛けてしまい、大きな力が加わって端子ボックスが離脱してしまう虞がある。
本発明はかかる点に鑑みてなされたもので、その目的は、端子ボックスを透光性絶縁基板の外縁部に配設する工程に要する時間の短縮化を図りながらも、端子ボックスの支持強度の向上を図ることにより、太陽電池モジュールの信頼性を向上させることにある。
前記の課題を解決するための本発明の解決手段は、太陽電池モジュール用端子ボックスであって、ボックス支持部材を備え、このボックス支持部材が、太陽電池モジュールに保持される保持部と、端子ボックス本体が取り付けられる取り付け部とを備える構成としている。
これにより、端子ボックスの取り付けに要する時間の短縮化を図りながらも、高い支持強度で端子ボックスを太陽電池モジュールに支持することができる。
また、一実施形態として、前記保持部は、平板状または柱状となっている。
また、一実施形態として、前記保持部は、凹み部または貫通部を備えている。
これら構成により、太陽電池モジュールによるボックス支持部材の保持状態が安定して得られる。
また、他の解決手段として、透光性絶縁基板上に発電部が設けられた太陽電池モジュールを対象とする。この太陽電池モジュールに対し、前記発電部の少なくとも一部を被覆する封止材と、前記発電部から電力を取り出すための端子ボックス本体と、この端子ボックス本体が取り付けられるボックス支持部材とを備えさせる。そして、前記ボックス支持部材に備えられた保持部が前記封止材に保持され、前記端子ボックス本体が、前記ボックス支持部材に備えられた取り付け部に取り付けられて、前記透光性絶縁基板の外縁部に端子ボックス本体が配設された構成としている。
本解決手段では、ボックス支持部材を使用し、このボックス支持部材の保持部を封止材に保持させることで、このボックス支持部材を透光性絶縁基板の外縁部に高い強度で支持させる。そして、この高い強度で支持されたボックス支持部材の取り付け部に対して端子ボックス本体を取り付けることにより、この端子ボックス本体も高い支持強度で透光性絶縁基板の外縁部に配設されている。上述した如く、シリコーン接着剤などを用いて透光性絶縁基板の外縁部に端子ボックスを取り付ける従来技術の場合には、接着剤の硬化に長い時間を要していた。これに対し、本解決手段によれば、端子ボックス(前記ボックス支持部材および端子ボックス本体)の取り付けに要する時間の短縮化を図りながらも、高い支持強度で端子ボックスを透光性絶縁基板の外縁部に配設することができる。
一実施形態として、前記ボックス支持部材の保持部を、封止材に埋設した状態で保持する構成としている。
これにより、ボックス支持部材の保持部の外面全体が封止材によって保持された状態となり、支持強度をいっそう高く得ることができ、端子ボックスの支持強度も高く得られることになる。
また、一実施形態として、前記封止材の一部を、前記透光性絶縁基板の外縁から外側へ延出して(はみ出させて)、前記透光性絶縁基板の端面と前記ボックス支持部材との間に介在させた構成としている。
この構成によれば、ボックス支持部材の保持部を封止材に保持させるだけでなく、このボックス支持部材と透光性絶縁基板の端面との間に封止材を介在させることで、この封止材がボックス支持部材を透光性絶縁基板の端面に接着させる接着剤としての機能を果たすことになる。つまり、封止材に、ボックス支持部材の保持部を保持する機能と、ボックス支持部材を透光性絶縁基板の端面に接着させる機能とが与えられることになって、ボックス支持部材の支持強度をいっそう高めることができ、端子ボックスの支持強度もいっそう高く得られることになる。
また、一実施形態として、前記封止材上に前記透光性絶縁基板とは別の裏面側絶縁基板を重ね、前記封止材の一部を、前記裏面側絶縁基板の外縁から外側へ延出して、前記裏面側絶縁基板の端面と前記ボックス支持部材との間に介在させる構成とすることも挙げられる。
この場合には、封止材が、ボックス支持部材を裏面側絶縁基板の端面に接着させる接着剤としての機能も果たすことになるため、ボックス支持部材の支持強度をいっそう高めることができ、端子ボックスの支持強度もいっそう高く得られることになる。
また、一実施形態として、前記ボックス支持部材の取り付け部が、前記端子ボックス本体が係合される係合部を備えている。
つまり、ボックス支持部材に対して端子ボックス本体を取り付ける場合には、ボックス支持部材の取り付け部に備えられた係合部に端子ボックス本体を係合することになり、その作業の簡略化を図ることができる。
また、一実施形態として、前記ボックス支持部材の取り付け部を平板状とする。そして、前記端子ボックス本体に、前記取り付け部が挿入される凹陥部を備えさせ、この端子ボックス本体の凹陥部にボックス支持部材の取り付け部を挿入した構成としている。
この構成によれば、ボックス支持部材の形状の簡素化を図ることができる。また、端子ボックス本体の凹陥部に前記取り付け部を挿入して端子ボックス本体を支持することで、端子ボックス本体の脱落を効果的に防止できる。
また、一実施形態として、前記端子ボックス本体の凹陥部と前記ボックス支持部材の取り付け部との間に、これら両者の接着力を高める接着材料を充填することが挙げられる。
この場合にも高い支持強度で端子ボックスを透光性絶縁基板の外縁部に配設することができる。
また、一実施形態として、前記ボックス支持部材の保持部に、凹み部または貫通部を形成しておき、この凹み部または貫通部により、前記封止材が流れ込む空間部を形成することが挙げられる。
この構成によれば、保持部に設けられている空間部内に封止材が流れ込むことで、ボックス支持部材の保持部が封止材から抜け落ちることを確実に阻止でき、端子ボックスの脱落を効果的に防止できる。
また、一実施形態として、前記封止材の材料として具体的にはアイオノマー樹脂が挙げられる。
このアイオノマー樹脂を採用することにより、発電部の絶縁性を十分に確保することが可能になる。また、アイオノマー樹脂は加熱時の流動性があまり高くないため、ラミネート工程などで加熱した場合であっても発電部の絶縁性やリード線の絶縁性を高く確保できる。また、アイオノマー樹脂は、耐候性および耐透水性も高く、封止材として好適である。
また、一実施形態として、前記封止材の適用箇所としては、前記発電部のほぼ全面に亘って設けられている。
このように太陽電池モジュールの発電部のほぼ全面に亘って封止材を設けたことにより、発電部の中央部に封止材の端縁が存在してしまうといったことがなくなり、太陽電池モジュールの外観を良好に得ることができる。特に、光透過型の太陽電池モジュールに適用した場合、その効果は顕著である。
また、一実施形態として、また、前記ボックス支持部材と前記封止材との間に、前記ボックス支持部材の構成材料に比べて前記封止材との接着性が高い材料から成る接着補助部を設けた場合には、封止材によるボックス支持部材の保持性能がいっそう高く得られることになる。
前記太陽電池モジュールの製造方法としては以下のものが挙げられる。
まず、発電部の少なくとも一部を封止材によって被覆し、保持部および取り付け部を有するボックス支持部材の前記保持部を前記封止材に保持させた状態で、ボックス支持部材の取り付け部に端子ボックス本体を取り付けると共に、前記透光性絶縁基板の外縁から延出したリード線を端子ボックス本体に接続する。
また、この場合、前記封止材の縁部に、前記透光性絶縁基板の外縁から外側へ延出する凸片部を形成しておき、前記凸片部を、前記透光性絶縁基板の端面に重なるように折り曲げて、この透光性絶縁基板の端面と前記ボックス支持部材との間に凸片部を介在させて、透光性絶縁基板の端面にボックス支持部材を取り付けた後、ボックス支持部材の取り付け部に端子ボックスを取り付ける製造方法としてもよい。
さらに、前記発電部の少なくとも一部を複数枚の封止材によって被覆し、この封止材上に前記透光性絶縁基板とは別の裏面側絶縁基板を重ね、前記複数枚の封止材のうち少なくとも1枚の縁部に、前記裏面側絶縁基板の外縁から外側へ延出する凸片部を形成しておき、少なくとも1枚の封止材の前記凸片部を、前記裏面側絶縁基板の端面に重なるように折り曲げ、絶縁基板の端面と前記ボックス支持部材との間に凸片部を介在させて、絶縁基板の端面にボックス支持部材を取り付けた後、ボックス支持部材の取り付け部に端子ボックス本体を取り付ける製造方法としてもよい。
これらの製造方法によって製造された太陽電池モジュールによれば、上述した如く、ボックス支持部材を透光性絶縁基板の外縁部に高い強度で支持でき、端子ボックスも高い支持強度で透光性絶縁基板の外縁部に配設することが可能である。また、端子ボックスの取り付けに要する時間の短縮化を図ることもできる。
本発明では、端子ボックスの取り付けに要する時間の短縮化を図りながらも、高い支持強度で端子ボックスを太陽電池モジュールに配設することが可能になる。
以下、本発明の実施の形態について図面を参照して説明する。本実施形態は、発電部を光が透過するようにして、採光機能を備えたシースルータイプ(光透過型)の薄膜太陽電池モジュールに本発明を適用した場合について説明する。
−薄膜型太陽電池モジュールの全体構成−
図1は、本実施形態に係る薄膜太陽電池モジュールMの構造を示す分解斜視図である。この図1に示すように、薄膜太陽電池モジュールMは、薄膜状の太陽電池セルからなる発電部10を透光性絶縁基板11の裏面(受光面と反対の面であり、図1では上側の面)上に形成して、セル基板1を構成し、このセル基板1の裏面をほぼ全面に亘って被覆するように熱可塑性樹脂材料からなる複数のシート状の封止材2,3(以下、封止シートという)を重ね、さらにもう一枚の透光性絶縁基板4(本発明でいう裏面側絶縁基板)を重ね合わせてラミネートしたものである。
図1は、本実施形態に係る薄膜太陽電池モジュールMの構造を示す分解斜視図である。この図1に示すように、薄膜太陽電池モジュールMは、薄膜状の太陽電池セルからなる発電部10を透光性絶縁基板11の裏面(受光面と反対の面であり、図1では上側の面)上に形成して、セル基板1を構成し、このセル基板1の裏面をほぼ全面に亘って被覆するように熱可塑性樹脂材料からなる複数のシート状の封止材2,3(以下、封止シートという)を重ね、さらにもう一枚の透光性絶縁基板4(本発明でいう裏面側絶縁基板)を重ね合わせてラミネートしたものである。
図2に裏面側、即ち図1の上方から見て示すように透光性絶縁基板11は、例えば矩形状のガラス基板であって、その裏面上に形成された発電部10は、詳細は図示しないが複数の太陽電池セルに分割されている。これらの分割された太陽電池セル同士は互いに直列、並列、または直並列に接続されている。なお、図2においては封止シート2,3は省略している。
図3は図2のK−K線に沿った断面図である。また、図4は図2のL−L線に沿った断面図である。これらの図に示すように、一例として発電部10は、透明な表面電極層12、光電変換層13、裏面電極層14を順に積層した構造である。なお、図3、4においては発電部10の積層構造が分かり易いように、前記表面電極層12、光電変換層13、裏面電極層14の厚みを誇張して示している
表面電極層12としては例えばZnO、ITO、SnCl2等の、透光性を有する導電性酸化物を使用することができる。光電変換層13は、例えば半導体薄膜からなるp層、i層、n層が順次積層された構造とすることができ、半導体薄膜としては、例えば、アモルファスシリコン薄膜、結晶性シリコン薄膜、またはこれらを組み合わせたものを使用することができる。
表面電極層12としては例えばZnO、ITO、SnCl2等の、透光性を有する導電性酸化物を使用することができる。光電変換層13は、例えば半導体薄膜からなるp層、i層、n層が順次積層された構造とすることができ、半導体薄膜としては、例えば、アモルファスシリコン薄膜、結晶性シリコン薄膜、またはこれらを組み合わせたものを使用することができる。
また、裏面電極層14としては、例えば、ZnO等の導電性酸化物からなる層と、銀、銀合金等の金属からなる層とを有するものを使用することができる。より一般的な裏面電極層としては、ZnO/Agを積層したものを例示できる。
そして、図3に表れているように本実施形態の発電部10には、表面電極層12を分離する第1の分離ライン15と、光電変換層13を分離するコンタクトライン16と、その光電変換層13および裏面電極層14を分離する第2の分離ライン17と、が形成されており、発電部10の幅方向(図の左右方向)の両端に位置する裏面電極層14がそれぞれ集電電極部とされている。
すなわち、図示の例では左端の裏面電極層14aが第2の分離ライン17によって右側の裏面電極層14bから分離されるとともに、コンタクトライン16を介して表面電極層12に接続されている。よって、左端の裏面電極層14aは表面電極層12から電力を取り出す正の集電電極部となり、右側の裏面電極層14bは、反対の負の集電電極部となる。これら正負の集電電極部14a,14bには、それぞれ導電性材料(図示せず)によってバスバー18が接着されている。
このバスバー18は、一例として平角線の導体にメッキが施されたもので、図1、2に表れているように長方形状の発電部10の幅方向の両端部付近に、それぞれ直線状に延びるように配設されている。バスバー18は、前記のように導電性材料によって正負の集電電極部14a,14bと電気的に接続されている一方、詳しくは後述するがリード線5が接続されて、発電部10からの出力取出し用電極部として機能する。
また、図4に表れているように本実施形態の発電部10には、受光面から裏面へ光を透過可能とするために、裏面電極層14および光電変換層13を除去して表面電極層12に達する溝部19(シースルーライン)が形成されている。このシースルーライン19は、図2に表れているように発電部10の長手方向に間隔をあけて多数、互いに平行に設けられている。これらシースルーラインの19の幅や間隔は、必要な光の透過率に応じて決められる。
前記のような構成の発電部10に重ね合わされる封止シート2,3は、いずれもアイオノマー樹脂によって形成されている(一例として三井・デュポンポリケミカルの商標名ハイミランなど)。アイオノマー樹脂は黄変し難く、比較的長期間に亘って高い透明性を維持し易い上に、耐候性および耐透水性が高いので、太陽電池モジュールMの封止材として好適である。しかも、アイオノマー樹脂は加熱、加圧した際の流動性がEVA(Ethylene Vinyl Acetate)などに比べて低いため、後述するラミネート工程でリード線5の絶縁が損なわれる心配が少ない。
このようなアイオノマー樹脂の封止シート2の特長に着目して本実施形態では、発電部10を被覆する封止シート2上にリード線5を配設している。リード線5は、それ自体はPETなどの絶縁被覆を有しない帯状の裸導体(例えば銅線)からなり、これを途中で折り返してL字状としたものである。絶縁被覆を施さないことからコストの低減が可能であるとともに、折り返し部分での接触面積を確保しやすく、信頼性に優れている。
前記の図1、2に表れているように、正負一対のリード線5,5は、それぞれ発電部10の長手方向の一端縁(四辺のうちのいずれか一辺の周縁であり、図では右手前の端縁)の近傍にてその一端縁に沿って延びるように配設され、発電部10の幅方向中央付近にて互いの折り返し部5aを対向させつつ、概ね一直線状に配置されている。つまり、リード線5,5は、発電部10の周縁部においてその幅方向に、即ちシースルーライン19と平行に延びている。
そして、それぞれのリード線5の一端部5bは、図5に拡大して示すように下方に折れ曲がって封止シート2の隅部を貫通し、封止シート2に覆われたバスバー18の一端部18aに重ね合わされて、導電性材料(図示せず)などにより接着されている。こうしてバスバー18に接着されるリード線5の一端部5bは、封止シート2とその上から重ね合わされた封止シート3とによって二重に覆われ、リード線5のそれ以外の部分は封止シート2と封止シート3との間に挟まれている。
すなわちリード線5は、互いに重ね合わされて融着一体化されている2枚の封止シート2,3の間に密封されており、発電部10の長手方向の一端縁に沿うように配設されて、この一端縁における中央付近で2枚の封止シート2、3の間から外方に延出している。この延出部分は、透光性絶縁基板11,4の一端縁も越えて外方に延びており、以下に説明するように端子ボックス本体6に接続される出力リード部5cとなる。
−端子ボックスB−
次に、本実施形態に係る薄膜太陽電池モジュールMの一部を構成し、且つ前記透光性絶縁基板11,4の外縁部に配設される端子ボックスBについて説明する。
次に、本実施形態に係る薄膜太陽電池モジュールMの一部を構成し、且つ前記透光性絶縁基板11,4の外縁部に配設される端子ボックスBについて説明する。
本実施形態に係る端子ボックスBは、図1および図6に示すように、端子ボックス本体6とボックス支持部材7とを備えている。以下、端子ボックス本体6およびボックス支持部材7それぞれについて説明する。
−端子ボックス本体6−
この端子ボックス本体6は、例えばPPS(ポリフェニルサルファイド)やPPE(ポリフェニレンエーテル)などのエンジニアリングプラスチックを射出成形したもので、前記図1に表れているように、透光性絶縁基板11,4の外周端面のうち、長手方向の一端面(図1の右手前の端面)の略中央に沿うように、後述するボックス支持部材7を介して配設される。以下、端子ボックス本体6の構成について具体的に説明する。
この端子ボックス本体6は、例えばPPS(ポリフェニルサルファイド)やPPE(ポリフェニレンエーテル)などのエンジニアリングプラスチックを射出成形したもので、前記図1に表れているように、透光性絶縁基板11,4の外周端面のうち、長手方向の一端面(図1の右手前の端面)の略中央に沿うように、後述するボックス支持部材7を介して配設される。以下、端子ボックス本体6の構成について具体的に説明する。
図6は、本実施形態に係る端子ボックス本体6およびボックス支持部材7を示す斜視図である。この図6に示すように端子ボックス本体6は、細長い直方体形状の樹脂製の箱体であって、その上側が開放されている。なお、この端子ボックス本体6の上側の開口は、ボックス支持部材7に端子ボックス本体6が取り付けられ、この端子ボックス本体6の内部にシリコーン樹脂等の絶縁性樹脂が充填されて気密状態にされた後に図示しないカバーによって閉鎖されることになる。
また、この端子ボックス本体6の各面のうち、透光性絶縁基板11,4の外周端面に対向する面(より具体的には、取り付け作業時にボックス支持部材7に対向する面)は、ボックス支持部材7を介して透光性絶縁基板11,4の外周端面に取り付けられる横長の取付面6aとして構成されている。
この取付面6aには、ボックス支持部材7に形成されている係合爪7c,7c,7cに係合される係合溝6b,6b,6bが、その長手方向の複数箇所(本実施形態のものでは3箇所)に形成されている。また、この取付面6aには、前記リード線5,5の出力リード部5c,5cが挿通される貫通孔6c,6cが2箇所に形成されている。この貫通孔6c,6cの形成位置としては、前記出力リード部5c,5cが引き出される位置に対応している。具体的には、前記3箇所に形成されている係合溝6b,6b,6bのうち、両端に位置する係合溝6b,6bの僅かに内側の位置に貫通孔6c,6cはそれぞれ形成されている。つまり、前記係合溝6b,6b,6bは、貫通孔6c,6cに干渉しない位置、言い換えると前記出力リード部5c,5cに干渉しない位置に形成されている。
端子ボックス本体6の内部には、前記貫通孔6c,6cから挿入された出力リード部5c,5cがそれぞれ接続される接続端子(図示省略)が収容されている。
−ボックス支持部材7−
ボックス支持部材7は、樹脂製または金属製であって、封止シート2,3によって保持される保持部7aと、前記端子ボックス本体6が取り付けられる取り付け部7bとを備えている。つまり、このボックス支持部材7の保持部7aが封止シート2,3によって保持された状態で、このボックス支持部材7の取り付け部7bに端子ボックス本体6が取り付けられることによって、この端子ボックス本体6が透光性絶縁基板11,4の外縁部に配設されているようになっている。以下、ボックス支持部材7の構成について具体的に説明する。
ボックス支持部材7は、樹脂製または金属製であって、封止シート2,3によって保持される保持部7aと、前記端子ボックス本体6が取り付けられる取り付け部7bとを備えている。つまり、このボックス支持部材7の保持部7aが封止シート2,3によって保持された状態で、このボックス支持部材7の取り付け部7bに端子ボックス本体6が取り付けられることによって、この端子ボックス本体6が透光性絶縁基板11,4の外縁部に配設されているようになっている。以下、ボックス支持部材7の構成について具体的に説明する。
保持部7aは、水平方向に延びる矩形状の平板で成り、2枚の封止シート2,3の間に挟み込まれることによって、これら封止シート2,3の間で保持される(図6では、これら封止シート2,3については省略している)。なお、後述するラミネート工程では2枚の封止シート2,3は半溶融状態となって一体化するため、このラミネート工程の終了後には、この保持部7aは一体化した封止シート2,3の内部に埋設された状態となる。また、この保持部7aの厚さ寸法としては、この保持部7aが封止シート2,3の間に保持された際に、これら封止シート2,3の間に空気が存在しないように、また、十分な支持強度が得られる寸法に設定されている。例えば1.0mm〜3.0mmの間で適宜設定される。この寸法範囲はこれに限定されるものではない。
また、この保持部7aの長手方向の寸法は、端子ボックス本体6の長手方向の寸法よりも短く設定されている。具体的には、端子ボックス本体6に形成されている前記貫通孔6c,6c(出力リード部5c,5cが挿通される貫通孔6c,6c)同士の間隔寸法よりも僅かに短く設定されている。これにより、貫通孔6c,6cに出力リード部5cを挿通する際に、保持部7aが邪魔になるといったことはない。
一方、ボックス支持部材7の取り付け部7bは、保持部7aに対して直交する方向(鉛直方向)に延びる矩形状の平板で成っている。具体的に、ボックス支持部材7の取り付け部7bは、端子ボックス本体6に対向するボックス取付面7b−1と、各透光性絶縁基板11,4に対向する基板側取付面7b−2とを有しており、この基板側取付面7b−2から前記保持部7aが突出している。
また、この取り付け部7bのボックス取付面7b−1には、端子ボックス本体6に形成されている前記係合溝6b,6b,6bに対応する係合爪7c,7c,7c(本発明でいう係合部)が形成されている。図7に示すように(この図7では、ボックス支持部材7が封止シート2,3の間に埋設されて保持された状態を示している。このボックス支持部材7の保持構造については後述する)係合爪7cは、端子ボックス本体6側に向かって水平方向に延びる水平部7dと、この水平部7dの先端から垂直下方に延びる垂直部7eとを備えている。そして、これら水平部7dと垂直部7eとが端子ボックス本体6の係合溝6bに挿入されるように端子ボックス本体6をボックス支持部材7に重ね合わせて、この端子ボックス本体6を上側にスライドさせることで垂直部7eが端子ボックス本体6の内面に係合され(図7における矢印を参照)、これにより、端子ボックス本体6がボックス支持部材7に係合されるようになっている。
薄膜太陽電池モジュールMの設置状態にあっては、図1に示す状態から上下が反転されることになるため、図6に示した端子ボックス本体6の係合構造であっても、この薄膜太陽電池モジュールMの設置状態において係合爪7cが係合溝6bが脱落することはないが、端子ボックス本体6の脱落を防止するため(例えば、薄膜太陽電池モジュールMの運搬時等において端子ボックス本体6の脱落を防止するため)の構成を備えていることが好ましい。例えば、係合溝6bの幅寸法を、係合爪7cの幅寸法に一致させるか、または、係合爪7cの幅寸法よりも僅かに小さくすることで、端子ボックス本体6の脱落を防止するといった構成が挙げられる。また、係合爪7cの垂直部7eと前記ボックス取付面7b−1との間隔寸法を、端子ボックス本体6の取付面6aの板厚寸法に一致させるか、または、端子ボックス本体6の板厚寸法よりも僅かに小さくすることで、端子ボックス本体6の脱落を防止するといった構成が挙げられる。
なお、端子ボックス本体6をボックス支持部材7に係合する構成としては、上述したものには限らず、端子ボックス本体6を下側にスライドさせることによって係合させるものや、端子ボックス本体6を水平方向にスライドさせることによって係合させるものなどが適用可能である。
また、このボックス支持部材7の取り付け部7bには、前記リード線5の出力リード部5c,5cが挿通される貫通孔7d,7dが2箇所に形成されている。この貫通孔7d,7dの形成位置は、前記端子ボックス本体6の取付面6aに形成されている貫通孔6c,6cの位置に対応している。
なお、前記保持部7aと取り付け部7bとの関係として、保持部7aは取り付け部7bの高さ方向の略中央位置に設けられている。つまり、この保持部7aの上側に存在する取り付け部7bの高さ寸法と、下側に存在する取り付け部7bの高さ寸法とが略等しくなっている。これら高さ寸法は、必ずしも一致している必要はなく、必要に応じ(例えば各透光性絶縁基板11,4の厚さ寸法などに応じ)、保持部7aが、取り付け部7bの高さ方向の略中央位置から上側または下側にずれていてもよい。
−封止シートの凸片部−
本実施形態では、前記透光性絶縁基板11,4とボックス支持部材7との接合部位に封止シート2,3の一部を介在させるようにしている。すなわち、図1に表れているように封止シート2,3のそれぞれにおいて長手方向の一端縁部(周縁部)には、ボックス支持部材7の長さに対応する帯状の凸片部2a,3aが形成されており、封止シート2、3が透光性絶縁基板11,4の間に挟み込まれた状態で、この透光性絶縁基板11,4の一端縁部(周縁部)から凸片部2a,3aがはみ出す(延出する)ようになっている。
本実施形態では、前記透光性絶縁基板11,4とボックス支持部材7との接合部位に封止シート2,3の一部を介在させるようにしている。すなわち、図1に表れているように封止シート2,3のそれぞれにおいて長手方向の一端縁部(周縁部)には、ボックス支持部材7の長さに対応する帯状の凸片部2a,3aが形成されており、封止シート2、3が透光性絶縁基板11,4の間に挟み込まれた状態で、この透光性絶縁基板11,4の一端縁部(周縁部)から凸片部2a,3aがはみ出す(延出する)ようになっている。
そして、図7に拡大して示すように封止シート2の凸片部2aが下向きに折り曲げられて、透光性絶縁基板11の外周端面に重ね合わされる一方、封止シート3の凸片部3aが上向きに折り曲げられて、透光性絶縁基板4の外周端面に重ね合わされている。また、ボックス支持部材7の保持部7aは封止シート2、3の間に挟み込まれていると共に、前記折り曲げられた凸片部2a,3aを間に挟んで透光性絶縁基板11,4の外周端面にボックス支持部材7の取り付け部7bが接合されている。
すなわち、前記封止シート2,3の凸片部2a,3aは、以下に説明するように薄膜太陽電池モジュールMのラミネート工程において所定以上の温度状態で加圧されることにより半溶融状態になって流動し、透光性絶縁基板11,4の外周端面およびボックス支持部材7の取り付け部7bに融着する。言い換えると凸片部2a,3aが接着層となって、透光性絶縁基板11,4の外周端面にボックス支持部材7の取り付け部7bを接着させることができる。また、上述した如く、半溶融状態になって流動する封止シート2,3が一体化することによって、ラミネート工程の後には、ボックス支持部材7の前記保持部7aは封止シート2,3の内部に埋設された状態で保持される。
−薄膜太陽電池モジュールの製造方法の説明−
次に、上述の如き構成の薄膜太陽電池モジュールMの製造方法の一例を、セル基板1への発電部10の形成、バスバー18の配設、リード線5の配線およびラミネートの各工程順に説明する。
次に、上述の如き構成の薄膜太陽電池モジュールMの製造方法の一例を、セル基板1への発電部10の形成、バスバー18の配設、リード線5の配線およびラミネートの各工程順に説明する。
(1)発電部の形成およびバスバーの配設
まず、透光性絶縁基板11上に、表面電極層12として例えばSnO2(酸化錫)を熱CVD法等で形成する。次に、YAGレーザの基本波等を用いて表面電極層12のパターニングを行う。次に、レーザ光をガラス基板面から入射させることにより、表面電極層12を短冊状に分離して、第1の分離ライン15を形成した後、純水で超音波洗浄し、光電変換層13を形成する。光電変換層13としては、例えば、a−Si:Hp層、a−Si:Hi層、μc−Si:Hn層からなる上部(受光面側)セル、μc−Si:Hp層、μc−Si:Hi層、μc−Si:Hn層からなる下部セルを成膜する。
まず、透光性絶縁基板11上に、表面電極層12として例えばSnO2(酸化錫)を熱CVD法等で形成する。次に、YAGレーザの基本波等を用いて表面電極層12のパターニングを行う。次に、レーザ光をガラス基板面から入射させることにより、表面電極層12を短冊状に分離して、第1の分離ライン15を形成した後、純水で超音波洗浄し、光電変換層13を形成する。光電変換層13としては、例えば、a−Si:Hp層、a−Si:Hi層、μc−Si:Hn層からなる上部(受光面側)セル、μc−Si:Hp層、μc−Si:Hi層、μc−Si:Hn層からなる下部セルを成膜する。
次に、例えばYAGレーザの第二高調波やYVO4レーザを用いて、光電変換層13をレーザでパターニングする。レーザ光をガラス基板面から入射させることにより、光電変換層13を短冊状に分離し、表面電極層12と裏面電極層14とを電気的に接続するためのコンタクトライン16を形成する。
次に、マグネトロンスパッタ法等により、裏面電極層14として、ZnO(酸化亜鉛)/Agを成膜する。ZnOの厚みは50nm程度とすることができる。なお、ZnOの代わりに、ITOやSnO2等の透光性が高い膜を用いても良い。銀の膜厚は125nm程度とすることができる。なお、裏面電極層14において前記のZnO等の透明性導電膜は割愛しても構わないが、高い変換効率を得るためにはあった方が望ましい。
次に、裏面電極層14をレーザでパターニングする。レーザ光を透光性絶縁基板11の表面側から入射させて、裏面電極層14を短冊状に分離し、表面電極層12まで達する第2の分離ライン17を形成する。この際、表面電極層12の透過性の良いYAGレーザの第二高調波等を使用することが好ましく、YVO4レーザを用いても構わない。なお、表面電極層12へのダメージを最小限に抑え、かつ、裏面電極層14の加工後の銀電極のバリの発生を抑制する加工条件を選択することが望ましい。
次に、シースルーライン19をレーザでパターニングする。すなわち、前記の第2の分離ライン17と同じく表面電極層12の透過性の良いYAGレーザの第二高調波やYVO4レーザを用い、レーザ光を透光性絶縁基板11の表面側から入射させて、光電変換層13および裏面電極層14を分離し、表面電極層12にまで達する溝を形成する。
このようにして発電部10を形成した後に、異方性導電フィルム(AFC:Anisotropic Conductive Film)などの導電性テープによって、バスバー18を裏面電極層14の所定箇所(集電電極部)に接着する。この際、例えば所定寸法にカットした導電性テープを複数、バスバー18に接着した上で、このバスバー18をセル基板1の発電部10(裏面電極層14)の両端に載置し加熱、加圧することによって固着させる。尚、導電性テープは所望の特性が得られるものであれば、他の導電性材料を用いる事も可能である。
(2)配線およびラミネート工程
次に、前記のように発電部10を形成したセル基板1の上に、図1に示すように封止シート2、3を順に重ね合わせる。その後、上側(裏面に近い側)の封止シート3における長手方向の一端側(図の右手前側)を例えば全長の1/4くらい捲り上げて、下側(表面に近い側)の封止シート2の長手方向の一端縁の近傍にリード線5を敷設する。なお、封止シート3を重ねる前に、封止シート2上にリード線5を敷設してもよい。
次に、前記のように発電部10を形成したセル基板1の上に、図1に示すように封止シート2、3を順に重ね合わせる。その後、上側(裏面に近い側)の封止シート3における長手方向の一端側(図の右手前側)を例えば全長の1/4くらい捲り上げて、下側(表面に近い側)の封止シート2の長手方向の一端縁の近傍にリード線5を敷設する。なお、封止シート3を重ねる前に、封止シート2上にリード線5を敷設してもよい。
この際、正負一対のリード線5を互いの折り返し部5aが対向するようにして概ね一直線状に配置すると、それぞれのリード線5の一端部5bが封止シート2の隅部において下方のバスバー18の一端部18aと対向するように位置づけられる。このようにバスバー18の一端部18aと対向する位置には、予めその一端部18aを平面視で包含するような大きさの矩形片部2bを設定し、この矩形片部2bの三辺に沿ってU字状のスリット2cを形成してある。
図の例では矩形片部2bはバスバー18の延びる方向に長い長方形状とされ、その二つの長辺と封止シート2の端縁に近い一つの短辺とに亘ってU字状のスリット2cが形成されている。そこで、図示は省略するが矩形片部2bをバスバー18の延びる方向に捲り上げ、このバスバー18の一端部18aを露出させてリード線5の一端部5bを接着した後に、捲り上げた矩形片部2bを元に戻して、バスバー18とリード線5との接着部位を上方から覆う。
こうして矩形片部2bにより一端部5bを覆われた正負一対のリード線5が、それぞれ封止シート2上においてその一端縁の近傍を隅部から中央に向かって延びた後にL字状に折り返されていて、それらの出力リード部5cが封止シート2の凸片部2a上を並んで外方に延出するようになる。
そして、捲り上げていた封止シート3の長手方向一端側を元に戻して封止シート2に重ね、この封止シート2との間にリード線5を挟み込む。
それから封止シート3の上にさらにガラス基板などの透光性絶縁基板4を重ねると、上下2枚の透光性絶縁基板11,4の長手方向の一端部から封止シート2,3の凸片部2a,3aがそれぞれはみ出し、さらにその凸片部2a,3aの間からリード線5の出力リード部5cが延出する。ここで、下側の凸片部2aを下向きに、また上側の凸片部3aを上向きにそれぞれ折り曲げて、透光性絶縁基板11,4の外周端面に重ね合わせ、ここにボックス支持部材7を装着する。この際、ボックス支持部材7の保持部7aを2枚の封止シート2,3の間に挟み込むと共に、ボックス支持部材7の取り付け部7bを、折り曲げられた凸片部2a,3aに押し当てる。この際、ボックス支持部材7の取り付け部7bに形成されている貫通孔7d,7dに各出力リード部5c,5cを挿通しておく。
その後、図示しないゴムバンド、(ゴムシート)などにより透光性絶縁基板11,4の外周端面にボックス支持部材7を押圧する状態に保持し、このボックス支持部材7を含めた薄膜太陽電池モジュールM全体を、図8に示す真空ラミネータ100のチャンバ102内に設置して、ラミネート工程を行う。
図8の例では薄膜太陽電池モジュールMを真空ラミネータ100の下側のチャンバ102内に載置し、まず、上下両方のチャンバ101,102内をそれぞれの排気管103,105の真空ポンプ104,106によって真空引きする。それから上側のチャンバ101に空気を導入することによって、ダイヤフラム101aにより透光性絶縁基板4を上方から加圧する。
そうして加圧した状態で、チャンバ102内を所定温度以上に昇温させることによって封止シート2,3を加熱し、その後に冷却して固化させることにより透光性絶縁基板11,4の間を封止する。この際、透光性絶縁基板11,4の外周端面およびボックス支持部材7の取り付け部7bの間でも封止シート2,3の凸片部2a,3aが半溶融状態になり、その後の冷却および固化によって両者に融着する。つまり、透光性絶縁基板11,4の外周端面およびボックス支持部材7の取り付け部7bを接着させることができる。
このラミネート工程の終了後、ボックス支持部材7に対して端子ボックス本体6を取り付ける。具体的には、上述したように、ボックス支持部材7の係合爪7cが端子ボックス本体6の係合溝6bの内部に挿入されるように端子ボックス本体6をボックス支持部材7に重ね合わせて、この端子ボックス本体6を上側にスライドさせることで係合爪7cの垂直部7eが端子ボックス本体6の内面に係合し、これにより、端子ボックス本体6をボックス支持部材7に係合させて、各透光性絶縁基板11,4の外周端面に端子ボックス本体6が取り付けられることになる。
その後、前記出力リード部5c,5cが端子ボックス本体6内の接続端子(図示省略)に接続され、この端子ボックス本体6の内部にシリコーン樹脂等の絶縁性樹脂が充填されて気密状態にされた後に、端子ボックス本体6の上側開口が図示しないカバーによって閉鎖されて薄膜太陽電池モジュールMが完成する。
−実施形態の作用効果−
以上、説明したように本実施形態の薄膜太陽電池モジュールMでは、ボックス支持部材7の保持部7aを封止シート2,3に埋設した状態で保持していることにより、このボックス支持部材7は透光性絶縁基板11,4の外縁部に高い強度で支持される。そして、この高い強度で支持されたボックス支持部材7の取り付け部7bに対して端子ボックス本体6が取り付けられることになるため、この端子ボックス本体6も高い支持強度で透光性絶縁基板11,4の外縁部に配設されることになる。このため、端子ボックスBの取り付けに要する時間の短縮化を図りながらも、高い支持強度で端子ボックスBを透光性絶縁基板11,4の外縁部に配設することが可能になる。
以上、説明したように本実施形態の薄膜太陽電池モジュールMでは、ボックス支持部材7の保持部7aを封止シート2,3に埋設した状態で保持していることにより、このボックス支持部材7は透光性絶縁基板11,4の外縁部に高い強度で支持される。そして、この高い強度で支持されたボックス支持部材7の取り付け部7bに対して端子ボックス本体6が取り付けられることになるため、この端子ボックス本体6も高い支持強度で透光性絶縁基板11,4の外縁部に配設されることになる。このため、端子ボックスBの取り付けに要する時間の短縮化を図りながらも、高い支持強度で端子ボックスBを透光性絶縁基板11,4の外縁部に配設することが可能になる。
また、本実施形態では、2枚の透光性絶縁基板11,4の周縁部からはみ出すように、封止シート2,3の周縁部にそれぞれ凸片部2a,3aを形成し、この凸片部2a,3aを折り曲げて透光性絶縁基板11,4の外周端面とボックス支持部材7の取り付け部7bとの間に挟み込んでいる。このため、この凸片部2a,3aが接着層として機能し、透光性絶縁基板11,4の外周端面に対するボックス支持部材7の取り付け強度を十分に確保することができ、その結果、端子ボックスBの取り付け強度も十分に確保することができる。
しかも、透光性絶縁基板11,4の間に挟み込んだ封止シート2,3を流動化させて、透光性絶縁基板11,4の間を封止するラミネート工程において、同時にその封止シート2,3の凸片部2a,3aも流動化させ、透光性絶縁基板11,4の外周端面にボックス支持部材7の取り付け部7bを接着させることができるので、工程の簡略化が図られる。
また、リード線5を挟み込む2枚の封止シート2,3をいずれもアイオノマー樹脂によって形成し、両者を融着させて一体化させる構造としているので、透光性絶縁基板11上の発電部10から端子ボックス本体6までリード線5を密封することができる。
さらに、本実施形態では、発電部10のほぼ全面を封止シート2,3により被覆しているので、封止シート2,3のエッジが目につくことがなく、しかも、裸導体のリード線5を矩形状の発電部10の周縁近傍においてシースルーライン19と平行に配設しているので、リード線5も目につき難い。よって、シースルータイプとして建物の窓などに使用した場合でも、見栄えを損なう心配は非常に少ない。
(変形例1)
次に、変形例1について説明する。この変形例は、ボックス支持部材7の保持部7aを改良したものである。上述した実施形態におけるボックス支持部材7の保持部7aは平板状であった。これに対し、本変形例におけるボックス支持部材7の保持部7aには、切り欠き部や、凹部や、貫通孔等(本発明でいう凹み部や貫通部)によって、封止シート2,3が流れ込む空間部が設けられている。
次に、変形例1について説明する。この変形例は、ボックス支持部材7の保持部7aを改良したものである。上述した実施形態におけるボックス支持部材7の保持部7aは平板状であった。これに対し、本変形例におけるボックス支持部材7の保持部7aには、切り欠き部や、凹部や、貫通孔等(本発明でいう凹み部や貫通部)によって、封止シート2,3が流れ込む空間部が設けられている。
図9(a)〜(f)は、本変形例に係る各種ボックス支持部材7を示す斜視図である。
図9(a)に示すものは、保持部7aを複数(本変形例では3つ)に分割し、各保持部7a,7a,7aの両側面の複数箇所を切り欠くことで溝7f,7f,…を形成したものである。この溝7f,7f,…の内側の空間および各保持部7a,7a,7a同士の間の空間が、封止シート2,3が流れ込む空間部となる。
図9(b)に示すものは、前記実施形態に係るボックス支持部材7の保持部7aの側面の複数箇所を切り欠くことで、保持部7aの長手方向(水平方向)に延びる溝7g,7g,…を形成したものである。この溝7g,7g,…の内側の空間が、封止シート2,3が流れ込む空間部となる。
図9(c)に示すものは、前記実施形態に係るボックス支持部材7の保持部7aの側面の複数箇所を切り欠くことで、保持部7aの長手方向(水平方向)に対して所定角度を有した方向に延びる溝7h,7h,…を形成したものである。なお、この溝7hの延長方向としては、保持部7aの長手方向(水平方向)に対して30°傾いた方向に設定されている。この溝7h,7h,…の内側の空間が、封止シート2,3が流れ込む空間部となる。また前記角度はこれに限定されるものではなく、適宜設定が可能である。
図9(d)に示すものは、ボックス支持部材7の保持部7aを複数本の円柱状(柱状)の部材によって構成したものである。この図9(d)に示すものでは、5本の保持部7a,7a,…が設けられている。各保持部7a,7a…同士の間の空間が、封止シート2,3が流れ込む空間部となる。
図9(e)に示すものは、前記実施形態に係るボックス支持部材7の保持部7aの複数箇所(図9(e)に示すものでは3箇所)に、この保持部7aの厚さ方向(上下方向)に貫通する貫通孔7i,7i,7iを形成したものである。この貫通孔7i,7i,7iの内側の空間が、封止シート2,3が流れ込む空間部となる。
図9(f)に示すものは、前記図9(e)に示したものに対して、各貫通孔7i,7i,…の内径寸法を小さくすると共に、この貫通孔7i,7i,…の数を増加させたものである。この貫通孔7i,7i,…の内側の空間が、封止シート2,3が流れ込む空間部となる。
このような保持部7aの構成によれば、前記ラミネート工程において、切り欠き部や、凹部や、貫通孔等によって形成された空間部に封止シート2,3が流れ込むことになり、封止シート2,3が冷却されて固化した状態では、この封止シート2,3によってボックス支持部材7を確実に保持することができ、ボックス支持部材7が封止シート2,3から脱落してしまうことを確実に阻止でき、端子ボックスBの脱落を効果的に防止できる。
(変形例2)
次に、変形例2について説明する。この変形例は、ボックス支持部材7の取り付け部7b、および、この取り付け部7bに取り付けられる端子ボックス本体6を改良したものである。
次に、変形例2について説明する。この変形例は、ボックス支持部材7の取り付け部7b、および、この取り付け部7bに取り付けられる端子ボックス本体6を改良したものである。
図10は、封止シート2,3にボックス支持部材7が保持された状態における端子ボックス本体6の取付作業を示す斜視図である。また、図11は、この場合の断面図である。
(尚、図10においては、図6の6c及び7dを省略している。)
これらの図に示すように、本変形例におけるボックス支持部材7の取り付け部7bのボックス取付面7b−1には、上下方向(薄膜太陽電池モジュールMの厚さ方向)に延びる2本の係合溝8,8が形成されている。一方、端子ボックス本体6の取付面6aには、この係合溝8,8に係合される係合凸部9,9が形成されている。以下、具体的に説明する。
(尚、図10においては、図6の6c及び7dを省略している。)
これらの図に示すように、本変形例におけるボックス支持部材7の取り付け部7bのボックス取付面7b−1には、上下方向(薄膜太陽電池モジュールMの厚さ方向)に延びる2本の係合溝8,8が形成されている。一方、端子ボックス本体6の取付面6aには、この係合溝8,8に係合される係合凸部9,9が形成されている。以下、具体的に説明する。
前記ボックス支持部材7の取り付け部7bに形成されている前記係合溝8は、この取り付け部7bの上端から下端に亘って鉛直方向に延びる底面8aと、端子ボックス本体6が装着される側(図11における右側)に向かって内側に傾斜する側面8bとを有している。つまり、この係合溝8の溝幅は、この係合溝8の底面8aから解放側(端子ボックス本体6が装着される側)に向かうに従って次第に狭くなっている。
一方、前記端子ボックス本体6に形成されている係合凸部9は、前記係合溝8の形状に略合致する形状となっている。つまり、この取付面6aの上端から下端に亘って鉛直方向に延びる先端面9aと、係合凸部9の基端側からボックス支持部材7側に向かって外側に傾斜する側面9b,9bとを有している。つまり、この係合凸部9の幅寸法は、この係合凸部9の先端面9aから係合凸部9の基端側に向かうに従って次第に小さくなっている。
このため、封止シート2,3に保持されたボックス支持部材7に対して端子ボックス本体6を取り付ける際には、図11に矢印で示すように、端子ボックス本体6をボックス支持部材7の下側から上方に向けて移動させ(または、ボックス支持部材7の上側から下方に向けて移動させ)、端子ボックス本体6の各係合凸部9,9が、ボックス支持部材7の取り付け部7bの各係合溝8,8に嵌り込むようにする。そして、各係合凸部9,9の全体が各係合溝8,8に嵌り込んだ状態で端子ボックス本体6を取り付け作業は完了する。その他の構成および作業は上述した実施形態の場合と同様である。
このようにして、各係合凸部9,9が各係合溝8,8に嵌り込んだ状態では、それぞれの側面8b,9bが傾斜していることに起因して、端子ボックス本体6がボックス支持部材7から離脱してしまうことを効果的に阻止でき(ボックス支持部材7のボックス取付面7b−1に対して直交する方向に離脱してしまうことを阻止でき)、端子ボックス本体6の取り付け状態を安定的に得ることができる。
なお、本変形例におけるボックス支持部材7の保持部7aの構成としては、上述した実施形態および変形例の何れも適用することが可能である。
(変形例3)
次に、変形例3について説明する。この変形例は、ボックス支持部材7および端子ボックス本体6の形状が上述した実施形態および変形例のものと異なっている。
次に、変形例3について説明する。この変形例は、ボックス支持部材7および端子ボックス本体6の形状が上述した実施形態および変形例のものと異なっている。
図12は、封止シート2,3にボックス支持部材7が保持された状態における端子ボックス本体6の取付作業を示す断面図である。
この図12に示すように、本変形例におけるボックス支持部材7は、その全体が、前記封止シート2,3に沿って延びる平板状で成っている。つまり、保持部7aおよび取り付け部7bが連続して形成された平板状となっている。
一方、端子ボックス本体6の取付面6aには、ボックス支持部材7の取り付け部7bが挿入される凹陥部6eが形成されている。
そして、ボックス支持部材7の取り付け部7bに対して端子ボックス本体6を取り付けるに際し、端子ボックス本体6の凹陥部6e内にフッ素ゴムなどのブッシュ6f(本発明でいう接着材料)を充填しておき、このブッシュ6fに対してボックス支持部材7の取り付け部7bが嵌り込むように、端子ボックス本体6をボックス支持部材7に装着することになる。その他の構成および作業は上述した実施形態の場合と同様である。
本変形例によれば、ボックス支持部材7の形状の簡素化を図ることができ、その製作作業の簡略化を図ることができる。また、ボックス支持部材7を製作した後に、このボックス支持部材7の保持部7aとなる領域と取り付け部7bとなる領域とを必要に応じて変更することが可能になる。つまり、封止シート2,3同士の間にボックス支持部材7を挿入する際に、その挿入した部分が保持部7aとして機能し、封止シート2,3同士の間に挿入されない部分が取り付け部7bとして機能することになる。このため、ボックス支持部材7の使用形態の多様化を図ることができる。
(変形例4)
次に、変形例4について説明する。この変形例は、封止シート2,3とボックス支持部材7との間に、これら両者の接着性を高く得るための接着補助部を設けたものである。
次に、変形例4について説明する。この変形例は、封止シート2,3とボックス支持部材7との間に、これら両者の接着性を高く得るための接着補助部を設けたものである。
この接着補助部としては、例えば、ガラスシートやガラス繊維シート、エポキシ樹脂系シート若しくはガラス繊維テープ、フィラメントテープ、エポキシ樹脂系テープをボックス支持部材7の少なくとも保持部7aに接着すればよく、ガラスシートやガラス繊維シートをボックス支持部材7の少なくとも保持部7aにインモールド成形してもよい。また、カーボングラファイト・プレート、ガラスエポキシプレート、金属製プレート、エポキシ樹脂系プレートなどをインサート成形してもよい。
図13は、図7に示した例に対してボックス支持部材7の保持部7aに接着補助部Aを適用したものである。
図14は、図11に示した例に対してボックス支持部材7の保持部7aに接着補助部Aを適用したものである。
また、図15は、図11に示した例に対してボックス支持部材7の保持部7aおよび取り付け部7bに接着補助部Aを適用したものである。
さらに、図16は、図12に示した例に対してボックス支持部材7の保持部7aに接着補助部Aを適用したものである。
このように封止シートとボックス支持部材7との間に接着補助部Aを設けたことにより、封止シートとボックス支持部材7との接着性を高めることで、透光性絶縁基板11,4の外周端面へのボックス支持部材7の接着力が大きくなるので、端子ボックスBの取り付け強度の確保に有利になる。
なお、前記接着補助部は、ボックス支持部材7と端子ボックス本体6との間における接着性を高く得るものとして利用することも可能である。例えば、図12に示した例に対してブッシュ6fの表面に接着補助部を適用するといった構成である。
(他の実施形態)
以上、説明した実施形態および変形例は、本発明をシースルータイプの薄膜太陽電池モジュールMとして具現化した場合について説明したが、本発明はこれに限らず、シースルータイプ以外の薄膜太陽電池モジュールにも適用可能であり、また、薄膜型以外の太陽電池モジュールにも適用可能である。また、前記の実施形態および変形例における発電部10の構成なども単なる例示に過ぎず、本発明を限定するものではない。
以上、説明した実施形態および変形例は、本発明をシースルータイプの薄膜太陽電池モジュールMとして具現化した場合について説明したが、本発明はこれに限らず、シースルータイプ以外の薄膜太陽電池モジュールにも適用可能であり、また、薄膜型以外の太陽電池モジュールにも適用可能である。また、前記の実施形態および変形例における発電部10の構成なども単なる例示に過ぎず、本発明を限定するものではない。
また、前記の実施形態および変形例では、封止シート3の上に透光性絶縁基板4を重ね、各封止シート2,3の凸片部2a,3aを折り曲げた後に、ボックス支持部材7の保持部7aを2枚の封止シート2,3の間に挟み込むようにしていた。本発明に係る製造方法はこれに限定されず、封止シート3の上に透光性絶縁基板4を重ねる前に、各封止シート2,3の凸片部2a,3aを折り曲げながらボックス支持部材7の保持部7aを2枚の封止シート2,3の間に挟み込むようにしてもよい。
また、前記の実施形態および変形例では、ボックス支持部材7に端子ボックス本体6を取り付ける前にラミネート工程を行うようにしていた。本発明に係る製造方法はこれに限定されず、ボックス支持部材7に端子ボックス本体6を取り付けた後にラミネート工程を行うようにしてもよい。
また、前記の実施形態および変形例では、透光性絶縁基板11上の発電部10のほぼ全面を被覆する封止シート2,3にそれぞれ凸片部2a,3aを設けているが、凸片部は、発電部10の一部分を覆うような封止シートに設けてもよい。すなわち、例えば封止シート2については発電部10の長手方向の一端側のみを覆うような大きさにし、その凸片部2aに対応するような凸片部を有する別の封止シートを上から重ねる。そして、その上から発電部10の全面を覆う封止シート3には凸片部3aを設けないようにしてもよい。なお、凸片部を設ける封止シートが1枚のこともあり得る。また、本発明においては、必ずしも封止シート2,3に凸片部は必要ではない。
また、封止シート2,3の樹脂材料もアイオノマー樹脂には限定されず、絶縁性を有する熱可塑性樹脂材料であれば、例えば一般的なEVA(エチレン−酢酸ビニル共重合体)やPVB(ポリビニルブチラール)などを用いてもよい。封止シート2をアイオノマー樹脂によって形成し、封止シート3はEVAなど別な材料で形成してもよいが、凸片部が端子ボックス本体6の平面部6aに接着される2枚の封止シートについては同じ樹脂材料とすることが好ましい。
また、前記の実施形態および変形例ではリード線5自体には絶縁被覆を施していないが、これにも限定されず、絶縁被覆の施されたリード線を用いてもよいし、封止シート2上のリード線5の配設場所や配設方向についても前記の実施形態には限定されない。
本発明に係る太陽電池モジュールはガラス基板等、透光性絶縁基板の周縁部に簡単に端子ボックスを取り付けることができ、しかも十分な強度及び信頼性を確保することができるので、産業上の利用性は高い。
M 薄膜太陽電池モジュール
1 セル基板
10 発電部
11 透光性絶縁基板
2,3 封止シート(封止材)
2a,3a 凸片部
4 透光性絶縁基板(裏面側絶縁基板)
5 リード線
5c 出力リード部
6 端子ボックス本体
6b 係合溝
6e 凹陥部
6f ブッシュ(接着材料)
7 ボックス支持部材
7a 保持部
7b 取り付け部
7c 係合爪(係合部)
A 接着補助部
B 端子ボックス
1 セル基板
10 発電部
11 透光性絶縁基板
2,3 封止シート(封止材)
2a,3a 凸片部
4 透光性絶縁基板(裏面側絶縁基板)
5 リード線
5c 出力リード部
6 端子ボックス本体
6b 係合溝
6e 凹陥部
6f ブッシュ(接着材料)
7 ボックス支持部材
7a 保持部
7b 取り付け部
7c 係合爪(係合部)
A 接着補助部
B 端子ボックス
Claims (15)
- 太陽電池モジュール用端子ボックスであって、
ボックス支持部材を備え、
前記ボックス支持部材は、太陽電池モジュールに保持される保持部と、端子ボックス本体が取り付けられる取り付け部とを備えることを特徴とする太陽電池モジュール用端子ボックス。 - 請求項1に記載の太陽電池モジュール用端子ボックスにおいて、
前記保持部は、平板状または柱状であることを特徴とする太陽電池モジュール用端子ボックス。 - 請求項1または2に記載の太陽電池モジュール用端子ボックスにおいて、
前記保持部は、凹み部または貫通部を備えることを特徴とする太陽電池モジュール用端子ボックス。 - 透光性絶縁基板上に発電部が設けられた太陽電池モジュールであって、
前記発電部の少なくとも一部を被覆する封止材と、
前記発電部から電力を取り出すための端子ボックス本体と、
前記端子ボックス本体が取り付けられるボックス支持部材とを備え、
前記ボックス支持部材に備えられた保持部が前記封止材に保持され、前記端子ボックス本体が、前記ボックス支持部材に備えられた取り付け部に取り付けられて、前記透光性絶縁基板の外縁部に端子ボックス本体が配設されていることを特徴とする太陽電池モジュール。 - 請求項4に記載の太陽電池モジュールにおいて、
前記ボックス支持部材の保持部は、封止材に埋設された状態で保持されていることを特徴とする太陽電池モジュール。 - 請求項4または5に記載の太陽電池モジュールにおいて、
前記封止材の一部は、前記透光性絶縁基板の外縁から外側へ延出して、前記透光性絶縁基板の端面と前記ボックス支持部材との間に介在されていることを特徴とする太陽電池モジュール。 - 請求項4〜6のうち何れか一つに記載の太陽電池モジュールにおいて、
前記封止材上には前記透光性絶縁基板とは別の裏面側絶縁基板が重ねられており、
前記封止材の一部は、前記裏面側絶縁基板の外縁から外側へ延出して、前記裏面側絶縁基板の端面と前記ボックス支持部材との間に介在されていることを特徴とする太陽電池モジュール。 - 請求項4〜7のうち何れか一つに記載の太陽電池モジュールにおいて、
前記ボックス支持部材の取り付け部には、前記端子ボックス本体が係合される係合部が設けられていることを特徴とする太陽電池モジュール。 - 請求項4〜8のうち何れか一つに記載の太陽電池モジュールにおいて、
前記ボックス支持部材の取り付け部は、平板状であり、前記端子ボックス本体は、前記取り付け部が挿入される凹陥部を備え、この端子ボックス本体の凹陥部にボックス支持部材の取り付け部が挿入されていることを特徴とする太陽電池モジュール。 - 請求項9に記載の太陽電池モジュールにおいて、
前記端子ボックス本体の凹陥部と前記ボックス支持部材の取り付け部との間には、これら両者の接着力を高める接着材料が充填されていることを特徴とする太陽電池モジュール。 - 請求項4〜10のうち何れか一つに記載の太陽電池モジュールにおいて、
前記ボックス支持部材の保持部には、凹み部または貫通部が形成されており、この凹み部または貫通部により、前記封止材が流れ込む空間部が形成されていることを特徴とする太陽電池モジュール。 - 請求項4〜11のうち何れか一つに記載の太陽電池モジュールにおいて、
前記ボックス支持部材と前記封止材との間には、前記ボックス支持部材の構成材料に比べて前記封止材との接着性が高い材料から成る接着補助部が設けられていることを特徴とする太陽電池モジュール。 - 透光性絶縁基板上に発電部が設けられた太陽電池モジュールの製造方法であって、
前記発電部の少なくとも一部を封止材によって被覆し、
保持部および取り付け部を有するボックス支持部材の前記保持部を前記封止材に保持させた状態で、前記ボックス支持部材の取り付け部に端子ボックス本体を取り付けると共に、前記透光性絶縁基板の外縁から延出したリード線を端子ボックス本体に接続することを特徴とする太陽電池モジュールの製造方法。 - 請求項13に記載の太陽電池モジュールの製造方法において、
前記封止材の縁部に、前記透光性絶縁基板の外縁から外側へ延出する凸片部を形成しておき、
前記凸片部を、前記透光性絶縁基板の端面に重なるように折り曲げて、この透光性絶縁基板の端面と前記ボックス支持部材との間に凸片部を介在させて、透光性絶縁基板の端面にボックス支持部材を取り付けた後、ボックス支持部材の取り付け部に端子ボックス本体を取り付けることを特徴とする太陽電池モジュールの製造方法。 - 請求項13または14に記載の太陽電池モジュールの製造方法において、
前記発電部の少なくとも一部を複数枚の封止材によって被覆し、この封止材上に前記透光性絶縁基板とは別の裏面側絶縁基板を重ね、
前記複数枚の封止材のうち少なくとも1枚の縁部に、前記裏面側絶縁基板の外縁から外側へ延出する凸片部を形成しておき、
少なくとも1枚の封止材の前記凸片部を、前記裏面側絶縁基板の端面に重なるように折り曲げ、絶縁基板の端面と前記ボックス支持部材との間に凸片部を介在させて、絶縁基板の端面にボックス支持部材を取り付けた後、ボックス支持部材の取り付け部に端子ボックス本体を取り付けることを特徴とする太陽電池モジュールの製造方法。
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JP2012166857A JP2014027139A (ja) | 2012-07-27 | 2012-07-27 | 太陽電池モジュール用端子ボックスおよび太陽電池モジュール並びに太陽電池モジュールの製造方法 |
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KR20190037698A (ko) * | 2017-09-29 | 2019-04-08 | 주식회사 하이솔루션 | 태양전지모듈의 컨버터 케이스 구조체 |
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KR102025775B1 (ko) * | 2017-09-29 | 2019-09-26 | 주식회사 하이솔루션 | 태양전지모듈의 컨버터 케이스 구조체 |
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