JP2014027006A - ウエーハの加工方法 - Google Patents

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Abstract

【課題】 ウエーハの種類によらずエピタキシャル膜の盛り上がりに起因するデバイスの損傷や後工程における吸引保持不良の発生を防止可能なウエーハの加工方法を提供することである。
【解決手段】 表面にエピタキシャル膜が成膜されたウエーハの加工方法であって、ウエーハを保持する保持面と、該保持面に直交し該保持面の中心を通る回転軸とを有する保持テーブルでウエーハを保持する保持ステップと、該保持テーブルに保持されたウエーハの外周縁に研削部材を当接し、該保持テーブルを該回転軸回りに回転させることでウエーハの外周縁に形成された盛り上がり部を除去する除去ステップと、を含むことを特徴とする。
【選択図】図3

Description

本発明は、ウエーハの表面にエピタキシャル膜が成膜されたウエーハの加工方法に関する。
シリコン(Si)等の半導体結晶基板の表面にエピタキシャル成長を行うと、ウエーハの外周縁にエッジクラウンと呼ばれるエピタキシャル膜の盛り上がり部が発生してしまう。
そこで、一般的にウエーハの外周縁にはエピタキシャル成長時にエッジクラウンと呼ばれる異常成長の発生を抑制するためと、ウエーハのハンドリングや輸送時にウエーハ外周辺が接触して割れや欠けが発生するのを防止するために面取り部が設けられている。
しかし、エピタキシャル膜を厚く成膜すると、エッジクラウンの高さが10μmを超えるものがあり、このようなウエーハでは従来の円弧状の面取り部ではエッジクラウンの発生を抑制することは不可能であるため、特開平7−226349号公報では、ウエーハ外周に形成する面取り部をテーパ上に形成して、エッジクラウンの高さを抑える技術が開示されている。
特開平7−226349号公報
このようにウエーハの外周縁に十分大きな面取り部が形成されていると、エピタキシャル成長の際に生じるエッジクラウンの高さを抑えることができるが、ウエーハの種類によっては面取り部が小さかったり、全く面取りが施されていないものもある。このようなウエーハでは、エピタキシャル成長時にウエーハの外周部にエッジクラウン(エピタキシャル膜の盛り上がり部)が形成されてしまう。
ウエーハの表面外周部に形成されたエッジクラウン(エピタキシャル膜の盛り上がり部)は、ウエーハを搬送中に折れて表面のデバイスを傷つけてしまう恐れがある。また、裏面にエッジクラウンが発生すると、後工程においてウエーハの裏面側を吸引保持する際に吸引保持不良が発生する恐れがある。
最近注目されているSiC半導体は、優れた物理的・化学的性質を有することから、シリコン(Si)半導体を凌駕する小型・低損失の半導体デバイスの実現が可能と期待されている。
SiC半導体は、電力、自動車、鉄道、家電等の様々な分野に利用されている電力変換用のスイッチングデバイスや、通信用の高性能・大電力高周波デバイスへの応用が期待されている。
ところが、SiCウエーハには、面取り部が全く施されていないものがあり、SiCウエーハ上にエピタキシャル成長によりエピタキシャル膜を形成すると、ウエーハ周辺部の表面及び裏面にエッジクラウンが発生し、表面のデバイスを傷つけたり、後工程における吸引保持不良の原因となる。
本発明はこのような点に鑑みてなされたものであり、その目的とするところは、ウエーハの種類によらずエピタキシャル膜の盛り上がりに起因するデバイスの損傷や後工程における吸引保持不良の発生を防止可能なウエーハの加工方法を提供することである。
本発明によると、表面にエピタキシャル膜が成膜されたウエーハの加工方法であって、ウエーハを保持する保持面と、該保持面に直交し該保持面の中心を通る回転軸とを有する保持テーブルでウエーハを保持する保持ステップと、該保持テーブルに保持されたウエーハの外周縁に研削部材を当接し、該保持テーブルを該回転軸回りに回転させることでウエーハの外周縁に形成された盛り上がり部を除去する除去ステップと、を含むことを特徴とするウエーハの加工方法が提供される。
好ましくは、保持ステップでは、ウエーハの中心と保持テーブルの回転軸とを偏心させた状態でウエーハを保持テーブルで保持する。好ましくは、ウエーハは炭化ケイ素から構成される。
本発明によると、エピタキシャル膜が表面に成膜されたウエーハは、外周縁に形成された盛り上がり部(エッジクラウン)が研削除去されるため、エピタキシャル膜の盛り上がりに起因したデバイスの損傷や後工程における吸引保持不良の発生が防止される。
表面にエピタキシャル膜を有するSiCウエーハの断面図である。 保持ステップを示す一部断面側面図である。 除去ステップを示す一部断面側面図である。 除去ステップの他の実施形態を示す一部断面側面図である。
以下、本発明の実施形態を図面を参照して詳細に説明する。図1を参照すると、SiC(炭化ケイ素)ウエーハ11は、SiCバルクウエーハ(SiC基板)13上に単結晶SiC薄膜からなるエピタキシャル膜15がエピタキシャル成長により形成されている。
Siウエーハ11では、通常CVD(Chemical Vapor Deposition)等によりエピタキシャル膜15が成膜される。SiCウエーハ11の外周側面11eは上面11a及び11bに概略垂直に形成されている。即ち、このSiCウエーハ11の外周縁には面取り部が形成されていない。
このような面取り部を有しないSiCウエーハ11等のウエーハにエピタキシャル膜15をエピタキシャル成長させると、外周縁11e近傍の表面11a及び裏面11bにエッジクラウン(盛り上がり部)17,19が形成される。
本発明のウエーハの加工方法は、このようなエッジクラウン17,19を有するウエーハからエッジクラウン17,19を除去する加工方法であり、まず図2に示すように、保持面10aを有する保持テーブル10でSiCウエーハ11を吸引保持する保持ステップを実施する。特に図示しないが、保持面10aは図示しない真空吸引源に選択的に接続される。
この保持ステップでは、SiCウエーハ11の中心11cと保持テーブル10の回転軸10bとが一致しない状態で、即ちウエーハ11の中心11cと保持テーブル10の回転軸10bとが偏心した状態で、SiCウエーハ11が保持テーブル10で吸引保持される。
次いで、保持テーブル10で保持されたSiCウエーハ11のエッジクラウン17に、図3に示すように、研削治具16の研削部材20を押し付ける。研削治具16は、基台18の下面に研削部材20を固着して構成されており、研削部材20は例えば研削砥石から構成される。ここで、研削部材20は研削砥石に限定されるものではなく、例えば、不織布やウレタンに砥粒を分散させたものでもよい。更にここでは、「研削」に研磨も含むものとする。
研削治具16はL形状の支持部材12の先端部にコイルばね14を介して取り付けられている。よって、研削部材20がコイルばね14の付勢力によりエッジクラウン17に押し付けられる。
このように研削部材20をコイルばね14の付勢力によりエッジクラウン17に押し付けた状態で、保持テーブル10を矢印a方向に例えば300rpmで回転して、研削部材20でエッジクラウン17を研削して除去する。
SiCウエーハ11は保持テーブル10に偏心して保持されているため、保持テーブル10を回転するとエッジクラウン17はウエーハ11の半径方向に振動する。よって、エッジクラウン17は円周方向に加えて半径方向に移動しながら研削部材20により研削されるため、エッジクラウン17の研削除去が効果的に遂行される。
また、保持テーブル10でSiCウエーハ11を偏心して保持するようにすると、研削部材20の一部が常にエッジクラウン17に当接してエッジクラウン17を研削するため、研削部材20の一部が局所的に摩耗してしまうことを防止できる。
表面側のエッジクラウン17を除去した後、SiCウエーハ11の表面11aを保護テープを介して保持テーブル10で吸引保持し、研削部材20をエッジクラウン19に圧接させることにより、裏面側のエッジクラウン19を研削して除去する。
図4を参照すると、除去ステップの他の実施形態を示す一部断面側面図が示されている。この実施形態では、保持部材22を第1アーム24と、第1アーム24の先端部にジョイント28で回動可能に取り付けられた第2アーム26とから構成する。そして、第2アーム26の先端部に研削治具16を取り付ける。
これにより、研削部材20の研削面をSiCバルクウエーハ13の表面に形成されたエピタキシャル膜15に対して所定角度傾斜した状態で、エッジクラウン17に圧接させることができるため、研削部材20によるエッジクラウン17の研削時に表面に形成されたエピタキシャル膜15を傷つけることが防止される。尚、この実施形態では、ジョイント28中にスプリングを介装し、第2アーム26は反時計回り方向にスプリングにより付勢されていることが好ましい。
上述した実施形態では、本発明の加工方法を外周縁に面取り部を有しないSiCウエーハ11に適用した例について説明したが、被加工物はSiCウエーハ11に限定されるものではなく、外周縁に面取り部を有しない他のウエーハにも同様に適用することができる。
10 保持テーブル
10a 保持面
10b 回転軸
11 SiCウエーハ
11c ウエーハ中心
11e ウエーハの外周側面
13 SiCバルクウエーハ
15 エピタキシャル膜
16 研削治具
17,19 エッジクラウン
20 研削部材
また、保持テーブル10でSiCウエーハ11を偏心して保持するようにすると、研削部材20が摺動しながらエッジクラウン17に当接してエッジクラウン17を研削するため、研削部材20の一部が局所的に摩耗してしまうことを防止できる。

Claims (3)

  1. 表面にエピタキシャル膜が成膜されたウエーハの加工方法であって、
    ウエーハを保持する保持面と、該保持面に直交し該保持面の中心を通る回転軸とを有する保持テーブルでウエーハを保持する保持ステップと、
    該保持テーブルに保持されたウエーハの外周縁に研削部材を当接し、該保持テーブルを該回転軸回りに回転させることでウエーハの外周縁に形成された盛り上がり部を除去する除去ステップと、
    を含むことを特徴とするウエーハの加工方法。
  2. 前記保持ステップでは、ウエーハの中心と前記保持テーブルの前記回転軸とを偏心させた状態でウエーハを該保持テーブルで保持する請求項1記載のウエーハの加工方法。
  3. ウエーハは炭化ケイ素から構成される請求項1又は2記載のウエーハの加工方法。
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