JP2014026853A - 有機エレクトロルミネッセンス素子および有機エレクトロルミネッセンスパネルの封止方法 - Google Patents

有機エレクトロルミネッセンス素子および有機エレクトロルミネッセンスパネルの封止方法 Download PDF

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Abstract

【課題】曲面設置した際に良好な封止性能(発光性能)を保持できる有機エレクトロルミネッセンス素子の封止方法、および、該有機エレクトロルミネッセンス素子を複数配列して作製された有機エレクトロルミネッセンスパネルの封止方法を提供する。
【解決手段】可撓性素子基板11上に、対となる電極12,14と、該電極12,14間に少なくとも1層の発光層を有する有機化合物層13を有し、さらに接着剤層20と可撓性封止基材30とを有する有機エレクトロルミネッセンス素子1の封止方法は、接着剤層20を硬化する1次硬化工程と、有機エレクトロルミネッセンス素子1を変形させる工程と、有機エレクトロルミネッセンス素子1を変形させた状態で、接着剤層20を硬化する2次硬化工程と、を有する。
【選択図】図1

Description

本発明は、表示装置、照明装置等の用途に適用可能な有機エレクトロルミネッセンス素子の封止方法、および、該有機エレクトロルミネッセンス素子を複数配列して作製された有機エレクトロルミネッセンスパネルの封止方法に関する。
有機物質を用いた有機エレクトロルミネッセンス素子(有機EL素子)は、たとえば、固体発光型の安価な大面積フルカラー表示素子や、書き込み光源アレイの発光素子などへの用途において有望視されており、研究開発が活発に進められている。
有機EL素子は、一般に、基板、第1電極、発光層を含む有機化合物層および第2電極を備え、第1電極、有機化合物層および第2電極がこの順で基板上に形成された薄膜型の素子である。ここで、第1電極および第2電極の一方が陽極を構成し、他方が陰極を構成する。また、発光層は、有機発光物質を含有する一つまたは複数の有機層で構成される。
このような構成の有機EL素子において、第1電極および第2電極間に電圧を印加すると、一方の電極(陽極)から発光層に正孔が注入され、かつ、他方の電極(陰極)から発光層に電子が注入される。そして、発光層に注入された正孔および電子が発光層において再結合することにより、有機発光物質のエネルギー準位が伝導帯から価電子帯に戻り、この際に生じるエネルギーが光として発光層から放出される。
ところで、近年、有機EL素子の技術分野では、有機EL素子の曲面設置、大型化などの要求から、特に軽量、可撓性、取り扱いの簡便さなどが求められている。
可撓性有機EL素子は曲面への設置が可能という点に特長があるが、たとえば、一旦平らな形状で封止を行った素子は、使用する樹脂の特性等によって、その後の曲面設置時の有機EL素子の屈曲によるテンション等により、封止端部の剥がれが発生する等の封止性能が劣化することがある。
また、有機EL素子を屈曲させた状態で封止した場合には屈曲によるテンションは緩和されることになるが、特に大型のパネルとした場合などには、屈曲した状態での運搬や設置など取り扱いの面で課題がある。
そのため、可撓性を有する有機EL素子においては、曲面に設置した後も良好な封止性能(発光性能)を保持するための封止技術の開発が望まれている。
従来、有機EL素子を封止するには、有機EL素子と封止基材とを接着剤を介して貼合するという操作を行っており、真空ラミネートあるいはロールラミネートにより平面態様で貼合を行った後、加熱による硬化あるいは紫外線照射による硬化を行うのが一般的である。
この場合、有機EL素子を一度の操作で本来の硬化度および封止能力を得ることができるというメリットがあるが、上述のように一旦硬化させた有機EL素子を設置のために湾曲させるなどの変形を行った場合には、屈曲によるテンションなどにより長期経時した際に封止端部が剥がれやすくなる場合がある。
その他の封止方法として、段階的な昇温硬化として第一の硬化温度で一定時間加熱し、その後昇温しさらに一定時間時間の処理を行う封止技術が提案されている(特許文献1参照)が、これは急激な加熱による応力を緩和させるために段階的な昇温を行うものであり、本発明の意図と合致するものではない。
特開2007−134321号公報
したがって、本発明の主な目的は、曲面設置した際に良好な封止性能(発光性能)を保持できる有機EL素子の封止方法、および、該有機エレクトロルミネッセンス素子を複数配列して作製された有機エレクトロルミネッセンスパネルの封止方法を提供することにある。
上記課題は、下記構成により達成される。
1.可撓性素子基板上に、対となる電極と、該電極間に少なくとも1層の発光層を有する有機化合物層を有し、さらに接着剤層と可撓性封止基材とを有する有機エレクトロルミネッセンス素子の封止方法であって、
前記接着剤層を硬化する1次硬化工程と、
前記有機エレクトロルミネッセンス素子を変形させる工程と、
前記有機エレクトロルミネッセンス素子を変形させた状態で、前記接着剤層を硬化する2次硬化工程と、
を有することを特徴とする有機エレクトロルミネッセンス素子の封止方法。
2.前記1に記載の有機エレクトロルミネッセンス素子の封止方法において、
前記接着剤層の構成材料が、熱硬化性接着剤または紫外線硬化性接着剤であることを特徴とする有機エレクトロルミネッセンス素子の封止方法。
3.前記1または2に記載の有機エレクトロルミネッセンス素子の封止方法において、
前記1次硬化工程後に、前記有機エレクトロルミネッセンス素子を密封包装し、変形させる前に、開封することを特徴とする有機エレクトロルミネッセンス素子の封止方法。
4.前記1〜3のいずれか一に記載の有機エレクトロルミネッセンス素子の封止方法において、
前記接着剤層の周辺部に感圧性接着剤からなる接着剤層を配置することを特徴とする有機エレクトロルミネッセンス素子の封止方法。
5.可撓性素子基板上に、対となる電極と、該電極間に少なくとも1層の発光層を有する有機化合物層を有し、さらに接着剤層と可撓性封止基材とを有する有機エレクトロルミネッセンス素子が複数配列された有機エレクトロルミネッセンスパネルの封止方法であって、
前記接着剤層を硬化する1次硬化工程と、
前記有機エレクトロルミネッセンス素子を複数配列して有機エレクトロルミネッセンスパネルを形成する工程と、
前記有機エレクトロルミネッセンスパネルを変形させる工程と、
前記有機エレクトロルミネッセンスパネルを変形させた状態で、前記接着剤層を硬化する2次硬化工程と、
を有することを特徴とする有機エレクトロルミネッセンスパネルの封止方法。
本発明によれば、曲面設置した際に良好な封止性能(発光性能)を保持できる有機EL素子の封止方法、および、該有機エレクトロルミネッセンス素子を複数配列して作製された有機エレクトロルミネッセンスパネルの封止方法を提供するができる。
有機EL素子の概略構成を示す断面図である。 感圧性接着剤層を有する有機EL素子の概略構成を示す断面図である。 連続真空成膜装置の概略構成を示す模式図である。 有機EL素子の連続体の概略構成を示す模式図である。 有機ELパネルの概略構成を示す断面図である。 直列接続方式による有機ELパネルの概略構成を示す平面図である。 直列接続方式による有機ELパネルの電気的接続を示す図であって、(a)は平面図、(b)は断面図を示している。 個別給電方式による有機ELパネルの概略構成を示す平面図である。 個別給電方式による有機ELパネルの電気的接続を示す図であって、(a)は平面図、(b)は断面図を示している。 電極接続部を保護樹脂で被覆した有機ELパネルの概略構成を示す断面図である。 電極接続部を保護基材で被覆した有機ELパネルの概略構成を示す断面図である。
まず、本実施形態の有機EL素子の構成を説明する前に、本発明で解決する課題について、より具体的に説明する。
本発明においては有機EL素子を作成する際に、封止接着剤層の硬化を1次硬化工程と2次硬化工程に分割させることで本発明の効果が得られる。
より詳しくは、まず、接着剤層の1次硬化工程で素子の水分、酸素等による初期劣化を抑制する。次いで、素子を設置対象物に設置する際に、その設置対象物の形状(たとえば、曲面)に合わせて変形させ、さらに、接着剤層の2次硬化を行う。これにより、初期の素子劣化を抑制しつつ、封止後に素子端部の剥がれ等のリスクを抑制した素子を得ることが出来る。
また、特に素子をタイリングし大型パネルにしたような場合には、設置時に湾曲させ得るということは取り扱い性の面で有利である。2次硬化工程は複数回行ってもよく、この場合には、より封止能の高い素子が得られる。
以下に、本発明の一実施形態にかかる有機EL素子の一例を、図面を参照しながら具体的に説明するが、本発明は下記の例に限定されない。
《有機EL素子の構成》
[有機EL素子の全体構成]
図1に、本発明の一実施形態にかかる有機EL素子の概略構成断面図を示す。
図1に示すとおり、有機EL素子1は、フレキシブル性を有する素子であり、有機EL素子本体部10と、接着剤層20と、封止基材30とから構成されている。
有機EL素子本体部10は、接着剤層20を介して、封止基材30と貼合されている。すなわち、本実施形態の有機EL素子1は、固体密着型の素子として構成されている。
有機EL素子本体部10は、素子基板11上に、陽極(第1電極)12、発光層を含む有機化合物層13、陰極(第2電極)14、無機膜15が順次積層され、構成されている。
また、陽極12の外周端部付近の領域、すなわち、陽極12の非発光領域内の所定領域上であって、陽極12と陰極14との間には、無機絶縁膜16が形成されている。本実施形態では、無機絶縁膜16により、陽極12および陰極14間の絶縁性を確保(陽極12および陰極14間の電気的短絡を防止)している。
陰極14は、有機化合物層13を覆うように形成され、さらに、無機膜15は、陰極14を覆うように形成されている。すなわち、本実施形態の有機EL素子1は、陰極14、無機膜15および接着剤層20の3つの層で、有機化合物層13を封止する構成(3層封止構成)となっている。そのため、本実施形態の有機EL素子1では、陰極14、無機膜15および接着剤層20の各膜厚を薄くしても十分な封止性能が得られる。
また、このような封止構成を採用することにより、有機化合物層13の上面(封止基材30側の表面)だけでなく、側面も陰極14、無機膜15および接着剤層20により封止されるため、有機EL素子1のシール幅も狭くする(非発光領域を減少させる)ことができる。すなわち、本実施形態の有機EL素子1では、シール幅や厚みを増大させることなく(フレキシブル性を確保しつつ)、発光品質の経時変化(劣化)を抑制することができる。
なお、図1には示していないが、有機EL素子本体部10は、陽極12および陰極14の外部取り出し電極端部が外部に露出するように、封止基材30によって封止されている。
また、本実施形態の有機EL素子1では、発光層(有機化合物層13)から射出された光を、陽極12側のみから取り出してもよいし、陽極12および陰極14の両方の側から取り出してもよいし、陰極14側のみから取り出してもよい。
また、有機化合物層13は、発光層以外にも、たとえば、キャリア(正孔および電子)の注入層、阻止層および輸送層等の各種有機層を備え、これらの各種有機層を積層して構成されてもよい。これらの各有機層の構成については、後で詳述する。
以下、有機EL素子1の各部および各層の構成をより具体的に説明する。
[素子基板]
素子基板11(基体、基板、基材、支持体)は、たとえば、ガラス、プラスチック等の透明性材料で形成することができる。特に、素子基板11を、ガラス基板、石英基板または可撓性基材で構成することが好ましい。可撓性基材としては、透明樹脂フィルムや薄膜ガラスなどを用いることができる。
透明樹脂フィルムの形成材料としては、たとえば、ポリエチレンテレフタレート(PET)、ポリエチレンナフタレート(PEN)等のポリエステル、ポリエチレン、ポリプロピレン、セロファン、セルロースジアセテート、セルローストリアセテート、セルロースアセテートブチレート、セルロースアセテートプロピオネート(CAP)、セルロースアセテートフタレート(TAC)、セルロースナイトレート等のセルロースエステル類、または、それらの誘導体、ポリ塩化ビニリデン、ポリビニルアルコール、ポリエチレンビニルアルコール、シンジオタクティックポリスチレン、ポリカーボネート、ノルボルネン樹脂、ポリメチルペンテン、ポリエーテルケトン、ポリイミド、ポリエーテルスルホン(PES)、ポリフェニレンスルフィド、ポリスルホン類、ポリエーテルイミド、ポリエーテルケトンイミド、ポリアミド、フッ素樹脂、ナイロン、ポリメチルメタクリレート、アクリル、ポリアリレート類、アートン(登録商標:JSR社製)またはアペル(登録商標:三井化学社製)と呼ばれるシクロオレフィン系樹脂等が挙げられる。
素子基板11を透明樹脂フィルムで構成した場合、有機EL素子1内への水蒸気、酸素等の透過を抑制するために、透明樹脂フィルムの表面に、無機材料からなる被膜、有機材料からなる被膜、または、これらの被膜を積層したハイブリッド被膜を設けてもよい。この場合には、水蒸気透過度(環境条件:25±0.5℃、相対湿度(90±2)%RH)が約0.01g/[m・day・atm]以下の値となるようなバリア性フィルムで上記被膜を構成することが好ましい。また、上記被膜を、酸素透過度が約10−3cm/[m・day・atm]以下の値であり、かつ、水蒸気透過度が約10−3g/[m・day・atm]以下の値となるようなバリア性フィルムで構成することがより好ましい。さらに、上記被膜を、酸素透過度が約10−3cm/[m・day・atm]以下の値であり、かつ、水蒸気透過度が約10−5g/[m・day・atm]以下の値となるようなバリア性フィルムで構成することが特に好ましい。
なお、「水蒸気透過度」とは、JIS(日本工業規格)−K7129(1992年)に準拠した赤外センサー法により測定された値であり、「酸素透過度」とは、JIS−K7126(1987年)に準拠したクーロメトリック法により測定された値である。
上述したバリア性フィルム(上記被膜)の形成材料としては、有機EL素子1の劣化を招く、水分、酸素等の因子の有機EL素子1への浸入を抑制できる材料であれば、任意の材料を用いることができる。たとえば、バリア性フィルムを、酸化ケイ素、二酸化ケイ素、窒化ケイ素等の無機材料からなる被膜で構成することができる。なお、バリア性フィルムの脆弱性を改良するためには、上記無機材料からなる被膜と有機材料からなる被膜とを積層したハイブリッド被膜でバリア性フィルムを構成することが好ましい。この場合、無機材料からなる被膜および有機材料からなる被膜の積層順序は任意であるが、両者を交互に複数積層することが好ましい。
また、上述のようなバリア性フィルムの形成手法としては、バリア性フィルムを素子基板(透明樹脂フィルム)11上に形成できる手法であれば任意の手法を用いることができる。たとえば、バリア性フィルムの形成手法としては、真空蒸着法、スパッタリング法、反応性スパッタリング法、分子線エピタキシー法、クラスタ−イオンビーム法、イオンプレーティング法、プラズマ重合法、大気圧プラズマ重合法(特開2004−68143号公報参照)、プラズマCVD(Chemical Vapor Deposition)法、レーザーCVD法、熱CVD法、コーティング法等が挙げられる。
[陽極]
陽極12は、発光層に正孔を供給(注入)する電極膜であり、仕事関数の大きい(4eV以上)、たとえば、金属、合金、電気伝導性化合物、および、これらの混合物等の電極材料で形成される。
具体的には、有機EL素子1において、陽極12側から光を取り出す場合には、陽極12は、たとえば、Au等の金属や、CuI、ITO(Indium Tin Oxide)、SnO、ZnO等の金属化合物などの光透過性を有する電極材料で形成することができる。また、この場合、陽極12を、たとえばIDIXO(登録商標:In−ZnO)等の非晶質の透明電極材料で形成することもできる。
なお、有機EL素子1において、陽極12側から光を取り出す場合には、陽極12の光透過率は約10%より大きいことが好ましい。また、陽極12のシート抵抗(表面抵抗)は数百Ω/sq.以下の値であることが好ましい。さらに、陽極12の膜厚は、形成材料に依存して変化するが、通常、約10〜1000nm、好ましくは約10〜200nmの範囲内の値で設定される。
一方、有機EL素子1において、陽極12側から光を取り出さない場合(陰極14側からのみ光を取り出す場合)には、陽極12を、たとえば金属、アモルファス合金、微結晶性合金等の高反射率を有する電極材料で形成することもできる。
上記構成の陽極12は、たとえば、蒸着やスパッタリングなどの手法により形成することができる。また、この際、フォトリソグラフィー技術を用いて、陽極12を所望の形状パターンで形成してもよい。なお、陽極12において、形状パターンの精度を必要としない場合(精度が約100μm以上の値である場合)には、陽極12を、たとえば蒸着やスパッタリングなどの手法により形成する際に、所望の形状パターンが形成されたマスクを介して、所望パターンの陽極12を形成してもよい。
[有機化合物層]
有機化合物層13は、上述のように、たとえば、発光層、キャリア(正孔及び電子)の注入層、阻止層および輸送層等の各種有機層を備えている。
以下、各有機層の構成について説明する。
(1)正孔注入層
本実施形態の有機EL素子1では、陽極12と発光層との間、または、陽極12と後述の正孔輸送層との間に、正孔注入層(陽極バッファー層)を設けてもよい。なお、正孔注入層は、有機EL素子1の駆動電圧の低減や発光輝度の向上を図るために、陽極12と、発光層または正孔輸送層との間に設けられる層である。
ここでは、正孔注入層の構成の詳細な説明を省略するが、たとえば、「有機EL素子とその工業化最前線」(1998年11月30日エヌ・ティー・エス社発行)の第2編第2章「電極材料」(123−166頁)に正孔注入層の構成が詳細に記載されている。また、正孔注入層の形成材料としては、特開2000−160328号公報に記載されている化合物を用いることができる。
(2)正孔輸送層
正孔輸送層は、陽極12から供給された正孔を発光層に輸送(注入)する層である。また、正孔輸送層は、陰極14側からの電子の流入を阻止する障壁としても作用する。そのため、正孔輸送層という用語は、広い意味で、正孔注入層および/または電子阻止層を含む意味で用いられることもある。
正孔輸送材料としては、上述した正孔を輸送(注入)する作用、および、電子の流入を阻止する作用を発現可能な材料であれば、有機材料および無機材料のいずれの材料も用いることができる。
具体的には、正孔輸送材料として、トリアゾール誘導体、オキサジアゾール誘導体、イミダゾール誘導体、ポリアリールアルカン誘導体、ピラゾリン誘導体、ピラゾロン誘導体、フェニレンジアミン誘導体、アリールアミン誘導体、アミノ置換カルコン誘導体、オキサゾール誘導体、スチリルアントラセン誘導体、フルオレノン誘導体、ヒドラゾン誘導体、スチルベン誘導体、シラザン誘導体、アニリン系共重合体、導電性高分子オリゴマー(特に、チオフェンオリゴマー)、ポルフィリン化合物、芳香族第3級アミン化合物(スチリルアミン化合物)等の化合物が挙げられる。
芳香族第3級アミン化合物としては、N,N,N′,N′−テトラフェニル−4,4′−ジアミノフェニル、N,N′−ジフェニル−N,N′−ビス(3−メチルフェニル)−〔1,1′−ビフェニル〕−4,4′−ジアミン(TPD)、2,2−ビス(4−ジ−p−トリルアミノフェニル)プロパン、1,1−ビス(4−ジ−p−トリルアミノフェニル)シクロヘキサン、N,N,N′,N′−テトラ−p−トリル−4,4′−ジアミノビフェニル、1,1−ビス(4−ジ−p−トリルアミノフェニル)−4−フェニルシクロヘキサン、ビス(4−ジメチルアミノ−2−メチルフェニル)フェニルメタン、ビス(4−ジ−p−トリルアミノフェニル)フェニルメタン、N,N′−ジフェニル−N,N′−ジ(4−メトキシフェニル)−4,4′−ジアミノビフェニル、N,N,N′,N′−テトラフェニル−4,4′−ジアミノジフェニルエーテル、4,4′−ビス(ジフェニルアミノ)クオードリフェニル、N,N,N−トリ(p−トリル)アミン、4−(ジ−p−トリルアミノ)−4′−〔4−(ジ−p−トリルアミノ)スチリル〕スチルベン、4−N,N−ジフェニルアミノ−(2−ジフェニルビニル)ベンゼン、3−メトキシ−4′−N,N−ジフェニルアミノスチルベンゼン等のスチリルアミン化合物、米国特許第5,061,569号明細書に記載されているような2個の縮合芳香族環を分子内に有するもの、たとえば、4,4′−ビス〔N−(1−ナフチル)−N−フェニルアミノ〕ビフェニル(NPD)や、特開平4−308688号公報に記載されているようなトリフェニルアミンユニットが3つ、スターバースト型に連結された4,4′,4″−トリス〔N−(3−メチルフェニル)−N−フェニルアミノ〕トリフェニルアミン(MTDATA)等の化合物が挙げられる。
また、正孔輸送材料としては、上述した各種正孔輸送材料を高分子鎖に導入した高分子材料、または、上述した各種正孔輸送材料を高分子の主鎖とした高分子材料を用いることもできる。なお、p型−Si、p型−SiC等の無機化合物もまた、正孔輸送材料および正孔注入層の形成材料として使用することができる。
さらに、正孔輸送材料として、特開平11−251067号公報、J.Huang et.al.著文献(Applied Physics Letters 80(2002),p.139)等の文献に記載されているような、いわゆるp型正孔輸送材料と呼ばれる材料を用いてもよい。なお、このような材料を正孔輸送材料として用いた場合には、より高効率の発光素子を得ることができる。
また、本実施形態では、正孔輸送層に不純物をドープして、p性の高い(正孔リッチ)の正孔輸送層を形成してもよい。その一例は、たとえば、特開平4−297076号、特開2000−196140号、特開2001−102175号、J.Appl.Phys.,95,5773(2004)等の文献に記載されている。このような正孔リッチの正孔輸送層を用いた場合には、より低消費電力の有機EL素子1を作製することができる。
正孔輸送層は、たとえば、スピンコート法、蒸着法等の手法により形成することができる。正孔輸送層の膜厚は、用いる正孔輸送材料等の条件に応じて適宜設定されるが、通常、約5nm〜5μm、好ましくは約5〜200nmの範囲内の値に設定される。なお、正孔輸送層は、一層だけ設けてもよいし、複数層設けてもよい。正孔輸送層を一層構造とする場合には、上述した正孔輸送材料のうちの一種または二種以上の材料が正孔輸送層に含まれるようにする。
(3)発光層
発光層は、陽極12から直接、または、陽極12から正孔輸送層等を介して注入される正孔と、陰極14から直接、または、陰極14から電子輸送層等を介して注入される電子とが再結合して発光する層である。なお、発光する部分は、発光層の内部であってもよいし、発光層と、それに隣接する層との間の界面であってもよい。
また、発光層は、一層だけ設けてもよいし、複数層設けてもよい。なお、発光層を複数設ける場合には、互いに発光色の異なる複数の発光層を積層した構成にしてもよいし、隣り合う発光層間に、非発光性の中間層を設けてもよい。中間層は、発光層内の後述するホスト化合物と同様の材料で形成することができる。
本実施形態では、発光層を、ホスト化合物(発光ホスト)と、発光材料(発光ドーパント)とを含む有機発光性材料で形成する。このような構成の発光層では、発光材料の発光波長や含有させる発光材料の種類等を適宜調整することにより任意の発光色を得ることができる。
また、発光層は、たとえば、スピンコート法、蒸着法等の手法を用いて形成することができる。なお、発光層の膜厚は、任意に設定することが可能であるが、たとえば、構成膜の均質性、発光時における不必要な高電圧の印加の防止、および、駆動電流に対する発光色の安定性向上等の観点から、たとえば、約2〜200nmの範囲内の値に設定することが好ましく、約5〜100nmの範囲内の値に設定することがより好ましい。
以下に、発光層に含まれるホスト化合物および発光材料の構成について具体例に説明する。
(3−1)ホスト化合物
発光層に含まれるホスト化合物としては、室温(25℃)におけるリン光発光のリン光量子収率が約0.1未満の値である化合物を用いることが好ましい。特に、リン光量子収率が約0.01未満の値である化合物をホスト化合物として用いることが好ましい。また、発光層中のホスト化合物の体積比は、発光層に含まれる各種化合物の中で約50%以上の値とすることが好ましい。
また、ホスト化合物としては、公知のホスト化合物を用いることができる。その際、一種類のホスト化合物を用いてもよいし、複数種のホスト化合物を併用してもよい。複数種のホスト化合物を用いることにより、電荷(正孔および/または電子)の移動度(移動量)を調整することができ、有機EL素子1の発光効率を向上させることができる。
上述のような特性を有するホスト化合物としては、たとえば、公知の低分子化合物、繰り返し単位をもつ高分子化合物、ビニル基やエポキシ基のような重合性基を有する低分子化合物(蒸着重合性発光ホスト)等の化合物を用いることができる。なお、ホスト化合物としては、正孔輸送機能、電子輸送機能、発光の長波長化を防止する機能、および、高Tg(ガラス転移温度)を有する化合物を用いることが好ましい。
なお、「ガラス転移温度(Tg)」とは、DSC(Differential Scanning Calorimetry:示差走査熱量)法を用いて、JIS−K7121に準拠した手法により求められる値である。
具体的には、ホスト化合物として、特開2001−257076号公報、同2002−308855号公報、同2001−313179号公報、同2002−319491号公報、同2001−357977号公報、同2002−334786号公報、同2002−8860号公報、同2002−334787号公報、同2002−15871号公報、同2002−334788号公報、同2002−43056号公報、同2002−334789号公報、同2002−75645号公報、同2002−338579号公報、同2002−105445号公報、同2002−343568号公報、同2002−141173号公報、同2002−352957号公報、同2002−203683号公報、同2002−363227号公報、同2002−231453号公報、同2003−3165号公報、同2002−234888号公報、同2003−27048号公報、同2002−255934号公報、同2002−260861号公報、同2002−280183号公報、同2002−299060号公報、同2002−302516号公報、同2002−305083号公報、同2002−305084号公報、同2002−308837号公報等の文献に記載されている化合物が挙げられる。
なお、本実施形態では、ホスト化合物は、カルバゾール誘導体であることが好ましく、特に、カルバゾール誘導体であって、かつ、ジベンゾフラン化合物であることが好ましい。
(3−2)発光材料
発光材料(発光ドーパント)としては、たとえば、リン光発光材料(リン光性化合物、リン光発光性化合物)、蛍光発光材料(蛍光発光体、蛍光性ドーパント)等を用いることができる。ただし、発光効率の向上の観点では、発光材料としてリン光発光材料を用いることが好ましい。
リン光発光材料は、励起三重項からの発光が得られる化合物である。具体的には、リン光発光材料は、室温(25℃)においてリン光発光する化合物であり、リン光量子収率が、25℃において約0.01以上の値の化合物である。ただし、本実施形態では、リン光量子収率が約0.1以上の値であるリン光発光材料を用いることが好ましい。
なお、リン光量子収率は、たとえば、「第4版実験化学講座7・分光II」(1992年版、丸善)の398頁に記載されている手法により測定することができる。また、溶液中でのリン光量子収率は種々の溶媒を用いて測定できるが、本実施形態では、リン光発光材料が、任意の溶媒において、約0.01以上の値のリン光量子収率が得られる発光材料であればよい。
また、発光層には、一種類の発光材料を含有させてもよいし、発光極大波長の異なる複数種の発光材料を含有させてもよい。複数種の発光材料を用いることにより、発光波長の異なる複数の光を混ぜることができ、これにより、任意の発光色の光を得ることができる。たとえば、青色ドーパント、緑色ドーパントおよび赤色ドーパント(3種類の発光材料)を発光層に含有させることにより白色光を得ることができる。
上述したホスト化合物およびリン光発光材料を含む発光層における発光(リン光発光)の過程(原理)としては、次の2種類の過程が挙げられる。
第1の発光過程は、エネルギー移動型の発光過程である。このタイプの発光過程では、まず、キャリア(正孔及び電子)が輸送される発光層内のホスト化合物上において、キャリアが再結合し、これにより、ホスト化合物の励起状態が生成される。そして、この際に発生するエネルギーがホスト化合物からリン光発光材料に移動し(励起状態のエネルギー準位がホスト化合物の励起準位から発光材料の励起準位(励起三重項)に移動し)、その結果、リン光発光材料から発光が生じる。
第2の発光過程は、キャリアトラップ型の発光過程である。このタイプの発光過程では、発光層において、リン光発光材料がキャリア(正孔および電子)をトラップする。その結果、リン光発光材料上でキャリアの再結合が起こり、リン光発光材料から発光が生じる。
上述したいずれの発光過程においても、リン光発光材料の励起状態のエネルギー準位は発光ホストの励起状態のエネルギー準位より低くする必要がある。
上述のような発光過程を生じさせるリン光発光材料としては、従来の有機EL素子で用いられる公知の各種リン光発光材料の中から所望のリン光発光材料を適宜選択して用いることができる。
たとえば、リン光発光材料としては、元素の周期表で8族〜10族の金属元素を含有する錯体系化合物を用いることができる。そのような錯体系化合物の中でも、イリジウム化合物、オスミウム化合物、白金化合物(白金錯体系化合物)および希土類錯体のいずれかをリン光発光材料として用いることが好ましい。本実施形態では、特に、リン光発光材料として、イリジウム化合物を用いることが好ましい。
蛍光発光材料としては、クマリン系色素、ピラン系色素、シアニン系色素、クロコニウム系色素、スクアリウム系色素、オキソベンツアントラセン系色素、フルオレセイン系色素、ローダミン系色素、ピリリウム系色素、ペリレン系色素、スチルベン系色素、ポリチオフェン系色素または希土類錯体系蛍光体等が挙げられる。
なお、本実施形態では、有機EL素子1から発光する光を分光放射輝度計(コニカミノルタセンシング社製、CS−1000)で測定し、その測定結果をCIE(国際照明委員会)色度座標(たとえば、「新編色彩科学ハンドブック」(日本色彩学会編、東京大学出版会、1985)の108頁の図4.16参照)に当て嵌めた時の色を有機EL素子1から発光する光の色とする。具体的には、ここでいう「白色」とは、2度視野角正面輝度を上記手法により測定した際に、1000cd/mでのCIE1931表色系における色度がX=0.33±0.07、Y=0.33±0.07の領域内にある色のことを言う。
また、本実施形態では、白色発光を得る手法として、ホスト化合物に、発光波長の異なる複数の発光材料を含有させる手法を用いるが、本発明はこれに限定されない。たとえば、青色発光層、緑色発光層および赤色発光層を積層して発光層を構成し、各色の発光層からそれぞれ発光される光を混ぜることにより白色発光を得てもよい。
(4)電子輸送層
電子輸送層は、陰極14から供給された電子を発光層に輸送(注入)する層である。また、電子輸送層は、陽極12側からの正孔の流入を阻止する障壁としても作用する。そのため、電子輸送層という用語は、広い意味で、電子注入層および/または正孔阻止層を含む意味で用いられることもある。
発光層の陰極14側に隣接する電子輸送層(電子輸送層を一層構造とする場合には当該電子輸送層、電子輸送層を複数設ける場合には最も発光層側に位置する電子輸送層)に用いられる電子輸送材料(正孔阻止材料を兼ねる)としては、陰極14より注入された電子を発光層に伝達(輸送)する機能を有する材料であれば任意の材料を用いることができる。たとえば、電子輸送材料として、従来の有機EL素子で用いられる公知の各種化合物の中から任意のものを適宜選択して用いることができる。
より具体的には、電子輸送材料として、フルオレン誘導体、カルバゾール誘導体、アザカルバゾール誘導体、オキサジアゾール誘導体、トリゾール誘導体、シロール誘導体、ピリジン誘導体、ピリミジン誘導体、8−キノリノール誘導体等の金属錯体、メタルフタロシアニンもしくはメタルフリーフタロシアニン、または、それらの末端基をアルキル基やスルホン酸基等で置換した化合物等が挙げられる。
また、本実施形態では、電子輸送層に不純物をゲスト材料としてドープして、n性の高い(電子リッチ)電子輸送層を形成してもよい。このような構成の電子輸送層の具体例は、たとえば、特開平4−297076号公報、同10−270172号公報、特開2000−196140号公報、同2001−102175号公報、J.Appl.Phys.,95,5773(2004)等の文献に記載されている。具体的には、ゲスト材料(ドープ材)として、有機物のアルカリ金属塩を用いることができる。
有機物のアルカリ金属塩をドープ材として用いる場合、有機物の種類は任意であるが、たとえば、ギ酸塩、酢酸塩、プロピオン酸塩、酪酸塩、吉草酸塩、カプロン酸塩、エナント酸塩、カプリル酸塩、シュウ酸塩、マロン酸塩、コハク酸塩、安息香酸塩、フタル酸塩、イソフタル酸塩、テレフタル酸塩、サリチル酸塩、ピルビン酸塩、乳酸塩、リンゴ酸塩、アジピン酸塩、メシル酸塩、トシル酸塩、ベンゼンスルホン酸塩等の化合物を有機物として用いることができる。これらの中でも、特に、ギ酸塩、酢酸塩、プロピオン酸塩、酪酸塩、吉草酸塩、カプロン酸塩、エナント酸塩、カプリル酸塩、シュウ酸塩、マロン酸塩、コハク酸塩または安息香酸塩を有機物として用いることが好ましい。さらに好ましい有機物は、ギ酸塩、酢酸塩、プロピオン酸塩、酪酸塩等の脂肪族カルボン酸であり、この脂肪族カルボン酸を用いる場合には、その炭素数が4以下であることが好ましい。なお、有機物として最も好ましい化合物は、酢酸塩である。
また、有機物のアルカリ金属塩を構成するアルカリ金属の種類は任意であり、たとえば、Li、Na、KまたはCsを用いることができる。これらのアルカリ金属の中でも、好ましいアルカリ金属は、KまたはCsであり、さらに好ましいアルカリ金属は、Csである。
以上から、電子輸送層のドープ材として用い得る有機物のアルカリ金属塩は、上記有機物と上記アルカリ金属とを組み合わせた化合物になる。具体的には、ドープ材として、ギ酸Li、ギ酸K、ギ酸Na、ギ酸Cs、酢酸Li、酢酸K、酢酸Na、酢酸Cs、プロピオン酸Li、プロピオン酸Na、プロピオン酸K、プロピオン酸Cs、シュウ酸Li、シュウ酸Na、シュウ酸K、シュウ酸Cs、マロン酸Li、マロン酸Na、マロン酸K、マロン酸Cs、コハク酸Li、コハク酸Na、コハク酸K、コハク酸Cs、安息香酸Li、安息香酸Na、安息香酸K、又は、安息香酸Csが挙げられる。これらの中でも、酢酸Li、酢酸K、酢酸Naまたは酢酸Csが好ましいドープ材であり、最も好ましいドープ材は、酢酸Csである。
なお、これらのドープ材の好ましい含有量は、ドープ材を添加する電子輸送層に対して、約1.5〜35質量%の範囲内の値であり、より好ましい含有量は、約3〜25質量%の範囲内の値であり、最も好ましい含有量は、約5〜15質量%の範囲内の値である。
電子輸送層は、たとえば、スピンコート法、蒸着法等の手法により形成することができる。また、電子輸送層の膜厚は、用いる電子輸送材料等の条件に応じて適宜設定されるが、通常、約5nm〜5μm、好ましくは約5〜200nmの範囲内の値に設定される。
なお、電子輸送層は、一層だけ設けてもよいし、複数層設けてもよい。電子輸送層を一層構造とする場合には、上述した電子輸送材料のうちの一種または二種以上の材料が電子輸送層に含まれるようにする。
(5)電子注入層
本実施形態の有機EL素子1では、陰極14と発光層との間、または、陰極14と電子輸送層との間に、電子注入層(電子バッファー層)を設けてもよい。電子注入層は、正孔注入層と同様に、有機EL素子1の駆動電圧の低減や発光輝度の向上を図るために設けられる層である。
ここでは、電子注入層の構成の詳細な説明を省略するが、たとえば、「有機EL素子とその工業化最前線」(1998年11月30日エヌ・ティー・エス社発行)の第2編第2章「電極材料」(123−166頁)に電子注入層の構成が詳細に記載されている。
[陰極]
陰極14は、発光層に電子を供給(注入)する電極膜であり、通常、仕事関数の小さい(4eV以下)、たとえば、金属(電子注入性金属)、合金、電気伝導性化合物、および、これらの混合物等の電極材料で形成される。
具体的には、有機EL素子1において、陰極14側から光を取り出さない場合には、陰極14は、たとえば、アルミニウム、ナトリウム、ナトリウム−カリウム合金、マグネシウム、リチウム、マグネシウム/銅混合物、マグネシウム/銀混合物、マグネシウム/アルミニウム混合物、マグネシウム/インジウム混合物、アルミニウム/酸化アルミニウム(Al)混合物、インジウム、リチウム/アルミニウム混合物、希土類金属等の非透明性の電極材料で形成することができる。
一方、有機EL素子1において、陰極14側から光を取り出す場合には、陰極14を、光透過性を有する電極材料で形成することができる。本実施形態では、非晶質の透明電極材料であるIDIXO(登録商標:In−ZnO)を陰極14の形成材料として用いることが好ましい。
また、陰極14は、たとえば、蒸着やスパッタリングなどの手法により形成することができる。
[無機膜]
無機膜15(ガスバリア層)は、発光層を含む有機化合物層13への水蒸気の浸入を防止するため(防湿のため)に設けられる。なお、無機膜15は、透明無機膜で構成することが好ましい。
無機膜15の形成材料としては、有機EL素子1の劣化を招く、水分や酸素等の有機EL素子1への浸入を抑制できる無機材料であれば、任意の材料を用いることができる。また、無機膜15は水蒸気透過度が約0.01g/[m・day・atm]以下の値である被膜で構成することが好ましい。
上述のような特性を有する無機膜15の形成材料としては、酸化ケイ素、二酸化ケイ素、窒化ケイ素、酸化窒化ケイ素等の無機材料が挙げられる。本実施形態では、特に、無機膜15を、窒化ケイ素または酸化窒化ケイ素の単一膜で構成することが好ましい。
なお、無機膜15の脆弱性を改良するために、無機膜15に有機材料からなる被膜を積層してもよい。この場合、有機材料としては、光硬化型シール剤、熱硬化性シール剤、2−シアノアクリル酸エステル等の湿気硬化型シール剤、エポキシ系等の熱および化学硬化型(二液混合)シール剤、カチオン硬化タイプの紫外線硬化性エポキシ樹脂シール剤等のシール剤が挙げられる。
無機膜15の形成手法としては、任意の手法を用いることができ、たとえば、真空蒸着法、スパッタリング法、反応性スパッタリング法、分子線エピタキシー法、クラスタ−イオンビーム法、イオンプレーティング法、プラズマ重合法、大気圧プラズマ重合法、プラズマCVD法、レーザーCVD法、熱CVD法、コーティング法等が挙げられる。
なお、無機膜15の膜厚が薄すぎると、無機膜15に欠陥等が発生し、該欠陥を介して接着剤が陰極14に入りこむ。この場合には、接着剤層20の硬化反応により、陰極14が酸化等され、変質するなどの影響が発生する。さらに、陰極14の膜厚が薄い場合には、接着剤が無機膜15および陰極14の欠陥等を介して、有機化合物層13に入り込み、ダークスポットの増大の要因にもなる。
一方、無機膜15の膜厚が厚すぎると、有機EL素子1の生産性やフレキシブル性等が低下する。また、無機膜15の形成時に発生する有機化合物層13等へのダメージの影響により、発光性能が劣化する場合もある。
そのため、本実施形態では、これらの点を考慮して、無機膜15の膜厚を適宜設定する。具体的には、無機膜15の膜厚を、約1μm未満の値に設定することが好ましく、特に、約100〜250nmの範囲内の値に設定することが好ましい。
[無機絶縁膜]
無機絶縁膜16は、陽極12および陰極14間の電気的な短絡を防止するために設けられる。無機絶縁膜16は、たとえば、SiO膜等の絶縁膜で形成される。
無機絶縁膜16をSiO膜で構成する場合、陽極12上に、たとえばスパッタ法により形成することができる。また、無機絶縁膜16は、陽極12上にSi膜を形成し、その後、該Si膜を熱酸化することにより形成することもできる。さらに、無機絶縁膜16は、シランやテトラエトキシシランなどのガスを原料ガスとして用いた、減圧または常圧でのCVD法により形成してすることもできる。
[接着剤層]
接着剤層(封止樹脂層)20で用いる接着剤としては、アクリル酸系オリゴマーまたはメタクリル酸系オリゴマーの反応性ビニル基を有する光硬化性または熱硬化性接着剤、エポキシ系等の熱硬化性または化学硬化性(二液混合)接着剤、ホットメルト型のポリアミド、ポリエステル、ポリオレフィン、カチオン硬化タイプの紫外線硬化性エポキシ樹脂接着剤が挙げられる。
本実施形態では、製造プロセスの簡易性の観点から、接着剤層20を、熱硬化性接着剤で形成することが好ましい。また、接着剤層20の形態としては、シート状に加工された熱硬化性接着剤を用いることが好ましい。シート状タイプの熱硬化性接着剤を用いる場合には、常温(25℃程度)では非流動性を示し、かつ、加熱すると50〜120℃の範囲内の温度で流動性を発現するような接着剤(シール材)を用いる。
熱硬化性接着剤としては、任意の接着剤を使用することができる。本実施形態では、接着剤層20と隣接する封止基材30や素子基板11等との密着性向上の観点から、好適な熱硬化性接着剤を適宜選択する。たとえば、熱硬化性接着剤としては、分子の末端または側鎖にエチレン性二重結合を有する化合物と熱重合開始剤とを主成分とする樹脂等を用いることができる。より具体的には、エポキシ系樹脂、アクリル系樹脂等からなる熱硬化性接着剤を使用することができる。また、有機EL素子1の製造工程で用いる貼合装置および硬化処理装置に応じて、溶融タイプの熱硬化性接着剤を使用してもよい。
また、接着剤として、上記した接着剤を2種以上混合したものを用いてもよいし、熱硬化性および紫外線硬化性をともに備えた接着剤を用いてもよい。
また、図2に示すように、接着剤層20の周辺部には、感圧性接着剤からなる接着剤層22を形成してもよい。
[封止基材]
封止基材30は、フィルム状(板状)部材で構成され、素子基板11に対向して配置される。
封止基材30は、たとえば、ガラス、プラスチック等の透明性材料で形成することができる。特に、封止基材30を、ガラス基板、石英基板または可撓性封止部材で構成することが好ましい。
可撓性封止部材としては、たとえば、樹脂層とバリア層(無機物からなる被膜)とを積層した多層膜部材や、可撓性を有する薄膜ガラスなどの部材を用いることができるが、好ましくは樹脂層とバリア層とを積層した多層膜部材が用いられる。
可撓性封止部材の厚さは、製造時の取り扱い性、引っ張り強さ、バリア層の耐ストレスクラッキング性等の特性を考慮して、約10〜300μmの範囲内の値とすることが好ましい。
なお、ここでいう「厚さ」とは、可撓性封止部材の平均厚さであり、たとえば、マイクロメータを使用して、可撓性封止部材の縦方向および幅方向に沿ってそれぞれ10箇所程度で測定した厚さの平均値である。
また、封止基材30を可撓性封止部材で構成する場合、封止時の可撓性封止部材の水分量は、可撓性封止部材の持ち込み水分により発生する有機化合物層13の結晶化の抑制、陰極14の剥離等により発生するダークスポットの抑制、および、有機EL素子1の長寿命化等を考慮して、約1.0%以下の値とすることが好ましい。
なお、ここでいう「水分量」は、ASTM(米国材料試験協会)−D570に準拠した手法で測定された値である。
可撓性封止部材を構成する樹脂基材は、たとえば、エチレンテトラフルオロエチル共重合体(ETFE)、高密度ポリエチレン(HDPE)、延伸ポリプロピレン(OPP)、ポリスチレン(PS)、ポリメチルメタクリレート(PMMA)、延伸ナイロン(ONy)、ポリエチレンテレフタレート(PET)、ポリエチレンナフタレート(PEN)、ポリカーボネート(PC)、ポリイミド、ポリエーテルスチレン(PES)等の一般の包装用フィルムに使用される熱可塑性樹脂で形成することができる。なお、熱可塑性樹脂フィルムとして、必要に応じて、異種のフィルムを共押出しして作製された多層フィルムや、複数のフィルムの延伸角度を互いに変えて貼り合せることにより作製された多層フィルム等を使用することもできる。また、このような多層フィルムを作製する場合、可撓性封止部材において必要とする物性を得るために、使用する各フィルムの密度、分子量分布等の物性を考慮して組合せることが好ましい。
また、有機化合物層13の結晶化の抑制、陰極14の剥離等により発生するダークスポットの抑制、および、有機EL素子1の長寿命化等を考慮して、可撓性封止部材を構成するバリア層の水蒸気透過度は、約0.01g/[m・day・atm]以下の値であることが好ましく、バリア層の酸素透過度は、約0.01cm/[m・day・atm]以下の値であることが好ましい。
バリア層の形成材料としては、上述した水蒸気透過度および酸素透過度を有する材料であれば任意の材料を用いることができる。たとえば、バリア層を、酸化ケイ素、二酸化ケイ素、窒化ケイ素等の無機材料からなる被膜で構成することができる。また、バリア層の脆弱性を改良するために、上記無機材料からなる被膜と有機材料からなる被膜とを積層したハイブリッド被膜(多層膜)でバリア層を構成することがより好ましい。なお、この場合、無機材料からなる被膜および有機材料からなる被膜の積層順序は任意であるが、両者を交互に複数積層することが好ましい。
また、バリア層の形成手法としては、バリア層を樹脂層上に形成できる手法であれば任意の手法を用いることができる。たとえば、真空蒸着法、スパッタリング法、反応性スパッタリング法、分子線エピタキシー法、クラスタ−イオンビーム法、イオンプレーティング法、プラズマ重合法、大気圧プラズマ重合法(特開2004−68143号公報参照)、プラズマCVD法、レーザーCVD法、熱CVD法、コーティング法等の手法を用いることができる。
《有機EL素子の製造》
次に、本実施形態にかかる有機EL素子1の製造工程について説明する。
図3は、ITOパターン付き基板元巻き(ロール)を用いてロールツウロール(Roll to Roll)で有機EL素子1を製造する工程の概略図である。
[有機EL素子の製造装置]
本実施形態にかかる有機EL素子1は、たとえば、図3に示すような、連続真空成膜装置40を用いて作製される。
連続真空成膜装置40は、主に、元巻きロール42、減圧室R10、真空成膜室R20、真空成膜室R30、圧力調整室R40、ラミネート室R50、巻き取り室R60から構成されている。
各処理室は、それぞれゲートスリットA,B、ゲートバルブC,D、ゲートEを介して、接続されている。
電極(陽極12)付き素子基板11は、元巻きロール42から、ガイドロール60〜86を介して、巻き取り室R60へ搬送される。
減圧室R10は、前室R12、アキューム室R14を有している。
前室R12とアキューム室R14との間には、スリットロール44が設けられている。
真空成膜室R20は、前室R21、第1成膜室R22、アキュームレータ室R23、第2成膜室R24、前室R25を有している。
第1成膜室R22と第2成膜室R24とには、それぞれ蒸着用ボート46,50が設けられている。
アキュームレータ室R23は、処理スピードを吸収するアキュームレータ機構を有し、アキュームロール48が設けられている。
真空成膜室R30は、前室R32、第3成膜室R34、前室R36を有している。
第3成膜室R34には、蒸着用ボート52が設けられている。
圧力調整室R40には、アキュームロール54が設けられている。
ラミネート室R50には、接着剤付き封止基材30の元巻きロール56が設けられている。
巻き取り室R60には、製造された有機EL素子1の連続体が巻き取られる元巻きロール58が設けられている。
[有機EL素子の製造方法]
まず、元巻きロール42から巻き出された電極付き素子基板11を、ガイドロール60,61間のスリットを通して前室R12に搬送し、さらに、スリットロール44を介して、真空下のアキューム室R14に搬送し、大気圧下の素子基板11を順次真空下へ連続搬送する。アキューム室R12においては、アキュームレータにより工程におけるウェブ(基板)加工長を確保する。
前室R12、アキューム室R14等の減圧度は1×10−7〜100Paの範囲に維持され、前室R12、アキューム室R14、後述の真空成膜室R20と順次減圧度が上昇する。真空成膜室R20においては、減圧度は10−3〜10−1Paが一般的である。
次いで、素子基板11をゲートスリットAを通して真空成膜室R20に連続搬送する。ゲートスリットAでは、減圧室R10と真空成膜室R20との差圧を調整する。詳細は省略するが、差圧の調製にはスリットロールを用いてもよい。また、これらと共に、減圧室R10と高真空である真空成膜室R20との差圧が大きい場合には、複数のチャンバーからなるバッファー領域が設けられる。
また、各成膜室および前室はそれぞれ独立に排気されている。
第1成膜室R22では、素子基板11上に、有機化合物層13を蒸着形成し、第2成膜室R24では、金属蒸着を行い、陰極14を形成する。各成膜室は、減圧度1×10−7〜10×10−1Paの範囲に維持されている。
次いで、陰極14まで形成された素子基板11を、ゲートスリットBを通して、真空成膜室R30に搬送する。ゲートスリットBはゲートスリットA同様にバッファー機構と共に真空度の調整を行うものであるが、さらにバルブ機構を有している。
第3成膜室R34では、スパッタリングにより無機膜を成膜し、続けて、素子基板11を圧力調整室R40へ搬送する。
圧力調整室R40では、ゲートバルブCを開けた状態で、圧力調整室R50出口側のゲートバルブDを閉め、製品ウェブをアキュームで溜め込んだ後、ゲートバルブCを閉め、不活性ガスで圧力調整後、ゲートバルブDを開けて、ラミネート室R50へ搬送する。
次いで、ラミネート室R50では、元巻きロール56から接着剤付き封止基材30をガイドロール87を介して巻き出し、ガイドロール84,85において、無機膜まで形成された素子基板11と加圧接着(ラミネータ)し、必要に応じて光または熱による1次硬化工程を経て(図示略)、巻き取り室R60へ搬送し、元巻きロール58に巻き取る。
1次硬化工程では、接着剤層20は完全に硬化されず、水分等の侵入を防止できる程度に硬化されていればよい。
1次硬化工程における硬化度(反応率)としては、5〜30%が好ましく、5〜15%がより好ましい。反応率が5%以下の場合には、水分等に対する十分な耐性が得られず、30%を超える場合には、設置対象物へ設置する際に素子端部の剥がれが起きてしまう。
なお、「反応率」とは、示差走査熱量測定(DSC)にて測定された、初期反応熱量に対する硬化後の反応熱量の割合を表している。
最後に、図4に示すように、元巻きロール58に巻き取られた有機EL素子1の連続体を、所定のサイズ、たとえば、切断線Sの位置でカットすることにより、個々の有機EL素子1が得られる。
上記のようにして得られた有機EL素子1を、設置対象物の曲面形状等に合わせて変形(湾曲)させた後、熱あるいは光照射によって2次硬化させ、完全に封止する。
2次硬化工程における硬化度(反応率)としては、70%以上とすることが好ましい。
なお、設置対象物とは反対側を有機EL素子1の光取出し側とする。
また、2次硬化工程は複数回行ってもよく、この場合には、より封止能の高い素子が得られる。
1次硬化のみされた有機EL素子1は、必要に応じて、密封包装し、2次硬化工程前に開封して使用してもよい。この場合、1次硬化のみされた有機EL素子1の水分等に対する耐性を長期にわたって保持することができる。
また、封止接着剤として、熱硬化性接着剤と紫外線硬化性接着剤との混合物を用いた場合には、たとえば、1次硬化工程では熱による硬化、2次硬化工程では紫外線照射による硬化と、状況に応じて、その硬化方法を使い分けることも可能である。
《有機ELパネルの構成》
図5に示すとおり、有機ELパネル100は、固定用基板102上に、接着層104を介して、1次硬化された複数の有機EL素子1がタイリングされ、構成されている。
各有機EL素子1は、互いに電気的に接続されるが、その接続方法としては、直列接続方式と個別給電方式とがある。
以下、それぞれの接続方法で接続された有機ELパネルについて説明する。
なお、以下では、6枚の有機EL素子1を用いた有機ELパネル100について説明するが、特にこれに限定されるものではない。
(1)直列接続方式
有機ELパネル100を直列接続方式とする場合には、図6に示すように、有機EL素子1〜6が配置される。ここで、有機EL素子2〜5は、有機EL素子1と同義である。
有機EL素子1〜6の素子端部(対向する2辺)には、陽極12の取り出し電極12aと陰極14の取り出し電極14aとが対向して配置されている。
各有機EL素子1〜6の取り出し電極12a,14aとは、左右方向Xに沿って、交互に配置され、有機EL素子1の取り出し電極14aに対し、有機EL素子2の取り出し電極12aが隣接して配置されている。
図7(a)に示すとおり、左右方向Xに沿って隣接する取り出し電極12a,14aは、端子部材106により、電気的に接続される。
左側端部の2つの有機EL素子1,4は、互いに端子部材108により接続される。端子部材108の他端は、給電部(図示略)に接続される。同様に、右側端部の2つの有機EL素子3,6も端子部材110により接続され、端子部材110の他端は、給電部(図示略)に接続される。
図7(b)に示すとおり、各有機EL素子1〜6の取り出し電極12a,14a上には、導電性接着剤112が塗布される。この導電性接着剤112を介して、各有機EL素子1〜6と端子部材106,108,110とが電気的に接続される。
(2)個別給電方式
有機ELパネル100を個別給電方式とする場合には、図8に示すように、有機EL素子の各辺に取り出し電極12a,14aが形成される。各有機EL素子1〜6の取り出し電極12a,14aは、左右方向X、前後方向Yに沿って、交互に配置されている。
図9(a)に示すように、有機EL素子1の取り出し電極12aと取り出し電極14aとは、端子部材114を介して、電気的に接続される。有機EL素子2〜6についても、有機EL素子1同様に、独立して、取り出し電極12aと取り出し電極14aとが電気的に接続される。端子部材114の他端は、給電部(図示略)に接続される。
図9(b)に示すように、有機EL素子1〜6と端子部材114とは、導電性接着剤112を介して、電気的に接続される。
なお、図5〜9に示す例では、固定用基板102を用いて複数の有機EL素子1〜6を支持する構成例を説明したが、本発明はこれに限定されない。たとえば、互いに隣り合う2枚の有機EL素子の側部同士を接着剤(支持部材)で貼り合わせる場合には、固定用基板102を用いなくてもよい。
以下、有機ELパネル100の各部について説明する。
[固定用基板]
固定用基板102としては、たとえば、ガラスや石英、金属、樹脂等の材料、または、それらの複合部材からなる平板状の部材を用いることができる。
可撓性のある樹脂材料や薄膜ガラス、金属箔を用いたものが好ましい。
固定用基板102側から光を出さない場合には、固定用基板102に金属箔を用いてもよい。
固定用基板102に用いることができる樹脂材料としては、たとえば、ポリエチレンテレフタレート(PET)、ポリエチレンナフタレート(PEN)等のポリエステルや、ポリエチレン(PE)、ポリプロピレン(PP)、ポリカーボネート(PC)、ナイロン、アクリル、セロファン等を挙げられる。
固定用基板102に用いることができる金属箔は、アルミ箔、銅箔、ステンレス箔等が挙げられ、樹脂シートとラミネートした複合シートを用いることもできる。
固定用基板102は、有機EL素子1を発光駆動させるための駆動回路や給電部と接続させるための配線端子等の電子部品を備えているプリント基板でもよい。プリント基板は何れの材料で構成されていてもよいが、フレキシブル配線基板(FPC)等の可撓性のある材料が望ましい。
[接着層]
接着層104としては、たとえば、接着剤や粘着テープ等を用いることができる。
接着剤としては、たとえば、熱可塑性樹脂、エポキシ系樹脂、アクリル系樹脂、シリコーン樹脂等の熱硬化性接着性樹脂等が挙げられる。
粘着テープとしては、感圧接着剤を用いた粘着テープが挙げられる。
固定用基板102と各有機EL素子1〜6との貼り合わせには、ロールラミネートやダイヤフラム式の真空ラミネートが挙げられ、密着力の確保やボイドを抑制する観点から、真空下での貼り合わせが好ましい。
[端子部材]
端子部材106,108,110,114は、電気的に接続できればいずれの材料で構成されていてもよいが、フレキシブル配線基板(FPC)等の可撓性のある材料が望ましい。
端子部材106,108,110,114と取り出し電極12a,14aとの接合方法としては、半田付け、導電ペースト、導電インキ、ACF(異方性導電フィルム)、ACP(異方性導電ペースト)等が挙げられる。
端子部材108,110,114と給電部との接合方法としては、ヒートツールによる熱圧着が一般的である。
[保護部材]
端子部材106等と取り出し電極12a、14aとの接合部である電極接続部には、機械的強度や腐食等に対する化学的強度を確保するために保護部材を配置することが好ましい。
方法としては、直列接続方式の有機ELパネル100の場合、図10で示すような電極接続部へ保護樹脂116を配置する方法や、図11で示すような固定用基板102の少なくとも電極接続部周囲に保護基材118を貼り合わせて保護する方法およびその併用が挙げられる。
保護樹脂116としては電極接続部を保護できればいずれの材料で構成されていてもよいが、エポキシ系、シリコーン系の硬化樹脂が好ましい。
電極接続部へ保護樹脂116を配置する方式は、各有機EL素子1〜6の取り出し電極12a、14aと端子部材106等との接合部に保護樹脂116をパターン形成するもので、形成方法としては、ディスペンサ、インクジェット、スクリーン印刷が一般的である。
保護基材118としては、たとえば、ガラスや石英、金属、樹脂等の材料、または、それらの複合部材からなる平板状の部材を用いることができる。可撓性のある樹脂材料や薄膜ガラス、金属箔を用いたものが望ましい。
保護基材118に用いることができる樹脂材料としては、たとえば、ポリエチレンテレフタレート(PET)、ポリエチレンナフタレート(PEN)等のポリエステルや、ポリエチレン(PE)、ポリプロピレン(PP)、ポリカーボネート(PC)、ナイロン、アクリル、セロファン等を挙げることができる。また、樹脂材料を用いた保護基材118には、水分や酸素の透過を防止するためのガスバリア層が付与されているものが好ましい。
保護基材118に用いることができる金属箔は、アルミ箔、銅箔、ステンレス箔等が挙げられ、樹脂シートとラミネートした複合シートを用いることもできる。
保護基材118を貼り合わせて保護する方法は、たとえば、固定用基板102の全面または一部に保護基材118を貼り合わせるもので、保護基材118は、有機EL素子1〜6がタイリングされた固定用基材102との間にエポキシ系,シリコーン系の硬化樹脂やポリエチレン等の熱可塑性樹脂等の接着剤120を充填して形成される。
接着剤120の充填は、有機EL素子1〜6がタイリングされた固定用基材102側、保護基材118側のいずれかまたは両方でもよく、たとえば、保護基材118にあらかじめ接着剤120をラミネートした接着剤付き保護基材118を作り、有機EL素子1〜6が配置された固定用基材102に貼り合わせても良い。
有機EL素子1〜6が配置された固定用基材102と保護基材118との貼り合わせには、ロールラミネートやダイヤフラム式の真空ラミネートが挙げられ、密着力の確保やボイドを抑制するため、真空下での貼り合わせが好ましい。
上記のようにして得られた有機ELパネル100は、設置対象物の曲面形状等に合わせて変形(湾曲)させた後、熱あるいは光照射によって有機ELパネル1〜6を2次硬化することにより、完全に封止される。
以上の本実施形態によれば、有機EL素子1は、曲面形状等を有する設置対象物に、1次硬化後、変形させて設置した後、2次硬化により完全に硬化(封止)するから、屈曲等のテンションによる素子端部の剥がれを防止することができる。すなわち、有機EL素子1を変形しても素子性能を低下させることがなく、さまざまな形状の設置対象物への設置が可能となる。
また、上記封止方法は、大型化した有機EL素子1や複数の有機EL素子1からなる有機ELパネル100についても適用可能であり、運搬等の際、その取り扱いを簡便にすることができる。
以下、実施例を挙げて本発明を具体的に説明するが、本発明はこれらに限定されない。
《有機EL素子のサンプルの作製》
(1)サンプル1−1の作製
透明素子基板として、厚さ100μm、幅150mm、長さ500mのポリエチレンテレフタレートフィルム(PETフィルム)にガスバリア膜を形成したもの(特開2007−83644号の実施例1に記載の方法で形成した)を準備し、5×10−1Paの真空環境条件で厚さ120nmのITO(インジウムチンオキシド)をスパッタリング法により、マスクパターン成膜を行い、引き出し部を帯状の基板の巾手方向の両端側に有する10mm×10mmの大きさの陽極を一定間隔に連続的に形成し、巻き取った。
このITOパターン付き基板元巻きを、連続真空成膜装置(図3参照)の繰り出し側(元巻きロール)に取り付け、第1成膜室で、各材料を入れた蒸着用ボートから、α−NPD(40nm)、CBP(共蒸着成分としてIr(ppy)を6%含有)(35nm)、BAlq(5nm)、Alq(40nm)、フッ化リチウム(0.5nm)を蒸着した。
Figure 2014026853
さらに、第2成膜室で、アルミニウムを110nm蒸着した後、第3成膜室でスパッタリングにて窒化ケイ素(SiN)200nmを成膜した。
その後ラミネート室において、封止樹脂(熱硬化性接着剤)が30μm塗布されているアルミ箔とPETのラミネートフィルム(アルミ箔厚み30μm、PET厚み50μm)を用いてドライ窒素雰囲気下でラミネートし、加熱して1次硬化(80℃,15分)を行なった後に巻き取って有機EL素子の連続体の元巻きを形成した。
有機EL素子の連続体となる元巻きを別工程で所定のサイズにカットすることで、150mm×150mmの可撓性のある有機EL素子を作製した。
得られた有機EL素子を直径400mmの円柱部材の表面に発光面を外側に向けて保持し、ヒータにて表面から素子を加熱して2次硬化(100℃,30分間)を行い、有機EL素子のサンプル1−1を得た。
なお、1次硬化および2次硬化における封止接着剤の反応率(初期反応熱量に対する1次硬化、または2次硬化後の反応熱量)は表1のようになった。反応熱量は、示差走査熱量測定(DSC)にて測定した。
(2)サンプル1−2の作製
サンプル1−1の作製において、素子基板をバリアフィルムから薄膜ガラス(100μm)に変更した以外は同様にして、サンプル1−2を作製した。
(3)サンプル1−3の作製
サンプル1−2の作製において、接着剤を紫外線硬化性に変更した以外は同様にして、サンプル1−3を作製した。
(4)サンプル1−4の作製
サンプル1−1の作製において、1次硬化後、素子をバリア包装にて密封し、再び開封して素子を曲面設置した後、2次硬化した以外は同様にして、サンプル1−4を作製した。
(5)サンプル1−5の作製
サンプル1−1の作製において、封止時に熱硬化性接着剤の周囲に感圧性接着剤を設置した以外は同様にして、サンプル1−5を作製した。
(6)サンプル1−6〜1−9の作製
サンプル1−1の作製において、1次硬化、2次硬化における反応率を表1に記載のとおりに変更した以外は同様にして、サンプル1−6〜1−9を作製した。
(7)サンプル1−10の作製
サンプル1−1の作製において、曲面設置後、2次硬化をしなかった以外は同様にして、サンプル1−10を作製した。
(8)サンプル1−11の作製
サンプル1−1の作製において、封止ラミネート後の1次硬化で2次硬化分までの加熱(100℃,30分間)を行い(反応率80%)、2次硬化を行わなかった以外は同様にして、サンプル1−11を作製した。
(9)サンプル1−12の作製
サンプル1−1の作製において、封止ラミネート後の1次硬化の加熱をせず、設置後の2次硬化(反応率80%)のみを行った以外は同様にして、サンプル1−12を作製した。
(10)サンプル1−13の作製
サンプル1−1の作製において、1次硬化後、素子をバリア包装にて密封し、再び開封して素子を曲面設置した後、2次硬化しなかった以外は同様にして、サンプル1−13を作製した。
《有機EL素子の特性評価》
(1)ダークスポット発生率
各サンプル1−1〜1−13に対して、次の条件で環境試験を行った。
上記方法で得られた直径400mmの円柱部材に設置した有機EL素子をその形状に保持した状態で、85℃85%RHで80分間保持、その後90分かけて温度を−40℃まで低下(湿度成り行き)させ、−40℃で80分間保持、その後90分かけて温度を85℃まで上昇(湿度85%RH)し、80分間保持というサイクルを100サイクル繰り返した。その後、この素子を定電圧電源を用いて点灯し、ダークスポット(非発光部)面積の発生割合(発生率:初期DS発生率)を調べた。
なお、ダークスポット発生率は、有機EL素子の発光面を撮影し、その画像データに対して所定の画像処理を施すことにより求めた。
測定したダークスポット発生率を、下記の5段階の判断基準に基づいて判別し、有機EL素子の発光性能を評価した。
評価結果を表1に示す。
1:ダークスポット発生率が0%(ダークスポットの発生が全くない)
2:ダークスポット発生率が0%より大きく5%未満
3:ダークスポット発生率が5%以上8%未満
4:ダークスポット発生率が8%以上10%未満
5:ダークスポット発生率が10%以上
Figure 2014026853
(2)まとめ
表1に示すとおり、本発明のサンプル1−1〜1−9は、比較例のサンプル1−10〜1−13と比較して、ダークスポットの発生を抑制していることがわかる。
以上から、封止接着剤層の硬化を、1次硬化工程と2次硬化工程に分割して硬化させることで、外部環境により劣化しやすい状況に置かれた場合であっても、発光性能の劣化を抑制するのに有用であることがわかる。
《有機ELパネルのサンプルの作製》
(1)サンプル2−1の作製
固定用基板として、厚さ100μm、大きさ350mm×500mmのポリエチレンテレフタレートフィルム(PETフィルム)にガスバリア膜を形成したもの(特開2007−83644号の実施例1に記載の方法で形成した)を準備し、固定用基板上に6個の有機EL素子のサンプル1−1をタイリングし、感圧接着剤を用いた粘着テープで固定した。なお、サンプル1−1として、1次硬化(80℃,15分間)のみ行ったものを用い、1次硬化は、反応率が10%となる条件で実施した。
端子部材として、直列接続方式のFPCを作成し、有機EL素子の各取り出し電極にACF(日立化成MF―331)で熱圧着により固定した。
保護材として、大きさ350mm×500mmの封止樹脂(硬化接着剤)が400μm塗布されているアルミ箔とPETのラミネートフィルム(アルミ箔厚み30μm、PET厚み50μm)を準備し、有機EL素子が配置された固定用基板上に固定した後、ダイヤフラム式の真空ラミネートで貼り合わせ、可撓性の有機ELパネルを作製した。
得られた有機ELパネルを直径400mmの円柱部材の表面に発光面を外側に向けて保持し、ヒータにて表面から素子を加熱して2次硬化(100℃,30分間)を行い、有機ELパネルのサンプル2−1を得た。
なお、2次硬化は封止接着剤の反応率が80%となる条件で実施した。
(2)サンプル2−2の作製
サンプル2−1の作製において、サンプル1−1の封止ラミネート後の1次硬化で2次硬化分までの加熱(100℃,30分間)を行い(反応率80%)、2次硬化を行わなかった以外は同様にして、サンプル2−2を作製した。
(3)サンプル2−3の作製
サンプル2−1の作製において、サンプル1−1の封止ラミネート後の1次硬化の加熱をせず、設置後の2次硬化(反応率80%)のみを行った以外は同様にして、サンプル2−3を作製した。
《有機ELパネルの特性評価》
実施例1と同様にして、サンプル2−1〜2−3の環境試験(ダークスポット発生率の測定)を行い、同様の判断基準にて有機ELパネルの発光性能を評価した。
評価結果を表2に示す。
Figure 2014026853
表2に示すとおり、本発明のサンプル2−1は、比較例のサンプル2−2,2−3と比較して、ダークスポットの発生を抑制していることがわかる。
以上から、有機EL素子の封止接着剤層の硬化を、1次硬化工程と2次硬化工程に分割して硬化させる封止方法は、有機ELパネルにおいても有用であることがわかる。
1 有機EL素子
10 有機EL素子本体部
11 素子基板
12 陽極
13 有機化合物層
14 陰極
15 無機膜
16 無機絶縁膜
20,22 接着剤層
30 封止基材
40 連続真空成膜装置
42,56,58 元巻きロール
44 スリットロール
46,50,52 蒸着用ボート
54 アキュームロール
60〜86 ガイドロール
100 有機ELパネル
102 固定用基板
104 接着層
106,108,110,114 端子部材
112 導電性接着剤
116 保護樹脂
118 保護基材
120 接着剤
R10 減圧室
R12 前室
R14 アキューム室
R20 真空成膜室
R21 前室
R22 第1成膜室
R23 アキュームレータ室
R24 第2成膜室
R25 前室
R30 真空成膜室
R32 前室
R34 第3成膜室
R36 前室
R40 圧力調整室
R50 ラミネート室
R60 巻き取り室
A,B ゲートスリット
C,D ゲートバルブ
E ゲート
S 切断線
X 左右方向
Y 前後方向

Claims (5)

  1. 可撓性素子基板上に、対となる電極と、該電極間に少なくとも1層の発光層を有する有機化合物層を有し、さらに接着剤層と可撓性封止基材とを有する有機エレクトロルミネッセンス素子の封止方法であって、
    前記接着剤層を硬化する1次硬化工程と、
    前記有機エレクトロルミネッセンス素子を変形させる工程と、
    前記有機エレクトロルミネッセンス素子を変形させた状態で、前記接着剤層を硬化する2次硬化工程と、
    を有することを特徴とする有機エレクトロルミネッセンス素子の封止方法。
  2. 請求項1に記載の有機エレクトロルミネッセンス素子の封止方法において、
    前記接着剤層の構成材料が、熱硬化性接着剤または紫外線硬化性接着剤であることを特徴とする有機エレクトロルミネッセンス素子の封止方法。
  3. 請求項1または2に記載の有機エレクトロルミネッセンス素子の封止方法において、
    前記1次硬化工程後に、前記有機エレクトロルミネッセンス素子を密封包装し、変形させる前に、開封することを特徴とする有機エレクトロルミネッセンス素子の封止方法。
  4. 請求項1〜3のいずれか一項に記載の有機エレクトロルミネッセンス素子の封止方法において、
    前記接着剤層の周辺部に感圧性接着剤からなる接着剤層を配置することを特徴とする有機エレクトロルミネッセンス素子の封止方法。
  5. 可撓性素子基板上に、対となる電極と、該電極間に少なくとも1層の発光層を有する有機化合物層を有し、さらに接着剤層と可撓性封止基材とを有する有機エレクトロルミネッセンス素子が複数配列された有機エレクトロルミネッセンスパネルの封止方法であって、
    前記接着剤層を硬化する1次硬化工程と、
    前記有機エレクトロルミネッセンス素子を複数配列して有機エレクトロルミネッセンスパネルを形成する工程と、
    前記有機エレクトロルミネッセンスパネルを変形させる工程と、
    前記有機エレクトロルミネッセンスパネルを変形させた状態で、前記接着剤層を硬化する2次硬化工程と、
    を有することを特徴とする有機エレクトロルミネッセンスパネルの封止方法。
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