JP2014025848A - スラグの溶出試験方法、並びに溶出量測定方法 - Google Patents

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Abstract

【課題】公定法において定められている方法により得られたスラグ溶出液中の所定金属の溶出量を、短時間で且つ簡易な方法により測定し、規制基準に合致するか否かを容易に判定することができる方法を提供する。
【解決手段】少なくとも鉛を含有するスラグの溶出試験方法であって、濃度既知の鉛を含有する複数のスラグを標準試料とし、所定の方法により標準試料から鉛を含む金属を溶出させて得られた標準溶出液の光透過率と標準溶出液中の鉛濃度との関係を示す検量線を予め作成し、試験対象となる濃度未知の鉛を含有するスラグから、所定の方法により鉛を含む金属を溶出させて試験対象溶出液を得て、その試験対象溶出液の光透過率を測定し、作成した検量線を用いて、測定した光透過率から試験対象溶出液中の鉛の溶出量を算出し、その溶出量が所定の基準値以下であるか否かを判定する。
【選択図】 図1

Description

本発明は、スラグの溶出試験方法、並びに溶出量測定方法に関し、より詳しくは、スラグに含まれる鉛の溶出量が所定の基準に合致するか否かを簡易に判定することを可能にするスラグの溶出試験方法、並びにその方法において用いられる溶出量測定方法に関する。
乾式製錬では、鉱石をメタルとスラグに熔融分離する処理が行われる。この熔融分離では、主としてメタル中に目的金属を、スラグ中に不要物金属を分配させ、メタルをさらに処理することによって目的金属の純度を上げていくのが一般的である。したがって、スラグに含まれる金属としては、目的金属以外の不要物金属の比率が多いものの、目的金属が僅かに含まれている場合もある。
ところで、熔融分離して得られたスラグは、路盤材やケーソンの中詰め材、サンドブラスト材等に利用されるが、産業廃棄物として埋め立て処理する際には、法定(公定)の溶出試験を実施し、所定の規制基準に適合しなければ、産業廃棄物業者に受け入れてもらうことができない。
法定の溶出試験とは、昭和48年環境庁告示第13号(以下、「公定法」という場合がある。)によって定められた産業廃棄物に係る溶出試験のことで、鉛等の規制されている金属について、定められた基準に適合するか否かを判定するための試験である。
スラグの溶出試験の概要は次の通りで、試験に長時間を要することが知られている。
すなわち、公定法は、スラグを、10倍の重量の常温水に浸漬して6時間の連続振とうを行うことにより、可溶出成分(例えば、鉛、六価クロム、カドミウム、砒素、セレン、フッ素、ホウ素等)を溶出させた溶出液(浸出液)を得て、ICP法等によって目的成分の濃度を測定するというものである。この公定法で用いられるICP法は、液体中の目的成分を測定するために有効な方法であるが、1成分につき30分程度の時間を要し、検量線作成等の経験を積んだ分析作業員でなければ測定できないという問題があり、より簡便で、測定時間を短縮することが可能な方法が望まれている。
特許文献1には、溶出試験を短時間で行う方法として、公定法が「常温水」を使って浸出液を得るところを「温湯」で代用して溶出時間を1時間以内に短縮する方法が開示されている。しかしながら、この方法は、時間短縮には有効な方法であるものの、浸出液は公定法によって得られたものではないため、上述した問題点を解決するための方法としては適用することができない。
特開2011−226811号公報
本発明は、このような状況を解決するためになされたものであり、公定法において規定されている方法によって得られたスラグの溶出液中の金属の溶出量、特に鉛の溶出量を、短時間で且つ簡易な方法により測定し、所定の基準に合致するか否かを容易に判定することができるスラグの溶出試験方法、並びにその方法において用いられる溶出量測定方法を提供する。
本発明者らは、上述した目的を達成するために鋭意検討を重ねた結果、公定法に基づいて得られたスラグ浸出液中の鉛濃度(溶出量)と、その浸出液の濁りに着目し、それらには相関関係があることを見出し、本発明を完成させた。
すなわち、本発明に係るスラグの溶出試験方法は、少なくとも鉛を含有するスラグの溶出試験方法であって、濃度既知の鉛を含有する複数のスラグを標準試料とし、所定の方法により該標準試料から該鉛を含む金属を溶出させて得られた標準溶出液の光透過率と該標準溶出液中の鉛濃度との関係を示す検量線を予め作成する検量線作成工程と、試験対象となる濃度未知の鉛を含有するスラグから、上記所定の方法により該鉛を含む金属を溶出させて試験対象溶出液を得る溶出液生成工程と、上記試験対象溶出液の光透過率を測定する光透過率測定工程と、上記検量線作成工程にて作成した検量線を用いて、上記光透過率測定工程にて測定した光透過率から上記試験対象溶出液中の鉛の溶出量を算出する溶出量算出工程と、上記鉛の溶出量が所定の基準値以下であるか否かを判定する判定工程とを有することを特徴とする。
ここで、上記標準溶出液及び上記試験対象溶出液は、スラグを常温水に浸漬して連続振とうする溶出方法により得ることができる。
また、上記溶出液生成工程にて得られた溶出液をろ過してスラグ微細粒子を除去するろ過工程を更に有することが好ましい。さらに、そのろ過工程では、上記溶出液中に含まれる100μm以下のスラグ微細粒子を除去することが好ましい。またさらに、ろ過工程では、アスピレーターを用いて吸引ろ過することが好ましい。
また、本発明に係る溶出量測定方法は、少なくとも鉛を含有するスラグから所定の方法により該鉛を含む金属を溶出させて得られた溶出液中の該鉛の溶出量の測定する溶出量測定方法であって、濃度既知の鉛を含有する複数のスラグを標準試料とし、上記所定の方法により該標準試料から該鉛を含む金属を溶出させて得られた標準溶出液の光透過率と該標準溶出液中の鉛濃度との関係を示す検量線を予め作成する検量線作成工程と、試験対象となる濃度未知の鉛を含有するスラグから上記所定の方法により得られた試験対象溶出液の光透過率を測定する光透過率測定工程と、上記検量線作成工程にて作成した検量線を用いて、上記光透過率測定工程にて測定した光透過率から上記試験対象溶出液中の鉛の溶出量を算出する溶出量算出工程とを有することを特徴とする。
本発明によれば、少なくとも鉛を含有するスラグから得られた溶出液中の鉛の溶出量を、短時間で且つ簡易な方法により測定することができ、所定の溶出規制基準に合致するか否かを容易に判定することが可能となる。
スラグの溶出試験方法の流れを示すフローチャートである。 溶出液中の鉛濃度と溶出液の光透過率の関係を示すグラフ(検量線)である。
以下、本発明に係るスラグの溶出試験方法、並びにその方法において用いられる溶出量測定方法についての具体的な実施形態について、図面を参照しながら以下の順序で詳細に説明する。なお、本発明は、以下の実施の形態に限定されるものではなく、本発明の要旨を逸脱しない範囲で種々の変更が可能である。
1.概要
2.スラグの溶出試験方法
3.実施例
≪1.概要≫
本実施の形態に係るスラグの溶出試験方法は、乾式製錬等によって得られたスラグから金属を溶出して得られた溶出液中の金属の溶出量(濃度)が所定の規制基準に適合するか否かを判定する試験方法であり、特にスラグに含まれる鉛の溶出量を短時間で且つ簡易な方法により測定して、規制基準に適合するか否かを容易に判定可能にする方法である。
具体的に、この溶出試験方法は、先ず、濃度既知の鉛を含有する複数のスラグを標準試料とし、その標準試料から鉛を含む金属を溶出させて得られた標準溶出液の光透過率と標準溶出液中の鉛濃度との関係を示す検量線を予め作成する。次に、試験対象となる濃度未知の鉛を含有するスラグから、その鉛を含む金属を溶出させて試験対象溶出液を得て、得られた試験対象溶出液の光透過率を測定する。そして、作成した検量線を用いて、試験対象溶出液の光透過率の測定結果からその試験対象溶出液中の鉛の溶出量を算出し、算出した鉛の溶出量が所定の基準値以下であるか否かを判定する。
ここで、溶出液を生成させるにあたっては、対象のスラグを常温水に浸漬して連続振とうする方法によって生成させることができ、JIS K0058−1等で定められている公定の溶出試験方法における溶出方法と同様の方法を用いることができる。
従来、スラグからの金属の溶出量を測定するための溶出試験方法として、上述したJIS K0058−1等で定められている公定法が用いられてきた。この公定法は、先ず、スラグを10倍の重量の常温水に浸漬して6時間の連続振とうを行うことにより、可溶出成分(例えば、鉛、六価クロム、カドミウム、砒素、セレン、フッ素、ホウ素等)を溶出させ、次に、得られた溶出液中の目的成分の濃度をICP法によって算出して溶出量として、その溶出量が所定の規制基準に適合するか否かを判定するという方法である。
しかしながら、この公定法におけるICP法による目的成分の濃度測定では、1成分につき30分程度の時間を要し、また検量線作成等に関して経験を積んだ分析作業員でなければ正確に測定できないという問題がある。
これに対して、本実施の形態に係るスラグの溶出試験方法では、スラグ中の鉛に関して、上述した公定法における溶出方法に基づいて得られた溶出液の光透過率を測定するだけで、その光透過率と鉛濃度との関係を示した検量線に基づき、容易に鉛の溶出量を算出することができる。これにより、これまでの公定法に比べて、極めて短時間で且つ簡易な方法で鉛の溶出量を算出することができ、その溶出量が所定の規制基準に合致するか否かの判定を効率的に行うことができる。また、この方法によれば、試験を行う者の経験等に依らずに、溶出量を正確に測定することができる。
≪2.スラグの溶出試験方法≫
以下では、より詳細に、本実施の形態に係るスラグの溶出試験方法について、図1に示すフローチャート図に基づいて順に説明する。
(1)検量線作成工程
先ず、ステップS1では、複数の濃度既知のスラグを標準試料として、所定の方法によりその標準試料から得られた溶出液(標準溶出液)の光透過率とその溶出液中の鉛濃度との関係を示す検量線を予め作成する。
上述したように、スラグに含有される鉛を含む金属を溶出させた溶出液は、JIS K0058−1等で定められている試験方法における溶出方法により得ることができる。より具体的には、試験対象となるスラグを、そのスラグの重量に対して10倍量に相当する常温水に浸漬し、次に、スラグを浸漬させた状態で6時間の連続振とう処理を行うことにより、スラグに含まれている鉛を含む金属を溶出させる。
ここで、本発明者らは、公定法により得られた溶出液中の鉛濃度と、その溶出液の濁りに着目した。より詳しくは、スラグの中でも特に水砕スラグと呼ばれるものには、微細な粒子が比較的多く含まれており、一般的なろ過を施しても溶出液中の微細粒子は完全に除去することができず、その溶出液は白濁した状態となっている。
溶出液中に鉛が溶出しているだけであれば、その溶出液は白濁することはないが、溶出液中に存在する微細粒子の影響によって光が散乱され、白濁して見える。公定法による溶出試験では、鉛単体で溶出しているものだけではなく、溶出液に含まれる微細粒子中の鉛も合算した全濃度を測定することが一般的である。その微細粒子を含め、溶出液中のスラグ粒子の全てをろ過等によって完全に除去する方法も考えられるが、これには従来のICP法による測定時間よりもさらに多大な時間が掛かる。
さて、溶出液の白濁に関して、視認可能な程度にまで白濁している場合には、既にその溶出液中の鉛濃度が規制基準(0.3mg/L)の100倍程度の高い濃度となっていることが知られており、分析値を得ることは困難と考えられてきた。しかしながら、本発明者は、様々な操業条件で作成された多数のスラグを化学分析し、鉛含有率が3mg/L未満のサンプルを準備し、これを標準試料と考えて公定法に基づき溶出液(標準溶出液)を得たところ、得られた溶出液の光の透過度とその浸出液中の全鉛濃度との間に相関関係を見出した。
図2は、上述した鉛濃度既知の標準試料から得られた標準溶出液中の鉛濃度とその標準溶出液の光透過率の関係を示すものであり、各プロットの2次近似曲線のグラフ図である。この図2のグラフに示されるように、標準溶出液中の鉛濃度とその光透過率との間には相関関係がある。
したがって、ステップS1では、この相関関係のグラフを検量線として用いるために、上述した濃度既知の複数のスラグを標準試料として用いて当該検量線を予め作成しておくことによって、後述する工程にて測定した試験対象の溶出液の光透過率から、容易に鉛の溶出量(濃度)を算出することを可能にする。
(2)溶出液生成工程
次に、ステップS2では、実際の試験対象となるスラグ、すなわち濃度未知の鉛を含有するスラグから、所定の方法に基づいて鉛を含む金属を溶出させて溶出液(試験対象溶出液)を得る。
より具体的に、このステップS2では、ステップS1において検量線を作成するための標準溶出液と同様に、試験対象となるスラグを常温水に浸漬して連続振とうすることによって試験対象溶出液を得ることができる。
(3)ろ過工程
次に、ステップS3においては、ステップS2にて得られた試験対象溶出液をろ過することによってスラグ微細粒子を除去する。
上述のように、溶出液中の鉛濃度とその溶出液の光透過率との間には相関関係がある。しかしながら、溶出液中に所定の粒度以下の微細粒子が混入している場合には、その微細粒子が溶出液の光の透過度に影響を与える場合があり、後述する光透過率の測定が不安定になる場合がある。
したがって、得られた試験対象溶出液中に所定の粒度以下のスラグ微細粒子が含まれている場合には、その試験対象溶出液をろ過することによって微細粒子を除去することが好ましい。なお、得られた試験対象溶出液の全てを対象にして、一律に当該ろ過処理を行うようにしてもよい。
ろ過方法としては、特に限定されないが、アスピレーターを用いて吸引ろ過することが好ましい。アスピレーターを用いた吸引ろ過によれば、所定の微細粒子のみを効率的に除去することができる。また、短時間での処理でろ過することができ、ろ過時間を必要最低限に抑えて効率的に試験を行うことを可能にする。
また、ろ過除去する微細粒子の粒径としては、特に限定されないが、100μm以下のものを除去することが好ましい。100μmより大きい粒子を除去した場合、すなわちろ過条件を厳しくした場合には、そのろ過時間が長くなって効率的に試験を実施することができない可能性がある。一方で、基準の粒径値をより微細な条件とした場合、すなわちろ過条件を緩くした場合には、浮遊する微細粒子の数が多くなり溶出液の光透過率の測定結果が不安定になる可能性がある。
なお、その他のろ過条件については、試験対象となるスラグの粒度分布や、ろ過後に浸出液中に残留する微細粒子による光透過率の測定結果等に基づいて、適切なろ過条件を適宜設定することができる。
(4)光透過率測定工程
次に、ステップS4では、試験対象溶出液の光の透過率を測定する。
光透過率の測定方法としては、特に限定されず周知の如何なる方法を用いてもよいが、例えば固体分光分析装置等を用いた分析を行うことによって、分析経験等に依らずに容易に測定することができる。また、光の遮蔽の程度を測定することによって実質的に同様の光透過度の測定を行うことが可能な濁度計を用いた方法を採用することもできる。
(5)溶出量算出工程
次に、ステップS5では、ステップS1にて作成した検量線に基づいて、ステップS4にて測定した試験対象溶出液の光透過率からその溶出液中の鉛の溶出量を算出する。
例えば、得られた試験対象溶出液の光透過率が77%であった場合、図2に示した検量線に基づいて鉛濃度を算出すると、0.3mg/Lとなる。したがって、この結果から、試験対象溶出液中には0.3mg/Lの鉛が溶出していると判断することができる。このように、試験対象溶出液の光透過率を測定するだけで、ステップS1にて予め作成した検量線を用いて、容易に鉛の溶出量を算出することができる。
具体的に、従来の公定法におけるICP法による濃度測定では、1成分の測定に30分程度の時間を要していたのに対して、上述した溶出量測定方法によれば、およそ2分程度の極めて短い時間で鉛の溶出量を算出することができる。しかも、このような方法によれば、簡便に且つ試験実施者の経験等に依らずに汎用性高く正確に測定することができる。
(6)判定工程
次に、ステップS6では、ステップS5にて算出した試験対象浸出液中の鉛の溶出量が、所定の溶出規制の基準値以下であるか否かを判定する。
以上、詳細に説明したように、本実施の形態に係るスラグの溶出試験方法では、試験対象となるスラグの溶出液(試験対象溶出液)の光透過率を測定する。そして、鉛濃度既知のスラグ(標準試料)に基づいて予め作成した、溶出液の光透過率とその溶出液中の鉛濃度との関係を示す検量線から、測定した光透過率の結果に基づいて試験対象溶出液中の鉛の溶出量を算出する。
このような方法によれば、従来の公定法に基づく溶出試験方法、すなわち、スラグの溶出液をICP法に基づいて分析することで濃度測定を行う方法に比べて、極めて短時間で且つ簡易な処理により、正確に溶出量を測定することができる。これにより、所定の規制基準に合致するか否かを簡易に判定することができ、スラグの溶出試験を効率的に実施することが可能となる。
≪3.実施例≫
以下、本発明を適用した具体的な実施例と比較例について説明するが、本発明は、これらの実施例や比較例に限定されるものではない。
[実施例1]
先ず、鉛濃度が0、0.1、0.25、0.3、0.5mg/Lである5種類のスラグを標準試料とし、各スラグ50gをそれぞれ500gの常温水に浸漬し、6時間の振とう浸出を行うことによって5種類の浸出液(標準浸出液)を得た。そして、得られた各標準浸出液の光透過率を分光光度計(島津製作所:UVmini‐1240)を用いて測定し、標準浸出液の鉛濃度と光透過率との関係を示す検量線を予め作成した。下記表1が各標準浸出液の光透過率の測定結果をまとめたものであり、図2のグラフがその測定結果の各プロットを2次近似曲線で結んで得られた検量線である。
Figure 2014025848
次に、粒度が100μm以下の微細粒子を含み、濃度未知の鉛を含有するスラグ50g(試験対象スラグ)を用意し、そのスラグを500gの常温水に浸漬して6時間の振とう浸出を行うことによって浸出液(試験対象浸出液)を得た。
続いて、得られた試験対象浸出液をアスピレーター(ろ紙として、孔径1μm、直径90mmのガラス繊維ろ紙(GFP)(GA−100 アドバンテック東洋(株)製)を使用)を用いて吸引ろ過し、100μm以下の微細粒子を除去した。
次に、ろ過処理後の試験対象浸出液の光透過率を分光光度計(島津製作所:UVmini‐1240)を用いて測定した。測定の結果、光透過率は84%であった。
そして、予め準備しておいた検量線(図2)を用いて、光透過率の測定結果に基づき鉛濃度(溶出量)を求めたところ、0.1mg/Lであった。後述する比較例1(従来例)でのICP分析での濃度測定と同じ結果となった。
試験対象浸出液を得て、その浸出液をろ過し、測定した浸出液の光透過率に基づいて鉛の溶出量を算出するまでに要した時間は、約2分だった。
[比較例1(従来例)]
実施例1で使用したものと同じスラグ50g(試験対象スラグ)を用意し、実施例1と同様にして連続振とう処理して浸出液(試験対象浸出液)を得た後、ICP法により鉛濃度を測定した。すなわち、従来の公定の溶出試験方法に基づいて鉛濃度を測定した。その結果、試験対象浸出液中の鉛の濃度(溶出量)は、0.1mg/Lであった。
試験対象浸出液を得て、鉛濃度を測定するまでに要した時間は、約30分だった。実施例1における測定に要した時間の15倍もの長い時間が掛かってしまった。

Claims (6)

  1. 少なくとも鉛を含有するスラグの溶出試験方法であって、
    濃度既知の鉛を含有する複数のスラグを標準試料とし、所定の方法により該標準試料から該鉛を含む金属を溶出させて得られた標準溶出液の光透過率と該標準溶出液中の鉛濃度との関係を示す検量線を予め作成する検量線作成工程と、
    試験対象となる濃度未知の鉛を含有するスラグから、上記所定の方法により該鉛を含む金属を溶出させて試験対象溶出液を得る溶出液生成工程と、
    上記試験対象溶出液の光透過率を測定する光透過率測定工程と、
    上記検量線作成工程にて作成した検量線を用いて、上記光透過率測定工程にて測定した光透過率から上記試験対象溶出液中の鉛の溶出量を算出する溶出量算出工程と、
    上記鉛の溶出量が所定の基準値以下であるか否かを判定する判定工程と
    を有することを特徴とするスラグの溶出試験方法。
  2. 上記標準溶出液及び上記試験対象溶出液は、スラグを常温水に浸漬して連続振とうする溶出方法により得られることを特徴とする請求項1に記載のスラグの溶出試験方法。
  3. 上記溶出液生成工程にて得られた溶出液をろ過してスラグ微細粒子を除去するろ過工程を更に有することを特徴とする請求項1又は2に記載のスラグの溶出試験方法。
  4. 上記ろ過工程では、上記溶出液中に含まれる100μm以下のスラグ微細粒子を除去することを特徴とする請求項3に記載のスラグの溶出試験方法。
  5. 上記ろ過工程では、アスピレーターを用いて吸引ろ過することを特徴とする請求項3又は4に記載のスラグの溶出試験方法。
  6. 少なくとも鉛を含有するスラグから所定の方法により該鉛を含む金属を溶出させて得られた溶出液中の該鉛の溶出量の測定する溶出量測定方法であって、
    濃度既知の鉛を含有する複数のスラグを標準試料とし、上記所定の方法により該標準試料から該鉛を含む金属を溶出させて得られた標準溶出液の光透過率と該標準溶出液中の鉛濃度との関係を示す検量線を予め作成する検量線作成工程と、
    試験対象となる濃度未知の鉛を含有するスラグから上記所定の方法により得られた試験対象溶出液の光透過率を測定する光透過率測定工程と、
    上記検量線作成工程にて作成した検量線を用いて、上記光透過率測定工程にて測定した光透過率から上記試験対象溶出液中の鉛の溶出量を算出する溶出量算出工程と
    を有することを特徴とする溶出量測定方法。
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