JP2014025409A - 車両用動力伝達系の制御装置 - Google Patents

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Abstract

【課題】車両に搭載される原動機の回転駆動力で駆動されて作動油を自動変速機に供給する油圧ポンプからの作動油のリークを考慮することでアイドリングストップ後の車両の発進性の低下を防止する車両用動力伝達系の制御装置を提供する。
【解決手段】リザーバから吸込口を介して吸込まれた作動油を加圧した油圧を吐出口から吐出して自動変速機に供給する油圧ポンプと、所定の条件が成立したときに原動機(エンジン)をアイドリングストップ(I/S)継続時間停止させ(S104、S106)、エンジンのクランク角度を検出し(S110)、クランク角度に対して設定される油圧ポンプの吐出口と吸込口の間の作動油の連通度合いを示す特性に基づいて作動油のリーク量を推定(算出)し(S112)、それに基づいてI/S継続時間を設定すると共に(S114)、所定の時点で作動油のリーク量を測定して上記特性を設定する。
【選択図】図11

Description

この発明は車両用動力伝達系の制御装置に関し、より具体的には車両用動力伝達系においてアイドリングストップ後の車両の発進性を向上させるようにした制御装置に関する。
近時、交差点の赤信号での停止時などに所定の条件が成立すれば車両に搭載されるエンジン(原動機)を停止させるアイドリングストップ制御が提案されており、その例として特許文献1記載の技術を挙げることができる。
特許文献1記載の技術は、ベルト式無段変速機を備える構成において、油温によってアイドリングストップ継続時間を設定することで、プーリ供給油圧のリークによる車両の発進性の低下を防止している。
特開2010−230132号公報
特許文献1記載の技術にあっては上記のように構成することで車両の発進性の低下を防止しているが、アイドリングストップ後の車両の発進性の低下は、油温による粘性の変化の他、油圧ポンプの機械的な特性の影響も免れない。
即ち、原動機によって駆動される油圧ポンプが停止されるとき、油圧ポンプの吐出口と吸込口の間を作動油は逆流してリークするが、上記した従来技術は油圧ポンプの作動油のリークについて何等考慮するものではなかった。
従って、この発明の目的は上記した不都合を解消し、車両に搭載される原動機の回転駆動力で駆動されて作動油を自動変速機の構成要素に供給する油圧ポンプからの作動油のリークを考慮することでアイドリングストップ後の車両の発進性の低下を防止するようにした車両用動力伝達系の制御装置を提供することにある。
上記の目的を達成するために、請求項1にあっては、車両に搭載される原動機の回転駆動力を車輪に伝達する自動変速機と、前記原動機の回転駆動力で駆動され、リザーバから吸込口を介して吸込まれた作動油を加圧して得た油圧を吐出口から吐出して前記自動変速機の構成要素に供給する油圧ポンプと、所定の条件が成立したときに前記原動機をアイドリングストップ継続時間停止させるアイドリングストップ制御手段とを備えた車両用動力伝達系の制御装置において、前記原動機のクランク角度を検出するクランク角度検出手段と、前記原動機のクランク角度に対して設定される前記油圧ポンプの吐出口と吸込口の間の作動油の連通度合いを示す特性を前記検出されたクランク角度から検索して前記作動油のリーク量を算出するリーク量算出手段と、前記算出された作動油のリーク量に基づいて前記アイドリングストップ継続時間を設定するアイドリングストップ継続時間設定手段とを備えると共に、所定の時点で前記車両について前記作動油のリーク量を測定し、前記測定された作動油のリーク量に基づいて前記特性を設定する特性設定手段とを備える如く構成した。
請求項2に係る車両用動力伝達系の制御装置にあっては、前記特性設定手段は、前記作動油のリーク量を複数回測定し、前記複数回測定された作動油のリーク量に基づいて前記特性を設定する如く構成した。
請求項3に係る車両用動力伝達系の制御装置にあっては、前記アイドリングストップ継続時間設定手段は、前記特性のずれが生じた可能性があると判断されるとき、前記アイドリングストップ継続時間を一定時間に設定すると共に、前記特性設定手段に前記特性を設定し直させる如く構成した。
請求項4に係る車両用動力伝達系の制御装置にあっては、前記作動油の温度を検出する油温検出手段を備え、前記アイドリングストップ継続時間設定手段は、前記検出された作動油の温度に基づいて前記アイドリングストップ継続時間を設定する如く構成した。
請求項5に係る車両用動力伝達系の制御装置にあっては、前記アイドリングストップ継続時間設定手段は、前記算出された作動油のリーク量が多く、前記検出された作動油の温度が高いほど、短くなるように前記アイドリングストップ継続時間を設定する如く構成した。
請求項6に係る車両用動力伝達系の制御装置にあっては、前記油圧ポンプがn歯のロータを有するギヤポンプからなり、前記油圧ポンプの吐出口と吸込口の間の連通度合いを示す特性が前記n歯のロータのクランク角度に対する回転特性であると共に、前記リーク量算出手段は、前記原動機のクランク角度を検出し、前記検出されたクランク角度から前記クランク角度に対して設定される前記油圧ポンプの吐出口と吸込口の間の作動油の連通度合いを示す特性に基づいて前記作動油のリーク量を算出する如く構成した。
請求項7に係る車両用動力伝達系の制御装置にあっては、前記所定の時点が前記車両の製造工場からの出荷時点である如く構成した。
請求項1にあっては、車両に搭載される原動機の回転駆動力で駆動され、リザーバから吸込口を介して吸込まれた作動油を加圧して得た油圧を吐出口から吐出して自動変速機の構成要素に供給する油圧ポンプと、所定の条件が成立したときに原動機をアイドリングストップ継続時間停止させるアイドリングストップ制御手段とを備えた車両用動力伝達系の制御装置において、原動機のクランク角度を検出し、検出されたクランク角度からそれに対して設定される油圧ポンプの吐出口と吸込口の間の作動油の連通度合いを示す特性に基づいて作動油のリーク量を算出し、油圧ポンプからの算出された作動油のリーク量に基づいてアイドリングストップ継続時間を設定するように構成したので、油圧ポンプからの作動油のリークを適正に考慮してアイドリングストップ継続時間を設定することができ、自動変速機への作動油の供給不足を回避することが可能となってアイドリングストップ後の車両の発進性の低下を防止することができる。
また、特性からリーク量を算出し、それからアイドリングストップ継続時間を設定することで、アイドリングストップ継続時間を簡易に設定することができる。
さらに、所定の時点、例えば車両の製造工場からの出荷時点で車両について作動油のリーク量を測定し、測定された作動油のリーク量に基づいて特性を設定することでアイドリングストップ継続時間を簡易かつ精度良く設定することができる。
また、所定の時点を例えば車両の製造工場からの出荷時点とすれば、車両の製造時点では油圧ポンプを駆動源に組み付けるだけで良いので、車両の生産性を上げることができる。
請求項2に係る車両用動力伝達系の制御装置にあっては、作動油のリーク量を複数回測定し、複数回測定された作動油のリーク量に基づいて特性を設定する如く構成したので、上記した効果に加え、複数のクランク角度に対してリーク量を測定することができ、よってアイドリングストップ継続時間を一層精度良く設定することができる。
請求項3に係る車両用動力伝達系の制御装置にあっては、特性のずれが生じた可能性があると判断されるとき、アイドリングストップ継続時間を一定時間に設定すると共に、特性を設定し直させる如く構成したので、上記した効果に加え、特性を設定し直させることでアイドリングストップ継続時間を一層精度良く設定できると共に、一定時間を例えばアイドリングストップ可能な最小時間に設定することで、自動変速機への作動油の供給不足を回避しつつ、アイドリングストップ後の車両の発進性の低下を防止でき、よって運転者に違和感を与えることがない。
請求項4に係る車両用動力伝達系の制御装置にあっては、作動油の温度を検出し、検出された作動油の温度に基づいてアイドリングストップ継続時間を設定する如く構成したので、アイドリングストップ継続時間を一層適正に設定することができ、自動変速機への作動油の供給不足を確実に回避することが可能となってアイドリングストップ後の車両の発進性の低下を確実に防止することができる。
請求項5に係る車両用動力伝達系の制御装置にあっては、算出された作動油のリーク量が多く、検出された作動油の温度が高いほど、短くなるようにアイドリングストップ継続時間を設定する如く構成したので、アイドリングストップ継続時間をより一層適正に設定することができ、自動変速機への作動油の供給不足を一層確実に回避することが可能となってアイドリングストップ後の車両の発進性の低下を一層確実に防止することができる。
請求項6に係る車両用動力伝達系の制御装置にあっては、油圧ポンプがn歯のロータを有するギヤポンプからなり、油圧ポンプの吐出口と吸込口の間の連通度合いを示す特性がn歯のロータのクランク角度に対する回転特性であると共に、検出されたクランク角度からクランク角度に対して設定される油圧ポンプの吐出口と吸込口の間の作動油の連通度合いを示す特性に基づいて作動油のリーク量を算出する如く構成したので、上記した効果に加え、作動油のリーク量を一層精度良く算出することができる。
請求項7に係る車両用動力伝達系の制御装置にあっては、所定の時点が車両の製造工場からの出荷時点である如く構成したので、上記した効果に加え、車両の製造時点では油圧ポンプを駆動源に組み付けるだけで良いので、車両の生産性を上げることができる。
この発明の実施例に係る車両用動力伝達系の制御装置を全体的に示す概略図である。 図1に示す油圧供給機構の油圧回路図である。 図2に示す油圧ポンプの破断平面図である。 図3に示す油圧ポンプについて実験を通じて求められた、クランク角度に対して設定される油圧ポンプの吐出口と吸込口の間の作動油の連通度合いを示す特性を示す説明図である。 図4に示す特性から推定される作動油のリーク量(連通度合い)と油温に基づいて設定されるアイドリングストップ継続時間の特性を示す説明図である。 図1に示す車両の製造工場出荷時の、図4と図5に示す特性の設定処理を示すフロー・チャートである。 図6の処理を示すタイム・チャートである。 図2に示す油圧ポンプのリーク量を示す、図3と同様の説明図である。 図8の特性をエンジンのクランク角度に対比して示す説明図である。 図6の処理で設定されるエンジンの停止時のクランク角度(および油温)に対するアイドリングストップ(I/S)継続時間の特性を示す説明図である。 図1に示す車両の走行時のアイドリングストップ制御を示すフロー・チャートである。 図11の処理の変形例を示す、図11と同様のフロー・チャートである。
以下、添付図面に即してこの発明に係る車両用動力伝達系の制御装置を実施するための形態を説明する。
図1は、この発明の実施例に係る車両用動力伝達系の制御装置を全体的に示す概略図、図2は図1に示す油圧供給機構の油圧回路図である。
図1において、符号10はエンジン(原動機)を示す。エンジン10はガソリンを燃料とする4気筒の内燃機関からなり、駆動輪(車輪)12を備えた車両14に搭載される(車両14は駆動輪12などで部分的に示す)。
エンジン10の吸気系に配置されたスロットルバルブ(図示せず)は車両運転席床面に配置されるアクセルペダル18との機械的な接続が絶たれて電動モータなどのアクチュエータからなるDBW(Drive By Wire)機構16に接続され、DBW機構16で開閉される。
スロットルバルブで調量された吸気はインテークマニホルド(図示せず)を通って流れ、各気筒の吸気ポート付近でインジェクタ(図示せず)から噴射された燃料と混合して混合気を形成し、吸気バルブ(図示せず)が開弁されたとき、当該気筒の燃焼室(図示せず)に流入する。燃焼室において混合気は点火されて燃焼し、ピストンを駆動してクランクシャフト(図示せず)を回転させた後、排気となってエンジン10の外部に放出される。
クランクシャフトはスタータジェネレータ(SG)20に連結される。スタータジェネレータ20は車載バッテリ(図示せず)に接続され、車載バッテリから通電されるとき回転してエンジン10を始動可能であると共に、エンジン10によって駆動されて発電するスタータモータとACG(交流発電機)の機能を兼ね備える。尚、スタータジェネレータ20に代え、通常のスタータモータを用いても良い。
クランクシャフトに接続される出力軸22の回転は、トルクコンバータ(構成要素)24を介して無段変速機(Continuously Variable Transmission。以下「CVT」という)26に入力される。
即ち、出力軸22はトルクコンバータ24のポンプ・インペラ24aに接続される一方、それに対向配置されて流体(作動油)を収受するタービン・ランナ24bはメインシャフト(入力軸)MSに接続される。ポンプ・インペラ24aとタービン・ランナ24bはロックアップクラッチ24cが係合(オン)されるとき、直結される。
CVT26はメインシャフトMS、より正確にはその外周側シャフトに配置されたドライブプーリ(構成要素)26aと、メインシャフトMSに平行なカウンタシャフト(出力軸)CS、より正確にはその外周側シャフトに配置されたドリブンプーリ(構成要素)26bと、その間に掛け回される無端可撓部材からなる動力伝達要素、例えば金属製のベルト26cからなる。
ドライブプーリ26aは、メインシャフトMSの外周側シャフトに相対回転不能で軸方向移動不能に配置された固定プーリ半体26a1と、メインシャフトMSの外周側シャフトに相対回転不能で固定プーリ半体26a1に対して軸方向に相対移動可能な可動プーリ半体26a2からなる。
ドリブンプーリ26bは、カウンタシャフトCSの外周側シャフトに相対回転不能で軸方向移動不能に配置された固定プーリ半体26b1と、カウンタシャフトCSに相対回転不能で固定プーリ半体26b1に対して軸方向に相対移動可能な可動プーリ半体26b2からなる。
CVT26は前後進切換機構28を介してエンジン10に接続される。前後進切換機構28は、車両14の前進方向への走行を可能にする前進クラッチ(構成要素)28aと、後進方向への走行を可能にする後進ブレーキクラッチ(構成要素)28bと、その間に配置されるプラネタリギヤ機構28cからなる。CVT26はエンジン10に前進クラッチ28aを介して接続される。
プラネタリギヤ機構28cにおいて、サンギヤ28c1はメインシャフトMSに固定されると共に、リングギヤ28c2は前進クラッチ28aを介してドライブプーリ26aの固定プーリ半体26a1に固定される。
サンギヤ28c1とリングギヤ28c2の間には、ピニオン28c3が配置される。ピニオン28c3は、キャリア28c4でサンギヤ28c1に連結される。キャリア28c4は、後進ブレーキクラッチ28bが作動させられると、それによって固定(ロック)される。
カウンタシャフトCSの回転はギヤを介してセカンダリシャフト(中間軸)SSから駆動輪12に伝えられる。即ち、カウンタシャフトCSの回転はギヤ30a,30bを介してセカンダリシャフトSSに伝えられ、その回転はギヤ30cを介してディファレンシャル32からドライブシャフト(駆動軸)34を介して左右の駆動輪(右側のみ示す)12に伝えられる。
駆動輪(前輪)12と従動輪(後輪。図示せず)からなる4個の車輪の付近にはディスクブレーキ36が配置されると共に、車両運転席床面にはブレーキペダル40が配置される。
前後進切換機構28において前進クラッチ28aと後進ブレーキクラッチ28bの切換は、車両運転席に設けられたレンジセレクタ(進行方向切り替え指示手段)44を運転者が操作して例えばP,R,N,D,S,Lなどのレンジのいずれかを選択することで行われる。運転者のレンジセレクタ44の操作によるレンジ選択は、油圧供給機構46のマニュアルバルブ(後述)に伝えられる。
レンジセレクタ44を介して例えばD,S,Lレンジが選択されると、それに応じてマニュアルバルブのスプールが移動し、後進ブレーキクラッチ28bのピストン室から作動油(油圧)が排出される一方、前進クラッチ28aのピストン室に油圧が供給されて前進クラッチ28aが係合される。
前進クラッチ28aが係合されると、全ギヤがメインシャフトMSと一体に回転し、ドライブプーリ26aはメインシャフトMSと同方向(前進方向)に駆動され、よって車両14は前進方向に走行する。
Rレンジが選択されると、前進クラッチ28aのピストン室から作動油が排出される一方、後進ブレーキクラッチ28bのピストン室に油圧が供給されて後進ブレーキクラッチ28bが作動する。従ってキャリア28c4が固定されてリングギヤ28c2はサンギヤ28c1とは逆方向に駆動され、ドライブプーリ26aはメインシャフトMSとは逆方向(後進方向)に駆動され、車両14は後進方向に走行する。
PあるいはNレンジが選択されると、両方のピストン室から作動油が排出されて前進クラッチ28aと後進ブレーキクラッチ28bが共に開放され、前後進切換機構28を介しての動力伝達が断たれ、エンジン10とCVT26のドライブプーリ26aとの間の動力伝達が遮断される。この実施例に係る動力伝達系(符号48で示す)において自動変速機は、トルクコンバータ24とCVT26と前後進切換機構28とからなる。
図2は油圧供給機構46の油圧回路図である。
図示の如く、油圧供給機構46には油圧ポンプ(送油ポンプ)46aが設けられる。油圧ポンプ46aはギヤポンプからなり、エンジン(E)10の出力軸22にスプロケットとチェーン(共に図示せず)を介して機械的に接続され、エンジン10によって駆動される。スプロケットの歯数は1:6に設定されることから、油圧ポンプ46aはエンジン10が1回転する間に6回転する。
油圧ポンプ46aはリザーバ46bから吸込口46a1を介して吸込まれた作動油ATFを加圧して得た油圧を吐出口46a2から吐出してPH制御バルブ(PH REG VLV)46cに圧送する。
PH制御バルブ46cの出力(PH圧(ライン圧。高圧制御油圧))は、一方では油路46dから第1、第2のレギュレータバルブ(DR REG VLV, DN REG VLV)46e,46fを介してCVT26のドライブプーリ26aの可動プーリ半体26a2のピストン室(DR)26a21とドリブンプーリ26bの可動プーリ半体26b2のピストン室(DN)26b21に接続されると共に、他方では油路46gを介してCRバルブ(CR VLV)46hに接続される。
CRバルブ46hはPH圧を減圧してCR圧(低圧制御圧)を生成し、油路46iからプーリ圧制御用の第1、第2(電磁)リニアソレノイドバルブ46j,46k(LS-DR, LS-DN)とクラッチ圧制御用の第3(電磁)リニアソレノイドバルブ46l(LS-CPC)に供給する。
第1、第2リニアソレノイドバルブ46j,46kはそのソレノイドの励磁に応じて決定される出力圧を第1、第2のレギュレータバルブ46e,46fに作用させ、よって油路46dから送られるPH圧の作動油を可動プーリ半体26a2,26b2のピストン室26a21,26b21に供給し、それに応じてプーリ側圧を発生させる。
従って、可動プーリ半体26a2,26b2を軸方向に移動させるプーリ側圧が発生させられてドライブプーリ26aとドリブンプーリ26bのプーリ幅が変化し、ベルト26cの巻掛け半径が変化する。このように、プーリの側圧を調整することで、駆動輪12に伝達するレシオ(変速比)を無段階に変化させることができ、エンジン10の回転(回転駆動力)を任意の値に変速することができる。
またCRバルブ46hの出力(CR圧)は第3リニアソレノイドバルブ(LS-CPC)46lのソレノイドの励磁に応じて調圧され、油路46mを介して前記したマニュアルバルブ46oに送られ、そこから前後進切換機構28の前進クラッチ28aのピストン室(FWD)28a1と後進ブレーキクラッチ28bのピストン室(RVS)28b1に供給される。
マニュアルバルブ46oは、前記した如く、運転者によって操作(選択)されたレンジセレクタ44の位置に応じてCRバルブ46hの出力を前進クラッチ28aと後進ブレーキクラッチ28bのピストン室28a1,28b1のいずれかに供給する。
また、PH制御バルブ46cの出力は、油路46pを介してTCレギュレータバルブ(TC REG VLV)46qに送られ、TCレギュレータバルブ46qの出力はLCコントロールバルブ(LC CTL VLV)46rを介してLCシフトバルブ(LC SFT VLV)46sに供給される。
LCシフトバルブ46sの出力は一方ではトルクコンバータ24のロックアップクラッチ24cのピストン室24c1に接続されると共に、他方ではその背面側の室24c2に接続される。
LCシフトバルブ46sを介して作動油がピストン室24c1に供給される一方、背面側の室24c2から排出されると、ロックアップクラッチ24cが係合(オン)される。
逆に作動油が背面側の室24c2に供給される一方、ピストン室24c1から排出されると、ロックアップクラッチ24cが解放(オフ)される。ロックアップクラッチ24cのスリップ量は、ピストン室24c1と背面側の室24c2に供給される作動油の量によって決定される。
CRバルブ46hの出力は油路46tを介してLCコントロールバルブ46rとLCシフトバルブ46sに供給されると共に、油路46tには第4リニアソレノイドバルブ(LS-LC)46uが介挿される。ロックアップクラッチ24cのスリップ量は、第4リニアソレノイドバルブ46uのソレノイドの励磁・非励磁によって調整(制御)される。
図1の説明に戻ると、エンジン10のカムシャフト付近などの適宜位置にはクランク角センサ(クランク角度検出手段)50が設けられ、ピストンの微小所定クランク角度位置ごとにエンジン回転数NEを示す信号を出力する。吸気系においてスロットルバルブの下流の適宜位置には絶対圧センサ52が設けられ、吸気管内絶対圧(エンジン負荷)PBAに比例した信号を出力する。
DBW機構16のアクチュエータにはスロットル開度センサ54が設けられ、アクチュエータの回転量を通じてスロットルバルブの開度THに比例した信号を出力する。
また前記したアクセルペダル18の付近にはアクセル開度センサ18aが設けられて運転者のアクセルペダル操作量に相当するアクセル開度APに比例する信号を出力すると共に、ブレーキペダル40の付近にはブレーキスイッチ40aが設けられて運転者のブレーキペダル40の操作に応じてオン信号を出力する。
上記したクランク角センサ50などの出力はエンジンコントローラ66に送られる。エンジンコントローラ66はCPU,ROM,RAM,I/Oなどからなるマイクロコンピュータを備え、それらセンサ出力に基づいて目標スロットル開度を決定してDBW機構16の動作を制御し、燃料噴射量や点火時期を決定してインジェクタあるいは点火プラグを含む点火装置の動作を制御する。
さらに、エンジンコントローラ66は後述するように所定の条件が成立したとき、燃料噴射と点火を中止することでエンジン10をI/S(アイドリングストップ)継続時間停止させると共に、I/S継続時間が経過したとき、スタータジェネレータ20を駆動してエンジン10を始動(再始動)させる。
メインシャフトMSにはNTセンサ(回転数センサ)70が設けられ、タービン・ランナ24bの回転数、具体的にはメインシャフトMSの回転数NT、より具体的には変速機入力軸回転数(と前進クラッチ28aの入力軸回転数)を示すパルス信号を出力する。
CVT26のドライブプーリ26aの付近の適宜位置にはNDRセンサ(回転数センサ)72が設けられてドライブプーリ26aの回転数NDR、換言すれば前進クラッチ28aの出力軸回転数に応じたパルス信号を出力する。
ドリブンプーリ26bの付近の適宜位置にはNDNセンサ(回転数センサ)74が設けられてドリブンプーリ26bの回転数NDN、具体的にはカウンタシャフトCSの回転数、より具体的には変速機出力軸回転数を示すパルス信号を出力する。
またセカンダリシャフトSSのギヤ30bの付近にはVセンサ(回転数センサ)76が設けられてセカンダリシャフトSSの回転数と回転方向を示すパルス信号(具体的には車速Vを示すパルス信号)を出力する。駆動輪12と従動輪(図示せず)からなる4個の車輪の付近にはそれぞれ車輪速センサ80が設けられ、車輪の回転速度を示す車輪速に比例するパルス信号を出力する。
前記したレンジセレクタ44の付近にはレンジセレクタスイッチ44aが設けられ、運転者によって選択されたR,N,Dなどのレンジに応じた信号を出力する。
図2に示す如く、油圧供給機構46においてCVT26のドリブンプーリ26bに通じる油路には油圧センサ82が配置されてドリブンプーリ26bの可動プーリ半体26b2のピストン室26b21に供給される油圧に応じた信号を出力する。リザーバ46bには油温センサ84が配置されて油温(作動油ATFの温度TATF)に応じた信号を出力する。
上記したNTセンサ70などの出力は、図示しないその他のセンサの出力も含め、シフトコントローラ90に送られる。シフトコントローラ90もCPU,ROM,RAM,I/Oなどから構成されるマイクロコンピュータを備えると共に、エンジンコントローラ66と通信自在に構成される。
シフトコントローラ90は、それら検出値に基づき、油圧供給機構46の第4のリニアソレノイドバルブ46uなどの電磁ソレノイドを励磁・非励磁して前後進切換機構28とCVT26とトルクコンバータ24の動作を制御する。
図3は図2に示す油圧ポンプ46aの破断平面図である。
図示の如く、油圧ポンプ46aは内接型のギヤポンプからなり、CVT26のケースに取り付け可能に構成されたケーシング46a3と、ケーシング46a3に穿設された大略円弧状のスリットからなる前記した吸込口46a1と吐出口46a2と、ケーシング46a3の内部に回転自在に収容されると共に、外周に6個の内歯が形成されたインナ(ドライブ)ロータ46a4と、インナロータ46a4の外周側に、その内歯と部分的に噛合う7個の外歯が形成されたアウタ(ドリブン)ロータ46a5とを備える。
油圧ポンプ46aにおいてインナロータ46a4はエンジン10のクランクシャフト22にスプロケットとチェーンで接続されるギヤドライブシャフト46a41にスプライン結合され、エンジン10の回転に同期して回転(駆動)される。
アウタロータ46a5はインナロータ46a4の外周に7個の外歯がインナロータ46a4の6個の内歯と部分的に噛合ってインナロータ46a4の回転に応じて従動するように配置され、作動油はそれらロータの回転によって吸込口46a1から吸込まれ、内歯と外歯の間を通って吐出口46a2から吐出される。
一方、エンジン10の停止に伴って油圧ポンプ46aのロータの回転が停止されると、作動油は徐々にリークして吐出口46a2から内歯と外歯の間を通って吸込口46a1に流れ、そこからリザーバ46b側に戻る。
そのとき、エンジン10の停止に伴ってインナロータ46a4がアウタロータ46a5に対して図示の位置で停止されたとすると、インナロータ46a4の内歯のほとんどはアウタロータ46a5の外歯と密接に接触していることから、吐出口46a2から吸込口46a1にリーク(逆流)する作動油の量は微小となる。
一方、エンジン10の停止位置が異なってインナロータ46a4がアウタロータ46a5に対して想像線αで示す位置で停止されたとすると、インナロータ46a4の内歯の多くはアウタロータ46a5の外歯と接触しないことから、吐出口46a2から吸込口46a1にリーク(逆流)する作動油の量は増加する。
このように油圧ポンプ46aがギヤポンプ、特に内接型のギヤポンプであると、エンジン10が停止されたとき、油圧ポンプ46aの吐出口46a2と吸込口46a1の間の作動油の連通度合いを示す特性は、エンジン10のクランク角度に依存する。
図4は、図3に示す6個の内歯が形成されたインナロータ46a4と7個の外歯が形成されたアウタロータ46a5を備える油圧ポンプ46aについて、リーク量を測定して求められる特性(クランク角度に対して設定される油圧ポンプ46aの吐出口46a2と吸込口46a1の間の作動油の連通度合いを示す特性)を示す説明図である。尚、図示の特性は前記した図3に示す内歯と外歯を備えた油圧ポンプ46aが歯数1:6のスプロケット/チェーンを介してエンジン10に接続される場合であり、その接続構造が異なれば相違することはいうまでもない。
これにより、エンジン10(換言すれば油圧ポンプ46aの)の停止時のクランク角度をクランク角センサ50から検出し、検出されたクランク角度から連通度合いを示す図示の特性を検索し、交差位置に対応する縦軸のリーク量を求めることで作動油のリーク量(低下量。以下「油圧リーク量」という)を算出することができる。
図示の特性において作動油の連通度合い(油圧リーク量)は、出力軸22に接続されるギヤドライブシャフト46a41のスプロケットの歯数が直ぐ上で述べたように1:6であることからクランク角度120度の間で60度ごとに最大値から最小値の間で規則的に増減し、具体的には30度、90度、150度・・・の付近で最小となると共に、1から6までの数字で示される、0度、60度、120度・・・の付近で最小となる。
上記した点に鑑み、この実施例においては、エンジン10が停止されたとき、検出されたエンジン10のクランク角度からクランク角度に対して設定される油圧ポンプ46aの吐出口46a2と吸込口46a1の間の作動油の連通度合いを示す特性に基づいて油圧リーク量を推定し、推定された油圧リーク量に基づいてI/S(アイドリングストップ)継続時間を設定(あるいは変更)するように構成した。
また、油圧ポンプ46aからの油圧リーク量は油温(作動油の温度)の上昇につれて粘性が低下することから、油温が上昇するにつれて増加する。従って、この実施例においては、油温を検出すると共に、検出された油温に基づいてもI/S継続時間を設定するように構成した。
図5は図4に示す特性から推定される油圧リーク量(連通度合い)と油温に基づいて設定されるI/S継続時間の特性を示す説明図である。
図示の如く、I/S継続時間は、推定された油圧リーク量が多いほど、短くなるように設定される。また、検出された油温が高いほど短くなるように設定される。
図5に実線で示す特性は油温が80℃のときの値であるが、油圧リーク量は、油温がそれよりも上下するにつれて増減することから、クランク角度に加え、図示の高温側の上限しきい値と低温側の下限しきい値の範囲内においてI/S継続時間を設定するようにした。
図6は図4と図5に示す特性の設定処理を示すフロー・チャート、図7は図6の処理を示すタイム・チャートである。図示の処理はエンジンコントローラ66によって所定の時点、具体的には車両14の製造工場からの出荷時点で一度だけ行なわれる。
以下説明すると、S10においてカウンタ(アップカウンタ)Nの値を0にリセットして処理を開始し、S12に進み、スタータジェネレータ20を駆動してエンジン12を始動し、S14に進み、強制I/Sを開始、即ち、エンジン10への燃料噴射と点火時期を中止し、始動させたエンジン10を強制的に停止させる。
次いでS16に進み、エンジン10が停止したか否か例えばクランク角センサ50の出力から判断し、否定されるときはS14に進み、上記した処理を繰り返す。
S16で肯定されるときはS18に進み、CVT26のドリブンプーリ26bの可動プーリ半体26b2のピストン室26b21に供給される油圧に応じた出力を生じる油圧センサ82の値(エンジン10の停止後油圧センサ初期値。「P1」という)が規定値以上か否か判断する。図7にP1を示すが、図6の処理は油圧リーク(低下)量を測定する処理であるため、規定値は図示の油圧P1付近に設定される。
S18で否定されるときはS12に戻る一方、肯定されるときはS20に進み、クランク角センサ50の出力からエンジン10の(クランクシャフトの)クランク角度を読み取り、油圧ポンプ46aの位相を検出(推定)する。位相の検出については後述する。
次いでS22に進み、所定時間、例えば30sec経過した後の油圧センサ82の出力(「P2」という)を読み取り、S24に進み、S18で読み取られた油圧P1から減算して差(「P3」という)を算出する。この値P3が所定時間経過後の油圧リーク(低下)量を示す。
次いでS26に進み、前記したカウンタNの値を1つインクリメントし、S28に進み、カウンタNの値が3以上か否か判断し、否定されるときはS12に戻って以上の処理を繰り返す一方、肯定されるときはS30に進み,S20で検出された油圧ポンプの位相とS24で算出された油圧P3とから所定の特性に従ってI/S継続時間を算出する。
即ち、S28で肯定されるまでエンジン始動、停止、油圧センサ出力P1読み取り、30sec経過待機、油圧センサ出力P2読み取り、P3算出を3回繰り返して油圧リーク量を示すP3の値を3個算出する(図7では実線と破線からなる2個のみ示す)。
図8はエンジン10のクランクシャフトを360度回転させたときの油圧ポンプ46aのリーク量(クランク角度に対して設定される油圧ポンプ46aの吐出口46a2と吸込口46a1の間の作動油の連通度合いを示す特性)を示す、図3と同様の説明図である。図8に示す特性は油圧ポンプ46aの単体について予め実験を通じて測定して得られる特性である。
図6フロー・チャートの処理において3個のP3の値が例えばクランク角度85°で0.5MPa,210°で0.3MPa,260°で0.5MPaとすると、それを図8の特性に当てはめると、図9に破線で示す如く、油圧ポンプ46aの回転に対する油圧リーク量をエンジン10のクランク角度に対比して示すことができ、それから油圧ポンプ46aのエンジン10のクランク角度に対する位相のずれ(位相差)を検出(推定)することができる。この位相のずれはエンジン10に対する油圧ポンプ46aの組み付け時のクランク角度上のずれを意味する。
従って、図9に示す特性からエンジン10を停止させたときのクランク角度に対する油圧ポンプ46aの油圧リーク量を推定することができる。尚、図7に示すようにI/Sを終了してエンジン10を始動するには最小限の油圧(システム圧)Pminが必要であることから、それらを勘案して図10に示す如く、I/S継続時間をエンジン10の停止時のクランク角度(および油温)に対する特性として設定する。
図10に示す特性は、CVT26の単体について実験を重ねて得られたデータに基づいて生成されるものであり、図5に示す特性と基本的に同一なものである。
以上が、車両10が製造工場から出荷される時点の処理である。
次いで車両10が出荷された後、運転者によって走行される場合のI/S制御を説明する。
図11はその制御を示すフロー・チャートである。図示のプログラムはエンジンコントローラ66によって所定時間、例えば10msecごとに実行される。
以下説明すると、S100でI/S継続時間の設定の有無を示すフラグF1のビットが1にセット(I/S継続時間設定)されているか否か判断する。フラグF1のビットは初期値が0にリセットされていることから、S100の判断は通例否定されてS102に進み、1/S継続時間として一定時間(最小時間)の設定の有無を示すフラグF4のビットが1にセット(一定時間設定)されているか否か判断する。
フラグF4のビットも初期値が0にリセットされていることからS102の判断も否定されてS104に進み、I/Sを実行すべきか否か判断する。即ち、交差点などで赤信号に接近しつつある場合などに所定の条件が成立してエンジン10を停止すべきか否か、具体的にはI/Sを実行すべきI/S条件が成立してエンジン10を停止すべきか否か判断する。
この所定の条件は、ブレーキペダル40が操作される(踏まれる)一方、アクセルペダル18が操作されず(踏まれず)、車速が零あるいはその近傍にあり、かつCVT26のレシオ(変速比)がロー側にあることであり、これらの条件の成否はブレーキスイッチ40a、アクセル開度センサ18a、Vセンサ76、NDRセンサ72、NDNセンサ74の出力から判断される。
S104で否定されるときは以降の処理をスキップする一方、肯定されるときはS106に進み、エンジン10を停止し、S108に進み、学習フラグF3のビットが1にセット(学習許可)されているか否か判断する。
このフラグのビットも初期値が0にリセットされていることからS108では通例否定されてS110に進み、エンジン10が停止されたときのクランク角度をクランク角センサ50の出力から検出すると共に、油温を油温センサ84の出力から検出する。
次いでS112に進み、図5(あるいは図10)に示す、エンジン10のクランク角度と油温に対して設定される油圧ポンプ46aの吐出口46a2と吸込口46a1の間の作動油の連通度合いを示す特性に基づいて油圧リーク量を推定(算出)する。
次いでS114に進み、クランク角度と油温から推定された油圧リーク量に基づいてI/S継続時間を設定(あるいは変更)する。I/S継続時間は、図10の左端に示される如く、推定された油圧リーク量が多く、油温が高いほど、短くなるように設定される。
S114では同時にフラグF1のビットを1にセットする。即ち、フラグF1のビットが1にセットされることはI/S継続時間が設定されたことを意味する。またS114の処理に応じて図示しないルーチンにおいてダウンカウンタを用いてI/S継続時間の時間経過(残り時間)の計測が開始される。
従って次回以降のプログラムループにおいてS100の判断は肯定されてS116に進み、I/S継続時間が経過したか否か判断する。S116で否定されるときは以降の処理をスキップする一方、肯定されるときはS118に進み、エンジン10を始動すると共に、フラグF1のビットを0にリセットする。
次いでS120に進み、変速機入力軸回転数(前進クラッチ28aの入力軸回転数)NTからドライブプーリ26aの回転数(前進クラッチ28aの出力軸回転数)NDRを減算した差回転が適宜設定されるしきい値SLIP以上か判断、換言すれば前進クラッチ28aがしきい値以上スリップしたか否か判断する。
尚、S120の処理は前進クラッチ28aのスリップを通じて油圧ポンプ46aからの作動油のリーク量の多寡、換言すればリーク特性のずれが生じた可能性を判断するための処理であるので、上記に代え、ドライブプーリ26aの回転数NDRからレシオ(変速比)とドリブンプーリ26bの回転数NDNの積を減算して得た差回転が適宜設定されるしきい値以上か判断、換言すればCVT26がしきい値以上スリップしたか否かで判断するようにしても良い。
S120で否定されるときは以降の処理をスキップする一方、肯定されるときは前進クラッチ28aがしきい値以上スリップすることで油圧ポンプ46aからの作動油のリーク量が増加しており、換言すればリーク特性のずれが生じた可能性があると判断されるので、S122に進み、学習フラグF3のビットを1にセットする。
即ち、この実施例においては車両10の製造工場でエンジン10に油圧ポンプ46aを取り付ける出荷時点で油圧リーク量を測定して特性を設定していることから、走行の間もリーク特性は変わらないはずである。しかしながら、出荷後に修理工場で油圧ポンプ46aがエンジン10から取り外されることで図9に示す油圧ポンプ46aのエンジン10のクランク角度に対する位相のずれが変化したり、あるいはクランク角センサ50で誤検知が生じていたりする可能性もある。
そこで、この実施例では出荷後の前進クラッチ28aなどのスリップを通じてリーク特性のずれが生じた可能性の有無を判断し、そのような可能性があると判断される場合、フラグF3のビットを1にセットし、図5(あるいは図10)の特性を設定し直す(学習によって補正する)ようにした。
従って、次回以降のプログラムループにおいてS108の判断は肯定されてS124に進み、油圧P1(油圧センサ82の停止後初期値)を再び検出する(読み込む)と共に、I/S継続時間を一定時間に設定し、フラグF4のビットを1にセットする。一定時間は、車両14の発進性を確保するため、図5に示す如く、油圧P3(油圧リーク量)高い値のときの上限しきい値(同図で破線で示す)付近の値、即ち、最小時間に設定される。
その結果、次回以降のプログラムループにおいてS102の判断は肯定されてS126に進み、クランク角度と油圧P2(所定期間、例えば30sec経過した後の油圧センサ82の出力)と油温が再び検出され、S128において図6に示す処理(油圧P1から油圧P2を減算して差P3を算出する処理など)が再度行われて図10に示す特性が設定し直される(学習によって補正される)。
図12はその変形例を示す、図11と同様のフロー・チャートである。
以下、相違点に焦点をおいて説明すると、S200からS214までにおいて図11フロー・チャートのS100からS114までと同様の処理を行う。尚、S210では油圧P1も検出すると共に、S214では推定油圧P2を算出する。
推定油圧P2は、S210で検出されたクランク角度と油温からS212で推定(算出)されるリーク量とS210で検出された油圧P1とから図7から図9に示す特性を逆算して算出される、図7に示す油圧P2の推定値を示す。
従って、次回以降のプログラムループにおいてS200で肯定されてS216に進む場合、S218でエンジン10を始動すると共に、油圧(実油圧)P2を検出する。
次いでS220に進み、S218で検出された油圧P2とS214で算出された推定油圧P2の差を求め、それが適宜設定されるしきい値を超えたか否か判断する。
S220で肯定される場合、リーク特性の、多い側にせよ、少ない側にせよ、ずれが生じた可能性があると判断されることからS222に進み、学習フラグF3のビットを1にセットする。従って、次回以降のプログラムループにおいてS208の判断は肯定されてS224に進み、油圧P1を検出し、一定時間のI/S継続時間を設定すると共に、フラグF4のビットを1にセットする。
その結果、次回以降のプログラムループでS202の判断は肯定されてS226に進み、そこで油圧P2を再び検出し、S228において図6に示す処理が再度行われて図10に示す特性が設定し直される(学習補正される)。
上記した如く、この実施例にあっては、車両14に搭載される原動機(エンジン)10の回転駆動力を車輪(駆動輪12)に伝達する自動変速機(CVT)26と、前記原動機の回転駆動力で駆動され、リザーバ46bから吸込口46a1を介して吸込まれた作動油を加圧して得た油圧を吐出口46a2から吐出して前記自動変速機の構成要素(プーリ26a,26b、前進クラッチ28a,後進ブレーキクラッチ28b、ロックアップクラッチ24c)に供給する油圧ポンプ46aと、所定の条件が成立したときに前記原動機をアイドリングストップ(I/S)継続時間停止させるアイドリングストップ制御手段(エンジンコントローラ66,S100からS128,S200からS228)とを備えた車両用動力伝達系の制御装置において、前記原動機のクランク角度を検出するクランク角度検出手段(クランク角センサ50、エンジンコントローラ66,S110,S210)と、前記検出された原動機のクランク角度から前記クランク角度に対して設定される前記油圧ポンプの吐出口と吸込口の間の作動油の連通度合いを示す特性に基づいて前記作動油のリーク量を算出(推定)するリーク量算出手段(エンジンコントローラ66,S112,S212)と、前記算出された作動油のリーク量に基づいて前記アイドリングストップ継続時間を設定するアイドリングストップ継続時間設定手段(エンジンコントローラ66,S114,S214)とを備えと共に、所定の時点で前記車両について前記作動油のリーク量を測定し、前記測定された作動油のリーク量に基づいて前記特性を設定する特性設定手段(エンジンコントローラ66,S10からS30)とを備える如く構成したので、油圧ポンプ46aからの作動油のリークを適正に考慮してI/S継続時間を設定(あるいは変更)することができ、CVT26などの自動変速機への作動油の供給不足を回避することが可能となってI/S後の車両14の発進性の低下を防止することができる。また、特性から作動油の(油圧)リーク量を算出し、それから1/S継続時間を設定することで、1/S継続時間を簡易に設定することができる。
さらに、所定の時点、例えば車両14の製造工場からの出荷時点で車両14について作動油の(油圧)リーク量を測定し、測定された作動油のリーク量に基づいて特性を設定することで1/S継続時間を簡易かつ精度良く設定することができる。
また、所定の時点を例えば車両14の製造工場からの出荷時点とすれば、車両14の製造時点では油圧ポンプ46aをエンジン10に組み付けるだけで良いので、車両14の生産性を上げることができる。
また、前記特性設定手段は、前記作動油のリーク量を複数回(例えば3回)測定し、前記複数回測定された作動油のリーク量に基づいて前記特性を設定する(S10からS30)如く構成したので、上記した効果に加え、複数のクランク角度に対してリーク量を測定することができ、よってI/S継続時間を一層精度良く設定することができる。
また、前記アイドリングストップ継続時間設定手段は、前記特性のずれが生じた可能性があると判断されるとき、前記アイドリングストップ継続時間を一定時間に設定すると共に(S120,S122,S108,S124,S220,S222,S208,S224)、前記特性設定手段に前記特性を設定し直させる(S102,S126,S128,S202,S226,S228)如く構成したので、上記した効果に加え、特性を設定し直させることでI/Sプ継続時間を一層精度良く設定できると共に、一定時間を例えばI/S可能な最小時間(下限しきい値付近の値)に設定することで(S124,S224)、CVT26などの自動変速機への作動油の供給不足を回避しつつ、I/S後の車両14の発進性の低下を防止でき、よって運転者に違和感を与えることがない。
また、前記作動油の温度を検出する油温検出手段(油温センサ84、エンジンコントローラ66,S110,S210)を備え、前記アイドリングストップ継続時間設定手段は、前記検出された作動油の温度に基づいて前記アイドリングストップ継続時間を設定する(エンジンコントローラ66,S112,S114,S212,S214)如く構成したので、I/S継続時間を一層適正に設定(あるいは変更)することができ、CVT26などの自動変速機への作動油の供給不足を回避することが可能となってI/S後の車両14の発進性の低下を防止することができる。
また、前記アイドリングストップ継続時間設定手段は、前記算出(推定)された作動油のリーク量が多く、前記検出された作動油の温度が高いほど、短くなるように前記アイドリングストップ継続時間を設定する(S112、S114,S214)如く構成したので、I/S継続時間をより一層適正に設定(あるいは変更)することができ、CVT26などの自動変速機への作動油の供給不足を回避することが可能となってI/S後の車両14の発進性の低下を防止することができる。
また、前記油圧ポンプ46aがn歯のロータ(インナロータ46a4、アウタロータ46a5)を有するギヤポンプからなり、前記油圧ポンプ46aの吐出口46a2と吸込口46a1の間の連通度合いを示す特性が前記n歯のロータのクランク角度に対する回転特性であると共に、前記リーク量算出手段は、前記原動機のクランク角度を検出し、前記検出されたクランク角度から前記クランク角度に対して設定される前記油圧ポンプ46aの吐出口46a2と吸込口46a1の間の作動油の連通度合いを示す(図4あるいは図8の)特性に基づいて前記作動油のリーク量を算出(推定)する如く構成したので、上記した効果に加え、作動油のリーク量を簡易に推定することができる。
また、前記所定の時点が前記車両の製造工場からの出荷時点である如く構成したので、上記した効果に加え、車両14の製造時点では油圧ポンプ46aをエンジン10に組み付けるだけで良いので、車両14の生産性を上げることができる。
尚、上記において原動機としてエンジン(内燃機関)を開示したが、電動モータあるいはエンジンと電動モータのハイブリッドであっても良い。自動変速機もCVTに限られるものではなく、有段変速機であっても良い。
また、油圧センサ82は、例えば図2に二点鎖線で示す位置に設けても良い。
10 エンジン(内燃機関。原動機)、12 駆動輪(車輪)、14 車両、16 DBW機構、24 トルクコンバータ、26 無段変速機(CVT。自動変速機)、26a,26b プーリ(構成要素)、28 前後進切換機構、28a 前進クラッチ(構成要素)、28b 後進ブレーキクラッチ(構成要素)、34 ドライブシャフト(駆動軸)、46 油圧供給機構、46a 油圧ポンプ、46a1 吸込口、46a2 吐出口、48 動力伝達系、50 クランク角センサ、66 エンジンコントローラ、82 油圧センサ、84 油温センサ、90 シフトコントローラ

Claims (7)

  1. 車両に搭載される原動機の回転駆動力を車輪に伝達する自動変速機と、前記原動機の回転駆動力で駆動され、リザーバから吸込口を介して吸込まれた作動油を加圧して得た油圧を吐出口から吐出して前記自動変速機の構成要素に供給する油圧ポンプと、所定の条件が成立したときに前記原動機をアイドリングストップ継続時間停止させるアイドリングストップ制御手段とを備えた車両用動力伝達系の制御装置において、前記原動機のクランク角度を検出するクランク角度検出手段と、前記原動機のクランク角度に対して設定される前記油圧ポンプの吐出口と吸込口の間の作動油の連通度合いを示す特性を前記検出されたクランク角度から検索して前記作動油のリーク量を算出するリーク量算出手段と、前記算出された作動油のリーク量に基づいて前記アイドリングストップ継続時間を設定するアイドリングストップ継続時間設定手段とを備えると共に、所定の時点で前記車両について前記作動油のリーク量を測定し、前記測定された作動油のリーク量に基づいて前記特性を設定する特性設定手段とを備えたことを特徴とする車両用動力伝達系の制御装置。
  2. 前記特性設定手段は、前記作動油のリーク量を複数回測定し、前記複数回測定された作動油のリーク量に基づいて前記特性を設定することを特徴とする請求項1記載の車両用動力伝達系の制御装置。
  3. 前記アイドリングストップ継続時間設定手段は、前記特性のずれが生じた可能性があると判断されるとき、前記アイドリングストップ継続時間を一定時間に設定すると共に、前記特性設定手段に前記特性を設定し直させることを特徴とする請求項1または2記載の車両用動力伝達系の制御装置。
  4. 前記作動油の温度を検出する油温検出手段を備え、前記アイドリングストップ継続時間設定手段は、前記検出された作動油の温度に基づいて前記アイドリングストップ継続時間を設定することを特徴とする請求項1から3のいずれかに記載の車両用動力伝達系の制御装置。
  5. 前記アイドリングストップ継続時間設定手段は、前記算出された作動油のリーク量が多く、前記検出された作動油の温度が高いほど、短くなるように前記アイドリングストップ継続時間を設定することを特徴とする請求項1から4のいずれかに記載の車両用動力伝達系の制御装置。
  6. 前記油圧ポンプがn歯のロータを有するギヤポンプからなり、前記油圧ポンプの吐出口と吸込口の間の連通度合いを示す特性が前記n歯のロータのクランク角度に対する回転特性であると共に、前記リーク量算出手段は、前記原動機のクランク角度を検出し、前記検出されたクランク角度から前記クランク角度に対して設定される前記油圧ポンプの吐出口と吸込口の間の作動油の連通度合いを示す特性に基づいて前記作動油のリーク量を算出することを特徴とする請求項1から5のいずれかに記載の車両用動力伝達系の制御装置。
  7. 前記所定の時点が前記車両の製造工場からの出荷時点であることを特徴とする請求項1から6のいずれかに記載の車両用動力伝達系の制御装置。
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