JP2014023665A - 遊技機 - Google Patents

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Abstract

【課題】遊技球貸出機内の記録媒体の有無を判断することなく、遊技球貸出機からの記録媒体の取り忘れ防止の報知を最適な契機で確実に行なう。
【解決手段】
遊技球の始動入賞口61への入賞に基づいて有利遊技への移行抽選を実行する抽選制御手段110と、移行抽選の結果に基づいて特別図柄を変動表示等させる特別図柄変動表示制御手段130と、特別図柄の変動表示中等において、遊技球が始動入賞口61へ入賞した場合、移行抽選は即座に実行されず、代わりに取得され保留される入賞情報に基づいて、大当りに係る情報等を判定する仮判定手段145と、仮判定手段145による判定結果に基づいて、遊技球貸出機10の操作情報を所定のタイミングで表示させる有効化制御を実行し、または表示させない無効化制御を実行する演出図柄変動表示制御手段200とを備える。
【選択図】 図9

Description

本発明は、遊技機に関する。
遊技場に設置して使用される弾球遊技機(以下、単に遊技機という)は、遊技媒体として遊技球を使用する。遊技機で遊技を行う際には、遊技の対価である遊技球の払出可能度数(価値情報)が記録された記録媒体(例えば、IC内蔵コインやプリペイドカード略してプリカという)などを、遊技機に隣接された遊技球貸出機に投入することにより払出可能度数に応じた遊技球の貸出しを受けることができる。遊技終了後は、遊技機または遊技球貸出機の記録媒体の返却操作を行うことによって、遊技球貸出機から記録媒体が排出されて遊技者に返却される。従って、払出可能度数が残存する記録媒体を他の遊技機における遊技の際に利用することができる。
しかし、遊技終了後等に記録媒体の返却を受けずに席を離れてしまう遊技者も少なくなく、この隙に、第三者が記録媒体を抜き取り、記録媒体を不正使用されるという不利益が生じる虞がある。
このような記録媒体の取り忘れを防止する発明として、所謂、大当り中の特定ラウンド(5Rまたは10R)で記録媒体の有無の判断をし、記録媒体の取り忘れを防止するための報知をするものがある(特許文献1)。
また、遊技球貸出機(カードリーダライター)内に投入されている記録媒体に払出可能度数が残存している状態で所定時間経過した場合に、記録媒体が遊技球貸出機内に投入(放置)されている旨の報知を行うものがある(特許文献2)。
特開2011−045402号公報 特開平07−116327号公報
しかし、上記特許文献1に記載の遊技機は、記録媒体を遊技球貸出機に投入している限り、大当り中の特定ラウンド(5Rまたは10R)に毎に、遊技には直接的には関係ない記録媒体の取り忘れを防止するための報知が行われるため、所謂、大当りの連荘が確定した大当り遊技等であって、遊技者が当該大当り直後に遊技を終了することは殆どない場合であっても、報知を行うため、遊技者はその演出に煩わしさを感じる可能性がある。
また、特許文献2に記載の遊技機は、記録媒体を遊技球貸出機に投入した状態で、所定時間経過した場合に、記録媒体が放置されている旨の報知するものであるため、大当りを示唆する等の遊技上において重要な演出が実行されている最中であっても所定時間経過したことを条件に記録媒体が放置されている旨の報知をする場合があり遊技者は演出に集中できない可能性がある。
さらに、特許文献1及び2に記載の遊技機は、遊技球貸出機に対して記録媒体の有無を検知するため通信ルートを設けており、このような通信ルートから不正な信号を入力される虞がある。そのため、この通信ルートに対して不正行為対策を施す必要があるが、そのためのコストが増加するという課題もあった。
本発明は、上記課題を鑑み、遊技球貸出機内の記録媒体の有無を判断することなく、遊技球貸出機からの記録媒体の取り忘れ防止の報知を最適な契機で確実に行なうことを目的とする。
(1) 遊技操作に基づいて打ち出された遊技球が所定の遊技領域を流下し始動入賞口に入賞したことに基づいて、大当り成立に応じて通常遊技より遊技者にとって有利な有利遊技に移行させるか否かを判定するための抽選を実行する抽選制御手段と、前記抽選制御手段の抽選に基づく入賞情報により、外れ、または賞球として所定量の遊技球の払出しが期待できる出玉有利当り、若しくは賞球として前記所定量未満の遊技球の払出しが期待できる出玉不利当りを含む大当りの種類が判定され、当該判定の結果に対応させて特別図柄を変動表示及び停止表示させるために複数種類の変動パターンから変動パターンを選択する変動パターン表示制御を行う特別図柄変動表示制御手段と、前記特別図柄の変動表示中、または前記有利遊技の移行中において、遊技球が前記始動入賞口へ入賞した場合、前記抽選制御手段による前記抽選に係る判定は即座に実行されず、遊技球が前記始動入賞口へ入賞した際の抽選時に取得され保留される前記判定に係る入賞情報に基づいて、前記大当りが成立するか否か、前記大当りの種類及び前記複数種類の変動パターンのうちいずれか一つまたは複数を、前記始動入賞口への遊技球入賞時にそれぞれ仮判定する仮判定手段と、前記大当りの成立に応じて前記有利遊技に移行することを少なくとも条件として、予め定められた遊技進行に影響を与え難い所定のタイミングで、遊技機の機体外に設けられ所定の価値情報が記憶された記憶媒体を投入することに基づいて遊技球を貸球として払出し可能とする遊技球貸出機への記憶媒体の投入後の操作に係る情報を表示可能とする演出図柄変動表示制御手段とを備え、演出図柄変動表示制御手段は、前記仮判定手段による判定の結果情報のうち、いずれか一つまたは複数の結果情報に基づいて、前記遊技球貸出機の投入後の操作に係る情報を前記所定のタイミングで表示させる第1有効化制御を実行し、または前記遊技球貸出機の投入後の操作に係る情報を表示させない無効化制御を実行する。
この構成によれば、入賞情報の仮判定の結果に基づいて、遊技球貸出機の記憶媒体投入後の操作に係る情報、例えば、遊技球貸出機に投入されている遊技価値情報が記憶される記憶媒体の返却操作を促す情報の表示を有効にしたり、無効にしたりすることによって、遊技者に最適なタイミングで記憶媒体の取り忘れの注意喚起をすることができる。
(2) 上記(1)項において、前記演出図柄表示制御手段は、遊技状態が前記有利遊技の移行確定後から移行終了前の予め定められた期間の状態であって、前記仮判定手段による入賞情報の仮判定の結果、前記出玉有利当り成立に係る情報を得た場合、前記無効化制御する。
この構成によれば、遊技状態が有利遊技状態において入賞情報の仮判定の結果、出玉有利当りが成立に係る情報の場合には、当該有利遊技終了直後に大当りが成立して有利遊技状態となる所謂連荘当りとなるため、遊技球貸出機の記憶媒体投入後の操作に係る情報、例えば、遊技球貸出機に投入されている遊技価値情報が記憶される記憶媒体の返却操作を促す情報を表示せずに、通常の有利遊技に係る演出(連荘当りに相応しい演出)を行うことによって、遊技者は連荘当りの遊技を集中して行うことができる。
(3) 上記(1)または(2)項において、前記演出図柄表示制御手段は、遊技状態が前記有利遊技の移行確定後から移行終了前の予め定められた期間の状態であって、前記仮判定手段による入賞情報の仮判定の結果、前記複数種類の変動パターンのうち予め定めた変動パターンに係る情報を得た場合、前記遊技球貸出機の投入後の操作に係る情報を、前記特別図柄変動表示制御手段により当該有利遊技終了後における前記予め定められた変動パターンに係る変動パターン表示制御を行うタイミングで表示させる第2有効化制御を実行し、前記予め定められた変動パターンに係る前記特別図柄の当該変動パターン表示制御の際において、前記遊技球貸出機の投入後の操作に係る情報を遊技者に認識可能に表示をする。
この構成によれば、入賞情報の仮判定の結果、複数種類の変動パターンのうち予め定めた変動パターン(例えば、リーチ変動パターン)の場合には、当該リーチ変動パターンにおいて遊技球貸出機の操作に係る情報を表示することができる。即ち、リーチ変動パターンにおいては、比較的長い演出時間が確保されているため、遊技球貸出機の記憶媒体投入後の操作に係る情報が表示可能であるだけでなく、当該情報を演出の途中の区切りが良いところで表示することができる。
また、上記(1)項〜(3)項の構成では、遊技球貸出機内の記憶媒体の有無を判断することないため、記憶媒体の有無を検知するため通信ルートを設ける必要がなく通信ルートに係るコストを抑えることができる。
本発明によれば、遊技球貸出機内の記憶媒体の有無を判断することなく、遊技球貸出機からの記憶媒体の取り忘れ防止の報知を最適な契機で実行する。
本発明に係る遊技機の前方斜視図である。 同じく遊技機の背面図である。 同じく遊技機の遊技盤の拡大正面図である。 同じく遊技機の各構成要素の制御関係を示すブロック図である。 同じく遊技機のエンディング演出パターンにおけるタイムチャートである。 同じく遊技機のエンディング演出パターンにおける表示態様を示す図である。 同じく遊技機の所定条件における不実行フラグの設定状態を示すマトリックス図である。 同じく遊技機の主制御装置におけるプリカ忘れ注意喚起演出に係る制御処理を説明するためのフローチャートである。 同じく遊技機のサブ制御装置におけるプリカ忘れ注意喚起演出に係る制御処理を説明するためのフローチャートである。 同じく遊技機のサブ制御装置における不実行フラグの設定処理に係る制御処理を説明するためのフローチャートである。 変形例1の遊技機におけるサブ制御装置のブロック図である。 同じく遊技機のサブ制御装置におけるプリカ忘れ注意喚起演出に係る制御処理を説明するためのフローチャートである。 同じく遊技機のサブ制御装置におけるプリカ忘れ注意喚起演出に係る制御処理内の初当り及び出玉有利当りの判定処理を説明するためのフローチャートである。 変形例2の遊技機のリーチ演出パターンにおけるタイムチャートである。
以下、図1〜図10を参照し、発明の実施形態を通じて本発明を詳説するが、以下の実施形態は特許請求の範囲に係る発明を限定するものではなく、実施形態の中で説明される構成の組み合わせの全てが発明の解決手段に必須であるとは限らない。
なお、以下の説明において遊技機の各部の左右方向は、その遊技機に対面する遊技者にとっての左右方向に一致させて説明する。
(遊技機)
図1に示すように、本実施形態の遊技機1は、遊技場の島設備に設置される縦長方形状の機枠2と、この機枠2に開き戸状に開閉自在に取り付けられた本体枠3と、当該本体枠3の内側に装着された遊技盤30と、本体枠3の前面に開き戸状に開閉自在に取り付けられ、遊技盤30を視認させるよう中央に大きくガラス窓4aが設けられたガラス扉4と、本体枠3の下側に開閉自在に設けられ、遊技球を貯留する受皿6を有する前面ボード5と、本体枠3内の下部に配設された遊技球を発射するための発射装置7B(図4参照)と、前面ボード5に取り付けられ、遊技者の回転操作に基づいて遊技球を発射装置7Bに発射させるためのハンドル7と、ガラス扉4の左右の上部にそれぞれ設けられ、遊技の状況に応じた効果音を出力するスピーカ(演出装置)8と、ガラス扉4の左右両側にそれぞれ設けられ、遊技の状況に応じて点灯、消灯及び点滅する照明演出を行う照明装置(演出装置)9とを備える。
受皿6の上縁部には、遊技者の押下操作に基づいて遊技球を貸し受けるための貸球ボタン6a、及び同じく押下操作に基づいて後述するCRユニット10(遊技球貸出機)に投入されたプリカ等を排出するプリカ返却ボタン6bを設ける。
図2に示すように、遊技機1の背面側には、支持部材等を介して、主制御装置100と、カバー部材に覆われたサブ制御装置(演出図柄変動表示制御手段)200と、払出制御装置300とが設けられている。主制御装置100、サブ制御装置200、及び払出制御装置300は何れもCPUと、コンピュータプログラム及び遊技処理に必要なデータを格納したROMと、CPUがROMに格納されたコンピュータプログラムに従って処理を行うための一時記憶領域であるRAMとを備えるマイクロコンピュータである。
また、図2におけるサブ制御装置200の右隣には、入賞した賞球を払い出すための賞球払出装置301が設けられる。
主制御装置100は、遊技機1全体を制御するための各種処理を実行し、その処理結果に応じ、遊技を制御するための各種の制御コマンドを演算処理して出力する。詳細な説明は後述するが、例えば、第1特別図柄に係る電子抽選(第1特別図柄抽選)、第2特別図柄に係る電子抽選(第2特別図柄抽選)等をそれぞれ所定の契機で実行する。
サブ制御装置(演出図柄変動表示制御手段)200は、主制御装置100からの制御コマンドを受信して、当該制御コマンドに基づいてスピーカ8、照明装置9、後述する演出表示装置51等の演出装置へ制御コマンドを送信して演出に係る制御を実行する。
払出制御装置300は、主制御装置100からの制御コマンドを受信して、賞球払出装置301の作動を制御して、受皿6へ遊技球の払出しを行う。ここで、賞球払出装置301は、遊技球が入賞口に入賞したことを契機に、払出制御装置300の制御によって各入賞口に予め対応付けられている賞球の払出個数を賞球として払出すようになっている。
また、払出制御装置300は、遊技機の貸球ボタン6aの押下操作に基づくCRユニット10からの制御コマンドを受信して、受皿6へ遊技球の払出し(貸球処理)を行う。
また、払出制御装置300は、ハンドル7の回転操作量に応じて発射装置7Bの作動を制御し、遊技領域31へ遊技球の打ち出しを行う。遊技者の操作によって、ハンドル7の回転操作量が大となると、払出制御装置300は、発射装置7Bに対する遊技球の射出力が大となるように制御するため、遊技球を遊技領域31の右側まで発射させることができる。
(CRユニット)
図1に示すように、遊技場において一般的には、遊技機の正面視左側に、例えば、ICカード、IC内蔵コイン等の記憶媒体(以下、プリペイドカード、略してプリカという)に記憶された遊技価値(例えば、カード残高、持玉数、または貯玉数等)情報に基づいて遊技球を貸与するためのCRユニット10(遊技球貸出機)が並設される。CRユニット10は、その前面に、プリカを投入及び排出するためのカード投入/排出口10a、紙幣を挿入するための紙幣挿入口10b、プリカ情報を表示するための表示部10c等が設けられる。
CRユニット10は、カード投入/排出口10aから投入された遊技価値情報が記憶されたプリカの情報を識別し、遊技場のバックヤードに設置されるターミナルボックス(図示省略)との通信を実行する。ターミナルボックス側の情報と投入された記憶媒体に記憶された情報が照合され、情報が正しいと判断された場合、CRユニット10の表示部10cにプリカの遊技価値情報が表示されるとともに、遊技機1に設けられた貸球ボタン6aの押下操作に基づいてCRユニット10に電気的に接続された遊技機の払出制御装置300の制御により遊技球の貸球処理が行われる(図4参照)。CRユニット10は、遊技者が遊技機側に設けられたプリカ返却ボタン6bを押下操作することによって、遊技価値情報を記憶したプリカをカード投入/排出口10aから排出する。
(遊技領域)
図3に示すように、遊技盤30はその盤面に遊技球が流下する遊技領域31を備える。受皿6に貯留された遊技球は、発射装置7Bにより発射されて図3に示す矢印X方向へ飛んで発射口34を通過し、遊技領域31の上部に到達し、遊技領域31内を流下することになる。
遊技領域31は、ガラス窓4aを透して視認することができる。遊技領域31は、遊技球を滑走させるガイドレール32と遊技球規制レール33によって略円形状となるように区画形成されている。換言すると、遊技領域31は遊技球規制レール33より内側と外側に区画され、その外側、より具体的には、遊技盤30の右下隅部に、2桁の7セグメント表示装置からなる第1特別図柄表示装置40A及び第2特別図柄表示装置40Bと、2つのLEDランプからなる普通図柄表示装置41とが設けられている。
(特別図柄表示装置)
第1特別図柄表示装置40Aは、遊技球が後述する第1始動入賞口61に入賞したことを契機に、主制御装置100が実行する第1特別図柄抽選の結果を表示するためのものである。また、第1特別図柄表示装置40Aは、電子抽選の結果に基づいて数字や絵柄等の特別図柄(単に、特図ともいう。)を変動させた後に、抽選結果を表示する態様で所定の特別図柄を導出表示(停止表示)させるという態様で表示されるように後述する変動表示制御手段130により制御されるものである。
第2特別図柄表示装置40Bは、遊技球が後述する第2始動入賞口62に入賞したことを契機に、主制御装置100が実行する第2特別図柄抽選の結果を表示するためのものである。また、第2特別図柄表示装置40Bは、電子抽選の結果に基づいて数字や絵柄等の特別図柄が変動させた後に、抽選結果を表示する態様で所定の特別図柄を停止表示させるという態様で表示されるように後述する変動表示制御手段130により制御されるものである。
なお、本実施形態の遊技機においては、遊技球の第1始動入賞口61への入賞を契機として変動する特別図柄を第1特別図柄とし、遊技球の第2始動入賞口62への入賞を契機として変動する特別図柄を第2特別図柄としており、第1特別図柄及び第2特別図柄の変動及び停止表示は、特別図柄の種類に応じた予め定めた優先順位の抽選処理の順番に基づいて主制御装置100により行われる。
(普通図柄表示装置)
普通図柄表示装置41は、遊技球が後述するスルーチャッカ64を通過したことを契機に、普通図柄(単に、普図ともいう)に係る電子抽選(普図抽選)の結果、普図当り、または外れが表示されるよう主制御装置100により制御されるものである。
遊技領域31における遊技球規制レール33の内側には、センター役物50と、演出表示装置51(演出表示手段)と、第1始動入賞口61と、第2始動入賞口62と、電動チューリップ63と、スルーチャッカ64と、大入賞口65と、アタッカ装置66と、複数の一般入賞口67と、アウト口68と、遊技領域31内の遊技球の流下方向に変化を与える複数の遊技釘N及び風車Pとが設けられている。
なお、以下の遊技領域31内に配置された構成部材の説明は、他に示すものが無い限り図3を参照するものであり、その旨の記載は省略する。
第1始動入賞口61、第2始動入賞口62、大入賞口65、スルーチャッカ64、一般入賞口67のそれぞれには、遊技球の通過を検知する第1始動入賞口検知センサ91、第2始動入賞口検知センサ92、大入賞口検知センサ93、スルーチャッカ検知センサ94、一般入賞口検知センサ95(以下、これらを単に検知センサともいう)が内蔵されている。
これらの検知センサ91〜95は、遊技球の通過に伴い遊技球検知信号(電気信号)を出力する磁気センサであり、その遊技球検知信号は主制御装置100に入力される(図4参照)。
ここで、本実施形態の遊技機における「1遊技」は、第1特別図柄表示装置40A、または第2特別図柄表示装置40Bが作動することとなる第1始動入賞口61または第2始動入賞口62への遊技球の入賞を始期とし、第1特別図柄表示装置40A、または第2特別図柄表示装置40Bの特別図柄が変動を開始したときから、当該変動が継続している状態を経て、当該変動が終了する特別図柄の停止表示時を終期とする遊技とする。
(センター役物)
センター役物50は、遊技領域31のほぼ中央において、遊技領域31から前方へ突出し、その中央に前後方向の開口部50aを有する枠状をなしている。センター役物50の後方には、矩形状の演出表示装置51が設けられており、センター役物50の左側には、遊技領域31に打ち出された遊技球の一部を、センター役物50内に導入可能とするための遊技球案内路50bが設けられている。センター役物50の下部中央には、遊技球案内路50bから導入された遊技球を、誘導し、かつ揺動させるステージ52が設けられている。
(演出表示装置)
演出装置の一つである演出表示装置51は、本実施形態の遊技機においては表示領域を有する液晶表示装置からなり、サブ制御装置200の制御に基づいて、演出図柄を所定の演出態様をセンター役物50の開口部50aを通して表示するものである。
演出表示装置51には、所定の演出態様として、第1特別図柄表示装置40Aに表示される第1特別図柄の変動と連動して変動表示される第1演出図柄S1と、第2特別図柄表示装置40Bに表示される第2特別図柄の変動と連動して変動表示される第2演出図柄S2とが、共通化されて液晶画像の表示領域内で表示制御される。また、各演出図柄S1、S2の表示上の裏側には遊技状態に対応する背景画像(変動画像または静止画像)が表示制御される。
さらに、演出表示装置51の下部には、第1特別図柄抽選に対応する後述する保留球乱数が主制御装置100のRAMに記憶された旨の表示を行う表示領域A1が設けられ、当該表示領域とは別に、第2特別図柄抽選に対応する保留球乱数が主制御装置100のRAMに記憶された旨の表示を行う表示領域A2が設けられる。
(ステージ)
ステージ52は、演出表示装置51の下方に配置されていて、遊技球を転動させながら一時的に滞在させるものである。
ステージ52の左右は中央へ向かって傾斜しており、ステージ52の中央には前後方向の溝52Aが、僅かに前側が傾斜するように形成されている。この溝52Aの真下の位置には第1始動入賞口61が配置されているため、溝52Aから落下した遊技球は、高い確率で第1始動入賞口61に導かれる。
(始動入賞口)
第1始動入賞口61は、遊技領域31の略中央部におけるステージ52の下方に位置する。遊技球の第1始動入賞口61への入賞を契機に、主制御装置100により第1特別図柄に係る 電子抽選(第1特別図柄抽選)が実行される。
第1始動入賞口61は、遊技者のハンドル7の操作により発射された遊技球が遊技領域31の左側部を流下する場合、遊技釘Nや風車P等により、入賞し易い位置に配置される。
第2始動入賞口62は、遊技球を所定のタイミングで受入可能とするための電動チューリップ63を有し、遊技領域31の右側部に配置されている。遊技球の第2始動入賞口62への入賞を契機に、 主制御装置100により第2特別図柄に係る 電子抽選(第2特別図柄抽選)が実行される。
第2始動入賞口62は、遊技者のハンドル7の操作により発射された遊技球が遊技領域31の右側部を流下する場合、遊技釘Nや風車P等により、入賞し易い位置に配置される。
なお、盤面構成は、上記以外であってもよく、例えば、第2始動入賞口62を第1始動入賞口61の下方に配置するようにしてもよい。
電動チューリップ63は、第2始動入賞口62の上部の入口側に設けられ、遊技盤30の前面に直交する軸を中心に回動する1対の羽根部材63Aと、これら1対の羽根部材63Aを駆動する電動チューリップ駆動装置(ソレノイド)63B(図4参照)とを備え、そのソレノイド63Bへの通電により1対の羽根部材63Aの先端が互いに離れる方向に回動し、第2始動入賞口62の入口を拡大するものである。
電動チューリップ63は1対の羽根部材63Aを閉じた状態において、第2始動入賞口62の上方に稙設された遊技釘Nとの間隔が、遊技球が通過不可能なものであるため、1対の羽根部材63Aが閉じた状態では第2始動入賞口62への遊技球の入賞は不可能である。
電動チューリップ63は、普通図柄に係る電子抽選の結果が普図当りとなった場合に、1対の羽根部材63Aが開くよう主制御装置100により制御される。
(スルーチャッカ)
スルーチャッカ64は、遊技球が通過可能なゲート構造をなしたものであり、本実施形態の遊技機においては、遊技盤30の右側部に位置している。
遊技球がスルーチャッカ64を通過することを契機に、主制御装置100により普通図柄に係る電子抽選(普図抽選)を行う。
従って、本実施形態の遊技機では、遊技者がハンドル7の回転操作量を大とする操作をして、遊技球を遊技領域の右側に打ち出さなければ、スルーチャッカ64に遊技球を通過させることができないため普図抽選も行われず、遊技領域31の右側部に配置されている第2始動入賞口62への遊技球の入賞は不可能となっている。
(大入賞口)
大入賞口65は横長な長方形の開口であり、第1始動入賞口61の下方に設けられる。
アタッカ装置66は、大入賞口65における開口の下辺部に水平な軸を中心として前後方向にフラップ状に回動白在に設けられ、大入賞口65の形状とほぼ同じ長方形の蓋部材66Aを駆動させるアタッカ駆動装置66B(図4参照)の駆動により蓋部材66Aが前方向に回動して大入賞口65を開放するものである。
アタッカ装置66は、第1始動入賞口61への遊技球の入賞を契機に行われる第1特別図柄に係る第1特別図柄抽選の結果が当り(第1特図当り、特図当り、大当り、または単に「当り」ともいう)となった場合、または第2始動入賞口62への遊技球の入賞を契機に行われる第2特別図柄に係る第2特別図柄抽選の結果が当り(第2特図当り、特図当り、大当り、または単に「当り」ともいう)となった場合に、主制御装置100がアタッカ駆動装置66Bを制御することにより所定のラウンド数だけ開放され、これによって遊技者にとって通常遊技より有利な当り遊技(有利遊技ともいう。有利遊技は後述する第1有利遊技及び第2有利遊技の総称である)が提供される。
本実施形態に係る遊技機において、所定のラウンド数は2ラウンド(2Rともいう)、5ラウンド(5Rともいう)又は15ラウンド(15Rともいう)であり、1ラウンドあたりの遊技球の最大入賞可能個数は例えば、9個で、かつ、アタッカ装置66の最長開放時間は30秒である。
即ち、例えば、1ラウンドが上記条件(最大入賞可能個数が9個、アタッカ装置66の開放時間が30秒)の場合は、アタッカ装置66の開放時点から30秒経過する前に大入賞口65への遊技球の入賞個数が9個に達した場合と、大入賞口65への遊技球の入賞個数が9個に達する前にアタッカ装置66の開放時点から30秒が経過した場合に、1ラウンドが終了するようになっている。
なお、当り遊技が2ラウンド、5ラウンド又は15ラウンドの何れのラウンドとなるかは、複数存在する特図当りの種類によって異なる。例えば、2ラウンド当りは「135」、5ラウンド当りは「222」、15ラウンド当り「777」等の停止表示パターンが対応している。
上述の特図当りの種類には、「予め定めた当り図柄当り(出玉有利当り)」と「予め定めた当り図柄以外の当り(出玉不利当り)」とが設定され、「予め定めた当り図柄当り(出玉有利当り)」は、1ラウンドにおける遊技球の最大入賞可能個数(9個)となりうる開放制限が行われる大当りのことである(例えば、停止表示パターンが「222」、「777」等)。換言すると、プリカを通しての貸球の使用を不要として、次回の特図当りが見込める程度に纏まった賞球総数(当り確率及び釘構成等に基づく特図入賞率から割出す想定値)を付与可能か、または大当り後に持ち玉を減らさずに遊技可能な有利遊技(例えば、時短状態)に移行させる当り図柄当りの種類のことである。
一方、「予め定めた当り図柄以外の当り(出玉不利当り)」は、1ラウンドにおける遊技球の最大入賞可能個数(9個)未満となりうる開放制限が行われる大当り、又は小当りのことである(例えば、停止表示パターンが「135」等)。換言すると、獲得賞球総数が最大獲得数と比較して少ない、または賞球が無い当りであって、次回の特図当りとなる前に、獲得賞球を使い切る可能性が高い特図柄当りの種類のことである。
このように、予め定めた当り図柄当り、または予め定めた当り図柄以外の当りによって、大入賞口65の開閉パターンまたはラウンド数が異なるため、期待できる出玉量(期待出玉量)が大幅に変化する。
例えば、予め定めた当り図柄当りとなって、当り遊技が15ラウンドとなった場合には、大入賞口65が例えば30秒×15回の開閉パターンを伴うことで約1000個〜1700個程度の期待出玉量となり、5ラウンドとなった場合には、大入賞口65が例えば30秒×5回の開閉パターンを伴うことで約300個〜600個程度の期待出玉量となる。
このように所定量の出玉を伴う大当り遊技を第1有利遊技という。第1有利遊技は、第1有利遊技の開始を示唆するオープニング演出後、規定数のラウンドが消化され、最終ラウンド直前における大入賞口65の最後の閉鎖を契機に開始する第1有利遊技の終了を示唆するエンディング演出をもって終了する。なお、第1有利遊技中は特図の変動が規制され、エンディング演出後に再開する。
一方、予め定めた当り図柄以外の当りとなって、当り遊技が2ラウンドとなった場合には、大入賞口65は例えば0.5秒×2回程度しか開放せず、殆ど入賞や出玉が期待できない。このように所定量の出玉を期待できない大当り遊技を第2有利遊技という。第2有利遊技は、殆ど入賞や出玉が期待できない代わりに、大当り終了後は、後述する持ち遊技球が殆ど減少しない「時短機能」を伴った、2ラウンド時短(2R時短)または、時短機能と伴った状態であって、かつ特図当りの確率が通常状態と比較して高く設定された確率状態(後述する特図高確遊技モードまたは確変状態)へ移行する2ラウンド確変(2R確変または突確)となる。この他に、「時短機能」は伴わず、特図高確遊技モードとなる、遊技者には遊技状態における演出態様が通常状態と変わらない潜伏確変状態(潜確状態)がある。なお、2R時短、2R確変、突確、または潜確に係る当りのことをそれぞれ、2R時短当り、2R確変当り、2R突確当り、2R潜確当りという。
なお、大入賞口65の1ラウンド当りの開放時間、開閉回数、又はこれらの組み合わせを特図当りの種類によって異ならせた当り遊技とすることも可能である。
本実施形態に係る遊技機における「1ラウンド」は、アタッカ装置66を作動させる1回分のコマンド(主制御装置100からの指令)で得られる大入賞口65の開放処理としている。そのため、1回分のコマンド(1ラウンド)に基づいて蓋部材66Aを駆動させる回数は1回に限らず、所定の複数回とすることもできる。
従って、例えば5ラウンドの当り遊技となる場合は、アタッカ装置66を作動させる1回分のコマンドが個別に5回分連続生成されることに基づいて、当該5ラウンドの当り遊技を実行することもできる。
ここで、時短機能は、後述する普図高確遊技モード状態において発揮される機能であって、普通図柄表示装置41における普通図柄の変動時間を通常状態時よりも短縮する。時短機能が発揮された状態中(時短状態中)は、スルーチャッカ64への遊技球の通過を契機として行われる普通図柄の当選確率が上昇し、第2始動入賞口62の電動チューリップ63の開閉パターンが、電動チューリップ63が頻繁に開閉したり開放時間が延長されたりするパターンに設定される。本実施形態では、例えば、遊技球がスルーチャッカ64を通過したとき、通常状態(後述する普図低確遊技モード状態)の場合は、普通図柄の変動時間が10秒、当り確率が1/120、電動チューリップ63は0.2秒程度の開放を1回のみ行う開閉パターンに対して、時短状態の場合は、普通図柄の変動時間は1秒、当り確率が1/1.1、電動チューリップ63は1.9秒程度の開放を3回行う開閉パターンが設定される。このため、時短状態中は、通常状態と比較して第2始動入賞口62の電動チューリップ63の開放時間が長くなっているため、第2始動入賞口62への入賞が容易となり、遊技者の持ち球を殆ど減少させずに、短時間で効率的に抽選を行うことが可能となる。
なお、時短の終了契機は、何らかの大当りに当選するまで続く場合、普通図柄の変動表示回数が所定回数に達する場合、または特別図柄の変動表示回数が所定回数に達する場合、のいずれか一つ又は複数の条件を満たしたときである。
第1始動入賞口61、第2始動入賞口62、大入賞口65、一般入賞口67の何れにも入賞しなかった遊技球は、遊技領域31の最下部に位置するアウト口68から回収される。
(遊技機の制御)
次に、図4を参照し、主要な制御装置について詳説しながら本実施形態の遊技機の機能(制御)を説明する。
なお、本実施形態の遊技機は、主制御装置100及びサブ制御装置200によって制御され、主制御装置100及びサブ制御装置200の以下に説明する機能は、ROMに予め記憶されている所定のプログラム(ソフトウエア)による情報処理が、CPUやROMやRAM、その他演出装置等のハードウエア資源により具体的に実現されることによって達成される。
(主制御装置)
図4に示すように、主制御装置100は、各検知センサ91〜95からの遊技球の検知信号の入力に基づいて、抽選や制御を実行する。
主制御装置100は、第1特別図柄用当否抽選手段110(抽選制御手段)、第2特別図柄用当否抽選手段120(抽選制御手段)、変動表示制御手段130(特別図柄変動表示制御手段)、乱数保留手段140、保留球乱数先判定手段145(仮判定手段)、当り遊技制御手段150、遊技モード制御手段160、普通図柄用当否抽選手段170、電動チューリップ制御手段180、払出制御手段190等を有する。
第1特別図柄用当否抽選手段110(抽選制御手段)は、第1始動入賞口検知センサ91からの検知信号の入力に基づいて、特図当りか否か(有利遊技へ移行するか否か)を決定するための第1特別図柄抽選用の乱数、及び第1特別図柄表示装置40Aに停止表示させる第1特別図柄の停止表示パターン(例えば、複数の記号又は数値の組合せ)の種類を決定するための第1特別図柄表示抽選用の乱数の抽出を行う。
第1特別図柄用当否抽選手段110は、第1特別図柄抽選用の乱数の抽出を行ったとき、後述する遊技モード制御手段160が制御するモード状態(特図高確遊技モードまたは特図低確遊技モード)に応じた第1特別図柄抽選用の当否判定テーブルを参照して乱数判定を行い、当否の結果を決定する。
第1特別図柄用当否抽選手段110は、第1特別図柄抽選用の乱数抽選結果(当り又は外れ)に基づいて、第1特別図柄表示抽選に係る当り停止表示用テーブル又は外れ停止表示用テーブルを参照して第1特別図柄表示抽選用の乱数判定を行い停止表示パターンに係る第1特別図柄を決定する。
なお、本実施形態の遊技機における「乱数」とは、ハードウェア乱数生成手段やソフトウェア乱数生成手段などにより、高速で複数の数値をループ的に更新させて発生させるとともに、所定センサに基づく検知タイミングに応じて1の数値(ランダム値)の抽出を可能とした擬似乱数(電子抽選)であるものとする。
第2特別図柄用当否抽選手段120(抽選制御手段)は、第2始動入賞口検知センサ92からの検知信号の入力に基づいて、当否(有利遊技へ移行するか否か)を決定するための第2特別図柄抽選用の乱数、及び第2特別図柄表示装置40Bに停止表示させる第2特別図柄の停止表示パターン(例えば、複数の記号又は数値の組合せ)の種類を決定するための第2特別図柄表示抽選用の乱数の抽出を行う。
第2特別図柄用当否抽選手段120は、第2特別図柄抽選用の乱数の抽出を行ったとき、後述する遊技モード制御手段160が制御するモード状態(特図高確遊技モードまたは特図低確遊技モード)に応じた第2特別図柄抽選用の当否判定テーブルを参照して乱数判定を行い、当否の結果を決定する。
第2特別図柄用当否抽選手段120は、第2特別図柄抽選用の乱数抽選結果(当り又は外れ)に基づいて、第2特別図柄表示抽選に係る当り停止表示用テーブル又は外れ停止表示用テーブルを参照して第2特別図柄表示抽選用の乱数判定を行い停止表示パターンに係る第2特別図柄を決定する。
変動表示制御手段130(特別図柄変動表示制御手段)は、第1特別図柄表示装置40A及び第2特別図柄表示装置40Bにおいて所定の変動パターンの変動表示(例えば、序列が定められた複数の記号又は数値を所定速度で順番にリールが回転するが如く更新表示)をさせるための第1特別図柄用変動パターン抽選用の乱数及び第2特別図柄用変動パターン抽選用の乱数の抽選を行う。当該抽選の結果に基づいて、変動時間の概念を含む特図変動パターン(以下、単に、変動パターンともいう)の変動表示(例えば、序列が定められた複数の記号又は数値を所定速度で順番にリールが回転するが如く更新表示)をさせる。
具体的には、第1特別図柄用変動パターン抽選に係る当り変動表示用テーブルまたは外れ変動表示用テーブルを参照して第1特別図柄用変動パターン抽選用の乱数判定を行い、第1特別図柄表示装置40Aに変動表示させる第1特別図柄用変動パターンを決定する。
また、第2特別図柄用変動パターン抽選に係る当り変動表示用テーブルまたは外れ変動表示用テーブルを参照して第2特別図柄用変動パターン抽選用の乱数判定を行い、第2特別図柄表示装置40Bに変動表示させる第2特別図柄用変動パターンを決定する。
変動表示制御手段130は、決定した変動パターンに基づいて、第1特別図柄表示装置40A及び第2特別図柄表示装置40Bにおいて特別図柄を変動表示する制御を行う。
乱数保留手段140は、上述の有利遊技の移行中、または第1特別図柄表示装置40Aまたは第2特別図柄表示装置40Bが第1特別図柄又は第2特別図柄を変動表示しているときに、第1始動入賞口検知センサ91または、第2始動入賞口検知センサ92からの検知信号の入力に基づいて乱数の抽出処理が発生した場合に、規定数(例えば、4)となるまでは判定許可待ちの保留処理として当該抽出乱数(保留球乱数または保留記憶ともいう)を記憶する。乱数保留手段140により記憶された保留球乱数は、変動中の特別図柄の停止表示、又は当り遊技の終了に基づいて、入賞順で1つずつ処理の許可条件が満たされる度に1つずつ判定処理され、この判定に係る保留球乱数の記憶が消去される。
保留球乱数先判定手段145(仮判定手段)は、乱数保留手段140による保留記憶に係る各種乱数の仮判定を行う。具体的には、新規に記憶する保留記憶に係る第1及び第2特別図柄抽選用の乱数(当り乱数)、第1または第2特別図柄表示抽選用の乱数(当り図柄乱数)、変動パターン抽選用の乱数(変動パターン乱数)等の仮判定を行う。即ち、当該保留記憶に係る遊技において、特図当りか否か、どの特図の停止表示パターンが選択されるか、どの変動パターン(変動時間の概念を含む)が選択されるかを仮判定する。
保留球乱数先判定手段145は、保留記憶が新たに記憶された更新状態の判定を行い、新規の保留記憶があった場合に、上記各種乱数の仮判定処理を行う。仮判定処理の結果コマンド(仮判定情報)はサブ制御装置200へ送信される。
なお、仮判定の結果は、第1特別図柄用当否抽選手段110、第2特別図柄用当否抽選手段120及び変動表示制御手段130による判定結果と同一となり、両者の判定の結果に差違はない。
当り遊技制御手段150は、第1特別図柄表示抽選及び第2特別図柄表示抽選によって判定された停止表示パターンに基づいて、遊技者に有利な遊技状態において獲得可能な払出し賞球の出玉量の増減(例えば、大当りラウンド処理に係るアタッカ駆動装置66Bにおける開閉パターン種類)の制御を行う。
遊技モード制御手段160は、遊技状態に影響を与えるモード状態の種類の決定を行う。ここでいう、モード状態は、複数種類設定されており、具体的は、特図当りが当選し易い「特図高確遊技モード」、特図当りが当選し難い「特図低確遊技モード」、普図当りが当選し易い「普図高確遊技モード」、普図当りが当選し難い「普図低確遊技モード」、又はこれら遊技モードの組合せ等である。このモード状態によって、変動パターン(変動時間の概念を含む)も変化する。
本実施形態の遊技機においては、特図低確遊技モード及び普図低確遊技モードを組み合わせた状態が「通常状態」であり、特図高確遊技モード及び普図低確遊技モードを組み合わせた状態が例えば「潜確状態」であり、特図低確遊技モード及び普図高確遊技モードを組み合わせた状態が例えば「時短状態」、特図高確遊技モード及び普図高確遊技モードは例えば「確変状態」(突確を含む)である。
なお、以下の説明において、本実施形態の遊技機における、通常状態(特図低確遊技モード及び普図低確遊技モード)からの特図当りのことを初当りという。潜確(特図高確遊技モード及び普図低確遊技モード)からの確変状態、時短状態(特図低確遊技モード及び普図高確遊技モード)、及び確変(特図高確遊技モード及び普図高確遊技モード)からの特図当りのことを連荘当り(大当りの連荘)という。
普通図柄用当否抽選手段170は、スルーチャッカ検知センサ94からの検知信号に基づいて、乱数の抽出及び抽出した乱数の判定を行う普通図柄用当否抽選を実行する。また、普通図柄用当否抽選の結果、抽選の当否情報を普通図柄表示装置41に表示させる。
電動チューリップ制御手段180は、普通図柄用当否抽選手段170の普通図柄用当否抽選の結果、普図当りに当選した場合、電動チューリップ63のソレノイド63Bへの通電を行い、電動チューリップ63の1対の羽根部材63Aを当該普通図柄用当否抽選時のモード状態(普図低確遊技モードまたは普図高確遊技モード)に応じた開閉パターンとなるようにして開閉制御する。上述の時短状態の説明のように、開閉パターンには、開放回数が多いかつ開閉時間が長い、または開放回数が少ないかつ開閉時間が短い等の組み合わせが設定されている。
払出制御手段190は、検知センサ91〜93、95からの検知信号の入力に基づいて、各入賞口に予め対応付けられている賞球の払出個数に係る賞球信号を、払出制御装置300に送信する。
主制御装置100は、上記の各制御手段により処理された所定の結果を制御信号としてサブ制御装置200へ送信する。
(サブ制御装置)
次に、サブ制御装置200(演出図柄変動表示制御手段)について説明する。
図4に示すように、サブ制御装置200は、主制御装置100からの制御信号に基づいて遊技機の演出に係る制御を行う。
より具体的には、サブ制御装置200は、背景決定手段210、演出パターン選択手段220、先判定情報解析手段230、及びプリカ忘れ報知制御手段240を備えることによって遊技機の各演出装置に対して演出を実行させる制御を行う。
背景決定手段210は、遊技モード制御手段160により設定される遊技モードの種類と背景画像の種類との対応関係を規定した背景用テーブル(図示省略)を備え、この背景用テーブルを参照して、演出表示装置51に表示させる背景画像を決定する。
演出パターン選択手段220は、特図変動パターンと演出パターンの種類との対応関係を規定する演出パターンテーブル225を備え、この演出パターンテーブル225を参照して第1演出図柄S1、第2演出図柄S2に係る演出パターン等(1遊技内で行われる演出)を選択するものである。
具体的には、変動表示制御手段130により選択された特図変動パターンに基づいて、第1特別図柄または第2特別図柄の変動表示の内容に応じた第1演出図柄S1または第2演出図柄S2に係る演出パターン(変動時間の概念を含む)や、特図当りを示唆するリーチ演出パターンや、有利遊技に係る演出パターンを演出パターンテーブル225に設定された複数種類の演出パターンから電子抽選により決定する。
演出パターンには、演出表示装置51に表示される液晶演出に係る情報、スピーカ8から出力される音響に係る情報、照明装置9による照明演出に係る情報等がそれぞれ設定されている。
ここで、有利遊技に係る演出パターンは、所謂、大当りに係る特別図柄の停止表示から、1ラウンドが開始する前、即ち、大入賞口65が開口するまでの間に実行されるオープニングパターン、1ラウンド毎に実行されるラウンド演出パターン、及び最終ラウンド終了後(最後の大入賞口65の閉鎖後)から次の特別図柄の変動表示が開始されるまでの間に実行されるエンディング演出パターンから構成される。
演出パターン選択手段220は、後述するプリカ忘れ報知制御手段240によるプリカ忘れ注意喚起演出の不実行フラグの設定または非設定に基づいて、複数種類設定された演出パターンのうちから有利遊技に係る演出パターンを選択する。
図5に示すように、有利遊技中のエンディング演出パターンは、18秒間に複数の演出態様が設定されている。例えば、プリカ忘れ注意喚起演出が設定されていない「演出パターン1」においては、16秒間、有利遊技が終了する様子を示す動画演出aが実行された後、2秒間、企業ロゴやキャラクタ等が表示される停止演出bが実行される。
一方、プリカ忘れ注意喚起演出が設定されている「演出パターン2」においては、16秒間の動画演出aの実行後、2秒間のプリカ忘れ注意喚起演出cが実行される。即ち、プリカ忘れ注意喚起演出cの実行タイミングは、エンディング演出において最後の2秒間となるため、遊技進行に影響を与え難いタイミングということができる。
ここで、プリカ忘れ注意喚起演出は、図6に示すように、プリカがCRユニット10のカード投入/排出口10aから排出される様子を示す画像とともに、「プリペイドカードの取り忘れや盗難にご注意ください。」等の文字表示により、プリカ取り忘れの注意を促す演出である。遊技者は、演出表示装置51に表示された当該演出を視認することによってプリカをCRユニット10から取り忘れないように注意することができる。また、図中左上に示すように、有利遊技時に実行されるプリカ忘れ注意喚起演出においては、停止表示された第1演出図柄S1または第2演出図柄S2の縮小化されたものが表示される。なお、後述するリーチ演出時に実行されるプリカ忘れ注意喚起演出においては、左右の図柄が停止表示され中央の図柄が変動表示される所謂リーチ状態の第1演出図柄S1または第2演出図柄S2の縮小化されたものが表示される。
演出パターン選択手段220により設定された演出パターンに基いて、演出装置8、9、51は各種の演出を実行する。
先判定情報解析手段230は、有利遊技中に主制御装置100の保留球乱数先判定手段145から送信された結果コマンド(仮判定情報)を解析し、この解析結果を、プリカ忘れ報知制御手段240へ送信する。本実施形態の遊技機においては、先判定情報解析手段230は、仮判定情報から特別図柄当りが、予め定めた当り図柄当りか、予め定めた当り図柄以外の当りかを解析する。先判定情報解析手段230の解析は、背景決定手段210及び演出パターン選択手段220の処理に先んじて実行される。
なお、先判定情報解析手段230は仮判定情報のうち、一つだけでなく複数を解析してもよい。
プリカ忘れ報知制御手段240は、通常遊技状態等において当選した特図当りの種類、または先判定情報解析手段230の解析の結果に基づいて、プリカ忘れ注意喚起演出の不実行フラグを設定する。
ここで、プリカ忘れ注意喚起演出の不実行フラグ(以下、単に不実行フラグという)とは、演出パターン選択手段220が、有利遊技の演出パターンにおいて、複数あるエンディング演出パターンからプリカ忘れ注意喚起演出を含むパターン(例えば、演出パターン2)を選択するための基準となるものである。即ち、不実行フラグが成立していれば、プリカ忘れ注意喚起演出は実行されず(無効化制御)、不実行フラグが成立していなければ、プリカ忘れ注意喚起演出は実行される(有効化制御)。
プリカ忘れ報知制御手段240は、第1特別図柄用当否抽選手段110の特別図柄抽選用の乱数及び特別図柄表示抽選用の乱数の抽出の結果、予め定めた当り図柄当り(出球有利当りA)でかつ、当該当りが通常状態または潜確(確変状態か通常状態かの判別がしがたい)状態中に発生した初当りの場合には、遊技者が期待していた遊技利益が得られる喜び等の高揚した精神状態によりプリカを取り忘れて離席(遊技終了)する可能性が高まる為、不実行フラグを非設定(プリカ忘れ注意喚起演出の実行)とする。
また、初当りであって不実行フラグが非設定とされた場合において、当該当りに基づく有利遊技の終了までの保留記憶の解析結果によって予め定めた当り図柄当り(出球有利当りa)が次回確定する場合には、不実行フラグを設定(プリカ忘れ注意喚起演出の不実行)し、次回確定する当り(出球有利当りa)となる際に不実行フラグを非設定(プリカ忘れ注意喚起演出の実行)として、プリカ忘れ注意喚起演出を連続的に出現させることを抑制する。
一方、初当りとなる場合であっても、当該当りが予め定めた当り図柄以外の当りのとき(出球不利当りB)、即ち、遊技者が期待していた遊技利益が得られず、その後もプリカの継続使用の可能性が高い状況においては、不実行フラグを設定(プリカ忘れ注意喚起演出の不実行)する。
また、初当りとなる場合であって不実行フラグが設定されたときにおいて、当該当りに基づく有利遊技の終了までの保留記憶の解析結果によって予め定めた当り図柄当り(出球有利当りa)が次回確定する場合には、不実行フラグを非設定(プリカ忘れ注意喚起演出の実行)とする。
また、予め定めた当り図柄当りが初当りではなく、確変または時短状態中に発生させた連荘当りであった場合は、不実行フラグを設定(プリカ忘れ注意喚起演出の不実行)する。
図7に示すように、プリカ忘れ報知制御手段240は、上述の有利遊技中の保留記憶に基づく先判定情報解析手段230の解析結果が、予め定めた当り図柄当り(保留記憶が出玉有利当りa)の場合で、かつ先の不実行フラグが設定状態のとき、即ち、有利遊技の移行契機となった当該先の当りが予め定めた当り図柄以外の当り(先の抽選結果が出玉不利当りB)のときは、設定状態とした不実行フラグに関して、非設定状態に変更し、プリカ忘れ注意喚起演出を実行させる(第1有効化制御)。
一方、同じく保留記憶に基づく先判定情報解析手段230の解析結果が、予め定めた当り図柄当り(保留記憶が出玉有利当りa)の場合で、かつ先の不実行フラグが非設定状態のとき、即ち、有利遊技の移行契機となった当該先の当りが予め定めた当り図柄当り(先の抽選結果が出玉有利当りA)のときは、非設定状態とした不実行フラグに関して設定状態に変更し、プリカ忘れ注意喚起演出を不実行とさせる(無効化制御)。
同じく保留記憶に基づく先判定情報解析手段230の解析結果が、予め定めた当り図柄以外の当り(保留記憶が出玉不利当りb)の場合で、かつ先の不実行フラグが設定状態のとき、即ち、有利遊技の移行契機となった当該先の当りが予め定めた当り図柄以外の当り(先の抽選結果が出玉不利当りB)のときは、不実行フラグの設定状態を維持する(無効化制御)。
一方、同じく保留記憶に基づく先判定情報解析手段230の解析結果が、予め定めた当り図柄以外の当り(保留記憶が出玉不利当りb)の場合で、かつ先の不実行フラグが非設定状態のとき、即ち、有利遊技の移行契機となった当該先の当りが予め定めた当り図柄当り(先の抽選結果が出玉有利当りA)のときは、不実行フラグの非設定状態を維持する(第1有効化制御)。
また、プリカ忘れ報知制御手段240は、先判定情報解析手段230の解析結果が送信されない場合(例えば、保留記憶に当りが無い場合や保留記憶が無い場合)、設定処理を行わず先の不実行フラグの設定状態を維持する。
ここで、演出パターン選択手段220は、不実行フラグが設定されている場合には、演出パターン1を設定してプリカ忘れ注意喚起演出を実行しないようにし(無効化制御)、不実行フラグが非設定の場合には、演出パターン2を設定して予め定められた遊技進行に影響を与え難い所定のタイミングでプリカ忘れ注意喚起演出を実行するようにする(第1有効化制御)。
プリカ忘れ報知制御手段240は、演出パターン選択手段220による演出パターン1の設定後、設定されている不実行フラグを消去する。
さらに、プリカ忘れ報知制御手段240は、先判定情報解析手段230の一つの解析情報に基づいて不実行フラグの設定をするだけではなく、複数の解析情報に基づいて不実行フラグを設定するようにしてもよい。また、不実行フラグの代わりに、プリカ忘れ報知演出を実行するための「実行フラグ」を設定して、判定条件を逆転させてもよい。
上記の構成により、有利遊技中に連荘当りが確定した場合には、当該有利遊技中にプリカ忘れ注意喚起演出を行わないようにするため、演出パターン選択手段220により演出パターン1が設定される。
一方、有利遊技中に連荘当りが確定していない場合には、通常のエンディング演出を実行するため、演出パターン選択手段220により演出パターン2が設定される。
即ち、遊技に直接関係のないプリカ忘れ注意喚起演出であっても、最適なタイミングで表示することにより、遊技者に煩わしさを与えることがなく、有利遊技中等の演出効果を妨げることもない。
また、不実行フラグの設定にはCRユニット10内のプリカの有無を判断する必要がないため、プリカの有無を検知するため通信ルートを設ける必要がなく通信ルートに係るコストを抑えることができる。
(プリカ忘れ注意喚起演出に係る制御フロー)
図8〜図10を参照して、プリカ忘れ注意喚起演出に係る処理等について主制御装置100側の処理と、サブ制御装置200側の処理とに分けて説明する。
(主制御装置100側の制御フロー)
図8に示すように、第1特別図柄表示装置40Aまたは第2特別図柄表示装置40Bの第1特別図柄又は第2特別図柄を変動表示中、または遊技状態が有利遊技の移行中(S100でYES)に、保留球乱数先判定手段145は、新たな入賞検知に基づいて保留処理された保留玉乱数(保留記憶)の更新状態の判定を行い(S110)、新規の保留記憶が有る場合(S110でYES)、新規の保留記憶に係る当り乱数、当り図柄乱数、変動パターン乱数の仮判定を実行する(S130)。そして、仮判定処理の結果コマンド(仮判定情報)をサブ制御装置200へ送信する(S140)。なお、S100及びS120でNOの場合は、仮判定は実行されないため、仮判定情報はサブ制御装置200へは送信されず、本処理は終了する。
(サブ制御装置200側の制御フロー)
図9に示すように、プリカ忘れ報知制御手段240は、遊技状態が有利遊技中であって(S200でYES)、後述する不実行フラグの設定処理がされていない場合(S202でNO)で、かつ進行中の有利遊技が出球有利当りAに基づく有利遊技ではないとき(S204でNO)、不実行フラグを設定する(S206)。一方、不実行フラグの設定処理がされている場合(S202でYES)、または、進行中の有利遊技が出球有利当りAに基づく有利遊技のとき(S204でYES)、不実行フラグの設定はされず次の処理に進む。
先判定情報解析手段230は、最終ラウンドの直前ラウンドにおける大入賞口65の開放が最後に閉鎖する直前又は直後、即ち、エンディング演出開始前(S210でNO)に、仮判定情報を受信したとき(S220でYES)、仮判定情報の解析を行う(S230)。その解析結果に基づいて、不実行フラグの設定処理(S240)を実行する。
図10に示すように、不実行フラグの設定処理において、特図当りが予め定めた当り図柄当りである出球有利当りaの場合(S241でYES)で、かつ先に不実行フラグが設定されているとき(S242でYES)、設定されている不実行フラグを非設定状態に変更する(S243)。
一方、先に不実行フラグが設定されていないとき(S242でNO)、不実行フラグを新たに設定する(S244)。
特図当りが予め定めた当り図柄当りではない、例えば出球不利当りbの場合(S241でNO)は、先の不実行フラグの設定状態に関わらず、設定処理を行わず先の不実行フラグの設定状態を維持して不実行フラグの設定処理を終了させる。
なお、図9におけるS200及びS220でNOの場合には、不実行フラグを設定せず(不実行フラグの設定処理を実行せず)に処理は終了する。
一方、演出パターン選択手段220は、図9に示すように、エンディング演出開始時(S210でYES)に、不実行フラグが設定されている場合(S260でYES)は、演出パターン1を選択し(S270)。不実行フラグが設定されていない場合(S260でNO)は、演出パターン2を選択する(S290)。演出パターン1が選択された場合(S270)には、その後、プリカ忘れ報知制御手段240は不実行フラグを削除する(S280)
上記フローで設定された演出パターン1または2に従って、スピーカ8、照明装置9及び演出表示装置51は、エンディング演出を表示等する。
以上の制御フローによれば、入賞情報の仮判定の結果に基づいて、CRユニット10に投入されているプリカの返却操作を促す情報の表示を無効にしたり、有効にしたりすることによって、遊技者に最適な態様でCRユニット10からのプリカ取り忘れの注意喚起をすることができる。
例えば、初当り時や所謂連荘当り終了時等であって、連続した当りの期待度が比較的低く、遊技者が当該有利遊技の直後に遊技を止める可能性がある場合に、CRユニット10内に投入されているプリカの返却操作を促す情報を表示することにより、遊技を止める際に、遊技者がCRユニット10からプリカを取り忘れることを防止することができる。
一方、有利遊技終了直後に大当りが成立して有利遊技状態となる所謂連荘当りとなる場合には、遊技者が当該有利遊技の直後に遊技を止める可能性が相対的に低いため、当該有利遊技においてプリカの返却操作を促す情報を表示せずに、例えば、通常の有利遊技に係る演出(連荘当りに相応しい演出)を行うことによって、遊技者は連荘当りの遊技を集中して行うことができる。
より具体的には、不実行フラグ非設定状態であるプリカ忘れ注意喚起演出を行う条件を満たす出球有利当りAの成立(抽選判定)に基づく有利遊技Aの移行状態中において、当該当りに係る入賞検知後の新たな入賞検知が保留処理され仮判定した際の情報に、プリカ忘れ注意喚起演出を行う条件を満たす出球有利当りaがある場合、当該有利遊技Aのエンディング演出時にはプリカ忘れ注意喚起演出を行わせずに(無効化制御とし)、出球有利当りaの成立に基づく有利遊技aの移行終了後にまで持ち越させて、プリカ忘れ注意喚起演出を実行させる(有効化制御とする)ことが可能となる。
これにより、当該有利遊技Aの終了後から次回の有利遊技aの開始となるまでに行う図柄変動演出において、プリカ忘れ注意喚起演出を含まない「繋ぎ演出」を行うことができる。
ここでいう「繋ぎ演出」には、大当りを示唆する等の演出上の意味を持たせることも、持たせないことも可能である。
また、不実行フラグ設定状態であるプリカ忘れ注意喚起演出を行う条件を満たさない出球不利当りB(突確または潜確)の成立(抽選判定)に基づく有利遊技bの移行状態中において、当該当りに係る入賞検知後の新たな入賞検知が保留処理され仮判定された結果、入賞検知情報に、プリカ忘れ注意喚起演出を行う条件を満たす出球有利当りaがある場合、当該有利遊技bの終了後から最大の保留処理可能な上限数(例えば、4回)の図柄変動となるときまでに出球有利当りaの成立に基づく有利遊技aが発生することが確実であるため、例外的に先んじて当該有利遊技b中の所定のタイミングでプリカ忘れ注意喚起演出を実行させる(有効化制御とする)ことが可能となる。
尚、プリカ忘れ注意喚起演出を行う表示タイミングは、エンディング演出時等ではなく、有利遊技の終了後の最初の図柄変動時、予め定めた変動パターンとなる図柄変動時、又は大当りラウンド遊技における大入賞口の開閉インターバル期間など、適宜設定可能である。
以上、本発明の一実施形態について説明したが、本発明の要旨を逸脱しない範囲内で、本実施形態の遊技機に対して、次のような変形や変更を施すことが可能である。なお、上述の本発明の一実施形態、及び下記変形例におけるそれぞれの構成要件及び遊技上の条件等を組み合わせることが可能である。
また、変形例で説明する構成要件以外は、上記の実施例の構成要件と同様のものを採用する。また、上記実施例において説明した構成要素であっても、変形例において機能が拡充したものについては、改めてその説明をしている。
(変形例1)
サブ制御装置200は、プリカ忘れ報知制御手段240による不実行フラグが非設定の場合に、現在進行中の有利遊技が、「初当り」、または「出玉有利利当り」に基づくものかを判定する特図当り判定手段250(図11参照。なお、図11はサブ制御装置200のみを示すものであるが、各種検知センサ91〜95、主制御装置100、払出制御装置300やその他演出装置等との関係は上記実施例(図4参照)と同一である)を設ける。
プリカ忘れ報知制御手段240は、特図当り判定手段250による判定結果に基づいて、複数種類の報知フラグのうち1つを設定する。
ここでいう報知フラグは大別すると2種類あって、プリカ忘れ注意喚起演出を不許可とするための、報知フラグ1及び報知フラグ2と、プリカ忘れ注意喚起演出を許可するための報知フラグ3がある。また、報知フラグ1の成立は潜確当り(例えば、出玉を見込めない2R確変当り)を、報知フラグ2の成立は有利遊技の状態中に発生した当りを、報知フラグ3の成立は初当り(原則、通常状態中に発生した出球当り)を示す。
演出パターン選択手段220は、不実行フラグが非設定の場合に、上述の報知フラグの種類に基づいて演出パターン1または演出パターン2を選択する。具体的には、報知フラグ1または報知フラグ2のときは演出パターン1を選択し、報知フラグ3のときは、演出パターン2を選択する。
図12及び図13を参照して、特図当り判定手段250を含むプリカ忘れ注意喚起演出に係るサブ制御装置200の処理について説明する。
S300〜S380の処理は上記実施例におけるS200、S210〜S280と同等の処理の為説明は省略する。
特図当り判定手段250は、エンディング演出開始時(S310でYES)に、不実行フラグが設定されていない場合(S360でNO)、特別図柄抽選の結果の当りが「初当り」、または「出玉有利当り」を判定する当り判定処理を行う(S384)。
(初当り及び出玉有利当りの判定処理フロー)
図13を参照して、特図当り判定手段250に係る初当り及び出玉有利当りの判定処理フローを説明する。
特図当り判定手段250は、進行中の有利遊技が有利遊技(時短または確変)中の当りに基づかない、即ち、通常状態中の当り(初当り)の場合(S400でNO)で、かつ当該当りに係る特別図柄が、出玉不利当りの停止表示パターンで(S410でYES)、潜確図柄のとき(S420でYES)、当該有利遊技を初当りでかつ潜確当り(例えば、出玉を見込めない2R確変当り)と判定し、プリカ忘れ報知制御手段240は対応する報知フラグ1を設定する(S430)。一方、特図当り判定手段250は、潜確図柄ではないのとき(S420でNO)は、突確図柄(突確当り)と判定し、プリカ忘れ報知制御手段240は対応する報知フラグ2を設定する(S450)。
また、特図当り判定手段250は、進行中の有利遊技が有利遊技中の当りに基づく場合(S400でYES)で、かつ報知フラグ1が設定されてない場合(S440でNO)、プリカ忘れ報知制御手段240は、既に、前回の有利遊技の発生時にプリカ忘れ注意喚起演出をした後発生した連荘当りと判定し、対応する報知フラグ2を設定する(S450)。
一方、前回の当りは出玉が見込めず、遊技状態が通常遊技と同様の潜確状態中の当りであって報知フラグ1が設定されている場合(S440でYES)、報知フラグ1を削除し(S445)、上述の特別図柄が出玉不利当りの停止表示パターンであるか否かの判定処理(S410)に移行する。
そして、特別図柄が出玉不利当りの停止表示パターンでない場合(S410でNO)、プリカ忘れ報知制御手段240は、実質的に通常遊技中に発生した出玉有利当りとみなして当該有利遊技を初当りと判定し、対応する報知フラグ3を設定する(S460)。
再び図12を参照して説明すると、初当り及び出玉有利当りの判定処理(S384)の結果、特図当り判定手段250により、報知フラグ3が設定されている場合(S386でYES)は、演出パターン選択手段220によって演出パターン2が設定される(S390)。
一方、特図当り判定手段250により、報知フラグ3が設定されていない場合(S386でNO)は、進行中の有利遊技が潜確当りまたは突確当りに基づくものであるため、演出パターン1または2は設定されず、処理は終了する。
本変形例によれば、進行中の有利遊技の種類と保留記憶の内容によって、より最適なタイミングで演出パターンを選択することができる。
(変形例2)
サブ制御装置200における先判定情報解析手段230は、保留球乱数先判定手段145から送信された仮判定情報を解析し、解析の結果、変動パターンが、予め定めた変動パターンか否かを判定する。予め定めた変動パターンの場合、演出パターン選択手段220によって後述する演出パターン4が設定され、プリカ忘れ注意喚起演出が実行される(第2有効化制御)。
ここで、予め定めた変動パターンは、変動時間として所定時間以上が設定されたものであって、対応する演出パターンとして、例えば、特別図柄が所定態様で揃う所謂リーチ演出(リーチ変動パターン)パターンがある。これを判定することによって、予め、有利遊技終了後の大当り成立を目指して始動入賞させる通常遊技等において、所定時間以上の演出が実行されることが判断できる。
図14に示すように、リーチ演出パターンは、例えば、プリカ忘れ注意喚起演出に要する2秒より長い25秒間に設定される。通常のリーチ演出パターンである「演出パターン3」においては、25秒間のうち、冒頭から7秒間、大当りの予兆を示唆するような初期リーチ演出である動画演出dが実行され、7秒後から大当りを直接的に示唆するような18秒間の後期リーチ演出である動画演出eが実行される。
一方、プリカ忘れ注意喚起演出が設定されているリーチ演出パターンである「演出パターン4」においては、5秒間のリーチ演出である動画演出fの実行後、2秒間のプリカ忘れ注意喚起演出cが実行され、更にその後に18秒間のリーチ演出である動画演出gが実行される。動画演出eと動画演出fとは異なるリーチ演出であって、連続するリーチ演出同士でもないため、各リーチ演出の間にプリカ忘れ注意喚起演出cが実行されたとしても、リーチ演出に影響を与えることなく、プリカ忘れの注意喚起をすることができる。
なお、演出パターン3の7秒後から開始する動画演出eと、演出パターン4の開始から7秒後から開始する動画演出fとを同一の演出とするようにしてもよい。
本変形例の場合、大当りが成立して、当該大当りに係る有利遊技においてプリカ忘れ注意喚起演出が実行されなかった場合、保留記憶に基づいて判定された変動パターンのうち、変動時間が所定時間以上となる変動パターンであるときは、例えば、演出パターン選択手段220は演出パターン4を選択する。当該有利遊技後、当該保留記憶に係る処理の際に、演出パターン選択手段220は選択した演出パターン4を演出装置8、9、51へ送信し、演出装置8、9、51は演出パターン4に基づいて、リーチ演出を通じてプリカ忘れの注意喚起演出を実行することができる。
本変形例によれば、比較的長い演出時間が確保されているリーチ変動パターンにおいて、演出の途中の区切りが良いところで遊技球貸出機の操作に係る情報の表示を適切に行うことができる。
なお、プリカ忘れ注意喚起演出の報知のタイミングは、リーチ時の演出パターンに組み込む場合に限定されず、注意喚起の報知時間(例えば、2秒)を確保可能な時間であれば、特図変動開始時、特図変動終了時、また予告演出を遊技者が自らキャンセルする際に表示するキャンセル画像代わり等のいずれの場合でもよい。
1 遊技機,5 前面ボード,6 受皿,6b プリカ返却ボタン,8 スピーカ,9 照明装置,10 CRユニット,10a カード投入/排出口,10b 紙幣挿入口,10c 表示部,30 遊技盤,31 遊技領域,40A 第1特別図柄表示装置,40B 第2特別図柄表示装置,41 普通図柄表示装置,51 演出表示装置
100 主制御装置,110 第1特別図柄用当否抽選手段,120 第2特別図柄用当否抽選手段,130 変動表示制御手段,140 乱数保留手段,145 保留球乱数先判定手段,150 当り遊技制御手段,160 遊技モード制御手段,170 普通図柄用当否抽選手段,180 電動チューリップ制御手段,190 払出制御手段,200 サブ制御装置,210 背景決定手段,220 演出パターン選択手段,225 演出パターンテーブル,230 先判定情報解析手段、240 プリカ忘れ報知制御手段、250 特図当り判定手段,300 払出制御装置,301 賞球払出装置,A1表示領域,A2 表示領域,S1 第1演出図柄,S2 第2演出図柄

Claims (3)

  1. 遊技操作に基づいて打ち出された遊技球が所定の遊技領域を流下し始動入賞口に入賞したことに基づいて、大当り成立に応じて通常遊技より遊技者にとって有利な有利遊技に移行させるか否かを判定するための抽選を実行する抽選制御手段と、
    前記抽選制御手段の抽選に基づく入賞情報により、外れ、または賞球として所定量の遊技球の払出しが期待できる出玉有利当り、若しくは賞球として前記所定量未満の遊技球の払出しが期待できる出玉不利当りを含む大当りの種類が判定され、当該判定の結果に対応させて特別図柄を変動表示及び停止表示させるために複数種類の変動パターンから変動パターンを選択する変動パターン表示制御を行う特別図柄変動表示制御手段と、
    前記特別図柄の変動表示中、または前記有利遊技の移行中において、遊技球が前記始動入賞口へ入賞した場合、前記抽選制御手段による前記抽選に係る判定は即座に実行されず、遊技球が前記始動入賞口へ入賞した際の抽選時に取得され保留される前記判定に係る入賞情報に基づいて、前記大当りが成立するか否か、前記大当りの種類及び前記複数種類の変動パターンのうちいずれか一つまたは複数を、前記始動入賞口への遊技球入賞時にそれぞれ仮判定する仮判定手段と、
    前記大当りの成立に応じて前記有利遊技に移行することを少なくとも条件として、予め定められた遊技進行に影響を与え難い所定のタイミングで、遊技機の機体外に設けられ所定の価値情報が記憶された記憶媒体を投入することに基づいて遊技球を貸球として払出し可能とする遊技球貸出機への記憶媒体の投入後の操作に係る情報を表示可能とする演出図柄変動表示制御手段とを備え、
    演出図柄変動表示制御手段は、前記仮判定手段による判定の結果情報のうち、いずれか一つまたは複数の結果情報に基づいて、前記遊技球貸出機の投入後の操作に係る情報を前記所定のタイミングで表示させる第1有効化制御を実行し、または前記遊技球貸出機の投入後の操作に係る情報を表示させない無効化制御を実行することを特徴とする遊技機。
  2. 前記演出図柄表示制御手段は、遊技状態が前記有利遊技の移行確定後から移行終了前の予め定められた期間の状態であって、前記仮判定手段による入賞情報の仮判定の結果、前記出玉有利当り成立に係る情報を得た場合、前記無効化制御することを特徴とする請求項1記載の遊技機。
  3. 前記演出図柄表示制御手段は、遊技状態が前記有利遊技の移行確定後から移行終了前の予め定められた期間の状態であって、前記仮判定手段による入賞情報の仮判定の結果、前記複数種類の変動パターンのうち予め定めた変動パターンに係る情報を得た場合、前記遊技球貸出機の投入後の操作に係る情報を、前記特別図柄変動表示制御手段により当該有利遊技終了後における前記予め定められた変動パターンに係る変動パターン表示制御を行うタイミングで表示させる第2有効化制御を実行し、
    前記予め定められた変動パターンに係る前記特別図柄の当該変動パターン表示制御の際において、前記遊技球貸出機の投入後の操作に係る情報を遊技者に認識可能に表示をすることを特徴とする請求項1または2に記載の遊技機。
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