JP2014023308A - 励磁突入電流抑制装置及びその抑制方法 - Google Patents

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Abstract


【課題】単相交流側の電力系統に変圧器を単相側から開閉器で投入する場合に生じる励磁突入電流を抑制する励磁突入電流抑制装置を実現する。
【解決手段】励磁突入電流抑制装置6は、母線電圧計測部601によって単相交流側の母線の各相電圧を計測し、変圧器電圧計測部603によって変圧器単相側電圧を計測する。位相検出部605によって母線電圧計測部601で計測される各相電圧及び変圧器電圧計測部603で計測される単相側電圧から開閉器2を遮断開極したときの遮断位相を検出し、その遮断位相を保持し、保持されている遮断位相と同一の位相を得る。投入指令出力部606により、位相検出部605で得られる位相と同じ電圧位相で、単相交流側の開閉器2を投入する。
【選択図】図1

Description

本発明の実施形態は、変圧器を電源に投入して無負荷励磁を行う際に生じる励磁突入電流を抑制するための励磁突入電流抑制装置及びその抑制方法に関する。
一般に、変圧器を電源に投入して無負荷状態で励磁を行う際に、変圧器の鉄心に残留磁束があると、大きな励磁突入電流が流れる可能性があることが知られている。この励磁突入電流の大きさは変圧器の定格負荷電流の数倍になる。このように大きな励磁突入電流が流れると電力系統の電圧が変動するため、その電圧変動が大きい場合には需要者に影響を与えることがある。
上記励磁突入電流を抑制する代表的な方法として、変圧器を電源に投入する経路に、投入抵抗が接点に直列に接続された抵抗体付き接点を有する遮断器を配置することが知られている。この遮断器は、抵抗体付き接点を主接点に並列に接続し、主接点に先行して投入することにより励磁突入電流を抑制するように構成される。
一方、直接接地系の三相変圧器では、3台の単相型遮断器を介して電源に投入することがあるが、この場合には任意の1相を先行投入し、その後に残りの2相を投入させるようにして励磁突入電流を抑制する方法も既に知られているところである。さらに、電力系統に設置された三相変圧器を三相一括操作型の遮断器で投入する場合には、励磁突入電流を抑制する方法として、変圧器が遮断された時の鉄心に残留する磁束の値を計測し、変圧器投入時に生じる励磁突入電流を遮断器の投入位相で制御することが知られている。
特開2008−140580号公報 特開2008−160100号公報
ところで、単相電気炉又は単相交流電気車などの単相交流機器に給電する場合には、三相交流電圧を単相交流電圧に変換するため、スコット結線、ウッドブリッジ結線、変形ウッドブリッジ結線又はルーフ・デルタ結線等による変圧器が用いられる。これに対して、抵抗体付き接点を有する遮断器を用いる励磁突入電流抑圧方法は、通常の遮断器と比較して抵抗体付き接点を付加する必要があるため、全体として大型化してしまうことになる。他の方法は、いずれも三相変圧器を対象としており、上述のような三相交流電圧を単相交流電圧に変換する変圧器を想定しており、利用することができない。
そこで、本実施形態は、上記の課題を鑑みてなされたもので、三相交流電圧から単相交流電圧に変換する変圧器を単相交流側の電力系統に投入する際に生じる励磁突入電流を抑制することができる励磁突入電流抑制装置及びその抑制方法を提供することを目的とする。
本実施形態に係る励磁突入電流抑制装置は、主座変圧器及びT座変圧器を備え、三相交流電圧を単相交流電圧に変換する変圧器を、単相交流側の開閉器の接点開閉により単相交流側の母線に選択的に遮断・投入する電力系統システムに用いられ、前記変圧器の投入の際に発生する励磁突入電流を抑制するもので、母線電圧計測手段により前記単相交流側の母線の各相電圧を計測し、変圧器電圧計測手段により前記変圧器の単相側電圧を計測し、位相検出手段により、前記母線電圧計測手段で計測される各相電圧及び前記変圧器電圧計測手段で計測される単相側電圧から前記開閉器を開極するときの遮断位相を検出し、その遮断位相を保持し、前記保持されている遮断位相と同一の位相を得て、投入指令出力手段により、前記位相検出手段で得られる位相と同じ電圧位相で、単相交流側の開閉器を投入させる。
第1の実施形態における励磁突入電流抑制装置を備える電力系統システムの構成を示す図である。 図1に示す変圧器(ウッドブリッジ結線の場合)を示す図である。 図1に示す変圧器(変形ウッドブリッジ結線の場合)を示す図である。 図1に示す変圧器(ルーフ・デルタ結線の場合)を示す図である。 図3に示す変形ウッドブリッジ結線変圧器の定常運転時における電圧ベクトルを示す図である。 図3に示す変形ウッドブリッジ結線変圧器の定常運転時における電圧波形を示す図である。 第1の実施形態における変形ウッドブリッジ結線変圧器を遮断するときの遮断位相と単相側における残留磁束の関係を示す図である。 第1の実施形態における変形ウッドブリッジ結線変圧器の遮断位相と投入位相との関係による開閉器に流れる励磁突入電流を示す図である。 第2の実施形態における励磁突入電流抑制装置を備える電力系統システムの構成を示す図である。 第2の実施形態における励磁突入電流抑制装置による励磁突入電流を抑制できる投入位相範囲を示す波形図である。 定常運転している変圧器を開閉器で開極する場合の変圧器単相側電圧、磁束を示す図である。 図10に示す投入位相範囲で開閉器を投入する場合の変圧器単相側電圧、磁束及び開閉器に流れる励磁突入電流を示す図である。 第3の実施形態における励磁突入電流抑制装置を備える電力系統システムの構成を示す図である。 第3の実施形態における三相側線間電圧、三相側線間電圧から変換した単相側電圧及び変圧器単相側電圧を示す図である。 第3の実施形態における三相側相電圧、三相側相電圧から変換した単相側電圧及び変圧器単相側電圧を示す図である。 第4の実施形態における励磁突入電流抑制装置を備える電力系統システムの構成を示す図である。 第5の実施形態における励磁突入電流抑制装置を備える電力系統システムの構成を示す図である。 第6の実施形態における励磁突入電流抑制装置を備える電力系統システムの構成を示す図である。
以下、実施形態について、図面を参照して説明する。
(第1の実施形態)
図1は、第1の実施形態に係る励磁突入電流抑制装置6を備える電力系統システムの構成を示すブロック図である。なお、以降の図における同一部分には同一符号を付してその詳しい説明を省略し、異なる部分について主に述べる。以降の実施形態も同様にして重複する説明を省略する。
図1に示す電力系統システムは、単相交流側母線1、開閉器(いわゆる遮断器)2、三相交流電圧を単相交流電圧に変換する変形ウッドブリッジ結線変圧器3、母線1に設けられる母線電圧検出器4A,4B、変形ウッドブリッジ結線変圧器3の2次側(単相側)に設けられる変圧器単相側電圧検出器5M,5T及び励磁突入電流抑制装置6を備える。
単相側交流母線1は、三相交流側電力系統の電源母線(図示せず)の三相交流電圧が変圧器3によって変換される単相交流電圧を負荷に供給する電力系統の母線である。以降、単相交流側母線1は母線1と表記する。
開閉器2は、母線1と変形ウッドブリッジ結線変圧器3との間に設けられ、母線1の各相における主接点の開閉を操作する。すなわち、変圧器3は、開閉器2が投入されることにより、母線1に投入され、開閉器2が開極されることにより、母線1から遮断される。
母線電圧検出器4A,4Bは、母線1の各相電圧Va,Vbを検出するもので、検出された各相電圧Va,Vbの検出信号は励磁突入電流抑制装置6の母線電圧計測部601へ送られる。変圧器単相側電圧検出器5M,5Tは、変圧器3の単相側電圧Vm,Vtを検出するもので、検出された単相側電圧Vm,Vtの検出信号は励磁突入電流抑制装置6の変圧器電圧計測部603へ送られる。
励磁突入電流抑制装置6において、母線電圧計測部601は、母線電圧検出器4A,4Bにより検出される母線1の各相電圧の検出信号に基づいて、母線1の各相電圧Va,Vbを計測するもので、計測された相電圧Va,Vbは位相検出部605へ送られる。
変圧器電圧計測部603は、変圧器単相側電圧検出器5M,5Tにより検出される変圧器3の単相側電圧Vm,Vtの検出信号に基づいて、変形ウッドブリッジ結線変圧器3の単相側電圧Vm,Vtを計測するもので、計測された単相側電圧Vm,Vtは位相検出部605へ送られる。
位相検出部605は、母線電圧計測部601により計測される母線1の各相電圧Va,Vb及び変圧器電圧計測部603により計測される変形ウッドブリッジ結線変圧器3の単相側電圧Vm,Vtを監視することにより、開閉器2が最後に変圧器3を遮断したときの電圧位相(遮断位相)を記憶している。そして、母線電圧計測部601により計測される母線1の各相電圧Va,Vbに基づいて、記憶されている遮断位相と同一の位相を検出する。検出された位相は投入指令出力部606へ送られる。
投入指令出力部606は、位相検出部605により検出される位相を投入位相とし、開閉器2の主接点を駆動する操作機構に対して投入指令を出力する。これにより、変圧器3が母線1に投入される。
ここで、本実施形態では、変形ウッドブリッジ結線変圧器3を用いる場合について説明するが、図2〜図4に示す結線の変圧器であってもよい。
図2はウッドブリッジ結線変圧器、図3は変形ウッドブリッジ結線変圧器、図4はルーフ・デルタ結線変圧器を示している。第1の実施形態における変圧器3には、図3に示す変形ウッドブリッジ結線変圧器に代わって、図2のウッドブリッジ結線変圧器及び図4のルーフ・デルタ結線変圧器を用いることもできるが、変成結果は変形ウッドブリッジ結線変圧器と同様になる。したがって、ウッドブリッジ結線変圧器及びルーフ・デルタ結線変圧器は、特に区別しない限り、変形ウッドブリッジに置き換えられるものとする。変形ウッドブリッジ結線変圧器への置き換えは、以降の実施形態でも同様である。
図2に示すウッドブリッジ結線変圧器は、単相側の1相分のみ、巻数比が1:0.366:0.366となる。図3に示す変形ウッドブリッジ結線変圧器は、単相側の1相分のみに単巻変圧器を接続する。図4に示すルーフ・デルタ結線変圧器は、単相側がルーフ結線とデルタ結線との組み合わせで構成されており、ルーフ結線とデルタ結線は電気的に絶縁される。また、図2〜図4に示すように、変圧器3は主座変圧器302及びT座変圧器301を備える。主座変圧器302はM座変圧器とも呼ばれる。
上記構成による電力系統システムにおいて、図5乃至図8を参照してその動作を説明する。
図5(a)は図3に示す変形ウッドブリッジ結線変圧器3の定常運転時における三相側の相電圧Vu,Vv,Vw及び線間電圧Vvw,Vwu,Vuvと、M座変圧器302及びT座変圧器301それぞれの単相側電圧Vm及びVtを示す図、図5(b)は三相側の相電圧Vu,Vv,Vw及び線間電圧Vvw,Vwu,Vuvの電圧ベクトルを示す図、図5(c)はM座変圧器302及びT座変圧器301それぞれの単相側電圧Vm及びVtの電圧ベクトルを示す図である。また、図6(a),(b),(c)は、それぞれ図5(b),(c)に示す三相側の相電圧Vu,Vv,Vw、線間電圧Vvw,Vwu,Vuv及びM座変圧器302及びT座変圧器301の単相側電圧Vm,Vtの電圧波形を示す図である。
図6に示すように、M座変圧器302では、三相側の線間電圧Vvwが単相側端子a−c間に印加されるVm電圧と同位相になる。また、T座変圧器301では、三相側の相電圧Vuが単相側端子b−d間に印加されるVt電圧と同位相になる。相電圧Vuは、線間電圧Vvwより90度位相が進んでいる。これにより、T座変圧器301の単相側電圧VtはM座変圧器302の単相側電圧Vmよりも90度位相が進む。
上記の条件のもとで、母線電圧検出器4A,4Bによって検出された母線1の各相電圧Va,Vbの検出信号は励磁突入電流抑制装置6の母線電圧計測部601へ送られ、変圧器単相側電圧検出器5M,5Tによって検出された変圧器3の単相側電圧Vm,Vtの検出信号は励磁突入電流抑制装置6の変圧器電圧計測部603へ送られる。
励磁突入電流抑制装置6において、母線電圧計測部601によって計測された母線1の相電圧Va,Vbは位相検出部605へ送られ、変圧器電圧計測部603によって計測された単相側電圧Vm,Vtは位相検出部605へ送られる。
この位相検出部605では、母線電圧計測部601により計測される母線1の各相電圧Va,Vb及び変圧器電圧計測部603により計測される変形ウッドブリッジ結線変圧器3の単相側電圧Vm,Vtを監視しており、開閉器2が最後に変圧器3を遮断したときの電圧位相(遮断位相)を記憶している。そして、母線電圧計測部601により計測される母線1の各相電圧Va,Vbについて、記憶されている遮断位相と同一の位相を検出する。検出された位相は投入指令出力部606へ送られ、投入指令出力部606により、その位相を投入位相として、開閉器2の主接点を駆動する操作機構に対して投入指令を出力する。これにより、開閉器2が投入され、変圧器3は母線1に接続される。
図7は、第1の実施形態における変形ウッドブリッジ結線変圧器3を遮断したときの遮断位相と単相側における残留磁束φm,φtの関係を示す図である。図7に示す残留磁束φm,φtは、単相交流電圧Vm,Vtが定常状態で印加されている場合に、図6に示す位相θを基準(0度)として30度毎に360度まで遮断位相を変化させた場合の残留磁束φm,φtを示している。図7に示すように、遮断位相によって、変形ウッドブリッジ結線変圧器3の単相側の残留磁束φm,φtは異なる。
次に、励磁突入電流抑制装置6による励磁突入電流Im,Itの抑制について、図8を参照して説明する。
図8は、第1の実施形態における変形ウッドブリッジ結線変圧器3の遮断位相と投入位相との関係による開閉器2に流れる励磁突入電流Im,Itを示す図であり、励磁突入電流ImはM座の単相側励磁突入電流を示し、励磁突入電流ItはT座の単相側励磁突入電流を示している。図8(a),(b),(c),(d)は、それぞれ遮断位相を0度、60度、90度、150度としたときの励磁突入電流Im,Itの変化を示している。図8から、遮断位相がいずれの場合でも、励磁突入電流装置6による投入位相が遮断位相と同じ場合が最も励磁突入電流Im,Itが抑制されていることがわかる。
以上のように、上記第1の実施形態では、励磁突入電流抑制装置6において、開閉器2が最後に変圧器3を遮断したときの三相側乃至単相側の電圧位相を検出して記憶しておき、次に変圧器3を投入する際はその位相に合わせて開閉器2を投入することにより、励磁突入電流Im,Itを抑制することができる。
尚、開閉器2の投入において、主接点間に発生するプレアークと呼ばれる先行放電や操作機構の動作ばらつき等に起因する変圧器3の投入時間のばらつきが存在する。このようなプレアークによる投入ばらつきや開閉器2の投入時のばらつきが問題となる場合には、予めその特性を取得しておき、開閉器2の投入位相を制御する際にそのばらつきを補正すればよい。よって、これらのばらつきは励磁突入電流Im,Itの抑圧を妨げるものではない。
(第2の実施形態)
図9は、第2の実施形態に係る励磁突入電流抑制装置6Aを備える電力系統システムの構成を示すブロック図である。図9に示す励磁突入電流抑制装置6Aは、第1の実施形態の位相検出部605を位相検出部605Aに代え、定常磁束算出部602及び残留磁束算出部604を追加する構成となっている。その他の構成は、第1の実施形態に係る励磁突入電流抑制装置6と同様である。
励磁突入電流抑制装置6Aにおいて、定常磁束算出部602は、母線電圧計測部601により計測される母線1の各相電圧Va,Vbを積分し、定常時の磁束φTm,φTtを算出するもので、算出された定常磁束φTm,φTtは位相検出部605Aへ送られる。
残留磁束算出部604は、変圧器電圧計測部603により計測される単相側電圧Vm,Vtを積分し、残留磁束φZm,φZtを算出するもので、算出された残留磁束φZm,φZtは位相検出部605Aへ送られる。
位相検出部605Aは、定常磁束算出部602により算出される定常磁束φTm,φTt及び残留磁束算出部604により算出される残留磁束φZm,φZtを入力し、入力された定常磁束φTm,φTt及び残留磁束φZm,φZtの極性が一致する位相空間Tm,Ttを同定し、さらに検出したそれぞれの位相区間Tm,Ttに基づいて、投入位相範囲Tcを同定する。同定された投入位相範囲Tcは投入指令出力部606に送られる。
投入指令出力部606は、位相検出部605Aにより同定される投入位相範囲Tc内で投入位相を決定し、開閉器2の各相の主接点を駆動する操作機構に対して投入指令を出力する。
次に、励磁突入電流抑制装置6による励磁突入電流Im,Itの抑制について、図10乃至図12を参照して説明する。
図9において、励磁突入電流抑制装置6では、変圧器3に定常状態で電圧が印加されるとき、母線電圧計測部601により計測される各相電圧Va,Vbを定常磁束算出部602で積分し、M座変圧器及びT座変圧器の単相側の定常磁束φTm,φTtを算出する。一方、定常状態で電圧が印加される変圧器3を開閉器2で遮断するときの変圧器単相側電圧Vm,Vtを変圧器電圧計測部603により計測し、計測される変圧器単相側電圧Vm,Vtを積分し、残留磁束φZm,φZtを算出する。上記M座及びT座の定常磁束は予めわかっている。そこで、両者の極性が一致する区間、すなわち定常磁束の極性と残留磁束の極性が同一となる位相が重なる投入位相範囲Tcを同定する。
図10(a),(b)はそれぞれ変圧器単相側の電圧Vm,Vt、励磁突入電流抑制装置による励磁突入電流を抑制できる投入位相範囲を示す波形図であり、φTm,φTtは定常磁束算出部602により算出される定常磁束、φZm,φZtは残留磁束算出部604により算出される残留磁束、Tm,Ttは定常磁束φTm,φTt及び残留磁束φZm,φZtの極性が一致する位相空間、Tcは励磁突入電流を抑制できる投入位相範囲を示している。図11は、定常運転している変圧器を開閉器2で開極(TP)させる前後の単相側電圧及び磁束の変化を示す波形図である。図12(a)は図11で示した位相で開閉器2を開極させた後、図10に示す投入位相範囲Tcで開閉器2を同時に投入(CL)する場合の変圧器単相側電圧Vm,Vt、磁束φTm,φTt及び開閉器2に流れる励磁突入電流Im,Itを示す波形図であり、図12(b)は図11で示した位相で開閉器2を開極させた後、図10に示す投入位相範囲Tc外で開閉器2を同時に投入(CL)する場合の変圧器単相側電圧Vm,Vt、磁束φTm,φTt及び開閉器2に流れる励磁突入電流Im,Itを示す波形図である。
本実施形態では、図10に示す投入位相範囲Tcにおいて、開閉器2により変圧器3を投入するように投入位相を制御する。この場合、図12(a)に示すように変圧器単相側の電圧Vm,Vt及び変圧器単相側の磁束φTm,φTtが現れ、励磁突入電圧Im,Itは最大で120Aとなっている。これに対し、投入位相の制御を行わず、図12(b)に示す投入位相範囲Tc外で開閉器2を同時に投入したとすれば、励磁突入電圧Im,Itは最大で10kA(=10000A)にもなる。このことから、投入位相を図10に示す投入位相範囲Tcに制御することにより、励磁突入電流Im,Itが抑制されていることがわかる。
以上のように、上記第2の実施形態では、励磁突入電流抑制装置6Aにおいて、単相側の定常磁束φTm,φTt及び残留磁束φZm,φZtの極性が一致する区間を投入位相範囲Tcとし、その範囲内で開閉器2の投入位相を決定しているので、決定された投入位相により投入指令出力部606から投入指令を出し、開閉器2を投入させることにより変圧器3を投入する際に発生する励磁突入電流Im,Itを抑制することができる。
尚、開閉器2の投入において、主接点間に発生するプレアークと呼ばれる先行放電や操作機構の動作のばらつき等に起因する変圧器3の投入時間のばらつきが存在する。プレアークによる投入ばらつきや開閉器2の投入時のばらつきは、予めその特性を取得しておくことにより、位相制御を行う制御装置で補正することが可能であり、これらのばらつきは励磁突入電流Im,Itの抑制を妨げるものではない。
また、変圧器3の投入時の励磁突入電流抑制装置6Aにおいて、M座変圧器302単相側の定常磁束φTmと残留磁束φZmとT座変圧器301単相側の定常磁束φTtと残留磁束φZtとが共に略一致する位相で単相交流側の開閉器2を投入する場合には、開閉器2を個別に投入させるようにしてもよい。
(第3の実施形態)
図13は、第3の実施形態に係る励磁突入電流抑制装置6Bを備える電力系統システムの構成を示すブロック図である。図13に示す励磁突入電流抑制装置6Bは、第2の実施形態の変圧器電圧計測部603及び残留磁束算出部604を変圧器電圧計測部603B及び残留磁束算出部604Bに代え、変圧器電圧変換部610を追加する構成となっている。その他の構成は、第2の実施形態に係る励磁突入電流抑制装置6Aと同様である。
励磁突入電流抑制装置6Bにおいて、変圧器電圧計測部603Bは、変圧器三相側電圧検出器5U,5V,5Wにより検出される変圧器3の三相電圧側の検出信号に基づいて、変形ウッドブリッジ結線変圧器3の三相側の各電圧を計測する。三相側電圧とは、三相側線間電圧Vvw,Vwu,Vuv及び三相側相電圧Vu,Vv,Vwのことである。計測された変圧器3の三相側電圧は変換器電圧変換部610に送られる。
変圧器電圧変換部610は、変圧器電圧計測部603Bから入力される変圧器3の三相側電圧を単相側電圧に変換するもので、変換された単相側電圧Vm,Vtは残留磁束算出部604Bへ送られる。
残留磁束算出部604Bは、変圧器電圧変換部610により変換される単相側電圧Vm,Vtを積分し、残留磁束φZm,φZtを算出するもので、算出された残留磁束φZm,φZtは位相検出部605Aへ送られる。
次に、励磁突入電流抑制装置6Bによる励磁突入電流Im,Itの抑制について、図13乃至図15を参照して説明する。
図13において、変圧器電圧変換部610は、変圧器3に定常状態で単相交流電圧が印加されるとき、変圧器電圧計測部603Bにより計測される変圧器三相側電圧から単相側電圧に変換する。図14(a),(b),(c)は、それぞれ変圧器電圧変換部610に入力される三相側線間電圧Vuv,Vvw,Vwu、変圧器電圧変換部610による変換後の単相側電圧Vlm’,Vlt’及び変圧器単相側電圧Vm,Vtの位相関係を示す波形図である。図14(a),(b),(c)の波形は波高値を1としたパーユニット表示にしている。変圧器電圧変換部610は、変圧器電圧計測部603Bにより計測される各相電圧に基づいて各線間電圧Vuv,Vvw,Vwuを算出し、各線間電圧Vuv,Vvw,Vwuを変圧器単相側電圧Vlm’,Vlt’に変換する。変圧器電圧変換部610による変換後の変圧器単相側電圧Vlm’,Vlt’は、以下の式により求める。
Figure 2014023308
Vuv:三相側UV間の線間電圧,Vvw:三相側VW間の線間電圧
Vwu:三相側WU間の線間電圧
Vlm’:三相側線間電圧から変換するM座変圧器の変換後の単相側電圧
Vlt’:三相側線間電圧から変換するT座変圧器の変換後の単相側電圧
変圧器電圧変換部610によって変換された単相側電圧Vlm’,Vlt’は残留磁束算出部604Bへ送られる。
ここで、図15(a),(b),(c)は、それぞれ変圧器電圧変換部610に入力される三相側相電圧Vu,Vv,Vw、変圧器電圧変換部610による変換後の単相側電圧Vpm’,Vpt’及び変圧器単相側電圧Vm,Vtの位相関係を示す波形図である。図15(a),(b),(c)の波形は波高値を1としてパーユニット表示にしている。変圧器電圧変換部610は、変圧器電圧計測部603Bにより計測される各相電圧Vu,Vv,Vwを変圧器単相側電圧Vpm’,Vpt’に変換する。変圧器電圧変換部610による変換後の変圧器単相側電圧Vpm’,Vpt’は、以下の式により求める。
Figure 2014023308
Vu:三相側U相電圧,Vv:三相側V相電圧,Vw:三相側W相電圧
Vpm’:三相側相電圧から変換するM座変圧器の変換後の単相側電圧
Vpt’:三相側相電圧から変換するT座変圧器の変換後の単相側電圧
変圧器電圧変換部610によって変換された単相側電圧Vpm’,Vpt’は残留磁束算出部604Bへ送られる。
図14及び図15に示すように、変圧器電圧変換部610において、三相側線間電圧Vuv,Vvw,Vwuから変換される単相側電圧Vlm’,Vlt’の波形と三相側相電圧Vu,Vv,Vwから変換される単相側電圧Vpm’,Vpt’の波形は、いずれも変圧器単相側電圧Vm,Vtの電圧波形と周期及び位相が同一である。したがって、変圧器電圧変換部610により変換される単相側電圧Vlm’,Vlt’乃至Vpm’,Vpt’は、変圧器単相側の残留磁束φZm,φZtを算出するための電圧とみなして用いることができる。
残留磁束算出部604Bは、開閉器2による変圧器3の遮断直後に、変圧器電圧変換部610により変換される単相側電圧Vlm’,Vlt’乃至Vpm’,Vpt’を積分することで変圧器単相側の残留磁束φZm,φZtを算出する。その他の点は、第2の実施形態に係る残留磁束算出部604と同様である。
以上のように、上記第3の実施形態では、励磁突入電流抑制装置6Bにおいて、開閉器2と変圧器単相側端子の間に変圧器単相側電圧検出器5M,5Tがなくても、変形ウッドブリッジ結線変圧器3の三相側線間電圧Vuv,Vvw,Vwu及び相電圧Vu,Vv,Vwをそれぞれ単相側電圧Vlm’,Vlt’及びVpm’,Vpt’に変換するようにしているので、各残留磁束φZm,φZtを算出することができ、第2の実施形態と同様に励磁突入電流Im,Itを抑制することができる。
尚、開閉器2の投入において、主接点間に発生するプレアークと呼ばれる先行放電や操作機構の動作ばらつき等に起因する投入時間のばらつきが存在する。このようなプレアークによる投入のばらつきや開閉器2の投入時のばらつきが問題となる場合には、予めその特性を取得しておき、開閉器2の投入位相を制御する際にそのばらつきを補正すればよい。よって、これらのばらつきは励磁突入電流Im,Itを妨げるものではない。
また、変圧器3の投入時の励磁突入電流抑制装置6Bにおいて、M座変圧器302単相側の定常磁束φTmと残留磁束φZm、T座変圧器301単相側の定常磁束φTtと残留磁束φZtが共に略一致する位相で単相交流側の開閉器2を投入する場合には、開閉器2を個別に投入させるようにしてもよい。
(第4の実施形態)
図16は、第4の実施形態に係る励磁突入電流抑制装置6Cを備える電力系統システムの構成を示すブロック図である。図16に示す励磁突入電流抑制装置6Cは、第1の実施形態の位相検出部605を位相検出部605Cに代え、開極指令出力部609を追加する構成となっている。その他の構成は、第1の実施形態に係る励磁突入電流抑制装置6と同様である。
励磁突入電流抑制装置6Cにおいて、位相検出部605Cは、母線電圧計測部601により計測される母線1の各相電圧Va,Vb及び変圧器電圧計測部603により計測される変形ウッドブリッジ結線変圧器3の単相側電圧Vm,Vtそれぞれの位相が予め保持されている位相となるタイミングを検出するもので、保持位相を検出した場合には保持位相の検出タイミングを投入指令出力部606及び開極指令出力部609に通知する。投入指令出力部606及び開極指令出力部609はそれぞれ開閉器2の主接点を駆動する操作機構に対して保持位相の検出タイミングで投入・開極がなされるように指令を出す。これにより、開閉器2の投入と開極は常に同じ位相で行われるようになる。なお、位相検出部605Cには、所定の位相が保持されるが、所定の位相は予め設定されていてもよいし、開閉器2の過去に開閉される条件によって保持されるものでもよい。
以上のように、上記第4の実施形態では、励磁突入電流抑制装置6Cにおいて、変形ウッドブリッジ結線変圧器3の遮断位相及び投入位相が常に予め設定されている位相になるので、結果は、第1の実施形態と同様であり、励磁突入電流Im,Itを抑制することができる。
尚、開閉器2の投入において、主接点間に発生するプレアークと呼ばれる先行放電や操作機構の動作のばらつき等に起因する変圧器3の投入時間のばらつきが存在する。プレアークによる投入のばらつきや開閉器2の投入時のばらつきは、予めその特性を取得しておくことにより、位相制御を行う制御装置で補正することが可能であり、これらのばらつきは励磁突入電流Im,Itの抑制を妨げるものではない。
(第5の実施形態)
図17は、第5の実施形態に係る励磁突入電流抑制装置6Dを備える電力系統システムの構成を示すブロック図である。図17に示す励磁突入電流抑制装置6Dは、第2の実施形態に係る励磁突入電流抑制装置6Aにおいて、位相検出部605Aを位相検出部605Dに代え、計測情報保持部607、開極位相制御部608及び開極指令出力部609を追加する構成となっている。その他の構成は、第2の実施形態に係る励磁突入電流抑制装置6Aと同様である。
励磁突入電流抑制装置6Dにおいて、計測情報保持部607は、励磁突入電流抑制装置6Dの運用前に、残留磁束算出部604により算出される残留磁束φZm,φZtを保持する。また、変形ウッドブリッジ結線変圧器3を遮断したときの遮断位相と単相側における残留磁束φZm,φZtの関係を計測情報として保持する。このとき、運用前に前記開閉器2を少なくとも1回開極操作しておく。
すなわち、開極位相制御部608は、計測情報保持部607に保持されている残留磁束φZm,φZt及び母線電圧計測部601により計測される母線1の各相電圧Va,Vbを入力し、これらの残留磁束φZm,φZt及び各相電圧Va,Vbに基づいて、開極位相が常に同じになるように、開閉器2の主接点の開極位相を制御する。ここで制御された開極位相は開極指令出力部609へ送られる。開極指令出力部609は、開極位相制御部608からの開極位相に基づいて、開閉器2を開極する。
位相検出部605Dは、計測情報保持部607に保持されている残留磁束φZm,φZt及び定常磁束算出部602により算出される定常磁束φTm,φTtを入力し、これらの定常磁束φTm,φTt及び残留磁束φZm,φZtに基づいて、投入位相範囲Tcを同定する。
ここで、電力系統に開閉器2及び変形ウッドブリッジ結線変圧器3を一旦接続した後は、電力系統の回路条件は常に同じである。このため、開閉器2が開極されるときの位相を常に同じにしておけば、変形ウッドブリッジ結線変圧器3の各相の残留磁束の値も常に同じになるはずである。
そこで、第5の実施形態では、励磁突入電流抑圧装置6Dにおいて、開閉器2で変形ウッドブリッジ結線変圧器3を遮断する際、その遮断位相が常に同じになるように開閉器2の開極位相を制御する。すなわち、励磁突入電流抑制装置6Dは、残留磁束φZm,φZtを常に同じにすることができるので、開閉器2を投入させて変形ウッドブリッジ結線変圧器3を励磁させるときも常に同じ位相にすることができる。これにより、励磁突入電流抑制装置6Dは、常に励磁突入電流Im,Itを抑制することができる。
また、変圧器単相側電圧検出器5M,5Tが常時接続されていない場合でも、励磁突入電流抑制装置6Dは、計測情報保持部607から保持されている残留磁束φZm,φZtを得ることができる。したがって、変圧器単相側電圧検出器5M,5Tは、計測情報保持部607による計測時のみ接続し、通常の運用状態では取り外すことができ、さらには図17に示す破線部分を取り外すことができる。但し、変圧器単相側電圧検出器5M,5Tは、恒久的に設置されていてもよい。
また、変圧器3の投入時の励磁突入電流抑制装置6Dにおいて、M座変圧器302の単相側の定常磁束φTmと残留磁束φZmT座変圧器301の単相側の定常磁束φTtと残留磁束φZtが共に略一致する位相で単相交流側の開閉器2を投入させる場合には、開閉器2を個別に投入させるようにしてもよい。
(第6の実施形態)
図18は、第6の実施形態に係る励磁突入電流抑制装置6Eを備える電力系統システムの構成を示すブロック図である。図18に示す励磁突入電流抑制装置6Eは、第3の実施形態の位相検出部605Aを第5の実施形態に係る位相検出部605Dに代え、第5の実施形態に係る開極位相制御部608及び開極指令出力部609を追加し、さらに計測情報保持部607Eを追加する構成となっている。その他の構成は、第3の実施形態に係る励磁突入電流抑制装置6Bと同様である。
励磁突入電流抑制装置6Eにおいて、その運用前に、計測情報保持部607Eは、残留磁束算出部604により算出される残留磁束φZm,φZtを保持する。また、変形ウッドブリッジ結線変圧器3を遮断するときの遮断位相と単相側における残留磁束φZm,φZtの関係を計測情報として保持する。このとき、運用前に開閉器2を少なくとも1回開極操作する。
開極位相制御部608は、第5の実施形態と同様に、計測情報保持部607Eに保持されている残留磁束φZm,φZt及び母線電圧計測部601により計測される母線1の各相電圧Va,Vbに基づいて、遮断位相が常に同じになるように、開閉器2の主接点の開極位相を制御する。開極位相制御部608によって制御された開極位相は開極指令出力部609へ送られる。開極指令出力部609は、第5の実施形態と同様に、開極位相制御部608から受信した開極位相に基づいて開閉器2を開極する。
一方、位相検出部605Dは、第5の実施形態と同様に、計測情報保持部607Eに保持されている残留磁束φZm,φZt及び定常磁束算出部602により算出される定常磁束φTm,φTtに基づいて、変圧器3を投入する投入位相範囲Tcを同定する。以降、励磁突入電流抑制の流れについては、第3の実施形態と同様である。
以上のように、上記第6の実施形態では、励磁突入電流抑制装置6Eにおいて、電力系統に開閉器2及び変形ウッドブリッジ結線変圧器3を一旦接続した後は、電力系統の回路条件は常に同じである。このため、開閉器2が開極するときの位相を常に同じにしておけば、変形ウッドブリッジ結線変圧器3の各相の残留磁束φZm,φZtの値も常に同じになるはずである。
本実施形態の場合、残留磁束φZm,φZtは計測情報保持部607Eに保持されているので、常に同じである。すなわち、開閉器2で変形ウッドブリッジ結線変圧器3を遮断する際、遮断位相が常に同じになるように開閉器2の開極位相を制御して遮断することができる。また、励磁突入電流抑制装置6Eは、開閉器2を投入させて変形ウッドブリッジ結線変圧器3を励磁させるときも常に同じ位相にすることができる。これにより、励磁突入電流抑制装置6Eは、常に励磁突入電流Im,Itを抑制することができる。
また、変圧器三相側電圧検出器5U,5V,5Wが常時接続していない場合でも、励磁突入電流抑制装置6Eは、計測情報保持部607Eに保持されている残留磁束φZm,φZtを得ることができる。したがって、変圧器単相側電圧検出器5M,5Tは、計測情報保持部607Eによる計測時のみ接続し、通常の運用状態では取り外すことができ、さらには図18に示す一点鎖線部分を取り外すことができる。但し、変圧器三相側電圧検出器5U,5V,5Wは、恒久的に設置されていてもよい。
また、変圧器3の投入時の励磁突入電流抑制装置6Eにおいて、M座変圧器302の単相側の定常磁束φTmと残留磁束φZm、T座変圧器301の単相側の定常磁束φTtと残留磁束φZtが共に略一致する位相で単相交流側の開閉器2が投入される場合には、開閉器2を個別に投入させるようにしてもよい。
以上の説明から明らかなように、上記第1乃至第6の実施形態に係る励磁突入電流抑制装置によれば、単相交流側の電力系統と、三相交流電圧から単相交流電圧に変換する変圧器3とを、単相側から開閉器2で電源に投入する場合に生じる励磁突入電流Im,Itを抑制することができる。
以上、いくつかの実施形態を説明したが、これらの実施形態は、例として提示したものであり、発明の範囲を限定することは意図していない。これら実施形態は、その他の様々な形態で実施されることが可能であり、発明の要旨を逸脱しない範囲で、種々の省略、置き換え、変更を行うことができる。これら実施形態やその変形は、発明の範囲や要旨に含まれると同様に、特許請求の範囲に記載される発明とその均等の範囲に含まれるものである。
1…母線(単相側母線)、2…開閉器、3…変形ウッドブリッジ結線変圧器、301…T座変圧器、302…主座変圧器(M座変圧器)、4A,4B…母線電圧検出器、5M,5T,5U,5V,5W…変圧器電圧検出器、6…励磁突入電流抑制装置、601…母線電圧計測部、602…定常磁束算出部、603…変圧器電圧計測部、604…残留磁束算出部、605…位相検出部、606…投入指令出力部、607…計測情報保持部、608…開極位相制御部、609…開極指令出力部、610…変圧器電圧変換部。

Claims (21)

  1. 主座変圧器及びT座変圧器を備え、三相交流電圧を単相交流電圧に変換する変圧器を、単相交流側の開閉器の接点開閉により単相交流側の母線に選択的に遮断・投入する電力系統システムに用いられ、前記変圧器の投入の際に発生する励磁突入電流を抑制する励磁突入電流抑制装置において、
    前記単相交流側母線の各相電圧を計測する母線電圧計測手段と、
    前記変圧器の単相側電圧を計測する変圧器電圧計測手段と、
    前記母線電圧計測手段で計測される各相電圧及び前記変圧器電圧計測手段で計測される単相側電圧を監視して前記開閉器を開極したときの遮断位相を検出し、前記検出された遮断位相を保持し、前記保持されている遮断位相と同一の位相を出力する位相検出手段と、
    前記位相検出手段より出力される遮断位相と同じ電圧位相で前記開閉器を投入させる投入指令出力手段と
    を具備することを特徴とする励磁突入電流抑制装置。
  2. 主座変圧器及びT座変圧器を備え、三相交流電圧を単相交流電圧に変換する変圧器を、単相交流側の開閉器の接点開閉により単相交流側の母線に選択的に遮断・投入する電力系統システムに用いられ、前記投入の際に発生する励磁突入電流を抑制する励磁突入電流抑制装置において、
    前記単相交流側の母線の各相電圧を計測する母線電圧計測手段と、
    前記変圧器の単相側電圧を計測する変圧器電圧計測手段と、
    前記母線電圧計測手段で計測される各相電圧及び前記変圧器電圧計測手段で計測される単相側電圧を監視して前記開閉器を開極したときの遮断位相を検出し、前記検出された遮断位相を保持し、前記保持されている遮断位相と同一の位相を出力する位相検出手段と、
    前記位相検出手段より出力される遮断位相と同じ電圧位相で前記開閉器を投入させる投入指令出力手段と、
    前記位相検出手段より出力される遮断位相と同じ電圧位相で前記開閉器を開極する開極指令出力手段と、
    を具備することを特徴とする励磁突入電流抑制装置。
  3. 主座変圧器及びT座変圧器を備え、三相交流電圧を単相交流電圧に変換する変圧器を、単相交流側の開閉器の接点開閉により単相交流側の母線に選択的に遮断・投入する電力系統システムに用いられ、前記投入の際に発生する励磁突入電流を抑制する励磁突入電流抑制装置において、
    前記単相交流側の母線の各相電圧を計測する母線電圧計測手段と、
    前記母線電圧計測手段で計測される各相電圧より前記変圧器の定常磁束を算出する定常磁束算出手段と、
    前記変圧器の単相側電圧を計測する変圧器電圧計測手段と、
    前記変圧器電圧計測手段で計測される変圧器単相側電圧より残留磁束を算出する残留磁束算出手段と、
    前記定常磁束算出手段で算出される定常磁束の極性及び前記残留磁束算出手段で算出される残留磁束の極性が一致し、位相が重なる範囲を同定する位相検出手段と、
    前記位相検出手段より同定される位相範囲内で前記開閉器を投入させる投入指令出力手段と
    を具備することを特徴とする励磁突入電流抑制装置。
  4. 主座変圧器及びT座変圧器を備え、三相交流電圧を単相交流電圧に変換する変圧器を、単相交流側の開閉器の接点開閉により単相交流側の母線に選択的に遮断・投入する電力系統システムに用いられ、前記投入の際に発生する励磁突入電流を抑制する励磁突入電流抑制装置において、
    前記単相交流側の母線の各相電圧を計測する母線電圧計測手段と、
    前記母線電圧計測手段で計測される各相電圧より前記変圧器の定常磁束を算出する定常磁束算出手段と、
    前記変圧器の単相側電圧を計測する変圧器電圧計測手段と、
    前記変圧器電圧計測手段で計測した変圧器単相側電圧より残留磁束を算出する残留磁束算出手段と、
    前記開閉器を少なくとも1回開極操作したときの前記残留磁束算出手段で算出される残留磁束及び前記残留磁束と開閉器の開極による遮断位相との関係を運用前に計測し保持する計測情報保持手段と、
    前記計測情報保持手段に保持される残留磁束及び前記母線電圧計測手段から前記母線の各相電圧を入力し、入力される残留磁束及び母線の各相電圧に基づいて、前記遮断位相が同じになるように前記開閉器の開極位相を制御する開極位相制御手段と、
    前記開極位相制御手段より制御される開極位相で前記開閉器を開極させる開極指令出力手段と、
    前記定常磁束算出手段で算出される定常磁束の極性及び前記計測情報保持手段に保持される残留磁束の極性が一致し、位相が重なる範囲を同定する位相検出手段と、
    前記位相検出手段より同定される位相範囲内で単相交流側の開閉器を投入させる投入指令出力手段と
    を具備することを特徴とする励磁突入電流抑制装置。
  5. 主座変圧器及びT座変圧器を備え、三相交流電圧を単相交流電圧に変換する変圧器を、単相交流側の開閉器の接点開閉により単相交流側の母線に選択的に遮断・投入する電力系統システムに用いられ、前記投入の際に発生する励磁突入電流を抑制する励磁突入電流抑制装置において、
    前記単相交流側の母線の各相電圧を計測する母線電圧計測手段と、
    前記母線電圧計測手段で計測される各相電圧より前記変圧器の定常磁束を算出する定常磁束算出手段と、
    前記変圧器の三相側の線間電圧を計測する変圧器電圧計測手段と、
    前記変圧器電圧計測手段で計測される三相側の線間電圧を変圧器単相側電圧に変換する変圧器電圧変換手段と、
    前記変圧器電圧変換手段で変換される変圧器単相側電圧より残留磁束を算出する残留磁束算出手段と、
    前記定常磁束算出手段で算出される定常磁束の極性及び前記残留磁束算出手段で算出される残留磁束の極性が一致し、位相が重なる範囲を同定する位相検出手段と、
    前記位相検出手段より同定される位相範囲内で前記開閉器を投入させる投入指令出力手段と
    を具備することを特徴とする励磁突入電流抑制装置。
  6. 主座変圧器及びT座変圧器を備え、三相交流電圧を単相交流電圧に変換する変圧器を、単相交流側の開閉器の接点開閉により単相交流側の母線に選択的に遮断・投入する電力系統システムに用いられ、前記投入の際に発生する励磁突入電流を抑制する励磁突入電流抑制装置において、
    前記単相交流側の母線の各相電圧を計測する母線電圧計測手段と、
    前記母線電圧計測手段で計測される各相電圧より前記変圧器の定常磁束を算出する定常磁束算出手段と、
    前記変圧器の三相側の線間電圧を計測する変圧器電圧計測手段と、
    前記変圧器電圧計測手段で計測される三相側の線間電圧を変圧器単相側電圧に変換する変圧器電圧変換手段と、
    前記変圧器電圧変換手段で変換される変圧器単相側電圧より前記残留磁束を算出する残留磁束算出手段と、
    前記開閉器を少なくとも1回遮断操作したときの前記残留磁束算出手段で算出される残留磁束及び前記残留磁束と開閉器の開極による遮断位相との関係を運用前に計測し保持する計測情報保持手段と、
    前記計測情報保持手段に保持される残留磁束及び前記母線電圧計測手段から母線の各相電圧を入力し、入力される残留磁束及び母線の各相電圧に基づいて遮断位相が同じになるように前記開閉器の開極位相を制御する開極位相制御手段と、
    開極位相制御手段より制御される開極位相で前記開閉器を開極させる開極指令出力手段と、
    前記定常磁束算出手段で算出される定常磁束の極性及び前記計測情報保持手段に保持される残留磁束の極性が一致し、位相が重なる範囲を同定する位相検出手段と、
    前記位相検出手段より同定される位相範囲内で前記開閉器を投入させる投入指令出力手段と
    を具備することを特徴とする励磁突入電流抑制装置。
  7. 前記変圧器電圧変換手段は、前記変圧器電圧計測手段で計測される三相側線間電圧の内の一つを前記主座変圧器の単相側電圧とし、前記計測される三相側線間電圧の残りの線間電圧の差分に定数0.5774を乗算することで前記T座変圧器の単相側電圧として求め、
    残留磁束算出手段は、前記開閉器による前記変圧器の遮断直後に、前記主座変圧器及びT座変圧器で得られる単相側電圧をそれぞれ積分することで前記変圧器単相側における前記主座変圧器及びT座変圧器の残留磁束を求めること
    を特徴とする請求項5または6記載の励磁突入電流抑制装置。
  8. 主座変圧器及びT座変圧器を備え、三相交流電圧を単相交流電圧に変換する変圧器を、単相交流側の開閉器の接点開閉により単相交流側の電力系統に投入する場合に発生する励磁突入電流を抑制する励磁突入電流抑制装置において、
    前記単相交流側の母線の各相電圧を計測する母線電圧計測手段と、
    前記母線電圧計測手段で計測される各相電圧より前記変圧器の定常磁束を算出する定常磁束算出手段と、
    前記変圧器の三相側の相電圧を計測する変圧器電圧計測手段と、
    前記変圧器電圧計測手段で計測される三相側の相電圧を変圧器単相側電圧に変換する変圧器電圧変換手段と、
    前記変圧器電圧変換手段で変換される変圧器単相側電圧より残留磁束を算出する残留磁束算出手段と、
    前記定常磁束算出手段で算出される定常磁束の極性及び前記残留磁束算出手段で算出される残留磁束の極性が一致し、位相が重なる範囲を同定する位相検出手段と、
    前記位相検出手段より同定される位相範囲内で前記開閉器を投入させる投入指令出力手段と
    を具備することを特徴とする励磁突入電流抑制装置。
  9. 主座変圧器及びT座変圧器を備え、三相交流電圧を単相交流電圧に変換する変圧器を、単相交流側の開閉器の接点開閉により単相交流側の電力系統に投入する場合に発生する励磁突入電流を抑制する励磁突入電流抑制装置において、
    前記単相交流側の母線の各相電圧を計測する母線電圧計測手段と、
    前記母線電圧計測手段で計測される各相電圧より前記変圧器の定常磁束を算出する定常磁束算出手段と、
    前記変圧器の三相側の相電圧を計測する変圧器電圧計測手段と、
    前記変圧器電圧計測手段で計測される三相側の相電圧を変圧器単相側電圧に変換する変圧器電圧変換手段と、
    前記変圧器電圧変換手段で変換される変圧器単相側電圧より残留磁束を算出する残留磁束算出手段と、
    前記開閉器を少なくとも1回開極操作するときの前記残留磁束算出手段で算出される残留磁束及び前記残留磁束と開閉器の開極による遮断位相との関係を、運用前に計測し保持する計測情報保持手段と、
    前記計測情報保持手段に保持される残留磁束及び前記母線電圧計測手段から母線の各相電圧を入力し、入力される残留磁束及び母線の各相電圧に基づいて前記遮断位相が同じになるように前記開閉器の開極位相を制御する開極位相制御手段と、
    開極位相制御手段より制御される開極位相で前記開閉器を開極する開極指令出力手段と、
    前記定常磁束算出手段で算出される定常磁束の極性及び前記計測情報保持手段に保持される残留磁束の極性が一致し、位相が重なる範囲を同定する位相検出手段と、
    前記位相検出手段より同定される位相範囲内で前記開閉器を投入させる投入指令出力手段と
    を具備することを特徴とする励磁突入電流抑制装置。
  10. 前記変圧器電圧変換手段は、前記変圧器電圧計測手段で計測される三相側線間電圧の内の一つに定数1.732を乗算した算出結果を前記主座変圧器の単相側電圧とし、前記計測される三相側線間電圧の残りの線間電圧の差分結果をT座変圧器の単相側電圧として求め、
    残留磁束算出手段は、前記開閉器による前記変圧器の遮断直後に、前記主座変圧器及びT座変圧器で得られる単相側電圧をそれぞれ積分することで前記変圧器単相側における前記主座変圧器及びT座変圧器の残留磁束を求めること
    を特徴とする請求項8または9記載の励磁突入電流抑制装置。
  11. 前記変圧器は、ウッドブリッジ結線変圧器、変形ウッドブリッジ変圧器乃至ルーフ・デルタ結線変圧器のいずれかであることを特徴とする請求項1乃至10のいずれか記載の励磁突入電流抑制装置。
  12. 前記開閉器は、前記変圧器の単相側の定常磁束及び残留磁束が共に略一致する位相において、開閉器を個別に投入することを特徴とする請求項3乃至9のいずれか記載の励磁突入電流抑制装置。
  13. 主座変圧器及びT座変圧器を備え、三相交流電圧を単相交流電圧に変換する変圧器を、単相交流側の開閉器の接点開閉により単相交流側の電力系統に投入する場合に発生する励磁突入電流を抑制する励磁突入電流抑制装置に用いられる励磁突入電流抑制方法において、
    前記単相交流側の母線の各相電圧を計測し、
    前記変圧器の単相側電圧を計測し、
    前記計測される各相電圧及び計測される単相側電圧に基づいて、前記開閉器を開極したときの遮断位相を検出し、その遮断位相を保持し、保持されている遮断位相と同一の位相を出力し、
    前記遮断位相と同一の位相と同じ電圧位相で前記開閉器を投入すること
    を特徴とする励磁突入電流抑制方法。
  14. 主座変圧器及びT座変圧器を備え、三相交流電圧を単相交流電圧に変換する変圧器を、単相交流側の開閉器の接点開閉により単相交流側の電力系統に投入する場合に発生する励磁突入電流を抑制する励磁突入電流抑制装置に用いられる励磁突入電流抑制方法において、
    前記単相交流側の母線の各相電圧を計測し、
    前記変圧器の単相側電圧を計測し、
    前記計測される各相電圧及び計測される単相側電圧に基づいて、前記開閉器を開極したときの遮断位相を検出し、その遮断位相を保持し、保持されている遮断位相と同一の位相を出力し、
    前記遮断位相と同じ電圧位相で前記開閉器を投入し、
    前記遮断位相と同じ電圧位相で前記開閉器を開極すること
    を特徴とする励磁突入電流抑制方法。
  15. 主座変圧器及びT座変圧器を備え、三相交流電圧を単相交流電圧に変換する変圧器を、単相交流側の開閉器の接点開閉により単相交流側の電力系統に投入する場合に発生する励磁突入電流を抑制する励磁突入電流抑制装置に用いられる励磁突入電流抑制方法において、
    前記単相交流側の母線の各相電圧を計測し、
    前記計測される各相電圧より前記変圧器の定常磁束を算出し、
    前記変圧器の単相側電圧を計測し、
    前記計測される変圧器単相側電圧より残留磁束を算出し、
    前記定常磁束の極性及び残留磁束の極性が一致し、位相が重なる範囲を同定し、
    前記同定される位相範囲内で前記開閉器を投入すること
    を特徴とする励磁突入電流抑制方法。
  16. 主座変圧器及びT座変圧器を備え、三相交流電圧を単相交流電圧に変換する変圧器を、単相交流側の開閉器の接点開閉により単相交流側の電力系統に投入する場合に発生する励磁突入電流を抑制する励磁突入電流抑制装置に用いられる励磁突入電流抑制方法において、
    前記単相交流側の母線の各相電圧を計測し、
    前記計測される各相電圧より前記変圧器の定常磁束を算出し、
    前記変圧器の単相側電圧を計測し、
    前記計測した変圧器単相側電圧より残留磁束を算出し、
    前記開閉器を少なくとも1回開極操作したときに算出される残留磁束及び残留磁束と開閉器の開極による遮断位相との関係を運用前に計測して保持し、
    前記保持される残留磁束及び母線の各相電圧に基づいて前記遮断位相が同じになるように前記開閉器の開極位相を制御し、
    前記制御される開極位相で前記開閉器を開極し、
    前記算出される定常磁束の極性及び算出される残留磁束の極性が一致し、前記位相が重なる範囲を同定し、
    前記同定される位相範囲内で前記開閉器を投入すること
    を特徴とする励磁突入電流抑制方法。
  17. 主座変圧器及びT座変圧器を備え、三相交流電圧を単相交流電圧に変換する変圧器を、単相交流側の開閉器の接点開閉により単相交流側の電力系統に投入する場合に発生する励磁突入電流を抑制する励磁突入電流抑制装置に用いられる励磁突入電流抑制方法において、
    前記単相交流側の母線の各相電圧を計測し、
    前記計測される各相電圧より前記変圧器の定常磁束を算出し、
    前記変圧器の三相側の線間電圧を計測し、
    前記計測される三相側の線間電圧を変圧器単相側電圧に変換し、
    前記変換される変圧器単相側電圧より残留磁束を算出し、
    前記算出される定常磁束の極性及び算出される残留磁束の極性が一致し、位相が重なる範囲を同定し、
    前記同定される位相範囲内で前記開閉器を投入させること
    を特徴とする励磁突入電流抑制方法。
  18. 主座変圧器及びT座変圧器を備え、三相交流電圧を単相交流電圧に変換する変圧器を、単相交流側の開閉器の接点開閉により単相交流側の電力系統に投入する場合に発生する励磁突入電流を抑制する励磁突入電流抑制装置に用いられる励磁突入電流抑制方法において、
    前記単相交流側の母線の各相電圧を計測し、
    前記計測される各相電圧より前記変圧器の定常磁束を算出し、
    前記変圧器の三相側の線間電圧を計測し、
    前記計測される三相側の線間電圧を変圧器単相側電圧に変換し、
    前記変換される変圧器単相側電圧より残留磁束を算出し、
    前記開閉器を少なくとも1回開極操作するときに算出される残留磁束及び残留磁束と開閉器の開極による遮断位相との関係を、運用前に計測して保持し、
    前記保持される残留磁束及び母線の各相電圧を入力し、入力される残留磁束及び母線の各相電圧に基づいて、前記遮断位相が同じになるように開閉器の開極位相を制御し、
    前記制御される開極位相で前記開閉器を開極し、
    前記算出される定常磁束の極性及び残留磁束の極性が一致し、位相が重なる範囲を同定し、
    前記同定される位相範囲内で前記開閉器を投入すること
    を特徴とする励磁突入電流抑制方法。
  19. 主座変圧器及びT座変圧器を備え、三相交流電圧を単相交流電圧に変換する変圧器を、単相交流側の開閉器の接点開閉により単相交流側の母線に投入する場合に発生する励磁突入電流を抑制する励磁突入電流抑制装置に用いられる励磁突入電流抑制方法において、
    前記単相交流側の母線の各相電圧を計測し、
    前記計測される各相電圧より前記変圧器の定常磁束を算出し、
    前記変圧器の三相側の相電圧を計測し、
    前記計測される三相側の相電圧を変圧器単相側電圧に変換し、
    前記変換される変圧器単相側電圧より、残留磁束を算出し、
    前記算出される定常磁束の極性及び算出される残留磁束の極性が一致し、位相が重なる範囲を同定し、
    前記同定される位相範囲内で前記開閉器を投入すること
    を特徴とする励磁突入電流抑制方法。
  20. 主座変圧器及びT座変圧器を備え、三相交流電圧を単相交流電圧に変換する変圧器とを、単相交流側の開閉器により単相交流側の電力系統に投入する場合に発生する励磁突入電流を抑制する励磁突入電流抑制装置に用いられる励磁突入電流抑制方法において、
    前記単相交流側の母線の各相電圧を計測し、
    前記計測される各相電圧より前記変圧器の定常磁束を算出し、
    前記変圧器の三相側の相電圧を計測し、
    前記計測される三相側の相電圧を変圧器単相側電圧に変換し、
    前記変換される変圧器単相側電圧より、残留磁束を算出し、
    前記開閉器を少なくとも1回開極操作するときに算出される残留磁束及び残留磁束と開閉器の開極による遮断位相との関係を、運用前に計測して保持し、
    前記保持される残留磁束及び母線の各相電圧を入力し、入力される残留磁束及び母線の各相電圧に基づいて、遮断位相が同じになるように前記開閉器の開極位相を制御し、
    前記制御される開極位相で前記開閉器を開極し、
    前記算出される定常磁束の極性及び保持される残留磁束の極性が一致し、位相が重なる範囲を同定し、
    前記同定される位相範囲内で前記開閉器を投入すること
    を特徴とする励磁突入電流抑制方法。
  21. 前記変圧器単相側の定常磁束及び残留磁束が共に略一致する位相において、開閉器を個別に投入することを特徴とする請求項16乃至20のいずれか記載の励磁突入電流抑制方法。
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