JP2014023014A - 画像読取装置および画像形成装置 - Google Patents

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Abstract

【課題】複数の画像を別々に読み取る作業時間を、比較的低コストで短縮することができる画像読取装置および画像形成装置を提供する。
【解決手段】キャリッジ122は原稿台103に対して移動可能に設けられる。イメージセンサ132はキャリッジ122の移動を伴って原稿台103に載置された原稿の画像を読み取る。動作制御部401は、キャリッジ122を原稿台103における一部の領域で往復動させるとともに、往路から復路へキャリッジ122の移動方向を切り替える際に、移動開始指示が入力されるまで待機する。画像合成部402は、動作制御部401によるキャリッジ122の往復動における往路移動中にイメージセンサ132が取得した画像と、当該往復動における復路移動中にイメージセンサ132が取得した画像とを合成する。
【選択図】図4

Description

本発明は、画像読取装置および画像形成装置に関する。
複写機やファクシミリ、スキャナ、複合機等の画像読取装置として、移動可能なキャリッジを原稿台の下方に設けた構成が知られている。このような画像読取装置では、画像読取対象面を原稿台に向けて原稿台上に載置された原稿の画像を、キャリッジを移動させることで読み取ることができる。
このような画像読取装置を備える画像形成装置では、運転免許証、名刺、ハガキ等の表面と裏面の両方に情報が記載された原稿の表面画像と裏面画像とを別々に読み取って1枚の用紙上に並べて印刷する機能を有するものがある。この種の画像形成装置では、まず、原稿の表面を原稿台に向けて載置して表面画像を読み取り、続けて、原稿の裏面を原稿台に向けて載置して裏面画像を読み取る。このようにして両面の画像読取が完了すると、読み取られた表面画像と裏面画像とが1枚の用紙上に印刷される。この機能によれば、ユーザは、用紙を無駄にすることなく、所望の印刷物を得ることができる。
上述のような、定型サイズよりも小さい原稿の、表面画像および裏面画像を1枚の用紙上に印刷するに際し、作業時間を低減することは、他のユーザがその画像形成装置を使用できる時間が長くなるため、好ましいといえる。作業時間の短縮に関連する技術としては、以下のような技術がある。
例えば、特許文献1は、表面と裏面との両方の画像を効率よく取得するために、表面画像読取用の画像読取部と裏面画像読取用の画像読取部とを備える画像読取装置を開示している。この技術を使用すれば、表面画像と裏面画像とを同時に取得できるため、原稿の読取時間を短縮することができる。
特許文献2は、名刺やハガキの両面の画像を効率よく取得するために、複数の名刺や複数のハガキを収容するフォルダを使用して、複数の原稿の画像を一括して取得する画像読取装置を開示している。この技術によれば、フォルダの表面画像と裏面画像とを順に取得することで、複数の原稿について、表面画像と裏面画像とを対応づけた画像データを取得することができる。そのため、複数の原稿画像の読取時間を短縮することができる。
特許文献3は、運転免許証や名刺等、画像形成装置に格納されている定型用紙よりも小さい原稿を読み取る際に、画像読取領域を原稿配置領域に限定する技術を開示している。この技術によれば、定型用紙の余白部分にプラテンカバーやコンタクトガラスの汚れ等が転写されることを防止できる。
さらに、特許文献4は、キャリッジの往路移動中と復路移動中の両方で画像読取を実施する画像形成装置を開示している。この技術によれば、画像形成装置のシステム速度を上げることなく、単位時間当たりのコピー枚数を増加させることができる。
特開2008−227710号公報 特開2007−206939号公報 特開2001−305915号公報 特開平5−219319号公報
しかしながら、特許文献1が開示するような表面読取用と裏面読取用の画像読取部を備える画像読取装置は、位置が固定された画像読取部に対して原稿を移動させる構成である。そのため、名刺のような厚みのない原稿や運転免許証のような厚みのある硬質の原稿、さらには、A4等の定型サイズの原稿等の任意の原稿を読み取り可能とするには、原稿搬送路を同一平面内で構成する等の特別な工夫が必要である。このような原稿読取装置は、サイズも大きくなり実用的であるとはいえない。また、名刺や運転免許証等のサイズの小さな原稿を読み取るための専用の画像読取装置を構成することも考えられるが、A4等の定型サイズの原稿等を読み取る画像読取装置に加えて、このような専用の画像読取装置を用意することが必要になり、運転免許証等をコピーする頻度の少ないユーザにとっては不経済である。加えて、この技術では、そもそも、表面読取用と裏面読取用の画像読取部を設ける必要があり、部品コストや取付コストが必要になり、例えば、低コスト機への適用が困難であるいう問題がある。
また、特許文献2が開示する技術では、フォルダに原稿をセットする作業が煩雑である上、原稿のサイズごとに専用のフォルダを用意する必要がある。
さらに、特許文献3が開示する技術も、原稿の載置位置を検出するためのセンサを設置する必要があり、部品コストや取付コストが必要になり、例えば、低コスト機への適用が困難であるという問題がある。センサの取り付けに代えて、原稿台に対して予備的に画像読取走査をして原稿位置を確認することも可能であるが、そもそもの目的である作業時間の短縮を実現することはできない。
加えて、特許文献4が開示する技術は、同一サイズの原稿が、自動原稿搬送装置により原稿台上に連続的に載置されることを前提としており、特許文献1と同様に、名刺のような厚みのない原稿や運転免許証のような厚みのある硬質の原稿、さらには、A4等の定型サイズの原稿等の任意の原稿を読み取り可能とするには、原稿搬送路を同一平面内で構成する等の特別な工夫が必要になる。
本発明は、このような従来技術の課題を鑑みてなされたものであり、定型サイズよりも小さい原稿の、表面画像と裏面画像のような複数の画像を別々に読み取る作業時間を、比較的低コストで短縮することができる画像読取装置および画像形成装置を提供することを目的とする。
上述の目的を達成するために、本発明は以下の技術的手段を採用している。すなわち、本発明に係る画像読取装置は、キャリッジ、イメージセンサ、動作制御部および画像合成部を備える。キャリッジは原稿台に対して移動可能に設けられる。イメージセンサは、キャリッジの移動に伴って原稿台に載置された原稿の画像を読み取る。動作制御部は、キャリッジを原稿台における一部の領域で往復動させるとともに、往路から復路へキャリッジの移動方向を切り替える際に、移動開始指示が入力されるまで待機する。画像合成部は、動作制御部によるキャリッジの往復動における往路移動中にイメージセンサが取得した画像と、当該往復動における復路移動中にイメージセンサが取得した画像とを合成する。
この画像読取装置では、キャリッジがホームポジションに戻ることなく、画像読取を連続的に行うため、免許証や名刺のような、定型サイズよりも小さい原稿についての複数の画像を原稿台上で別々に読み取る作業時間を短縮することができる。この場合、キャリッジの往復動の範囲は、キャリッジの移動可能範囲の1/2や、画像読取装置に予め登録されている読取原稿サイズ(例えば、A4サイズ)に対応するキャリッジ移動範囲の1/2とすることができる。なお、キャリッジが移動方向を切り替える位置に到達したか否かは、例えば、キャリッジを駆動するモータの駆動パルス数を利用することで容易に判定することができる。そのため、本構成のために、センサ等の専用の検出器を設置する必要がないため、低コスト機への適用も容易である。
また、上記画像読取装置は、キャリッジの移動方向を切り替える位置の指定を受け付け、当該指定された位置を動作制御部に登録する往復動領域受付部をさらに備えてもよい。この構成では、キャリッジの移動方向を切り替える位置を読取対象の原稿サイズに合わせてユーザが適宜設定することができる。その結果、定型サイズよりも小さい原稿についての複数の画像を原稿台上で別々に読み取る作業時間をより短縮することができる。
一方、他の観点では、本発明は、上述の画像読取装置と上述の画像合成部が生成した合成画像を用紙上に印刷する画像形成部とを備える画像形成装置を提供することもできる。
本発明によれば、定型サイズよりも小さい原稿についての複数の画像を別々に読み取る作業時間を、比較的低コストで短縮することができる。また、センサ等の専用の検出器を設置する必要がないため、低コスト機への適用も容易である。
本発明の一実施形態における複合機の全体構成を示す概略構成図 本発明の一実施形態における複合機の上部外観を示す斜視図 本発明の一実施形態における複合機のハードウェア構成を示す図 本発明の一実施形態における複合機を示す機能ブロック図 本発明の一実施形態における複合機の画像読取手順を示すフロー図 本発明の一実施形態における複合機の画像読取動作を示す図
以下、本発明の実施形態について、図面を参照しながらより詳細に説明する。以下では、画像読取部(画像読取装置)を有するデジタル複合機として本発明を具体化する。
図1は、本実施形態におけるデジタル複合機の全体構成の一例を示す概略構成図である。図1に示すように、複合機100は、画像読取部120(画像読取装置)および画像形成部140を含む本体101と、本体101の上方に取り付けられたプラテンカバー102とを備える。本体101の上面には原稿台103が設けられており、原稿台103はプラテンカバー102によって開閉されるようになっている。また、プラテンカバー102は、原稿搬送装置110を備えている。
原稿台103の下方には、画像読取部120が設けられている。画像読取部120は、走査光学系121により原稿の画像を読み取りその画像のデジタルデータ(画像データ)を生成する。特に限定されないが、ここでは、走査光学系121は、密着光学系(いわゆる、CIS(Contact Image Sensor)方式)として構成されている。読取対象原稿は、原稿台103や原稿搬送装置110に載置することができる。
走査光学系121は、キャリッジ122とガイド123とを備える。キャリッジ122は、線状の光源131、イメージセンサ132および等倍光学系レンズ133を備える。ここでは、LEDアレイ、CMOS(Complementary Metal Oxide Semiconductor)ラインイメージセンサ、屈折率分布型レンズを、それぞれ光源131、イメージセンサ132、等倍光学系レンズ133として使用している。例えば、光源131はR(レッド)、G(グリーン)、B(ブルー)の各色で原稿を照明する。等倍光学系レンズ133は、原稿からの反射光(光像)をイメージセンサ132の受光面に結像する。
ガイド123は、本体101の互いに対向する側面に、原稿台103と平行に配置されている。キャリッジ122は、当該ガイド123に沿って往復動可能に設けられている。キャリッジ122の移動は、図示しない駆動手段による駆動により実現される。本実施形態では、駆動手段であるステッピングモータがキャリッジ122を駆動する。
ガイド123は、少なくとも原稿台103の原稿載置可能領域(原稿読取可能領域)の一端から他端にわたってキャリッジ122に搭載されたイメージセンサ132を移動できるように設けられる。本実施形態では、原稿台103のサイズと原稿載置可能領域とが一致しており、ガイド123が設けられた本体101の側面と直交する原稿台103の一端から他端にわたってイメージセンサ132が移動可能になっている。すなわち、この走査光学系121では、キャリッジ122をガイド123に沿って移動することで、原稿台103に載置された原稿の画像をイメージセンサ132で読み取ることができる。原稿搬送装置110にセットされた原稿の画像を読み取る場合、画像読取部120は、キャリッジ122を画像読取位置に合わせて一時的に固定し、画像読取位置を通過する原稿の画像をイメージセンサ132で読み取る。イメージセンサ132は、受光面に入射した光像から、例えば、R(レッド)、G(グリーン)、B(ブルー)の各色に対応する原稿の画像データを生成する。生成された画像データは、画像形成部140において用紙に印刷することができる。また、ネットワークインタフェイス161によりネットワーク162を通じて他の機器(図示せず)へ送信することもできる。
画像形成部140は、画像読取部120が生成した画像データや、ネットワーク162に接続された他の機器から受信した画像データを用紙に印刷する。画像形成部140は、感光体ドラム141を備える。感光体ドラム141は一定速度で一方向に回転する。感光体ドラム141の周囲には、回転方向の上流側から順に、帯電器142、露光器143、現像器144、中間転写ベルト145が配置されている。帯電器142は、感光体ドラム141表面を一様に帯電させる。露光器143は、一様に帯電した感光体ドラム141の表面に、画像データに応じて光を照射し、感光体ドラム141上に静電潜像を形成する。現像器144は、その静電潜像にトナーを付着させ、感光体ドラム141上にトナー像を形成する。中間転写ベルト145は、感光体ドラム141上のトナー像を用紙に転写する。画像データがカラー画像である場合、中間転写ベルト145は、各色のトナー像を同一の用紙に転写する。なお、RGB形式のカラー画像は、C(シアン)、M(マゼンタ)、Y(イエロー)、K(ブラック)形式の画像データに変換され、各色の画像データが露光器143に入力される。
画像形成部140は、手差しトレイ151、給紙カセット152、153、154等から、中間転写ベルト145と転写ローラ146との間の転写部に用紙を給送する。手差しトレイ151や各給紙カセット152、153、154には、様々なサイズの用紙を載置または収容することができる。画像形成部140は、ユーザの指定した用紙や、自動検知した原稿のサイズに応じた用紙を選択し、選択した用紙を給送ローラ155により手差しトレイ151やカセット152、153、154から給紙する。給紙された用紙は搬送ローラ156やレジストローラ157で転写部に搬送される。トナー像が転写された用紙は、搬送ベルト147により定着器148に搬送される。定着器148は、ヒータを内蔵した定着ローラ158および加圧ローラ159を有しており、熱と押圧力によってトナー像を用紙に定着する。画像形成部140は、定着器148を通過した用紙を排紙トレイ149へ排紙する。
図2は、複合機の上部外観を示す斜視図である。上述のように、原稿台103に隣接してスリットガラス104が配置され、原稿搬送装置110の画像読取位置111がスリットガラス104と対向して配置されている。特に限定されないが、本実施形態では、画像読取位置111は、スリットガラス104において副走査方向(ガイド123に沿う方向)の中央部に設定されている。特に限定されないが、本実施形態では、キャリッジ122の基準位置(いわゆる、ホームポジション)は、キャリッジ122がスリットガラス104よりも本体101の側面側に配置される位置に設定されている。
複合機100の手前側には、ユーザが複合機100に複写開始やその他の指示を与えたり、複合機100の状態や設定を確認したりすることができる操作パネル201が設けられている。本実施形態では、操作パネル201は、指示入力や各種情報の表示に使用されるタッチパネル式のディスプレイ202および処理開始を指示するスタートボタン203を備えている。
図3は、複合機における制御系のハードウェア構成図である。本実施形態の複合機100は、CPU(Central Processing Unit)301、RAM(Random Access Memory)302、ROM(Read Only Memory)303、HDD(Hard Disk Drive)304および原稿搬送装置110、画像読取部120、画像形成部140における各駆動部に対応するドライバ305が内部バス306を介して接続されている。ROM303やHDD304等はプログラムを格納しており、CPU301はその制御プログラムの指令にしたがって複合機100を制御する。例えば、CPU301はRAM302を作業領域として利用し、ドライバ305とデータや命令を授受することにより上記各駆動部の動作を制御する。また、HDD304は、画像読取部120により得られた画像データや、他の機器からネットワークインタフェイス161を通じて受信した画像データの蓄積にも用いられる。
内部バス306には、操作パネル201や各種のセンサ307も接続されている。操作パネル201は、ユーザの操作を受け付け、その操作に基づく信号をCPU301に供給する。また、操作パネル201は、CPU301からの制御信号にしたがってディスプレイ202に操作画面を表示する。センサ307は、プラテンカバー102の開閉検知センサ、搬送される用紙または原稿の検知センサ、定着器148の温度センサなど各種のセンサを含む。CPU301は、例えばROM303に格納されたプログラムを実行することで、以下の各手段(機能ブロック)を実現するとともに、これらセンサからの信号に応じて各手段の動作を制御する。
図4は、本実施形態の複合機の機能ブロック図である。図4に示すように、本実施形態の複合機100は、動作制御部401および画像合成部402を備える。
動作制御部401は、キャリッジ122を原稿台103における一部の領域で往復動させるとともに、往路から復路へキャリッジ122の移動方向を切り替える際に、移動開始指示が入力されるまで待機する。例えば、往路から復路へキャリッジ122の移動方向を切り替える位置が、原稿台103の副走査方向の中間位置であるとする。この場合、動作制御部401は、キャリッジ122の往路移動において、原稿台103のホームポジション側端部から原稿台103の副走査方向の中間位置までキャリッジ122を移動させる。そして、動作制御部401は、キャリッジ122の復路移動において、原稿台103の副走査方向の中間位置から原稿台103のホームポジション側端部までキャリッジ122を移動させる。
画像合成部402は、動作制御部401によるキャリッジ122の往復動における往路移動中にイメージセンサ132が取得した画像と、当該往復動における復路移動中にイメージセンサ132が取得した画像とを合成する。特に限定されないが、キャリッジ122の往復動における往路移動中にイメージセンサ132が取得した画像と、当該往復動における復路移動中にイメージセンサ132が取得した画像は、画像合成部402に保持される。本実施形態では、画像合成部402は、RAM302をこれらの画像の記憶領域として使用する。
なお、キャリッジ122の復路移動中、イメージセンサ132は、原稿台103の副走査方向の中間位置側から原稿画像を読み取ることになる。そのため、読み取られた画像は、主走査方向の1ラインの画像データが副走査方向に並べられる順番が、キャリッジ122の往路移動中にイメージセンサ132が取得した画像と逆になる。本実施形態では、画像合成部402が、キャリッジ122の復路移動中に取得した、主走査方向の1ラインの画像データを副走査方向に並べる順番を並べ替えることにより、キャリッジ122の往路移動中に取得した画像データと整合するデータに変換する構成になっている。また、イメージセンサ132が、RGBのカラー画像データを取得する場合、各色においてライン間補正等を実施する場合には、往路移動中および復路移動中での、主走査方向の1ラインの画像データにおける、Rの画像データ、Gの画像データ、Bの画像データの取得順が問題になる場合も考えられる。この場合も、画像合成部402が、適宜、1ラインの画像データの順序変換を行い、キャリッジ122の往路移動中に取得した画像データと整合するデータに変換する構成とすればよい。
また、複合機100は、往復動領域受付部403も備えている。往復動領域受付部403は、キャリッジ122の移動方向を切り替える位置の指定を受け付け、当該指定された位置を動作制御部401に登録する。本実施形態では、図2に示すように、原稿台103を囲む本体101上面に、キャリッジ122の移動方向を切り替える位置の指定に使用する位置表示210(この例では、位置A、位置B、位置C、位置D)が記載されている。
ユーザは、操作パネル201のタッチパネルディスプレイ202を通じてこれらの位置を往復動領域受付部403に入力することができる。当該位置情報は、往復動領域受付部403によって動作制御部401に登録される。この場合、動作制御部401は、登録された位置においてキャリッジ122の移動方向を切り替える。例えば、ユーザが位置Aを指定した場合、動作制御部401は、往路移動においてキャリッジ122を原稿台103のホームポジション側端部から位置Aまで移動させる。そして、往路移動においてキャリッジ122を位置Aから原稿台103のホームポジション側端部まで移動させる。なお、本実施形態では、キャリッジ122の駆動手段としてステッピングモータを使用している。そのため、ステッピングモータに入力する駆動パルス数(モータのステップ数)を計数することで、ホームポジションからのキャリッジ122の移動距離を容易に把握することができる。
図5は、本実施形態の複合機が実行する画像読取手順の一例を示す図である。本実施形態では、例えば、ユーザが操作パネル201のディスプレイ202から、表面画像および裏面画像を1枚の用紙上に印刷する機能である「IDコピーモード」を選択したことをトリガとして本手順が開始する。
IDコピーモードが選択されると、動作制御部401は、画像読取開始指示が入力されるまで待機する(ステップS501No)。このとき、ユーザは、原稿台103上に、原稿(例えば、運転免許証)の一方面(例えば、表面)を下方に向けて原稿を載置する。
また、複合機100では、ユーザは、このとき、上述の位置情報を往復動領域受付部403に入力することができる。ユーザは、原稿台103に載置した原稿のサイズと位置表示210とを対比し、例えば、原稿を読み取ることができる最小の位置表示を操作パネル201のディスプレイ202を通じて往復動領域受付部403に入力する。特に限定されないが、本実施形態では、往復動領域受付部403に位置情報が入力されなかった場合、動作制御部401には、キャリッジ122の移動方向を切り替える位置としてデフォルトの位置(原稿台103の副走査方向の中間位置)が登録される。
原稿台103に原稿を載置したユーザが操作パネル201の操作ボタン203を押下することにより画像読取開始指示が入力されると、動作制御部401は、まず、キャリッジ122を、ホームポジションあるいはその近傍に設置されている図示しないシェーディング板の下方に移動させ、シェーディング補正等のキャリブレーションを実施する(ステップS501Yes、S502)。
キャリブレーションが完了すると、動作制御部401は、原稿台103のホームポジション側端部から登録された位置までキャリッジ122を移動させる。この往路移動中、イメージセンサ132は、原稿台103上に載置された原稿画像を読み取る(ステップS503)。上述のように、この原稿画像は画像合成部402に保持される。
図6(a)は、往路画像読取を示す図である。図6(a)は、複合機100を上方から見た図であり、原稿台103、原稿D1およびキャリッジ122のみを図示している。図6(a)に示すように、往路画像読取において、動作制御部401は、図中に実線で示す原稿台103のホームポジション側端部から、図中に破線で示す登録された位置までキャリッジ122を移動させる。これにより、原稿D1の一方面の画像読取が実施される。
キャリッジ122を登録された位置まで移動させた動作制御部401は、画像読取開始指示(移動開始指示)が入力されるまで待機する(ステップS504No)。このとき、ユーザは、原稿を反転させ、原稿台103上に、原稿(例えば、運転免許証)の他方面(例えば、裏面)を下方に向けて原稿を載置する。このとき、ユーザは、原稿の天地が変わらない状態で原稿を反転させることが好ましい。このような反転は、例えば、原稿台103を囲む本体101上面に、原稿載置方向を記載する等により、ユーザに注意を促すことで比較的容易に実現できる。
原稿台103上の原稿の反転を完了したユーザが操作パネル201の操作ボタン203を押下することにより画像読取開始指示が入力されると、動作制御部401は、原稿台103のその時点の位置から原稿台103のホームポジション側端部までキャリッジ122を移動させる。この復路移動中、イメージセンサ132は、原稿台103上に載置された原稿画像を読み取る(ステップS504Yes、S505)。上述のように、この原稿画像は画像合成部402に保持される。
図6(b)は、復路画像読取を示す図である。図6(b)は、図6(a)と同様、複合機100を上方から見た図であり、原稿台103、原稿D1およびキャリッジ122のみを図示している。図6(b)に示すように、復路画像読取において、動作制御部401は、図中に実線で示すキャリッジ122の停止位置から、図中に破線で示す原稿台103のホームポジション側端部までキャリッジ122を移動させる。これにより、原稿D1の他方面の画像読取が実施される。
キャリッジ122の復路移動が完了すると、動作制御部401はその旨を画像合成部402に通知する。当該通知を受けた画像合成部402は、往路画像読取において取得された画像データと復路画像読取において取得された画像データとを1枚の定型サイズの用紙上で並べて配置した状態の画像データを生成する(ステップS506)。
図6(c)は、画像合成部402が生成する合成画像の一例を示す図である。定型用紙サイズの範囲600内に、往路画像読取において取得された画像データ601と復路画像読取において取得された画像データ602とが並べて配置されている。なお、上述のように、ユーザが、原稿の天地が変わらない状態で原稿を反転させた場合、往路画像読取において取得された画像データ601と復路画像読取において取得された画像データ602の天地は一致することになる。
合成画像データを生成した画像合成部402は、生成した画像データを画像形成部140に入力する。これにより合成画像データが用紙上に印刷される(ステップS507Yes、S508)。なお、ここでは、「IDコピーモード」であるため印刷を実行しているが、印刷が不要である場合は、画像合成部402が生成した画像データをHDD304等に格納する構成としてもよい(ステップS507No)。
以上説明したように、この複合機100では、キャリッジ122がホームポジションに戻ることなく、画像読取を連続的に行うため、免許証や名刺のような、定型サイズよりも小さい原稿についての複数の画像を原稿台103上で別々に読み取る作業時間を短縮することができる。また、この構成を実現するために、センサ等の専用の検出器を設置する必要がないため、低コスト機への適用も容易である。
また、この複合機100では、キャリッジ122の移動方向を切り替える位置を読取対象の原稿サイズに合わせてユーザが適宜設定することができる。そのため、定型サイズよりも小さい原稿についての複数の画像を原稿台上で別々に読み取る作業時間をより短縮することができる。
なお、上記実施形態では、別々に読み取って1枚の用紙上に並べて印刷する画像を、原稿の表面画像と裏面画像としたが、表面、裏面に限らず、任意の画像を使用することができる。また、上述の実施形態では、原稿を主走査方向の中央部に配置したがその設置位置は任意である。
以上のように、本発明によれば、定型サイズよりも小さい原稿についての複数の画像を別々に読み取る作業時間を、比較的低コストで短縮することができる。
なお、上述した実施形態は本発明の技術的範囲を制限するものではなく、既に記載したもの以外でも、本発明の範囲内で種々の変形や応用が可能である。例えば、上記実施形態では、特に低コスト化が望まれる構成の例として、イメージセンサを搭載した1個のキャリッジを備えるCIS方式の画像読取装置を例示した。しかしながら、本発明は、光源およびミラーを搭載した第1キャリッジと、2つのミラーを搭載した第2キャリッジとを用い、当該第1及び第2キャリッジの移動によりキャリッジ外に固定されたイメージセンサに、原稿台に載置された原稿の画像を結像する縮小光学系(いわゆる、CCD方式)を備える画像読取装置にも適用可能である。
また、上記実施形態では、特に好ましい形態として、往復動領域受付部403を備える構成を説明したが、これらの要素は本発明に必須の要素ではない。例えば、これらの要素を備えない構成であっても、キャリッジ122を副走査方向の中間位置等の固定位置でキャリッジ122の移動方向を切り替える構成であっても、従来に比べて作業時間を短縮することは可能である。
さらに、上記では、キャリッジ122の駆動手段としてステッピングモータを使用したが、キャリッジ122の移動距離に対応するデータが取得可能であれば任意の駆動手段を使用することができる。例えば、エンコーダ付ブラシモータを使用する場合は、エンコーダによるパルスカウントによりキャリッジ122の移動距離を把握することができる。
加えて、上述の実施形態では、デジタル複合機として本発明を具体化したが、これらの装置に限らず、プリンタ、ファクシミリ、複写機、複合機等のキャリッジの移動に伴って、原稿台に載置された原稿の画像を読み取る任意の画像読取装置や画像形成装置に本発明を適用することも可能である。
本発明によれば、複数の画像を別々に読み取る作業時間を、比較的低コストで短縮することができる画像読取装置および画像形成装置として有用である。
100 複合機(画像形成装置)
103 原稿台
120 画像読取部(画像読取装置)
122 キャリッジ
132 イメージセンサ
140 画像形成部
401 動作制御部
402 画像合成部
403 往復動領域受付部

Claims (3)

  1. 原稿台に対して移動可能に設けられたキャリッジと、
    前記キャリッジの移動に伴って、前記原稿台に載置された原稿の画像を読み取るイメージセンサと、
    前記キャリッジを前記原稿台における一部の領域で往復動させるとともに、往路から復路へ前記キャリッジの移動方向を切り替える際に、移動開始指示が入力されるまで待機する動作制御部と、
    前記動作制御部による前記キャリッジの往復動における往路移動中に前記イメージセンサが取得した画像と、当該往復動における復路移動中に前記イメージセンサが取得した画像とを合成する画像合成部と、
    を備える画像読取装置。
  2. 前記キャリッジの移動方向を切り替える位置の指定を受け付け、当該指定された位置を前記動作制御部に登録する往復動領域受付部をさらに備える、請求項1記載の画像読取装置。
  3. 請求項1または2に記載の画像読取装置と、
    前記画像合成部が生成した合成画像を用紙上に印刷する画像形成部と、
    を備える画像形成装置。
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