JP2014022012A - 光学素子の取付構造および光ピックアップ装置 - Google Patents
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Abstract
【課題】光学素子の取付スペースを抑制しながら光学素子を確実に接着固定することが可能な光学素子の取付構造およびそれを用いた光ピックアップ装置を提供する。
【解決手段】ホルダLは、分光素子115を取り付けるための板部L1と、板部L1に対して垂直に延設された板部L2と、を備える板状部材からなっている。ここで、板部L1には、分光素子115を透過した光が通過するための孔L11が形成されている。ホルダLは、板部L2が、支持体を覆う状態で支持体に接着されることにより、支持体に固定される。接着剤を板部L2に対して広く塗布できるため、ホルダLを支持体に対して確実に接着固定することができる。また、ホルダLは、板部L2が板部L1に対して延設されて形成されているため、ホルダLの設置スペースを抑制でき、光ピックアップ装置の小型化を図ることができる。
【選択図】図5
【解決手段】ホルダLは、分光素子115を取り付けるための板部L1と、板部L1に対して垂直に延設された板部L2と、を備える板状部材からなっている。ここで、板部L1には、分光素子115を透過した光が通過するための孔L11が形成されている。ホルダLは、板部L2が、支持体を覆う状態で支持体に接着されることにより、支持体に固定される。接着剤を板部L2に対して広く塗布できるため、ホルダLを支持体に対して確実に接着固定することができる。また、ホルダLは、板部L2が板部L1に対して延設されて形成されているため、ホルダLの設置スペースを抑制でき、光ピックアップ装置の小型化を図ることができる。
【選択図】図5
Description
本発明は、光学素子の取付構造およびそれを用いた光ピックアップ装置に関する。
近年、光ディスクの大容量化に伴い、記録層の多層化が進んでいる。一枚のディスク内に複数の記録層を含めることにより、ディスクのデータ容量を顕著に高めることができる。記録層を積層する場合、これまでは片面2層が一般的であったが、最近では、さらに大容量化を進めるために、片面に3層以上の記録層が配されたディスクも実用化されている。ここで、記録層の積層数を増加させると、ディスクの大容量化を促進できる。しかし、その一方で、記録層間の間隔が狭くなり、層間クロストークによる信号劣化が増大する。
記録層を多層化すると、記録/再生対象とされる記録層(ターゲット記録層)からの反射光が微弱となる。このため、ターゲット記録層の上下にある記録層から、不要な反射光(迷光)が光検出器に入射すると、検出信号が劣化し、フォーカスサーボおよびトラッキングサーボに悪影響を及ぼす惧れがある。したがって、このように記録層が多数配されている場合には、適正に迷光を除去して、光検出器からの信号を安定化させる必要がある。
以下の特許文献1には、記録層が多数配されている場合に、適正に迷光を除去し得る光ピックアップ装置の新たな構成が示されている。この構成によれば、光検出器の受光面上に、信号光のみが存在する方形状の領域(信号光領域)を作ることができる。ディスクからの反射光は、信号光領域の頂角付近に照射される。信号光領域の頂角付近に、光検出器のセンサを配置することで、検出信号に対する迷光による影響を抑制することができる。
上記光ピックアップ装置では、信号光を信号光領域内に分布させるための光学素子が、光ピックアップ装置内に装着される。この場合、光学素子は、調整ジグを用いて位置調整がなされた後、ハウジングに接着固定される。光ピックアップ装置を小型化するためには、光学素子の取付スペースを抑制する必要がある。また、光学素子は、位置調整がなされた後、確実かつ強固に、ハウジングに接着固定される必要がある。
本発明は、このような点に鑑みてなされたものであり、光学素子の取付スペースを抑制しながら光学素子を確実に接着固定することが可能な光学素子の取付構造およびそれを用いた光ピックアップ装置を提供することを目的とする。
本発明の第1の態様は、光学素子の取付構造に関する。この態様に係る光学素子の取付構造は、光学素子と、前記光学素子を保持するとともに設置部に接着固定されるホルダとを備える。ここで、前記ホルダは、前記光学素子を取り付けるための第1の板部と、前記第1の板部に対して垂直に延設された第2の板部とを備える板状部材からなっている。前記第1の板部には、前記光学素子を透過した光が通過するための光通過部が形成されている。前記ホルダは、前記第2の板部が、前記設置部を覆う状態で前記設置部に接着されることにより、前記設置部に固定される。
本発明の第2の態様は、光ピックアップ装置に関する。この態様に係る光ピックアップ装置は、上記第1の態様に係る光学素子の取付構造と、レーザ光源から出射されたレーザ光をディスク上に収束させると共に、前記ディスクによって反射された前記レーザ光を光検出器に導く光学系と、前記設置部と、を備える。ここで、前記光学素子は、前記光学系に含まれ、前記取付構造によって前記設置部に取り付けられる。
本発明によれば、光学素子の取付スペースを抑制しながら光学素子を確実に接着固定することが可能な光学素子の取付構造およびそれを用いた光ピックアップ装置を提供することができる。
本発明の効果ないし意義は、以下に示す実施の形態の説明により更に明らかとなろう。ただし、以下の実施の形態は、あくまでも、本発明を実施する際の一つの例示であって、本発明は、以下の実施の形態によって何ら制限されるものではない。
以下、本発明の実施の形態につき図面を参照して説明する。
本実施の形態において、半導体レーザ101は、請求項に記載の「レーザ光源」に相当する。図1(a)、(b)に記載されたレーザ光を照射および受光するための光学部材は、請求項に記載の「光学系」に相当する。分光素子115は、請求項に記載の「光学素子」に相当する。支持体Hは、請求項に記載の「設置部」に相当する。ホルダLは、請求項に記載の「ホルダ」に相当する。板部L1、L2は、それぞれ、請求項に記載の「第1の板部」、「第2の板部」に相当する。領域L2aは、請求項に記載の「領域」に相当する。孔L11は、請求項に記載の「光通過部」に相当する。孔L21と切欠L22は、請求項に記載の「被保持部」に相当する。棚部H21、H22は、請求項に記載の「傾斜面」に相当する。ただし、上記請求項と本実施の形態との対応の記載はあくまで一例であって、請求項に係る発明を本実施の形態に限定するものではない。
本実施の形態は、BD(Blu-ray Disc)、DVD(Digital Versatile Disc)およびCD(Compact Disc)に対応可能な互換型の光ピックアップ装置に本発明を適用したものである。
図1(a)、(b)は、本実施の形態に係る光ピックアップ装置1の光学系を示す図である。図1(a)は、立ち上げミラー111、112よりもディスク側の構成を省略した光学系の平面図、図1(b)は、立ち上げミラー111、112以降の光学系を側面から
透視した図である。
透視した図である。
図1(a)、(b)に示すように、光ピックアップ装置1は、半導体レーザ101と、1/2波長板102と、半導体レーザ103と、回折格子104と、ダイクロイックミラー105と、偏光ビームスプリッタ(PBS)106と、フロントモニタ107と、コリメータレンズ108と、駆動機構109と、1/4波長板110と、立ち上げミラー111、112と、対物レンズ113、114と、分光素子115と、アナモレンズ116と、光検出器117を備えている。これら光学系の各部は、光ピックアップ装置1のハウジングに対して、直接または他の部材を介して設置されている。なお、BD用の光学系には1ビーム方式が適用され、DVD用の光学系とCD用の光学系には、従来の3ビーム方式(インライン方式)が適用される。
半導体レーザ101は、波長405nm程度のレーザ光(以下、「BD光」という)を出射する。1/2波長板102は、BD光の偏光方向が、PBS106に対してS偏光からややずれた方向となるように、BD光の偏光方向を調整する。半導体レーザ103は、波長780nm程度のCD用レーザ光(以下、「CD光」という)と、波長650nm程度のDVD用レーザ光(以下、「DVD光」という)をそれぞれ出射する2つのレーザ素子103a、103bを同一CAN内に収容している。半導体レーザ103は、出射するDVD光とCD光の偏光方向が、PBS106に対してS偏光からややずれた方向となるよう設置されている。
図1(c)は、半導体レーザ103をビーム出射側から見たときの図である。レーザ素子103a、103bから、CD光とDVD光が発光され、レーザ素子103aとレーザ素子103bの間には、所定のギャップが設けられている。このギャップは、後述のように、DVD光が、DVD光用の4分割センサに適正に照射されるように設定される。
図1(a)、(b)に戻り、回折格子104は、2段ステップ型の回折格子であり、DVD光とCD光を、それぞれ、メインビームと2つのサブビームに分割する。DVD光のメインビームと2つのサブビーム、および、CD光のメインビームと2つのサブビームが、それぞれ、DVDとCDのトラックに沿うよう、回折格子104が配置される。
ダイクロイックミラー105は、内部にダイクロイック面105aを有している。ダイクロイック面105aは、BD光を反射し、DVD光とCD光を透過する。半導体レーザ101と、半導体レーザ103と、ダイクロイックミラー105は、ダイクロイック面105aにより反射されたBD光の光軸と、ダイクロイック面105aを透過したCD光の光軸とが互いに整合するように配置される。ダイクロイック面105aを透過したDVD光の光軸は、BD光とCD光の光軸から、図1(c)に示すギャップだけずれる。
BD光、DVD光、CD光は、それぞれ、一部がPBS106を透過し、大部分がPBS106によって反射される。このようにBD光、CD光、DVD光の一部がPBS106を透過するよう、1/2波長板102と、半導体レーザ103が配置される。PBS106を透過したBD光、DVD光、CD光は、フロントモニタ107に照射される。フロントモニタ107は、受光光量に応じた信号を出力する。フロントモニタ107からの信号は、半導体レーザ101、103の出射パワー制御に用いられる。
コリメータレンズ108は、PBS106側から入射するBD光、DVD光、CD光を平行光に変換する。駆動機構109は、収差補正の際に、制御信号に応じてコリメータレンズ108を光軸方向に移動させる。駆動機構109は、コリメータレンズ108を保持するホルダ109aと、ホルダ109aをコリメータレンズ108の光軸方向に送るためのギア109bとを備え、ギア109bは、モータ109cの駆動軸に連結されている。
コリメータレンズ108により平行光とされたBD光、DVD光、CD光は、1/4波長板110に入射する。1/4波長板110は、コリメータレンズ108側から入射するBD光、DVD光、CD光を円偏光に変換するとともに、立ち上げミラー111側から入射するBD光、DVD光、CD光を、コリメータレンズ108側から入射する際の偏光方向に直交する直線偏光に変換する。これにより、ディスクからの反射光は、PBS106をZ軸正方向に透過する。
立ち上げミラー111は、ダイクロイックミラーであり、BD光を透過するとともに、DVD光とCD光を対物レンズ113に向かう方向(Y軸正方向)に反射する。立ち上げミラー112は、BD光を対物レンズ114に向かう方向(Y軸正方向)に反射する。
対物レンズ113は、DVD光とCD光を、それぞれ、DVDとCDに対して適正に収束させるよう構成されている。また、対物レンズ114は、BD光をBDに適正に収束させるよう構成されている。対物レンズ113、114は、ホルダ121に保持された状態で、対物レンズアクチュエータ122により、フォーカス方向(Y軸方向)およびトラッキング方向(X軸方向)に駆動される。
分光素子115は、BD光を回折させ、後述するように光検出器117の受光面上に分布させる。分光素子115の構成については、追って、図2(a)〜(c)を参照して説明する。アナモレンズ116は、分光素子115側から入射するBD光、DVD光、CD光に非点収差を導入する。すなわち、アナモレンズ116は、図1(d)に示すように、レンズ光軸に平行に入射するレーザ光に対し、平面方向と曲面方向に収束作用を付与する。ここで、平面方向と曲面方向は互いに直交しており、アナモレンズ116の曲率半径は、平面方向よりも曲面方向の方が小さい。これにより、アナモレンズ116に入射するレーザ光の収束度合いは、平面方向よりも曲率方向の方が大きくなる。アナモレンズ116を透過した各光は、光検出器117に入射する。光検出器117は、各光を受光するための複数のセンサを有している。光検出器117上のセンサについては、追って、図3を参照して説明する。
図2(a)は、分光素子115をPBS106側から見たときの平面図である。図2(b)は、分光素子115に入射するレーザ光を、分光素子115の回折領域h1〜h5の境界線に対応するよう区分した光束領域a1〜a5を示す図である。なお、図2(a)には、図1(d)に示す平面方向と、曲面方向と、分光素子115に入射するレーザ光のトラック像の方向が示されており、図2(b)には、トラック像の境界が点線で示されている。
分光素子115は、正方形の輪郭を有する透明板にて形成され、光入射面に2段ステップ型の回折パターン(回折ホログラム)が形成されている。分光素子115の光入射面は、図2(a)に示すように、5つの回折領域h1〜h5に区分されている。
回折領域h1〜h5は、光束領域a1〜a5を通るレーザ光を、回折作用により0次回折光、+1次回折光、−1次回折光に分割する。光束領域a1〜a5を通るレーザ光の+1次回折光は、実線の矢印で示すベクトルV1〜V5の方向に回折される。また、光束領域a1〜a5を通るレーザ光の−1次回折光は、点線の矢印で示すベクトルV1m〜V5mの方向に回折される。光束領域a1〜a5を通るレーザ光の0次回折光は、回折されずに回折領域h1〜h5を透過する。
回折領域h1〜h5により生じる+1次回折光の進行方向は、それぞれ、これら回折領域h1〜h5に入射する前のレーザ光の進行方向にベクトルV1〜V5を付与したものと
なる。また、回折領域h1〜h5により生じる−1次回折光の進行方向は、それぞれ、これら回折領域h1〜h5に入射する前のレーザ光の進行方向にベクトルV1m〜V5mを付与したものとなる。
なる。また、回折領域h1〜h5により生じる−1次回折光の進行方向は、それぞれ、これら回折領域h1〜h5に入射する前のレーザ光の進行方向にベクトルV1m〜V5mを付与したものとなる。
ここで、ベクトルV1〜V4の方向は、平面方向と曲面方向に対して45度の傾きを持っている。ベクトルV1、V2の方向は同じであり、ベクトルV3、V4の方向は同じである。ベクトルV1、V4の大きさは同じであり、ベクトルV2、V3の大きさは同じである。ベクトルV1の大きさはベクトルV2よりも大きく、ベクトルV4の大きさはベクトルV3よりも大きい。ベクトルV5の方向は、平面方向に平行である。ベクトルV1m〜V5mの方向は、それぞれ、ベクトルV1〜V5の方向と反対であり、ベクトルV1m〜V5mの大きさは、それぞれ、ベクトルV1〜V5の大きさと等しい。なお、ベクトルV1〜V5、V1m〜V5mの方向は、各回折領域に設定される回折パターンの向きによって設定され、ベクトルV1〜V5、V1m〜V5mの大きさは、各回折領域に設定される回折パターンのピッチによって設定され、これらベクトルが付与される前のBD光の進行方向に対する角度として規定される。
図2(c)は、回折領域h1〜h5のステップ高さと回折効率との関係を示す図である。
分光素子115に入射するBD光、DVD光、CD光の回折効率は、回折領域h1〜h5に設定された2段ステップ型の回折パターンのステップ高さによって変化する。本実施の形態のステップ高さは、図2(c)に示す“設定値”に設定される。これにより、BD光の0次回折光と+1次回折光の回折効率は、それぞれ、約80%と約10%となり、DVD光とCD光の0次回折光の回折効率は、90%以上となる。なお、−1次回折光の回折効率は、+1次回折光の回折効率と略同じである。
こうして、分光素子115に入射したBD光は、上記回折効率でもって0次回折光、+1次回折光、−1次回折光に分割される。また、分光素子115に入射したDVD光とCD光は、大半が分光素子115による回折作用を受けずに、分光素子115を透過する。
図3は、光検出器117の受光面上のセンサレイアウトを示す図である。
光検出器117は、BD光を受光するためのセンサBa1〜Ba4、Bs1〜Bs4と、BD光を用いて分光素子115の位置調整を行うための4分割センサBzと、DVD光を受光するための4分割センサD1〜D3と、CD光を受光するための4分割センサC1〜C3を有する。
ここで、ディスクのターゲットとなる層(ターゲット層)によって反射されたレーザ光を「信号光」と称し、ターゲット層よりも深い層によって反射されたレーザ光を「迷光1」と称し、ターゲット層よりも浅い層によって反射されたレーザ光を「迷光2」と称する。
センサBa1〜Ba4、Bs1〜Bs4は、分光素子115に入射したBD光(信号光)から、回折領域h1〜h4の回折作用によって生じる+1次回折光を受光する。4分割センサBzは、分光素子115に入射したBD光(信号光と迷光1、2)から、回折領域h5の回折作用によって生じる+1次回折光を受光する。
光束領域a1〜a4を通るBD光(信号光)の+1次回折光は、それぞれ、照射領域A1〜A4に照射される。照射領域A1に照射されるBD光は、センサBa1、Ba4によって受光され、照射領域A2に照射されるBD光は、センサBa2、Ba3によって受光
され、照射領域A3に照射されるBD光は、センサBs3、Bs4によって受光され、照射領域A4に照射されるBD光は、センサBs1、Bs2によって受光される。
され、照射領域A3に照射されるBD光は、センサBs3、Bs4によって受光され、照射領域A4に照射されるBD光は、センサBs1、Bs2によって受光される。
光束領域a5を通るBD光(信号光と迷光1、2)の+1次回折光は、照射領域A5に照射される。照射領域A5に照射されるBD光は、中心Oに対して右上に位置する4分割センサBzによって受光される。4分割センサBzは、センサBz1〜Bz4から構成されており、上下左右の方向に対して45度傾けて配置されている。また、4分割センサBzの分割線が、中心Oと4分割センサBzの中心BzOとを結ぶ一点鎖線の直線と重なるよう、4分割センサBzが配置されている。
回折領域h1〜h4の回折パターンのピッチは、照射領域A1〜A4が、センサBa1〜Ba4、Bs1〜Bs4に位置付けられるよう設定される。また、回折領域h5の回折パターンのピッチは、照射領域A5の中心が、4分割センサBzの中心BzOに位置付けられるよう設定されている。
4分割センサD1〜D3は、分光素子115による回折作用を受けずに分光素子115を透過したDVD光の3つのビームを受光する。4分割センサC1〜C3は、分光素子115による回折作用を受けずに分光素子115を透過したCD光の3つのビームを受光する。4分割センサD1、C1は、それぞれ、DVD光とCD光のメインビームを受光し、図1(c)に示すレーザ素子103a、103bのギャップに応じた間隔で配置されている。
また、4分割センサC1は、センサC11〜C14から構成されている。さらに、4分割センサC1は、分光素子115による回折作用を受けずに分光素子115を透過したBD光(信号光と迷光1、2)の受光にも共用される。なお、中心Oは、CD光のメインビームの光軸が、光検出器117の受光面と交わる点であり、4分割センサC1の中心(分割線の交点)と一致する。
図4は、光検出器117の受光面上に分布するBD光(信号光と迷光1、2)の0次回折光、+1次回折光、−1次回折光の照射領域を示す模式図である。破線は+1次回折光を示し、長鎖線は0次回折光を示し、点線は−1次回折光を示している。また、図4には、図3に示すセンサが併せて示されている。
BD光(信号光と迷光1、2)の+1次回折光と−1次回折光の照射領域は、中心Oを点対称の中心として分布し、BD光の0次回折光の照射領域は中心Oに分布する。このとき、図3に示したように、センサBa1〜Ba4、Bs1〜Bs4には、BD光(信号光)の+1次回折光のみが照射され、4分割センサBzには、BD光(信号光と迷光1、2)の+1次回折光が照射される。なお、本実施の形態では、BD光(信号光と迷光1、2)の−1次回折光は利用されない。
分光素子115の回折領域h1〜h4を通るBD光(迷光1、2)の+1次回折光は、センサBa1〜Ba4、Bs1〜Bs4の外側に照射され、分光素子115の回折領域h5を通るBD光(信号光と迷光1、2)は、中心Oの右上と左下に照射される。これにより、センサBa1〜Ba4、Bs1〜Bs4の外側に分布するBD光(迷光1、2)の+1次回折光の照射領域は、センサBa1〜Ba4、Bs1〜Bs4に掛かりにくくなる。
ここで、本実施の形態におけるフォーカスエラー信号と、トラッキングエラー信号と、RF信号について説明する。
センサBa1〜Ba4、Bs1〜Bs4、C11〜C14の検出信号を、それぞれ、B
a1〜Ba4、Bs1〜Bs4、C11〜C14と表すと、BD用のフォーカスエラー信号FEと、BD用のトラッキングエラー信号TEと、BD用のRF信号は、以下の式(1)〜(3)の演算により取得することができる。
a1〜Ba4、Bs1〜Bs4、C11〜C14と表すと、BD用のフォーカスエラー信号FEと、BD用のトラッキングエラー信号TEと、BD用のRF信号は、以下の式(1)〜(3)の演算により取得することができる。
FE=(C11+C13)−(C12+C14) …(1)
TE=(Ba1+Ba4)−(Ba2+Ba3)
−k×{(Bs1+Bs4)−(Bs2+Bs3)} …(2)
RF=(C11+C12+C13+C14) …(3)
TE=(Ba1+Ba4)−(Ba2+Ba3)
−k×{(Bs1+Bs4)−(Bs2+Bs3)} …(2)
RF=(C11+C12+C13+C14) …(3)
なお、4分割センサC1に入射するBD光の0次回折光には、信号光だけでなく迷光1、2も含まれる。しかしながら、4分割センサC1に入射するBD光の0次回折光のうち、迷光の割合は1/10程度であるため、フォーカスエラー信号FEとRF信号の取得においては、迷光による影響が特に問題となることは無い。
DVD用のフォーカスエラー信号、トラッキングエラー信号およびRF信号は、4分割センサD1〜D3の検出信号に基づいて生成され、CD用のフォーカスエラー信号、トラッキングエラー信号およびRF信号は、4分割センサC1〜C3の検出信号に基づいて生成される。DVDおよびCD用のフォーカスエラー信号とトラッキングエラー信号の生成には、従来の非点収差法による演算処理と3ビーム方式(インライン方式)による演算処理が用いられる。
ここで、図2(b)に示す光束領域a1〜a4を通るBD光(信号光)の+1次回折光が、図3に示すセンサBa1〜Ba4、Bs1〜Bs4に適正に入射するよう、光ピックアップ装置1において分光素子115の位置調整を行う必要がある。この調整は、以下の手法により行う。
位置調整の工程では、まず、分光素子115と光検出器117を除く光学素子が、光ピックアップ装置1内にセットされる。続いて、光検出器117が、位置調整用のアームに保持された状態で、光ピックアップ装置1内にセットされる。同様に、分光素子115が、位置調整用のアームに保持された状態で、光ピックアップ装置1内にセットされる。そして、位置調整用としてセットされたディスク(たとえば、1層の記録層を有するROMのディスク)に対してBD光が照射される。これにより、BD光の0次回折光は、上述したように4分割センサC1に照射される。
次に、XY平面内における光検出器117の位置調整(XY調整)が行われる。まず、対物レンズアクチュエータ122が駆動されると共に、コリメータレンズ108が所定の位置に位置付けられる。ここで、光検出器117のX軸方向とY軸方向のずれ量を、それぞれ、PDx、PDyと表すと、PDx、PDyは、以下の式(4)、(5)の演算により取得することができる。
PDx={(C13+C14)−(C11+C12)}
/(C11+C12+C13+C14) …(4)
PDy={(C12+C13)−(C11+C14)}
/(C11+C12+C13+C14) …(5)
/(C11+C12+C13+C14) …(4)
PDy={(C12+C13)−(C11+C14)}
/(C11+C12+C13+C14) …(5)
上記式(4)、(5)のPDx、PDyの値が0となるよう、光検出器117のX軸方向とY軸方向の位置が、位置調整用のアームにより調整される。これにより、光検出器117は、XY平面内において適正な位置に位置付けられる。
次に、Z軸方向における光検出器117の位置調整(Z調整)が行われる。まず、上記
式(1)のフォーカスエラー信号FEの値が0となるよう、対物レンズ114がフォーカス方向に移動され、上記式(2)のトラッキングエラー信号TEが0となるよう、対物レンズ114がトラッキング方向に移動される。続いて、上記式(3)のRF信号を参照しながら、光検出器117がZ軸方向に移動される。このとき、光検出器117の移動に応じて、4分割センサC1に照射されるBD光(信号光と迷光1、2)の焦点が変化し、かかる焦点の変化に応じて、RF信号の振幅が変化する。RF信号の振幅が所定の大きさとなるよう、光検出器117のZ軸方向の位置が、位置調整用のアームにより調整される。これにより、光検出器117は、Z軸方向において適正な位置に位置付けられる。
式(1)のフォーカスエラー信号FEの値が0となるよう、対物レンズ114がフォーカス方向に移動され、上記式(2)のトラッキングエラー信号TEが0となるよう、対物レンズ114がトラッキング方向に移動される。続いて、上記式(3)のRF信号を参照しながら、光検出器117がZ軸方向に移動される。このとき、光検出器117の移動に応じて、4分割センサC1に照射されるBD光(信号光と迷光1、2)の焦点が変化し、かかる焦点の変化に応じて、RF信号の振幅が変化する。RF信号の振幅が所定の大きさとなるよう、光検出器117のZ軸方向の位置が、位置調整用のアームにより調整される。これにより、光検出器117は、Z軸方向において適正な位置に位置付けられる。
こうして、光検出器117の位置調整が終了すると、光検出器117は光ピックアップ装置1内に固定される。
次に、XY平面内における分光素子115の位置調整(XY調整)が行われる。ここで、分光素子115のX軸方向とY軸方向のずれ量を、それぞれ、HOEx、HOEyと表すと、HOEx、HOEyは、以下の式(6)、(7)の演算により取得することができる。
HOEx={(Bs3+Bs4)−(Bs1+Bs2)}
/(Bs1+Bs2+Bs3+Bs4) …(6)
HOEy={(Ba2+Ba3)−(Ba1+Ba4)}
/(Ba1+Ba2+Ba3+Ba4) …(7)
/(Bs1+Bs2+Bs3+Bs4) …(6)
HOEy={(Ba2+Ba3)−(Ba1+Ba4)}
/(Ba1+Ba2+Ba3+Ba4) …(7)
上記式(6)、(7)のHOEx、HOEyの値が0となるよう、分光素子115のX軸方向とY軸方向の位置が、位置調整用のアームにより調整される。これにより、分光素子115は、XY平面内において適正な位置に位置付けられる。
次に、Z軸方向における分光素子115の位置調整(Z調整)と、中心Oを中心とする回転方向における分光素子115の位置調整(θ調整)が行われる。ここで、センサBz1〜Bz4の検出信号を、それぞれ、Bz1〜Bz4と表し、分光素子115のZ軸方向のずれ量と、中心Oを中心とする回転方向のずれ量を、それぞれ、HOEz、HOEθと表すと、HOEz、HOEθは、以下の式(8)、(9)の演算により取得することができる。
HOEz={(Bz1+Bz4)−(Bz2+Bz3)}
/(Bz1+Bz2+Bz3+Bz4) …(8)
HOEθ={(Bz1+Bz2)−(Bz3+Bz4)}
/(Bz1+Bz2+Bz3+Bz4) …(9)
/(Bz1+Bz2+Bz3+Bz4) …(8)
HOEθ={(Bz1+Bz2)−(Bz3+Bz4)}
/(Bz1+Bz2+Bz3+Bz4) …(9)
上記式(8)のHOEzの値が0となるよう、分光素子115のZ軸方向の位置が、位置調整用のアームにより調整され、上記式(9)のHOEθの値が0となるよう、分光素子115の回転方向の位置が、位置調整用アームにより調整される。これにより、分光素子115は、Z軸方向と回転方向において適正な位置に位置付けられる。
こうして、分光素子115の位置調整が終了すると、分光素子115は光ピックアップ装置1内に固定される。
ここで、上記のように分光素子115のXY調整と、Z調整と、θ調整を円滑に行うために、通常、分光素子115が位置調整用のホルダに固定される。そして、位置調整用のアームは、この位置調整用のホルダを保持することにより分光素子115の位置を調整する。この場合、位置調整用のホルダのサイズが大きいと、ホルダの設置スペースが大きく
なり、これにより、光ピックアップ装置1が大型化するという問題が生じる。かかる問題を解消するために、本実施の形態では、位置調整用のホルダとして、以下に示すようなホルダLを用いる。
なり、これにより、光ピックアップ装置1が大型化するという問題が生じる。かかる問題を解消するために、本実施の形態では、位置調整用のホルダとして、以下に示すようなホルダLを用いる。
図5(a)、(b)は、ホルダLの構成を示す図である。なお、図5(a)、(b)には、図1(a)に示すXYZ軸が示されており、XYZ軸に対応して、便宜上、図5(a)、(b)内の向きを示す上下方向、左右方向、前後方向が併せて示されている。
図5(a)を参照して、ホルダLは、金属材料からなり、XY平面に平行な面を有する板部L1と、XZ平面に平行な面を有する板部L2を有する。板部L2は、板部L1の上端において、板部L1に対して垂直に延設されている。なお、本実施の形態では、板部L2は板部L1に対して垂直となっているが、板部L1、L2のなす角度は90度に限らず、90度から僅かにずれていても良い。請求項1に記載の“垂直”は、このように板部L1、L2のなす角度が90度から僅かにずれている場合も含むものである。
板部L1には、Z軸方向に貫通する孔L11が形成されている。孔L11を前後方向に見たときの大きさは、分光素子115の光入射面と光出射面よりも小さくなっている。孔L11の左側と上側には、それぞれ、YZ平面に平行な鍔部L12と、XZ平面に平行な鍔部L13が形成されている。鍔部L12、L13は、分光素子115をXY平面の面内方向において位置決めするためのものである。板部L2の前方には、上下方向に貫通する孔L21が形成されており、板部L2の後方には切欠L22が形成されている。
このようなホルダLに対して、図2に示す分光素子115の後方の面(Z軸正方向側の面)が、図5(b)に示すように、板部L1の前面(Z軸負方向側の面)に固定される。このとき、孔L11の左下と右上の近傍の板部L1の領域にUV接着剤が塗布される。続いて、分光素子115の後方の面の周辺部が、孔L11の周辺の板部L1の前方の面によって支持され、且つ、分光素子115の左側と右側の面が、それぞれ、鍔部L12、L13に支持されるようにして、分光素子115がホルダLに設置される。そして、塗布したUV接着剤が硬化するようにUV照射を行って、ホルダLに分光素子115が固定される。
位置調整用のアームによってホルダLが保持される場合、位置調整用のアームの先端に設けられた2つのピンが、板部L2の上側から、板部L2の孔L21と切欠L22に通される。また、位置調整用のアームの先端に設けられた吸引用の穴が、板部L2の上面にあり、且つ、孔L21と切欠L22の間の領域L2aを吸引する。領域L2aは、略平坦な面となっている。これにより、位置調整用のアームは、分光素子115が固定されたホルダLを安定して保持することができ、分光素子115は位置調整用のアームと一体的に動くようになる。
なお、切欠L22は、図5(a)に示すように、XZ平面内において、円弧状の部分と、直線状の部分とが合わせられた形状となっている。このため、位置調整用のアームの先端に設けられた2つのピンの間隔に公差がある場合でも、2つのピンが孔L21と切欠L22に適正に係合するため、位置調整用のアームは、ホルダLを安定して保持することができる。
図6(a)は、光ピックアップ装置1におけるホルダLの設置位置の近傍を示す図である。なお、図6(a)には、図1(a)に示すXYZ軸が示されており、XYZ軸に対応して、便宜上、図6(a)内の向きを示す上下方向、左右方向、前後方向が併せて示されている。
光ピックアップ装置1のハウジング(図示せず)には、種々の光学部品を設置するための支持体Hが形成されている。支持体Hは、XZ平面に対して平行な面である上面H1を有している。上面H1は、便宜上、ハッチングで示されている。また、支持体Hは、上面H1に対して下方(Y軸正方向)側に形成された収容部H10と、棚部H21、H22と、凹部H31、H32を有している。なお、アナモレンズ116と光検出器117は、それぞれ、棚部H21、H22の下方と、支持体Hの後方に位置付けられる。
図6(b)は、図6(a)の破線を通るXY平面によって、支持体Hを切断したときの断面を示す図である。図6(b)において、支持体Hの断面は、便宜上、斜線で示されており、アナモレンズ116の図示は省略されている。なお、半導体レーザ101、103から出射されるBD光、DVD光、CD光は、図6(b)の一点鎖線に示すように、孔H12をZ軸正方向に通過する。
図6(a)、(b)を参照して、収容部H10は、XY平面に平行な面である壁部H11と、壁部H11に設けられ支持体HをZ軸方向に貫通する孔H12と、XZ平面に平行な面である底面H13を有する。また、収容部H10のX軸方向の幅は、ホルダLの板部L1のX軸方向の幅よりも大きく、収容部H10のZ軸方向の幅は、板部L1に分光素子115が固定されたときのZ軸方向の幅よりも大きく、上面H1と底面H13とのY軸方向の幅は、板部L1の下端と板部L2の上面とのY軸方向の幅よりも大きい。
棚部H21、H22は、それぞれ、XZ平面に平行な状態から下方向に僅かに傾けられた面である。棚部H21と棚部H22の境界である境界線H23は、孔H12の中心をZ軸方向に貫通する直線と、Y軸方向において略重なっている。棚部H21の左端と棚部H22の右端とのX軸方向の幅は、板部L2のX軸方向の幅よりも大きい。また、棚部H21、H22の後端と収容部H10の前端とのZ軸方向の幅は、板部L2のZ軸方向の幅よりも大きい。
凹部H31、H32は、それぞれ、棚部H21の左側と棚部H22の右側に形成されている。凹部H31、H32の底面は、上面H1よりも下方に、且つ、棚部H21、H22よりも上方に形成されている。
図6(a)、(b)に示すように形成された支持体Hに対して、図5(b)に示すように一体とされた分光素子115とホルダLが設置される。このとき、分光素子115が固定されたホルダLが、上述のように位置調整用のアームにより保持されながら、ホルダLの板部L1と、板部L1に固定された分光素子115とが、上方から収容部H10に収容される。これにより、ホルダLの孔L11と、分光素子115が収容部H10の孔H12の前方に位置付けられ、ホルダLの板部L2が、棚部H21、H22の上方に位置付けられる。
図7(a)は、位置調整用のアームにより、分光素子115が固定されたホルダLが設置位置の近傍に位置付けられた状態を示す図である。このとき、上述したように、孔L21と切欠L22には、位置調整用のアーム先端に設けられた2つのピンが通され、領域L2aは、位置調整用のアームの先端に設けられた吸引用の穴により吸引されている。なお、図7(a)では、位置調整用のアームに関する機構の図示は、便宜上、省略されている。
図7(a)に示すように、位置調整用のアームにより、分光素子115が固定されたホルダLが、支持体Hに対して位置付けられると、上述したように、まず、光検出器117のXY調整とZ調整が行われ、光検出器117が光ピックアップ装置1内に固定される。
次に、上記式(6)、(7)のHOEx、HOEyの値が0となるよう、分光素子115のX軸方向とY軸方向の位置が、位置調整用のアームにより調整される。続いて、上記式(8)のHOEzの値が0となるよう、分光素子115のZ軸方向の位置が、位置調整用のアームにより調整され、上記式(9)のHOEθの値が0となるよう、分光素子115の回転方向の位置が、位置調整用アームにより調整される。なお、図6(b)に示すように、棚部H21、H22のなす角度が180度よりも僅かに大きく設定されている。このため、分光素子115の回転方向の位置調整において、棚部H21、H22のなす角度が180度に設定されている場合に比べて、分光素子115の回転方向の調整を容易に行うことができる。
こうして、分光素子115の位置調整が終了すると、板部L2の左端と凹部H31に跨るようにUV接着剤が塗布され、板部L2の右端と凹部H32に跨るようにUV接着剤が塗布される。そして、塗布したUV接着剤が硬化するようにUV照射を行って、図7(b)に示すように、支持体HにホルダLが固定される。このとき、板部L2の上面は、上面H1よりも下に位置付けられている。こうして、分光素子115が固定されたホルダLの光ピックアップ装置1内における設置が完了する。
<実施の形態の効果>
本実施の形態によれば、以下の効果が奏され得る。
本実施の形態によれば、以下の効果が奏され得る。
分光素子115が固定されたホルダLが、図7(a)に示すように支持体Hに対して位置付けられ、分光素子115の位置調整が行われた後、図7(b)に示すように支持体Hに対して接着剤により固定される。このとき、図7(b)に示すように、接着剤を板部L2の左端と右端に対して広く塗布することができるため、ホルダLを支持体Hに対して確実に接着固定することができる。また、ホルダLは、板部L2が板部L1に対して延設されて形成されているため、ホルダLの設置スペースを小さく抑えることができる。これにより、板部L1、L2によって挟まれた領域を、たとえば図6(a)に示すようにアナモレンズ116を配する等、有効に利用することができる。その結果、光ピックアップ装置1の小型化を図ることができる。
また、位置調整用のアームが板部L2を保持する際に、位置調整用のアームの先端に設けられた2つのピンが、孔L21と切欠L22に通され、位置調整用のアームの先端に設けられた吸引用の穴が、孔L21と切欠L22の間の領域L2aを吸引する。板部L2の上面は広いため、領域L2aを広く確保することができ、領域L2aに対する吸引動作を円滑かつ効果的に行うことができる。これにより、位置調整用のアームは、分光素子115が固定されたホルダLを容易に保持することができる。
また、このとき、吸引される領域L2aが、孔L21と切欠L22の間に位置しているため、位置調整用のアームによる保持中に、ホルダLがずれてしまうことを抑制することができる。
また、位置調整用のアームが、Y軸負方向側から板部L2を保持することにより、分光素子115の位置調整が行われる。これにより、位置調整時に使用するBD光が、位置調整用のアームにより遮られることなく、分光素子115を透過し孔L11を通過することができるため、分光素子115の位置調整を円滑に行うことができる。
また、図7(b)に示すように、孔L21と切欠L22の並び方向と、2つの接着剤の塗布領域の並び方向とが、略直交するように、互いに交差しているため、孔L21と切欠L22に位置調整用のアームのピンを通した状態で、板部L2の上面に接着剤を円滑に塗布することができる。
また、図5(a)に示すように、板部L1の前面に、孔L11を囲むように、互いに垂直な2つの鍔部L12、L13が形成されているため、分光素子115の左側面と上側面をそれぞれ鍔部L12、L13に押し当てることにより、ホルダLに対して分光素子115を、簡易かつ精度良く、位置決めすることができる。
また、図6(b)に示すように、棚部H21、H22のなす角度が180度よりも僅かに大きく設定されているため、回転方向における分光素子115の位置調整(θ調整)において、棚部H21、H22のなす角度が180度に設定されている場合(棚部H21、H22が同一平面上に形成されている場合)に比べて、分光素子115のθ調整を容易に行うことができる。
<変更例>
以上、本発明の実施の形態について説明したが、本発明は、上記実施の形態に何ら制限されるものではなく、また、本発明の実施の形態も上記以外に種々の変更が可能である。
以上、本発明の実施の形態について説明したが、本発明は、上記実施の形態に何ら制限されるものではなく、また、本発明の実施の形態も上記以外に種々の変更が可能である。
たとえば、上記実施の形態では、図5(a)に示すように、板部L1に孔L11が形成され、孔L11の左側と上側には、位置決め用の鍔部L12、L13が形成された。しかしながら、これに限らず、鍔部L12、L13は形成されなくても良い。また、孔L11の形状は、図5(a)に示す形状に限らず、XY平面内において円形状または矩形形状であっても良い。また、孔L11の替わりに、板部L1に光が通過するための切欠が形成されていても良い。
また、上記実施の形態では、図5(a)に示すように、位置調整用のアームの2つのピンが通される孔L21と切欠L22が、領域L2aを挟んで板部L2の前方と後方に形成された。しかしながら、切欠L22に替えて、板部L2を貫通する孔が形成されても良い。また、孔および切欠、または、2つの孔が、領域L2aの左側と右側に形成されても良い。また、孔と切欠の位置は上記に限定されるものではなく、たとえば、孔および切欠が、板部L2の向かい合う2つの頂角の近傍にそれぞれ形成されても良い。この場合、他の向かい合う2つの頂角の近傍に接着剤が塗布されることになる。なお、ピンが通される2つの孔または切欠の間の距離が大きいと、位置調整用のアームはより安定してホルダLを保持することができる。
また、上記実施の形態では、ホルダLに保持された状態で位置調整が行われる光学素子は、分光素子115に限らず、1/2波長板102や光検出器117等、光学系を構成する他の光学部材であっても良い。
また、上記実施の形態では、BD光を出射する半導体レーザ101と、DVD光とCD光を出射する半導体レーザ103が用いられたが、これに替えて、BD光と、DVD光と、CD光を出射する半導体レーザが用いられても良い。この場合、BD光の進行方向のみを曲げてBD光の光軸をDVD光の光軸に一致させるための回折光学素子(DOE)118が、たとえば、分光素子115とアナモレンズ116との間に設置される。これにより、各光の照射領域が、図3および図4と同様に分布するようになる。
図8は、DOE118が用いられる場合の、分光素子115とDOE118の設置位置の近傍を示す図である。
分光素子115とDOE118は、何れも、上記実施の形態と同様、ホルダLに固定された後、支持体Hに設置される。分光素子115が固定されたホルダLが支持体Hに設置される部分と、DOE118が固定されたホルダLが支持体Hに設置される部分は、XY
平面に対して対称に形成されている。また、支持体Hには、分光素子115が設置される収容部H10と、DOE118が設置される収容部H10をZ軸方向に繋ぐ孔H2が形成されている。
平面に対して対称に形成されている。また、支持体Hには、分光素子115が設置される収容部H10と、DOE118が設置される収容部H10をZ軸方向に繋ぐ孔H2が形成されている。
この場合の位置調整の工程では、まず、分光素子115と、光検出器117と、DOE118を除く光学素子が、光ピックアップ装置1内にセットされる。続いて、光検出器117と、分光素子115が固定されたホルダLと、DOE118が固定されたホルダLが、それぞれ位置調整用のアームに保持され、対応する設置位置に位置付けられる。
次に、CD光のみを発光させた状態で、上記実施の形態と同様、光検出器117のXY調整が行われる。続いて、BD光のみを発光させた状態で、分光素子115によって回折されずに分光素子115を透過したBD光(0次回折光)が、DOE118による回折により、CD用の4分割センサC1の中央に照射されるよう、DOE118のZ調整とθ調整が行われる。DOE118の位置が決定すると、上記実施の形態と同様、凹部H31、H32の近傍にUV接着剤が塗布され、DOE118が固定される。続いて、BD光のみを発光させた状態で、上記実施の形態と同様、分光素子115の位置調整が行われる。分光素子115の位置が決定すると、上記実施の形態と同様、凹部H31、H32の近傍にUV接着剤が塗布され、分光素子115が固定される。
このように、分光素子115とDOE118の両方をホルダLに固定して、ホルダLを介して位置調整を行う場合も、分光素子115とDOE118を支持体Hに対して確実に接着することができ、光ピックアップ装置1を小型化することができる。また、位置調整用のアームは、分光素子115とDOE118が固定されたホルダLを容易に保持することができる。
この他、本発明の実施の形態は、特許請求の範囲に示された技術的思想の範囲内において、適宜、種々の変更が可能である。
1 … 光ピックアップ装置
101 … 半導体レーザ(レーザ光源、光学系)
102 … 1/2波長板(光学系)
105 … ダイクロイックミラー(光学系)
106 … PBS(光学系)
108 … コリメータレンズ(光学系)
110 … 1/4波長板(光学系)
112 … 立ち上げミラー(光学系)
114 … 対物レンズ(光学系)
115 … 分光素子(光学系、光学素子)
116 … アナモレンズ(光学系)
117 … 光検出器(光学系)
H … 支持体(設置部)
H21、H22 … 棚部(傾斜面)
L … ホルダ
L1 … 板部(第1の面)
L2 … 板部(第2の面)
L2a … 領域
L11 … 孔(光通過部)
L12、L13 … 鍔部
L21 … 孔(被保持部)
L22 … 切欠(被保持部)
101 … 半導体レーザ(レーザ光源、光学系)
102 … 1/2波長板(光学系)
105 … ダイクロイックミラー(光学系)
106 … PBS(光学系)
108 … コリメータレンズ(光学系)
110 … 1/4波長板(光学系)
112 … 立ち上げミラー(光学系)
114 … 対物レンズ(光学系)
115 … 分光素子(光学系、光学素子)
116 … アナモレンズ(光学系)
117 … 光検出器(光学系)
H … 支持体(設置部)
H21、H22 … 棚部(傾斜面)
L … ホルダ
L1 … 板部(第1の面)
L2 … 板部(第2の面)
L2a … 領域
L11 … 孔(光通過部)
L12、L13 … 鍔部
L21 … 孔(被保持部)
L22 … 切欠(被保持部)
Claims (8)
- 光学素子と、
前記光学素子を保持するとともに設置部に接着固定されるホルダと、を備え、
前記ホルダは、
前記光学素子を取り付けるための第1の板部と、
前記第1の板部に対して垂直に延設された第2の板部と、を備える板状部材からなっており、
前記第1の板部には、前記光学素子を透過した光が通過するための光通過部が形成され、
前記ホルダは、前記第2の板部が、前記設置部を覆う状態で前記設置部に接着されることにより、前記設置部に固定される、
ことを特徴とする光学素子の取付構造。 - 請求項1に記載の光学素子の取付構造において、
前記第2の板部の上面には、位置調整機により吸引されるための領域が設けられており、
前記ホルダは、前記位置調整機により前記領域が吸引されることにより、前記設置部に設置される、
ことを特徴とする光学素子の取付構造。 - 請求項2に記載の光学素子の取付構造において、
前記第2の板部には、2つの被保持部が形成されており、
前記領域は、前記2つの被保持部の間に位置する、
ことを特徴とする光学素子の取付構造。 - 請求項3に記載の光学素子の取付構造において、
前記第2の板部は、当該第2の板部の端縁の2つの接着領域に接着剤が塗布されることにより、前記設置部に接着され、
前記2つの被保持部の並び方向が、前記2つの接着領域の並び方向と交差する、
ことを特徴とする光学素子の取付構造。 - 請求項1ないし4の何れか一項に記載の光学素子の取付構造において、
前記光通過部は、前記第1の板部に形成された孔である、
ことを特徴とする光学素子の取付構造。 - 請求項1ないし5の何れか一項に記載の光学素子の取付構造において、
前記第1の板部の前記光学素子が装着される面には、前記光通過部を囲むように、互いに垂直な2つの鍔部が形成されており、
前記2つの鍔部は、前記面に対して垂直に突出している、
ことを特徴とする光学素子の取付構造。 - 請求項1ないし6の何れか一項に記載の光学素子の取付構造において、
前記設置部には、2つの傾斜面が形成され、
前記2つの傾斜面のなす角度は、180度より大きくなっている、
ことを特徴とする光学素子の取付構造。 - 請求項1ないし7の何れか一項に記載の光学素子の取付構造と、
レーザ光源から出射されたレーザ光をディスク上に収束させると共に、前記ディスクによって反射された前記レーザ光を光検出器に導く光学系と、
前記設置部と、を備え、
前記光学素子は、前記光学系に含まれ、前記取付構造によって前記設置部に取り付けられる、
ことを特徴とする光ピックアップ装置。
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