JP2014021006A - リニア弁における自励振動の検出方法 - Google Patents
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Abstract
【解決手段】リニア弁10に連通する油圧回路25における油圧を検出するための圧力センサ31と、リニア弁20に自励振動を生じさせるための手段である自励振動発生手段たる自励振動発生部20と、を備える、リニア弁10に生じる自励振動を検出するための自励振動検出システム1を用いて、自励振動発生部20により、リニア弁10に自励振動を生じさせたときの油圧回路25における油圧変動ΔPを、圧力センサ31により測定し、圧力センサ31により測定した油圧変動ΔPの測定結果に基づいて、リニア弁10における自励振動の発生を検出する。
【選択図】図6
Description
例えば、車両の静粛性を阻害する要因としては、電子制御ブレーキにおいて油圧の調整に使用されるリニア弁から発生する音があることが知られている。
より詳しくは、車両の運転中に急ブレーキをかけると、リニア弁において自励振動が生じる場合があり、そして、リニア弁において生じる自励振動に起因して振動音が生じることが知られている。
このため、電子制御ブレーキにおいて使用するリニア弁に対しては、リニア弁単体で、自励振動が生ずるか否かの検査を行い、自励振動が生じないと判断されたリニア弁のみを使用するようにしている。
このため、録音データ(即ち、音)に因らずに、精度よく自励振動の発生の有無を判断できる技術の開発が望まれている状況であった。
まず始めに、本発明の一実施形態に係るリニア弁における自励振動の検出方法を実現するためのシステムについて、図1および図2を用いて説明をする。
図1に示す自励振動検出システム1は、リニア弁10における自励振動の発生の有無を検出するためのシステムであり、自励振動発生部20、油圧検出部30、作動音検出部40等を備えている。
ここでいう作動油を供給する「所定の条件」とは、その「所定の条件」で作動油を供給すれば、使用に適さない(排除すべき不合格品の)リニア弁10においては自励振動が生じ、使用に適した(合格品の)リニア弁10においては、自励振動が生じない条件となっている。
図2に示す如く、油圧回路25は、リニア弁10およびブレーキキャリパー23に対して作動油を供給する往き側の回路(図2中に示す実線)と、リニア弁10から油圧ポンプ21およびリザーバタンク24に作動油を戻す還り側の回路(図2中に示す破線)があり、往き側の回路上の調圧用リニア弁22で、作動油の供給圧力を調整する構成としている。
尚、油圧Pyは、油圧検出部30における圧力センサ31によって、測定している。
そして、この状態から、調圧用リニア弁22を急激に「開」(略全開)にすることで、リニア弁10を通過する作動油の油圧勾配が急峻に上昇するようにして、リニア弁10に自励振動を生じさせる構成としている。
そして、図3に示すように、作動音の測定データからは、自励振動が発生しているときの音の振幅から音圧Lを求めることができ、また、油圧の測定データからは、自励振動が発生しているときの油圧の振幅から油圧変動ΔPを求めることができる。
即ち、図4に示す相関を用いれば、油圧変動ΔPの測定結果から、そのときにリニア弁10で生じる作動音の大きさ(音圧L)を求めることができる。
従来、音(即ち、音圧L)に基づいて、自励振動の有無を判断していたが、このときの音圧Lの閾値は、60dB以下としており、音圧Lが60dB以下であれば、そのリニア弁10では自励振動が生じないものと判断し、音圧Lが60dBを超えていれば、そのリニア弁10では自励振動が生じるものと判断していた。
このため、図4に示す音圧Lと油圧変動ΔPとの相関に基づいて、音圧Lの閾値に代わる油圧変動ΔPの閾値として、0.036MPa以下とする条件を取得した。
これにより、本発明の一実施形態に係るリニア弁10における自励振動の検出方法では、音の測定データに因らず、油圧変動ΔPの測定データに基づき、油圧変動ΔPが0.036MPa以下であるか否かによって、リニア弁10における自励振動の発生の有無を判断することができるようになった。
そして、自励振動が生じるか否かは、油圧変動ΔPから図3に示す相関に基づいて判断できるため、作動音検出部40は、実際にリニア弁10における自励振動の有無を検査する段階においては、使用しない。
リニア弁10は、該リニア弁10におけるソレノイドへの通電量(電流値)に応じて、開度を調整することができるものであり、負荷を作動させるために必要な油圧(ホイールシリンダ圧力)を生じさせるように、開度を調整して使用する。
そして、油圧変動ΔPは、このようなホイールシリンダ圧を略中心とした振幅における油圧の最小値と最大値から算出するようにしている。
またホイールシリンダ圧よりも低圧側においてホイールシリンダ圧との圧力差が0.018Mpa未満となるものをPBとして収集する。
また、算出した油圧変動ΔPが、閾値0.036MPaを超えていれば(即ち、ΔP>0.036)、そのリニア弁では自励振動が生じるものと判断するようにしている。
図6に示す如く、リニア弁10における自励振動の発生の有無を検査する工程では、まず、油圧ポンプ21を作動させて、油圧回路25における油圧Pxを上昇させる。
尚、図7(a)に示す如く、油圧ポンプ21の作動によって、油圧Pxがホイールシリンダ圧(18MPa)に到達するとき、図7(c)に示すように、調圧用リニア弁22は「閉」となっている。
尚、本実施形態では、リニア弁10のソレノイドに0.8Aの電流値で通電することで、リニア弁10を中間開度に保持する構成としている。
尚、本実施形態では、調圧用リニア弁22のソレノイドに1.5Aの電流値で通電することで、リニア弁10を急激に略全開にする構成としている。
尚、ここでの油圧勾配を、10〜40MPa/sec程度とし、急峻に油圧Pyを上昇させることによって、リニア弁10において、自励振動を発生させることができる。
そして、このときの各油圧の任意の測定値Pkのうち、Pk>P0+0.018を満足する測定値を、格納値PAとして格納する。
格納値PAは、既に格納されている測定値よりも大きい値である場合のみ、格納値を更新していき、最終的にPk>P0+0.018を満足する測定値のうちの最大値が、PAに格納されるようにする。
格納値PBは、既に格納されている測定値よりも小さい値である場合のみ、格納値を更新していき、最終的にPk<P0−0.018を満足する測定値のうちの最小値が、PBに格納されるようにする。
そして、予め設定しておいた測定時間(サンプリング数)が経過するまで(即ち、検査終了時刻Tnに至るまで)油圧の測定を継続する。
そして、この油圧変動ΔPに基づいて、そのリニア弁10が自励振動の生じるものであるか否かの判断を行うようにしている。
このため、本発明の一実施形態に係るリニア弁における自励振動の検査方法では、リニア弁10の周囲に存在する音が外乱となって、自励振動が発生するか否かの判断が妨げられることがない。
また、本発明の一実施形態に係るリニア弁10における自励振動の検出方法は、自励振動発生部20により、リニア弁10に自励振動を生じさせたときのリニア弁10の作動音を予め測定すると同時に、そのときの油圧回路25における油圧変動ΔPを予め測定し、作動音(即ち、音圧L)と油圧変動ΔPの相関関係(即ち、図3)を予め算出しておき、油圧変動ΔPの測定結果から、音圧Lと油圧変動ΔPとの相関関係(即ち、図3)に基づいて、リニア弁10における自励振動の発生を検出するものである。
このような構成により、リニア弁10の周囲に存在する音等の外乱の影響を排除でき、精度よく自励振動が発生したことを検出することができる。
10 リニア弁
20 自励振動発生部
21 油圧ポンプ
22 調圧用リニア弁
25 油圧回路
30 油圧検出部
31 圧力センサ
Claims (2)
- リニア弁に連通する油圧回路における油圧を検出するための圧力センサと、
前記リニア弁に自励振動を生じさせるための手段である自励振動発生手段と、
を備える、前記リニア弁に生じる自励振動を検出するための自励振動検出システムを用いて、
前記自励振動発生手段により、前記リニア弁に自励振動を生じさせたときの前記油圧回路における前記油圧の変動を、前記圧力センサにより測定し、
前記圧力センサにより測定した前記油圧の変動の測定結果に基づいて、前記リニア弁における自励振動の発生を検出する、
ことを特徴とするリニア弁における自励振動の検出方法。 - 前記自励振動発生手段により、前記リニア弁に自励振動を生じさせたときの前記リニア弁の作動音を予め測定すると同時に、
そのときの前記油圧回路における油圧の変動を予め測定し、
前記作動音と前記油圧の変動の相関関係を予め算出しておき、
前記油圧の変動の測定結果から、前記作動音と前記油圧の変動との相関関係に基づいて、前記リニア弁における自励振動の発生を検出する、
ことを特徴とする請求項1に記載のリニア弁における自励振動の検出方法。
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